JP2687998B2 - 耐熱性の改良された耐油性水素化アクリロニトソルーブタジェンゴムの製造方法及び加硫ゴム組成物の製造方法 - Google Patents
耐熱性の改良された耐油性水素化アクリロニトソルーブタジェンゴムの製造方法及び加硫ゴム組成物の製造方法Info
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【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、耐熱性が改良された耐オゾン亀裂性、耐サ
ワーガソリン性、耐油性水素化アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム及びその加硫ゴム組成物に関し、さらに詳し
くは、第3成分として、劣化防止剤を化学的に結合させ
たアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムのブタジ
エン部を一定量以上水素添加することにより特に耐熱性
を改良した水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム及
びその加硫ゴム組成物に関する。 (従来技術) 近年、耐油性、耐サワーガソリン性、耐候性更には耐
寒性等の性能を兼ね備えたゴム組成物の要望が自動車工
業をはじめとする各分野から一段と高まっている。 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(以下
「NBR」と略す)は、耐油性ゴムとして広く用いられて
いるが、一般的に耐熱性、耐候性、耐サワーガソリン性
が劣っており、これらの改質方法として例えば特開昭48
−97985号公報、特開昭54−62293号公報、特開昭55−15
2706号公報などはエチレン性不飽和基含有フェノール誘
導体、3−N−(4−アニリノフェニル)アミノ−2ヒ
ドロキシプロピルアリルエーテル、p−アミノフェノー
ル等の劣化防止剤をNBRの重合時、或いは重合後、化学
的に結合することにより耐熱性、耐候性を向上させるこ
とが提案されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これら従来の改質NBRは、炭素−炭素
二重結合を多重に含むため、耐サワーガソリン性が劣っ
ており、また特開昭54−132647号公報ではNBRのブタジ
エン部を部分水素化することにより耐候性や耐サワーガ
ソリン性を向上させることが提案されているが、耐熱性
は劣っている。 このように従来の改質技術では耐熱性、耐候性、耐サ
ワーガソリン性のすべてを満足するNBRは得られていな
かった。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者等はこれら従来の問題点を解決するべ
く鋭意検討を行なった結果、分子内に特定官能基を有す
る劣化防止剤を化学的に結合させたNBRの炭素−炭素二
重結合部分を特定比率以上水素化することにより、水素
化NBRの有する優れた耐候性、耐サワーガソリン性の特
性を損なうことなく耐熱性を大幅に向上できることを見
い出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明の目的は耐熱性が大幅に改善された
耐候性、耐サワーガソリン性を有する耐油性水素化NBR
及びその加硫ゴム組成物を提供するものである。 そして、その目的はブタジエン45〜80重量%及びアク
リロニトリル20〜55重量%からなるゴム成分100重量%
に対し、分子内にアニリノフェニル骨格を含有するビニ
ル系劣化防止剤を0.1〜10重量%を共重合させて得られ
た多元系共重合体の炭素−炭素二重結合部分を少なくと
も70%以上水素化して得られる耐熱性の改良された耐油
性水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム及びかかる
ゴムに対してカーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤を
配合してなる加硫ゴム組成物により容易に達成される。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で用いられるゴム成分としては、ブタジエン45
〜80重量%、アクリロニトリル20〜55重量%、更に好ま
しくはブタジエン50〜70重量%、アクリロニトリル30〜
50重量%のがよい。 アクリロニトリルが余りに過大量であるとゴム組成物
の耐寒性及びゴム的性質が不十分となり、又余りに過少
量であると耐油性が不十分となるので上記両成分の割合
は、これら諸特性のバランス上、好適な範囲として選択
される。 本発明では、かかるゴム成分100重量%に対して、分
子内にアニリノフェニル骨格を含有するビニル系劣化防
止剤の少なくとも一種類を0.1〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%を共重合させて、多元系共重合体を得る。 この多元系共重合体は、ブタジエン、アクリロニトリ
ル及びビニル系劣化防止剤をレドックス開始剤等の存在
下、通常の乳化重合法により調製される。また、ビニル
系劣化防止剤の配合量が0.1重量%未満では耐熱性の改
善効果がうすれ、また10重量%を越えると耐寒性能が低
下する傾向が顕著となるので好ましくない。 本発明において用いられるビニル系劣化防止剤として
は、分子内にアニリノフェニル骨格を含有するものであ
って、具体的には下記の一般式(I)又は(II)で表わ
される化合物の中から少なくとも一種類選ばれるもので
ある。 〔式中、φは を表わし、R1、R2は水素、塩素、臭素又は炭素数1〜12
のアルキル基、R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル
基、R4は水素、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6
〜12のアリール基、Xは Yは−N=CH−、−NH−CH2−φ−、−NH−SO2−又は−
NH−SO2−φ−、をそれぞれ示す。但しR5〜R7は水素又
は炭素数1〜4のアルキル基。〕 一般式(I)の例としては、アニリノスチレン、1−
アニリノフェニル−2−メチル−1,3ブタジエン、2−
アニリノフェニル−1,3ブタジエン、2−アニリノフェ
ニル−3−メチル−1,3ブタジエン等が挙げられる。 一般式(II)の例としては、1−〔(4−アニリノ)
−フェニルイミノ〕−2メチルプロペン、4−アニリノ
−N−(4−ビニルベンジル)アニリン、N−(4−ア
ニリノフェニル)ビニルスルホンアミド、N−(4−ア
ニリノフェニル)−4−ビニルベンゼンスルホンアミド
等が挙げられる。 本発明の目的の1つである水素化アクリロニトリル−
ブタジエンゴムは、上記の多元系重合体の炭素−炭素二
重結合部分の70%以上、好ましくは85%以上、更に好ま
しくは90%以上を水素化処理して得られたものである。 かかる水素化処理は本発明の多元系重合体を形成する
アクリロニトリル部分のニトリル基を保持したまま、ブ
タジエン部分の炭素−炭素二重結合部分を選択的に水添
するものであって、米国特許第3700637号、特公昭45−3
9275号公報あるいは特開昭50−71681号公報等に開示さ
れた通常公知の方法によって行なわれる。 尚、炭素−炭素二重結合部分の水素化率が70%未満あ
ると、得られたゴムの耐熱性、耐候性、耐サワーガソリ
ン性等の特性向上効果が小さくなるので好ましくない。 次に、本発明の他の目的である加熱ゴム組成物は、上
記の水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムにカーボ
ンブラック、硫黄系又は過酸化物系の加硫剤及びその加
硫促進剤、更に必要に応じて通常のゴム組成物に用いら
れる充填剤、可塑剤、老化防止剤等の添加物を配合し、
従来の方法に従いバンバリーミキサーやロール等の混練
機により混合することにより調製される。 尚、混練処理の際、ポリ塩化ビニル(PVC)やエチレ
ン−プロピレンターポリマー(EPDμ)等の他の高分子
化合物を混合使用してもよいし、更に液状NBRを混合す
ることも可能である。 また、本発明の水素化アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムにおける水素化率は高い程、特性向上効果が増大す
るが、硫黄加硫処理を行ない加硫ゴム組成物を得る場合
には水素化率が98%以下とするのが好ましい。 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、下記の実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1〜4及び比較例1〜6 ブタジエン−アクリロニトリル−劣化防止剤からなる
多元系共重合体を第1表の重合処法により調製した。こ
れらの共重合体をテトラヒドロフラン中に溶解させた
後、水素化触媒(pdカーボン)を加え、水素にて50kg/c
m2に加圧し、75℃で4時間、水素化反応を行なった。回
収したポリマーはニトリル基の還元は認められず、炭素
−炭素二重結合のみが各々90%水素化されていた。なお
水素化率はヨウ素価により求めた。 次にこれらのポリマーを第2表の配合処法で、バンバ
リーミキサーにて混練した。得られた配合物を160℃×2
0分の条件でプレス加硫し、試験用加硫物を作成して第
3表にこれらの物性測定結果を示した。 なお、比較のために比較例1及び2では本発明の劣化
防止剤を配合していない共重合体を用い水素化処理した
もの及び水素化処理していないものを調製し、実施例と
同様にして加硫物を得た。更に比較例3〜6では実施例
1〜4で用いた多元系共重合体を水素化処理せず実施例
と同様にして加硫物を得た。それぞれの物性測定結果も
第3表に示した。 第3表から明らかなように本発明例(実施例1〜4)
は比較例1〜6に比べ、特に耐熱性が改良されているこ
とがわかる。この差は熱老化後のEB変化率で顕著であ
る。 物性測定は以下の方法に従った。 1)常態物性(引張試験):JIS K6301 2)かたさ:JIS K6301 3)耐熱性:JIS K6301 (ギアオーブン130℃×168hrs) 4)耐オゾン性:JIS K6301 (40℃、50pphm、静的20%伸長) 5)耐潤滑油性(浸せき試験):JIS K6301 (JIS#3油、135℃×168hrs) 6)耐サワーガソリン性 :市販レギュラーガソリンに2重量%のラウロイルパー
オキサイド(LPO)を溶解させ、サワーガソリンを調製
した。これにJIS3号ダンベルを4本浸せきし、60℃で放
置した。72時間後、取り出し、常態物性値を測定した。 (発明の効果) 本発明によれば、耐熱性の改良された、耐候性、耐サ
ワーガソリン性及び耐油性の優れた水素化アクリロニト
リル−ブタジエンゴム並びにその加硫ゴム組成物が得ら
れ、特に本発明の加硫ゴム組成物は工業用ベルト、燃料
ホース、パッキング材、オイルシールあるいはダイヤフ
ラム等に用いる場合、著しい効果を発揮するものであ
る。
ワーガソリン性、耐油性水素化アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム及びその加硫ゴム組成物に関し、さらに詳し
くは、第3成分として、劣化防止剤を化学的に結合させ
たアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムのブタジ
エン部を一定量以上水素添加することにより特に耐熱性
を改良した水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム及
びその加硫ゴム組成物に関する。 (従来技術) 近年、耐油性、耐サワーガソリン性、耐候性更には耐
寒性等の性能を兼ね備えたゴム組成物の要望が自動車工
業をはじめとする各分野から一段と高まっている。 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(以下
「NBR」と略す)は、耐油性ゴムとして広く用いられて
いるが、一般的に耐熱性、耐候性、耐サワーガソリン性
が劣っており、これらの改質方法として例えば特開昭48
−97985号公報、特開昭54−62293号公報、特開昭55−15
2706号公報などはエチレン性不飽和基含有フェノール誘
導体、3−N−(4−アニリノフェニル)アミノ−2ヒ
ドロキシプロピルアリルエーテル、p−アミノフェノー
ル等の劣化防止剤をNBRの重合時、或いは重合後、化学
的に結合することにより耐熱性、耐候性を向上させるこ
とが提案されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これら従来の改質NBRは、炭素−炭素
二重結合を多重に含むため、耐サワーガソリン性が劣っ
ており、また特開昭54−132647号公報ではNBRのブタジ
エン部を部分水素化することにより耐候性や耐サワーガ
ソリン性を向上させることが提案されているが、耐熱性
は劣っている。 このように従来の改質技術では耐熱性、耐候性、耐サ
ワーガソリン性のすべてを満足するNBRは得られていな
かった。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者等はこれら従来の問題点を解決するべ
く鋭意検討を行なった結果、分子内に特定官能基を有す
る劣化防止剤を化学的に結合させたNBRの炭素−炭素二
重結合部分を特定比率以上水素化することにより、水素
化NBRの有する優れた耐候性、耐サワーガソリン性の特
性を損なうことなく耐熱性を大幅に向上できることを見
い出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明の目的は耐熱性が大幅に改善された
耐候性、耐サワーガソリン性を有する耐油性水素化NBR
及びその加硫ゴム組成物を提供するものである。 そして、その目的はブタジエン45〜80重量%及びアク
リロニトリル20〜55重量%からなるゴム成分100重量%
に対し、分子内にアニリノフェニル骨格を含有するビニ
ル系劣化防止剤を0.1〜10重量%を共重合させて得られ
た多元系共重合体の炭素−炭素二重結合部分を少なくと
も70%以上水素化して得られる耐熱性の改良された耐油
性水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム及びかかる
ゴムに対してカーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤を
配合してなる加硫ゴム組成物により容易に達成される。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で用いられるゴム成分としては、ブタジエン45
〜80重量%、アクリロニトリル20〜55重量%、更に好ま
しくはブタジエン50〜70重量%、アクリロニトリル30〜
50重量%のがよい。 アクリロニトリルが余りに過大量であるとゴム組成物
の耐寒性及びゴム的性質が不十分となり、又余りに過少
量であると耐油性が不十分となるので上記両成分の割合
は、これら諸特性のバランス上、好適な範囲として選択
される。 本発明では、かかるゴム成分100重量%に対して、分
子内にアニリノフェニル骨格を含有するビニル系劣化防
止剤の少なくとも一種類を0.1〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%を共重合させて、多元系共重合体を得る。 この多元系共重合体は、ブタジエン、アクリロニトリ
ル及びビニル系劣化防止剤をレドックス開始剤等の存在
下、通常の乳化重合法により調製される。また、ビニル
系劣化防止剤の配合量が0.1重量%未満では耐熱性の改
善効果がうすれ、また10重量%を越えると耐寒性能が低
下する傾向が顕著となるので好ましくない。 本発明において用いられるビニル系劣化防止剤として
は、分子内にアニリノフェニル骨格を含有するものであ
って、具体的には下記の一般式(I)又は(II)で表わ
される化合物の中から少なくとも一種類選ばれるもので
ある。 〔式中、φは を表わし、R1、R2は水素、塩素、臭素又は炭素数1〜12
のアルキル基、R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル
基、R4は水素、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6
〜12のアリール基、Xは Yは−N=CH−、−NH−CH2−φ−、−NH−SO2−又は−
NH−SO2−φ−、をそれぞれ示す。但しR5〜R7は水素又
は炭素数1〜4のアルキル基。〕 一般式(I)の例としては、アニリノスチレン、1−
アニリノフェニル−2−メチル−1,3ブタジエン、2−
アニリノフェニル−1,3ブタジエン、2−アニリノフェ
ニル−3−メチル−1,3ブタジエン等が挙げられる。 一般式(II)の例としては、1−〔(4−アニリノ)
−フェニルイミノ〕−2メチルプロペン、4−アニリノ
−N−(4−ビニルベンジル)アニリン、N−(4−ア
ニリノフェニル)ビニルスルホンアミド、N−(4−ア
ニリノフェニル)−4−ビニルベンゼンスルホンアミド
等が挙げられる。 本発明の目的の1つである水素化アクリロニトリル−
ブタジエンゴムは、上記の多元系重合体の炭素−炭素二
重結合部分の70%以上、好ましくは85%以上、更に好ま
しくは90%以上を水素化処理して得られたものである。 かかる水素化処理は本発明の多元系重合体を形成する
アクリロニトリル部分のニトリル基を保持したまま、ブ
タジエン部分の炭素−炭素二重結合部分を選択的に水添
するものであって、米国特許第3700637号、特公昭45−3
9275号公報あるいは特開昭50−71681号公報等に開示さ
れた通常公知の方法によって行なわれる。 尚、炭素−炭素二重結合部分の水素化率が70%未満あ
ると、得られたゴムの耐熱性、耐候性、耐サワーガソリ
ン性等の特性向上効果が小さくなるので好ましくない。 次に、本発明の他の目的である加熱ゴム組成物は、上
記の水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムにカーボ
ンブラック、硫黄系又は過酸化物系の加硫剤及びその加
硫促進剤、更に必要に応じて通常のゴム組成物に用いら
れる充填剤、可塑剤、老化防止剤等の添加物を配合し、
従来の方法に従いバンバリーミキサーやロール等の混練
機により混合することにより調製される。 尚、混練処理の際、ポリ塩化ビニル(PVC)やエチレ
ン−プロピレンターポリマー(EPDμ)等の他の高分子
化合物を混合使用してもよいし、更に液状NBRを混合す
ることも可能である。 また、本発明の水素化アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムにおける水素化率は高い程、特性向上効果が増大す
るが、硫黄加硫処理を行ない加硫ゴム組成物を得る場合
には水素化率が98%以下とするのが好ましい。 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、下記の実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1〜4及び比較例1〜6 ブタジエン−アクリロニトリル−劣化防止剤からなる
多元系共重合体を第1表の重合処法により調製した。こ
れらの共重合体をテトラヒドロフラン中に溶解させた
後、水素化触媒(pdカーボン)を加え、水素にて50kg/c
m2に加圧し、75℃で4時間、水素化反応を行なった。回
収したポリマーはニトリル基の還元は認められず、炭素
−炭素二重結合のみが各々90%水素化されていた。なお
水素化率はヨウ素価により求めた。 次にこれらのポリマーを第2表の配合処法で、バンバ
リーミキサーにて混練した。得られた配合物を160℃×2
0分の条件でプレス加硫し、試験用加硫物を作成して第
3表にこれらの物性測定結果を示した。 なお、比較のために比較例1及び2では本発明の劣化
防止剤を配合していない共重合体を用い水素化処理した
もの及び水素化処理していないものを調製し、実施例と
同様にして加硫物を得た。更に比較例3〜6では実施例
1〜4で用いた多元系共重合体を水素化処理せず実施例
と同様にして加硫物を得た。それぞれの物性測定結果も
第3表に示した。 第3表から明らかなように本発明例(実施例1〜4)
は比較例1〜6に比べ、特に耐熱性が改良されているこ
とがわかる。この差は熱老化後のEB変化率で顕著であ
る。 物性測定は以下の方法に従った。 1)常態物性(引張試験):JIS K6301 2)かたさ:JIS K6301 3)耐熱性:JIS K6301 (ギアオーブン130℃×168hrs) 4)耐オゾン性:JIS K6301 (40℃、50pphm、静的20%伸長) 5)耐潤滑油性(浸せき試験):JIS K6301 (JIS#3油、135℃×168hrs) 6)耐サワーガソリン性 :市販レギュラーガソリンに2重量%のラウロイルパー
オキサイド(LPO)を溶解させ、サワーガソリンを調製
した。これにJIS3号ダンベルを4本浸せきし、60℃で放
置した。72時間後、取り出し、常態物性値を測定した。 (発明の効果) 本発明によれば、耐熱性の改良された、耐候性、耐サ
ワーガソリン性及び耐油性の優れた水素化アクリロニト
リル−ブタジエンゴム並びにその加硫ゴム組成物が得ら
れ、特に本発明の加硫ゴム組成物は工業用ベルト、燃料
ホース、パッキング材、オイルシールあるいはダイヤフ
ラム等に用いる場合、著しい効果を発揮するものであ
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ブタジエン45〜80重量%及びアクリロニトリル20〜
55重量%からなるゴム成分100重量%に対し、下記の一
般式(I)又は(II)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種類を0.1〜10重量%を共重合させて得られ
た多元系共重合体の炭素−炭素二重結合部分を少なくと
も70%以上水素化することを特徴とする耐熱性の改良さ
れた耐油性水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムの
製造方法。 〔式中、φは を表し、R1、R2は水素、塩素、臭素又は炭素数1〜12の
アルキル基、R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル基、
R4は水素、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12
のアリール基、Xは Yは−N=CH−、−NH−CH2−φ−、−NH−SO2−又は−
NH−SO2−φ−、をそれぞれ示す。但しR5〜R7は水素又
は炭素数1〜4のアルキル基。〕 2.ブタジエン45〜80重量%及びアクリロニトリル20〜
55重量%からなるゴム成分100重量%に対し、下記の一
般式(I)又は(II)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種類を0.1〜10重量%を共重合させて得られ
た三元系共重合体の炭素−炭素二重結合部分を少なくと
も70%以上水素化して得られるアクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムにカーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤を
配合することを特徴とする耐熱性の改良された耐油性加
硫ゴム組成物の製造方法。 〔式中、φは を表し、R1、R2は水素、塩素、臭素又は炭素数1〜12の
アルキル基、R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル基、
R4は水素、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12
のアリール基、Xは Yは−N=CH−、−NH−CH2−φ−、−NH−SO2−又は−
NH−SO2−φ−、をそれぞれ示す。但しR5〜R7は水素又
は炭素数1〜4のアルキル基。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62280039A JP2687998B2 (ja) | 1987-11-05 | 1987-11-05 | 耐熱性の改良された耐油性水素化アクリロニトソルーブタジェンゴムの製造方法及び加硫ゴム組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62280039A JP2687998B2 (ja) | 1987-11-05 | 1987-11-05 | 耐熱性の改良された耐油性水素化アクリロニトソルーブタジェンゴムの製造方法及び加硫ゴム組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01121304A JPH01121304A (ja) | 1989-05-15 |
JP2687998B2 true JP2687998B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=17619446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62280039A Expired - Lifetime JP2687998B2 (ja) | 1987-11-05 | 1987-11-05 | 耐熱性の改良された耐油性水素化アクリロニトソルーブタジェンゴムの製造方法及び加硫ゴム組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2687998B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5051299A (en) * | 1989-10-13 | 1991-09-24 | Polysar Limited | Fibre reinforced belt |
CN101942125B (zh) * | 2010-10-09 | 2012-01-18 | 天津鹏翎胶管股份有限公司 | 一种耐热性氯醇橡胶 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2803669B2 (ja) * | 1987-11-04 | 1998-09-24 | 三菱化学株式会社 | 耐熱性の改良された耐油性水素化アクリロニトリルーブタジェンゴムの製造方法及び加硫ゴム組成物の製造方法 |
-
1987
- 1987-11-05 JP JP62280039A patent/JP2687998B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01121304A (ja) | 1989-05-15 |
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