JP2689223B2 - ケーブル架渉用金車装置 - Google Patents

ケーブル架渉用金車装置

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JP2689223B2
JP2689223B2 JP22872294A JP22872294A JP2689223B2 JP 2689223 B2 JP2689223 B2 JP 2689223B2 JP 22872294 A JP22872294 A JP 22872294A JP 22872294 A JP22872294 A JP 22872294A JP 2689223 B2 JP2689223 B2 JP 2689223B2
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英喜 藤本
誠 帆北
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西部電気工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架空ケーブル架渉時に
おいて、例えば地上高5メートル超位置に張設されたメ
ッセンジャワイヤに、地上より操作杆の操作で容易に、
かつ、確実に取付け可能な、架空ケーブルの仮架渉を行
なうための金車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、架空ケーブルの架渉に際しては、
先ず各電柱管を結ぶようにメッセンジャワイヤを張架さ
せ、このメッセンジャワイヤに所要間隔をおいて多数の
金車を取付け、その金車上を滑らせるようにしてケーブ
ルを牽引しメッセンジャワイヤに沿わせた、所謂、仮架
渉状態と成した後、ハンガーリング掛けをして本架渉し
ていた。この金車の取付けは、宙乗器、や高所作業車等
に乗り込んで手作業で行うものであり、金車の取付け部
にメッセンジャワイヤを挟んで蝶ネジで締め付けて固定
する必要があった。近年、地上から取付け可能な金車装
置として図11に示されるようなものが特公平4−67
414号において提案され、危険な高所作業から開放さ
れつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、これ
らの金車装置の場合、いずれも金車と、この金車を把持
しつつ支持線(メッセンジャワイヤ)に吊支させるため
の支持線把持体とが直接連結され、かつ、支持線との当
接部面積が狭小であることから、勾配のある支持線張設
区間等に取り付けると、傾斜方向に滑るように位置ズレ
することから、使用できず略平坦区間への使用のみに限
定されていた。また、ケーブル架渉時の支持線の揺動で
位置ズレしたり、金車装置自体が一体的に上下動し、金
車そのものが支持線から離脱してしまうという問題点が
あった。
【0004】本発明は、かかる上記従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的は支持線との係着が確
実で強固なことから、急勾配の支持線張設区間にも使用
可能であると共に、金車の揺動を緩衝し得る緩衝部を設
けることにより、上下揺動が少なく支持線から離脱して
落下することがないケーブル架渉用金車装置を提供する
ことにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、架空ケーブル架渉作業時に、張設された支持線1
2に所要間隔毎に吊架させ、金車機枠13内にケーブル
14を挿通させ牽引することによりケーブル14の仮架
渉を行なうための架空ケーブル架渉用金車装置であっ
て、前記支持線12に着脱支持される金車吊支部18
と、この金車吊支部18の下部に接続され金車機枠13
を備えた金車部20と、を有し、この金車吊支部18
は、縦支柱22と、この縦支柱22に沿って上下に移動
可能に設けられ、前記支持線12と係着する係着部28
を備えた上部押え部材24と、この上部押え部材24の
上下動に応じて支持線12を前記上部押え部材24に対
して押え、離開駆動させる下部押え機構26と、を備え
て成るケーブル架渉用金車装置10から構成される。
【0006】また、前記下部押え機構26は、前記縦支
柱22に一端側を回動自在に枢着されたリンク杆44
と、このリンク杆44の他端側に設けられ、前記上部押
え部材24の上下動に対応して回動または揺動する当接
部46と、を含むリンク杆装置48から成ることとして
も良い。
【0007】また、前記縦支柱22にはピン孔72が穿
孔されると共に、前記上部押え部材24には縦方向に長
孔74が穿孔され、一方、前記リンク杆装置48のリン
ク杆76にはピン長孔78が穿孔され、これら縦支柱2
2のピン孔72、上部押え部材24の長孔74、リンク
杆76のピン長孔78が連通するように位置合わせ配置
した状態でこれらを挿通させて誘導ピン80を枢着さ
せ、更に、この誘導ピン80には前記金車部20を吊支
させて成ることとしても良い。
【0008】また、前記縦支柱22のピン孔72は縦方
向に形成された縦長孔84であるものと構成しても良
い。
【0009】また、前記上部押え部材24は前記縦支柱
22に上下動自在に係合する本体部30と、この本体部
30に接続する前記係着部28を備え、前記リンク杆装
置48のリンク杆44、76の前記他端側は前記上部押
え部材24の本体部30に枢着され、この枢着部52、
82よりもさらに端部側において前記当接部46が設け
られて成ることとしても良い。
【0010】また、前記リンク杆装置48の当接部46
は、前記リンク杆44、76の前記他端側に枢支連結さ
れ、上部押え部材24の上下動時に揺動して前記支持線
12の下端側に当接、離開する揺動子50を備え、前記
上部押え部材24の係着部28に支持線12を係着させ
て装置本体を自由状態にした時には前記揺動子50が揺
動して下方側から支持線12の下部側を押圧当接するこ
ととしても良い。
【0011】また、前記上部押え部材24の係着部28
は前記縦支柱22に対して交差方向に延設され、側面視
逆U字状に形成されて、支持線12に対して面状に当接
接触して成ることとしても良い。
【0012】また、前記逆U字状の係着部28の内部側
には摩擦部材34が配置されて成ることとしても良い。
【0013】また、前記揺動子50とリンク杆44、7
6はそれぞれ上部押え部材24の本体部30に左右1対
で設けられて成ることとしても良い。
【0014】また、前記両リンク杆44、76の下端は
前記縦支柱22に対して逆ハ字状に開いて同軸42、8
0に枢着され、これらの両リンク杆44、76には前記
当接部46の支持線12への当接の離脱を弾性的に規制
するスプリング62、86が張架されて成ることとして
も良い。
【0015】また、前記縦支柱22の上部は下向きに開
口させたフック形状に形成されて成ることとしても良
い。
【0016】また、前記金車吊支部18と金車部20と
の接続部分には該金車部20の上下揺動を直接に金車吊
支部18に伝達させないための緩衝部64が設けられて
成ることとしても良い。
【0017】また、前記緩衝部64は、チェーン66か
ら成ることとしても良い。
【0018】更に、前記当接部46であって、前記支持
線12と略当接する位置には摩擦部材56が取り付けら
れて成ることとしても良い。
【0019】
【作用】本発明に係るケーブル架渉用金車装置10は、
支持線12に着脱支持される金車吊支部18と、この金
車吊支部18の下部に接続され金車機枠13を備えた金
車部20とを有し、この金車吊支部18は、縦支柱22
と、この縦支柱22に沿って上下動自在に移動可能に設
けられ、前記支持線12と係着する係着部28を備えた
上部押え部材24と、この上部押え部材24の上下動に
応じて支持線12を前記上部押え部材24に対して押え
離開駆動させる下部押え機構26とを備えて成ることか
ら、前記上部押え部材24の係着部28を支持線12に
載置して係着させれば、金車機枠13の重量により、縦
支柱22は下方に移動し、同時に下部押え機構26が作
動して支持線を上部押え部材24に対して押えつけ、こ
れによって上下方向から支持線を挟持固定する。その結
果、支持線あるいはそれに吊支される金車装置が揺動し
ても支持線の長手方向などに金車装置が簡単に位置ずれ
することがなくなる。縦支柱を基礎として、これに対し
上部押え部材を摺動自在に設け、更に下部押え機構をこ
の摺動に連動させているので支持線を把持するための作
動が確実である。
【0020】また、下部押え機構は、縦支柱に一端側を
回動自在に枢着されたリンク杆と、このリンク杆の他端
側に設けられ、前記上部押え部材の上下動に対応して回
動または揺動する当接部と、を含むリンク杆装置から形
成されている。縦支柱に対して上部押え部材の上下動に
同期してリンク杆を回動または揺動させるようにし、従
って、リンク機構という軽量、かつ簡単な構造により支
持線との当接を行わせ、また、リンク杆の端部に当接部
を設けて部材を兼用させ、製造コストを低廉に維持させ
る。
【0021】また、縦支柱にはピン孔が穿孔されると共
に、上部押え部材には縦方向に長孔が穿孔され、一方、
前記リンク杆装置のリンク杆にはピン長孔が穿孔され、
これら縦支柱のピン孔、上部押え部材の長孔、リンク杆
のピン長孔が連通するように位置合わせ配置した状態で
これらを挿通させて誘導ピンを枢着させ、更に、この誘
導ピンには前記金車部を吊支させているので縦支柱と上
部押え部材は相対的に、この上部押え部材に形成された
長孔のストローク長さぶんだけ上下動するので上部押え
部材自体にこの移動ストロークを形成でき、よって、上
部押え部材の縦方向の長さを比較的に短く、コンパクト
に形成でき、装置そのものを操作杆などで支持線に対し
て載置、離脱操作させたり、装置そのものをコンパクト
に形成して軽量化、材料コスト低減等を図ることとな
る。
【0022】また、縦支柱のピン孔は縦方向に形成され
た縦長孔であることにより、縦支柱に形成された長孔の
ストロークのぶんだけ上下方向に上部押え部材及び縦支
柱の相対移動長さが長くなるが、この発明においても請
求項1の発明と同様に、金車装置そのものの支持線に対
する位置ずれ防止は充分に達成できる。
【0023】また、上部押え部材は前記縦支柱に上下動
自在に係合する本体部と、この本体部に接続する前記係
着部を備え、前記リンク杆装置のリンク杆の前記他端側
は前記上部押え部材の本体部に枢着され、この枢着部よ
りもさらに端部側において前記当接部が設けられている
ので、本体部に対する枢着部においてリンク杆が回動す
ることにより当接部が支持線下端側に当接し、これによ
り、リンク杆によるリンク構成を実効あらしめることと
なる。
【0024】また、リンク杆装置の当接部は、前記リン
ク杆の前記他端側に枢支連結され、上部押え部材の上下
動時に揺動して前記支持線の下端側に当接、離開する揺
動子を備え、前記上部押え部材の係着部に支持線を係着
させて装置本体を自由状態にした時には前記揺動子が揺
動して下方側から支持線の下部側を押圧当接することと
しているので、リンク杆の回動にともない、更に、この
リンク杆の他端側に枢支された揺動子も揺動し、下部側
から支持線を押圧当接して、支持線との当接状態を保持
し、支持線の長手方向への位置ずれを確実に防止する。
【0025】また、上部押え部材の係着部は前記縦支柱
に対して交差方向に延設され、側面視逆U字状に形成さ
れて、支持線に対して面状に当接接触しているので支持
線と上部押え部材との接触面積を大きく取れ、支持線の
長手方向への位置ずれを生じさせないようにしている。
【0026】また、前記逆U字状の係着部の内部側には
摩擦部材が配置されて成ることから、勾配のある支持線
に係合させても、静止摩擦力に阻止され滑降せず、位置
ズレすることがない。
【0027】また、前記揺動子とリンク杆はそれぞれ上
部押え部材の本体部に左右1対で設けられているので、
上部押え部材に対して左右対称にリンク杆動作を行い、
これによって、少なくとも2箇所で支持線と当接部との
接触、押え効果を得ることとなる。
【0028】また、前記両リンク杆の下端は前記縦支柱
に対して逆ハ字状に開いて同軸に枢着され、これらの両
リンク杆には前記当接部の支持線への当接の離脱を弾性
的に規制するスプリングが張架されて成ることとしてい
るので、左右のリンク杆装置のリンクの動作を同期さ
せ、バランス良い動きとすると共に、部材を兼用させて
部品点数を少なく維持している。また、スプリングによ
りリンク杆は当接部の係着状態、或は係脱状態のいずれ
の場合にも現状態を維持する方向に付勢される。
【0029】また、前記縦支柱の上部は下向きに開口さ
せたフック形状に形成されているので、下向きに突出す
る先端部に、地上から操作される操作杆の先端を極めて
容易に挿入、あるいは係着させ得る。
【0030】また、前記金車吊支部と金車部との接続部
分には該金車部の上下揺動を直接に金車吊支部に伝達さ
せないための緩衝部が設けられて成ることから、ケーブ
ル架渉時におけるケーブルの蛇行状の上下動により生じ
る揺動は前記緩衝部によって緩和され、金車吊支部には
略下方向の力のみが負荷される。
【0031】また、前記緩衝部は、チェーンから成るこ
とから、任意の長さに形成可能であり、また、自由に屈
曲するため、瞬時に緩和解消される。
【0032】また、前記当接部であって、前記支持線と
略当接する位置には摩擦部材が取り付けられているの
で、例えば硬質ゴム等を素材にして形成された摩擦部材
は支持線外形に沿うように馴染んで係着し、かつ、支持
線に対する静止摩擦力は大幅に増大する。
【0033】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実
施例を説明する。本発明に係る架空ケーブル架渉用金車
装置(以下「金車装置」という)10は、図10に示す
ように、ケーブル架渉作業時に予め張設された支持線1
2に所要間隔毎に多数吊架させ、後述する金車機枠13
内にケーブル14を挿通させ牽引することにより、ケー
ブル14を支持線12に略沿わせた状態に仮架渉を行な
うための金車装置であって、例えば、地上から操作杆1
6の操作により係脱着作業をするものである。
【0034】図1〜3には本発明の第1実施例に係る金
車装置10が示されている。図1、図2に示すように、
本金車装置10は前記支持線12に、その上方から跨ぐ
ようにして係着させた金車吊支部18と、この金車吊支
部18の下部に接続され吊架された金車部20とを有す
る。本実施例では、この金車吊支部18は金属等を素材
として略矩形の堅固なものとして形成され、鉛直方向を
長手として配置される縦支柱22と、この縦支柱22に
沿って上下動自在に設けられた上部押え部材24と、こ
の上部押え部材24の上下動に応じて、支持線12を前
記上部押え部材24に対して押え離開駆動させる下部押
え機構26と、を備えている。後述するように、この上
部押え部材24は、支持線12と係着する係着部28を
有している。
【0035】図において、前記上部押え部材24は長方
形状の板体から形成されている。この上部押え部材24
は縦支柱22に上下動自在に係合する本体部30を備え
ている。この本体部30の上端側は逆U字状、あるいは
U字フック状に曲げ形成されており、このU字フック状
の曲げ部28aの内部側に支持線12が挿通され、これ
によって上部押え部材24を支持線12に対して係着さ
せ、吊支させている。係着部28はこの本体部30の上
方部分に接続したU字状の曲げ部28aを含む。
【0036】図1、3に示すように、該上部押え部材2
4の係着部28は縦支柱22に対して交差方向に延設さ
れ、側面視逆U字状に形成されており、更に、支持線1
2に対して面状に当接接触する。これによって支持線に
載せかけた場合の支持線との接触部分を面状として大き
な接触面積を確保でき、把持力を強化できると共に、特
に、支持線の長手方向への位置ずれを効果的に防止し得
る。
【0037】前記上部押え部材24の正面側(図2上左
側)には前記U字状曲げ部28aの端部側32が庇状に
突出し、詳細には側面視略くの字状に形成されている。
図1においてこの上部押え部材24は長辺側を支持線1
2に沿わせるように横向きで装着されている。そして、
このU字状曲げ部28aの内部側には摩擦部材34が取
り付け固定されている。本実施例では、摩擦部材として
ある程度の固さと弾性を有するゴム板が内面に沿って貼
着されている。このゴム板は前記支持線12との係着時
には支持線12の外周に沿って、なじむように変形して
係着することから、静止摩擦力は大きなものとなり、勾
配のある支持線張設区間に傾斜させて取り付けても滑降
せず、位置ズレするようなことはない。
【0038】図4に示すように、本体部30の背面側に
は内部に細長の挿通孔36を縦長く形成するように案内
座板38が固定されており、この挿通孔36内に縦支柱
22が挿通され、この縦支柱に沿って上部押え部材24
は上下動可能となっている。
【0039】図2に示すように、縦支柱22は細長い薄
板状の鉄板部材から構成されている。そして、図1に見
られるように上部押え部材24の略左右等分位置で縦方
向に配置され、前述の挿通孔36を貫挿して、上部押え
部材24に対し、摺動自在に係合する。縦支柱22は必
ずしも薄板状に形成されることなく、丸棒体、角棒体、
パイプ部材などでも良いし、また、材質もアルミニウ
ム、銅、その他の金属、合金、ポリエチレン、ナイロ
ン、ポリエステルその他のプラスチック部材その他の素
材でも良い。また、縦支柱22に対する上部押え部材2
4の上下動構成も、実施例に限らず、転がり軸受構成と
しても良いし、その他任意の上下動構成であっても良
い。
【0040】図1、2において縦支柱22の下端部には
矩形の板状の連結部材40が軸ピン42を介して遊転自
在に枢支連結されている。また、前記縦支柱22の上端
側は前記上部押え部材24のU字状の曲り部の曲り端方
向とは反対側に、つまり背面側に曲折されて側面視下向
きに開口させたフック形状をなす曲折部22aを有して
いる。そして、この曲折部22aに、地上から操作し、
数メートルの長さを有する操作杆16の先端部を係合さ
せれば、任意の取付け点へ簡単に、かつ、確実に運搬移
動できる。すなわち、その係合位置は本体部30の長手
方向を等分する位置であることからバランスがよく揺動
することはない。
【0041】一方、図1、図3において、金車吊支部1
8は、上部押え部材24と協働してその間に支持線12
を挟み込むようにする下部押え機構26を備えている。
この下部押え機構26は、前記縦支柱22に一端側を回
動自在に枢着されたリンク杆44と、このリンク杆44
の他端側に設けられ、前記した上部押え部材24の上下
動に対応して回動または揺動する当接部46と、を含む
リンク杆装置48から形成されている。
【0042】すなわち、図1において、正面視長矩形の
上部押え部材24の略中央位置を上下に摺動自在に係合
する縦支柱22の下端部に前記した軸ピン42が遊転自
在に嵌挿されている。そして、この軸ピン42を基準に
して逆ハ字を形成するように左右略対称位置にリンク杆
44、44がそれらの下端部を該軸ピン42に回動自在
に枢着されて設けられている。
【0043】一方、上部押え部材24の本体部30の正
面側には、縦支柱22を中央にしてその両側の略線対称
に位置するように略くの字板状の揺動子50が枢着部5
2においてその略中央位置を回動自在に枢着されてい
る。そして、前記したリンク杆44の他端側は、この揺
動子50の一端側、すなわち図1上左方側を枢着部54
において枢支連結されており、これによって、縦支柱2
2が上下動すると、下端部を該縦支柱22に枢着された
リンク杆44はハ字状の開き角度を増減させるように動
く。
【0044】揺動子50とリンク杆44はそれぞれ上部
押え部材24の本体部30に左右1対で設けられてい
る。従って、支持線に対して両側でバランス良く当接部
46を押しつけ、内側の支持線を確実に把持する。ここ
において、支持線12に上部押え部材24のU字フック
状曲げ部28aの内側を載せかけて係着させ、装置全体
を自由状態にした時には、この揺動子50が揺動して下
方側から支持線12の下部側を押圧当接することとな
る。このように、揺動子50は枢着部52回りに揺動し
て枢着部54とは他端側となる部分を支持線12の下端
部分等に押しつけてフック状曲げ部28aと共に内部に
支持線12を挟み込むようにして把持する。
【0045】前記した当接部46は、リンク杆44の他
端側に設けられ、前記した上部押え部材24の上下動に
対応して回動または揺動するものであり、その動きに同
期するように支持線12の下端部と接触押圧すれば良
い。本実施例においては、リンク杆装置48のリンク杆
44の他端側(すなわち、上端側)は上部押え部材24
の本体部30に枢着され、この枢着部52よりも更に先
端側において当接部46を設けている。本実施例のよう
に、リンク杆44の上端側に揺動子50を枢支連結さ
せ、この揺動子50により押圧させることとしても良い
が、後述するように、単にこれらのリンク杆の上部側を
本体部30に枢着させ、その先端側に直接当接部を形成
して支持線12に当接させることとしても良い。
【0046】前記のように揺動子50は枢着部52回り
に回動し、支持線12を係着部28の曲げ部28a内部
に挿通させて係合させた状態の時には上部押え部材24
の内側と揺動子50の上端側とで支持線12を挟みつけ
るようにして押圧し、これによって、下端部側に吊支す
る金車部20を支持線に沿って移動させないように、確
実な把持力で把持させるものである。
【0047】更に、実施例においては、揺動子50であ
って、この揺動子50が支持線12と略当接するような
位置に(すなわち揺動子50の上端部側外周縁)はウレ
タンゴム等から成る摩擦部材56が取り付けられてい
る。これによって、前記係着部28の曲げ部28aの内
部側の摩擦部材34と共に、前記支持線12の当接部分
の周方向のほとんどを包み込むようにして係着すること
となり、その結果、静止摩擦力をさらに増大させ係着力
を大幅に増加させる。また、前記支持線12に係着傷等
をつけることはない。
【0048】図1に見られるように、実施例では、揺動
子50のくの字の凹部を下側、すなわち、両端側がとも
に下方側を向いた状態で前記係着部28の曲げ部28a
内面側と最も離開した状態で設置されており、従って、
図3、図5に示すように、揺動子50が最も離開した状
態でのくの字の右端側近傍にこの摩擦部材56は取り付
けられている。
【0049】図5に示すように、揺動子50の上端側5
0aは略卵形状をなしており、略支持線径に相当する厚
みを有している。要は、円弧状に形成されておれば揺動
子50が回動した時に円滑に支持線12の下部側に押し
つけ当接作用を行わしめることとなる。要は上述のよう
に、この揺動子50はくの字状の中央位置を枢着部52
において本体部30に回動枢着されており、その上端側
50aの周縁に前記したウレタンゴム等から成る摩擦部
材56が固着されている。これによって上部押え部材2
4の係着部28の摩擦部材34と協働して、より強力な
静止摩擦力を生じさせる。また、アルミ合金を素材にし
て形成されたアルミ鋼撚り線等の軟質支持線に係着させ
ても、係着傷がつかず、滑ることがないことから支持線
表面を削り取ることもない、また、軟質の支持線、硬質
の支持線に汎用可能となる。
【0050】更に、図においてこのくの字状の揺動子5
0の下端側(すなわち摩擦部材56の取付位置とは離反
する他端側)は該卵形の上端側50aから段付部58を
形成して、薄肉片60が接続形成されている。そして、
この薄肉片60にリンク杆44の上端部が遊転自在に枢
着されている。このリンク杆44は図5において薄肉片
60の裏面側に枢着されているが、例えば、左側の揺動
子50が図上時計周り方向に回動する時には段付部58
がストッパとなって揺動子50が図1の状態からさらに
リンク杆44を越えて回動するのを規制している。
【0051】前記したくの字状の揺動子50の当接側と
異なる端部側、すなわち、揺動子50が回動して支持線
12の下面側にその上端を当接させる時の下端部側に
は、長板状のリンク杆44の端部が遊転自在に枢支連結
されている。このリンク杆44の下端部は前記縦支柱2
2の下端部の軸ピン42に遊転自在に枢支されている。
従って、縦支柱の下端部の軸ピン42には縦支柱22、
連結部材40、左右のリンク杆44が同一軸にそれぞれ
遊転状に枢着されている。この時、縦支柱22に対して
両リンク杆44は逆ハの字状に開いて設置されている。
【0052】そして、上部押え部材24の係着部28に
支持線12を係着させて装置本体を自由状態にした時、
すなわち、支持線12に対して係着部28の曲げ部28
a内面側を乗せ掛けて離した状態では、自重、あるいは
ケーブル14の荷重により、軸ピン42部分は下方に引
張され、両リンク杆44はそれらの間の挟み角が小さく
なるように変位し、その結果、枢着部52回りに揺動子
50が回動してその上端側を支持線12の下部側に押圧
当接させることとなる。
【0053】図に示すように、これらの両リンク杆44
どうしで挟まれた間隙には、これらのリンク杆44の挟
角を狭くする方向に付勢するスプリング62が張架され
ている。このスプリング62は、これによって常時、揺
動子50の上端側を支持線の下面側に当接する方向に付
勢しており、従って、揺動子50の支持線12への当接
の離脱を弾性的に規制するものである。
【0054】また、図1ないし図3において、前記金車
吊支部18と金車部20との接続部分には、緩衝部64
が設けられている。この緩衝部64は、金車部20の上
下揺動を直接に金車吊支部18に伝達させないためのも
のである。本実施例ではこの緩衝部64は、金属、プラ
スチック合成樹脂、その他の素材から成るチェーン66
から成り、上部端は前記縦支柱22の下方部に連設され
た連結部材40に接続され、その下端部は金車機枠13
の上部に接続されている。
【0055】なお、この緩衝部64は、特に図示はしな
いが、例えばつるまきバネ、その他のバネ体から成る構
成としてもよく、また、ひも、ロープ、その他の索条な
どでも良い。要はケーブル架渉時における金車部20の
揺動、或は前記支持線12の揺動を緩衝し得る構成であ
ればよいものである。
【0056】前記したように縦支柱22の下端部に縦支
柱を含めて、両リンク杆、及び連結部材40が同軸(軸
ピン)42に遊転自在に枢着されているので、例えば縦
支柱22を支持すれば、連結部材40を介してその下方
に吊支した金車部20の荷重をも直接受ける。ところ
が、支持線12に上部押え部材の係着部28を乗せ掛け
て吊支し、縦支柱22の支持を解除すれば、案内座板3
8内を該縦支柱22は下方に摺動し、両リンク杆44を
下方に引張する結果、左右の揺動子50をそれぞれ、反
時計及び時計方向に回動させ、これによって、上部押え
部材24と下部押え機構26とにより金車部20に負荷
された荷重を支持するものである。
【0057】図1、図2において、前記金車部20は、
金車ホイール体68と金車機枠13からなり、門形の機
枠内に回転可能に軸支された金車ホイール体68は略鼓
状に胴の中央部がくびれ、ケーブル挿通溝70が設けら
れている。ケーブル架渉時には、前記ケーブル14は前
記金車機枠13内を挿通し、かつ前記金車ホイール体6
8の受部68a当接して前記ホイール体68を回転させ
つつ牽引される。
【0058】本実施例では、前記金車ホイール体68は
プラスチック合成樹脂等を素材に堅固に、かつ軽量に形
成され、その表面はなめらかに仕上げられている。そし
て、前記金車機枠13は金属板を曲げて所要形状に形成
し門形に組合せて、上方を所要の長さ合掌させて複数の
ボルト.ナットで固定している。前記チエーン66の一
端はこのボルト・ナット部に連結されている。
【0059】なお、前記金車ホイール体68は、その素
材がプラスチック合成樹脂に限らず、軽金属や硬質ゴム
等で形成されてもよいものであり、その素材は特に限定
されるものではない。また、前記金車機枠13の素材も
同様に特に限定されるものではない。
【0060】以下、図1〜5に基づいて本装置の作用に
ついて説明する。金車装置10の支持線12への取付け
前に、図1に示されるような、揺動子50の係着部28
からの離開状態とするには、縦支柱22の上端の曲折部
22aを支持した状態で、上部押え部材24を縦支柱2
2の下方へ軽く押圧すれば、係着部28の曲げ部28a
の内面側(摩擦部材34)がこれに当接している揺動子
50の上端部を下方に押し下げるから、該揺動子50は
枢着部52を中心に左右から中央方向にそれぞれ同時に
回動する。
【0061】この時、前記リンク杆44は、前記揺動子
50の下端部側に一端をそれぞれ枢着されると共に逆ハ
字状に開いてその他端側を前記縦支柱22に回動自在に
軸ピン42に枢着されていることから、この軸ピン42
を要とする扇状に左右に拡開する。
【0062】図5に示すように、この状態では、前記上
部押え部材24の係着部28と揺動子50との間には間
隙Sが形成される。そして、前記揺動子50は卵形の厚
手部分と薄肉片60との段付部58に前記リンク杆44
が接触し回動を阻止されて、並行状態となっている。
【0063】次に、図2に示すように、前記縦支柱22
の下向きフック状に形成された曲折部22aに操作杆1
6の先端部を係合させ、操作杆16を操作して地上5メ
ートル超高位置に架設された支持線12に金車吊支部1
8を上昇させ係着させる。
【0064】上部押え部材24の正面側には前記係着部
28のU字フック状曲げ部の庇状端部32が左方に突出
していることから、これに前記支持線12を載せ掛ける
ようにすれば、支持線12は庇状端部32の内面側に案
内され前記係着部28内部に容易に到達する。
【0065】この、支持線12上に係着部28の内面側
を係合させた状態で、前記操作杆16を前記縦支柱22
より離脱させれば、前記金車吊支部18にチェーン等の
緩衝部64で接続され吊架されている前記金車部18の
自重で軸ピン42を下方に引くように作用する。する
と、縦支柱22は案内座板38に案内されて下方に下降
すると共に、両リンク杆44は、軸ピン42を要とする
扇をつぼめるように回動する。そのとき、その上端側に
それぞれ連設された揺動子50は図3上一点鎖線示状態
から破線状態に回動し、支持線12の下端部分にその摩
擦部材56を押圧当接させ、係着部28の内部の摩擦部
材34と協働して該支持線12を確実に挟着する。
【0066】そして、ケーブル14を金車機枠13内に
挿通させて架渉作業を行う時などに、支持線12が上下
に揺動する時にも、前記したスプリング62が常時、揺
動子50の上端側を支持線12の下面側に当接する方向
に付勢しており、従って、揺動子50の支持線12への
当接の離脱を弾性的に規制する結果、このような上下動
の場合にも上部押え部材24と下部押え機構26の間に
確実に挟着させ、支持線の長手方向への位置ずれなどを
生起させることがない。
【0067】また、本実施例では、金車吊支部18と金
車部20間に緩衝部64を介設させているのでケーブル
を通線させた金車部20あるいは、金車吊支部18が上
下にダンシング動作を行っても、その上下動が直接に金
車吊支部18あるいは、金車部20に伝達されることな
く、金属チェーンなどにより吸収されるので、特に、金
車吊支部18の支持線12からの離脱を効果的に、か
つ、確実に防止し得る。
【0068】次に、図6〜7に基づき、本発明の第2実
施例を説明するが、前記実施例と同一構成、或は同一部
材には同一符号を付しその説明を省略する。この実施例
では、リンク杆の内部中央に長孔が穿孔され、揺動子5
0を用いず、該リンク杆の上端側が直接上部押え部材の
本体部に回動自在に枢着されており、また上部押え部材
の本体部に縦長孔を形成し、両リンク杆の長孔、本体部
の長孔及び縦支柱のピン孔を縫い剌し状にして誘導ピン
を遊転自在に遊挿させ、これによって、本体部のストロ
ーク幅ぶんだけ上部押え部材と縦支柱とが相対的に移動
する点を除けばその他の部分は前記した第1実施例と同
一構成である。
【0069】本実施例では、前記縦支柱22にはピン孔
72が穿孔されると共に、上部押え部材24の本体部3
0には縦方向に長孔74が穿孔されている。ピン孔72
の形成位置は任意に設定して良いが、本実施例が装置本
体の上下方向へのストロークを必要最小限に押えて装置
を操作杆で載着させたり脱係させたりする際の作業性を
向上させる等の点を主な目的とすることからできるだ
け、縦支柱22の下端側であることが好ましい。
【0070】一方、本体部30に対して逆ハ字を形成す
るように2個の長板状のリンク杆76、76が配置され
ている。これらのリンク杆76にはそれぞれその本体内
部をくりぬくようにピン長孔78、78が穿孔されてい
る。そして、これら縦支柱22のピン長孔72、上部押
え部材24の長孔74、リンク杆76のピン長孔78が
連通するように位置合わせ配置した状態でこれらを挿通
させて誘導ピン80を縫い合わせ枢着させている。従っ
て、この誘導ピン80は上部押え部材24の長孔74、
リンク杆のピン長孔78内において移動自在(相対的に
はこれら上部押え部材、リンク杆76が摺動自在とな
る)となっている。
【0071】更に、この誘導ピン80には金車部20を
下方に吊支した長板状の連結部材40が遊転自在に枢着
されている。前記した、リンク杆76、76の上端側、
すなわち、誘導ピン80による枢支部に対して離反する
他端側は、軸ピン82により上部押え部材24の本体部
30に回動自在に枢着されている。
【0072】そして、このリンク杆76の先端部は円弧
面あるいは円弧状に形成されており、この部分が当接部
46を形成する。すなわち、リンク杆76が軸ピン82
回りに回動して、この当接部46が支持線12に近接す
る場合にはこの当接部46が支持線12の下端側に押圧
当接し、曲げ部28aとの間に支持線12を挟着させて
装置本体の支持線長手方向への位置ズレなどを確実に防
止する。
【0073】この実施例の場合にはリンク杆76、76
に設けられた当接部46は第1実施例のように、揺動子
50によらしめることなく、リンク杆76そのものに、
あるいは一体的に該当接部を形成することとなる。従っ
て、部品点数の減少、部材の節約、組立作業の簡略、材
料コスト低減等を達成する。
【0074】両リンク杆76前記誘導ピン80を中央に
して逆ハ字状に開いて配置されている。更に、それぞれ
のリンク杆76と上部押え部材24の本体部30に両端
を固定されて同上部押え部材24の上下動を弾性的に規
制するスプリング86が張架されている。すなわち、本
体部30の下方寄りで、やや左方寄り位置に止めピンを
固定させ、この止めピンと左リンク杆76下部寄り部分
との間にスプリング86を張架させて常時引張方向に付
勢させている。
【0075】また、同様に、本体部30であってこの左
側スプリングの取付位置と略対称な位置にスプリング8
6が張架されている。従って、この付勢力は枢着部軸ピ
ン82回りにリンク杆76の上端部を支持線12の下面
側に近接させる方向に働き、これによって、支持線12
を確実に挟着するのでケーブルの上下動あるいは支持線
側の上下動に対しても安定して両回動杆及び上部押え部
材の係着部内面間での挟持状態を維持できる。
【0076】この実施例では、操作杆16により縦支柱
22上端側を支持して持ち上げると、上部押え部材24
は下方へ移動し、相対的に本体部30の長孔74内を誘
導ピン80が上方に移動する。この際本体部30に上部
側が枢着されているリンク杆76のピン長孔78内をも
移動し、同時に左右のリンク杆76の先端側を反時計、
及び時計回り方向に回動させる。このとき該リンク杆7
6の先端すなわち当接部46は係着部28の曲げ部28
aの内面側から離開する方向に移動する。従って、ある
程度間隙Sが形成される状態となる。
【0077】そして、上部押え部材24の係着部28の
曲げ部28aを支持線12上に載せ掛けて載置すると、
連結部材40に緩衝部64を介して吊支されている金車
部20の荷重により、上部押え部材24は支持線12に
より支持されているので今度は縦支柱22が金車部の荷
重により下方に長孔74のストローク長さぶんだけ移動
し、同時に軸ピン82回りにリンク杆76の先端部分が
回動する結果、これらの当接部46は支持線12の下面
側に押しつけられて当接し、更に、ケーブル14を金車
部20に挿入させた時には、さらに大きな荷重となっ
て、そのぶん更に、該当接部46の押圧当接力は大きな
ものとなる。
【0078】また、摩擦部材56を取り付けておけば、
傾斜面での工事の場合は勿論のこと、ケーブルの動きに
より装置全体が上下に大きなダンシング動作を行う場合
でも、いったん両摩擦部材34、56間に支持線12を
挟持すると簡単に離脱することもなく、よって、装置1
0の位置ズレを生じさせることなく、安定してその後の
ケーブルハンガーリング装着作業などを継続的に行える
こととなる。
【0079】この実施例では特に、当接部材における揺
動子を用いることなく、部品点数の減少、材料コスト減
などの効果を得ると共に、上部押え部材24に形成した
長孔74により縦支柱22と上部押え部材24との相対
上下動ストローク長さが決まるので、上下方向について
装置全体を非常にコンパクトに形成でき、操作杆を用い
て5メートル超もの高さに装置を上げ下ろしする作業の
際に極めて作業性を向上させ得る。また、本体部の長孔
によりストローク長さ、及びリンク杆そのものの動きを
規制あるいはコントロールするから、当接部46の摩耗
防止や、リンク杆76の作動が確実に行われ得ることと
なる。
【0080】なお、図8、9においてはケーブル架渉用
金車装置10の他の実施例を示しており、この実施例で
は、上記した第2実施例の縦支柱22に設けたピン孔7
2を縦長孔84として形成した場合で、のこりは第2実
施例と同一構成である。この実施例でも第2実施例と同
様の作用を得ることとなる。ただし、縦支柱22と上部
押え部材24との相対移動長さは上部押え部材24の長
孔74に加えて縦支柱の縦長孔84のストローク長さと
なる。この実施例でも支持線12の長手方向への装置本
体の位置ズレ防止効果を充分に得ることが可能である。
【0081】以上、説明したように本金車装置10は、
地上からの操作杆16の操作により係着脱可能であり、
金車吊支部18と金車部20を緩衝部64で接続すれば
揺動が増幅せず、かつ、金車部20等の自重力で回動可
能なリンク杆装置のリンク杆の回動により支持線12を
押圧し係着するので、確実で、かつ、効率良い迅速な作
業が可能となる。
【0082】前記した第1、第2実施例における上部押
え部材、リンク杆、揺動子、連結部材は実施例では鉄、
あるいはステンレス等の金属から形成されているが、素
材としては、その他の金属、軽合金、プラスチック合成
樹脂等を選択できる。
【0083】
【発明の効果】以上、説明したように架空ケーブル架渉
作業時に、張設された支持線に所要間隔ごとに張架さ
せ、金車機枠内にケーブルを挿通させ牽引することによ
りケーブルの仮架渉を行うための架空ケーブル架渉用金
車装置あって、前記支持線に着脱支持される金車吊支部
と、この金車吊支部の下部に接続され金車機枠を備えた
金車部と、を有し、この金車吊支部は、縦支柱と、この
縦支柱に沿って上下に移動可能に設けられ、前記支持線
と係着する係着部を備えた上部押え部材と、この上部押
え部材の上下動に応じて支持線を前記上部押え部材に対
して押え、離開駆動させる下部押え機構と、を備えてい
るので、縦支柱と上部押え部材とが相対移動可能とな
り、上部押え部材の上下動に応じて下部押え機構と協働
して支持線を挟み込むようにして押えるので支持線を間
にして上下の押え動作が確実なものとなり、装置本体の
支持線長手方向への位置ズレを防止できる。また縦支柱
が金車部の吊支を基本的に行うので操作杆等による支持
線への係脱操作が容易なものとなる。更に、金車部ある
いはケーブル等の負荷重力自体で確実な支持線の挟着状
態を保持でき、勾配のある支持線の張設区間に取り付け
ても滑降せず位置ズレしないという効果を奏する。
【0084】また、前記下部押え機構は、前記縦支柱に
一端側を回動自在に枢着されたリンク杆と、このリンク
杆の他端側に設けられ、前記上部押え部材の上下動に対
応して回動または揺動する当接部と、を含むリンク杆装
置から構成することにより支持線への押え、離開駆動を
リンク杆装置により簡単な部材構成により実効あらしめ
得る。従って、構造が簡単で、製造も容易であり、コス
トも安価である。
【0085】前記縦支柱にはピン孔が穿孔されると共
に、前記上部押え部材には縦方向に長孔が穿孔され、一
方、前記リンク杆装置のリンク杆にはピン長孔が穿孔さ
れ、これら縦支柱のピン孔、上部押え部材の長孔、リン
ク杆のピン長孔が連通するように位置合わせ配置した状
態でこれらを挿通させて誘導ピンを枢着させ、更に、こ
の誘導ピンには前記金車部を吊支させて構成することに
より、上部押え部材の長孔により縦支柱と該上部押え部
材との上下動ストローク長さが決まり、よって、上下動
を確実に行わしめ得ると共に、リンク杆上端に当接部を
直接形成して部品点数を減少させ、製造コスト減を達成
できるのみならず、装置全体の縦方向長さが比較的短小
に形成できるので、操作杆等による支持線への装置の係
脱作業を行いやすくすることが可能となる。また、軽量
で、全体をコンパクトに仕上げ得るので保管、運搬など
の際にも利便性を有する。特に本体部は、前記長孔を穿
孔し得る高さ幅を有する程度に比較的低く形成可能であ
り、支持線と仮架渉されたケーブルまでの離隔距離が短
いことから、ケーブルハンガーリング等の取付けが容易
となり、迅速な作業が可能となる。
【0086】前記縦支柱のピン孔は縦方向に形成された
縦長孔で構成することにより、縦支柱を基本とする上部
押え部材との相対移動による支持線の挟着動作を確実に
行わせることが可能である。
【0087】前記上部押え部材は前記縦支柱に上下動自
在に係合する本体部と、この本体部に接続する前記係着
部を備え、前記リンク杆装置のリンク杆の前記他端側は
前記上部押え部材の本体部に枢着され、この枢着部より
もさらに端部側において前記当接部が設けられて構成す
ることにより、リンク杆と本体部との枢着部を支点とす
るリンク杆の回動により、その枢着部よりも先端部分を
当接部とでき、構造を簡単なものとできる。また、リン
ク杆の回動による支持線下面側などへの押圧離開動作を
実効あらしめることができる。
【0088】前記リンク杆装置の当接部は、前記リンク
杆の前記他端側に枢支連結され、上部押え部材の上下動
時に揺動して前記支持線の下端側に当接、離開する揺動
子を備え、前記上部押え部材の係着部に支持線を係着さ
せて装置本体を自由状態にした時には前記揺動子が揺動
して下方側から支持線の下部側を押圧当接するように構
成することにより、リンク杆と協働して揺動子が当接部
を形成し、よって、支持線下面側への押圧、離開動作を
確実に行わせることが可能である。また縦支柱、或は前
記本体部を上下動させるだけで係脱着可能であり、例え
ば、前記係着部に支持線を案内して係合させれば係着状
態となり、前記縦支柱に操作杆を接続し上方向に持ち上
げるようにすれば離脱状態となる。このように、操作
性、機能性がともに優れることから作業効率は大幅に向
上する。
【0089】また、前記上部押え部材の係着部は前記縦
支柱に対して交差方向に延設され、側面視逆U字状に形
成されて、支持線に対して面状に当接接触して構成する
ことにより、支持線に接触する上部押え部材の係着部の
接触面積を大きなものとでき、また、支持線の張設方向
に比較的長く、かつ支持線との接触面の広い係着部が形
成可能であり、両者間の摩擦力を増加させて係着部との
係着時に揺動せず、確実に、かつ迅速な作業が可能とな
る。
【0090】また、前記逆U字状の係着部の内部側には
摩擦部材を配置することとして構成することにより、勾
配のある支持線の張設区間に取り付けても、例えばゴム
等から成る摩擦部材は支持線の外形に沿って馴染むよう
に係着し得ることから、その静止摩擦力は増大し容易に
滑降せず、位置決めが容易であり、下部押え機構と協働
して支持線の挟着を更に増大させ、確実に装置全体の支
持線長手方向への位置ズレを防止することが可能であ
る。
【0091】また、前記揺動子とリンク杆はそれぞれ上
部押え部材の本体部に左右1対で設けられて構成するこ
とにより、左右の離隔位置でバランス良くリンク杆によ
る支持線下面側への押圧、離開作用を行わしめ、支持線
の挟着を確実に行わしめている。また、所要間隔をおい
て同時に複数ヶ所の係着が可能となり、金車装置は揺動
せず取付け易いという効果を奏する。
【0092】また、前記両リンク杆の下端は前記縦支柱
に対して逆ハ字状に開いて同軸に枢着され、これらの両
リンク杆には前記当接部の支持線への当接の離脱を弾性
的に規制するスプリングが張架されて構成することによ
り、当接部の支持線への当接の離脱を弾性的に規制し、
装置が上下動する場合にも上部押え部材と下部押え機構
の間に確実に支持線を挟着させ、支持線の長手方向への
位置ずれを生起させることがない。
【0093】また、前記縦支柱の上部は下向きに開口さ
せたフック形状に形成されて構成することにより、フッ
ク形状先端部に所要長さの操作杆を係合させ、地上から
の操作で金車装置の取付けが可能となり、危険な高所作
業は軽減され、作業の安全性は大幅に向上する。
【0094】また、前記金車吊支部と金車部との接続部
分には該金車部の上下揺動を直接に金車吊支部に伝達さ
せないための緩衝部が設けられて構成することにより、
ケーブル牽引時の金車部の揺動が軽減されると共に、そ
の揺動が支持線に伝達されないことから、牽引し易く作
業効率は大幅に向上するという効果を奏する。
【0095】また、前記緩衝部は、チェーンから成る事
として構成することにより、簡単な構成で金車部に対す
る全方位方向からの揺動力に対応可能である。
【0096】更に、前記当接部であって、前記支持線と
略当接する位置には摩擦部材が取り付けられて構成する
ことにより、上部押え部材の係着部の摩擦部材と協働し
て、より強力な静止摩擦力を生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る金車装置の正面説明
図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る金車装置の側面説明
図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る金車装置の使用状態
を示す正面説明図である。
【図4】金車装置の本体部背面側に設けられた縦支柱挿
通孔部分の拡大説明図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る金車装置の当接部材
の押圧状態を示す斜視説明図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る金車装置の正面説明
図である。
【図7】同第2実施例に係る金車装置の側面説明図であ
る。
【図8】本発明の他の実施例に係る金車装置の正面説明
図である。
【図9】その側面説明図である。
【図10】本発明の実施例に係る金車装置の使用状態を
示す概略説明図である。
【図11】従来の金車装置の概略構成を示す正面説明図
である。
【符号の説明】
10 金車装置 12 支持線 13 金車機枠 14 ケーブル 18 金車吊支部 20 金車部 22 縦支柱 24 上部押え部材 26 下部押え機構 28 係着部 30 本体部 34 摩擦部材 40 連結部材 42 軸ピン 44 リンク杆 46 当接部 48 リンク杆装置 50 揺動子 52 枢着部 62 スプリング 64 緩衝部 72 ピン孔 74 長孔 76 リンク杆 78 ピン長孔 80 誘導ピン 82 軸ピン

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架空ケーブル架渉作業時に、張設された
    支持線に所要間隔毎に吊架させ、金車機枠内にケーブル
    を挿通させ牽引することによりケーブルの仮架渉を行な
    うための架空ケーブル架渉用金車装置であって、 前記支持線に着脱支持される金車吊支部と、 この金車吊支部の下部に接続され金車機枠を備えた金車
    部と、を有し、 この金車吊支部は、縦支柱と、この縦支柱に沿って直線
    状に上下に移動可能に設けられ、前記支持線を内面側に
    案内させつつ前記支持線に載着するように係着する係着
    と本体部を備えた板体から形成された上部押え部材
    と、 この上部押え部材の上下動に応じて支持線を前記上部押
    え部材に対して押さえ、離開駆動させる下部押え機構
    と、を備え、前記下部押え機構は、前記縦支柱側に一端側を回動自在
    に逆ハ字状に枢着されるとともに、他端側を前記上部押
    え部材の上下動に同期して回動又は揺動させるように前
    記上部押え部材に支持させた左右のリンク杆と、これら
    のリンク杆の他端側に設けられ、前記上部押え部材の上
    下動に対応して回動または揺動し前記支持線の下端側に
    押圧当接する当接部と、を含むリンク杆装置を有し、 前記縦支柱は操作杆により上端側を支持されて持ち上げ
    られ、 前記上部押え部材の係着部を支持線に載せかけて縦支柱
    の支持を解除するときには荷重により同縦支柱が相対的
    に直線状に下降し、前記当接部を支持線の下端に押圧当
    接させるとともに、前記操作杆により縦支柱の上端側を
    支持して持ち上げるときには前記縦支柱が相対的に直線
    状に上方に移動し、前記リンク杆を介して前記当接部が
    支持線から離開移動するように構成されてなる ケーブル
    架渉用金車装置。
  2. 【請求項2】 前記縦支柱にはピン孔が穿孔されると共
    に、前記上部押え部材には縦方向に長孔が穿孔され、 一方、前記リンク杆装置のリンク杆にはピン長孔が穿孔
    され、 これら縦支柱のピン孔、上部押え部材の長孔、リンク杆
    のピン長孔が連通する ように位置合わせ配置した状態で
    これらを挿通させて誘導ピンを枢着させ、 更に、この誘導ピンには前記金車部を吊支させて成る
    求項1記載のケーブル架渉用金車装置。
  3. 【請求項3】 前記縦支柱のピン孔は縦方向に形成され
    た縦長孔である請求項2記載のケーブル架渉用金車装
    置。
  4. 【請求項4】 前記リンク杆装置のリンク杆の前記他端
    側は前記上部押え部材の本体部に枢着され、この枢着部
    よりもさらに端部側において前記当接部が設けられて成
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のケーブル架渉用
    金車装置。
  5. 【請求項5】 前記リンク杆装置の当接部は、前記リン
    ク杆の前記他端側に枢支連結され、前記上部押え部材の
    上下動時に揺動して前記支持線の下端側に当接、離開す
    る揺動子を備え、 前記上部押え部材の係着部に前記支持線を係着させて装
    置本体を自由状態にした時には前記揺動子が揺動して下
    方側から前記支持線の同下部側を押圧当接することを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のケーブル
    架渉用金車装置。
  6. 【請求項6】 前記両リンク杆には前記当接部の前記支
    持線への当接の離脱を弾性的に規制するスプリングが張
    架されて成る請求項1ないし5のいずれかに記載のケー
    ブル架渉用金車装置。
  7. 【請求項7】 前記金車吊支部と金車部との接続部分に
    は該金車部の上下揺動を直接に金車吊支部に伝達させな
    いための緩衝部が設けられてなる請求項1ないし6のい
    ずれかに記載のケーブル架渉用金車装置。
  8. 【請求項8】 前記緩衝部は、チェーンから成る請求項
    7記載のケーブル架渉用金車装置。
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