JP2708355B2 - プラスチック配合用紫外線遮断剤 - Google Patents

プラスチック配合用紫外線遮断剤

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JP2708355B2
JP2708355B2 JP5236403A JP23640393A JP2708355B2 JP 2708355 B2 JP2708355 B2 JP 2708355B2 JP 5236403 A JP5236403 A JP 5236403A JP 23640393 A JP23640393 A JP 23640393A JP 2708355 B2 JP2708355 B2 JP 2708355B2
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輝 田村
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株式会社田村科学研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックに対し高
濃度で配合することができ、優れた紫外線遮断効果を示
す新規な紫外線遮断剤に関するものである。さらに詳し
くいえば、本発明は、プラスチックに対する相容性の大
きいネオジム化合物を主成分とし、さらにその相容性を
高めるとともに紫外線領域から近紫外線領域の波長の吸
収度を増大しうる成分を含む、非常に紫外線遮断効果の
高いプラスチック配合用紫外線遮断剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】太陽光中には波長280〜390nmの
範囲の紫外線が含まれているが、この照射量が多いと各
種生物の生命活動を阻害し、人間の皮膚を損傷し、かつ
各種材料の物性を劣化させるなど、生活環境に悪影響を
与えるため、これを遮断することが必要になる。
【0003】そして、この遮断は通常、ガラスやプラス
チックのような透明材料中に、紫外線はカットするが可
視光線はカットしない物質、いわゆる紫外線遮断剤を配
合して行われている。
【0004】このプラスチックに配合するための紫外線
遮断剤としては、これまでベンゾフェノン系化合物、サ
ルチレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ア
クリロニトリル系化合物などの有機化合物が知られてい
るが、このような有機化合物系の紫外線遮断剤は、長期
間にわたって、紫外線の照射−停止を繰り返すと、化学
構造が次第に変化してその性能が劣化するため、利用範
囲が制限されるのを免れない。
【0005】また、ニッケルやコバルトのような金属の
化合物を用いることも行われているが、遮断効果が低
く、実用性がない。
【0006】近年、プラスチック中に、酸化ネオジム、
炭酸ネオジム、水酸化ネオジム、リン酸ネオジム、硫酸
ネオジム、塩化ネオジムのような無機ネオジム化合物の
粒子を分散させて、波長580nm付近の光線を選択的
に吸収し、高輝度ランプの演色性を改善することや(特
開昭58−225148号公報)、可視部において透明
なプラスチックにカルボン酸ネオジムを配合して500
〜530nmの範囲及び570〜600nmの範囲の波
長の光を選択的に吸収させて、カラーブラウン管の画像
を鮮明にすること(特開昭61−175601号公報)
が提案されているが、これらの化合物は、プラスチック
との相容性が低く、プラスチックへの添加量が制限され
ているため、280〜390nmの範囲の波長をもつ紫
外線を十分に遮断することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラスチッ
ク基材に配合して、紫外線をほぼ完全に遮断し、紫外線
照射に基づく各種の被害を十分に防止しうる材料を形成
しうる紫外線遮断剤を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、プラスチッ
クに配合して、紫外線を効果的にカットしうる紫外線遮
断剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、1,3‐ジケ
トン3分子がネオジム1原子に配位した1,3‐ジケト
ンネオジムが、プラスチックとの間で優れた相容性を示
し、これを配合すると紫外線遮断効果を奏すること及び
これにある種のアセトン誘導体を加えるとさらにこの効
果が増大するとともにより遮断可能な紫外線の波長をよ
り長波長側に移動しうることを見出し、この知見に基づ
いて本発明をなすに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)一般式
【化2】 (式中のR1及びR2はそれぞれ低級アルキル基である)
で表わされる1,3‐ジケトンネオジムと、(B)テノ
イルトリフルオロアセトン及びベンゾイルアセトンの中
から選ばれた少なくとも1種とを重量比1:5ないし
5:1の範囲内で組み合わせたことを特徴とするプラス
チック配合用紫外線遮断剤を提供するものである。
【0010】本発明で用いる一般式(I)で表わされる
1,3‐ジケトンネオジムの例としてはアセチルアセト
ンネオジム、プロピオニルアセトンネオジム、ブチリル
アセトンネオジムなどを挙げることができるが、入手が
容易な点でアセチルアセトンネオジムが最も好ましい。
【0011】この一般式(I)で表わされる1,3‐ジ
ケトンネオジムは例えば次のようにして製造される。
【0012】すなわち、1,3‐ジケトンネオジムを希
アンモニア水に加えて反応させ、反応混合物を希塩酸で
pHを中性に調整したのち、酸化ネオジム(Nd23
を希塩酸に溶かして調製した塩化ネオジム水溶液を加
え、pH約6.5に調整しながら10〜20時間反応さ
せ、水を加えて放置するとピンク色の結晶が晶出してく
る。
【0013】次いでこの結晶をろ別し、水洗後乾燥す
る。このようにして製造した、1,3‐ジケトンネオジ
ムがプラスチックとの間で良好な相容性を示すようにす
るには、精製を慎重に行う必要がある。この精製は、ア
ルコール例えばイソプロピルアルコールを用いて再結晶
するか、あるいは脂肪族炭化水素類例えば石油エーテル
で繰り返し洗浄して不純物を除去することによって行わ
れる。
【0014】本発明の紫外線遮断剤は、各種プラスチッ
クとの間に良好な相容性を示すので、混練り等によりこ
れを配合し、紫外線遮断性を付与することができるが、
最も好ましいのは、これの所定量をプラスチック製造用
の単量体原料にあらかじめ加えておき、これを重合又は
共重合させることにより紫外線遮断性をもったプラスチ
ック材料を製造することである。このようにして、5重
量%又はそれ以上の高濃度で、プラスチック本来の透明
性をそこなうことなく、プラスチックに含有させること
ができ、高い紫外線遮断効果を示すプラスチックを与え
ることができる。
【0015】本発明においては、前記した1,3‐ジケ
トンネオジムに対し、テノイルトリフルオロアセトン及
びベンゾイルアセトンの中から選ばれる少なくとも1種
のケトンを組み合わせ使用することにより、1,3‐ジ
ケトンネオジムのプラスチックに対する相容性をいっそ
う高めることができ、例えば波長583nmの吸光度に
おいて、1,3‐ジケトンネオジム5重量%を配合した
場合について、これを5重量%添加したものは添加しな
いものに比べ約1.5倍も高いピークを示す。
【0016】また、このようなテノイルトリフルオロア
セトンやベンゾイルアセトンの併用により紫外域での吸
光領域は長波長側に移行する。
【0017】1,3‐ジケトンネオジムと、テノイルト
リフルオロアセトン及びベンゾイルアセトンの中から選
ばれたケトンとの使用割合は、重量比で1:5ないし
5:1好ましくは1:2ないし2:1の範囲である。
【0018】本発明の紫外線遮断剤は5〜10重量%の
割合でプラスチックに含有させ、効果的な紫外線の遮断
を行うことができる。本発明の紫外線遮断剤を配合しう
るプラスチックとしては、例えばポリメチルメタクリレ
ート、メチルメタクリレートを主成分とするアクリル樹
脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂
などを挙げることができる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお各例中での物性は以下のようにして測定し
た。
【0020】(1)紫外線遮断性 プラスチックの60重量%芳香族炭化水素溶液に、紫外
線遮断剤の5重量%エタノール溶液を、所定含有量にな
る割合で添加し、80℃において15分間加温したの
ち、減圧下にエタノールを除去し、得られたプラスチッ
ク溶液を平面上に流展し、140℃で30分間加熱して
厚さ20μmのフイルム試料を形成した。
【0021】次いで、このフイルムについて、カラーア
ナライザー307(日立製作所製)を用いて紫外部から
可視部に至る各波長の光に対しての吸光度を測定した。
【0022】(2)耐湿性: (1)で用いたフイルムを温度50℃、湿度95%に1
0日間保持し、フイルムの状態及び紫外線遮断性を調べ
た。
【0023】(3)耐候性 80℃において8時間紫外線に暴露したのち、40℃に
4時間保持するサイクルを繰り返し、初期の状態に対す
る400時間後の光沢(60℃)の変化及び色差を百分
比によって示した。
【0024】比較例1 重量平均分子量約20,000のポリメチルメタクリレ
ートをキシレンに溶解し、固体分60重量%を含む溶液
を調製した。次にアセチルアセトンネオジムを、ポリメ
チルメタクリレートに対し、3重量%、5重量%、7重
量%になる割合で5重量%エタノール溶液として加え、
80℃において15分間混合したのち、減圧下に保って
エタノールを除去する。
【0025】残留したポリメタクリレートのキシレン溶
液を鋼板上に厚さ30μmで流展し、これを140℃で
30分間加熱することにより、フイルムを形成させた。
この中の含有量が7重量%のものはやや白濁を示した
が、他はすべて透明であった。これらのものの物性を表
1に示す。
【0026】比較例2 比較例1におけるアセチルアセトンネオジムの代りに、
アセチルアセトンセリウムを用い、実施例1と同様にし
て、紫外線遮断剤3重量%及び5重量%を含有するポリ
メチルメタクリレートフイルムを作成した。このものの
物性を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例1 比較例1と同様にしてアセチルアセトンネオジム7重量
%とテノイルトリフルオロアセトン3重量%を含有する
ポリメチルメタクリレートを調製し、それをフイルム化
したところ、透明なものが得られた。このものについ
て、吸光度を測定したところ波長583nmにおけるピ
ークがテノイルトリフルオロアセトンを添加しないもの
に比べ約1.5倍に増大した。
【0029】実施例2 実施例1と同様にしてアセチルアセトンネオジム7重量
%とベンゾイルアセトン3重量%を含有するポリメチル
メタクリレートを調製し、それをフイルム化したとこ
ろ、色調がやや帯緑色となった以外は、実施例2と全く
同様の結果が得られた。
【0030】この実施例1及び2より、テノイルトリフ
ルオロアセトンやベンゾイルアセトンの併用により、ア
セチルアセトンネオジムのプラスチックに対する相容性
が向上することが分る。
【0031】
【発明の効果】プラスチックに対しその透明性をそこな
わずに高濃度で配合することができ、すぐれた紫外線遮
断効果を示す上に、紫外線領域から近紫外線領域の波長
の吸収度を高める紫外線遮断剤である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式 【化1】 (式中のR1及びR2はそれぞれ低級アルキル基である)
    で表わされる1,3‐ジケトンネオジムと、(B)テノ
    イルトリフルオロアセトン及びベンゾイルアセトンの中
    から選ばれた少なくとも1種とを重量比1:5ないし
    5:1の範囲内で組み合わせたことを特徴とするプラス
    チック配合用紫外線遮断剤。
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Chem.Abs.第85巻、38972m.(1976年)

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