JP3261825B2 - 透明性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

透明性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JP3261825B2
JP3261825B2 JP25605293A JP25605293A JP3261825B2 JP 3261825 B2 JP3261825 B2 JP 3261825B2 JP 25605293 A JP25605293 A JP 25605293A JP 25605293 A JP25605293 A JP 25605293A JP 3261825 B2 JP3261825 B2 JP 3261825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene resin
resin composition
weight
lithium carbonate
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25605293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07109387A (ja
Inventor
和幸 渡辺
敏行 岩下
更進 村山
徹 松岡
Original Assignee
昭和電工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和電工株式会社 filed Critical 昭和電工株式会社
Priority to JP25605293A priority Critical patent/JP3261825B2/ja
Publication of JPH07109387A publication Critical patent/JPH07109387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3261825B2 publication Critical patent/JP3261825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性に優れ、かつ、
外観も良好なポリエチレン樹脂組成物およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン樹脂は、一般に安価であ
り、機械的強度、耐熱性、表面光沢性、耐薬品性、耐油
性、剛性、耐屈曲疲労性などの諸特性が良好であること
から、工業材料、包装材料、医療用材料など幅広い分野
に用いられている。しかし、ポリエチレン樹脂は、他の
樹脂、例えばポリプロピレンなどに比較して透明性に劣
るという欠点があり、透明性が要求される用途には制限
されることも多い。これを改良する方法として、ジベン
ジリデンソルビトール誘導体を添加する方法(例えば、
特開昭53-117044 号公報、特開昭58-85632号公報な
ど)、あるいは該ソルビトールと脂肪酸アミンを添加す
る方法(特開昭58-180542 号公報、米国特許第4,410,64
9 号)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の改良方法は、成形品のヤケ、シルバーの原因となった
り、甚だしくはこれらの添加剤がブリードとなって外観
を著しく損なう場合もある。本発明は、かかる状況に鑑
みてなされたものであり、透明性に優れ、かつ、外観も
良好なポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の炭酸リチウムを添加することによ
り上記目的を達成しうることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は炭
酸リチウムを0.01〜1.5重量%含有する透明性に
優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法を提
供するものである。以下、本発明を具体的に説明する。
【0005】本発明に用いるポリエチレン樹脂として
は、高密度ポリエチレン、中・低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が3〜20
個であるα−オレフィンとの共重合体、エチレンと他の
ビニルモノマーとの共重合体などを挙げることができ
る。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペ
ンテン−1などが挙げられる。また、これらα−オレフ
ィンの共重合割合は多くとも10重量%であり、好まし
くは6重量%以下である。他のビニルモノマーの例とし
ては、酢酸ビニル,(メタ)アクリル酸メチルなどの不
飽和カルボン酸、メチルビニルエーテル,エチルビニル
エーテル,ブチルビニルエーテルなどの不飽和エーテル
などが挙げられる。これらモノマーの共重合割合は多く
とも60重量%であり、好ましくは50重量%以下であ
る。また、ポリエチレン樹脂のメルトフローレート(J
IS K7210に従い、温度190℃、荷重2.16
kgで測定、以下「MFR」という)は通常0.01〜
100g/10分であり、成形方法により適宜選択され
る。
【0006】本発明に用いる炭酸リチウムは医薬品、陶
磁器、ホウロウ原料、耐熱ガラスなどの配合剤として用
いられている白色の粉末である。該炭酸リチウムの平均
粒径は通常50μmであり、好ましくは20μm以下で
ある。純度については97.0重量%以上が好ましく、
特に98.0重量%以上が好適である。純度が低いと透
明性の改良効果が乏しくなる傾向にある。
【0007】炭酸リチウムとポリエチレン樹脂との合計
量に占める炭酸リチウムの割合は0.01〜1.5重量
%であり、0.03〜0.8重量%が好ましく、とりわ
け0.05〜0.6重量%が好適である。炭酸リチウム
の割合が0.01重量%未満では透明性の改善が得られ
ない。一方、1.5重量部を超えると乳白色に着色する
ので好ましくない。
【0008】本発明のポリエチレン樹脂組成物の製造方
法としては、ポリエチレン樹脂に炭酸リチウムを溶融混
練する方法がある。具体的には、従来公知の混合方法、
例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルなどを用いて混
合し、さらに、ニーダー、ミキシングロール、バンバリ
ーミキサー、押出機など用いて溶融混練する方法が挙げ
られる。また、エチレンを重合する際、触媒と共に炭酸
リチウムを添加する方法がある。透明性の点からは後者
の製造方法が好ましい。
【0009】本発明における炭酸リチウムの含有量は、
最終的に0.01〜1.5重量%の範囲内にあればよ
く、炭酸リチウムの含有量が1.5重量%を超える、い
わゆるマザー樹脂を上記方法によりあらかじめ製造して
おき、これにポリエチレン樹脂を添加して炭酸リチウム
含有量を調整する方法でもよい。
【0010】さらに、本発明の組成物には、所望により
慣用の添加剤、例えば、核剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、各種充填剤な
どを添加してもよい。本発明の樹脂組成物の成形方法と
しては特に制限されるものはなく、例えば、押出成形、
射出成形、ブロー成形および圧縮成形などによりフィル
ム、シート、チューブ、ボトルなどに成形でき、単体で
使用してもよく、他の材料を積層して用いてもよい。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、光学特性はJIS K7105に準拠
し、直読ヘーズメーター(スガ試験機社製)を用いて、
全光線透過率、全ヘーズおよび内部ヘーズを測定した。
外観は目視により次の3段階で評価した。 ○ 着色がまったくない △ 着色が多少みられる × 着色が著しい
【0012】また、ポリエチレン樹脂として、MFRが
20g/10分である高密度ポリエチレン(昭和電工社
製、ショウレックスF6200V)(以下「PE1」と
いう)、MFRが19.5g/10分である高密度ポリ
エチレン(昭和電工社製、ショウレックス5020)
(以下「PE2」という)、MFRが0.38g/10
分である高密度ポリエチレン(昭和電工社製、ショウレ
ックスS5003B)(以下「PE3」という)、MF
Rが0.8g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン
(昭和電工社製、ショウレックスリニア108FS)
(以下「PE4」という)およびMFRが9.0g/1
0分である直鎖状低密度ポリエチレン(昭和電工社製、
ショウレックスリニア108J)(以下「PE5」とい
う)を用いた。
【0013】炭酸リチウムとして、純度99.1重量%
および平均粒径15.7μmのもの(以下「LC1」と
いう)、純度99.1重量%および平均粒径6.9μm
のもの(以下「LC2」という)および純度96.9重
量%および平均粒径3.0μmのもの(以下「LC3」
という)を用いた。
【0014】実施例1〜10、比較例1〜7 表1に種類および配合量が示されているポリエチレン樹
脂および炭酸リチウムをタンブラー(日水化工社製、F
NK−30型)を用いて混合後、同方向2軸ベント付押
出機(神戸製鋼社製、KTX−37型)によりペレット
にした。得られた各ペレットを射出成形機(東芝機械社
製、IS170FII−5A型)を用いて平板(10×1
2cm、厚さ0.5mm)を成形した。各平板について
光学特性および外観を評価した。得られた結果を表1に
示す。
【0015】
【表1】
【0016】実施例11〜14、比較例8〜11 表2に種類および配合量が示されているポリエチレン樹
脂および炭酸カリウムを上記実施例と同様にして平板を
厚さを変えて成形した。これらの評価結果を表2に示
す。
【0017】
【表2】
【0018】実施例15 50リットルのステンレス製反応機に、トリイソブチル
アルミニウムを0.5モル/l含有するn−ヘキサン溶
液 67ml、炭酸リチウム粉末(LC2)15.0
g、塩化マグネシウム担持型チーグラー触媒を0.56
6重量%含有するn−ヘキサンスラリー 67ml、つ
いでイソブタン 27lを投入した。温度80℃および
エチレン分圧5kg/cm2 で1時間反応を行い、ポリ
エチレン3kgを得た。得られたポリエチレンを前記実
施例と同様にして厚さ0.5mmの平板を成形し、光学
特性および外観を評価した。得られた結果を表3に示
す。
【0019】実施例16〜1 炭酸リチウムの添加量を9.0gおよび6.0gに変化
させた以外は、実施例15と同様に行った。得られた結
果を表3に示す。
【0020】実施例1 実施例15で得られたポリエチレン1重量部とPE2を
3重量部混合したものの平板を成形し、特性および外観
を評価した。得られた結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、透明性に優れ、
かつ、外観も良好であるので、工業材料、包装材料、医
療用材料など幅広い分野で有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 徹 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 平3−285929(JP,A) 特開 昭58−157841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/02 - 23/16 C08K 3/26 C08J 3/20 C08F 2/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸リチウムを0.03〜0.8重量%含
    有するJIS K7105に準拠し、厚さ0.5mmで
    測定した全光線透過率が10.2%以上の透明性に優れ
    るポリエチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 炭酸リチウムの純度が97.0重量%以
    上であり、かつ平均粒径が20μm以下である請求項1
    記載のポリエチレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレン樹脂に炭酸リチウムを溶融
    混合することを特徴とする請求項1または請求項2記載
    のポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 エチレンを重合する際、炭酸リチウムを
    あらかじめ添加することを特徴とする請求項1または請
    求項2記載のポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
JP25605293A 1993-10-13 1993-10-13 透明性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3261825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25605293A JP3261825B2 (ja) 1993-10-13 1993-10-13 透明性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25605293A JP3261825B2 (ja) 1993-10-13 1993-10-13 透明性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07109387A JPH07109387A (ja) 1995-04-25
JP3261825B2 true JP3261825B2 (ja) 2002-03-04

Family

ID=17287239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25605293A Expired - Fee Related JP3261825B2 (ja) 1993-10-13 1993-10-13 透明性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3261825B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7793410B2 (en) 1998-12-07 2010-09-14 Honeywell International Inc. Method of making a plurality of flow sensors

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7793410B2 (en) 1998-12-07 2010-09-14 Honeywell International Inc. Method of making a plurality of flow sensors

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07109387A (ja) 1995-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05194796A (ja) ポリエチレン ブレンド
JP3261825B2 (ja) 透明性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法
US4950717A (en) Blends of polyester-ethers with ethylene-acrylic acid copolymers
EP0348115B1 (en) Silk-like films
JP3363413B2 (ja) 農業フィルム用樹脂組成物
JP2859003B2 (ja) バンパー用樹脂組成物
JP2999344B2 (ja) エチレン系樹脂組成物
JP3119691B2 (ja) バンパー用樹脂組成物
JPH0326736A (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた成形物
US5726215A (en) Styrene resin composition and shaped article thereof
JPS6032844A (ja) エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体組成物
US4762889A (en) Water absorptive resin compositions and process for producing the same
JPH0428733A (ja) 樹脂組成物、樹脂成形物およびフイルム
EP0565734B1 (en) Resin composition and molding produced therefrom
JPH04323244A (ja) 樹脂組成物
JP2567248B2 (ja) フィルム成形用樹脂組成物
JP3393925B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2000143999A (ja) 樹脂組成物および農業用フィルム
JP3033919B2 (ja) 樹脂組成物
JPH1072539A (ja) 農業用フィルム
JP2006096902A (ja) 粉体塗装用のエチレン樹脂粉体塗料、及びこの粉体塗料を被覆した被覆物
JP3324084B2 (ja) 積層体
JP2000109623A (ja) 樹脂組成物
JPH05239312A (ja) 低光沢性ポリオキシメチレン樹脂組成物
JPH09176393A (ja) 透明性に優れるポリエチレン系樹脂中空成形体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071221

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081221

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees