JP4816096B2 - 重合性組成物、光学材料、光学用フィルター、及び、プラスチックレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、重合性組成物、重合性組成物を重合硬化して得られる光学材料および光学物品に関する。さらに詳しくは、近赤外領域の光線を効率よく吸収する光吸収特性を有する重合性組成物、その重合性組成物を重合硬化して得られる光学材料および光学物品に関する。
従来、各種光学フィルターやレンズ等の光学物品の光学材料として無機ガラスが多用されていた。
例えば、カメラ用の測光用フィルターや視感度補正用フィルター等には、近赤外線を選択的に吸収するために、特殊なリン酸系ガラスに銅イオンを含有した形態の光学材料からなるガラス製光学フィルターが用いられていた。しかし、これらのリン酸系ガラス製光学フィルターは、無機ガラスに由来する重さの問題や、リン酸系ガラスに由来する吸湿性が大きく、高湿度環境での長時間の使用において透明性が損なわれ易いという問題、あるいは成形や切削加工が難しい等のいくつかの課題を有していた。
このため、軽くて、吸湿性が小さく、加工の容易な光学フィルターの開発が検討されており、銅イオンの導入による、プラスチック製の光学フィルターの例としては、特定のリン酸基含有単量体およびこれと共重合可能な単量体を共重合して得られる共重合体と、銅塩を主成分とする金属塩を含有する光学フィルター、及び光学フィルターの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、眼鏡レンズや各種光学機器用のレンズにおいても、重さや割れ難さ等の面から、プラスチックレンズが広く使用されている。特に眼鏡レンズにおいては、ガラスレンズよりもプラスチックレンズが主流となっている。レンズの光学材料には、一般的に、紫外線を吸収する目的や耐光性改善の目的のために紫外線吸収剤が添加されるが、紫外線が眼に及ぼす悪影響を低減するために、原料モノマーに、分子量が360以下の紫外線吸収剤を所定量含有した紫外線吸収性プラスチックレンズが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−118228号公報 特開平11−271501号公報
プラスチック製光学フィルターに要求される特性としては、透明性を維持したままの状態で、プラスチック中に銅イオンを高濃度で含有させる必要がある。これにより、近赤外領域の光を、効率よく吸収することができる。さらに、高湿度環境においても、透明性が損なわれない必要がある。
しかしながら、特許文献1の光学フィルターの製造方法は、高湿度環境下での耐久性を改善するために、重合前段階または重合後の段階において、リン酸基と金属塩との反応により生成する酸成分を抽出除去する工程が必要であり、製造コストが嵩む要因となっている。また、重合前段階での抽出操作においては、抽出で使用する溶剤成分を完全に取り除くことが難しく、重合後に白濁などの外観不良につながり易い。一方、重合後の成形体に対して抽出操作を行う場合は、抽出で使用する溶剤が成形体の内部奥深くまで浸透することは困難であり、酸成分を完全に取り除くことが難しく、残った酸成分により、少なからず高湿度環境下での耐久性の低下は避けられない。
一方、特許文献2の紫外線吸収性プラスチックレンズ等においては、原料モノマーに紫外線吸収剤を添加する際、原料モノマーと紫外線吸収剤の組合せによっては、紫外線吸収剤が溶解しない、あるいは極少量しか溶解せずに必要な量を添加することができない等により、重合後に白濁する外観不良が発生する懸念があり、原料モノマーと紫外線吸収剤の相溶性が良好なものを選択する必要がある。また、赤外線についても、紫外線ほどではないものの、眼に悪影響を与えることが知られている。特に、強烈な赤外線を長時間にわたって眼に受けつづけるような高温作業者などからは、赤外線吸収機能を有するプラスチックレンズに対する要望も強い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、酸成分を抽出除去する工程を必要とせず、しかも、紫外線吸収剤を添加することなく、近赤外線吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する重合性組成物、その重合性組成物を重合硬化して得られる光学材料および光学物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の重合性組成物は、下記、A成分、B成分、C成分を含有することを特徴とする。
A成分:一般式(1)で表される銅(II)錯体。
Figure 0004816096
(式中、R1は置換基を有しても良いアリール基または置換基を有しても良い複素環基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、置換基を有しても良いアリール基または置換基を有しても良い複素環基を表す。)
B成分:ラジカル重合性基または重付加反応性基を含む重合性単量体の1種以上。
C成分:重合開始剤または重合触媒。
これによれば、重合性組成物に含まれるA成分は、疎水性(親油性)であるため、一般の銅化合物に比べて、相溶性が良好であり、特に、透明プラスチック材料に多用されているラジカル重合性基、または重付加反応基を含む重合性単量体との相溶性が良好である。このため、重合性組成物を重合硬化することにより得られる光学材料内に、高濃度で銅イオンを導入することが可能となり、A成分とB成分を混合した際の反応による酸成分の生成が無いため、酸成分を抽出除去する等の工程が不要であり、しかも、重合硬化後に白濁の発生が少なく透明性に優れた光学材料が得られる。また、A成分は、配位子の中に芳香環または複素環を含むことにより、銅イオン由来の近赤外吸収効果の他に、紫外線吸収機能を有する。したがって、本発明の重合性組成物を用いることにより、紫外線吸収剤等を添加しなくても、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料や光学物品を得ることができる。
また、本発明の重合性組成物は、前記B成分は、アクリル基またはメタアクリル基を含む重合性単量体の1種以上であることを特徴とする。
これにより、重合性組成物に含まれるB成分が、アクリル基またはメタアクリル基を含む重合性単量体の1種以上であることにより、重合硬化後に白濁の発生が少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料や光学物品を得ることができる。
また、本発明の重合性組成物は、前記B成分の総量を100重量部としたとき、前記A成分の含有量が1重量部以上100重量部以下であることを特徴とする。
これにより、重合性組成物に含まれるB成分の総量を100重量部としたとき、A成分の含有量が1重量部以上100重量部以下であることにより、重合硬化後に白濁の発生が少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料や光学物品を得ることができる。
また、本発明の重合性組成物は、前記B成分は、メチルメタクリレートを含み、前記B成分の総量を100重量部としたとき、前記メチルメタクリレートが10重量部以上100重量部以下であることを特徴とする。
これによれば、重合性組成物に含まれるB成分にメチルメタクリレートを含み、B成分の総量を100重量部としたとき、メチルメタクリレートが10重量部以上100重量部以下であることにより、重合硬化後に白濁の発生が少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料や光学物品を得ることができる。
また、本発明の重合性組成物は、前記B成分は、前記B成分の総量を100重量部としたとき、10重量部以上100重量部未満の前記メチルメタクリレートと、残量がメチルメタクリレート以外のアクリル基またはメタクリル基を1分子中に1個以上有する化合物であることを特徴とする。
これによれば、重合性組成物に含まれるB成分は、B成分の総量を100重量部としたとき、10重量部以上100重量部未満のメチルメタクリレートと、残量がメチルメタクリレート以外のアクリル基またはメタクリル基を1分子中に1個以上有する化合物であることにより、重合硬化後に白濁の発生が少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料や光学物品を得ることができる。
また、本発明の重合性組成物は、前記A成分が、下記の一般式(2)で表される銅錯体であることを特徴とする。
Figure 0004816096
これによれば、重合性組成物に含まれるA成分が、一般式(2)で表される銅錯体であることにより、B成分に対する相溶性が良好であり、B成分の混合液中に透明性を維持しつつ高濃度に溶解することが可能となり、重合硬化後に白濁の発生が特に少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料や光学物品を得ることができる。
また、本発明の光学材料は、本発明の重合性組成物を重合硬化させて得られることを特徴とする。
これによれば、銅錯体中に芳香環を有する化合物、ラジカル重合性基または重付加反応性基を含む重合性単量体、重合開始剤または重合触媒を含む本発明の重合性組成物が、熱エネルギーまたは光エネルギーにより重合硬化されることにより、白濁の発生が少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料を得ることができる。
また、本発明の光学用フィルターは、本発明の光学材料からなることを特徴とする。
これによれば、光学用フィルターが本発明の光学材料からなることにより、白濁の発生が少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有するカメラの測光用フィルター、あるいは、視感度補正フィルター等のプラスチック製の光学フィルターが容易に得られる。
また、本発明のプラスチックレンズは、本発明の光学材料からなることを特徴とする。
これによれば、プラスチックレンズが本発明の光学材料からなることにより、白濁の発生が少なく透明性に優れ、しかも、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有するカメラの視感度補正機能付レンズ、矯正用眼鏡レンズ等のプラスチックレンズが容易に得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の重合性組成物は、下記のA成分、B成分、C成分を含有する。
A成分:一般式(1)で示される、銅(II)錯体。
Figure 0004816096
(式中、R1は置換基を有しても良いアリール基または置換基を有しても良い複素環基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、置換基を有しても良いアリール基または置換基を有しても良い複素環基を表す。)
B成分:ラジカル重合性基または重付加反応性基を含む重合性単量体の1種以上。
C成分:重合開始剤または重合触媒。
一般式(1)で表されるA成分は、近赤外線を吸収する機能を持たせるための必須成分である。A成分の具体例として、以下の一般式(2)〜(5)に示す化合物およびその誘導体が挙げられる。
Figure 0004816096
Figure 0004816096
Figure 0004816096
Figure 0004816096
これらの一般式(2)〜(5)で表される化合物およびその誘導体の内、一般式(2)で表される銅錯体を好ましく用いることができる。
前記一般式(2)で表される銅錯体は、特にB成分に対する相溶性が良好であり、透明性を維持しつつ高濃度に溶解することが可能な銅錯体である。B成分に対する相溶性が良好であることにより、重合硬化後の白濁、析出といった不良を発生することが特に少なく、後述する本実施形態の光学材料用の重合性組成物として好ましく使用することができる。また、銅錯体中に芳香環を有するため、近赤外線吸収機能だけでなく、紫外線吸収機能を同時に持たせることが可能となる。
次に、B成分について説明する。
B成分としては、ラジカル重合性基または重付加反応性基を含む重合性単量体の1種以上を用いることができる。ラジカル重合性基または重付加反応基を含む重合性単量体とは、一般的に用いられるラジカル重合可能な化合物、または重付加反応が可能な化合物を用いることができる。
ラジカル重合可能な重合性単量体としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、またはメタクリル基等の不飽和基を1分子中に1個以上有する化合物を挙げることができる。具体的には、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、フェノキシエチルアクリレート、アクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルアクリレート、アクリル酸テトラヒドロフルフニル、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、カプロラクトンアクリレート、グリシジルアクリレートなどの単官能アクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルメタクリレート、メタクリル酸テトラヒドロフルフニル、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、カプロラクトンメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどの単官能メタクリル酸エステル類、アリルベンゼン、アリル−3−シクロヘキサンプロピオネート、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、アリルフェノキシアセテート、アリルフェニルアセテート、アリルシクロヘキサン、多価カルボン酸アリルなどのアリル化合物、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびそれらのエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、環状オレフィン等が挙げられる。
さらに、重合硬化後の光学材料の架橋度を高め、耐熱性を向上させるために、2官能以上の官能基を持つ、多官能性単量体をB成分として用いることもできる。例えば、ジビニルベンゼン等のビニル基を2つ以上持つ化合物、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル基を2つ以上持つ化合物、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等のアクリル基を2個以上持つ化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリル基を2個以上持つ化合物、アリルメタクリレート等異なる官能基を合計で2個以上持つ化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
重付加反応基を持つ重合性単量体としては、イソシアネート基、イソチオシアネート基を持つ化合物、および、該反応性基と反応するものとして水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基などを挙げられる。このうち、光学材料としての透明性や曲げ強度などの点から、イソシアネート基を持つ化合物と水酸基またはメルカプト基を持つ化合物の組合せが好ましい。
イソシアネート基を持つ化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、チオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート等が挙げられ、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
水酸基を持つ化合物の具体例としては、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキレンオキサイド共重合ポリオール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、縮合系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられ、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、メルカプト基を持つ化合物の具体例としては、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール等の脂肪族ポリチオール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン等の芳香族ポリチオール、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス((2−メルカプトエチル)チオ)−3−メルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−3,6−ジチオ−1,8−オクタンジチオール、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9トリチアウンデカンなどが挙げられ、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらのB成分の具体例の内でも、特にA成分の銅錯体との相溶性に優れ、かつ、透明性、曲げ強度に優れることから、アクリル基またはメタアクリル基を含む重合性単量体の1種以上を用いることが好ましい。
例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、フェノキシエチルアクリレート、アクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルアクリレート、アクリル酸テトラヒドロフルフニル、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、カプロラクトンアクリレート、グリシジルアクリレートなどの単官能アクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルメタクリレート、メタクリル酸テトラヒドロフルフニル、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、カプロラクトンメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどの単官能メタクリル酸エステル類などが挙げられる。
さらに、重合硬化後の光学材料の架橋度を高め、耐熱性を向上させるために、アクリル基またはメタアクリル基を含みかつ、2官能以上の官能基を持つ重合性単量体を用いることもできる。例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルアクリレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリグリセーロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリルメタクリレートなどが挙げられる。これらの、アクリル基またはメタクリル基を含む化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態の重合性組成物において、B成分の総量を100重量部としたとき、A成分の銅錯体の含有量は、1重量部以上100重量部以下の範囲であることが好ましい。A成分の含有量が少ない場合、重合硬化後の光学材料の透明性は得やすいものの、単位厚みあたりの近赤外線の吸収能力が弱いために、光学材料の光路厚を厚くしないと必要な近赤外線吸収能力が得られない。
特に、A成分の含有量が1重量部未満では、光学材料として許容できないほど厚みが厚くなるという問題が生じる。一方、A成分の銅錯体の含有量が多い場合には、近赤外線の吸収能力には余裕があるものの、重合性組成物中に溶解しきれなくなったA成分によって、光学材料に白濁などの外観不良が発生し易い。また、重合前の単量体に対して溶解できたとしても、重合硬化後には銅錯体が析出しやすくなる。特にA成分の含有量が100重量部を超えると、外観が光学材料として許容できないほど白濁し、透明性が失われてしまうという問題がある。
B成分の中でも、A成分に対する相溶性、重合硬化後の光学材料についての透明性、耐熱性、曲げ強度などの観点から、B成分として、メチルメタクリレートを用いることが好ましい。メチルメタクリレートの使用量としては、B成分の総量を100重量部とした場合に、メチルメタクリレートを10重量部以上100重量部未満使用することが好ましい。メチルメタクリレートを10重量部以上用いることによって、A成分の十分な溶解性や、重合後の光学材料の透明性、耐熱性、曲げ強度を十分に確保することが可能となる。
また、B成分として、メチルメタクリレートと併用するのが好ましい重合性単量体としては、メチルメタクリレート以外のアクリル基、またはメタアクリル基を1分子中に1個以上有する化合物が好ましい。これにより、重合反応のスピードコントロールが容易となり、重合の不均一性に由来する歪や相分離に起因する白濁などの外観不良の発生を防止することができる。
次に、C成分について説明する。C成分は、重合開始剤または重合触媒であり、以下のものが挙げられる。
B成分として、ラジカル重合可能な重合性反応基を持つ重合性単量体を用いた場合には、C成分として重合開始剤を好ましく用いることができ、特に、熱重合開始剤または光重合開始剤を好ましく用いることができる。
C成分としての熱重合開始剤の好ましい具体例としては、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、クミルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート等の有機過酸化物系開始剤、あるいは2,2’−アゾビスイソブチロルニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物系開始剤、あるいはレドックス系開始剤等が使用可能である。これらの熱重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上の熱重合開始剤を併用することも可能である。また、熱重合開始剤の添加量はB成分100重量部に対して、0.001〜5重量部の範囲が好ましい。
またC成分としての光重合開始剤の好ましい具体例としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系、等が使用可能である。これらの光重合開始剤の添加量はB成分100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲が好ましい。
また、ベンジル、カンファーキノン、アンスラキノン、アセナフセン等のジカルボニル系、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン等のチオキサンソン系、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系等の可視光硬化用光重合開始剤も使用可能である。この場合の添加量は、0.001〜5重量%の範囲が好ましい。
以上に挙げた光重合開始剤は、単独で用いても良いし、2種以上の光重合開始剤を併用することも可能である。また、前述の熱重合開始剤と光重合開始剤を併用することも可能である。
また、B成分として、イソシアネート基、イソチオシアネート基を持つ化合物、および、該反応性基と反応するものとして水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基などを用いた場合には、C成分として重合開始剤に替えて、一般のウレタン反応用重合触媒を好ましく用いることができる。
このような重合触媒の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン等のジアミン類、N,N,N´,N´−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N´,N´−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、N,N´−ジメチルピペラジン、N−メチル−N´−(2−ジメチルアミノ)エチルピペラジン、N−メチルモノホリン、N−(N´,N´−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N´−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モノホリン等のアルコールアミン類、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3−ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン等のアミン触媒と、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンマカブチト、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンジマレエート、オクテン酸鉛等の有機金属触媒等が例示される。これらの重合触媒は、一種で使用するのみならず、2種以上を併用して使用することもできる。
以上に説明した重合性組成物は、熱または光によって重合硬化することにより光学材料、あるいは光学物品を製造することができる。光学材料や光学物品を製造する方法に特に制限はなく、公知の手法を用いることができるが、本実施形態における具体的な方法として、キャスト法の一例を以下に示す。
先ず、A成分、B成分、C成分をそれぞれ混合し、十分に攪拌して均一にする。この際、液温は−20℃〜70℃の範囲が好ましく、5℃〜35℃の範囲がより好ましい。
70℃を超える高温で調合した場合には、重合性組成物の重合反応が始まり易く、組成物のポットライフが短くなる。また、−20℃未満の低温で調合した場合には、組成物中のA成分の溶解度が低くなり易く、長時間攪拌しても完全に溶解せずに溶け残り易い。
また、調合する際には、空気中の酸素や水分が重合性組成物に悪影響を及ぼし易いために、調合容器を密閉構造とし、内部の空隙を窒素ガス等で置換したり、あるいは、減圧した状態で調合および攪拌をすることが効果的である。調合の順番に特に制約はないが、調合済みの重合性組成物のポットライフを長くするために、先ず、A成分とB成分を混合し、十分に攪拌してA成分を溶解させた後に、C成分を添加するのが好ましい。また、添加剤として、必要に応じて内部離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、重合調整剤、連鎖移動剤、染料、顔料等を添加することも可能である。
このようにして調合した重合性組成物は、所定の光学物品に対応した形状が形成されたガラス型、プラスチック型、金属型等の成形型内に注入される。なお、成形型は、注入される重合性組成物が重合硬化によって重合収縮するため、それによる変形量を見越した形状に形成されている。
成形型内に注入された重合性組成物の重合硬化は、熱エネルギーまたは光エネルギーにより重合硬化することができる。
熱による重合硬化の場合は、重合性組成物が注入された成形型を、例えば、大気炉やIR(赤外線)炉の炉内に投入し、温度を高温にすることによって硬化させることができる。加熱する温度は、0℃〜180℃の範囲、より好ましくは30℃〜130℃の範囲で昇温しながら加熱する。
また、重合硬化に要する時間は、1〜50時間、より好ましくは3〜15時間程度、重合硬化を行う。重合硬化の後、成形型を炉内から取り出し、そして成形型から重合硬化物を取り外すことで、所定の光学物品を得ることができる。
成形型から取り外された光学物品は、必要に応じて内部応力を緩和させるために、アニール処理を行うことができる。アニール処理は、50℃〜180℃の温度範囲、より好ましくは80℃〜130℃の温度範囲の加熱を、10分〜10時間、より好ましくは30分〜3時間行い、重合収縮に伴う重合体内部の内部応力を緩和することができる。さらに、光学物品には、必要に応じてハードコート膜、反射防止膜等を形成することができる。
ハードコート膜は、例えば、シリコン系やアクリル系等の公知のハードコート材料を用い、スピン法、フロー法、ディップ法等の湿式法により形成する。あるいは、酸化ケイ素等の無機膜をスパッタ法による乾式法を用いる等により、形成することができる。
反射防止膜は、例えば、酸化ケイ素と酸化チタン等の多層膜、あるいは酸化ジルコニウムと酸化ニオブ等の多層膜を、蒸着法を用いて形成することができる。
以上に説明した重合性組成物の重合硬化と光学物品の成形を同時に行う替わりに、懸濁重合、乳化重合等のプロセスを用いて、重合性組成物を重合硬化して、一旦重合体を作製し、その後、ペレットとして必要な形状に成形することができる。そして、そのペレットを射出成形や押出成形等の手法を用いて、シート形状やレンズ形状等の所定形状の光学材料とすることもできる。シート形状やレンズ形状に成形した光学材料の場合にも、必要に応じて、光学材料にハードコート膜や反射防止膜といった機能膜を、光学物品と同様に付与することが可能である。
重合性組成物を重合硬化して得られた光学材料は、一般的なプラスチック材料と同様以上の、強度、耐熱性、耐久性等に優れた材料が得られる。
重合性組成物を重合硬化して得られた光学材料の好適な用途は、近赤外線吸収機能を有するプラスチック製の光学フィルターである。これらの光学フィルターは、カメラの測光用フィルターや、視感度補正フィルターとして好適に用いることができる。
光学フィルターの作製方法としては、光学材料としてシート形状、プレート形状または所定のレンズ形状に成形して、それを光学フィルターとして単独で用いても良いし、成形したシート形状やプレート形状の光学フィルターを、水晶複屈折板、あるいはλ/4波長板等の基板や位相差フィルム等のシートの間に接着剤で貼り合わせて用いることができる。この場合、接着剤で貼り合わせる替わりに、水晶板等の複屈折率板やその他の基板やシートの間に、重合前の重合性組成物を注入し、そのまま熱、または光によって重合硬化させて、同時に接着剤としての機能を合わせて持たせることも可能である。
また、重合性組成物を重合硬化して得られた光学材料の他の好適な用途は、近赤外線吸収機能を、レンズ部分に同時に持たせたプラスチックレンズである。プラスチックレンズは、カメラの視感度補正機能付レンズや、矯正用眼鏡レンズ等として、好ましく用いることができる。
以下、本実施形態に基づく、具体化した実施例および比較例を説明する。
(錯化合物の合成)
合成例1:ビスベンゾイルアセトナト銅の合成。
溶媒としてn−ヘキサン100ccを準備し、この溶媒中に塩化銅(I)を150g添加して、十分に攪拌して均一な懸濁液とした。そして、室温環境下で、この懸濁液中にベンゾイルアセトン50gを、少量づつゆっくりと添加しながら攪拌し、1時間かけて全量を添加した。そして、この懸濁液を70℃で加熱還流した後に、反応液をろ過した。得られたろ液を、20Torrでの減圧を1時間行うことによって溶媒を除去した。残った残渣を、n−ヘキサン100ccで再結晶することによって、ビスベンゾイルアセトナト銅の結晶を得た。得られた錯化合物をA1とした。
合成例2:ビスフェナシルフェニルケトナト銅の合成。
合成例1におけるベンゾイルアセトン50gに替えて、フェナシルフェニルケトン70gを用いた以外は、合成例1と同様の方法によってビスフェナシルフェニルケトナト銅の結晶を得た。得られた錯化合物をA2とした。
合成例3:ビス(1−フェニル−2−メチル−1,3−ブタンジオナト)銅の合成。
合成例1におけるベンゾイルアセトン50gに替えて、1−フェニル−2−メチル−1,3−ブタンジオン50gを用いた以外は、合成例1と同様の方法によってビス(1−フェニル−2−メチル−1,3−ブタンジオナト)銅の結晶を得た。得られた錯化合物をA3とした。
合成例4:ビス(1−シクロヘキシルー2−メチルー1,3−ブタンジオナト)銅の合成。
比較用として、合成例1におけるベンゾイルアセトン50gに替えて、1−シクロヘキシルー2−メチルー1,3−ブタンジオン50gを用いた以外は、合成例1と同様の方法によって、R1(一般式(1)参照)にアリール基も複素環基も有さない構造のビス(1−シクロヘキシルー2−メチルー1,3−ブタンジオナト)銅の結晶を得た。得られた化合物をD1とした。
(実施例1)
B成分として、メチルメタクリレート(以後、B1と表す)60g、テトラエチレングリコールジメタクリレート(以後、B2と表す)30g、グリシジルメタクリレート(以後、B3と表す)10gを混合し、25℃で攪拌して均一にした。このB成分の混合液中に、A成分として、合成例1で合成したビスベンゾイルアセトナト銅(A1)を5gを添加し、25℃で1時間攪拌して完全に溶解させた。
さらに、この混合液中に、重合調整剤としてノフマーMSD(日本油脂(株)製)1.0gを添加して攪拌した後に、C成分としてt−ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート(以後、C1と表す)1.0gを添加し、十分に攪拌し均一にして、重合用組成物を調整した。
調整した重合用組成物を、外形形状が同じ2枚のフラット形状のガラス型を2.2mm厚の間隔に保持し、外周部を粘着テープで封止した成形型の空隙中に注入した。注入した成形型を大気炉内に投入し、温度を30℃から100℃まで10時間かけて昇温して、重合用組成物を重合硬化させた。そして、成形型を大気炉内から取り出し、ガラス型から硬化物を取り外した後、温度100℃で30分間加熱するアニール処理を行い、厚み2mmのプレート形状の光学材料を作製した。
得られた光学材料は、青色を呈しつつ透明であり、白濁などの外観上の異常は見られなかった。また、分光スペクトルを測定したところ、380nm以下の紫外線の透過率は10%以下であり、紫外線をほぼ吸収していることから、紫外線吸収機能があることが確認された。また、400〜650nmにかけての可視光線は30〜80%の透過率であり、可視光線はほぼ透過していることが確認され、700〜1000nmの近赤外線から赤外線にかけての領域は10%以下の透過率しかなく、ほとんど吸収していることから、近赤外線吸収フィルターとしても有用であることが確認された。
(実施例2)
A成分として、実施例1におけるA1の替わりに合成例2で合成したビスフェナシルフェニルケトナト銅(A2)を5gを使用した以外は、実施例1と同様の方法によって光学材料を作製した。
得られた光学材料は、実施例1と同様に白濁などの外観上の異常は見られず、紫外線吸収機能および近赤外線吸収機能効果が確認された。
(実施例3)
A成分として、実施例1におけるA1の替わりに合成例3で合成したビス(1−フェニル−2−メチル−1,3−ブタンジオナト)銅(A3)5gを使用した以外は、実施例1と同様のB成分およびC成分を用い、実施例1と同様の方法によって光学材料を作製した。
得られた光学材料は、実施例1と同様に白濁などの外観上の異常は見られず、実施例1と同様の紫外線吸収機能および近赤外線吸収機能効果が確認された。
(実施例4)
B成分として、B1を15g、B2を75g、B3を10g使用した以外は、実施例1と同様のA成分およびC成分を用い、実施例1と同様の方法によって光学材料を作製した。
得られた光学材料は、実施例1と同様に白濁などの外観上の異常は見られず、実施例1と同様の紫外線吸収機能および近赤外線吸収機能効果が確認された。
(実施例5)
B成分として、B1を5g、B2を85g、B3を10g使用した以外は、実施例1と同様のA成分およびC成分を用い、実施例1と同様の方法によって光学材料を作製した。
得られた光学材料は、実施例1と同様に白濁などの外観上の異常は見られず、実施例1と同様の紫外線吸収機能および近赤外線吸収機能効果が確認された。
(実施例6)
A成分としてA1を10g、B成分として、実施例4と同様にB1を15g、B2を75g、B3を10g使用した以外は、実施例1と同様のC成分を用い、実施例1と同様の方法によって光学材料を作製した。
得られた光学材料は、青色を呈しつつ透明であり、白濁などの外観上の異常は見られなかった。また、分光スペクトルを測定したところ、380nm以下の紫外線は8%以下の透過率しかなく、紫外線をほぼ吸収していることから、紫外線吸収機能があることが確認された。また、400〜650nmにかけての可視光線は25〜75%の透過率であり、可視光線はほぼ透過していることが確認された。また、700〜1000nmの近赤外線から赤外線にかけての領域は8%以下の透過率しかなく、ほとんど吸収していることから、近赤外線吸収フィルターとしても有用であることが確認された。
(実施例7)
A成分としてA1を10g、B成分として、実施例5と同様にB1を5g、B2を85g、B3を10g使用した以外は、実施例1と同様のC成分を用い、実施例1と同様の方法によって光学材料を作製した。
しかし、重合用組成物の調整の際、A成分が完全に溶解するまでの時間がかかり、25℃での攪拌を3時間行う必要があったが、得られた光学材料は、一部にわずかな白濁が見られるものの、光学材料として許容されるレベルであった。また、分光スペクトルの測定については、実施例6と同様の結果が得られた。
(実施例8)
A成分としてA1を1g、C成分として、C10.5g、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(以後、C2と表す)0.5gの2種類の重合開始剤を併用した以外は、実施例1と同様のB成分を用い、実施例1と同様の方法によって光学材料を作製した。
得られた光学材料は、青色を呈しつつ、透明であり、白濁などの外観上の異常は見られなかった。また、分光スペクトルを測定したところ、380nm以下の紫外線は15%以下の透過率しかなく、ほぼ吸収していることから、紫外線吸収機能があることが確認された。また、400〜650nmにかけての可視光線は、35〜85%の透過率であり、可視光線をほぼ透過していることが確認された。また、700〜1000nmの近赤外線から赤外線にかけての領域は15%以下の透過率しかなく、ほとんど吸収していることから、近赤外線吸収フィルターとして有用であることが確認された。
(実施例9)
A成分として、A1を1gに替えて5g使用した以外は、実施例8と同様の操作を行い、光学材料を作製した。
得られた光学材料は、青色を呈しつつ透明であり、白濁などの外観上の異常は見られなかった。また、分光スペクトルを測定したところ、380nm以下の紫外線は10%以下の透過率しかなく、ほぼ吸収していることから、紫外線吸収機能があることが確認された。また、400〜650nmにかけての可視光線は30〜80%の透過率であり、可視光線をほぼ透過していることが確認された。また、700〜1000nmの近赤外線から赤外線にかけての領域は10%以下の透過率しかなく、ほとんど吸収していることから、近赤外線吸収フィルターとして有用であることが確認された。
(実施例10)
A成分として、A1を1gに替えて20g使用した以外は、実施例8と同様の操作を行い、光学材料を作製した。
得られた光学材料は、青色を呈しつつ透明であり、白濁などの外観上の異常は見られなかった。また、分光スペクトルを測定したところ、380nm以下の紫外線は7%以下の透過率しかなく、ほぼ吸収していることから、紫外線吸収機能があることが確認された。また、400〜650nmにかけての可視光線は20〜70%の透過率であり、可視光線をほぼ透過していることが確認された。また、700〜1000nmの近赤外線から赤外線にかけての領域は7%以下の透過率しかなく、ほとんど吸収していることから、近赤外線吸収フィルターとして有用であることが確認された。
(比較例1)
A成分として、A1に替えてD1を10g使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、光学材料を作製した。
しかし、重合用組成物の調整の際、B成分の混合液中にA成分としてのD1を添加した後に25℃で3時間攪拌を行っても、D1が混合液中に完全に溶解せず、一部がとけ残ったままであった。溶け残った成分をろ過してから、この重合性組成物を実施例1と同様に重合硬化させたところ、全体にわたって白濁が見られ、透明性が確保できないために、光学材料として使用できない状態であった。
(比較例2)
A成分として、A1に替えて炭酸銅を5g使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、光学材料を作製した。
しかし、重合用組成物の調整の際、B成分の混合液中に炭酸銅を添加した後に25℃で3時間攪拌を行っても、炭酸銅が混合液中に完全に溶解しなかった。溶け残った成分をろ過してから、この重合性組成物を実施例1と同様に重合硬化させたところ、全体にわたって白濁が見られ、透明性が確保できないために、光学材料として使用できない状態であった。
(比較例3)
A成分として、炭酸銅5gに替えて塩化銅を5g用いた以外は、比較例2と同様の操作を行い、光学材料を作製した。
しかし、比較例2と同様に、重合用組成物の調整の際、B成分の混合液中に炭酸銅を添加した後に25℃で3時間攪拌を行っても、炭酸銅が混合液中に完全に溶解しなかった。溶け残った成分をろ過してから、この重合性組成物を実施例1と同様に重合硬化させたところ、全体にわたって白濁が見られ、透明性が確保できないために、光学材料として使用できない状態であった。
(比較例4)
A成分として、炭酸銅5gに替えて硫酸銅を5g用いた以外は、比較例2と同様の操作を行い、光学材料を作製した。
しかし、比較例2と同様に、重合用組成物の調整の際、B成分の混合液中に炭酸銅を添加した後に25℃で3時間攪拌を行っても、炭酸銅が混合液中に完全に溶解しなかった。溶け残った成分をろ過してから、この重合性組成物を実施例1と同様に重合硬化させたところ、全体にわたって白濁が見られ、透明性が確保できないために、光学材料として使用できない状態であった。
以上の実施例1〜10、および比較例1〜4に示すように、ラジカル重合可能な化合物または重付加反応が可能な化合物に、置換基を有しても良いアリール基または複素環基の構造からなる銅錯体を含有することにより、銅錯体の添加量に係わらず、透明性に優れ、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する重合用組成物および光学材料が得られる。
以上に示したように、本実施形態の重合性組成物は、銅錯体中に芳香環を有する化合物(A成分)、ラジカル重合性基または重付加反応性基を含む重合性単量体(B成分)、重合開始剤または重合触媒(C成分)を含有することにより、A成分とB成分を混合した際の反応による酸成分の生成が無いため、酸成分を抽出除去する等の工程が不要であり、しかも、重合硬化後に白濁の発生が少なく透明性に優れた光学材料が得られる。また、A成分は、配位子の中に芳香環または複素環を含むことにより、銅イオン由来の近赤外吸収効果の他に、紫外線吸収機能を有する。したがって、本実施形態の重合性組成物を用いることにより、紫外線吸収剤等を添加しなくても、近赤外吸収機能と紫外線吸収機能を同時に有する光学材料や光学物品を容易に得ることができる。

Claims (6)

  1. 下記、A成分、B成分、C成分を含有することを特徴とする重合性組成物。
    A成分:一般式(2)で表される銅錯体。
    Figure 0004816096
    B成分:メチルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、及び、グリシジルメタクリレートの混合物。
    C成分:t−ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエートまたはt−ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート及びt−ブチルパーオキシネオデカノエートの混合物
  2. 請求項1に記載の重合性組成物であって、
    前記B成分の総量を100重量部としたとき、前記A成分の含有量が1重量部以上100重量部以下であることを特徴とする重合性組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の重合性組成物であって、
    前記B成分の総量を100重量部としたとき、前記メチルメタクリレートが10重量部以上100重量部以下であることを特徴とする重合性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合性組成物を、重合硬化させて得られることを特徴とする光学材料。
  5. 請求項4に記載の光学材料からなることを特徴とする光学用フィルター。
  6. 請求項4に記載の光学材料からなることを特徴とするプラスチックレンズ。
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