JP2688077B2 - 車両内装構造体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特に一階車あるいは二階車である鉄道客車
の車両内装構造体に係わる。

鉄道車両、特に客車の効率的な構造及び内装に押出成
形部材を用いることは公知であり、前記形材は本来の機
能を発揮しつつ内装構造体の諸構成要素を受容し得るよ
うに形成されている。通常、上記形材は構成要素受容の
ためのチャネル、Ｃ形レール及びチャンバを有するよう
に形成される。西独特許公開公報第34 06 609 A1号に開
示された構成では、押出成形部材の形態である屋根の縦
桁が一方の側で外郭及び外面を構成し、補強効果の有る
中空部を有し、ケーブル管路及び圧縮空気導管としての
チャネル、Ｃ形レール、案内部、ストッパ、並びに機械
的及び電気的構成要素を受容するチャンバを有し、更に
車内化粧張り乃至カバーのための設置点を有するように
形成されている。

この構成の欠点は、スペースに余裕が無く、その結果
あまり接近し易くないので構成要素の組み込みが困難と
なり、従って内装に掛かる手間が依然として比較的大き
い点である。そのうえ、スナップカバー並びによく人目
に付く大きい接合部は破損から良好には保護されておら
ず、また美観上からも満足できるものではない。

本発明は、車両の内装のためにより優れた構成を見い
だし、かつその構成に掛かる手間を一般に減少すること
を目的とする。

この目的は、特許請求の範囲各項にその特徴を記した
本発明によって達成される。

本発明によって得られる長所は実質的に、まず車体と
内装構造体との構造的分離が実現され、それによって押
出成形形材の技術的可能性がより良く活用され、かつそ
れ以上に技術的な諸機能が集中される点である。この長
所は、対応して形成された複数個の押出成形形材が機能
ユニットの支持体を成し、それらの形材は個々に形成さ
れることによって様々な構成要素のねじ留めを可能に
し、湾曲凹部−凸部結合により車体内で形状ロック式に
組み合わせられ、その外側表面の一部によって側壁−天
井領域の化粧張り面を構成し、かつ車体と不動に結合さ
れたＣ形レールにねじ留めされ得ることに由来する。形
材部分の端面に対応して配置された合わせピン及び合わ
せ穴によって、形材部分を長手方向においてきちんと一
列に、かつ連続的に並べることが保証される。

機能ユニットを車体外部の、適当な製造手段を具備し
た作業場領域で予め製造することの中には、形材を機械
的に加工して短くし、孔を設け、また切除部を形成する
ことが含まれ、更に構成要素の組み込み、局所的な予備
配線並びに機能試験も含まれる。表面加工（保護及び着
色被膜形成）もこの段階で実施される。

本発明はまた、使用中の機能ユニットの保全が、対応
する構造的特徴に基づく良好な到達可能性並びに容易な
交換によって著しく簡略化されるという長所も有する。
照明、拡声器、巻き上げ式日除け、荷物棚、ケーブルチ
ャネル及び部分カバーの機能を予め製造された複数個の
機能ユニットから成るただ１個の取り付けユニットにお
いて組み合わせて実現することによって、ケーブル配線
並びに天井の化粧張りが容易となるため更に経費が節約
される。

本発明を、添付図面に示した具体例に基づき以下に詳
述する。

第１図において、二階車の車体を符号１を付して示
す。車体１は床２、天井３、窓５が設けられた壁４並び
に乗客用座席６を有する。窓５の上方に、取り付けユニ
ット７が車体長手方向に配置されている。荷物棚に符号
８、化粧面に符号９、投光口に符号10、拡声器口に符号
11を付す。

第２図によれば取り付けユニット７は、いずれも機能
ユニットであるケーブルチャネル12、照明13、荷物棚14
及び巻き上げ式日除け15から成る。角張るように屈曲さ
れた固定形材16の一方の脚16.1は曲げ返し16.11を有
し、他方の脚16.2はＵ字形の曲げ返し16.21を有する。
固定部材16は曲げ返し16.11を介して天井３と、また曲
げ返し16.21のウェブを介して車体１の壁４に着脱可能
に取り付けられている。第一のＣ形レール17.1が脚16.2
の脚16.1に続く方の端部に、また第二のＣ形レール17.2
が固定形材16の曲げ返し16.21の水平端部に、いずれも
開口を床の方へ向けて取り付けられている。

ケーブルチャネル12はＵ字形の形材18によって構成さ
れており、形材18の、斜め上方へ張り出した脚18.1は客
車内で人目に触れる表面18.11並びに裏側の補強リブ18.
12を有し、またその上端には図中右手の方へ開いた、天
井化粧張りプレート19が嵌入する溝18.13を有する。鉛
直なつなぎウェプ18.6上部で右方へ水平に屈曲した渡り
ウェブ18.2は貫通孔18.21を具える。渡りウェブ18.2の
左方端部には上向きの張り出し部18.22が位置し、この
張り出し部18.22はその端部においてリム状に厚みが増
大している。形材18のＬ字形の足部は、球面状に上方へ
湾曲した張り出し部18.3として構成されている。本来の
ケーブルチャネル12は、つなぎウェブ18.6と共にＵ字を
描く脚18.4によって構成されており、脚18.4の上端18.4
1は内側へ向けてリム状に厚みが増大している。形材18
は更に脚18.1上端に第一の四分の三円形チャネル18.14
を、つなぎウェブ18.6の下端に第二の四分の三円形チャ
ネル18.5を具え、これらのチャネル18.14及び18.5は合
わせピンを受容する。

照明機能ユニットの箱形形材を符号20によって示す。
上方の水平なウェブ20.3、約45゜傾斜して右手下方へ伸
張する補強リブ20.22、左手下方へ斜めに伸張する、人
目に触れる表面20.11を有する壁20.1、並びに中央で僅
かに外側へ屈曲し、かつ上方へ鉛直に伸張して水平ウェ
ブ20.3に達する左手の壁20.4が大きい中空スペース20.2
を規定している。中空スペース20.2の右手上方の角には
Ｃ形レールの形態のチャネル20.23が形成されており、
このチャネル20.23の開口は下向きで、かつ僅かに右手
へ傾いている。小さい三角形の中空スペース20.5が、補
強リブ20.22と、ウェブ20.3の僅かに上方へ傾斜した端
部と、壁20.6とによって規定されている。水平なウェブ
20.3は該ウェブ20.3に下方から直角に到達する壁20.4の
端部より左方へ張り出し、張り出したウェブ20.3の端部
は下方へ直角に設けられた細い張り出し部20.31を有す
る。ウェブ20.3の左方へ張り出した部分には貫通孔20.3
3が設けられている。別の貫通孔20.34が、中空スペース
20.2に向かって明いている。壁20.4の下半部上端外側に
Ｃ形レールの形態のチャネル22.41が左向きに形成され
ており、チャネル22.41の開口は水平面に対して約30゜
の角度を成して左手下方を向いている。形材20の左手下
方の角には球面状に湾曲し、かつ左方へ開いた溝20.42
が設けられている。三角形の中空スペース20.5を規定す
る外側の側壁20.6はスペース20.5の領域に、外方へ開い
たＣ形レールの形態のチャネル20.61を具えている。形
材20は更に右手上方の角に、球面状に湾曲した張り出し
部18.3を囲繞する。下向きにＵ字を描く鈎形の端部20.3
2を有する。鈎形端部20.32の基部とＣ形レールの形態の
チャネル20.61の上方の側面との間に、上方に向かって
開いた溝20.62が形成されている。溝20.62を構成する右
側側壁の外側に第一の四分の三円形チャネル20.7が、ま
たＣ形レールの形態のチャネル20.41の外側下方と左側
の側壁20.4の下部との間には第二の四分の三円形チャネ
ル20.8が、やはり合わせピンを受容するべく形成されて
いる。

縦に配置された形材21は人目に触れる平滑な表面21.1
を有し、この表面21.1は下部の丸み付けにより、形材20
の表面20.11へと連続的に移行する。形材21の厚くなっ
た下部に、人目に触れる表面21.1からその後方へ向かっ
て四角いチャネル21.2が形成されている。チャネル21.2
の側面において各１個の溝21.21が、支持バー21.7のこ
こには詳述しない押し込みの実施の上で有用である。支
持バー21.7はその他端に、角を丸くした三角形の縁形材
21.8を押し被せられている。形材21の中央の薄い部分は
貫通孔21.5を具え、また上方の端面には密閉リブ形材2
1.6を受容するダブテール形のチャニェル21.4が設けら
れている。形材21裏側の上部に、初め水平方向左手へ張
り出し、かつその端部が下方を向いた張り出し部21.3が
位置し、この張り出し部21.3は形材20の溝20.62と係合
する。形材22は貫通孔22.6を具えた人目に触れる表面2
2.1と、車体の床の方へ屈曲された、端部の厚くなった
脚22.2とを有する。脚22.2は更に、張り出し部22.21に
よって薄い形材部分から上方へ張り出している。張り出
し部22.21には別の貫通孔22.9が明けられている。形材2
2の、脚22.2とは反対の側に位置する端部には球面状に
湾曲した張り出し部22.10が存在する。張り出し部22.10
と同じ方の端部において裏側に位置するＣ形レールの形
態のチャネル22.3は、裏側の形材表面に対して約45゜の
角度を成して開口している。

個々の機能ユニットは次のように製造し、かつ取り付
けられる。

ケーブルチャネルの形材18が、例えば客車のコンパー
トメントの長さに揃えて短くされ、貫通孔18.21が明け
られ、（人目に触れる）表面18.11が処理される。本来
の予備取り付けはケーブル束12.1のケーブルチャネル12
内への設置である。車体内部への取り付けは、Ｃ形レー
ル17.1に配置されたねじ24及びナットプレート23によっ
て実現される。ケーブルチャネル12が別のケーブルチャ
ネルと長手方向短部で結合される場合は、連続的移行を
実現するべく各端で合わせピンが四分の三円形チャネル
18.14及び18.5内に插入される。天井化粧張りプレート1
9の溝18.13内への插入はケーブルチャネルの取り付けと
共にか、あるいはまた場合によって該取り付けの後に実
施され得る。

照明13の形材20は一定の窓枠寸法に対応する長さに短
くされ、かつ貫通孔20.33及び20.34を設けられる。各１
個の支持プレート22.4が形材20の、Ｃ形レールの形態の
チャネル20.41において所与の位置にねじ留めされる。
その後、更に投光口及び拡声器口が設けられる。表面処
理によって加工段階は終了する。反射体ケーシング13.1
と、予備スイッチ13.3と、蛍光燈13.2とから成る照明13
は中空スペース20.2内で、Ｃ形レールの形態のチャネル
20.23にねじで固定される。第２図からは知見されない
拡声器11も同様にして組み込まれる。投光口に透明カバ
ーを設置し、かつ拡声器口に例えば網状に多孔を設けた
カバーを設置することによって機械的な組み立て作業が
終了する。照明13及び拡声器11の取り付けの際、貫通孔
20.34から外へ案内された電気的接続線は端子20.13に達
し、ここに接続される。機能試験の実施後、照明機能ユ
ニットは取り付け可能となる。車体内部への取り付けの
際、照明機能ユニットは形材20の鈎形端部20.32によっ
て形材18の球面状に湾曲した張り出し部18.3に掛けら
れ、端子20.13とケーブル12.1との間の電気的接続が創
出される。それから、上記機能ユニットを回動してＣ形
レール17.2に当接させ、かつ長手方向に変位させて該ユ
ニット同士が結合され、その際四分の三円形チャネル2
0.7及び20.8に插入された合わせピンが１個の機能ユニ
ットから次の機能ユニットへの連続的移行を実現する。
その後更に孔20.33によってこの機能ユニットは、Ｃ形
レール17.2及び固定形材16を介して車体１にねじ留めさ
れる。

荷物棚14の形材21を所定の長さに短くし、該形材21に
孔を明け、かつ表面処理を施した後、密閉リブ形材21.6
が装着され、またバー21.7がチャネル21.2内に押し込ま
れ、バー同士の間のチャネル内空隙が閉じられ、縁形材
21.8が突出した支持バー端部に押し被せられる。形材21
の取り付けは、張り出し部21.3を溝20.62に掛け、密閉
リブ形材21.6を形材18の脚18.1に密着させ、形材21下部
を形材20に当接させ、最後にＣ形レールの形態のチャネ
ル20.61において形材20にねじ留めすることによって実
施する。

巻き上げ式日除け15のための形材22に関し、該形材22
の長さを窓枠寸法に合わせて短くすること、並びに貫通
孔22.6及び22.9を明けることが機械的加工作業として実
施される。表面処理が行なわれた後、日除けロール15.
1、簡易締め付け具22.7を伴った支持部材22.5並びに日
除けの取っ手縁15.2から成る巻き上げ式日除け設備が、
形材22のＣ形レール状のチャネル22.3にねじ留めされ
る。ハンガーフック22.8は張り出し部22.21に掛けら
れ、かつ孔22.9において該張り出し部22.21にねじある
いは鋲で留め付けられる。巻き上げ式日除け取り付け
時、まず日除け布を少しロールから引っ張り、次に取っ
手縁を幾分かの日除け布と共に窓５の際の溝に通してか
ら形材22の球面状に湾曲した張り出し部22.10を形材20
の同様に湾曲した溝20.42内に插入し、かつ機能ユニッ
ト全体を上方へ、機械的に停止されるまで回動されて、
該ユニットをその最終位置に、回転式簡易締め付け具2
2.7により取り付け孔20.6を介して固定する。

第２図によれば、形材18、20、21、22は適用の際一階
で用いられるような形状を有する。二階に取り付けられ
る場合は形材18、20、21、22は、同じ機能及び特徴を有
するもの、車体内部の輪郭が変わるのに対応して適当に
変更された横断面形状を有し得る。

形材20の場合、人目に触れる表面20.11を具えた中空
スペース20.2を規定する壁20.1を省略することができ、
人目に触れる表面は組み込まれた構成要素（照明、拡声
器）によって構成され得る。補強のため、補強リブを付
加的に設置することも可能である。

固定形材16は車体１に、外れ得ないか、あるいは場合
により外れ得る結合手段（接着、熔接、鋲留め）によっ
て取り付けられ得る。ケーブルチャネル12は区分けされ
得、かつ着脱可能な蓋を有し得る。

形材18、20、21、22は任意の材料で形成され得る。機
能ユニットの個数を減らし、あるいは増すことは可能で
ある。即ち、冷暖房及び換気機能を補充することが考え
られよう。機能ユニットは、適当な構成によって例えば
光学信号、液圧式及び空気式装置、機械的アセンブリ並
びに付加的な車体補強といった更に別の、乃至は付加的
な課題に振り向けられ得る。本発明の原理は、市街用車
両、船舶、航空機及び宇宙船にも適用され得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は二階車である鉄道客車の横断面図、第２図は組
み立てられ、かつ取り付けられた取り付けユニットの横
断面図である。 １……車体、７……取り付けユニット、９……部分カバ
ー、11……拡声器、12……ケーブルチャネル、13……照
明、14……荷物棚、15……巻き上げ式日除け、17.1,17.
2……Ｃ形レール、22.8……ハンガーフック。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 米国特許3330506（ＵＳ，Ａ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乗客輸送用車両のためのモジュール組立型
   の内装構造体であって、 覆い面（18.11）を有し、ケーブルの束を支持する機能
   を果たし、車両本体へ取り付けるための手段（18.21）
   を含むモジュール組立型のケーブル・ダクト・ユニット
   （18）と、 それぞれが覆い面（20.11,21.1,22.1）を有し、照明、
   荷物収納、窓の日除けの内の一つの機能を果たす少なく
   とも一つの他のモジュール組立型のユニット（20,21,2
   2）とを含み、 前記モジュール組立型のユニット（18,20,21,22）のそ
   れぞれが、車両の長手方向に、相互に接続された少なく
   とも二つの部分から構成されるとともに、前記モジュー
   ル組立型のユニットが相互に接続されて車両本体へ係合
   される組合せユニットを形成し、前記覆い面が車両の内
   側から見える連続した面を形成する内装構造体。
2. 【請求項２】前記モジュール組立型のユニット（18,20,
   21,22）が球面状に湾曲した溝型接合（18.3;20.32,21.
   3;20.62,22.10;20.42）によって相互に接続された請求
   項１に記載の内装構造体。
3. 【請求項３】前記モジュール組立型のユニット（18,20,
   21,22）が回転式締め付け具（22.7）によって相互に接
   続された請求項１又は２に記載の内装構造体。