JP2688144B2 - マグネトロン駆動用電源装置 - Google Patents

マグネトロン駆動用電源装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジに関するもの
で、特にPWM(Pulse Width Modulation)方式のSM
PS(Swithing Mode Power Supply)において、トラン
スフォーマの二次側コイルとマグネトロンを駆動させる
ための高圧用コンデンサーとのLC共振による出力の不
安定を防止して、トランスフォーマで二次側コイルの巻
線間の絶縁をよくすることによりマグネトロンに安定し
た電源を供給するようにしたマグネトロン駆動用電源装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子レンジのマグネトロンを駆動
させるためには高圧が必要である。高圧を発生させるた
めの電源装置としてはトランスフォーマの一次側電流を
断続することにより二次側に高電圧が誘起され、二次側
に誘起された出力電圧によりマグネトロンが駆動される
ようにしたものである。上記の如き電源装置によると、
一次側電流の断続周期を変換すると、マグネトロンを駆
動する電圧が変りマグネトロンの出力が調節される。特
開昭53(1978年)−27143号(発明の名称;
マグネトロン駆動電源装置)と特開平2(1990年)
−135690号(発明の名称;電子レンジ)にもこの
ような技術がよく表れている。前記特開昭53−271
43号によると、出力信号のデュティサイクルが変換可
能なように構成された低周波発振回路と、前記低周波発
振回路からの出力信号により信号の伝達または信号の発
振が制御されるように構成された高周波発振回路と、二
次側にマグネトロンが接続された出力トランスの一次側
に加わる直流を高周波発振回路からの信号によりスイッ
チングするスイッチング回路で構成され入力電圧により
安定した出力の得られるようにしたマグネトロン駆動電
源装置が開示されている。特開平2−135690号で
は、商用電源の周波数が他の場合にもマグネトロンの出
力を同じように保持させるため一次側を商用電源の周波
数による各位相別に電流を断続することにより商用電源
の周波数が異なる場合にも出力電圧が変動されないよう
にした電子レンジが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高圧用
トランスを使用して高圧を発生する場合には高圧コンデ
ンサーを用いるようになるが、高圧コンデンサーを用い
る場合マグネトロンが連結される高圧用トランスの二次
側コイルと高圧用コンデンサーによりLC共振が発生し
出力電圧が不安定でマグネトロンを損なうようになりト
ランスフォーマの二次側に高圧が発生することによっ
て、コイル間の絶縁が破壊されマグネトロンに安定した
電源を供給できないことにより電子レンジを損うという
問題点があった。
【0004】
【発明の目的】したがって、本発明はマグネトロンが連
結される高圧用トランスの二次側のコイルと高圧用コン
デンサーによるLC共振を防止して安定した電源を供給
することによりマグネトロンの損いを防止するようにし
たマグネトロン駆動用電源装置を提供することに目的が
ある。本発明の他の目的は高圧が発生するトランスフォ
ーマの二次側コイルを巻線する出力ボビンに所定の間隔
で多数個のリブを形成することにより、巻線間の絶縁状
態がよくなるようにして電子レンジの損いを防止するよ
うにしたマグネトロン駆動用電源装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的等を達成する
ための本発明によるマグネトロン駆動用電源装置は、帰
還電圧により誘起される電圧が制御されマグネトロンを
駆動するトランスフォーマの二次側コイルとマグネトロ
ン駆動用高圧コンデンサーの間に、LC共振防止用ダイ
オードを連結してマグネトロンに安定した電源が供給さ
れるように構成したものである。なお、前記トランスフ
ォーマの出力ボビンの外周縁には所定の間隔で多数個の
リブを形成して二次側巻線間の絶縁状態をよくすること
により、絶縁破壊によってマグネトロンに供給される電
源の不安定になるのを防止するようにしたものである。
本発明によるマグネトロン駆動用電源装置は、帰還され
る電圧により二次側に出力されるマグネトロン駆動電圧
が制御されるトランスフォーマの二次側コイルとマグネ
トロン駆動用高圧コンデンサーの間にダイオードを連結
してトランスフォーマの二次側に逆方向電圧が誘起され
る時発生するLC共振を防止するように構成したもので
ある。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳
細に説明する。図1は本発明によるマグネトロン駆動用
電源装置の回路図である。図1によると、第1整流手段
100は、ブリッジ整流ダイオード12,14,16,
18及びコンデンサー20で構成され、外部から入力さ
れる商用電源10(一例で90〜260〔V〕)を直流
電源で整流して出力する。トランスフォーマ200は一
次側コイル22及び二次側コイル24,26,28で構
成され、前記第1整流手段100で出力される直流電源
を一次側コイル22で入力してスイッチング作動により
二次側コイル24,26,28に電圧を誘起させる。
【0007】電圧制御手段300は、電圧帰還部310
とPWM制御部320とスイッチング部330とで成
り、トランスフォーマ200の二次側コイル28によっ
て誘起されフィードバックされる帰還電圧に応じスイッ
チング周期が異なるパルスを出力してトランスフォーマ
200の二次側に誘起される電圧を制御する。第2整流
手段400は、ダイオード42,44及びコンデンサー
46,48で構成され、前記トランスフォーマ200の
二次側コイル24,26に誘起された電圧を昇圧及び整
流してマグネトロン500に出力する。
【0008】ここで、前記二次側コイル24に誘起され
た電圧はマグネトロン500を加熱するためのヒーティ
グ電圧に使用され、二次側コイル26に誘起された電圧
はマグネトロン500を駆動させる電圧で使用される。
【0009】一方、LC共振防止手段600はダイオー
ド62で構成され、前記第2整流手段400の高圧コン
デンサー48とトランスフォーマ200の二次側コイル
26による共振を防止する。ここでダイオード62はト
ランスフォーマ200の二次側コイル26にアノードが
連結されてマグネトロン駆動用高圧コンデンサー48の
+側にカソードが連結されLC共振電流を遮断する。
【0010】したがって、図1で示した本発明によるマ
グネトロン駆動用電源装置の第1整流手段100に外部
から供給される商用電源10が入力すると、ブリッジ整
流ダイオード12,14,16,18によって電波整流
され、コンデンサー20によってスムースになり出力さ
れる。前記第1整流手段100で電波整流し、スムース
になって出力される直流電源はトランスフォーマ200
の一次側コイル22に入力される。この時、電圧制御手
段300のPWM制御部320で出力するパルスにより
スイッチング部330のトランジスタがオン・オフを繰
り返し、これによりトランスフォーマ200の一次側コ
イル22にも電流が流れるようになるとか流れないよう
になる。このように、スイッチング部330により前記
トランスフォーマ200の一次側コイル22で電流が流
れるとか流れないようになると、トランスフォーマ20
0の二次側コイル24,26には電圧が誘起される。前
記トランスフォーマ200の二次側コイル24,26に
誘起された電圧は第2整流手段400に入力される。
【0011】前記第2整流手段400に入力された電圧
はダイオード42,44により半波整流されて、コンデ
ンサー46,48によりスムースになって直流電圧に変
換される。上記の如く第2整流手段400で変換された
直流電圧はマグネトロン500に入力されてマグネトロ
ン500を駆動させる。
【0012】一方、前記マグネトロン500の駆動され
る間電圧変動等によりマグネトロン500に入力される
電源に変動が発生すると、トランスフォーマ200の二
次側コイル28に誘起される電圧も変動が生じるように
なる。前記二次側コイル28に誘起される電圧はマグネ
トロン500の駆動電圧が変動することにより比例して
誘起され、電圧制御手段300の電圧帰還部310へ入
力される。前記電圧制御手段300の電圧帰還部310
へ入力する。前記電圧制御手段300の電圧帰還部31
0に入力された帰還電圧はダイオード32とコンデンサ
ー34により半波整流されPWM制御部320に入力さ
れる。PWM制御部320は前記電圧帰還部310で半
波整流された帰還電圧が入力すると、入力される電圧レ
ベルにより周期が異なるパルスを発生しスイッチング部
330のスイッチング周期を制御して出力電圧を調整す
るようになる。
【0013】このように、電圧帰還部310を用い出力
電圧を安定化させる過程でLC共振防止手段600のダ
イオード62は第2整流手段400のコンデンサー48
によりトランスフォーマ200の二次側コイル26に流
れる電流を遮断する。したがって、トランスフォーマ2
00の二次側コイル26と第2整流手段400のコンデ
ンサー48により発生するLC共振を防止することがで
きる。
【0014】以下、LC共振を防止する過程を詳細に説
明すると次の通りである。図1で、PWM制御部320
の出力パルスによりスイッチング部330のトランジス
タがオン(ON)するとトランスフォーマ200の一次
側コイル22には電流が流れるようになり、二次側コイ
ル26には電圧が誘導される。この時、トランスフォー
マ200の二次側コイル26に誘導される電圧はLC共
振防止手段600のダイオード62に対して逆方向に誘
導され二次側コイル26には電流が流れることがない。
【0015】このように、トランスフォーマ200の一
次側コイル22に電流が流れる時、LC共振防止手段6
00のダイオード62に対し逆方向に電圧が誘起され、
電流が流れないのでトランスフォーマ200の二次側コ
イル26とコンデンサー48によるLC共振が発生しな
い。したがって、LC共振電流がトランスフォーマ20
0の二次側コイル26に及ぼす影響を防止することがで
きるようになる。若しも、PWM制御部320の出力パ
ルスによりスイッチング部330のトランジスタがオフ
(0FF)すると、トランスフォーマ200の一次側コ
イル22には電流が流れないようになり、二次側コイル
26には逆起電力が発生してLC共振防止手段600の
ダイオード62の順方向に電圧が誘導される。したがっ
て、トランスフォーマ200の二次側コイル24,26
に誘導された電圧はマグネトロン500に入力されマグ
ネトロン500を駆動させる。参考に、LC共振防止手
段600のダイオード62がなければ、コンデンサー4
8の高電圧によりトランスフォーマ200の二次側コイ
ル26には高電圧が発生すると共にLC共振が発生す
る。トランスフォーマ200の二次側コイル26に高電
圧が生じてLC共振が発生すると、マグネトロン500
に入力される出力電圧が不安定になる。出力電圧が不安
定すると、トランスフォーマ200の二次側コイル28
に誘起される帰還電圧も不安定になり、帰還電圧が不安
定すると全ての出力電圧も不安定になる。
【0016】一方、前記トランスフォーマ200は一次
側コイル22に直流100〜400〔V〕の電圧が入力
すると、二次側コイル26には8〔KV〕以上の高電圧
が誘導される場合が生じる。したがって、二次側コイル
24,26,28を巻線する出力ボビンの外側には所定
間隔で多数個のリブを設け巻線間の絶縁をさせて、出力
ボビンの内側には円筒状のホールを設け一次側コイル2
2を巻線する入力ボビンが挿入されるようにするものの
一次側コイル22と二次側コイル24,26,28の間
を最大限に近づけて相互結合係数を高くする。
【0017】図2は前記の構造を見せるためのトランス
フォーマ200の断面構造図であって、210は一次側
コイル22を巻線する入力ボビンであり、220は二次
側コイル24,26,28を巻線する出力ボビンであ
る。図2によると、円形に構成された入力ボビン210
の内側の中央にはフェライドコア(Ferride Core)の挿
入が可能なように円筒状ホール212が形成されてお
り、入力ボビン210の両側には側壁214,216を
形成して入力ボビン210の外周縁に一次側コイル22
を巻線することができるようにする。
【0018】一方、円形に形成された出力ボビン220
の内側の中央には前記入力ボビン210の挿入可能なホ
ール222が設けられてあり、外周縁には二次側コイル
24,26,28の電圧により所定間隔で多数個のリブ
(220a〜220n)を形成して巻線間の絶縁をよく
する。この時、前記入力ボビン210と出力ボビン22
0との間は最大限の近距離が保持されるようにして結合
係数を高くする。
【0019】
【発明の効果】このように、本発明によるマグネトロン
駆動用電源装置はLC共振を防止しマグネトロンの駆動
を安定化させて、巻線間絶縁の良好な効果がある。発明
のさらに具体的の実施例について説明したが、種々の変
形が本発明の範囲から外れることなく明らかに実施する
ことができる。特に、前記説明では電子レンジの電源装
置に対してのみ説明したが、インダクションクーカーの
電源やその他高電圧を要求する装置についても本発明を
適用して同じ目的を達成できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマグネトロン駆動用電源装置の回
路図である。
【図2】図1でトランスフォーマ200の断面構造図で
ある。
【符号の説明】
24,26,28 二次側コイル 48 高圧コンデンサー 62 ダイオード 200 トランスフォーマ 500 マグネトロン

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帰還電圧に従い誘起される電圧が制御さ
    れマグネトロン(500)を駆動するトランスフォーマ
    (200)の多数個の二次側コイル中の1つの二次側コ
    イル(26)の一端と、前記マグネトロン駆動用の高圧
    コンデンサー(48)の+側端との間に、前記1つの二
    次側コイルにアノードが接続され前記高圧コンデンサー
    にカソードが接続されたLC共振防止用ダイオード(6
    2)を挿入し、 前記トランスフォーマを、その外周縁の軸方向に前記多
    数個の二次側コイルの各々の電圧に応じて互いに所定間
    隔を経て多数個のリブ(220a〜220n)を形成し
    た出力ボビン(220)と、前記出力ボビンの内側の中
    央に挿入される入力ボビン(210)とによってならし
    め、 前記 マグネトロンに安定した電源が供給されるように構
    成したことを特徴とするマグネトロン駆動用電源装置。
  2. 【請求項2】 外部から入力される商用電源を直流電源
    に変換する第1整流手段(100)と、 前記第1整流手段で出力される直流電源を一次側(2
    2)に入力してスイッチング作動により第1ないし第3
    の二次側コイル(24、26、28)に電圧を誘起させ
    るトランスフォーマと、 前記第3の二次側コイルに誘起され帰還される電圧に従
    いスイッチング周期が異なるパルスを出力して前記各二
    次側コイルに誘起される電圧を制御する電圧制御手段
    (300)と、 前記第1および第2の二次側に誘起された電圧を昇圧な
    らびに整流した後に出力してマグネトロンを駆動する第
    2整流手段(400)と、 前記各二次側コイルに逆電圧が誘起した時、前記第2整
    流手段の高圧コンデンサーの一端から前記第2の二次側
    コイルの一端に流れる電流を遮断することで前記高圧コ
    ンデンサーと前記第2の二次側コイルによる共振を防止
    するLC共振防止手段(600)とから構成されること
    を特徴とする マグネトロン駆動用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記トランスフォーマは、 その外周縁の軸方向に多数個のリブが形成された出力ボ
    ビンと、 前記出力ボピンの内側の中央に挿入される入力ボビンと
    からなることを特徴とする請求項2記載の マグネトロン
    駆動用電源装置。
  4. 【請求項4】 前記多数個のリブは、 前記第1ないし第3の二次側コイルの各々電圧に応じて
    互いに所定間隔を経て形成される ことを特徴とする請求
    項3記載のマグネトロン駆動用電源装置。
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