JP3970675B2 - クランクシャフト用誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトを回転させながら全てのピン部又はジャーナル部の外周面を同時に誘導加熱するクランクシャフト用誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多気筒エンジン等のクランクシャフトの各ピン部等の外周面に円周方向に沿って所定の硬化層を形成しようとする場合、以下のようなクランクシャフト用誘導加熱装置を利用するのが一般的である。
【0003】
同装置は、クランクシャフトのピン部等の上に跨がる誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルに与える電力を生成する高周波電源と、高周波電源と誘導加熱コイルとの間に接続されるカレントトランスと、クランクシャフトの回転角度に応じて誘導加熱コイルに与える電力を各々調整する電力バランス手段等を有した基本構成となっている。具体的な従来例としては、特公昭61−887号公報に開示されたもの(これを第1の従来例とする)、特開2000−129360号公報に開示されたものがある(これを第2の従来例とする)。
【0004】
同装置において電力バランス手段が必要不可欠であるのは次のような理由に基づいている。クランクシャフトはピン部の両側にジャーナル部が連結された構造となっている。そのため、クランクシャフトを回転させてピン部を公転運動させる過程で、ピン部が下死点付近に位置したときには、誘導加熱コイルがジャーナル部の間に挟まれる形になり、ヒートマスが極端に大きくなる。よって、誘導加熱コイルに与える電力をクランクシャフトのピン部の位置に関係なく一定にすると、ピン部の外周面に均一な硬化層を形成することが困難になり、これを是正するために電力バランス手段が備えられている。
【0005】
第1の従来例の電力バランス手段は、コイル内に挿入されるコアの挿入量に応じてインダクタンスが可変可能な構造の可変リアクトルが用いられており、これが誘導加熱コイルとカレントトランスとの間に接続されている。即ち、クランクシャフトの回転角度又はピン部の位置に応じて可変リアクトルのコアを移動させ、当該誘導加熱コイルに与える電力を調整するようになっている。
【0006】
一方、第2の従来例の電力バランス手段としては高周波可変出力電源が用いられている。即ち、クランクシャフトの回転角度を検出し、この検出結果に基づいて高周波可変出力電源を制御し、これにより誘導加熱コイルに与える電力を調整するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来例による場合、高周波電源が1台で良いものの、可変リアクトルに流れる電流が大きいことから、大型の可変リアクトルを用いることが必要になり、これに伴って装置全体がコスト高になるという問題がある。
【0008】
一方、第2の従来例による場合、例えば、4気筒用クランクシャフトについては2台の高周波可変出力電源が必要になり、6気筒用クランクシャフトについては3台の高周波可変出力電源が必要になる。もっとも、クランクシャフトのピン部を一度に誘導加熱せず複数回に分けて処理するようにすると、1台の高周波可変出力電源で良いことになるが、誘導加熱処理の効率化を図ることは非常に困難になる。
【0009】
本発明は上記した背景の下で創作されたものであり、その主たる目的とするところは、高周波電源が1台でありながらクランクシャフトの全てのピン部等の外周面を同時に誘導加熱することが可能なクランクシャフト用誘導加熱装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るクランクシャフト用誘導加熱装置はクランクシャフトを回転させながら全てのピン部及び/又はジャーナル部の外周面を誘導加熱する装置であって、クランクシャフトのピン部及び/又はジャーナル部の上に各々配置される誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルの前段に各々設けられたカレントトランスと、カレントトランスの前段に各々並列接続された力率補償コンデンサと、誘導加熱コイルに供給すべき高周波電力を生成する共通の高周波電源が接続される高周波電力入力端子と、高周波電力入力端子と力率補償コンデンサとの間に各々設けられており且つ少なくとも可変リアクトルを用いて誘導加熱コイルに印加すべき電圧を各々変化させる電圧可変回路と、クランクシャフトの回転角度を検出するための検出部と、クランクシャフトのピン部及び/又はジャーナル部の外周面を円周方向に所定の加熱パターンで各々誘導加熱するために検出部の検出結果に応じて可変リアクトルのインダクタンスを各々調整する電力制御部とを具備している。電圧可変回路については、高周波電力入力端子の一端と力率補償コンデンサの一端との間に設けられた可変リアクトルと、前記力率補償コンデンサの両端に前記可変リアクトルを介して並列接続された共振コンデンサとを有した構成となっている。
【0011】
ここでいうクランクシャフトの代表的な例としては、配置上の位相が互いに異なるピン部を有した構造となっているものがある。可変リアクトルについては、コイルに挿入される磁性体部材の挿入量に応じてインダクタンスが可変可能な構造のものを用いると良い。
【0012】
より好ましくは、高周波電力入力端子と誘導加熱コイルとの間の電気的接続を各々開閉する開閉器を備えるようにし、電力制御部により開閉器の開閉を制御するようにしても良い。この場合の電力制御部は、クランクシャフトのピン部の誘導加熱を行うに当たり全てのピン部における加熱開始時の位置をいずれも一定にするために前記検出部の検出結果に応じて前記開閉器の開閉を順次的に切り換える機能を有した構成のものを用いることが望ましい。また、クランクシャフトのピン部の誘導加熱を行うに当たり全てのピン部における加熱終了時の位置をいずれも一定にするために前記検出部の検出結果に応じて前記開閉器の開閉を順次的に切り換える機能を有した構成のものを用いることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はクランクシャフト用誘導加熱装置の電源回路を中心とした部分的構成図、図2は同装置の電力制御部を中心とした部分的構成図、図3は同装置の可変リアクトルの概略構成図で、図4は同装置の開閉器の内部回路の例を示す図である。
【0014】
ここに掲げるクランクシャフト用誘導加熱装置は、図2に示すV型6気筒のクランクシャフト100を対象としており、誘導加熱コイル10a〜10fをピン部110a〜110fの上に各々配置した状態で、クランクシャフト100を回転させて、これによりピン部110a〜110fを誘導加熱コイル10a〜10fとともに公転運動させると、この過程でピン部110a〜110fの外周面を同時に誘導加熱するようになっている。その後、図外のワーク移動機構によりクランクシャフト10を若干移動させて、誘導加熱コイル10a〜10fをジャーナル部120a〜120dの上に配置し、この状態でピン部110a〜110fの場合と同様にジャーナル部120a〜120dの外周面を同時に誘導加熱するようになっている。
【0015】
なお、図中300はクランクシャフト100を回転させるモータであり、310、320はクランクシャフト100の両側を各々軸支する軸受である。
【0016】
誘導コイル10a〜10fについては、クランクシャフト100のピン部110a〜110f及びジャーナル部120a〜120dの上に各々配置され、ここでは半開放鞍型コイルを用いており、カレントトランス20a〜20fの下面に各々取り付けられている。
【0017】
カレントトランス20a〜20fについては、誘導加熱コイル10a〜10fの前段に各々設けられており、ここではディスク型のものを用いている。
【0018】
カレントトランス20a〜20fは重量が大きいことから、誘導加熱コイル10a〜10f等とともに図外のワイヤ・スプリング機構により各々吊り下げられており、これにより誘導コイル10a〜10fを含めた全自重がクランクシャフト10のピン部110a〜110f等に直接に作用しないようになっている。
【0019】
図中200は誘導コイル10a〜10fに供給すべき高周波電力を生成する共通の高周波電源である。高周波電源200により生成された高周波電力についはて電源回路A、カレントトランス20a〜20fを順次的に介して誘導加熱コイル10a〜10fに各々供給されるようになっている。
【0020】
同装置の最も大きな特徴は、クランクシャフト100について配置上の位相(ここでは60°)が互いに異なるピン部110a〜110fを有する構造であるにもかかわらず、1台の高周波電源200でもって全てのピン部110a〜110f又はジャーナル部120a〜120dの外周面を円周方向に所定の加熱パターンで同時に誘導加熱することができるという点である。その具体的な構成は以下の通りである。
【0021】
同装置は、図1に示すように誘導コイル10a〜10f及びカレントトランス20a〜20fに加えて、カレントトランス20a〜20fの前段に各々並列接続された力率補償コンデンサ30a〜30fと、高周波電源200が接続される高周波電力入力端子60と、高周波電力入力端子60と力率補償コンデンサ30a〜30fとの間に各々設けられており且つ可変リアクトル41a〜41fと共振コンデンサ42a〜42fを用いて誘導加熱コイル10a〜10fに印加すべき電圧を各々変化させる電圧可変回路40a〜40fと、高周波電力入力端子60と誘導コイル10a〜10fとの間の電気的接続を各々開閉する開閉器50a〜50fと、図2に示すようにクランクシャフト100の回転角度を検出するための検出部70と、検出部70の検出結果に応じて可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを各々調整するとともに開閉器50a〜50fの開閉を各々制御する機能を有した電力制御部80とを具備している。なお、図2中に示された電源回路Aは、図1で示す開閉器50a〜50f、電圧可変回路40a〜40f及び力率補償コンデンサ30a〜30fからなる回路ブロックである。以下、各構成部について詳しく説明する。
【0022】
電圧可変回路40a〜40fは、高周波電力入力端子60の一端と力率補償コンデンサ30a〜30fの一端との間に設けられた可変リアクトル41a〜41fと、力率補償コンデンサ30a〜30fの両端に可変リアクトル41a〜41fを介して並列接続された共振コンデンサ42a〜42fとを有した構成となっている。即ち、可変リアクトル41a〜41fと力率補償コンデンサ30a〜30fとからなるLC回路と、力率補償コンデンサ30a〜30fとカレントトランス20a〜20f等とを含めて、並列共振回路が各々構成されている。
【0023】
可変リアクトル41aについては、ここでは図3に示すようにコイル411aに挿入される磁性体部材412aの挿入量に応じてインダクタンスが可変可能な構造のものを用いている。磁性体部材412aの材質については、ファライト、珪素鋼、銅、アルミ等を適宜用いると良い。即ち、強磁性体や常磁性体のものだけでなく、銅等の反磁性体のものを用いてもかまわない。これらの材質からなる棒状体を1本又は複数本束ねて磁性体部材412aを作製している。また、磁性体部材412aには、電力制御部80から出力された信号に基づいて動作する図外の直線移動機構(例えば、シリンダ機構やボールネジ機構等)が連結され、同機構によりコイル411aに挿入される磁性体部材412aの挿入量が変化するようになっている。
【0024】
可変リアクトル41b〜41fについても可変リアクトル41aと全く同一である。即ち、可変リアクトル41a〜41fの各インダクタンスは、電力制御部80から出力された各信号に基づいて別々に調整されるようになっている。
【0025】
開閉器50a〜50fについては電磁リレー又は双方向性半導体スイッチを用いており、電力制御部80から出力される信号に基づいて別々にオンオフ動作をするようになっている。ただ、電磁リレーを用いる場合には、図4に示すような2つの接点回路を有するものを用いると良い。即ち、図中上側の接点回路の接点を最初に開閉させ、このとき発生する突入電流を同回路に含まれる抵抗により吸収し、所定時間経過後に図中下側の設定回路の接点を開放させるようにする。
【0026】
検出部70についてはレゾルバ等のエンコーダ等を用いている。モータ300のシャフト等に連結されており、クランクシャフト100の回転角度を電気信号に変換して電力制御部80に出力するようになっている。
【0027】
電力制御部80については同装置の全体を制御するシーケンサ又はマイクロコンピュータである。所定のシーケンスプログラムに従って、モータ300や図外のワーク移動機構を動作させる他、クランクシャフト100のピン部110a〜110f等の外周面を円周方向に所定の加熱パターンで各々誘導加熱するために検出部70の出力信号に応じて可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを各々調整するようになっている(これを第1の機能とする)。また、クランクシャフト100のピン部110a〜110fの誘導加熱を行うに当たり全てのピン部110a〜110fにおける加熱開始時及び加熱終了時の位置をいずれも一定にするために検出部70の出力信号に応じて開閉器50a〜50fの開閉を順次的に切り換えるようになっている(これを第2の機能とする)。
【0028】
まず、第1の機能について説明する。クランクシャフト100のピン部110a〜110fの外周面を円周方向にR焼入れをして均等な深さの硬化層を形成するには、ピン部110a〜110fが下死点付近にある場合と上死点付近にある場合とでは誘導加熱コイル10a〜10fに与える各電力、即ち、可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを個別に変化させることが必要になる。
【0029】
そこでクランクシャフト20の回転角度と可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスとの最適な対応関係を予め求めておき、これをデータテーブルとして電力制御部80内のメモリに記録しておく。そして、検出部70によりクランクシャフト100の回転角度が検出されると、電力制御部80は、当該検出結果に応じて上記データテーブルを参照して可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを各々求めるとともに、求められた通りに可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを各々調整する。すると、結果として、クランクシャフト20のピン部110a〜110fの外周面に円周方向に沿って所定の硬化層が形成されることになる。
【0030】
もっとも、フラット焼入ではなく、フィレット焼入を行う場合、最終T.I.R を最小にするため円周方向に不均一な硬化層を敢えて形成することが必要になることから、このような焼入れ等に備えて、電力制御部80内のメモリには別のデータテーブルを複数種予め用意している。即ち、スイッチパネル等である入力部81を通じてフラット焼入を含めたこれらの焼入れの仕様が設定されると、電力制御部80は当該仕様に対応したデータテーブルを参照して当該焼入の仕様に応じた適切な電力制御を行うようになっている。
【0031】
クランクシャフト20のジャーナル部120a〜120dの外周面を円周方向に誘導加熱する際には、ジャーナル部120a〜120dがピン部110a〜120gとは異なり公転運動しないことから、クランクシャフト100の回転角度に応じて誘導加熱コイル10a〜10fに与える各電力、即ち、可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを個別に変化させることは基本的に不要である。ところが、ジャーナル部120a〜120dをフラット焼入れではなく、フィレット焼入れ等をする際には、ピン部110a〜110fの場合と同様に円周方向に不均一な硬化層を敢えて形成することが必要になる場合がある。
【0032】
このことからジャーナル部120a〜120dの焼入れを行う場合においても、電力制御部80内のメモリにピン部110a〜120fの場合と同様なデータベースを予め用意している。そして、入力部81を通じてフィレット焼入等の仕様が設定されたときには、電力制御部80は、ピン部110a〜120fの場合と全く同様に当該データベースを参照して可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを各々求めるとともに、求められた通りに可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスを各々調整するようにしている。
【0033】
次に第2の機能について説明する。クランクシャフト100のピン部110a〜110fの外周面を誘導加熱する際には、電力制御部80の第1の機能により、ピン部110a〜110fが下死点付近の位置にあるときには、誘導加熱コイル10a〜10fに与える各電力が最大(可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスが最小)になる一方、上死点付近の位置にあるときには、誘導加熱コイル10a〜10fに与える各電力が最小(可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスが最大)になる。しかもクランクシャフト20のピン部110a〜110fの外周面には所定の硬化層を形成することが必要になるので、ピン部110a〜110fが誘導加熱される時間はいずれも一定である。
【0034】
このことからピン部110a〜110fにおける加熱開始時又は加熱終了時の位置が一定でなければ、結果として、ピン部110a〜110fの外周面に形成される硬化層が各ピン毎に不均一になる。
【0035】
そこで、電力制御部80においては、クランクシャフト100のピン部110a〜110fの外周面の誘導加熱を開始する際には、クランクシャフト100を回転させた後、検出部70の出力信号を監視し、ピン部110a〜110fが所定位置(ここでは下死点)に来た各タイミングで、開閉器50a〜50fを各々オンにするようにしている。また、クランクシャフト100のピン部110a〜110fの外周面の誘導加熱を終了する際には、ピン部110a〜110fが所定位置(ここでは下死点)に来た各タイミングで、開閉器50a〜50fを各々オフにするようにしている。
【0036】
以上のように構成された同装置の動作について説明し、併せて電力制御部80のシーケンスプログラムの内容について説明する。
【0037】
まず、クランクシャフト100を図外のワーク移動機構にセットした状態で同装置のスイッチをオンにすると、同機構が動作し、これによりクランクシャフト100の両側が軸受310、320の間に挟み込まれ、この状態でクランクシャフト100が誘導加熱コイル10a〜10fの下方位置に搬送され、クランクシャフト100のピン部110a〜110fの上に誘導加熱コイル10a〜10fが各々置かれて跨がることになる。
【0038】
次いで、モータ300が動作し、クランクシャフト100のピン部110a〜110fが下死点に来た各タイミングで、開閉器50a〜50fが各々オンにされ、これに伴って高周波電源200により生成された高周波電力が誘導加熱コイル10a〜10fに順次的に供給される。
【0039】
このようにクランクシャフト100のピン部110a〜110fの誘導加熱が開始されると、クランクシャフト100の回転角度に応じて可変リアクトル41a〜41fのインダクタンスが個別に調整され、これに伴って誘導加熱コイル10a〜10fに供給される電力が周期的に各々変化する。
【0040】
そして所定時間が経過すると、クランクシャフト100のピン部110a〜110fが下死点に来た各タイミングで、開閉器50a〜50fが各々オフにされ、これに伴って誘導加熱コイル10a〜10fへの高周波電力の供給が順次的に停止される。ピン部110a〜110fの誘導加熱が終了すると、誘導加熱コイル10a〜10fの近くに各々配置された図外の冷却ジャケットが動作し、これによりピン部110a〜110fが一斉に冷却される。ピン部110a〜110fの冷却が終了すると、モータ300が停止する。
【0041】
その後、図外のワーク移動機構が動作し、これによりクランクシャフト100が若干移動し、クランクシャフト100のジャーナル部120a〜120dの上に誘導加熱コイル10a〜10dが各々置かれて跨がることになる。
【0042】
すると、モータ300が動作するとともに、開閉器50a〜50dが一斉にオンにされ、これに伴って高周波電源200の高周波電力が誘導加熱コイル10a〜10dに一斉に供給される。その後、所定時間が経過すると、開閉器50a〜50dが一斉にオフにされ、これに伴って誘導加熱コイル10a〜10fへの高周波電力の供給が一斉に停止される。ジャーナル部120a〜120dの誘導加熱の終了すると、上記冷却ジャケットが動作し、これによりジャーナル部120a〜120dが一斉に冷却される。ジャーナル部120a〜120dの冷却が終了すると、モータ300が停止する。
【0043】
このような過程を経てクランクシャフト100のピン部110a〜100f及びジャーナル部120a〜120dの外周面に円周方向に所定の硬化層が形成される。これは入力部81を通じて他の焼入れ等の仕様が設定された場合についても全く同様である。
【0044】
以上のように構成された同装置による場合、高周波電源200が1台でありながら、クランクシャフト100のピン部110a〜100f及びジャーナル部120a〜120dに所望の硬化層が形成され、この点で装置の高性能化を図ることが可能になる。
【0045】
なお、本発明に係るクランクシャフト用誘導加熱装置はV型6気筒のクランクシャフトだけでなく、直列型の6気筒用クランクシャフトや4気筒用クランクシャフスト等にも当然に適用可能である。各種のクランクシャフトを誘導加熱するのに必要なデータを電力制御部80に予め用意しておき、クランクシャフトの種類等を入力部81を通じて設定するようにすると、V型6気筒の場合と全く同様に誘導加熱することが可能になる。また、クランクシャフトのジャーナル部の誘導加熱を行った後にピン部の誘導加熱するようにしたり、誘導加熱コイルの数を増やしてクランクシャフトのピン部とジャーナル部との双方を同時に誘導加熱するようにしてもかまわない。
【0046】
【発明の効果】
以上、本発明の請求項1、2又はに係るクランクシャフト用誘導加熱装置による場合、カレントトランスの前段に設けられた可変リアクトルのインダクタンスがクランクシャフトの回転角度に応じて変化し、これに伴って誘導加熱コイルに供給される電力が個別に調節される構成となっているので、1台の高周波電源でありながらクランクシャフトのピン部及び/又はジャーナル部の外周面を同時に誘導加熱することが可能になり、誘導加熱処理の効率化及び装置の高性能化を図る上でメリットがある。しかも可変リアクトル及び共振コンデンサがカレントトランスの一次側に設けられていることから、小型の可変リアクトルを用いることが可能になる。
【0047】
本発明の請求項に係るクランクシャフト用誘導加熱装置による場合、クランクシャフトのピン部の誘導加熱を行うに当たり全てのピン部における加熱開始時の位置がいずれも一定にされる構成となっているので、クランクシャフトの全てのピン部に対する加熱が一定となり、ひいては全てのピン部に所定の硬化層を形成することが可能になり、この点で装置の高性能化を図ることができる。
【0048】
本発明の請求項に係るクランクシャフト用誘導加熱装置による場合、クランクシャフトのピン部の誘導加熱を行うに当たり全てのピン部における加熱開始時だけでなく加熱終了時の位置がいずれも一定にされる構成となっているので、装置の高性能化を一層を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するための図であって、クランクシャフト用誘導加熱装置の電源回路を中心とした部分的構成図である。
【図2】同装置の電力制御部を中心とした部分的構成図である。
【図3】同装置の可変リアクトルの概略構成図である。
【図4】同装置の開閉器の内部回路の例を示す図である。
【符号の説明】
100 クランクシャフト
110a〜110f ピン部
120a〜120d ジャーナル部
200 高周波電源
10a〜10f 誘導加熱コイル
20a〜20f カレントトランス
30a〜30f 力率補償コンデンサ
40a〜40f 電圧可変回路
41a〜41f 可変リアクトル
42a〜42f 共振コンデンサ
50a〜50f 開閉器
60 高周波電力入力端子
70 検出部
80 電力制御部

Claims (5)

  1. クランクシャフトを回転させながら全てのピン部及び/又はジャーナル部の外周面を誘導加熱するクランクシャフト用誘導加熱装置において、クランクシャフトのピン部及び/又はジャーナル部の上に各々配置される誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルの前段に各々設けられたカレントトランスと、カレントトランスの前段に各々並列接続された力率補償コンデンサと、誘導加熱コイルに供給すべき高周波電力を生成する共通の高周波電源が接続される高周波電力入力端子と、高周波電力入力端子と力率補償コンデンサとの間に各々設けられており且つ少なくとも可変リアクトルを用いて誘導加熱コイルに印加すべき電圧を各々変化させる電圧可変回路と、クランクシャフトの回転角度を検出するための検出部と、クランクシャフトのピン部及び/又はジャーナル部の外周面を円周方向に所定の加熱パターンで各々誘導加熱するために検出部の検出結果に応じて可変リアクトルのインダクタンスを各々調整する電力制御部とを具備しており、前記電圧可変回路は、高周波電力入力端子の一端と力率補償コンデンサの一端との間に設けられた可変リアクトルと、前記力率補償コンデンサの両端に前記可変リアクトルを介して並列接続された共振コンデンサとを有した構成となっていることを特徴とするクランクシャフト用誘導加熱装置。
  2. 請求項記載のクランクシャフト用誘導加熱装置において、前記クランクシャフトは配置上の位相が互いに異なるピン部を有した構造となっていることを特徴とするクランクシャフト用誘導加熱装置。
  3. 請求項1又は記載のクランクシャフト用誘導加熱装置において、前記可変リアクトルは、コイルに挿入される磁性体部材の挿入量に応じてインダクタンスが可変可能な構造となっていることを特徴とするクランクシャフト用誘導加熱装置。
  4. クランクシャフトを回転させながら全てのピン部及び/又はジャーナル部の外周面を誘導加熱するクランクシャフト用誘導加熱装置において、クランクシャフトのピン部及び/又はジャーナル部の上に各々配置される誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルの前段に各々設けられたカレントトランスと、カレントトランスの前段に各々並列接続された力率補償コンデンサと、誘導加熱コイルに供給すべき高周波電力を生成する共通の高周波電源が接続される高周波電力入力端子と、高周波電力入力端子と力率補償コンデンサとの間に各々設けられており且つ少なくとも可変リアクトルを用いて誘導加熱コイルに印加すべき電圧を各々変化させる電圧可変回路と、クランクシャフトの回転角度を検出するための検出部と、クランクシャフトのピン部及び/又はジャーナル部の外周面を円周方向に所定の加熱パターンで各々誘導加熱するために検出部の検出結果に応じて可変リアクトルのインダクタンスを各々調整する電力制御部と、高周波電力入力端子と誘導加熱コイルとの間の電気的接続を各々開閉する開閉器を備えており、前記電力制御部は、クランクシャフトのピン部の誘導加熱を行うに当たり全てのピン部における加熱開始時の位置をいずれも一定にするために前記検出部の検出結果に応じて前記開閉器の開閉を順次的に切り換える機能を有した構成となっていることを特徴とするクランクシャフト用誘導加熱装置。
  5. 請求項記載のクランクシャフト用誘導加熱装置において、前記電力制御部は、クランクシャフトのピン部の誘導加熱を行うに当たり全てのピン部における加熱終了時の位置をいずれも一定にするために前記検出部の検出結果に応じて前記開閉器の開閉を順次的に切り換える機能を有した構成となっていることを特徴とするクランクシャフト用誘導加熱装置。
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