JP6023540B2 - 回転子、電動機および圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機の回転子に関し、特に、回転子の回転時に発生するアンバランス荷重を抑制するバランスウェイトが設けられている回転子に関する。
電動機の回転子には、回転子の回転時に発生するアンバランス荷重を抑制するためにバランスウェイトが設けられている。例えば、特開2006−152838号公報には、図7に示されている回転子が示されている。なお、図7は、軸方向(紙面に垂直な前後方向)に沿った一方側から回転子を見た図(軸方向に直角な方向から見た断面図)である。
図7に示されている回転子は、回転子コア350、端部部材(エンドリング)360、バランスウェイト370を有している。回転子コア350は、回転軸挿入空間を形成する内周面350aおよび外周面350bを有する円筒形状に形成されている。エンドリング360は、回転子コア350の軸方向両側に配置されている。端部部材360は、回転子コア350の中心点Pを中心とする円形形状の内周面360aおよび外周面360bを有するリング形状に形成されている。バランスウェイト370は、軸方向に沿って、端部部材360より回転子コア350と反対側に配置されている。バランスウェイト370は、回転子コア350の中心点Pを中心とする円弧形状(半円形状)の内周面370aおよび外周面370bと端面370cおよび370dを有するU字形状に形成されている。バランスウェイト370のU字形状は、回転子コア350の中心点Pを通る線対称中心線Mを中心に線対称である。バランスウェイト370を端部部材360に取り付ける(固定する)方法としては、端部部材360に形成した突部をバランスウェイト370に形成した孔に挿入した状態でかしめる方法が用いられる。
回転子が回転すると、バランスウェイト370には、U字形状の線対称中心線Mに沿った方向に遠心力F(バランスウェイトの各部に作用する遠心力ベクトルを合成した合成遠心力ベクトル)が作用する。バランスウェイト370の厚さ(軸方向に沿った長さ)をできるだけ薄くするために、バランスウェイト370には、U字形状の両端部に2つの孔371および372が形成されている。そして、端部部材360には、バランスウェイト370に形成されている孔371および372それぞれに挿入可能な2つの突部361および362が形成されている。突部361および362の外周面361aおよび362a、孔371および372の内周面は、断面が円形形状に形成されている。この場合、遠心力Fは、突部361の外周面361aのうちの遠心力印加部361A(周方向長さR311)および突部362の外周面362aのうちの遠心力印加部362A(周方向長さR311)に印加される。また、遠心力Fに対する突部361および362の強度は、突部361の断面積S311および突部362の断面積S311によって定まる。
特開2006−152838号公報
近年、電動機の高速回転に対する要望が増えている。電動機を高速回転させると、端部部材360に形成されている突部361(362)の遠心力印加部361A(362A)に印加される遠心力が増大し、突部361(362)が損傷するおそれがある。
突部361(362)の損傷を防止する方法としては、例えば、図8に示すように、突部および孔の数を増加させる方法が考えられる。図8に示されている回転子では、バランスウェイト470には、U字形状の両端部に孔471および472が形成されているとともに、さらにU字形状の中央部に孔473が形成されている。そして、端部部材460には、バランスウェイト470に形成されている孔471〜473それぞれに挿入可能な突部461〜463が形成されている。図8に示されている回転子では、遠心力Fは、突部461の遠心力印加部461A(周方向長さR411)、突部462の遠心力印加部462A(周方向長さR411)および突部463の遠心力印加部463A(周方向長さR411)に印加される。そして、遠心力Fに対する強度は、突部461の断面積S411、突部462の面積S411および突部463の断面積S411によって定まる。これにより、図8に示されている回転子では、図7に示されている回転子に比べて、突部461〜463の損傷を防止することができる。
しかしながら、バランスウェイト470に形成する孔の数を増加させると、バランスウェイト470の重量が低下し、回転子のアンバランス荷重を抑制する効果が低下する。このため、バランスウェイト470の厚さを厚くして重量を増大させる(補償する)必要がある。バランスウェイトの厚さが厚くなると、回転子の軸方向に沿った長さ、したがって、電動機の軸方向に沿った長さが長くなる。特に、バランスウェイト470のU字形状の中央部に孔473を形成する場合には、U字形状の端部に孔を形成する場合に比べて、バランスウェイト470の重量をより増大させる(補償量を増大させる)必要がある。一方、電動機の軸方向の長さは、電動機の設置スペースの関係から制限がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、軸方向に沿った長さの増大を抑制しながら、バランスウェイトを端部部材に取り付けるための突部の損傷を防止することができる技術を提供することを目的とする。
第1発明は、回転子に関する。
本発明の回転子は、円筒形状の回転子コアを有している。そして、軸方向に沿って、回転子コアの両側に、端部部材とバランスウェイトが順に配置されている。端部部材は、例えば、かご型回転子のエンドリングが対応する。エンドリングは、回転子コアに軸方向に沿って延びるように設けられている複数の導体バーの端部同士を接続する。この場合、導体バーとエンドリングは、好適には、アルミダイキャストによって一体成形される。バランスウェイトは、例えば、鉄、鉛、真鍮等によって形成される。
バランスウェイトには、2つの孔が形成されている。各孔は、好適には、軸方向に貫通するように形成される。また、端部部材には、回転子コアと反対側に、バランスウェイトに形成されている2つの孔それぞれに挿入可能な2つの突部が形成されている。軸方向に直角な断面で見て、突部の外周面と、当該突部が挿入される孔の内周面は、同じ形状(「略同じ形状」を含む)を有している。そして、バランスウェイトに形成されている孔に端部部材に形成されている突部が挿入されることで、バランスウェイトが端部部材に取り付けられる(固定される)。好適には、突部を孔に挿入した状態でかしめる(例えば、突部の先端部を加圧して突部の外周面を孔の内周面に密着させる)ことによって、バランスウェイトを端部部材に取り付ける方法が用いられる。
本発明では、軸方向に直角な断面で見て、突部の外周面および孔の内周面は、2つの曲線(胴の部分を形成する第1の曲線、頭の部分を形成する第2の曲線)が接続されて形成されている雪だるま形状を有している。2つの曲線としては、好適には円形が用いられる。もちろん、円形以外の種々の曲線を用いることができる。また、2つの曲線としては、例えば、形状および大きさが同じ(「略同じ」を含む)第1および第2の曲線(例えば、直径が同じ円形)、形状は同じ(「略同じ」を含む)であるが大きさが異なる第1および第2の曲線(例えば、直径が異なる円形)、形状が異なる第1および第2の曲線(例えば、円形と楕円形)を用いることができる。2つの突部の外周面は、遠心力が両突部に均等に印加されるように、同じ大きさで同じ形状(「略同じ大きさで略同じ形状」を含む)に形成するのが好ましい。2つの孔の内周面も、同じ大きさで同じ形状に形成するのが好ましい。雪だるま形状としては、2つの曲線の接続点を結ぶ線に交差する方向(例えば、直交する方向)に延びる線対称中心線を中心として線対称な雪だるま形状を用いるのが好ましい。この場合、雪だるま形状の線対称中心線とU字形状の線対称中心線との間の角度は、0度(雪だるま形状の線対称中心線がU字形状の線対称中心線と平行)を含めて任意の角度に設定することができる。雪だるま形状の線対称中心線とU字形状の線対称中心線との間の角度を変更することによって、各突部の遠心力印加部の位置および長さを変更することができる。雪だるま形状の線対称中心線とU字形状の線対称中心線との間の角度を0度以外の角度に設定する場合には、2つの突部(2つの孔)を、それぞれの外周面(内周面)がU字形状の線対称中心線を中心に線対称となるように形成するのが好ましい。
「突部の遠心力印加部」は、軸方向に直角な断面で見て、突部の外周面を形成する各曲線の外周面のうち、バランスウェイトに作用する遠心力の印加方向(バランスウェイトの各部に作用する遠心力ベクトルを合成した合成遠心力ベクトルの方向)側の部分であり、「突部の遠心力印加部の長さ」は、その部分の周方向に沿った長さである。
本発明では、バランスウェイトに2つの孔を形成しているため、バランスウェイトの軸方向の長さの増大量を低減することができる。また、各突部の遠心力印加部の長さを任意に変更することができる。したがって、軸方向に沿った長さの増大を抑制しながら、バランスウェイトを端部部材に取り付けるための突部の損傷を防止することができる。
第1発明の異なる形態では、回転子コアの直径Lが、[83mm≦L≦85mm]の範囲内、各突部の軸方向に直角な断面積の合計Sが、[S>190mm ]の範囲内、軸方向に直角な断面で見て、各突部の遠心力印加部の長さの合計Tが、[T>34mm]の範囲内に設定されている。
なお、[190mm ]および[34mm]は、図7に示されている、2つの円形の孔および突部を有する従来の回転子コアの直径Lが[83mm≦L≦85mm]の範囲内に設定される場合に、バランスウェイトの厚さを設定値以下に抑えた状態で形成可能な突部の断面積の合計の最大値および遠心力印加部の長さの合計の最大値である。
本発明では、2つの突部の遠心力印加部の長さの合計が、従来の回転子に形成可能な2つの円形の突部の遠心力印加部の長さの合計の最大値より大きいため、遠心力が突部に作用する箇所を分散させることができ、遠心力が突部の一部に集中的に作用するのを防止することができる。また、2つの突部の断面積の合計が、従来の回転子に形成可能な2つの円形の突部の断面積の合計の最大値より大きいため、遠心力に対する突部の強度(せん断強度)を高めることができる。
第1発明の異なる他の形態では、回転子コアの直径Lが、[88mm≦L≦90mm]の範囲内、各突部の軸方向に直角な断面積の合計Sが、[S>154mm]の範囲内、軸方向に直角な断面で見て、各突部の遠心力印加部の長さの合計Tが、[T>31mm]の範囲内に設定されている。
なお、[154mm]および[31mm]は、図7に示されている、2つの円形の孔および突部を有する従来の回転子コアの直径Lが、[88mm≦L≦90mm]の範囲内に設定される場合に、バランスウェイトの厚さを設定値以下に抑えた状態で形成可能な突部の断面積の合計の最大値および遠心力印加部の長さの合計の最大値である。
本形態は、前記形態と同様の効果を有する。
第1発明の異なる他の形態では、バランスウェイトは、軸方向に直角な断面で見て、線対称なU字形状を有している。また、2つの孔は、U字形状の線対称中心線を挟んで対向する位置に形成されている。
本形態では、回転子のアンバランス荷重を安定して抑制することができる。また、遠心力が一方の突部に集中して作用するのを防止することができる。
第1発明の異なる他の形態では、軸方向に直角な断面で見て、2つの孔は、U字形状の線対称中心線を中心に線対称に形成されている。
本形態では、回転子のアンバランス荷重をより安定して抑制することができる。また、遠心力が一方の突部に集中して作用するのをより防止することができる。
第1発明の異なる他の形態では、2つの孔は、U字形状の先端部に形成されている。
本形態では、孔がU字形状の先端部に形成されているため、孔をU字形状の中央部に形成する場合に比べて、バランスウェイトの重量の増大量(補償量)を低減することができる。これにより、バランスウェイトの厚さ(軸方向の長さ)の増大量を低減することができる。したがって、回転子の軸方向に沿った長さが長くなるのを抑制することができる。
第1発明の異なる他の形態では、軸方向に直角な断面で見て、各孔は、U字形状の線対称中心線と直交し、回転子コアの中心点を通る線を跨ぐように形成されている。「孔が、U字形状の線対称中心線と直交し、回転子コアの中心点を通る線を跨ぐ」構成には、「孔の内周面を形成する曲線の接続点が、当該線上に配置される」態様あるいは「孔を形成する曲線の接続点以外の箇所が、当該線上に配置される」態様が含まれる。例えば、孔の内周面が、2つの曲線が接続されて形成されている雪だるま形状を有している場合には、「一方の曲線で形成されている部分(例えば、頭の部分)が、当該線よりU字形状の中央部側に配置され、他方の曲線で形成されている部分(例えば、胴の部分)が、当該線よりU字形状の中央部と反対側に配置される」態様、あるいは、「一方の曲線で形成されている部分の一部が、当該線よりU字形状の中央部側に配置され、一方の曲線で形成されている部分の残りの部分および他方の曲線で形成されている部分が、当該線よりU字形状の中央部分と反対側に配置される」態様を用いることができる。
なお、バランスウェイトのU字形状の線対称中心線と直交し、回転子コアの中心点を通る線よりU字形状の中央部と反対側の部分は、U字形状の中央部側の部分による、回転子のアンバランス荷重の抑制効果を打ち消すように作用する。ここで、バランスウェイトのU字形状の線対称中心線と直交し、回転子コアの中心点を通る線の近傍の部分は、バランスウェイトのアンバランス荷重の抑制に対する影響は小さい。このため、本形態では、各孔の全部を、バランスウェイトのU字形状の線対称中心線と直交し、回転子コアの中心点を通る線よりU字形状の中央部側に形成する場合に比べて、バランスウェイトの重量の増大量(補償量)を低減することができ、バランスウェイトの厚さの増大量を低減することができる。したがって、回転子の軸方向に沿った長さが長くなるのをより防止することができる。
第2発明は、電動機に関する。
本発明の電動機は、固定子、固定子に対して相対的に回転可能に支持されている回転子を備えている。そして、回転子として前述した回転子のいずれかが用いられている。
本発明の電動機は、前述した回転子の効果を有している。
第2発明の異なる形態では、回転子は、回転子コア内に設けられている複数のロータバーの端部が端部部材によって接続されているかご型回転子として構成されている。
第3発明は、圧縮機に関する。
本発明の圧縮機は、前述した電動機のいずれかにより駆動される。
本発明の圧縮機は、前述した回転子の効果を有している。
第1発明の回転子、第2発明の電動機、第3発明の圧縮機を用いることにより、軸方向に沿った長さの増大を抑制しながら、バランスウェイトを端部部材に取り付けるための突部の損傷を防止することができる。
圧縮機の縦断面図である。 圧縮機に用いられている電動機の回転子の縦断面図である。 第1の実施の形態の回転子を、図2の矢印III方向から見た図である。 図3のIV−IV線矢視図である。 第2の実施の形態の回転子を、図2の矢印III方向から見た図である。 第3の実施の形態の回転子を、図2の矢印III方向から見た図である。 従来の回転子を、図2の矢印III方向から見た図である。 従来の回転子の変更例を、図2の矢印III方向から見た図である。
以下に、本発明の実際の形態を、図面を参照して説明する。以下では、かご型回転子を有する誘導電動機を駆動電動機として用いた圧縮機について説明する。勿論、本発明の回転子は、かご型回転子以外の回転子として構成することができる。また、誘導電動機以外の電動機として構成することができる。また、圧縮機以外の機器を駆動することができる。
本発明の圧縮機10の概略構成を、図1、図2に示す。なお、図1は圧縮機10の縦断面図である。また、図2は、図1に示した電動機30の回転子の縦断面図である。
圧縮機10は、圧縮機構部20、電動機30、アキュムレータ90等により構成されている。圧縮機構部20と電動機30は、密閉容器11内に配置されている。密閉容器11には、吸入口91と、吐出口12が設けられている。
アキュムレータ90は、冷却媒体(例えば、冷却ガス)と潤滑油を分離する。アキュムレータ90で分離された冷却媒体は、吸入口91を介して圧縮機構部20に戻る。また、アキュムレータ90で分離された潤滑油は、潤滑油溜め25に戻る。
圧縮機構部20は、シリンダ21と、軸受13、14により支持されている回転軸80により駆動される偏心ロータ22を有している。圧縮機構部20は、偏心ロータ22が回転することによって、吸入口91から吸入した冷却媒体をシリンダ21内で圧縮する。
圧縮機構部20で圧縮された冷却媒体は、電動機30の固定子コア40に形成されている切欠部、回転子コア50に形成されている通路孔、固定子コア40と回転子コア50との間の間隙(ギャップ)等を通り、吐出口12から吐出される。
また、回転軸80の回転によって、潤滑油溜め25に貯留されている潤滑油が圧縮機構部20の摺動部に供給される。各摺動部を潤滑した潤滑油は、潤滑油留め25に戻される。
図1に示す圧縮機10では、冷却媒体と潤滑油が混在した媒体が吐出口12から吐出される。
なお、本明細書では、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、回転子コアの中心線Pに平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。また、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向に直角な断面で見て(軸方向に直角な方向から見て)、回転子コアの中心線(中心点)Pを中心とする円に沿った方向を「周方向」と呼び、回転子コアの中心線(中心点)Pを通る線に沿った方向を「径方向」と呼ぶ。
電動機30は、固定子と回転子を備えている。
固定子は、固定子コア40と固定子巻線41を有している。固定子コア40は、薄い板状の電磁鋼板を複数枚積層して構成されている。固定子コア40は、内周側にティースが形成され、外周側に切欠部が形成されている。ティースの先端側のティース先端面によって、回転子を収容する回転子収用空間が形成されている。そして、周方向に沿って隣接するティースによってスロットが形成され、スロット内に固定子巻線41が挿入されている。固定子巻線41は、例えば、分布巻方式や集中巻方式によって、スロット内に挿入される。固定子コアの切欠部によって、圧縮機構部20で圧縮された冷却媒体が通過する通路が形成される。
回転子は、回転子コア50、エンドリング60、バランスウェイト70、回転軸80を有している。
回転子コア50は、板状の電磁鋼板を複数枚積層して構成される。回転子コア50は、回転子コア50の中心点Pを中心とする円形形状の内周面50aと外周面50bを有する円筒形状に形成されている。回転子コア50の内周面50aによって、回転軸80が挿入される回転軸挿入孔が形成されている。回転軸80は、「圧入方法」や「焼ばめ方法」等によって回転軸挿入孔に挿入される。回転子コアは、外周面50bと固定子コアに形成されているティースのティース先端面との間に間隔(ギャップ)を有している状態で固定子コア40に対して回転可能に支持される。
エンドリング60は、回転子コア50の軸方向両側に配置される。本実施の形態では、エンドリング60は、軸方向に直角な断面で見て、回転子コア50の端面内に収まるリング形状に形成されている(図3参照)。
なお、図示を省略しているが、回転子コア50には、外周側に、周方向に沿って間隔をあけて、軸方向に沿って延びる複数の導電バーが設けられている。そして、導電バーの端部が、エンドリング60で接続されることによって、かご型回転子が構成されている。本実施の形態では、回転子コア50の外周側に、周方向に沿って間隔をあけて、軸方向に沿って延びている貫通孔を形成し、アルミダイキャストによって、貫通孔内に配置された導電バーと回転子コア50の軸方向両側に配置されたエンドリング60を一体成形している。
エンドリング60が、本発明の「端部部材」に対応する。
バランスウェイト70は、軸方向(図1および図2の上下方向)に沿って、エンドリング60より回転子コア50と反対側に配置されている。バランスウェイト70は、鉄、鉛、真鍮等によって形成される。
バランスウェイト70は、軸方向に直角な断面で見て、U字形状を有している(図3参照)。なお、回転子コア50の軸方向両側に配置されているバランスウェイト70は、軸方向に直角な方向から見て、それぞれのU字形状が、回転子コア50の中心点Pを中心として点対称となるように配置されている。
エンドリング60とバランスウェイト70には、バランスウェイト70をエンドリング60に取り付ける(固定する)取り付け手段(固定手段)が設けられている。取り付け手段は、バランスウェイト70に形成された孔と、エンドリング60に形成され、バランスウェイト70に形成された孔に挿入可能な突部により構成されている。
第1の実施の形態の回転子のエンドリング60とバランスウェイト70の構成を、図3および図4を参照して説明する。図3は、第1の実施の形態の回転子を、図2の矢印IIIの方向から見た図である。また、図4は、図3のIV−IV線矢視図である。
エンドリング60は、軸方向に直角な断面で見て、回転子コア50の中心点Pを中心とする円形形状の内周面60aと外周面60bを有するリング形状に形成されている。
バランスウェイト70は、軸方向に直角な断面で見て、内周面70a、外周面70b、端面70cおよび70dを有するU字形状に形成されている。バランスウェイト70のU字形状は、回転子コア50の中心点Pを通る線対称中心線Mを中心として線対称に形成されている。なお、本実施の形態では、後述するように、孔71および72が、線対称中心線Mと直交し、回転子コア50の中心点Pを通る線Nを跨ぐように形成されているため、内周面70aおよび外周面70bは、回転子コア50の中心点Pを中心とする半円形状ではなく、線NよりU字形状の中央部と反対側に延びている。
バランスウェイト70には、U字形状の両端部の位置それぞれに、2つの孔71(第1の孔)と72(第2の孔)が形成されている。
孔71と72は、軸方向に直角な断面で見て、内周面が、少なくとも2つの曲線を接続した非円形形状に形成される。本実施の形態では、孔71と72は、内周面が、第1の円と第2の円を接続した雪だるま形状に形成されている。すなわち、孔71の内周面は、雪だるまの胴の部分(胴部)を形成する第1の円と、頭の部分(頭部)を形成する第2の円を有している。本実施の形態では、第1の円の直径と第2の円の直径が等しく(「略等しい」を含む)設定されている。孔72の内周面は、孔71の内周面と同じ寸法で同じ形状(「略同じ寸法で略同じ形状」を含む)を有している。
本実施の形態では、孔71(72)の内周面の非円形形状は、第1の円と第2の円との接続点を結ぶ線に直交する方向(交差する方向)に延びる線対称中心線Qを中心とする線対称な形状に形成されている。そして、孔71(72)は、内周面の非円形形状の線対称中心線Qがバランスウェイト60のU字形状の線対称中心線Mと平行(「略平行」を含む)となるように形成されている。
また、孔71(72)の内周面を形成する第1の円と第2の円との接続点が、バランスウェイト70のU字形状の線対称中心線Mと直交し、回転子コア50の中心点Pを通る線N上に配置されるように形成されている。
バランスウェイト70に孔を形成した場合には、形成した孔によるバランスウェイト70の重量の低下を補償するために、バランスウェイト70の厚さ(図2および図4に示されている、軸方向の長さH)を厚くする必要がある。
ここで、バランスウェイト70のU字形状の端部(端面70c、70d)が、U字形状の線対称中心線Mと直交し、回転子コア50の中心点Pを通る線NよりU字形状の中央部と反対側に延びている場合、線NよりU字形状の中央部と反対側の部分は、線NよりU字形状の中央部側の部分による回転子のアンバランス荷重抑制効果を打ち消すように作用する。
しかしながら、線Nの近傍の部分(U字形状の端部の部分)は、U字形状の中央部の部分に比べて、回転子のアンバランス荷重の抑制に対する影響(アンバランス荷重抑制効果)が小さい。このため、バランスウェイト70のU字形状の端部が、線NよりU字形状の中央部と反対側に少し延びていても、バランスウェイト70全体の回転子のアンバランス荷重に対する抑制効果の低下量は小さい。
一方、孔71(72)の内周面71a(72a)を形成する第1の円を線NよりU字形状の中央部と反対側に配置することにより、回転子のバランス荷重の抑制に寄与する、線NよりU字形状の中央部側の部分の重量の減少量を少なくすることができる。
この場合、孔71(72)の内周面71a(72a)を形成する第1の円を線NよりU字形状の中央部と反対側に配置することに対するバランスウェイト70の重量の補償量は、U字形状の端部を線NよりU字形状の中央部と反対側に延ばすことに対するバランスウェイト70の重量の補償量より小さい(重量の増加量が少ない)。
したがって、バランスウェイト70の厚さ(軸方向の長さH)の増大量(補償量)を低減することができ、回転子の軸方向の長さが長くなるのを防止することができる。
エンドリング60には、軸方向に沿って、回転子コア50と反対側(バランスウェイト70側)に、バランスウェイト70に形成されている2つの孔71(第1の孔)と72(第2の孔)それぞれに挿入可能な2つの突部61(第1の突部)と62(第2の突部)が形成されている。
突部61と62は、軸方向に直角な断面で見て、外周面が、孔71および孔72の内周面と同様に、第1の円と第2の円を接続した非円形形状となるように形成されている。本実施の形態では、突部61は、外周面61aの形状が、第1の円61a1と第2の円61a2を接続した雪だるま形状に形成されている。すなわち、突部61の外周面61aは、雪だるまの胴の部分(胴部)を形成する第1の円61a1と、頭の部分(頭部)を形成する第2の円61a2を有している。本実施の形態では、第1の円61a1の直径と第2の円61a2の直径が等しく(「略等しい」を含む)設定されている。突部62の外周面62aは、突部61の外周面61aと同じ寸法、同じ形状を有している。
突部61(62)の外周面61a(62a)は、突部61(62)それぞれが孔71(72)に挿入可能となるように、孔71(72)の内周面と同じ大きさあるいは少し小さく形成されている。
バランスウェイト70は、バランスウェイト70に形成されている孔71および72それぞれに、エンドリング60に形成されている突部61および62が挿入されることでエンドリング60に取り付けられる(固定される)。
本実施の形態では、バランスウェイト70に形成されている孔71(72)にエンドリング60に形成されている突部61(62)を挿入した状態でかしめることによって、バランスウェイト70をエンドリング60に取り付けている(固定している)。すなわち、突部61(62)を孔71(72)に挿入した状態で、突部61(62)の先端部に押圧力を印加することによって、突部61(62)の外周面を拡げ、孔71(72)の内周面に密着させる。
本実施の形態では、遠心力F(バランスウェイト70の各部に作用する遠心力ベクトルを合成した合成遠心力ベクトル)は、軸方向に直角な断面で見て、突部61の外周面61aを形成する第1の円61a1の部分のうちの第1の遠心力印加部61A(周方向長さR11)、第2の円61a2の部分のうちの第2の遠心力印加部61B(周方向長さR12)および第3の遠心力印加部61C(周方向長さR13)に印加される。
同様に、遠心力Fは、軸方向に直角な断面で見て、突部62の外周面62aを形成する第1の円62a1の部分のうちの第1の遠心力印加部62A(周方向長さR11)、第2の円62a2の部分のうちの第2の遠心力印加部62B(周方向長さR12)および第3の遠心力印加部62C(周方向長さR13)に印加される。
第1の遠心力印加部61A、第2の遠心力印加部61Bおよび第3の遠心力印加部61Cが、本発明の「突部61の遠心力印加部」に対応し、第1の遠心力印加部62A、第2の遠心力印加部62Bおよび第3の遠心力印加部62Cが、本発明の「突部62の遠心力印加部」に対応する。
「突部の遠心力印加部」は、軸方向に直角な断面で見て、突部の外周面を形成する各曲線の外周面のうち、バランスウェイト70に作用する遠心力Fの印加方向(バランスウェイト70の各部に作用する遠心力ベクトルを合成した合成遠心力ベクトルの方向)側の部分である。具体的には、軸方向に直角な断面において、突部の外周面を形成する各曲線の外周面のうち、バランスウェイト70に作用する遠心力F(合成遠心力ベクトル)の印加方向から見える部分が対応する。例えば、図3において、突部61の外周面61aを形成する第1の円61a1の部分のうち、遠心力Fの印加方向側の部分(遠心力Fの印加方向から見える部分)61A、第2の円61a2の部分のうち、遠心力Fの印加方向側の部分(遠心力Fの印加方向から見える部分)61Bおよび61Cが、「突部61の遠心力印加部」である。
なお、「遠心力印加部の長さ」は、遠心力印加部の周方向に沿った長さであり、「突部の遠心力印加部の長さの合計」は、突部の各遠心力印加部の長さを合計した値である。本実施の形態では、突部61の外周面61aを形成する第1の円61a1および第2の円61a2、突部62の外周面62aを形成する第1の円62a1および第2の円62a2が、同じ直径の円形形状である。また、後述するように、突部61および62の非円形形状の線対称中心線Qが、U字形状の線対称中心線Mと平行である。このため、突部61の第1の遠心力印加部61Aの長さと突部62の第1の遠心力印加部62Aの長さが等しく、突部61の第2の遠心力印加部61Bおよび第3の遠心力印加部61Cの長さと突部62の第2の遠心力印加部62Bおよび第3の遠心力印加部62Cの長さが等しい。したがって、突部61の遠心力印加部の長さの合計は、突部62の遠心力印加部の長さの合計に等しい。
また、突部61(62)の軸方向に直角な断面積S11は、直径D11の第1の円61a1(62a1)と直径D12(=D11)の第2の円61a2(62a2)で囲まれる領域の面積である。
ここで、図7に示されている、2つの円形の突部361、362および円形の孔371、372を有する従来の回転子では、遠心力Fは、突部361の遠心力印加部361Aおよび突部362の遠心力印加部362Aに作用する。遠心力印加部361Aおよび362Aは、D311を直径とする円の一部(円弧)である。遠心力印加部361Aおよび362Aの長さ(周方向に沿った長さ)R311の合計は、突部361および362に作用する遠心力Fの集中度合い(分散度合)を表す。遠心力印加部361Aおよび362Aの長さの合計が小さいと、遠心力Fが突部361および362の所定箇所に集中して作用し、遠心力印加部361Aおよび362Aの長さの合計が大きいと、遠心力Fが突部361および362に分散して作用する。
また、突部361および362の軸方向に直角な断面積S311は、遠心力Fに対する突部361および362の強度(せん断強度)を表す。突部361および362の断面積S311が小さいと、突部361および362のせん断強度が小さく、突部361および362の断面積S311が大きいと、突部361および362の強度(せん断強度)が大きい。
図7に示されている従来の回転子において、エンドリング360に形成される突部361の遠心力印加部361Aの長さおよび突部362の遠心力印加部362Aの長さの合計の最大値、突部361の断面積および突部362の断面積の合計の最大値は、エンドリング360に形成可能な突部361および362の直径の最大値によって定まる。エンドリング360に形成可能な突部361および362の直径の最大値は、回転子コア350の直径D(図2、図4参照)、エンドリング360の重量、突部361および362の外周面361aおよび362aとバランスウェイト370の内周面370a、外周面370b、端面370cおよび370dとの間の最少間隔(バランスウェイト370の強度を確保することができる間隔)によって定まる。ここで、エンドリング360の重量、突部361および362の外周面361aおよび362aとバランスウェイト370の内周面370a、外周面370b、端面370cおよび370dとの突部361、362との間の最少間隔は、回転子コア350の直径Dによって概略定まる。したがって、エンドリング360に形成される突部361の遠心力印加部361Aの長さおよび突部362の遠心力印加部362Aの長さの合計の最大値、突部361の断面積および突部362の断面積の合計の最大値は、回転子コア350の直径Dによって定まる。
図7に示されている従来の回転子において、2つの円形の突部361の遠心力印加部361Aの長さおよび突部362の遠心力印加部の362Aの長さの合計の最大値、突部361の断面積および突部362の断面積の合計の最大値は、回転子コア350の直径Lが[83mm≦L≦85mm]の範囲内である場合には、それぞれ[34mm]、[190mm]である。
また、回転子コア350の直径Lが[88mm≦L≦90mm]の範囲内である場合には、それぞれ[31mm]、[154mm]である。
本実施の形態では、回転子コアの直径Lが、[83mm≦L≦85mm]の範囲内である場合には、突部61の軸方向に直角な断面積および突部62の軸方向に直角な断面積の合計Sが、[S>190mm]の範囲内、軸方向に直角な断面で見て、突部61の遠心力印加部の長さ(第1〜第3の遠心力印加部61A〜61Cそれぞれの長さ)と突部62の遠心力印加部の長さ(第1〜第3の遠心力印加部62A〜62Cそれぞれの長さ)の合計Tが、[T>34mm]の範囲内に設定されている。
また、回転子コアの直径Lが、[88mm≦L≦90mm]の範囲内である場合には、突部61の軸方向に直角な断面積および突部62の軸方向に直角な断面積の合計Sが、[S>154mm]の範囲内、軸方向に直角な断面で見て、突部61の遠心力印加部の長さ(第1〜第3の遠心力印加部61A〜61Cそれぞれの長さ)と突部62の遠心力印加部の長さ(第1〜第3の遠心力印加部62A〜62Cそれぞれの長さ)の合計Tが、[T>31mm]の範囲内に設定されている。
本実施の形態では、2つの突部61、62と孔71、72を用いてバランスウェイト70をエンドリング60に取り付けているため、バランスウェイト70の厚さHの増大を抑制しながら(軸方向に沿った長さの増大を抑制しながら)、バランスウェイト70をエンドリング60に取り付けることができる。特に、孔71および72を、孔71および72の内周面を形成する第1の曲線と第2の曲線の接続点が、回転子コア50の中心点Pを通る線N上に配置されるように形成しているため、バランスウェイト70の厚さHの増大(軸方向に沿った長さの増大)をより抑制することができる。
また、突部61(62)の外周面61a(62a)の形状が、第1の曲線と第2の曲線を接続した非円形形状に形成されているとともに、突部(61、62)の遠心力印加部(61A〜61C、62A〜62C)の長さの合計および突部(61、62)の軸方向に直角な断面積の合計が、従来の、2つの円形の突部および孔を有している回転子における、突部の遠心力印加部の長さの合計の最大値および突部の軸方向に直角な断面積の合計の最大値より大きく設定されているため、回転子を高速で回転させた場合における突部(61、62)の損傷を防止することができる。
第1の実施の形態では、2つの突部の外周面および2つの孔の内周面を、直径が同じ第1の円と第2の円を接続した非円形形状に形成したが、直径が異なる第1の円と第2の円を接続した非円形形状に形成することもできる。
第2の実施の形態の回転子を図5に示す。図5は、第2の実施の形態の回転子を、図2の矢印III方向から見た図である。
本実施の形態は、2つの突部161、162と2つの孔171,172の構成およびバランスウェイトの形状が第1の実施の形態の回転子と同じである。
本実施の形態では、突部161(162)の外周面161a(162a)は、直径がD111である第1の円161a1(162a1)と、直径がD112(<D111)である第2の円161a2(162a2)を接続した非円形形状に形成されている。
孔171(172)の内周面は、突部161(162)の外周面161a(162a)と同様に、異なる直径の円を接続した非円形形状に形成されている。
また、本実施の形態では、孔171(172)の内周面の非円形形状は、第1の円と第2の円との接続点を結ぶ線に直交する方向(交差する方向)に延びる線対称中心線Qを中心に線対称な非円形形状に形成されている。そして、孔171(172)は、内周面の非円形形状の線対称中心線Qがバランスウェイト170のU字形状の線対称中心線Mに対して角度θ1傾斜するように形成されている。突部161(162)の傾斜方向は、直径が小さい第2の円161a2(162a2)が、直径が大きい第1の円161a1(162a1)よりU字形状の中央部側に配置されるように設定される。すなわち、孔171および172は、それぞれの内周面がバランスウェイト170のU字形状の線対称中心線Mを中心として線対称となるように形成されている。
突部161(162)も、孔171(172)と同様に外周面161a(162a)の非円形形状の線対称中心線がバランスウェイト170のU字形状の線対称中心線Mに対して傾斜するように形成されている。
なお、本実施の形態では、孔171(172)は、バランスウェイト170のU字形状の線対称中心線Mと直交し、中心線Pを通る線Nより、U字形状の中央部側に配置されるように形成されている。すなわち、バランスウェイト170の内周面170aおよび外周面170bは、回転子コア150の中心点Pを中心とする半円形状に形成されている。
本実施の形態では、突部161および162の遠心力印加部は、突部161の外周面161aを形成する第1の円161a1の部分のうちの第1の遠心力印加部161A(長さR111)および第2の円161a2の部分のうちの第2の遠心力印加部161B(長さR112)、突部162の外周面162aを形成する第1の円162a1の部分のうちの第1の遠心力印加部162A(長さR111)および第2の円162a2の部分のうちの第2の遠心力印加部161B(長さR112)である。
また、突部161(162)の軸方向に直角な断面積S111は、直径D111の第1の円161a1(162a1)と直径D112(<D111)の第2の円161a2(162a2)で囲まれる領域の面積である。
突部の遠心力印加部の長さの合計および突部の軸方向に直角な断面積の合計は、第1の実施の形態と同様の方法で設定される。
突部161(162)および孔171(172)の非円形形状の線対称中心線とバランスウェイトのU字形状の線対称中心線との間の角度は、適宜設定可能である。
例えば、図6に示されているように、孔271(272)は、内周面の非円形形状の線対称中心線Qがバランスウェイト270のU字形状の線対称中心線Mに対して角度θ2(>θ1)傾斜するように形成させることもできる。
本実施の形態では、突部261および262の遠心力印加部は、突部261の外周面261aを形成する第1の円261a1の部分のうちの第1の遠心力印加部261A(長さR211)および第2の円261a2の部分のうちの第2の遠心力印加部261B(長さR212)、突部262の外周面262aを形成する第1の円262a1の部分のうちの第1の遠心力印加部262A(長さR211)および第2の円262a2の部分のうちの第2の遠心力印加部262B(長さR212)である。
また、突部261(262)の軸方向に直角な断面積S211は、直径D211の第1の円261a1(262a1)と直径D212(<D211)の第2の円261a2(262a2)で囲まれる領域の面積である。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施の形態で説明した個々の構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数を組み合わせて用いることもできる。
バランスウェイトに形成する孔の内周面およびエンドリングに形成する突部の外周面の非円形形状として、同じ直径の第1の円形形状(円弧形状)と第2の円形形状(円弧形状)あるいは異なる直径の第1の円形形状(円弧形状)と第2の円形形状(円弧形状)を接続して形成した形状を用いたが、少なくとも2つの曲線を接続して形成した種々の非円形形状を用いることができる。すなわち、非円形形状を形成する曲線としては、円形形状を含む種々の形状の曲線を用いることができる。また、非円形形状は、同じ形状で同じ大きさの複数の曲線、同じ形状で異なる大きさの複数の曲線、形状および大きさが異なる複数の曲線を接続することによって形成することができる。
バランスウェイトのU字形状は、回転子コアの中心点を中心とする半円形状の内周面および外周面を有するU形状に限定されず、半円より短いあるいは半円より長い(例えば、図3に示されている)内周面および外周面を有するU字形状も包含される。
孔の内周面(突部の外周面)を形成する曲線の接続点が、バランスウェイトのU字形状の線対称中心線と直交し、回転子コアの中心点を通る線上に配置されるように(互いに接続される曲線の一方の曲線と他方の曲線が当該線を挟んで両側に配置されるように)孔(突部)を形成したが、孔の内周面(突部の外周面)が当該線を跨ぐように配置されていればよい。勿論、孔の内周面(突部の内周面)が、当該線よりU字形状の中央部側に配置されるように孔(突部)を形成することもできる。
バランスウェイトは、線対称中心線を中心とする線対称な形状に形成するのが好ましいが、線対称な形状でなくてもよい。
2つの孔(2つの突部)は、バランスウェイトの周方向の中心線(例えば、線対称中心線)を挟んで対向する位置に形成するのが好ましいが、2つの孔(2つの突部)を形成する位置は、適宜設定することができる。
2つの孔は、バランスウェイトの周方向に沿った端部の箇所に形成するのが好ましい。
2つの孔の内周面(2つの突部の外周面)は、線対称な形状に形成するのが好ましいが、2つの孔の内周面(2つの突部の外周面)の形状は、適宜設定可能である。
回転子コアの軸方向両側に配置される端部部材としてエンドリングを用いたが、端部部材は、エンドリングに限定されない。
かご型回転子を有する誘導電動機について説明したが、本発明は、かご型回転子以外の回転子を有する種々の電動機として構成することができる。
本発明は、バランスウェイトを有する回転子、バランスウェイトを有する回転子を備える電動機、バランスウェイトを有する回転子を備える電動機を駆動電動機として用いている圧縮機あるいは機器として構成することができる。
本発明は、
「円筒形状を有する回転子コアと、
軸方向に沿って、前記回転子コアの両側に配置される端部部材と、
軸方向に沿って、前記各端部部材より前記回転子コアと反対側に配置されるバランスウェイトを備え、
前記バランスウェイトには、2つの孔が形成されており、
前記端部部材には、前記回転子コアと反対側に、前記バランスウェイトに形成されている2つの孔それぞれに挿入可能な2つの突部が形成されており、
軸方向に直角な断面で見て、前記突部の外周面は、当該突部が挿入される前記孔の内周面と同じ形状を有しており、
前記バランスウェイトの2つの孔それぞれに前記端部部材の2つの突部が挿入されることで前記バランスウェイトが前記端部部材に取り付けられている回転子であって、
軸方向に直角な断面で見て、各突部の外周面および各孔の内周面は、少なくとも2つの曲線を接続して形成された非円形形状を有しており、
前記回転子コアの直径Lが[83mm≦L≦85mm]、各突部の軸方向に直角な断面積の合計Sが[S>190mm ]、軸方向に直角な断面で見て、各突部の遠心力印加部の長さの合計Tが[T>34mm]に設定されていることを特徴とする回転子。」(態様1)として構成することができる。
また、本発明は、
「円筒形状を有する回転子コアと、
軸方向に沿って、前記回転子コアの両側に配置される端部部材と、
軸方向に沿って、前記各端部部材より前記回転子コアと反対側に配置されるバランスウェイトを備え、
前記バランスウェイトには、2つの孔が形成されており、
前記端部部材には、前記回転子コアと反対側に、前記バランスウェイトに形成されている2つの孔それぞれに挿入可能な2つの突部が形成されており、
軸方向に直角な断面で見て、前記突部の外周面は、当該突部が挿入される前記孔の内周面と同じ形状を有しており、
前記バランスウェイトの2つの孔それぞれに前記端部部材の2つの突部が挿入されることで前記バランスウェイトが前記端部部材に取り付けられている回転子であって、
軸方向に直角な断面で見て、各突部の外周面および各孔の内周面は、少なくとも2つの曲線を接続して形成された非円形形状を有しており、
前記回転子コアの直径Lが[88mm≦L≦90mm]、各突部の軸方向に直角な断面積の合計Sが[S>154mm ]、軸方向に直角な断面で見て、各突部の遠心力印加部の長さの合計Tが[T>31mm]に設定されていることを特徴とする回転子。」(態様2)として構成することができる。
また、本発明は、「態様1または2の回転子であって、前記バランスウェイトは、軸方向に直角な断面で見て、線対称なU字形状を有しているとともに、前記2つの孔は、前記U字形状の線対称中心線を挟んで対向する位置に形成されていることを特徴とする回転子。」(態様3)として構成することができる。
また、本発明は、「態様3の回転子であって、軸方向に直角な断面で見て、前記2つの孔は、前記U字形状の前記線対称中心線を中心に線対称に形成されていることを特徴とする回転子。」(態様4)として構成することができる。
また、本発明は、「態様3または4の回転子であって、前記2つの孔は、前記U字形状の先端部に形成されていることを特徴とする回転子。」(態様5)として構成することができる。
また、本発明は、「態様1〜5のうちのいずれかの回転子であって、軸方向に直角な断面で見て、前記各突部の外周面および前記各孔の内周面は、2つの曲線が接続されて形成されている雪だるま形状を有していることを特徴とする回転子。」(態様6)として構成することができる。
また、本発明は、態様3〜6のうちのいずれかの回転子であって、軸方向に直角な断面で見て、前記各孔は、前記U字形状の線対称中心線と直交し、前記回転子コアの中心点を通る線を跨ぐように形成されていることを特徴とする回転子。」(態様7)として構成することができる。
また、本発明は、「固定子と、前記固定子に対して相対的に回転可能に支持されている回転子を備える電動機であって、前記回転子として態様1〜7のうちのいずれかの回転子が用いられていることを特徴とする電動機。」(態様8)として構成することができる。
また、本発明は、「態様8の電動機であって、前記回転子は、前記回転子コア内に設けられている複数のロータバーが前記端部部材によって接続されているかご型回転子として構成されていることを特徴とする電動機。」(態様9)として構成することができる。
また、本発明は、「電動機により駆動される圧縮機であって、前記電動機として態様8または9の電動機が用いられていることを特徴とする圧縮機。」(態様10)として構成することができる。
10 圧縮機
11 密閉ケース
12 吐出口
13、14 軸受
20 圧縮機構部
21 シリンダ
22 偏心ロータ
25 潤滑油溜め
30 電動機
40 固定子コア
41 固定子巻線
50、150、250、350、450 回転子コア
50a、150a、250a、350a、450a 内周面
50b、150b、250b、350b、450b 外周面
60、160、260、360、460 エンドリング(端部部材)
60a、160a、260a、360a、460a 内周面
60b、160b、260b、360b、460b 外周面
61、62、161、162、261、262、361、362、461、462、463 突部
61a、62a、161a、162a、261a、262a361a、362a、461a、462a、463a 外周面
61a1、62a1、161a1、162a1、261a1、262a1 第1の外周面
61a2、62a2、161a2、162a2、261a2、262a2 第2の外周面
61A、61B、61C、62A、62B、62C、161A、161B、162A、162B、261A、261B、262A、262B、361A、362A、461A、462A、463A 遠心力印加部
70、170、270、370、470 バランスウェイト
70a、170a、270a、370a、470a 内周面
70b、170b、270b、370b、470b 外周面
70c、70d、170c、170d、270c、270d、370c、370d、470c、470d 端面
71、72、171、172、271、272、371、372、471、472、473 孔
80 回転軸

Claims (10)

  1. 円筒形状を有する回転子コアと、
    軸方向に沿って、前記回転子コアの両側に配置される端部部材と、
    軸方向に沿って、前記各端部部材より前記回転子コアと反対側に配置されるバランスウェイトを備え、
    前記バランスウェイトには、2つの孔が形成されており、
    前記端部部材には、前記回転子コアと反対側に、前記バランスウェイトに形成されている2つの孔それぞれに挿入可能な2つの突部が形成されており、
    軸方向に直角な断面で見て、前記突部の外周面は、当該突部が挿入される前記孔の内周面と同じ形状を有しており、
    前記バランスウェイトの2つの孔それぞれに前記端部部材の2つの突部が挿入されることで前記バランスウェイトが前記端部部材に取り付けられている回転子であって、
    軸方向に直角な断面で見て、各突部の外周面および各孔の内周面は、2つの曲線が接続されて形成されている雪だるま形状を有していることを特徴とする回転子。
  2. 請求項1に記載の回転子であって、
    前記回転子コアの直径Lが[83mm≦L≦85mm]、各突部の軸方向に直角な断面積の合計Sが[S>190mm ]、軸方向に直角な断面で見て、各突部の遠心力印加部の長さの合計Tが[T>34mm]に設定されていることを特徴とする回転子。
  3. 請求項1に記載の回転子であって、
    前記回転子コアの直径Lが[88mm≦L≦90mm]、各突部の軸方向に直角な断面積の合計Sが[S>154mm ]、軸方向に直角な断面で見て、各突部の遠心力印加部の長さの合計Tが[T>31mm]に設定されていることを特徴とする回転子。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の回転子であって、
    前記バランスウェイトは、軸方向に直角な断面で見て、線対称なU字形状を有しているとともに、前記2つの孔は、前記U字形状の線対称中心線を挟んで対向する位置に形成されていることを特徴とする回転子。
  5. 請求項に記載の回転子であって、
    軸方向に直角な断面で見て、前記2つの孔は、前記U字形状の前記線対称中心線を中心に線対称に形成されていることを特徴とする回転子。
  6. 請求項またはに記載の回転子であって、
    前記2つの孔は、前記U字形状の先端部に形成されていることを特徴とする回転子。
  7. 請求項〜6のうちのいずれか一項に記載の回転子であって、
    軸方向に直角な断面で見て、前記各孔は、前記U字形状の線対称中心線と直交し、前記回転子コアの中心点を通る線を跨ぐように形成されていることを特徴とする回転子。
  8. 固定子と、前記固定子に対して相対的に回転可能に支持されている回転子を備える電動機であって、
    前記回転子として請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の回転子が用いられていることを特徴とする電動機。
  9. 請求項8に記載の電動機であって、
    前記回転子は、前記回転子コア内に設けられている複数のロータバーが前記端部部材によって接続されているかご型回転子として構成されていることを特徴とする電動機。
  10. 電動機により駆動される圧縮機であって、
    前記電動機として請求項8または9に記載の電動機が用いられていることを特徴とする圧縮機。


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