JP2686780B2 - 釣合い重り、及び釣合い重りを備えた回転子 - Google Patents
釣合い重り、及び釣合い重りを備えた回転子Info
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Description
圧縮用の電動圧縮機において、電動機の回転子に取付け
た釣合い重りを用いる改良された力平衡技術に係る。
続された回転子とを有する電動圧縮機のような各種の型
式の回転機械においては、回転機械の稼働中に生じる不
釣整な力に対抗して回転子・駆動軸組立物を平衡状態に
維持するため回転子の一端または両端に、周方向に伸展
する釣合い重りを設けるのが普通である。かかる釣合い
重りは従来、回転子の周方向でみて180°を越えない範
囲にまたがらせ回転子の端面位置から軸線方向外向きに
延出するように設けられて来ている。
せて釣合い重りの穴に挿通し、釣合い重りの位置を固定
するように突起端を変形(例えばすえ込み)することに
より釣合い重りを回転子に取付けると、簡単且つ安価
に、しかも十分に釣合い重りを支持できることを見出し
た。そしてまた従来信じられていたのとは逆に、比較的
大きな軸線方向の長さを有する釣合い重りの場合には取
付け用の突起に加わる主たる荷重が、釣合い重りに作用
する遠心力に基因するせん断力ではなく、取付け用突起
から釣合い重りを引張ろうとする遠心力によつて生ぜし
められる曲げモーメントから派生する引張荷重であるこ
とを、見出した。
取付け支持される釣合い重りと、そのような釣合い重り
を備えた回転子を、提供しようとするものである。
転子の一端面に沿い180°を越えない範囲で円弧状に伸
展する主体部と、この主体部の両端から張出して回転子
の一端面に沿う載架手段とを、備えており、 回転子の周方向でみた主体部と載架手段との合計の長
さを、釣合い重りが回転子の周方向で180°を越える範
囲を占めるように設定してあり、 また主体部が、回転子の一端面に設けられた穴に挿入
される略C字状の内側部分と回転子の一端面位置から軸
線方向の外向きに延出させる略C字状の外側部分とを有
するように段付けされているものに、構成される。
に沿って張出す1対の突縁部であってそれぞれが回転子
の一端面上に設ける取付け手段ないし突起を挿通するた
めの穴を有する突縁部に形成するのが、望ましい。
想平面の一側にのみ配置された主体部とこの主体部から
上記仮想平面の他側にまで張出す1対の載架用突縁部と
を備えていて上記回転子の一端で該回転子に取付けられ
ている釣合い重りと、この釣合い重りを回転子に対し上
記載架用突縁部で取付ける取付け手段とを、備えてお
り、 上記取付け手段をもっぱら、上記仮想平面の他側にの
み位置させてあるものに、構成される。
ら張出す載架手段ないし突縁部でもって回転子に取付け
て用いられ、回転子の周方向でみて180°を越える範囲
にまで主体部から張出す載架手段ないし突縁部は、釣合
い重りを離脱させように働く遠心力に対抗する比較的大
きなモーメントアーム長を付与する。このため釣合い重
りの取付け部に加わる動荷重が大きく減らされる。
してあることで、一層高められる。すなわち回転子一端
面の穴に挿入されるC字状の内側部分は釣合い重りの質
量の一部を、該釣合い重りが取付けられる回転子一端面
より軸線方向の内側に位置させることとし、C字状の外
側部分に作用する遠心力に対抗するように働き、取付け
部に加わる動荷重を減らす。より具体的に述べれば、C
字状の外側部分に作用する遠心力は釣合い重りを転倒さ
せようとし、それにより取付部に対し引張荷重が作用し
て釣合い重りを離脱させようとするのであるが、回転子
一端面より軸線方向の内側に位置するC字状の内側部分
に作用する遠心力は釣合い重りを逆方向に転倒させよう
とし、取付け部に作用する引張荷重を減少させることと
する。
に支持される。
子を2分割する仮想平面の一側にのみ配置されているの
に対し該釣合い重りを1対の突縁部で回転子に対し取付
ける取付手段をもっぱら、上記仮想平面の他側にのみ位
置させてあるものとされている。このため釣合い重りを
離脱させように働く遠心力に対抗する大きなモーメント
アーム長が確保されて、釣合い重りの取付け部に加わる
動荷重が大きく減らされ釣合い重りが極く安定に支持さ
れる。そして両突縁部を上記仮想平面の他側にまで張出
させ取付け手段をもっぱら該仮想平面他側にのみ位置さ
せていることから逆に、仮想平面一側の180°の全範囲
を主体部のためのスペースとして利用でき、このため主
体部の周方向長さを大きくすることで所与の質量の釣合
い重りの軸線方向長さを減らすことができる。
されたクランク軸を備える各種の型式の回転機械に応用
できるが、以下に述べる実施例は空調機械及び/または
冷凍機用の冷媒の圧縮に用いるのに有用である密閉型ス
クロール式機械においてこの発明を実施した例に係る。
同スクロール式機械は例えば、本願出願人の出願に係る
特願昭62-208061号(特開昭63-80088号)に開示されて
いるようなものである。
ガス圧縮用の1対の噛合された螺旋状スクロール部材
(図示せず)、クランク軸下部軸受14、上部軸受12と下
部軸受14に回転自在に支承させてある鉛直な回転クラン
ク軸16、クランク軸16の外周面上に加熱嵌めされた回転
子18を含むクランク軸駆動用の電動機、固定子20、及び
以上の部材の全てを密閉する外殻22を備えており、固定
子20は外殻22に圧力嵌めされている。
通する穴28を有する略円筒状の本体26を備え、また軸線
方向の両端に配置された上端リング30及び下端リング3
2、上端リング30から突出させてあるところの周方向で
距てられた1対の一体的な取付け用突起34、この取付け
用突起34により上端リング30に取付けてある第1の釣合
い重り36、及び下端リング32に取付けてある第2の釣合
い重り38を有する。上端リング30の軸線方向での一端面
40には軸線方向に沿う複数個の突起42を、周方向で間隔
をあけて設けてあり、これらの突起42は回転子18が回転
するときにガスに冷却のための渦流を生じさせる。
いて、2つの半円筒状でCの字形の部分44,48を備え
る。このうち軸線方向内側の部分44は上端リング30の内
部に受け入れさせるものとされており、周方向での両端
に端面46を有する。軸線方向外側の部分48は上端リング
30の前記一端面40位置から軸線方向の外向きに延出させ
るものとされており、周方向での両端に端面50を有する
と共に、同様に周方向での両端に端面50位置からさらに
周方向に張出す1対の突縁部52を有する。各突縁部52は
上端リング30に対し釣合い重り36を取付けるため、前記
各取付け用突起34を嵌合させる寸法を有するものとされ
ている穴54を備える。部分48,44はそれぞれ、その端面5
0,46間でアーチ状の主体部を有し、該主体部は180°を
越えない範囲で円弧を形成するように形成され、その全
体が回転子18の回転軸線Aを含む仮想縦断平面Pの一側
に配置されるように図られている。これに対し突縁部52
は部分48,44の端面50,46位置から周方向に張出して、18
0°を越える周方向の張出し部を形成している。したが
つて組立て状態で釣合い重りの主体部は、平面Pを基準
としてみて支持突起34及び突縁部52の反対側に配置され
る。
がる主体部とこの主体部の両端から周方向の外向きに18
0°を越えて突出する1対の載架用突縁部とを有する釣
合い重りを設けると取付け手段に加わる荷重が著しく軽
減される。また180°の全範囲を主体部のための設置ス
ペースに利用できることから、所与の質量の釣合い重り
の周方向長さを180°までの範囲で大とし逆にその軸線
方向長さを減らすことができる。
該重り36の軸線方向内側の部分44を回転子18の中心穴28
と同心配置状でリング30中に挿入して載せる。これによ
つて取付け用突起34は突縁部52の穴54に嵌合される。次
に各取付け用突起34の突出端を、該突起34が穴54中で機
械的に抜出し不能に拘束されるよう、変形(例えばすえ
込み)する。
の下方側部分を、クランク軸の回転軸線を含む縦断面で
切断して図示した縦断面図で、この発明の原理とすると
ころを具体化した釣合い重りを備えクランク軸に対し取
付けられている回転子を示している。 第2図は、第1図に図示の回転子の一部分と釣合い重り
とを図示した斜視図である。 第3図、第4図及び第5図はそれぞれ、第2図に図示の
釣合い重りの平面図、側面図及び底面図である。 第6図は上記釣合い重りの一突縁部を示すもので、第3
図の6-6線に沿う断面図である。 第7図及び第8図はそれぞれ、第2図に図示の回転子と
釣合い重りとを組立て状態で図示した縦断側面図及び平
面図である。 16……クランク軸、18……回転子、20……固定子、30…
…上端リング、34……取付け用突起、36……釣合い重
り、44……釣合い重り36の軸線方向内側の部分、48……
釣合い重り36の軸線方向外側の部分、52……突縁部、54
……穴。
Claims (6)
- 【請求項1】電動機の回転子用の釣合い重りであって、 釣合い重りの質量の主たる部分を占める質量を有し回転
子の一端面に沿い180°を越えない範囲で円弧状に伸展
する主体部と、この主体部の両端から張出して回転子の
一端面に沿う載架手段とを、備えており、 回転子の周方向でみた主体部と載架手段との合計の長さ
を、釣合い重りが回転子の周方向で180°を越える範囲
を占めるように設定してあり、 また主体部が、回転子の一端面に設けられた穴に挿入さ
れる略C字状の内側部分と回転子の一端面位置から軸線
方向の外向きに延出させる略C字状の外側部分とを有す
るように段付けされている釣合い重り。 - 【請求項2】請求項1に記載の釣合い重りにおいて、前
記載架手段が前記主体部の両端から回転子の周方向に沿
って張出す1対の載架用突縁部を備え、この各突縁部
が、回転子の一端面に対し釣合い重りを取付けるための
取付け手段を通す穴を有する釣合い重り。 - 【請求項3】回転機械において回転可能に設けられた軸
に取付けて用いられる回転子であって、 この回転子の回転軸線を含み該回転子を2分割する仮想
平面の一側にのみ配置された主体部とこの主体部から上
記仮想平面の他側にまで張出す1対の載架用突縁部とを
備えていて上記回転子の一端で該回転子に取付けられて
いる釣合い重りと、この釣合い重りを回転子に対し上記
載架用突縁部で取付ける取付け手段とを、備えており、 上記取付け手段をもっぱら、上記仮想平面の他側にのみ
位置させてある回転子。 - 【請求項4】請求項3に記載の回転子において、前記取
付け手段が、前記突縁部に設けられた穴に嵌合された突
起を備えている回転子。 - 【請求項5】請求項4に記載の回転子において、前記突
起の端を変形させて前記突縁部に係止させてある回転
子。 - 【請求項6】請求項3に記載の回転子において、前記突
縁部を、前記主体部の周方向の両端から突出させてある
回転子。
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