JP2023005858A - 樹脂組成物および該樹脂組成物を得るためのプレミックス組成物 - Google Patents

樹脂組成物および該樹脂組成物を得るためのプレミックス組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた耐水性と柔軟性との両方を有する樹脂組成物および該樹脂組成物を得るためのプレミックス組成物を提供すること。【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)との硬化物を含む。さらに、この樹脂組成物から構成される平均膜厚100μmを有する樹脂フィルムについて、樹脂フィルムを煮沸水に1時間浸漬した際の溶出率が30質量%以下であり、かつ樹脂フィルムを40%RHで1週間調湿した後の引張破断伸度が50%以上である。【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物および該樹脂組成物を得るためのプレミックス組成物に関する。
ビニルアルコール系重合体は、高い結晶性に起因する優れた皮膜特性(機械的強度、耐油性、造膜性、酸素ガスバリア性等)または親水性を利用して、各種バインダーや包装体、シート、容器等に広く利用されている。一方、通常、ビニルアルコール系樹脂はガラス転移温度が常温より高く、高度に結晶化しているため、柔軟性が低くかつ耐屈曲性に弱いという物性的欠点を抱えている。柔軟性の低さは一般的に可塑剤を配合することにより解決できる。しかし、その場合は可塑剤のブリードアウトや溶剤に曝露された際の溶出に起因して柔軟化効果が経時的に失われることが多い。
可塑剤のブリードアウトを防ぐ方法として、ビニルアルコール系重合体にポリオキシアルキレン基を導入した樹脂およびそれを用いたフィルムが提案されている(例えば特許文献1および2)。また、溶剤への溶出耐性を得るために、架橋されたビニルアルコール系重合体に可塑剤を配合したフィルムも提案されている(特許文献3)。
特開昭59-155408号公報 特開2002-179872号公報 WO2008/143287号公報
しかし、特許文献1に記載されるポリオキシアルキレン基が導入されたビニルアルコール系重合体は、それ自体が水溶性であるために、高度な耐水性が求められる用途には使用できないという制約がある。特許文献2には、ポリオキシアルキレン基が導入されたビニルアルコール系重合体に、耐水性の高いエチレン-ビニルアルコール共重合体を複合したフィルムが例示されているが、当該ビニルアルコール系重合体自体が水溶性であるために、得られるフィルムは十分な耐水性を有していない。また、特許文献3に記載のフィルムは、配合された可塑剤自体がフィルム中で化学固定されていないため、流水に暴露されると当該可塑剤が容易に流失し、柔軟化の効果を保持することが困難である。
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、優れた耐水性と柔軟性との両方を有する樹脂組成物および該樹脂組成物を得るためのプレミックス組成物を提供することにある。
本発明は、以下の発明を包含する。
[1]ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)との硬化物を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物から構成される平均膜厚100μmを有する樹脂フィルムについて、該樹脂フィルムを煮沸水に1時間浸漬した際の溶出率が30質量%以下であり、かつ該樹脂フィルムを40%RHで1週間調湿した後の引張破断伸度が50%以上である、樹脂組成物。
[2]前記硬化物が、前記ビニルアルコール系重合体(A)100質量部と前記ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)2~100質量部とから構成されている、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)が多官能(メタ)アクリレートである、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記ビニルアルコール系重合体(A)が、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ビニルアルコール樹脂である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記エチレン性不飽和基が以下の式(I)で表される部分構造を含む、[4]に記載の樹脂組成物。
Figure 2023005858000001
(式(I)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または-N(R)-であり、Rは水素原子または炭素数1~3の炭化水素基であり、*は結合手である)
[6]前記ビニルアルコール系重合体(A)が、以下の式(II)または式(III)で表される構造単位を含む、[4]または[5]に記載の樹脂組成物。
Figure 2023005858000002
(式(II)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または-N(R)-であり、Rは水素原子または炭素数1~3の炭化水素基であり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1~10の2価の炭化水素基を表し、*は結合手である)
Figure 2023005858000003
(式(III)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、*は結合手である)
[7]前記ビニルアルコール系重合体(A)が、式(I)で表される前記部分構造を0.2~5モル%の割合で含有する、[5]または[6]に記載の樹脂組成物。
[8]前記ビニルアルコール系重合体(A)が5,000~200,000の数平均分子量を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物から構成される、樹脂フィルム。
[10][1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物を製造するためのプレミックス組成物であって、ビニルアルコール系重合体(A)と、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)とを含有する、プレミックス組成物。
[11]さらに水性媒体を含有する、請求項10に記載のプレミックス組成物。
[12]前記水性媒体が、水または40質量%以下のアルコール濃度を有するアルコール水溶液である、[11]に記載のプレミックス組成物。
本発明によれば、優れた耐水性を有し、かつ高い柔軟性を発現し、さらにそれらを長期に亘って持続できる架橋成形体を簡便に提供することができる。
(樹脂組成物およびプレミックス組成物)
本発明の樹脂組成物は、ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)との硬化物を含む。さらに、当該硬化物は、ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)とを含有するプレミックス組成物の架橋体から構成されている。
(1)ビニルアルコール系重合体(A)
ビニルアルコール系重合体(A)は、ビニルアルコール(CH=CHOH)またはその誘導体をモノマー構成単位の少なくとも1つとして含有するポリマーであり、例えばポリビニルアルコール樹脂および変性ポリビニルアルコール樹脂、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
変性ビニルアルコール系重合体としては、例えば、側鎖に様々な官能基を有する、および/または不飽和結合を含む(例えば不飽和基の形態で含む)ポリマーが挙げられる。官能基としては、例えば、カルボキシ基、カルボニル基、ホルミル基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、エーテル基、およびハロゲン原子、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。不飽和結合の例としては、炭素炭素二重結合(エチレン性不飽和結合またはエチレン性不飽和基ともいう)および炭素炭素三重結合、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
さらに、ビニルアルコール系重合体(A)それ自体は好ましくは水溶性である。本明細書中における用語「水溶性」とは、水性媒体に対して溶解する性質を意味する。水性媒体は、例えば水またはアルコール水溶液である。また、水の例としては、純水、イオン交換水、蒸留水、RO水および水道水、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。アルコール水溶液に含まれるアルコールは、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数1~3の低級アルコールである。アルコール水溶液に含まれるアルコールの濃度は低く設定されていることが好ましく、例えば、40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。これらをまとめると、本発明において、ビニルアルコール系重合体(A)には、アルコール単独には溶解するが、水や水系媒体には溶解しないものは除外される。
本発明においては、水性媒体を組み合わせた際に溶液安定性に優れたプレミックス組成物を提供できるという理由から、ビニルアルコール系重合体(A)は側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
変性ポリビニルアルコール樹脂が側鎖に有するエチレン性不飽和基の構造は特に限定されず、例えばラジカル重合性を有する不飽和基が挙げられる。変性ポリビニルアルコール樹脂のエチレン性不飽和基に基づく優れた架橋反応性を利用して、架橋性組成物から硬化物を得ることができる。特に、エチレン性不飽和基は、以下の式(I)で表される部分構造を含むことが好ましい。
Figure 2023005858000004
(式(I)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または-N(R)-であり、Rは水素原子または炭素数1~3の炭化水素基であり、*は結合手である)
上記式(I)において、架橋反応性が良好であるとの理由から、RおよびRは水素原子であることが好ましく、水性媒体を組み合わせた際に溶液安定性に優れたプレミックス組成物を提供できるという理由から、Rはメチル基であることが好ましい。また、上記式(I)において、Xが-N(R)-である場合、Rを構成し得る炭素数1~3の炭化水素基としては、例えば炭素数1~3の飽和炭化水素基が挙げられる。具体的には、Rは炭素数1~3のアルキル基であることが好ましい。炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、およびイソプロピル基が挙げられる。なお、反応性に優れるとの理由から、上記式(I)において、Xは酸素原子であることが好ましい。
本発明において、変性ポリビニルアルコール樹脂は、以下の式(II)または(III)で表される構造単位を含むことが好ましい。
Figure 2023005858000005
(式(II)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または-N(R)-であり、Rは水素原子または炭素数1~3の炭化水素基であり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1~10の2価の炭化水素基を表し、*は結合手である)
Figure 2023005858000006
(式(III)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、*は結合手である)
上記式(II)および(III)において、架橋反応性が良好であるとの理由から、RおよびRは水素原子であることが好ましく、水性媒体を組み合わせた際に溶液安定性に優れたプレミックス組成物を提供できるという理由からRはメチル基であることが好ましい。
また、上記式(II)において、Xが-N(R)-である場合、Rを構成し得る炭素数1~3の炭化水素基としては、例えば炭素数1~3の飽和炭化水素基が挙げられる。具体的には、Rは炭素数1~3のアルキル基であることが好ましい。炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、およびイソプロピル基が挙げられる。なお、反応性に優れるとの理由から、上記式(II)において、Xは酸素原子であることが好ましい。
さらに、上記式(II)において、Yを構成し得る炭素数1~10の2価の炭化水素基としては、炭素数1~10のアルキレン基および炭素数1~10のシクロアルキレン基が挙げられる。炭素数1~10のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。炭素数1~10のシクロアルキレン基としては、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。これらのアルキレン基およびシクロアルキレン基は、メチル基、エチル基等のアルキル基を分岐構造として有していてもよい。またYを構成し得る炭素数1~10の2価の炭化水素基は、所定の置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば水酸基;アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基等が挙げられ、さらに当該置換基の構造中に、カルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合等を含んでいてもよい。Yはまた、変性ポリビニルアルコール樹脂の主鎖の一部と一緒になってアセタール構造を形成していてもよい。
本発明において、ビニルアルコール系重合体(A)は、上記式(II)または(III)で表される構造単位を含む変性ポリビニルアルコール樹脂のうち、特に式(III)で表される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
なお、上記式(I)で表される部分構造を含む構造単位、ならびに上記式(II)および(III)で表される構造単位のより具体的な例としては、以下に示される構造単位が挙げられる。
Figure 2023005858000007
(式中、*は結合手である)。
上記式(IV-1)~式(IV-6)中、式(IV-1)~式(IV-3)は上記式(III)の具体例であり、上記式(IV-5)および(IV-6)は上記式(II)の具体例である。上記式(IV-4)は、上記式(II)および(III)に属さないが、式(I)で表される部分構造を含む具体例である。
本発明において、ビニルアルコール系重合体(A)の全構造単位に対する、エチレン性不飽和基を有する構造単位(例えば式(I)で表される部分構造を含む構造単位)の含有量の下限は特に限定されないが、ビニルアルコール系重合体(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは0.2モル%以上であり、より好ましくは0.3モル%以上であり、さらに好ましくは0.4モル%以上である。また、エチレン性不飽和基を有する構造単位(例えば式(I)で表される部分構造を含む構造単位)の含有量の上限は特に限定されないが、ビニルアルコール系重合体(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは5モル%以下であり、より好ましくは3モル%以下であり、さらに好ましくは2モル%以下である。上記エチレン性不飽和基を有する構造単位の含有量がこのような下限および上限から構成される範囲内にあることにより、得られる樹脂組成物には、優れた耐水性と高い柔軟性との両方が提供され、かつそれらを長期に亘って持続できる。さらに、ビニルアルコール系重合体(A)は、その全構造単位内に2種以上のエチレン性不飽和基を有する構造単位を有していてもよい。例えば、2種以上のエチレン性不飽和基を有する場合、これら2種以上のエチレン性不飽和基を有する構造単位の含有量の合計量が上記下限および上限から構成される範囲内にあることが好ましい。なお、本明細書における用語「構造単位」は、重合体を構成する繰り返し単位を指していう。例えば、後述の「ビニルアルコール単位」および「ビニルエステル単位」もまた「構造単位」の例として包含される。
本発明において、ビニルアルコール系重合体(A)の全構造単位に対する、ビニルアルコール単位の下限は特に限定されないが、ビニルアルコール系重合体(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは60モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは85モル%以上である。また、上記ビニルアルコール単位の含有量の上限は特に限定されないが、ビニルアルコール系重合体(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは99.95モル%以下であり、より好ましくは99.9モル%以下であり、さらに好ましくは99.5モル%以下であり、特に好ましくは99.0モル%である。ビニルアルコール単位の含有量がこのような下限および上限から構成される範囲内にあることにより、得られる樹脂組成物には、優れた耐水性と高い柔軟性との両方が提供され、かつそれらを長期に亘って持続できる。
ビニルアルコール単位は、加水分解や加アルコール分解などによってビニルエステル単位から誘導できる。そのため、ビニルエステル単位からビニルアルコール単位に変換する際の条件等によっては、ビニルアルコール系重合体(A)中にビニルエステル単位が残存することがある。よって、ビニルアルコール系重合体(A)は、上記エチレン性不飽和基を有する構造単位以外のビニルエステル単位を含んでいてもよい。
上記ビニルエステル単位のビニルエステルの例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどを挙げられ、これらの中でも酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。
ビニルアルコール系重合体(A)は、本発明の効果が得られる限り、エチレン性不飽和基を有する構造単位、ビニルアルコール単位およびビニルエステル単位以外の他の構造単位をさらに含んでいてもよい。当該他の構造単位は、例えば、ビニルエステルと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位である。他の単量体としては、エチレン性不飽和単量体が挙げられる。他の単量体に由来する構造単位は、エチレン性不飽和基を有する構造単位に変換可能な構造単位であってもよい。エチレン性不飽和単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、n-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセンなどのα-オレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸i-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸i-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3-ジアセトキシ-1-ビニルオキシプロパンなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3-ジアセトキシ-1-アリルオキシプロパン、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
ビニルアルコール系重合体(A)におけるエチレン性不飽和基を有する構造単位、ビニルアルコール単位、およびその他の任意の構造単位の配列順序には特に制限はなく、ビニルアルコール系重合体(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などのいずれであってもよい。
ビニルアルコール系重合体(A)の分子量は特に限定されないが、数平均分子量(Mn)は好ましくは5,000~200,000であり、より好ましくは7,000~180,000であり、さらに好ましくは8,000~150,000である。Mnが5,000未満であると、得られる樹脂組成物に対して十分な耐久性を付与できない場合がある。Mnが200,000を越えると、得られる樹脂組成物に対して耐水性および/または柔軟性についての持続性が低下する場合がある。Mnは、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準物質にポリメチルメタクリレートを用い、HFIP系カラムで測定した値として算出できる。
ビニルアルコール系重合体(A)のJIS K6726(1994年)に準拠して測定した粘度平均重合度は特に限定されないが、好ましくは100~5,000であり、より好ましくは200~4,000である。粘度平均重合度が100を下回ると、得られる樹脂組成物に対して十分な耐久性を付与できない場合がある。粘度平均重合度が5,000を上回ると、そのようなビニルアルコール系重合体(A)の製造にあたりより高度な技術が必要となるおそれがあり、工業的生産性を保持することが困難となる場合がある。
ビニルアルコール系重合体(A)のけん化度は特に限定されないが、好ましくは60~99.95モル%、より好ましくは70~99.9モル%、さらに好ましくは80~99.5モル%、特に好ましくは85~99.0モル%、最も好ましくは88~98.5モル%である。ビニルアルコール系重合体(A)のけん化度が60モル%を下回ると、得られる樹脂組成物に対して十分な耐久性を付与できない場合がある。ビニルアルコール系重合体(A)のけん化度が99.95モル%を上回ると、得られる樹脂組成物に対して耐水性および/または柔軟性についての持続性が低下する場合がある。
ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法は特に限定されない。例えば、ポリビニルアルコールに対して、構造内にエチレン性不飽和基を有する化合物(例えばカルボン酸を有する化合物)を反応させることにより、上記式(I)で表される部分構造を側鎖に導入した変性ポリビニルアルコール樹脂を製造することができる。当該反応の具体的な例としては、ポリビニルアルコールとアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとのエステル交換反応;ポリビニルアルコールとアクリル酸またはメタクリル酸、4-ペンテン酸、10-ウンデセン酸との反応;ポリビニルアルコールと無水アクリル酸または無水メタクリル酸との反応;ポリビニルアルコールと塩化アクリロイルまたは塩化メタクリロイルとの反応;が挙げられる。
(2)単量体(B)
単量体(B)は、分子内にポリオキシアルキレン基を有する。ポリオキシアルキレン基は、水(HO)との間に水素結合を形成することができ、単量体(B)自体、または当該単量体(B)を構成単位として含む重合体の水への溶解を助けるか、または水に溶解しない場合でも水に濡れ易い表面を形成し得る性質を有する。単量体(B)を構成するポリオキシアルキレン基の具体的な例としては、-(CHCHO)-または-(CHCHCHO)-[式中、nおよびmはそれぞれ独立して1~100の整数である。]で表されるポリオキシエチレン基およびポリオキシプロピレン基が挙げられる。
単量体(B)は、同一分子内に上記ポリオキシアルキレン基とともにイオン性基を含んでいてもよい。イオン性基は、例えば酸または塩基の存在下でイオン化され得る基であり、電解質と親和性を有する基である。イオン性基は塩を形成しているものであってもよい。イオン性基としては、例えばスルホン酸基(-SOH)、スルホンアミド基(-SONH)、硫酸基(-OSOH)、ホスホン酸基(-PO(OH))、リン酸基(-OPO(OH))、カルボン酸基(-COOH)、およびアンモニウム基(-NH)、ならびにそれらの塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、および塩酸塩)が挙げられる。イオン性基は同一分子内に2種以上導入されていてもよく、例えば、ホスホリルコリン基およびベタイン基、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
単量体(B)はまた、重合性反応性基を含んでいてもよい。重合反応性基は、炭素炭素二重結合を含むエチレン性基であり、例えば、α,β-不飽和カルボニル基、アリル基およびビニル基が挙げられる。α,β-不飽和カルボニル基の具体的な例としては、アクリロイル基およびメタクリロイル基が挙げられる。本発明において、単量体(B)は好ましくは多官能(メタ)アクリレートである。
1つの実施形態では、本発明における単量体(B)は、以下の式(V):
Figure 2023005858000008
(式(V)中、Rはアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、または炭素数1~3のアルキル基であり、Rは-O-アクリロイル基、-O-メタクリロイル基、-O-アリル基、-O-ビニル基、または水酸基であるか、もしくはRはスルホン酸基、スルホンアミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、またはアンモニウム基、あるいはそれらの塩、あるいはそれらを2種以上有する官能基であり、nは1~100の整数である)で表される界面活性剤である。式(V)で表される単量体(B)の具体的な例としては、ポリエチレングルコールジメタクリレート(n=14)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート(n=9)、およびアクリル酸3-スルホプロピルカリウム、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の樹脂組成物およびそれを構成するプレミックス組成物における単量体(B)の含有量の下限は、ビニルアルコール系重合体100質量部に対して2質量部以上、好ましくは3質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。また、単量体(B)の含有量の上限は、ビニルアルコール系重合体100質量部に対して、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。単量体(B)の含有量が2質量部を下回ると、得られる塗膜の柔軟化効果が小さくなることがある。また、単量体(B)の含有量が100質量部を上回ると、得られる塗膜が脆くなることがある。
本発明の樹脂組成物において、ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)との硬化物は、当該重合体(A)と単量体(B)とがプレミックス組成物中で架橋した架橋体の形態で含有されている。このような硬化物の形成にあたり、プレミックス組成物には、さらに水性媒体、シリカナノ粒子、アルコキシシラン、光重合開始剤または架橋剤、酸触媒、および他の添加剤のうちのいずれか1種またはそれ以上を含有していてもよい。
(3)水性媒体
水性媒体は、上記で説明したような水またはアルコール水溶液である。
プレミックス組成物に含有され得る水性媒体の含有量は特に限定されないが、ビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部~100000質量部、より好ましくは200質量部~50000質量部、さらにより好ましくは400質量部~10000質量部である。水性媒体の含有量が100質量部を下回ると、例えばプレミックス組成物液中のビニルアルコール系重合体(A)が十分に溶解できず、塗工性が悪化するおそれがある。水性媒体の含有量が100000質量部を上回ると、プレミックス組成物から当該水性媒体を揮発させる際に多大なエネルギーを要することがある。
プレミックス組成物はまた、上記水性媒体以外に、アセトンなどのケトン、ジエチルエーテル等のエーテル、ならびにそれらの組み合わせが希釈剤として含有されていてもよい。これらの希釈剤の含有量は、当業者によって適宜選択され得る。
(4)シリカナノ粒子
シリカナノ粒子は、二酸化ケイ素(SiO)の微粒子から構成されている。シリカナノ粒子は、上記水性媒体と混合することによりコロイダルシリカ(シリカゾル)を形成し得る。あるいは、シリカナノ粒子は、予めコロイダルシリカの形態でプレミックス組成物に含有されていてもよい。
シリカナノ粒子の含有量の下限は、上記ビニルアルコール系重合体100重量部に対して1質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらにより好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。また、シリカナノ粒子の含有量の上限は、上記ビニルアルコール系重合体100重量部に対して、250質量部以下、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下、さらにより好ましくは160質量部以下、特に好ましくは110質量部以下である。シリカナノ粒子の含有量が1質量部を下回ると、当該含有量を満たすプレミックス組成物から得られる硬化物(すなわち、本発明の樹脂組成物)の耐摩耗性が低下して耐久性に欠くことがある。また、シリカナノ粒子の含有量が250質量部を上回ると、当該含有量を満たすプレミックス組成物から得られる硬化物(すなわち、本発明の樹脂組成物)自体の耐水性および/または柔軟性についての持続性が低下することがある。
シリカナノ粒子の平均粒子径は特に限定されないが、例えば0.1nm~200nm、好ましくは0.5nm~100nm、より好ましくは0.7nm~70nm、さらにより好ましくは1nm~50nm、特に好ましくは1.5nm~30nmである。シリカナノ粒子の平均粒子径が0.1nmを下回ると、シリカナノ粒子自体の製造が困難になるおそれがある。シリカナノ粒子の平均粒子径が200nmを上回ると、シリカナノ粒子自体の着色が目立ち、得られる硬化物の透明性が損なわれるおそれがある。
(5)アルコキシシラン
アルコキシシランは、プレミックス組成物の溶液安定性とともに、当該プレミックス組成物から得られる硬化物(すなわち本発明の樹脂組成物)の耐摩耗性を向上させることができる。アルコキシシランは、同一分子内に4つのアルコキシ基(例えば炭素数1~4の低級アルコキシ基)を有するテトラアルコキシシランであることが好ましい。テトラアルコキシシランに含まれる4つのアルコキシ基は互いに同一であっても異なるものであってもよい。汎用性に富み、入手が容易であるとの理由からテトラアルコキシシランを構成する4つのアルコキシ基は互いに同一であることが好ましい。
テトラアルコキシシランの具体的な例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、およびテトラ-tert-ブトキシシラン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。入手が容易でありかつ得られる硬化物に対して優れた耐摩耗性を提供できるという理由から、テトラエトキシシランが好ましい。
アルコキシシランの含有量の下限は、ビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらにより好ましくは5質量部以上、さらにまたより好ましくは7質量部以上、特に好ましくは10質量部以上である。また、アルコキシシランの含有量の上限は、ビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらにより好ましくは65質量部以下、さらにまたより好ましくは45質量部以下、特に好ましくは30質量部以上である。
あるいは、アルコキシシランの含有量の下限は、ビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対してSiO換算で、好ましくは0.29質量部以上、より好ましくは0.86質量部以上、さらにより好ましくは1.4質量部以上、さらにまたより好ましくは2.0質量部以上、特に好ましくは2.86質量部以上である。また、アルコキシシランの含有量の上限は、ビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対してSiO換算で、好ましくは28.7質量部以下、より好ましくは22.9質量部以下、さらにより好ましくは18.6質量部以下、さらにまたより好ましくは13.1質量部以下、特に好ましくは8.6質量部以上である。
アルコキシシランが上記下限かつ上限の範囲内の含有量で含有されていることにより、プレミックス組成物の溶液安定性が一層向上するとともに、当該プレミックス組成物から得られる硬化物(すなわち、本発明の樹脂組成物)の耐摩耗性もさらに向上させることができる。
アルコキシシラン(as)とシリカナノ粒子(cs)との質量比(as/cs)は、特に限定されないが、例えば0~15、好ましくは0.001~8、より好ましくは0.002~3、さらにより好ましくは0.005~1、特に好ましくは0.01~0.8、最も好ましくは0.05~0.7である。アルコキシシランとシリカナノ粒子とが上記範囲内の質量比(as/cs)で含有されていることにより、プレミックス組成物の溶液安定性が一層向上するとともに、当該プレミックス組成物から得られる硬化物の耐摩耗性もさらに向上する。
(6)光重合開始剤
プレミックス組成物は、当該分野において公知の光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば2-ヒドロキシ-4'-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノンなどのプロピオフェノン系化合物;4’-フェノキシ-2,2-ジクロロアセトフェノン、4’-t-ブチル-2,2,2-トリクロロアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4’-ドデシルフェニル)-1-プロパノン、1-[4’-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-4’-メチルチオ-2-モルホリノプロピオフェノンなどのアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、2,2’-ジクロロベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン[4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;9,10-フェナントレンキノン、カンファーキノン(2,3-ボルナンジオン)、2-エチルアントラキノンなどのキノン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;ベンジルなどが挙げられる。
光重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、ビニルアルコール系重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~10質量部、より好ましくは0.2質量部~5質量部である。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満であると、例えばビニルアルコール系重合体にUV光が適切に照射されたとしても、当該重合体(A)による架橋構造が十分に形成されず、得られる硬化物(すなわち本発明の樹脂組成物)について満足すべき耐水化が達成されないおそれがある。光重合開始剤の含有量が10質量部を上回ると、得られる硬化物内の架橋がそれ以上進まず、むしろ生産性を欠くおそれがある。
(7)架橋剤
あるいは、プレミックス組成物は、上記光重合開始剤の代わりに当該分野において公知の架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、好ましくは1分子内に2つまたはそれ以上のチオール基を有する化合物、1分子内に2つまたはそれ以上のアミノ基を有する化合物等が挙げられる。1分子内に2つまたはそれ以上のチオール基を有する化合物としては、例えば1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,10-デカンジチオール、2,3-ジヒドロキシ-1,4-ブタンジチオール、エチレンビス(チオグリコラート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオナート)、1,4-ブタンジオールビス(チオグリコラート)、2,2’-チオジエタンチオール、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール(DODT)、3,7-ジチア-1,9-ノナンジチオール、1,4-ベンゼンジチオール、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオナート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコラート)、ペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトアセタート)、ジペンタエリトリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオナート)、チオコール(東レ・ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。1分子内に2つまたはそれ以上のアミノ基を有する化合物としては、例えばエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、2-メチル-1,3-プロパンジアミン、1,2-ジアミノブタン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1-メチル-1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、1,2-ビス(3-アミノプロポキシ)エタン、1,3-ビス(3-アミノプロポキシ)-2,2-ジメチルプロパン、2,2’-オキシビス(エチルアミン)、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテル、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4-(2-アミノエチル)シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、1,4-フェニレンジアミン等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、ビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~20質量部、より好ましくは0.5質量部~10質量部である。架橋剤の含有量が0.1質量部未満であると、ビニルアルコール系重合体(A)による架橋構造が十分に形成されず、得られる硬化物(すなわち、本発明の樹脂組成物)について満足すべき耐水化が達成されないおそれがある。架橋剤の含有量が20質量部を上回ると、得られる硬化物内の架橋がそれ以上進まず、むしろ生産性を欠くおそれがある。
(8)酸触媒
プレミックス組成物は、上記アルコキシシランの加水分解反応を促進する目的で酸触媒を含有していてもよい。酸触媒の例としては、硝酸、塩酸、硫酸などの鉱酸、およびその無水物(例えば塩化水素);ならびに酒石酸、フタル酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルナジック酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ジクロルコハク酸、クロレンディック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水ジクロルコハク酸、無水クロレンディック酸などの有機酸、およびその無水物が挙げられる。入手が容易であり、上記アルコキシシランの加水分解反応を効率良く触媒できるという理由から、鉱酸が好ましく、硝酸がより好ましい。
酸触媒の含有量は、特に限定されないが、上記アルコキシシラン100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~30質量部、より好ましくは0.5質量部~10質量部である。酸触媒の含有量が0.1質量部を下回ると、プレックス組成物内の構成成分が架橋して硬化物を形成する際のアルコキシシランの縮合反応が効率良く進まない場合があり、得られる硬化物(すなわち本発明の樹脂組成物)が十分な耐摩耗性を有さないことがある。酸触媒の含有量が30質量部を上回ると、プレミックス組成物を調製した際に、所望でない重縮合反応を引き起こし、液が白化することがある。
(9)他の添加剤
プレミックス組成物はまた、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば充填材、加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、剥離剤、離型剤、補強剤、防かび剤、防腐剤、ラジカル発生剤および結晶化速度遅延剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。他の添加剤の含有量は特に限定されず、適切な量が当業者によって選択され得る。
(樹脂組成物の特徴的な物性)
本発明の樹脂組成物では、上記プレミックス組成物内の構成成分が架橋して硬化物を形成することにより、優れた耐水性とともに高い柔軟性が提供される。また、本発明の樹脂組成物は、当該耐水性および柔軟性が長期に亘って持続できる優れた耐久性を有する。こうしうた耐水性および柔軟性に関連して、本発明の樹脂組成物は以下の特徴的な物性を有する。
具体的には、本発明の樹脂組成物は、当該樹脂組成物から構成される平均膜厚100μmを有する樹脂フィルムについて、樹脂フィルムを煮沸水に1時間浸漬した際の溶出率が30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。ここで、溶出率は、後述の実施例においてさらに詳細に説明されているように、評価用の樹脂フィルムを沸騰水中に1時間浸漬し、水から取り出して、40℃で12時間真空乾燥した後に測定した質量(W1)と、浸漬前の質量(W2)とから、以下の式:
溶出率(質量%)=100×([W2]-[W1])/[W2]
を用いて算出することができる。当該溶出率が30質量%を上回る樹脂組成物は、煮沸水によって容易に溶出するものであり、優れた耐水性を有しているということはできない。
本発明の樹脂組成物はまた、当該樹脂組成物から構成される平均膜厚100μmを有する樹脂フィルムを40%RHで1週間調湿した後の引張破断伸度が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。ここで、引張破断伸度は、後述の実施例においてさらに詳細に説明されているように、評価用の樹脂フィルムを幅10mmのダンベル型にカットし、20℃かつ40%RHの保管環境下で一週間調湿した後、例えばオートグラフ(株式会社島津製作所製AG-5000B)を用いて測定された破断伸度である。当該引張破断伸度が50%を下回る樹脂組成物は、高い柔軟性を有しているということはできない。
(用途)
本発明の樹脂組成物はその優れた耐水性および柔軟性を活かして、様々な成形体として利用できる。例えば、感光性刷版材、印刷版原版、転写箔、紙用コーティング剤、顔料バインダーなどの紙用改質剤、木材、紙、アルミ箔及び無機物などの接着剤、不織布バインダー、塗料、経糸糊剤、繊維加工剤、ポリエステルなどの疎水性繊維の糊剤、その他各種フィルム、シート、ボトル、繊維、増粘剤、凝集剤、土壌改質剤、含水ゲルなどが挙げられる。また、本発明の樹脂組成物を各種基材にコーティングした積層部材としては、特に部材表面の曇りおよび/または汚れの発生を回避することが所望される種々の用途に使用され得る。特に限定されないが、用途の例としては、車両(例えば、自動車、列車)、航空機、船舶用の外装材、内装材、ウインドウ、ミラーおよびヘッドライトカバー;建築用(例えば、ビル、住宅)又は構造物用外壁材(例えば外壁パネル、窓ガラス)や建築用内装材(例えば壁紙、鏡)、窓材(例えば窓ガラス)、浴室または洗面所用の鏡;ショーケース、水槽、インキュベーター;情報機器、家具、家電、ディスプレイ、各種コンシューマー製品;キッチン、水回り製品(例えば、シンク、換気扇フード、浴室製品);風力発電機用羽根(例えばプロペラ、多翼、セイル);道路交通用カーブミラー;防犯カメラのレンズおよび筐体;デジタルカメラレンズおよび筐体;放送用カメラのレンズおよび筐体;眼鏡のレンズおよびフレーム;サングラスのレンズおよびフレーム;スポーツまたはレジャー(例えば、スキー、スノーボード、シュノーケリング、スキューバダイビング)用ゴーグル;保護メガネ、フェイスシールド;医療用レンズ;工業用、スポーツ用、二輪車用のヘルメット;各種センサーカバー;農業ハウス構成材料(例えばプラスチックシート、プラスチックフィルム、窓ガラス);などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を表す。
(変性ポリビニルアルコール樹脂の変性率)
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、室温にて合成例1~8で得られた変性ポリビニルアルコール樹脂のH-NMRを測定し、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0~7.5ppm)の積分値から、変性率を算出した。例えば、後述の合成例1においては、5.6ppmおよび6.0ppmに表れるオレフィンプロトン由来のピークの積分値から、変性率を算出した。
(樹脂フィルムの膜厚)
後述する方法で作製した樹脂フィルムの厚みを任意の5か所について実測し、その平均値を算出し、これを膜厚とした。
(樹脂フィルムの溶出率)
実施例および比較例で得られた樹脂フィルムを沸騰水中に1時間浸漬し、その後取り出して、40℃で12時間真空乾燥した後に質量(W1)を測定した。得られた質量(W1)と浸漬前の質量(W2)とから、以下の式にしたがって煮沸条件下における溶出率を算出した。そして、この溶出率を架橋後の耐水性の指標とした。なお、水中に浸漬中に樹脂フィルムが溶解した場合には「測定不能」と評価した(表2中「-」と記載する)。
溶出率(質量%)=100×([W2]-[W1])/[W2]
(樹脂フィルムの引張強度)
実施例および比較例で得られた樹脂フィルムを幅10mmのダンベル型にカットし、20℃、40%RHの保管環境下で一週間調湿した後、オートグラフ(株式会社島津製作所製AG-5000B)を用いて破断伸度およびタフネスを測定した(ロードセル1kN、引張速度500mm/分、チャック間距離70mm)。各測定を5回行い、それらの平均値を算出した。
(合成例1)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸510.3質量部、酢酸24.0質量部、イオン交換水28.4質量部、p-メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物8.1質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度95モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で1時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過してビニルアルコール系重合体を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、ビニルアルコール系重合体「PVOH-1」を得た。評価結果を表1に示す。
(合成例2)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸476.3質量部、酢酸62.4質量部、イオン交換水28.4質量部、p-メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物9.1質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度300、けん化度82モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で2.8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過してビニルアルコール系重合体を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、ビニルアルコール系重合体「PVOH-2」を得た。評価結果を表1に示す。
(合成例3)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、4-ペンテン酸510.3質量部、イオン交換水56.7質量部、p-メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら60℃まで昇温し、スラリー状態で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過してビニルアルコール系重合体を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、ビニルアルコール系重合体「PVOH-3」を得た。評価結果を表1に示す。
(合成例4)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p-メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過してビニルアルコール系重合体を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、ビニルアルコール系重合体「PVOH-4」を得た。評価結果を表1に示す。
(合成例5)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p-メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度2400、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過してビニルアルコール系重合体を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、ビニルアルコール系重合体「PVOH-5」を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2023005858000009
(実施例1~8および比較例2)
ビニルアルコール系重合体(A)として、合成例で得られた各PVOHを水に添加し、95℃で2時間加熱撹拌して濃度10%の水溶液を得た。得られた水溶液に、以下の材料を添加し、表2に示す組成になるよう混合して、プレミックス組成物を調製した。光重合開始剤は、いずれの組成においてもPVOH100質量部に対し1質量部になるように添加した。当該プレミックス組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの端を折り曲げて作製した15cm×15cmの型枠に流延し、ここに3000mJ/cmの強度でUV光を照射して、60℃で1時間熱風乾燥することにより、当該プレミックス組成物の硬化物(架橋成形体)で構成される樹脂フィルム(樹脂組成物)のサンプルを得た。評価結果を表2に示す。
(添加した材料)
光重合開始剤:2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン
ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B):ポリエチレングリコールジメタクリレート(n=14)(以下、PEG-DMAと記載する、東京化成工業株式会社製)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート(n=9)(以下、PEG-MAAと記載する、東京化成工業株式会社製)
可塑剤:グリセリン
(比較例1)
ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
UV架橋処理をしなかったこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例4)
ビニルアルコール系重合体(A)として、市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2023005858000010
表2に示すように、実施例1~8で作製された樹脂フィルムはいずれも優れた耐水性を示し、柔軟化効果により破断伸度が大きく、結果としてタフネスに優れる成形体であった。一方、比較例1に示す通り、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)を含まない場合は、柔軟化効果が得られず、タフネスに劣る成形体であった。比較例2のように、可塑剤を配合した架橋成形体では、柔軟化効果は得られるものの耐水性に劣っていた。比較例3のように、架橋処理をすることなく得られたサンプルは、架橋による耐水化効果が得られないため、水に簡単に溶解し、明らかに耐水性に劣るものであった。比較例4のように、ビニルアルコール系重合体(A)自体が架橋していない場合も、架橋による耐水化効果が得られておらず、当該重合体(A)自体の性質により水に簡単に溶解した。さらに、比較例4のように、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)を含まない場合には、得られるサンプルについて柔軟化効果が得られておらず、タフネスに劣る成形体とであった。
本発明によれば、優れた耐水性を有しながら、柔軟性に優れる成形体を提供することができる。当該成形体は、例えば樹脂成形分野、自動車・鉄道・航空機・船舶関連分野、メディカル製品分野、農業・園芸分野、電気分野、建築分野等において有用である。

Claims (12)

  1. ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)との硬化物を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物から構成される平均膜厚100μmを有する樹脂フィルムについて、該樹脂フィルムを煮沸水に1時間浸漬した際の溶出率が30質量%以下であり、かつ該樹脂フィルムを40%RHで1週間調湿した後の引張破断伸度が50%以上である、樹脂組成物。
  2. 前記硬化物が、前記ビニルアルコール系重合体(A)100質量部と前記ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)2~100質量部とから構成されている、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)が多官能(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ビニルアルコール系重合体(A)が、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ビニルアルコール樹脂である、請求項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記エチレン性不飽和基が以下の式(I)で表される部分構造を含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
    Figure 2023005858000011
    (式(I)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または-N(R)-であり、Rは水素原子または炭素数1~3の炭化水素基であり、*は結合手である)
  6. 前記ビニルアルコール系重合体(A)が、以下の式(II)または式(III)で表される構造単位を含む、請求項4または5に記載の樹脂組成物。
    Figure 2023005858000012
    (式(II)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または-N(R)-であり、Rは水素原子または炭素数1~3の炭化水素基であり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1~10の2価の炭化水素基を表し、*は結合手である)
    Figure 2023005858000013
    (式(III)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、*は結合手である)
  7. 前記ビニルアルコール系重合体(A)が、式(I)で表される前記部分構造を0.2~5モル%の割合で含有する、請求項5または6に記載の樹脂組成物。
  8. 前記ビニルアルコール系重合体(A)が5,000~200,000の数平均分子量を有する、請求項1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の樹脂組成物から構成される、樹脂フィルム。
  10. 請求項1~8のいずれかに記載の樹脂組成物を製造するためのプレミックス組成物であって、ビニルアルコール系重合体(A)と、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(B)とを含有する、プレミックス組成物。
  11. さらに水性媒体を含有する、請求項10に記載のプレミックス組成物。
  12. 前記水性媒体が、水または40質量%以下のアルコール濃度を有するアルコール水溶液である、請求項11に記載のプレミックス組成物。
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