JP2689268B2 - 支持金具による配管の固定方法 - Google Patents

支持金具による配管の固定方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は一般に自動車、或いは各種の機械、装置等に
給油、給気の供給路等として配設される管径、太さ30m/
m程度以下の比較的細径からなる金属管或いは樹脂チュ
ーブ(以下単に配管と称す)の支持金具による固定方法
に関するものである。
[従来の技術] 従来、この種の固定方法としては例えば第6図に示す
ように、支持金具(11)に貫設した組付け孔(12)部に
配管(P′)を貫通した状態で、金属管にあっては孔周
部に亘り鑞溶着(W)して相互に固定するか(第6
図)、或いは樹脂チューブにあってはクリップ壁部に挾
持して固定するか(図示せず)していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来の固定方法において
は、前者にあっては手炙りによる加熱鑞溶接によって作
業上の煩わしさを招き、しばしば局部過熱等に起因して
鑞溶着部附近の配管側に機械的強度の劣化を生ぜしめて
亀裂、破損を招き、且つ、これら鑞溶着後に耐食性等の
鍍金処理を余儀なくされるため著しく生産性が阻害され
る問題を有し、又後者にあっては挾持の不具合によりし
ばしば配管側に軸方向の移動や円周方向への回動、強い
ては加振状態下にあってクリップ壁部での離体、脱落を
生ぜしめる等の問題を有するものであった。
本発明は上記した従来技術の有する前記問題に鑑みて
なされたものであり、固定作業上の煩わしさを軽減する
と共に、固定部附近での機械的強度の劣化の憂いをなく
し、また予め鍍金処理を施した支持金具、保持片並びに
配管の使用を可能となして固定後のこれら処理の不要に
よって生産性を向上し、又配管側の軸方向の移動や円周
方向への回動を防止し、同時に貫設した組付け孔での係
着によって配管側の離体、脱落の憂いのない固定方法を
提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するため、相手基体への取付
け部となす板状の支持金具に貫設した配管への取付け孔
部を、底壁を略平面となしてその外側周面の前後にそれ
ぞれ突設した係支壁と掛止爪壁との間に係合溝を有する
半裁状からなる弾性保持片を周壁の一部に平坦面を形成
した配管の該平坦面部に装着せしめた状態をもって、配
管と前記組付け孔部に貫通して前記係合溝部に係着せし
めてなる支持金具による配管の固定方法を要旨とするも
のである。
[作用] 本発明は配管の一部の平坦面に平面の底壁が当接する
よう保持片が装着された配管を、支持金具の組付け孔部
に貫通して固定するため、組付け孔の孔周の一部に係着
した保持片の底壁平面と配管側の周壁の一部に形成した
平坦面との相互の当接による回り止め作用、及び保持片
の管軸方向の両端と平坦面両端側の段部との係合による
軸方向の移動止め作用を与えて、容易に固定構造を得る
ことができるのである。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、
第1図は本発明の支持金具による配管の固定方法による
平面図、第2図は第1図A−A線の一部切欠きによる断
面図、第3図は同じく他の実施例に係る第2図相当図、
第4図(A)及び(B)はそれぞれの第2図及び第3図
実施例を示す保持片の平面図、第4図(C)及び(D)
は他の実施例を示す保持片の平面図、第5図(A)乃至
(D)は第4図(A)乃至(D)のそれぞれB−B線、
C−C線、D−D線及びE−E線の断面図であって、
(1)は相手基体へのボルト等による取付け孔(3)を
有するクランプ体或いはブラケット体等からなる板状の
支持金具であり、その平板部分に配管(P)の組付け孔
(2)が貫設されている。(4)は底壁を略平面
(4′)となし、且つ上側を略周面とする半裁状の金属
板バネ材、樹脂材、ゴム材或いはこれらを組合せた材質
からなる弾性保持片であり、外側周面の軸方向前端には
径方向外方に突設する係支壁(5)が設けられ、また後
端側にはスナップ作動(第3図及び第4図(B)、
(C)参照)するよう掛止爪壁(6)が前記係支壁に対
応して突設され、或いは上側周壁を弾性アーム作動(第
4図(D)参照)するよう底壁後端より分岐して形成
し、外側周面に係支壁(5)と掛止爪壁(6)とを突設
してもよい。これら係支壁(5)と掛止爪壁(6)との
間の凹部は係合溝(7)として形成されている。そして
弾性保持片(4)を、周壁の一部に平坦面(P1)を形成
した配管(P)に、該平坦面(P1)と前記平面(4′)
が当接するよう装着し、次いで弾性保持片(4)を装着
した配管(P)を前記支持金具(1)の組付け孔(2)
部に貫通し、該組付け孔(2)の孔周の一部に前記係合
溝(7)部をもって係着し、相互に固定せしめるもので
ある。
尚前記支持金具(1)としては所望に応じて組付け孔
(2)の孔周部に軸芯方向への屈曲壁を有したり(第3
図)、又は組付け孔(2)の孔周部にカラーを固定して
構成してもよく、また該組付け孔の孔周の一部に切欠き
溝を設け、該切欠き溝に装着する前記保持片(4)の掛
止爪壁(6)部の根元附近に設けた凸部を嵌合したり掛
止爪壁(6)の外周側に設けた凸部を係合して該保持片
に回り止め機能を賦与してもよく(図示せず)、更に、
配管(P)の周壁に形成する前記平坦面(P1)を必要に
応じて保持片(4)側の平面(4′)より軸方向に長寸
となし(図示せず)、支持金具(1)に適時軸方向への
移動による位置の調整を可能となしてもよい。又、支持
金具(1)の取付け位置に関連して、取付け孔(3)部
が配管(P)の中心軸線に対し直交したり角度を付ける
よう前記支持金具を捩ったり屈曲したりすることもでき
る。
[発明の効果] 以上説明したように本発明による支持金具による配管
の固定方法は、固定部をなす支持金具(1)側の組付け
孔(2)の孔周の一部に装着した保持片(4)の底壁平
面(4′)での配管(P)側の周壁の一部に形成した平
坦面(P1)による当接及び前記平面(4′)の管軸方向
の両端での平坦面(P1)の両端部の段部による係合とに
より固定せしめてなるため、前記保持片(4)の装着に
よって容易に固定構造を得ることができ、該固定作業を
簡易となして煩わしさを軽減することができ、同時に固
定部附近での機械的強度の劣化の憂いが全くなく、また
予め鍍金処理を施した支持金具(1)、保持片(4)並
びに配管(P)の使用を可能となし、固定後に前記処理
が不要となることにより生産性を向上することができ、
又確実な固定によって配管(P)側での軸方向の移動や
円周方向への回動並びに固定部での該配管の離体、脱落
等の憂いをなくすことができる等、極めて有用な支持金
具による配管の固定方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す支持金具による配管の
固定方法による平面図、第2図は第1図A−A線の一部
切欠きによる断面図、第3図は同じく他の実施例に係る
第2図相当図、第4図(A)及び(B)はそれぞれ第2
図及び第3図に示す保持片の平面図、第4図(C)及び
(D)はそれぞれ他の実施例を示す保持片の平面図、第
5図(A)乃至(D)は第4図(A)乃至(D)のそれ
ぞれのB−B線、C−C線、D−D線及びE−E線の断
面図、第6図は従来例を示す固定方法による一部切欠き
断面図である。 (1)…支持金具、(2)…組付け孔、(3)…取付け
孔、(4)…保持片、(4′)…平面、(5)…係支
壁、(6)…掛止爪壁、(7)…係合溝、(P)…配
管、(P1)…平坦面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相手基体への取付け部となす板状の支持金
    具(1)に貫設した配管(P)への組付け孔(2)部
    を、底壁を略平面(4′)となしてその外側周面の前後
    にそれぞれ突設した係支壁(5)と掛止爪壁(6)との
    間に係合溝(7)を有する半裁状からなる弾性保持片
    (4)を周壁の一部に平坦面(P1)を形成した配管
    (P)の該平坦面部に装着せしめた状態をもって、配管
    (P)を前記組付け孔(2)部に貫通して前記係合溝
    (7)部に係着せしめてなることを特徴とする支持金具
    による配管の固定方法。
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