JP3519033B2 - 鉄道車両の製造方法とこれに用いる内装ユニット - Google Patents

鉄道車両の製造方法とこれに用いる内装ユニット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は鉄道車両製造の合理化を図るのに
好適な鉄道車両の製造方法とこれに用いる内装ユニット
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に鉄道車両は、自動車のシャシーに
対応する台枠と、台枠の上に結合する車体構体とで構成
され、車体構体は両側の側構体と、これら一対の側構体
の上に結合される屋根構体と、車体の前後を構成する先
頭妻や運転妻、または連結妻といった各種の妻構体など
で構成される。
【0003】車体の製作に当たっては、車体の全長に対
応する台枠を基体にして、この上に側構体や屋根構体、
および妻構体を順次に結合して車体構体の全体を構築
し、最終的に内外の艤装や内装が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近時、鉄道
車両ではさらなる低コスト化が望まれている。しかし、
長尺の鉄道車両を上記のように一体物として取り扱い、
その場で全てを所定の順序で組み上げる従来の製造方法
では、部分的な組立ての難易度や必要時間の違い、作業
の種類の違いなどに対応して、組立て作業の分担を図る
といった、作業の合理化がしにくくコスト低減の妨げに
なっている。
【0005】本発明の目的は、組立ての合理化により、
低コスト化が図れる鉄道車両の製造方法およびそれに用
いる各ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の鉄道車両の製造方法は、車体の窓
や出入り口の開口部のまわりで、車体長手方向両側に隣
接する別の開口部との間の分割位置まで延び、上下方向
にはほぼ床部分位置およびほぼ側天井部分位置間の範囲
を持つ内装材に、開口部の種類に対応して車体の内外を
仕切る開閉できる窓部および固定の窓部の少なくとも一
方、あるいは開閉できる戸部を装備した内装ユニットを
予め形成し、この内装ユニットを車体の内側から当てが
うとともに開口部との間にシール材を挟み込んで内側か
ら結合し車体を形成することを1つの特徴としている。
【0007】1つの車体の中でも窓や出入り口などの開
口部は、車体の内外を仕切る開窓や開戸を開閉できる状
態に保持したり、これら開閉部の内外の気密性を開窓や
開戸との間で確保するなどのためにディテール部分が多
いし、窓に付帯するカーテン装置や開戸を開閉するドア
エンジンなども必要なため構造が複雑で、それらの艤装
作業は煩雑なものとなる。しかも、艤装に際しては開窓
や開戸がこじれなくスムーズに開閉でき、固定窓は勿論
開窓や開戸も気密性を確保できるようにする必要がある
など、艤装の向きや位置などの種々な調整が必要であ
る。これらのため、車両の製造には長い時間、期間が掛
かる。このような部分の、開口部の種類に対応した開閉
できる窓部および固定の窓部の少なくとも一方、あるい
は開閉できる戸部を、上記のように車体の窓や出入り口
の開口部のまわりで、車体長手方向両側に隣接する別の
開口部との間の分割位置まで延び、上下方向にはほぼ床
部分位置およびほぼ側天井部分位置間の範囲を持つ開口
部内装材に予め装備した内装ユニットとしておくことに
より、車体部分と別な場で同時に組立て作業および調整
作業を行っておき、車体部分の内装作業時などに、この
内装ユニットを車体の開口部に内側からシール材を介し
当てがって内側から結合する単純な作業と、内装ユニッ
トと車体との一義的な位置調整をするだけで、車体の内
外を開閉できるように、しかし、閉じ状態では気密性を
確保できるように仕切る開閉できる窓部および固定の窓
部の少なくとも一方、あるいは開閉できる戸部に必要な
各種の調整が一挙に達成できるので、各種の調整を含む
車体の製造作業の分担と同時進行などで作業能率が向上
するなど、作業の合理化による低コスト化が図れる。
【0008】上記内装ユニットは従来通りに部分的な補
修はできるし、結合が着脱できるようにされることによ
りそれらの全体を交換するような補修もすることができ
る。
【0009】これら鉄道車両の製造方法のために、予め
形成しておく各部のユニットには、車体の開口部に対応
して、車体の窓や出入り口の開口部のまわりで、車体長
手方向両側に隣接する別の開口部との間の分割位置まで
延び、上下方向にはほぼ床部分位置およびほぼ側天井部
分位置間の範囲を持つ内装材と、この開口部内装材に艤
装された、その開口部の種類に対応した車体の内外を仕
切る開閉できる窓部および固定の窓部の少なくとも一
方、あるいは開閉できる戸部とを備えた内装ユニットが
ある。この内装ユニットが、車体の側構体の窓の開口部
に対応したものであると、側窓構造部に加え、これに付
帯するカーテン装置をも開口部内装材に艤装しておくの
が好適である。
【0010】他には、車体の側構体の出入り口の開口部
に対応しており、引き戸形の開戸、この開戸の戸袋、開
戸の吊持ガイドレール、および開戸を開閉するドアエン
ジンを開口部内装材に艤装している内装ユニットもあ
る。
【0011】本発明の上記各特徴は、可能な限り単独
で、あるいは種々な組み合わせで複合して用いることが
できる。本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の
詳細な説明および図面によって明らかになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て実施例とともに図を参照しながら詳細に説明する。本
実施の形態は図20に示すような都市近郊通勤形電車に
適用した場合の一例であるが、これに限られることはな
く、どのようなタイプの鉄道車両にも本発明は適用して
有効である。
【0013】この電車の車体Aは図20の(a)に示す
ように、台枠1の上に、運転室2と車両の先頭形状を持
ち、必要な各種艤装および内装が施された運転室ユニッ
ト3と、運転室ユニット3以外の車体構体4とを載せて
相互に結合している。運転室ユニット3はフロント窓5
と左右両側の開戸6があり、貫通開戸7も設けられてい
る。車体4には、それぞれ3つの側出入り口8と、それ
らの間の3連の側窓9、および平妻10とこれに近い側
出入り口8との間の1連の側窓11が設けられている。
平妻10には貫通開戸91が設けられている。
【0014】本実施の形態は、車体Aの開口部におい
て、車体Aの製造作業の合理化による低コスト化を図っ
たものである。開口部は図1、図20の(a)(b)に
示すような外部に臨む側窓9や、図7、図20に示すよ
うな側出入り口8に対応する場合を例にしている。しか
し、他の部分の窓や出入り口にも同様に適用できる。
【0015】側窓9では、それに対応した図2、図5に
示すような車体Aの開口部9aまわりの限られた範囲の
開口部内装材219 に、開口部9aの種類に対応した車
体Aの内外を仕切る側窓9を開閉できるように艤装した
内装ユニットB9 を予め形成し、この内装ユニットB9
を車体Aの開口部9aに内側から図2、図5、図6に示
すようにシール材229 を介し当てがって結合し車体A
を形成する。
【0016】側出入り口8では、それに対応した図10
に示すような車体Aの開口部8aまわりの限られた範囲
の開口部内装材218 に、開口部8aの種類に対応し、
かつ前記開口部8aにて車体Aの内外を仕切る側開戸2
3を開閉できるように装備した内装ユニットB8 を予め
形成し、この内装ユニットB8 を車体Aの開口部8aに
内側から図8、図9に示すようにシール材228 を介し
当てがって結合し車体Aを形成する。
【0017】1つの車体Aの中でも側窓9や側開戸23
を有した出入り口8などの開口部9a、8aは、開窓や
開戸を開閉できるように保持し、これら開閉部の開窓や
開戸との間での内外の気密性を固定窓も含め確保するな
どのためにディテール部分が多いし、窓に付帯するカー
テン装置や開戸を開閉するドアエンジンなども必要なた
め構造が複雑で、それらの艤装作業は煩雑なものとな
る。しかも、艤装に際しては開窓や開戸がこじれなくス
ムーズに開閉でき、また気密性が確保できるように、艤
装の向きや位置などの種々な調整が必要である。これら
のため、車両の製造には長い時間、期間が掛かる。
【0018】このような部分の、側窓9や開戸23を、
上記のように車体Aの開口部8a、9aまわりの限られ
た範囲の開口部内装材218 、219 に予め艤装した内
装ユニットB8 、B9 としておくことにより、車体A部
分と別な場で同時に組立て作業および調整作業を行って
おき、車体A部分の内装作業時などに、この内装ユニッ
トB8 、B9 を車体Aの開口部8a、9aに内側からシ
ール材228 、229を介し当てがって結合する単純な
作業と、内装ユニットB8 、B9 と車体Aとの一義的な
位置調整をするだけで、車体Aの内外を開閉できるよう
に、しかし、閉じ状態では気密性を確保できるように仕
切る側窓9、あるいは開戸23などに必要な各種の調整
が一挙に達成できるので、各種の調整を含む車体Aの製
造作業の分担と同時進行などで作業能率が向上するな
ど、作業の合理化による低コスト化が図れる。
【0019】図2〜図6に示す側窓9の実施例構造で
は、開口部内装材219 は開口9aよりも十分に大きな
ものとしてある。具体的には、図5に示すように上記3
連の側窓9の直ぐ上の部分から、図1、図5に示す車体
Aの側構体31の全高に近い高さを有して、腰板32の
部分にまで及ぶ広範囲な広さに形成して、車体Aのより
大きな範囲を車体Aから独立したユニット工法により有
利に製作できるようにしている。しかし、内装ユニット
8 、B9 は車体Aの車体構体4内に搬入する必要があ
る。そこで、例えば、車体構体Aに平妻10を取り付け
る前の車体Aの端部の開口33よりは小さく、この開口
33を通じて搬入できるようにする。搬入は人手によっ
て行うことはできる。しかし、専用の治具を用いると、
搬入に加え車体Aへの艤装のための支持や移動も行える
ので便利である。なお、内装ユニットB8 、B9 などは
開口33以外の、例えば出入り口8の開口8a部分など
から搬入することもでき、内装ユニットB8 、B9 の大
きさは一番大きな開口部を基準にその限度を決めればよ
く、限度一杯の大きさとするのが車体Aの組立て作業の
合理化の上で有利である。
【0020】上記のように広い面積を有した開口部内装
材219 は、その上部に図2〜図4に示すように、3連
の側窓9に対応する大きさを持った内装側の開口9bを
有し、図2、図5に示すようにこの開口9bに車体Aの
側構体31に設けられた固定窓34に対する内装部とし
ての、窓開口35と、固定窓34の両側に隣接した開窓
36、37を設ける窓開口36a、37aを形成する枠
部材38が必要部分に、あるいは1つの枠体に形成して
固定されている。窓開口36a、37aには、それぞれ
下半部に固定窓サッシ41が固定されるとともに、上半
部に内倒れできるように連結または支持した開窓サッシ
42が設けられている。しかし、開窓36、37の開閉
形式は引き違い式、全体の倒れ、片開、両開などどのよ
うにも設定することができる。また、全体が固定窓、あ
るいは開窓でもよい。固定窓の場合構造が簡単であっ
て、その全体を車体Aの側構体側に設けるとよく、しか
しこれに限られることはなく内装ユニットB9 の側に設
けてもよい。開窓36、37を構成している固定窓サッ
シ41、開窓サッシ42にはそれぞれ車体Aの外面側か
ら窓ガラス43を嵌め合わせてパテ43aにより固定
し、固定窓34は車体Aの外板30に外面側からスポッ
ト溶接などして取り付けた窓枠44に窓ガラス43を嵌
め合わせてパテ43aにより固定してある。従って、ど
の窓ガラス43が破損しても車体Aの外面から補修でき
る。
【0021】なお、開口部内装材219 は、その上縁が
図5、図6に示すように側構体31の腰板帯45や幕板
46にボルトや螺子67によりねじ止めしているが、下
縁と左右縁は図2、図5に示すように面ファスナー48
a、48bによって側構体31の柱材49や内装材51
に固定するようにしてある。これは、開口部内装材21
9 のボルトや螺子67により上縁を側構体に仮止め程度
に螺子止めした後、内装ユニットB9 の全体を少し動か
して、側構体31、ひいては車体Aとの位置調整を行い
ながら、適正な位置が決定したときに面ファスナ48
a、48bを強く押しつけて本止めし、ボルトや螺子6
7によるねじ止めも本締めして、調整位置に安定させら
れるようにしている。
【0022】前記各枠部材38の内側にはそれぞれ内装
サッシ52が例えば面ファスナ48a、48bによって
装着されるとともに、開口部内装材219 の上縁の内面
には図1、図6に示すようなカーテンケース54が設け
られ、図6に示すように巻取式のカーテン装置55を内
蔵している。カーテン装置55から引き出されるカーテ
ン55aの引き出し端は、図2、図6に示すように前記
内装サッシ52に設けた溝52aによって案内し、複数
位置にある係止部52bによって複数の引き出し位置に
選択的に係止できるようにしている。
【0023】図8〜図10に示す側出入り口8の実施例
構造では、開口部内装材218 は左右の戸袋カバー部2
8 a、218 aをこれらの上部連結部218 bを補強
する形でドアエンジン内蔵枠体61によって必要強度を
持って連結し、ドアエンジン内蔵枠体61のドアエンジ
ン62を内蔵した部分には、図7、図9に示すような上
方に開けられる蓋63がヒンジ連結して設けられてい
る。ドアエンジ内蔵枠体61には開戸23、23を吊持
する吊りレール65を艤装し、これに側開戸23、23
を吊持して開口部内装材218 に艤装している。もっと
も側開戸23は実施例のように左右開のものでなくて
も、一方向開の一枚ものでもよいし、場合によっては開
き扉方式のものでもよい。
【0024】開口部内装材218 の側構体31への取付
けは、図8〜図10に示すように外板30の内面に取り
付けた間柱66にボルト67により上部を取付け、かつ
戸袋カバー部218 a、218 aの下端を、図9に示す
ように床板68の立ち上げ部68aにボルトや螺子69
で止めるとともに、出入り口8の開口8aの下辺には床
板68と面一で、かつ開戸23の下端をスライドできる
ように支持し案内するスライドレール71aを形成した
踏み板71が設けられている。踏み板71は開口部内装
材218 の側に設けておくこともできる。
【0025】上記実施例構造での内装ユニットB8 、B
9 はいずれも、従来通りに部分的な補修ができる上、ボ
ルトや螺子あるいは面ファスナなどの着脱できる車体構
体4などとの結合構造によってその全体を交換するよう
な補修も行える。このような着脱できる結合手段は、前
記のほか両面接着テープなど分離や分解できるどのよう
なものを採用してもよい。
【0026】以上、車体Aの開口部において、車体Aの
製造作業の合理化による低コスト化を図った本実施の形
態につき説明したが、各種の実施例として車体Aの他の
部分において製造作業の合理化を図っており、以下説明
する。
【0027】車体Aの内装および車体構体4の一部であ
るパネル状部分にて、車体Aの製造作業の合理化による
低コスト化を図ったものである。基本的には、窓や戸、
ボックスといった艤装物がある図20に示すような間仕
切り部Cや、前記平妻10などの妻部D、および照明部
71や送風部72など、帯状に並んで艤装される艤装物
がある天井部Eなどの、車体Aのパネル状部分C、D、
Eを、それに必要な艤装物をパネル基材81C 、8
D 、81E に艤装したパネルユニット82C 、8
D 、82E として予め形成し、このパネルユニット8
C 、82D 、82E を車体Aの所定位置に当てがって
結合し車体Aを形成する。
【0028】これによっても、車体Aの艤装物のある間
仕切り部Cや妻部D、および天井部Eといったパネル状
部分を、実施の形態1で述べた車体Aの開口部分のよう
に、車体Aの部分と別な場で同時に組立て作業および調
整作業を行っておくことができ、車体部分の内装作業時
などに、このパネルユニット82C 、82D 、82E
車体Aの所定位置に当てがって結合する単純な作業と、
内装ユニット82C 、82D 、82E と車体Aとの一義
的な位置調整をするだけで、間仕切り部Cや妻部D、あ
るいは天井部Eなどの帯状内装部分の構造や機能、およ
び各種の調整が一挙に達成され、各種調整を含む車体A
の製造作業の分担および同時進行による作業能率の向上
など、作業の合理化による低コスト化が図れる。
【0029】図11、図12に示す間仕切り部Cのパネ
ルユニット82C の実施例構造では、車体Aを例えば運
転室2と客室80とを仕切る間仕切り用のパネル基材8
Cに、運客開戸83、窓ガラス84、機器ボックス8
5の他、ダストボックスなど各種のボックスといった、
間仕切りパネル基材81C の間仕切り位置に応じて必要
な艤装がなされたものとしている。図示しないが、この
間仕切りパネル基材81C の運転室2側には必要に応じ
て運転士用の折り畳み椅子も設けられる。
【0030】このパネルユニット82C は、間仕切りパ
ネル基材81C の周縁必要範囲、例えば外周部分に、車
体構体4の側構体31へ取り付ける骨材86や、屋根構
体87、および台枠1ないしはその上の床に取り付ける
フランジ88がスポット溶接などして設けられ、これら
によって車体構体4の側構体31や屋根構体87とボル
トやねじで結合するようにされる。しかし、この取付け
の方法は、ねじによる着脱できる方法など種々に実施で
きる。
【0031】図13〜図15に示す妻部Dのパネルユニ
ット82D の実施例構造では、車体Aの妻部Dを構成す
る妻部用のパネル基材81D に、貫通開戸91、窓ガラ
ス84、機器ボックスや、図示しない必要に応じた各種
のボックスといった、妻部Dの種類や位置に応じて必要
な艤装がなされている。
【0032】図示するパネルユニット82D は、パネル
基材81D への艤装物が少ないことに対応して、全周部
分に、車体構体4の側構体31、屋根構体87、および
台枠1や床への取付け部分としてフランジ88を設けた
だけの、図11、図12に示すものに対して簡略化した
構成としてあり、このフランジ88により車体構体4の
側構体31、屋根構体87、および台枠1や床にボルト
止めするなどして着脱できるように取り付ける。図15
にパネルユニット82D と側構体31との結合構造を示
している。従って、この場合も、部分的な補修の他、着
脱できる結合構造による全体を交換する補修もできる。
しかも、パネルユニット82D の着脱構造は、車体Aの
内部の内装ユニットB8 、B9 やパネルユニット82C
などの内装部分の全体を交換するようなときに、その搬
出、搬入に際し、端部開口33を一旦開くのに好都合で
ある。
【0033】図16〜図19に示す天井部Eのパネルユ
ニット82E の実施例構造では、天井の中央部に車体A
の長手方向に長く設けられる、照明部101や送風部1
02を共通するパネル基材81E に装備したものとす
る。特に本実施例では送風部102が、図18に示すよ
うなディフューザ吹き出し部102aと、図19に示す
ような揺動スリット吹き出し部102bと、図示しない
がこれらの間を連結するダクトが中央に設けられ、これ
らの両側に蛍光灯等の光源を内蔵した照明部101があ
り、車内放送用のスピーカ設置部103が送風部102
の各所に所定のピッチで取付けられている。しかも、送
風部102などは所定の長さ範囲ずつの単位パネル基材
81E 1に艤装し、それらを図17、図20に例示する
ような所定の順序で並べた状態で、単位パネル基材81
E 1と照明部101を艤装するなどした側天井パネル基
材81E 2とを図16〜図20に示すように連結したパ
ネル基材81E とし、図17、図20に示すようなパネ
ルユニット82E を構成し、具体的には側天井81E
は複数の単位パネル基材81E 1と連結される大きなも
のとし、組立て時の取り扱い単位長さが大きくなるよう
にすると好適で、その長さは作業や取り扱いに便利なよ
うに設定されればよい。
【0034】これにより、多数の艤装物がありかつ広い
天井部Eの組立ておよび車体Aへ艤装する各作業が簡略
化する。しかし、天井部Eのパネル部の分割構造など本
発明の特徴の目的の範囲で種々に変更できるのは勿論で
ある。単位パネル基材81E1は屋根構体87へボルト
ないし螺子67により着脱できるように取り付け、側天
井パネル基材81E 2の外縁81E 3は図5、図9に示
すように内装ユニットB9 や開口部内装材218 に面フ
ァスナ48a、48bによって結合するようにしてあ
る。従って、この場合も部分的な補修の他、着脱できる
結合構造による全体の交換ができる。
【0035】いずれのパネルユニット82C 、82D
82E の場合も着脱できる結合構造により、溶接による
ような変色や歪みができないので、これらに対処する仕
上げ作業が不要である。しかし、これらパネルユニット
82C 、82D 、82E の他の車体部分である車体構体
4への結合構造は場合により着脱できなくてもよく、種
々に行える。
【0036】
【発明の効果】本発明の鉄道車両の製造方法およびそれ
に用いる内装ユニットによれば、車体の開口部にてこれ
の種類に対応して車体の内外を仕切る開窓や固定窓の少
なくとも一方、あるいは開戸を、上記のように車体の窓
や出入り口の開口部のまわりで、車体長手方向両側に隣
接する別の開口部との間の分割位置まで延び、上下方向
にはほぼ床部分位置およびほぼ側天井部分位置間の範囲
を持つ内装材に装備した内装ユニットとして、車体部分
と別な場で同時に組立て作業および調整作業を行ってお
き、車体部分の内装作業時などに、この内装ユニットを
車体の開口部に内側から当てがってシール材を介して内
側から結合する単純な作業と、内装ユニットと車体との
一義的な位置調整をするだけでよいので、製造作業の分
担による作業能率の向上など、作業の合理化による低コ
スト化が図れる。内装ユニットは従来通りに部分的な補
修ができる上、前記結合を着脱できるように行うことに
よってその全体を交換するような補修や模様替えを行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態における第1の実施
例の鉄道車両の製造方法とそれに用いる内装ユニットを
示す斜視図である。
【図2】図1の内装ユニット装着部の横断面図である。
【図3】図2の内装ユニットの左端の車体への取付け部
を示す断面図である。
【図4】図2の内装ユニットの右端の車体への取付け部
を示す断面図である。
【図5】図1の内装ユニット装着部の開き窓部における
縦断面図である。
【図6】図1の内装ユニット装着部の固定窓部における
縦断面図である。
【図7】第2の実施例の鉄道車両の製造方法とそれに用
いる内装ユニットを示す斜視図である。
【図8】図7の内装ユニット装着部の戸袋部での縦断面
図である。
【図9】図8の上部および下部を拡大して見た縦断面図
である。
【図10】図7の内装ユニット装着部の出入り口開口部
での縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る鉄道車両でのパネ
ルユニット例を示す斜視図である。
【図12】図11のパネルユニットの取付け状態とそれ
による鉄道車両の製造方法を示す車体の横断面図であ
る。
【図13】本発明の実施の形態に係る鉄道車両の別のパ
ネルユニット例を示す斜視図である。
【図14】図13のパネルユニットの取付け状態とそれ
による鉄道車両の製造方法を示す車体の横断面図であ
る。
【図15】図14の横断面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る鉄道車両の今1つ
のパネルユニット例を示す斜視図である。
【図17】図16のパネルユニットの下面図である。
【図18】図17のパネルユニットの一部の横断面図で
ある。
【図19】図17のパネルユニットの別の一部の横断面
図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る鉄道車両の製造方
法とそれに用いた各ユニットを示し、その(a)は鉄道
車両の概略透視図、その(b)は天井部を下から見た鉄
道車両の概略横断面図である。
【符号の説明】
A 車体 B8 、B9 内装ユニット 4 車体構体 8 側出入り口 8a、9a 開口部 9 側窓 218 、219 内装材 228 、229 シール材 23 側開戸 34 固定窓 35 窓開口 36、37 開窓 52 内装サッシ 54 カーテンケース 55 カーテン装置 61 ドアエンジン内蔵枠 62 ドアエンジン 65 吊りレール 218 a 戸袋カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B61D 25/00 B61D 25/00 B (56)参考文献 特開 平7−329777(JP,A) 特開 平6−99810(JP,A) 特開 昭60−113766(JP,A) 特開 平4−201662(JP,A) 特開 平9−86407(JP,A) 実開 平4−55466(JP,U) 実開 昭54−104708(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61D 17/08 B61D 17/00 B61D 17/04 B61D 19/00 B61D 25/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の窓や出入り口の開口部のまわり
    で、車体長手方向両側に隣接する別の開口部との間の分
    割位置まで延び、上下方向にはほぼ床部分位置およびほ
    ぼ側天井部分位置間の範囲を持つ内装材に、開口部の種
    類に対応して車体の内外を仕切る開閉できる窓部および
    固定の窓部の少なくとも一方、あるいは開閉できる戸部
    を装備した内装ユニットを予め形成し、この内装ユニッ
    トを車体の内側から当てがうとともに開口部との間にシ
    ール材を挟み込んで内側から結合し車体を形成すること
    を特徴とする鉄道車両の製造方法。
  2. 【請求項2】 車体の窓や出入り口の開口部のまわり
    で、車体長手方向両側に隣接する別の開口部との間の分
    割位置まで延び、上下方向にはほぼ床部分位置およびほ
    ぼ側天井部分位置間の範囲を持つ内装材と、この内装材
    に艤装された、その開口部の種類に対応した車体の内外
    を仕切る開閉できる窓部および固定の窓部の少なくとも
    一方、あるいは開閉できる戸部とを備えたことを特徴と
    する鉄道車両の内装ユニット。
  3. 【請求項3】 内装ユニットは、車体の側構体の窓の開
    口部に対応しており、側窓構造部、およびこの側窓構造
    部に対応するカーテン装置を、開口部内装材に艤装して
    いる請求項2に記載の鉄道車両の内装ユニット。
  4. 【請求項4】 内装ユニットは、車体の側構体の出入り
    口の開口部に対応しており、引き戸形の開戸、この開戸
    の戸袋、開戸の吊持ガイドレール、および開戸を開閉す
    るドアエンジンを開口部内装材に艤装している請求項2
    に記載の鉄道車両の内装ユニット。
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