JP2693822B2 - 含フッ素樹脂水性分散物の製造方法 - Google Patents

含フッ素樹脂水性分散物の製造方法

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JP2693822B2 JP1131731A JP13173189A JP2693822B2 JP 2693822 B2 JP2693822 B2 JP 2693822B2 JP 1131731 A JP1131731 A JP 1131731A JP 13173189 A JP13173189 A JP 13173189A JP 2693822 B2 JP2693822 B2 JP 2693822B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は含フッ素樹脂水性分散物の製造方法に関する
ものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
各種高分子物質のいわゆる乳濁液であるエマルション
は溶媒として水を使用するため、溶剤型の製品に比べ環
境や人体に対する安全性の面で有利であり、塗料、繊維
加工剤、接着剤、紙加工剤等として現在広く使用されて
いる。
エマルションの製造においては、疎水性モノマーをミ
セル中に可溶化して重合の場を与えたり、生成したエマ
ルションの安定化のために、一般にアニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が単
独あるいは混合物として原料モノマーに対して0.5〜5
重量%使用されている。
しかし含フッ素樹脂水性分散物の製造に関しては、フ
ッ素モノマーの比重が大きく、さらに水中への溶解度も
非常に小さいことから通常の活性剤を用いる乳化重合法
ではミセルへの可溶化が困難となり、安定な乳化重合を
行なうことができずこれを改善するために特殊な方法が
用いられている。
すなわち、フッ素化界面活性剤の使用及び又はメタノ
ール、エタノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、アセトン、ジオキサンなどの水溶性有機溶剤
が比較的多量使用されたり、場合によってはフッ素モノ
マーをこれらを用いて一度乳化した後重合系に添加する
等の処法が採用されている。
これらの作用及び効果は米国特許第3062765号に記述
されている通りである。
しかしながら、これらの水溶性有機溶剤等を用いて製
造したエマルションは、環境や人体に対する安全性の面
で大きな問題が生じ、又前記の界面活性剤を用いて製造
したエマルションは、発泡性が大きく、従ってエマルシ
ョンを塗装する場合に泡がピンホールの原因となった
り、更には該界面活性剤は不揮発性であるため、エマル
ションより調製された皮膜中に残存し、皮膜の耐水性、
密着性、引張り強度、耐熱性、耐候性等の低下の原因と
なり、更に含フッ素単量体の特性の一つである撥水撥油
性能が低下することも指摘されている。そのため使用さ
れる活性剤量を出来るかぎり少量にする努力が当業界で
は続けられている。
また含フッ素単量体は一般の単量体と比べると著しく
高価であり、その為必要最小限の量で、その効果を発揮
させることが重要とされている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる実況において使用する活性剤量及
び水溶性有機溶剤を出来る限り少くする、あるいはこれ
ら不含の条件下においても適度な重合速度を有し、さら
に得られたエマルションに発泡性がなく、高表面張力で
耐水性がよく、しかも含フッ素単量体含量が少量でも十
分な撥水撥油性能を有する含フッ素樹脂水性分散物を得
る製造方法について鋭意研究の結果、特定の含フッ素樹
脂水性エマルション存在下にビニル系単量体をシード重
合させることが極めて有効であることを見出し、本発明
を完成するに至った。
即ち、本発明は、ラジカル重合可能な不飽和基を有す
る含フッ素単量体と、これと共重合しうるビニル単量体
とをアルコール系またはケトン系溶剤中で共重合し、次
いで水を添加し、溶剤を留去して得られる、含フッ素単
量体単位を5〜95重量%含有する含フッ素樹脂からなる
平均粒子径0.001〜0.2μの水性エマルション、あるいは
フッ素基含有化合物単位を5〜95重量%含有する含フッ
素ウレタン樹脂からなる平均粒子径0.001〜0.2μの水性
エマルション0.2〜80重量%(固形分)の存在下にビニ
ル系単量体(但し含フッ素単量体を除く)20〜99.8重量
%をシード重合させることを特徴とする、泡立ちが少な
く高表面張力でかつ耐水性が優れ、しかも含フッ素単量
体含量が少量でも十分な撥水撥油性能を有する含フッ素
樹脂水性分散物の製造方法に係わるものである。
本発明に使用される含フッ素樹脂水性エマルションの
粒子径は、0.001〜0.2μが必要で、好ましくは0.001〜
0.05μがよく、粒子径の大きい含フッ素樹脂水性エマル
ションを使用した場合は、適度の重合速度を得る事が難
かしく、乳化重合を完結するのに長時間が必要となり、
得られた含フッ素樹脂水性分散物の安定性も悪くなる。
含フッ素樹脂水性エマルション中の樹脂を構成する含
フッ素単量体相当単位の含量は5〜95重量%であり、5
重量%未満では含フッ素単量体濃度が低すぎて含フッ素
単量体の特性の1つである撥水撥油性能が十分発揮され
ない。
又95重量%を超えると続いて行うシード重合において
フッ素の強い撥油性能によりモノマーの可溶化がさまた
げられシード重合が円滑に進行しない。この含フッ素単
量体と共重合される単量体としてはラジカル重合可能な
不飽和結合を有する単量体の何れでもよく、(メタ)ア
クリレートが一般に使用される。
また含フッ素樹脂水性エマルションとビニル系単量体
との混合比は、ビニル系単量体99.8〜20重量%に対し
て、含フッ素樹脂水性エマルションは0.2〜80重量%
(固形分)である。含フッ素樹脂水性エマルションの使
用量が0.2重量%未満では適度の重合速度と乳化分散安
定性を保つことが難かしく、又、80重量%を越えるとフ
ッ素含量が多くなり経済的に不利である。
本発明に使用される含フッ素樹脂水性エマルション
は、ラジカル重合可能な不飽和基を有する含フッ素単量
体と、これと共重合しうるビニル単量体、特にイオン性
モノマーを含有する単量体をアルコール系またはケトン
系溶剤中で共重合し、次いで水を添加し、溶剤を留去す
るという所謂転相法で製造することができる。
さらに別のエマルションとして例えば末端にイソシア
ネート基を有するウレタンプレポリマーに過剰量のポリ
アルキレンポリアミンを反応せしめてポリウレタン尿素
ポリアミンを生成し、続いてこの生成物にパーフルオロ
基含有化合物/トリレンジイソシアネート=1/1(モル
比)反応生成物を一部反応させた後、酸水溶液と混合す
るかあるいはさらに酸無水物と反応後塩基物質で中和
後、水中に自己分散させて得られるウレタン樹脂エマル
ションや、活性水素を有するフルオロ基含有化合物/ト
リレンジイソシアネート=1/1(モル比)反応生成物を
一部反応させる代わりに、1,1,2,3,3−ペンタハイドロ
パーフルオロウンデシレン−1,2−オキサイド等のフル
オロ基含有エポキシ化合物を一部反応させるか、又はウ
レタン骨格に不飽和二重結合や活性メチレン基等を有す
るウレタン樹脂にラジカル重合可能な不飽和結合を有す
る含フッ素単量体をグラフト重合することによって得る
方法、及びフルオロ基含有ジオールやフルオロ基含有ジ
カルボン酸等より合成されるフルオロ基含有ポリエステ
ルポリオールを使用し当業界公知の処方によりウレタン
主鎖にフルオロ基を有したウレタン樹脂エマルションも
利用できる。
この様にして得られた含フッ素樹脂水性エマルション
は、粒子径0.001〜0.2μであり、粒子径0.05〜0.2μで
は乳白色に見え、粒子径0.05μ未満の場合は透明ないし
半透明のコロイド分散体となり、レーザー光照射でチン
ダル現象が認められる。
本発明における含フッ素樹脂水性エマルションの製造
に用いられる含フッ素単量体としては、フルオロカーボ
ン基及びポリフルオロアルキル基やパーフルオロアルキ
ル基を有する(メタ)アクリレート、ビニルエステル、
ビニルエーテルなどの公知の化合物を挙げることができ
る。
これらの化合物の例としては、例えば CH2=CHCO2C2H4C6F13,CH2=CHCO2C2H4C8F17, CH2=CHCO2C2H4C10F21,CH2=C(CH3)CO2C2H4C6F13, CH2=C(CH3)CO2C2H4C8F17,CH2=C(CH3)CO2C2H4C
10F21, C8F17SO2(C3H7)CH2CH2OCOCH=CH2, C8F17SO2(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2C7F15CON(C2H5)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2, C8F17(CH2)11OCOC(CH3)=CH2(CF3)2CFO(CH2)5OCOCH=CH2C8F17SO2N(CH2CH2OCOCH=CH2)2, C8F17SO2N(CH3)(CH2)10OCOCH2CH=CH2, C8F17SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCH=CHCOOC4H9, C6F13SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2, C8F17SO2NHCH2CH2SO2CH=CH2, CF3(CF2)8(CH2)2OCOC(CH3)=CH2, CF3(CF2)4CH2OCOC(CH3)=CH2, CF3(CF2)6(CH2)2OCOC(CH3)=CH2, CF3(CF2)7SO2N(C3H7(CH2)2OCOCH=CH2, CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF2Cl(CF2)10CH2OCOC(CH3)=CH2, CH2=CH-O-(CH2)n-(CF2)m-X, (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜2の整数である。) CH2=CH-(CH2)n-(CF2)m-X, (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜2の整数である。) (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜2、lは0〜3の整数で
ある。) (式中XはH,F又は であり、YはH,CaH2a+1(aは1〜18)又は−(CH2)n-(C
F2)m−Xであり、mは5〜16、nは0〜2の整数であ
る。) (式中XはH,F,Cl,CF3、YはH,F,Cl,CF3、ZはH,F,Cl,C
F3である。) また上記に示した単量体のマクロモノマーも用いるこ
とができる。このマクロモノマーの製造は、当業界にお
いて公知の処方により容易に合成される。
例えば、チオグリコール酸及び2−メルカプトエタノ
ール等々と上記単量体を開始剤の存在下にラジカル重合
せしめ、得られた反応生成物にグリシジル(メタ)アク
リレート及びイソシアネートエチル(メタ)アクリレー
ト等々を反応せしめ、片末端にラジカル重合性不飽和結
合を導入することにより得ることができる。
マクロモノマーの数平均分子量は10,000以下が望まし
く、この分子量以上では自己分散型含フッ素樹脂水性エ
マルションの製造に用いられる溶剤への溶解性が劣る。
好ましくは数平均分子量5,000以下である。
本発明における含フッ素樹脂水性エマルションの製造
に際しては含フッ素単量体以外にこれと共重合する単量
体を併用してもよい、この種の単量体としては、イオン
性単量体、(メタ)アクリレート、ビニルエステル、ビ
ニルエーテル、マレート、フマレート、α−オレフィン
などの公知の化合物を挙げることができる。
これらの化合物の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、スチレンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、不飽和カルボン酸単量体
とポリオキシアルキレングリコール又は低級アルコール
のポリオキシアルキレンオキシド付加物とのエステル類
等のイオン性単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのメ
タクリル酸エステル類、スチレン、ビニルトルエン、2
−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、クロルスチレ
ンなどのスチレン系モノマー、アクリル酸ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル
などのヒドロキシ基含有モノマー、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミドなどのN−置換(メタ)アクリル系モノマ
ー、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルな
どのエポキシ基含有モノマー、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、シ
クロヘキサンカルボン酸ビニルなどのビニルエステル
類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニル
エーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチル
ビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、
シクロヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテ
ルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなど
のモノオレフィン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジエチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレート類、フ
マール酸ジメチル、フマール酸ジエチルなどのフマレー
ト類、ブタジエン、イソプレンなどのジオレフィン類、
酢酸アリルなどのアリル類、並びにアクリロニトリル、
オルガノシロキサンなどのモノマーの他に、上記に示し
た単量体のマクロモノマーがある。
このマクロモノマーの製造は当業界において公知の処
方により容易に合成される。例えば、チオグリコール酸
及び2−メルカプトエタノール等々と上記単量体を開始
剤の存在下にラジカル重合せしめ、得られた反応生成物
にグリシジル(メタ)アクリレート及びイソシアネート
エチル(メタ)アクリレート等々を反応せしめ片末端に
ラジカル重合性不飽和結合を導入することにより得るこ
とができる。
マクロモノマーの数平均分子量は10,000以下が望まし
く、これ以上の分子量では自己分散型含フッ素樹脂水性
エマルションの製造時高粘度となり転相工程に支障をき
たし、高濃度で安定な自己分散型含フッ素樹脂水性エマ
ルションが得られない。
上記に示した単量体の1種又は2種以上から選択する
ことができる。
本発明における粒子径0.001〜0.2μの含フッ素樹脂水
性エマルションの製造に用いられる開始剤としては、公
知のラジカル開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の過酸化物、或
いは2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイド
ロクロリド、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等
のアゾビス系開始剤等が好ましい代表例であり、必要に
応じて、水溶性アミンやピロ亜硫酸、重亜硫酸ソーダ;
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等を賦活
剤として重合触媒と組合せて用いたり、また重合度調節
剤として、有機ハロゲン化合物、ニトロ化合物、アルキ
ルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲン酸等を
用いることも出来る。
また本発明における含フッ素樹脂水性エマルションの
別の処方である、末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーに過剰量のポリアルキレンポリアミン
を反応せしめてポリウレタン尿素ポリアミンを生成し、
続いてこの生成物に活性水素を有するフルオロ基含有化
合物/トリレンジイソシアネート=1/1(モル比)反応
生成物を一部反応させた後、酸水溶液と混合することに
よって水性エマルションを得る方法等において用いられ
るフッ素基含有化合物としては次の公知のものを挙げる
ことができる。
HOC2H4C6F13,HOC2H4C8F17,HOC2H4C10F21, C7F15CH2OH,C8F17SO2(C3H7)CH2CH2OH, C8F17SO2(CH3)CH2CH2OH, C7F15CON(C2H5)CH2CH2OH,C8F17(CH2)11OH, (CF3)2CFO(CH2)5OH, C2F5(OCF2CF2)5OCF2CF2CON(CH3)CH2CH2OH, C8F17SO2N(CH3)(CH2)10OH, C8F17SO2N(C2H5)CH2CH2OH, C6F13SO2N(CH3)CH2CH2OH, CF3(CF2)4CH2OH, 等や、前項に記述した含フッ素単量体、例えばフルオロ
カーボン基やポリフルオロアルキル基及びパーフルオロ
アルキル基を有する(メタ)アクリレート、ビニルエス
テル、ビニルエーテル、マレート、フマレート、α−オ
レフィン等と、例えば、2−メルカプタトエタノール等
をラジカル開始剤の存在下にラジカル重合して得られた
反応生成物等が挙げられる。
これらの反応生成物の数平均分子量は10,000以下が好
ましく、これ以上の分子量では自己分散型含フッ素樹脂
水性エマルションの製造時高粘度となり高濃度で安定な
自己分散型含フッ素樹脂水性エマルションが得られな
い。
その他の化合物として (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜5の整数である。) HOOC−(CH2)n-(CF2)m-X, (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜5の整数である。) I−(CH2)n-(CF2)m-X, (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜5の整数である。) また、フルオロ基含有ポリエステルポリオール用の含
フッ素化合物としては、 (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜5の整数である。) 等の含フッ素ジオールや、 (式中XはH,F又は であり、mは5〜16、nは0〜5の整数である。) 等の含フッ素ジカルボン酸及びアジピン酸、1,4−ブタ
ンジオールに代表される公知の化合物が挙げられる。
本発明に係わる含フッ素樹脂水性分散物は、上記の如
き方法により得られる含フッ素樹脂水性エマルションの
存在下に、ビニル系単量体をシード重合させることによ
り得られるが、本発明に用いられるビニル系単量体とし
ては、(メタ)アクリレート、ビニルエステル、ビニル
エーテルなどの公知の化合物を挙げることができる。
これらの化合物の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミ
ド、マレイン酸イミド等のα,β−不飽和カルボン酸ア
ミド、アクリル酸メチル、メタクルリ酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
メタクリル酸ブチル、パーフルオロアルキルエチル(メ
タ)クリレート、ステアリルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、メトキシメチルメタクリ
レート、クロルメチルメタクリレート、ジクロルトリア
ジニルアミノエチルメタクリレート、及びマレイン酸、
フマル酸、イタコン酸のエステル等、α,β−不飽和カ
ルボン酸のエステル、メチロールアクリルアミド、メチ
ロールメタクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミ
ドなどの不飽和カルボン酸の置換アミド類、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和カルボ
ン酸のニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、クロル酢酸
ビニルなどの外、ジビニルベンゼン等のジビニル化合
物、ビニリデン化合物、スチレンに代表される芳香族ビ
ニル化合物、ビニルピリジンやビニルピロリドンに代表
される複素環ビニル化合物、ビニルケトン化合物、ビニ
ルエーテル化合物、ビニルアミド化合物、エチレン、プ
ロピレン等のモノオレフィン化合物、ブタジエン、イソ
プレン、クロプレン等の共役ジオレフィン化合物、アリ
ルアルコール、酢酸アリル等のアリル化合物、並びに、
グリシジルメタクリレート等で代表される単量体の群か
ら選択される一種以上の単量体が使用される。
本発明において、粒子径0.001〜0.2μの含フッ素樹脂
水性エマルションの存在下で、上述のビニル系単量体を
シード重合させる際に用いられる重合触媒としては、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、p−
メタンハイドロパーオキシド、tert-ブチル過安息香酸
等の過酸化物、或いは2,2′−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)ハイドロクロリド、アゾビスシクロヘキサン
カルボニトリル等のアゾビス系開始剤等が好ましい代表
例であり、必要に応じて、水溶性アミンやピロ亜硫酸、
重亜硫酸ソーダ;ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート等を賦活剤として重合触媒と組合せて用いた
り、また重合度調節剤として、有機ハロゲン化合物、ニ
トロ化合物、アルキルメルカプタン類、ジイソプロピル
キサントゲン酸等を用いることも出来る。
本発明に係るシード重合反応は、本発明に係る粒子径
0.001〜0.2μの含フッ素樹脂水性エマルションの存在
下、上記のビニル系単量体、触媒、触媒賦活剤及び重合
調節剤等を適宜、適当に組合せて、公知の方法で、特別
の工夫を施すことなく実施される。
なお、生成する含フッ素樹脂水性分散物の安定性をよ
り良好ならしめる目的で生成する樹脂の物性に悪影響を
及ぼさない範囲で従来公知の保護コロイドや界面活性剤
を使用出来ることは言う迄もない。
本発明の含フッ素樹脂水性分散物の製造法は、このよ
うに含フッ素樹脂水性エマルションをシードとして、こ
れに各種ビニル系単量体を添加して乳化重合する方法で
あり、一般にはこの方法では含フッ素樹脂の撥油性によ
り単量体の可溶化が妨げられ乳化重合が進行しないと考
えがちであるが、水中では含フッ素樹脂の撥油性は低下
し各種ビニル系単量体は含フッ素樹脂と水の界面に吸着
しやすくなると共に含フッ素単量体以外の単量体と共重
合されており、そのためビニル系単量体の可溶化が容易
に起り乳化重合が効率よく進行するものと考えられる。
このようにして含フッ素樹脂水性エマルションの粒子内
部で添加されたビニル系単量体は重合するものと考えら
れ、生成した含フッ素樹脂水性分散物の粒子表面は依然
として含フッ素樹脂となると考えられる。なおこの含フ
ッ素樹脂にアニオン系、カチオン系、ノニオン系等の強
い親水性を示す単量体が共重合されていた場合、この含
フッ素樹脂はより安定にエマルション粒子表面に存在し
得ることになり好ましい。
このようにして生成した含フッ素樹脂水性分散物は殻
に含フッ素樹脂を有する二層構造エマルションになって
いると考えられ、従って樹脂中の平均的フッ素樹脂の割
合は少量でもそのフッ素樹脂はエマルション粒子表面に
局在するためエマルション塗膜の撥水撥油性は高性能を
保てるものと思われる。
又、含フッ素樹脂は塗膜中といえども加熱下容易に移
動し基材あるいは空気界面に集まることが知られてい
る。そのため必要に応じ二層構造エマルションの芯と殻
ポリマー間に架橋を行ったり乳化重合時にジビニルベン
ゼン等の架橋性モノマーを添加したりして含フッ素樹脂
の移動速度を調整することも有効である。
このような含フッ素樹脂を殻とする二層構造エマルシ
ョンを製造する方法としては、まず非含フッ素樹脂エマ
ルションを製造しこれをシードとしてフッ素系モノマー
を乳化重合する方法も考えられるが、この処法では界面
活性剤の使用は極力ひかえなければならないため高比重
でしかも水にほとんど溶解せず、撥油性をも有するフッ
素系モノマーを効率よく非含フッ素樹脂シードに可溶化
することは困難であり、我々の開発した製造法が優れて
いることは明白である。
更に、本発明の方法により製造される含フッ素樹脂水
性分散物が利用される用途に応じて、通常使用される消
泡剤、防カビ剤、香料、螢光増白剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、補強剤、充填剤、顔料、帯電防止剤、抗ブロ
ッキング剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、有機溶剤、粘着性
付与剤、増粘剤、発泡剤、着色剤等の外、架橋剤として
エポキシ系化合物や、メチロール基又はアルコキシメチ
ル基を持った化合物及び触媒等を、水性樹脂分散物に配
合出来る。
本発明の方法により製造される含フッ素樹脂水性分散
物は含フッ素単量体の特性、即ち、耐熱性、耐候(光)
性、耐薬品性、非粘着性及び離型性、撥水撥油性、低屈
折率、低誘電率、低摩擦率、高気体透過性、低表面張力
性等をいかす分野で有利に利用することが出来る。
例えば、撥水撥油防汚加工用途、樹脂表面改質剤、ポ
ジ型フォトレジスト、光ファイバー、水なし平版印刷
版、コンタクト/光学レンズ、塗料及びインキ用途、医
用高分子材料、離型性用途、磁気テープ/磁気ディスク
のコーティング及び摺動性用途、化粧料、記録材料、感
熱記録紙、サイズ剤、紙加工、OPニス、床剤、固結防
止、防カビ剤等の分野に利用でき、繊維物質、不織布、
紙、皮革、ゴム、木材、金属、アスファルト、コンクリ
ート、石こう、ALC板、窯業系サイディング材、ガラ
ス、ガラス繊維及びプラスチックスなどに含浸させる
か、或いはこれらの表面に塗布して乾燥することに依り
利用することが出来る。
〔実施例〕
次に参考例、実施例を掲げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明がこれらに限定されないことは勿論であ
る。なお、例中の部及び%は特記しない限り全て重量基
準である。
参考例1 ビスフェノールAの酸化プロピレン付加物(水酸基価
260.4)1916部、メチルエチルケトン1485部及び2,4−ト
リレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネ
ートの80:20の混合物1548部を撹拌機と温度計の付いた
丸底フラスコに入れ、75℃で4時間反応させて、7.55%
の遊離のイソシアネート基を含むウレタンプレポリマー
溶液(A)を得た。
一方別フラスコに6380部のメチルエチルケトンと2,4
−トリレンジイソシアネート1740部とパーフルオロアル
キルエタノール[CF3(CF2)7CH2CH2OH,分子量464]4640
部を撹拌機と温度計の付いた丸底フラスコに入れ、75℃
で4時間反応させて、3.3%の遊離のイソシアネート基
を含む生成物(B)を得た。
更に、別のフラスコに1380部のメチルエチルケトンと
トリエチレンテトラミン65.6部を入れて均一に混合し、
これに上記のウレタンプレポリマー溶液(A)400部
を、1時間を要して滴下ロートから徐々に、撹拌下に加
え、50℃にて30分間反応させて、ポリウレタン尿素ポリ
アミン溶液を得た。
この溶液の一滴を使用して赤外線吸収スペクトルを測
定したところ、遊離のイソシアネート基に基づく2250cm
-1の吸収は認められなかった。
次にこの溶液に上記の生成物(B)740部を、1時間
を要して滴下ロートから徐々に、撹拌下に加え、50℃に
て30分間反応させて、パーフルオロアルキル基を有する
ポリウレタン尿素ポリアミン溶液を得た。
この溶液の一滴を使用して赤外線吸収スペクトルを測
定したところ、遊離のイソシアネート基に基づく2250cm
-1の吸収は認められなかった。続いてこの溶液に54部の
70%ヒドロキシ酢酸を加え、次いで水1920部を加え減圧
下にメチルエチルケトンを留去した。
次に、水を加えて濃度を調整し、樹脂分30%の均一で
安定な低粘度のポリウレタンエマルションを得た。
得られたポリウレタンエマルションは透明でレーザー
光線照射によりチンダル現象を有しており、粒子径は0.
006μであった。
尚、粒子径はCOULTER ELECTRONICS INC製COULTER MOD
EL N4で測定した。
参考例2及び3 表1に示した量のトリエチレンテトラミン及び70%ヒ
ドロキシ酢酸を使用する以外は参考例1に従いウレタン
エマルションを合成した。得られたエマルションの粒径
をも表1に合わせ示す。
参考例4 参考例1で得たポリウレタン尿素ポリアミン溶液184
5.6部に1,1,2,3,3−ペンタハイドロパーフルオロウンデ
シレン−1,2−オキサイド514部を徐々に加え50℃にて3
時間反応させて、パーフルオロアルキル基を有するポリ
ウレタン尿素ポリアミン溶液を得た。
続いてこの溶液に117.3部の70%ヒドロキシ酢酸を加
え、次いで水3580部を加え減圧下にメチルエチルケトン
を留去した。
次に水を加えて濃度を調整し、樹脂分30%で粒子径0.
031μの均一で安定なポリウレタンエマルションを得
た。
参考例5 参考例1で得たポリウレタン尿素ポリアミン溶液184
5.6部に 732.4部を加え80℃にて5時間反応させて、パーフルオ
ロアルキル基を有するポリウレタン尿素ポリアミン溶液
を得た。
続いてこの溶液に117.3部の70%ヒドロキシ酢酸を加
え、次いで水2860部を加え減圧下にメチルエチルケトン
を留去した。
次に、水を加えて濃度を調整し、樹脂分30%で粒子径
0.038μの均一で安定なポリウレタンエマルションを得
た。
参考例6 1,1,2,3,3,−ペンタハイドロパーフルオロウンデカン
−1,2−ジオール494部とポリプロピレングリコール(数
平均分子量500)500部とメチルエチルケトン649.7部及
び2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイ
ソシアネートの80:20の混合物522部を攪拌機と温度計の
付いた丸底フラスコに入れ、75℃で6時間反応させて、
3.88%の遊離のイソシアネート基を含むウレタンプレポ
リマー溶液(A)を得た。
更に別のフラスコに 578部と2,4−トリレンジイソシアネート174部とメチル
エチルケトン752部を攪拌機と温度計のついた丸底フラ
スコに入れ、75℃で5時間反応させて2.79%の遊離のイ
ソシアネート基を含む生成物(B)を得た。
更に別のフラスコにメチルエチルケトン1628部とトリ
エチレンテトラミン77.38部を入れて均一に混合し、こ
れに上記のウレタンプレポリマー溶液(A)400部を1
時間要して滴下ロートから徐々に攪拌下に加え、50℃に
て30分反応させてフッ素含有ポリウレタン尿素ポリアミ
ンを得た。
次にこの溶液に上記の生成物(B)1504部を1時間要
して滴下ロートから徐々に加え50℃にて30分間反応させ
て、フッ素含有ポリウレタン尿素ポリアミンを得た。
続いてこの溶液に無水コハク酸75部をメチルエチルケ
トン200部に溶解したものを加え50℃で1時間反応後10
%苛性ソーダ水溶液300部とイオン交換水3200部を加え
減圧下にメチルエチルケトンを留去し水を加え濃度調整
し、樹脂分30%の均一で安定なウレタンエマルションを
得た。
尚、粒子径は0.025μであった。
参考例7 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素導
入管のついた反応器にメチルエチルケトン:イソプロピ
ルアルコール=4:1混合物100部、1H,1H,2H,2H−ヘプタ
デカフルオロデシルメタクリレート12部、メチルメタク
リレート28部、アクリル酸10部を仕込み、チッ素ガスを
流し溶存酸素を除去する。
反応器を80℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリル
0.13部をメチルエチルケトン2部に溶解したものを加え
重合を開始し、さらに滴下ロートより1H,1H,2H,2H−ヘ
プタデカフルオロデシルメタクリレート15部、メチルメ
タリレート35部のメチルエチルケトン:イソプロピルア
ルコール=4:1混合物100部溶液、及びアゾビスイソブチ
ロニトリル0.07部のメチルエチルケトン10部溶液を3時
間にわたって添加した。
モノマーを滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル
0.2部をメチルエチルケトン3部に溶解したものを加
え、更に2時間熟成を続け、均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン14部を加え中和
し、続いてイオン交換水300部を加えた後、減圧下50℃
以下でメチルエチルケトン及びイソプロピルアルコール
を留去し、固形分25%、粘度30cPの自己分散型含フッ素
樹脂水性エマルションを得た。
このエマルションは透明でレーザー光線照射によりチ
ンダル現象が認められ、粒径は0.025μであった。
参考例8〜11 表2に記載した単量体及び中和剤を使用する以外は、
参考例7の方法に従い、各種自己分散型樹脂水性エマル
ションを合成した。
参考例12 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素導
入管のついた反応器にメチルエチルケトン100部、 96部、メタクリル酸4部を仕込み、チッ素ガスを流し溶
存酸素を除去する。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニト
リル0.2部をメチルエチルケトン2部に溶解したものを
加え重合を開始する。
以後、3時間毎にアゾビスイソブチロニトリル0.2部
をメチルエチルケトン2部に溶解したものを追加し、計
6時間反応して均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体に10%苛性ソーダ水溶液20部とイオ
ン交換水300部を加えた後、減圧下でメチルエチルケト
ンを留去し粒子径0.15μのエマルションを得た。
参考例13 容量1の攪拌機付きステンレス製オートクレーブに
脱酸素したメチルエチルケトン450部とアクリル酸5部
を入れ、内部の空気を窒素で置換する。
次いでテトラフルオロエチレンで置換した後、プロピ
レン/テトラフルオロエチレン=60/40モル%の混合モ
ノマーを注入し、内圧50kg/cm2にする。
攪拌を開始後、昇温し、内温70℃になった時に、ベン
ゾイルパーオキサイド0.9部をメチルエチルケトン10部
に溶解したものを注入し、内圧が140kg/cm2になるよう
に上記組成の混合モノマーを注入後、アクリル酸145部
を約8時間で注入する。反応は内温75℃に保ちプロピレ
ン及びテトラフルオロエチレンの消費速度に応じて各モ
ノマーを補給し内圧130〜140kg/cm2を保つ。更に3時間
後と6時間後にラウロイルパーオキサイド0.9部をメチ
ルエチルケトン10部に溶解したものを追加し12時間反応
後、オートクレーブを冷却し、揮発性物質を蒸発させ
る。尚、この間の混合モノマーの消費量は、約150部で
あった。
得られた共重合体の組成を核磁気共鳴(NMR)より求
めた結果、テトラフルオロエチレン/プロピレン/アク
リル酸=25/25/50重量%であった。
次に共重合体100部(固形分38.5部)をとりトリエチ
ルアミン27部とイオン交換水160部を加えた後、減圧下
でメチルエチルケトンを留去し、粒子径0.008μの透明
な自己分散型含フッ素樹脂水性エマルションを得た。
参考例14 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素導
入管のついた反応器にメチルエチルケトン100部、CF3(C
F2)7CH2CH2O-CH=CH2 72部、CH3(CH2)3-O-CH=CH2 14
部、無水マレイン酸14部を仕込み、チッ素ガスを流し溶
存酸素を除去する。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニト
リル0.2部をメチルエチルケトン2部に溶解したものを
加え重合を開始する。
以後、3時間毎にアゾビスイソブチロニトリル0.2部
をメチルエチルケトン2部に溶解したものを追加し、計
12時間反応して均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体に10%苛性ソーダ水溶液57.1部とイ
オン交換水300部を加えた後、還流下で2時間加熱し、
無水マレイン酸を加水分解した後、減圧下でメチルエチ
ルケトンを留去し粒子径0.007μの透明な自己分散型含
フッ素樹脂水性エマルションを得た。
参考例15 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素導
入管のついた反応器にメチルエチルケトン100部、メタ
クリル酸10部、 40部を仕込み、チッ素ガスを流し溶存酸素を除去する。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニト
リル0.2部をメチルエチルケトン3部に溶解したものを
加え重合を開始する。
2時間後と4時間後にアゾビスイソブチロニトリル0.
2部をメチルエチルケトン3部に溶解したものを加え、
2時間熟成、再びアゾビスイソブチロニトリル0.1部を
メチルエチルケトン2部に溶解したものを加え、再び6
時間反応を続け、均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン15部を加え中和
し、続いてイオン交換水300部を加えた後、減圧下でメ
チルエチルケトンを留去し粒子径0.02μの透明な自己分
散型含フッ素樹脂水性エマルションを得た。
実施例1 参考例1で得たウレタンエマルションの表4に記載し
た量を、窒素導入管、撹拌機、温度計を備えた反応器に
とり、イオン交換水500部、スチレン/ブチルアクリレ
ート=1/1混合物100部を加え、室温にて窒素置換した。
次で液温度を30℃に調整後2,2′−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)塩酸塩(0.1部)水溶液(以下開始剤と
略す)を加え、反応器を70℃オイル浴に浸して重合を開
始した。
2時間後、開始剤(0.1部)水溶液を加え重合を続
け、1時間重合後、冷却しモノマー臭の少ないエマルシ
ョンを得た。
実施例2〜11 表4に示したシードエマルション、開始剤を用い同表
記載の時間重合を行う以外は実施例1に従い乳化重合を
行った。得られたエマルションの物性についても同表に
まとめて示す。
実施例12〜14 モノマー組成を表3に示したものとする以外は実施例
6に従い乳化重合を行った。得られたエマルションの物
性については表4にまとめて示す。
実施例15 表4に示したシードエマルション、開始剤を用い同表
記載の時間重合を行う以外は実施例1に従い乳化重合を
行った。得られたエマルションの物性についても同表に
まとめて示す。
比較例1〜6 表4に示したシードエマルション、開始剤を用い同表
記載の時間重合を行う以外は実施例1に従い乳化重合を
行った。得られたエマルションの物性についても同表に
まとめて示す。
実施例1〜15及び比較例1〜6で得られたエマルショ
ンの保存安定性、泡立ち、乾燥皮膜の耐水性及び撥水撥
油性を以下に示す方法で測定した。
以上の結果は表4にまとめて示す。
<保存安定性> エマルションをマヨネーズビンに入れ50℃の恒温器内
に放置し状態変化を観察した。
×印:50℃×1週間以内に粗大粒子の沈降及び増粘やガ
ムアップが認められるもの。
△印:50℃×2週間以内に粗大粒子の沈降及び増粘やガ
ムアップが認められるもの。
○印:50℃×2週間以上安定なもの。
◎印:50℃×2ケ月以上安定なもの。
<泡立ち> 30ml試験管にエマルション10mlを入れ、30秒間激しく
振り混ぜ、泡を含む全体積を測定し、増加体積量を%を
示した。
<耐水性> ガラス板上にエマルションを塗布し、70℃で1晩乾燥
して得た塗膜を水道水中に1日没し、白化度の程度を次
の基準に従い目視で判定した。
<撥水撥油性> ガラス板上にエマルションを塗布し、70℃で1晩乾燥
して得た塗膜をエルマゴニオメータ式接触角測定器(G
−1型)を用い接触角を測定した。なお撥水性は蒸留水
で測定し、撥油性はサラダ油で測定した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合可能な不飽和基を有する含フ
    ッ素単量体と、これと共重合しうるビニル単量体とをア
    ルコール系またはケトン系溶剤中で共重合し、次いで水
    を添加し、溶剤を留去して得られる、含フッ素単量体単
    位を5〜95重量%含有する含フッ素樹脂からなる平均粒
    子径0.001〜0.2μの水性エマルション0.2〜80重量%
    (固形分)の存在下にビニル系単量体(但し含フッ素単
    量体を除く)20〜99.8重量%をシード重合させることを
    特徴とする含フッ素樹脂水性分散物の製造方法。
  2. 【請求項2】フッ素基含有化合物単位を5〜95重量%含
    有する含フッ素ウレタン樹脂からなる平均粒子径0.001
    〜0.2μの水性エマルション0.2〜80重量%(固形分)の
    存在下にビニル系単量体(但し含フッ素単量体を除く)
    20〜99.8重量%をシード重合させることを特徴とする含
    フッ素樹脂水性分散物の製造方法。
  3. 【請求項3】水性エマルションの平均粒子径が0.001〜
    0.05μである請求項1又は2記載の製造方法。
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