JP2701757B2 - 半導体記憶装置の書き込み方法 - Google Patents
半導体記憶装置の書き込み方法Info
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Description
ROMなど、電気的にデータを書き込み、消去すること
が可能な半導体記憶装置の書き込み方法に関する。
することが可能なEEPROM(Electrical
Erasable PROM)の中でも、フラッシュ
メモリと呼ばれる一括消去型メモりが注目され、様々な
構造のものが提案されている(例えば、日経マイクロデ
バイス、1990年3月号、pp72−76参照)。そ
の中でもEPROM(Erasable PROM)と
同じスタック構造のメモリセルは、セル縮小化に有利で
あることから特に重要視され、多数の報告がなされてい
る(例えば、VLSI SYMP.1991年 pp7
5−76 N.Kodama、K.Saitoh、H.
Shirai、T.Okazawa and Y.Ho
kari”A 5V Only 16Mbit Fla
sh EEPROM Cell Using High
ly Reliable Write/Erase T
echnologies”等)。この種の半導体記憶装
置は、メモリの大容量化、メモリセルの縮小化、および
用途の拡大という面から1つのメモリを複数のセクター
に分割する多分割化が進み、1本のワード線が複数のセ
クターにまたがるような傾向がある。また、メモリセル
にデータの書き込みを行なうには、EPROMにおいて
広く採用されているホットエレクトロン注入方式を用
い、フローティングゲートに電子を注入してメモリセル
の特性を変えることでデータを記憶する。また、データ
の消去を行なうには、ソース−フローティングゲート間
のF−N(Fowler−Nordeim:ファウラー
−ノルドハイム)トンネリング現象を利用して、フロー
ティングゲートからソース方向に電子を引き抜くことで
データを消去する。
クターにまたがる場合の概略図であり、図8は半導体記
憶装置の各メモリセルの断面図である。また、図9は従
来の半導体記憶装置の書き込み時のワード線に印加する
信号波形図である。
クター10(図7では2つのみ図示)から構成され、各
セクター10にはデータを記憶する複数のメモリセルが
格子状に配置されている。各メモリセルのソースSは各
セクター毎に共通に接続され、ワード線W1〜WLには
複数のセクターに渡って各横列毎にメモリセルのコント
ロールゲートGが共通に接続され、線D1〜DKには各
縦列毎にメモリセルのドレインDが共通に接続されてい
る。
近傍には、N型拡散層からなるソース16a、ドレイン
16bが形成されており、ソース16aを囲むようにし
て、N- 拡散層17が形成されている。また、P型半導
体基板11上にはシリコン酸化膜からなる第1のゲート
絶縁膜12を介して多結晶シリコン膜からなるフローテ
ィングゲート13が形成され、さらにその上に、シリコ
ン酸化膜からなる第2ゲート絶縁膜14を介して多結晶
シリコン層もしくは多結晶シリコンと高融点シリサイド
の積層体からなるコントロールゲート15が形成されて
いる。
装置の動作について説明する。まず、メモリセルへデー
タの書き込みをおこなうには、ソース16aに0Vの接
地電位を、ドレイン16bに5V程度の電源電圧を印加
する。このときワード線と繋がるコントロールゲート1
5に図9に示すような10V程度の書き込み電圧をパル
ス状に印加する。これにより、ドレイン16bの端部で
ホットエレクトロンが発生し、そのホットエレクトロン
がフローティングゲート13に注入されて書き込みが行
なわれる。書き込みが行なわれた後のメモリセルのコン
トロールゲート15のしきい値電圧は6V以上に高めら
れるため、しきい値電圧が3V以下にある消去状態のメ
モリセルと十分識別が可能になる。一方、データの消去
をおこなうには、コントロールゲート15を0Vの接地
電位に、ドレイン16bは浮遊電位もしくは接地電位と
する。この時ソース16aに10V程度の電位を印加す
ると、フローティングゲート13に蓄積されていた電子
は第1ゲート絶縁膜12を通じて、ソース16aに引き
抜かれ、消去が完了する。また、データを読み出すとき
には、コントロールゲート15に5V程度の電源電圧、
ドレイン16bには1〜3Vの電圧、およびソース6a
には0Vの接地電位を印加する。このような状態におい
て、ドレイン16bに接続されているセンスアンプ(S
A)によってコントロールゲート15のしきい値を判定
することでメモリセルの書き込み、消去状態を認識す
る。
たような従来の半導体記憶装置の書き込み方法では、F
−Nトンネリング現象により消去動作を行なう為には、
フローティングゲートとP型半導体基板間の第1ゲート
絶縁膜を薄く(100オングストローム以下)加工しな
ければならず、書き込み動作時、選択されていないメモ
リセルにおいて、この薄い絶縁膜に起因して様々なディ
スターブモードが発生することが知られている。上記半
導体記憶装置は、図7に示したように、各セクターを構
成する各メモリセルのソースはそれぞれ共通であり、デ
ータを消去する場合、消去単位は各セクター毎に行なわ
れるため、例えば、メモリセルAの書き込み・消去を繰
返し行なった場合、選択されたワード線W1上にある非
選択のセクター内にあるメモリセルB、Cには、メモリ
セルAの繰返し回数分の書き込みゲート電圧が印加さ
れ、ワード線W1からストレスをうけることになる。第
1ゲート絶縁膜は薄い酸化膜であるため、長時間ストレ
スをうけることで、薄い酸化膜を通してフローティング
ゲートに電子が注入され、メモリセルのしきい値が変動
することがある(ゲートディスターブ)。
の注入機構には、その他にいろいろなモードがあると考
えられているが、図9に示すような、ワード線よりメモ
リセルのコントロールゲートにパルス状の電圧が印加さ
れたときに発生するモードが知られている。これはパル
スの立ち下がり時に非選択メモリセルのソース・ドレイ
ンの電位がN型拡散層が持つ拡散容量のためにコントロ
ールゲートの印加電圧に追従して一時的に負電位にな
り、P型半導体基板11からソース・ドレインのN型拡
散層に向って順方向電流が流れ、ソース・ドレイン近傍
でホットエレクトロンが発生するモードである。このと
きフローティングゲートが正に帯電していると、フロー
ティングゲートに、このホットエレクトロンが注入さ
れ、コントロールゲートのしきい値が変動してしまう。
本モードは特に10万回以上の繰返しストレスに対して
顕著に現われる問題であり、このようにして発生するホ
ットエレクトロンは、薄い酸化膜である第1ゲート絶縁
膜に対して不要な繰返しダメージを与え、第1ゲート絶
縁膜の信頼性の低下を招くことにもなる。
憶装置は、磁気記録媒体からの置き換えが検討されてお
り、100万回以上の繰返し耐性が要求されることか
ら、さらに厳しい条件になるということは言うまでもな
い。
る問題点を解決するためになされたものであり、コント
ロールゲートのしきい値変動を抑制し、データ書き込み
の繰返し耐性を向上させて、信頼性を向上させた半導体
記憶装置の書き込み方法を提供することにある。
本発明の半導体記憶装置の書き込み方法は、不純物拡散
層からなるソース領域、及びドレイン領域をそれぞれ表
面近傍に有する半導体基板上に、第1のゲート絶縁膜を
介して形成されたフローティングゲートと、該フローテ
ィングゲート上に第2のゲート絶縁層を介して形成され
たコントロールゲートとを有する半導体記憶装置に対
し、前記コントロールゲートに信号を印加して情報を記
憶する半導体記憶装置の書き込み方法において、情報書
き込み時に、前記コントロールゲートに印加する信号の
高電圧状態から低電圧状態に遷移する過程を直線で近似
したとき、前記直線の傾斜の角度を、前記不純物拡散層
の拡散容量や抵抗によって決まる時定数で高電圧状態か
ら低電圧状態に遷移するときの傾斜の角度よりも小さく
することを特徴とする。
コントロールゲートに印加する信号の高電圧状態から低
電圧状態に遷移する過程を階段状にすることで、前記傾
斜をもたせてもよい。
置の書き込み方法は、情報書き込み時にコントロールゲ
ートに印加する信号の高電圧状態から低電圧状態に遷移
する過程を直線で近似したとき、前記直線の傾斜の角度
が前記不純物拡散層の拡散容量や抵抗によって決まる時
定数で高電圧状態から低電圧状態に遷移するときの傾斜
の角度よりも小さくすることで、ドレイン・ソース電圧
が負電位となることがなくなり、基板からドレイン・ソ
ースに流れる順方向電流が防止される。その結果、ホッ
トエレクトロンは発生せず、コントロールゲートのしき
い値の変動が防止されるとともに、第1ゲート絶縁膜の
ダメージが少なくなる。
説明する。
装置の書き込み方法の第1実施例の制御ゲート信号波形
図である。
に対して、書き込み時にコントロールゲートに印加する
電圧の立ち下がりを図1に示すような傾斜をもたせて下
降させている。このパルスの立ち下がりの傾きの角度θ
は、ドレイン・ソースの拡散容量や抵抗などによって決
まる時定数で電圧を下降させたときの傾きの角度よりも
十分小さければよい。この時定数を求めるには、例えば
コントロールゲートに印加するパルスの立ち上がり時
に、非選択のドレイン・ソースに発生する正電位のピー
ク値から0Vに整定するまでの時間を測定することで求
めることができる。なお、パルスの立ち下がりを従来の
ように急峻にした時の非選択のドレイン・ソース波形か
らも、同様に時定数が求められることは言うまでもな
い。
て、ソース、ドレイン領域の拡散層容量に起因する負電
位変化が起こらなくなり、P型半導体基板からソース・
ドレインへ順方向電流が流れなくなるため、ホットエレ
クトロンが発生しなくなる。したがって、コントロール
ゲートのしきい値変動が防止され、薄い第1ゲート絶縁
膜に対する不要なダメージが少なくなって、デバイスの
信頼性が向上する。
ルスの立ち下がりに傾斜をもたせる回路構成例を図2、
図3、および図4を用いて説明する。
方法を実施するための回路構成例を示す図であり、電圧
供給回路図である。図3は本発明の半導体記憶装置の書
き込み方法を実施するための回路構成例を示す図であ
り、ワードデコーダ回路図である。また、図4は図2、
および図3に示す回路のタイミングチャートである。
ランジスタNT1、NT2のケースはそれぞれ0Vの接
地電位と接続されており、トランジスタNT1のゲート
には制御信号VAが、トランジスタNT2のゲートには
制御信号VBが印加される。また、トランジスタNT1
のドレインは約10Vの電源Vppと接続され、トラン
ジスタNT2のドレインは約5Vの電源Vccと接続さ
れている。さらに、トランジスタNT1のソースとトラ
ンジスタNT2のソースとは接続され、その出力は図3
に示すワードデコーダ回路の電源VPWとなる。
ーダ回路1、スイッチ回路2、インバータ回路3、およ
びフィードバック回路4から構成されている。デコーダ
回路1にはワード選択アドレス信号X1、X2、X3が
入力され、デコーダ回路1の出力はスイッチ回路2の入
力と接続されている。スイッチ回路2はトランジスタN
T3によって構成され、トランジスタNT3のドレイン
が入力、ソースが出力となっている。また、トランジス
タNT3のゲートには5Vの電源Vccが接続され、フ
ィードバック回路4が動作することでスイッチ回路2の
出力に電源VPWの電位が印加されたときオフするため、
デコーダ回路1が保護される。スイッチ回路2の出力は
インバータ回路3の入力と接続され、インバータ回路2
を構成するトランジスタPT2、NT4のケースはそれ
ぞれソースと接続されている。また、トランジスタPT
2のソースは図2に示した電源VPWと接続され、トラン
ジスタNT4のソースは0Vの接地電位と接続されてい
る。トランジスタPT2、NT4のゲートはそれぞれ接
続され、インバータ回路3の入力となり、トランジスタ
PT2、NT4のドレインはそれぞれワード線と接続さ
れ、インバータ回路3の出力となる。インバータ回路3
の出力はメモリセルM1のゲートと接続され、書き込み
電圧Vgを出力する。また、インバータ回路3の出力は
フィードバック回路4を構成するトランジスタPT1の
ゲートに接続され、ソース及びケースはそれぞれ電源V
PWに、ドレインはインバータ回路3の入力と接続されて
いる。
について、図4を参照しつつ説明する。まず、ワード選
択アドレス信号X1、X2、X3によってメモリセルM
1を含むワード線が選択されると、デコーダ回路1の出
力信号TXの電位は5Vから0Vになる。デコーダ回路
1の出力信号TXが0Vになると、インバータ回路3の
トランジスタPT2がオン、トランジスタNT4がオフ
してインバータ回路の出力Vgには電源VPWの電圧が出
力される。この時、VAの電位を14Vに、VBの電位を
0VにしているとトランジスタNT1がオン、トランジ
スタNT2がオフするため、VPWの電位は電源Vccの
電位5Vから電源Vppの電位10Vに変化し、メモリ
セルM1には約10Vの電圧が印加される。そして書き
込み終了時にはVAの電位を0Vに、VBの電位を14V
にすると、トランジスタNT1がオフ、トランジスタN
T2がオンするため、VPWの電位は10Vから電源Vc
cの電位5Vに変化していく。このとき、トランジスタ
NT2のディメンションを調整することで、VPWの下降
スピード及びT1の時間を制御することができる。ま
た、電源VPWの電位の変化にしたがってワード線の電位
Vgも同様に変化する。その後、ワード選択アドレス信
号によりメモリセルM1を含むワード線が非選択となる
と、デコーダ回路1の出力信号TXには約5Vが出力さ
れ、インバータ回路3のトランジスタPT2がオフ、ト
ランジスタNT4がオンして、ワード線の電位は時間T
2で0Vまで下降する。時間T2は回路の持つ時定数で
決まり、ここでは特に時間の制御をしていない。
の立ち下がりに傾斜をもたせることで、ゲートディスタ
ーブを防止することができ、ホットエレクトロンの発生
が抑えられてデバイスの信頼性が向上する。
装置の書き込み方法の第2実施例の制御ゲート信号波形
図である。
高電圧状態から低電圧状態にする方法として信号波形を
階段状にしている。このような方法においても、立ち下
がり時に高電圧状態から0Vに直線近似した傾きの角度
が、ドレイン・ソースの拡散容量や抵抗などによって決
まる時定数で電圧を下降させたときの傾きの角度より十
分小さければ、第1実施例と同様に拡散層容量によって
ドレイン・ソースに負電位が発生することがないため、
半導体基板からソース、ドレイン領域への順方向電流が
流れなくなり、ホットエレクトロンが発生しない。この
ことによってゲートディスターブが防止され、デバイス
の信頼性が向上する。
線電位の立ち下がりに傾斜をもたせることで、書き込み
選択セルと同一ワード線上に位置する非選択セルのゲー
トディスターブを低減させることができる。これは特に
消去単位ごとにセクター分割されたメモリアレイ構成の
デバイスにおいて繰返し書き込みストレスが長時間印加
される書き込み選択セルと同一ワード線上の非選択セク
ター内のセルに対して有効であり、図6に示すように本
発明の制御ゲート電圧信号を用いた場合のゲートディス
ターブ特性は、従来の場合と比べ大きく改善される。ま
た、従来に比べ不要なホットエレクトロンが発生しない
ため、薄い第1ゲート絶縁膜の信頼性が向上し、メモリ
セルの書き込みの繰返し回数は大幅に増加した。
ているので、以下に記載する効果を奏する。
加する信号の高電圧状態から低電圧状態に遷移する過程
を直線で近似したとき、前記直線の傾斜の角度が前記不
純物拡散層の拡散容量や抵抗によって決まる時定数で高
電圧状態から低電圧状態に遷移するときの傾斜の角度よ
りも小さくすることで、ドレイン・ソース電圧が負電位
となることがなくなり、基板からドレイン・ソースに流
れる順方向電流が防止され、ホットエレクトロンが発生
しない。このことによってコントロールゲートのしきい
値の変動が防止される。また、従来に比べ不要なホット
エレクトロンが発生しないため、薄い第1ゲート絶縁膜
の信頼性が向上し、メモリセルの書き込みの繰返し回数
は大幅に増加する。
実施例の制御ゲート信号波形図である。
するための回路構成例を示す図であり、電圧供給回路図
である。
するための回路構成例を示す図であり、ワードデコーダ
回路図である。
ートである。
実施例の制御ゲート信号波形図である。
きい値変化量の特性である。
たがる場合の概略図である。
る。
に印加する信号波形図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 不純物拡散層からなるソース領域、及び
ドレイン領域をそれぞれ表面近傍に有する半導体基板上
に、第1のゲート絶縁膜を介して形成されたフローティ
ングゲートと、該フローティングゲート上に第2のゲー
ト絶縁層を介して形成されたコントロールゲートとを有
する半導体記憶装置に対し、前記コントロールゲートに
信号を印加して情報を記憶する半導体記憶装置の書き込
み方法において、 情報書き込み時に、前記コントロールゲートに印加する
信号の高電圧状態から低電圧状態に遷移する過程を直線
で近似したとき、前記直線の傾斜の角度を、前記不純物
拡散層の拡散容量や抵抗によって決まる時定数で高電圧
状態から低電圧状態に遷移するときの傾斜の角度よりも
小さくすることを特徴とする半導体記憶装置の書き込み
方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体記憶装置の書き
込み方法において、 情報書き込み時に、前記コントロールゲートに印加する
信号の高電圧状態から低電圧状態に遷移する過程を階段
状にすることで、前記傾斜をもたせたことを特徴とする
半導体記憶装置の書き込み方法。
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