JP2705922B2 - 径調節可能な折り装置内の胴 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は折り装置内の胴に係
り、特に、胴の直径をその胴が動いている間に、組合せ
歯車装置及び胴内に設けられたベルトの一端を移動させ
る調節手段により外被上のベルトを調節することによっ
て変化させることのできる折り装置内の胴に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】明細書 DE 38 21 442 C2 により、折り
機内の胴の直径を調節するための装置は既に周知であ
る。この周知の胴は周囲に複数のベルトを有しており、
その端部は、一方が固定され他方が可動的に連結され、
これによりこれら可動端は胴の周囲に対して接線方向に
動くものとなっている。懸架部の移動は全てのベルトで
同時に同じ方法で行なわれるので、端部が互いに近づい
ていくような場合にはベルトは外側により強く湾曲し、
端部が互いに離れてゆく場合にはベルトの湾曲は減少
し、ベルトが伸びる。このようにして、胴の効果的な大
きさを調整することができる。異なった厚さの折り丁を
折れるようにするためには、胴の直径がこのように調節
できなければならない。周知の胴は、折り丁の異なる厚
さの間で変化を迅速に行なえるように、胴の動いている
間に調整される。ベルトの端部の調整に必要な運動は、
胴の回転運動に差動歯車装置が組み合わされて行なわれ
る。差動歯車装置の運動は、胴の回転軸に対して同心的
に回転するものの、回転軸と結合はしていない、胴の端
面に設置された太陽歯車によって、ベルトの別の歯車及
びスライド板に伝達される。このような周知の装置の欠
点は、太陽歯車が胴端面に配置されているため場所が取
られ、胴に手が届きにくいことであった。

【０００３】明細書 DE 38 38 314 A1 により、胴が動
いている間にくわえを調節できるくわえ胴については周
知である。このくわえ胴は、回転軸内で回転できるよう
に設置された第一の軸を有し、この第一の軸が第一のか
さ歯車を介して第二の軸を駆動し、第二の軸が半径方向
にくわえ胴の内部に延びて、第二のかさ歯車を経て、胴
の長手軸に対して平行に延びている第三の軸を駆動し、
第三の軸が可動的にくわえを調節する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡単
な手段で場所を取らずに、胴の作動中に胴の直径を調節
することのできる、折り機内の胴を形成することであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題は請求項１に記
載した胴により解決される。さらに有利な構成について
は下位の請求項に記載されている。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１は、裁断胴及び二つの折りロ
ーラーと協働する集め／折り胴の断面図；図２は、図１
の部分拡大図；図３は、直径を調節するための駆動モー
ター及び従属する駆動装置の一部の平面図；図４は、胴
のベルトを押す動きを導く軸と結合した駆動装置の別の
部分を表すもので、胴の一部の縦断面；図５は、胴の部
分断面図；図６は、胴の部分縦断面図；図７は、胴の非
駆動側端面の図；である。

【０００７】集め／折り胴１（図１及び図２）は周囲に
三列の折りブレード２と三列のボドキン３を有してい
る。ボドキン３は折る紙を取り上げ、その紙を集め／折
り胴１と協働する裁断胴４が分断する。折りブレード２
は、ボドキン３によって集め／折り胴１の周囲に保持さ
れている折る紙を二つの折りローラー５，６間に押し込
み、折るべき紙はこれらのローラーの間を通って折られ
る。裁断胴４（図２）は二つの裁断ブレード７を有し、
これら裁断ブレ−ドはそれぞれ集め／折り胴１上に設置
された裁断縁（刃受け）８に向かって裁断運動を行な
い、それによってウェブは折紙として裁断され、ボドキ
ン３に突き刺される。集め／折り胴１が異なる厚さの紙
を集めて折ることができるように、胴の周長はベルト９
０〜９２を伸ばしたり外側に湾曲させたりすることによ
って変えられるようになっている。その際、三つの部分
にそれぞれ６本のベルト９０〜９２が並んで設けられて
いる（図６参照）。ベルト９０〜９２は、折りブレード
２が軸上で動くところの開いた領域の上に張られ、折り
ブレードは、折り目を形成するためベルト９０〜９２の
間で集め／折り胴１から出される。ベルト９０〜９２
は、一端が例えばネジ結合１０によってそれぞれ集め／
折り胴１の胴本体１１に固定されている。ベルト９０〜
９２の他端は、同様に例えばネジ結合１２によって二方
向矢印Ａ（図２）の方向に移動可能な連結リンク１３に
結合され、連結リンクは胴本体１１にスライド式に軸受
けされている。

【０００８】連結リンク１３を、集め／折り胴１が静止
している間だけでなく動いている間にも移動させること
ができるように、駆動装置が設けられている（図３）。
この駆動装置は、遊星歯車装置１４によって、集め／折
り胴１の回転運動にさらに調節運動を組み合わせる。連
結リンク１３はその調節運動によって移動するのであ
る。駆動装置は電気モーター１５を有し、電気モーター
は折り機の側壁１６に固定されている。電気モーター１
５は歯車装置１７を介して回転軸１８に回転運動を伝え
る。回転軸１８には歯車１９が固定されており、該歯車
１９は遊星歯車装置１４の太陽歯車２０と歯合してい
る。

【０００９】太陽歯車２０（図４）は内歯車２１を介し
て遊星歯車２２を駆動する。遊星歯車２２は中空軸２３
と噛み合い、中空軸の端部には端部歯車２４が設けられ
ている。この端部歯車は、同じく中空軸として形成され
た集め／折り胴１の駆動軸２７の中心に同心的に設けら
れた軸２６の駆動歯車２５を駆動する。軸２６は、かさ
歯車２８，２９を介して集め／折り胴１の内部に半径方
向に設けられた軸３０を駆動する。軸３０は、ネジ付き
軸３１と螺合するネジが内部に形成されたブッシュを形
成している。すなわち、軸３０の回転運動は内歯を介し
て横方向の運動に変換され、ネジ付き軸３１が二方向矢
印Ｂの方向に動く。

【００１０】ネジ付き軸３１（図５）にはチェーンリン
ク３２が連結されている。チェーンリンク３２の端部
は、軸３４回りに回動可能に軸受けされたレバー３３に
固定されている。軸３４の上方にはカム３５が取り付け
られている。チェーンリンク３２が持ち上がって、レバ
ー３３、及びそれとともに軸３４が回転されると、それ
に応じてカム３５も僅かに回転し、押す運動を生み出し
て連結リンク１３を移動させる。連結リンク１３が移動
することにより、ベルト９０が伸びて集め／折り胴１の
外周長が減少するか、あるいはベルト９０が外側に湾曲
して集め／折り胴１の外周長が増大する。

【００１１】軸３４（図６）は胴本体１１の全長を貫通
し、６本のベルト数に対応した数のカム３５を示してい
る。これによって全てのベルト９０が連結リンク１３を
経て同時に動くのである。集め／折り胴１の非駆動側に
設置され軸３４に固定されたレバー３６を介して軸３４
の回転運動は他の軸３７，３８にも伝達され（図７）、
これらの軸により、ベルト９１及び９２は同様に連結リ
ンク１３によって移動される。

【００１２】すなわち、レバー３６はＵ形の凹部３９を
有しており、この凹部に伝達ディスク４０に設けられた
ボルト４１が突出している。軸３４の回転によってレバ
ー３６が傾けられると、ボルト４１を介してレバー３６
の傾動が伝達ディスク４０の回転運動に転換される。伝
達ディスクはボルト４２，４３を介して軸３７，３８に
固定された対応するレバー４４，４５を動かし、これら
の軸が軸３４と同じ回転運動を行なうようになってい
る。

【００１３】上述の説明の中で一例として示した運動手
段はそれと同等の様々な運動手段に代えることができ
る。例えば遊星歯車装置１４の代わりに US 5 313 883
より周知の差動歯車装置等、他の組合せ歯車装置を用い
ることもできる。中空に形成された軸３０とその中に設
置されたネジ付き軸３１の代わりに、端部駆動軸側の端
部でかさ歯車を経て軸３４を駆動する中実軸を用いるこ
ともできる。ベルト９０〜９２の移動可能な端部が軸３
４，３７，３８に固定されていれば、これらの軸の回転
運動は直接ベルト９０〜９２を押す動きに変えられる。

【００１４】本発明によって、簡単で場所を取らない、
集め／折り胴１などの胴の周長を調節する機構が提供さ
れる。この機構は電気モーター１５及び遊星歯車装置な
どの組合せ歯車装置を備えた独立した駆動装置を有して
おり、この歯車装置の回転運動が胴の回転軸２７内に設
置された軸２６を介して、胴内に設置された軸３０及び
３４に伝達される。これらの軸の回転運動が最終的にカ
ム３５及び連結リンク１３によって、横方向の運動に変
換され、この横方向の運動によって、ベルト９０〜９２
が伸展されて胴の外周長が減少するか、あるいはベルト
が円周の外側に湾曲して胴の周長が拡大するかの何れか
の結果になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 裁断胴及び二つの折りローラーと協働する集
め／折り胴の断面図である。

【図２】 図１の部分拡大図である。

【図３】 胴の直径を調節するための駆動モーター及び
それに従属する駆動装置の一部の平面図である。

【図４】 胴のベルトを押す動きを導く軸と結合した駆
動装置の別の部分を表すもので、胴の一部の縦断面であ
る。

【図５】 胴の軸線と直交する部分断面図である。

【図６】 胴の軸線に沿った部分縦断面図である。

【図７】 胴の非駆動側端面の側面図である。

【符号の説明】

１ 胴 １３ 連結リンク １４ 組合せ歯車装置２７ 回転軸 ２６，３０，３４，３７，３８ 軸 ２８，２９ 歯車 ３２ チェーンリンク ３１ ネジ付き軸 ３３ レバー ３５ カム ４０ 伝達ディスク ９０〜９２ ベルト

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴（１）が動いている間に、組合せ歯車
   装置（１４）及び胴（１）内に設けられた軸（２６，３
   ０，３４，３７，３８）により外被上のベルト（９０〜
   ９２）を調節することによって直径を調節でき、その際
   に軸（２６，３０，３４，３７，３８）の回転運動がベ
   ルト（９０〜９２）のために横方向の運動に変換可能と
   されてなる、折り装置内の胴において、 前記胴（１）の回転軸（２７）が中空軸として形成さ
   れ、該回転軸の内部に組合せ歯車装置（１４）によって
   駆動可能な軸（２６）が設置され、該軸（２６）の回転
   運動によって胴（１）内に設置された軸（３０，３１，
   ３４，３７，３８）が回転可能であり、これらの軸の回
   転によって前記ベルト（９０〜９２）が調節可能である
   ことを特徴とする折り装置内の胴（１）。
2. 【請求項２】 請求項１記載の胴（１）において、前記
   組合せ歯車装置が遊星歯車装置（１４）又は差動歯車装
   置であることを特徴とする胴。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載の胴（１）におい
   て、胴（１）の回転軸（２７）内に設置された前記軸
   （２６）が、半径方向に胴（１）内に延びる前記軸（３
   ０）を、かさ歯車（２８，２９）を介して駆動すること
   を特徴とする胴。
4. 【請求項４】 請求項３記載の胴（１）において、半径
   方向に伸びる前記軸（３０）が、該軸の内部に設けられ
   たネジ付き軸（３１）と螺合するネジが形成されたブッ
   シュとして形成され、前記ネジ付き軸（３１）が前記軸
   （３０）の回転運動を横方向の運動に変換することを特
   徴とする胴。
5. 【請求項５】 請求項４記載の胴（１）において、前記
   ネジ付き軸（３１）を上下させる運動が、チェーンリン
   ク（３２）、及び、胴（１）の外被の下にあって胴の長
   手軸と平行な軸（３４）に設けられたレバー（３３）を
   介して伝達可能であることを特徴とする胴。
6. 【請求項６】 請求項１ないし３の何れかに記載の胴
   （１）において、半径方向に胴（１）内に伸びる軸（３
   ０）の回転運動が、かさ歯車装置を介して、胴（１）の
   長手軸に対して平行に設置された軸（３４）に伝達可能
   であることを特徴とする胴。
7. 【請求項７】 請求項１ないし６の何れかに記載の胴
   （１）において、胴（１）の長手軸に対して平行に延び
   る軸（３４）の回転運動が、該軸（３４）に固定された
   カム（３５）を介して連結リンク（１３）のスライド運
   動に変換可能であり、該連結リンクは、胴（１）の外被
   表面下であって胴（１）の胴本体（１１）の内部にスラ
   イド式に軸受けされ、該連結リンクにベルト（９０〜９
   ２）のスライド式の端部が固定されていることを特徴と
   する胴。
8. 【請求項８】 請求項１ないし６の何れかに記載の胴
   （１）において、前記ベルト（９０）の端部が、胴
   （１）の長手軸に対して平行に延びる軸（３４）に固定
   され、該軸の回転運動が、前記ベルト（９０）を押し引
   きする運動に変換可能であることを特徴とする胴。
9. 【請求項９】 請求項１ないし８の何れかに記載の胴
   （１）において、胴（１）の長手軸に対して平行に延び
   る軸（３４）の回転運動が、胴（１）の端面に設置され
   た伝達ディスク（４０）を介して他の軸（３７，３８）
   に伝達可能であり、これらの軸（３７，３８）に従属す
   るベルト（９１，９２）を移動し得ることを特徴とする
   胴。