JP2020065322A - 振動発電素子および振動発電装置 - Google Patents

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大輔 穴井
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Abstract

【課題】錘を高精度に装着することができる振動発電素子の提供。【解決手段】振動発電素子1は、複数の櫛歯電極110を有する固定電極部111と、複数の櫛歯電極120を有する可動電極部12と、可動電極部12を弾性支持する弾性支持部13と、可動電極部12に固定される錘10a,10bと、錘10a,10bを可動電極部12に位置決めする位置決め機構としての貫通孔100、122とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、振動発電素子および振動発電装置に関する。
近年、MEMS技術を利用した非常に小型の振動発電素子が開発されている。例えば、特許文献1では、櫛歯電極が形成された固定電極部に対して櫛歯電極が形成された可動電極部を振動させることで発電を行うようにしている。このような振動発電素子においては、小さな環境振動でも効率良く発電するために可動電極部の質量をより大きくすることが重要であり、特許文献1に記載の振動発電素子では可動部上に別途形成された錘を装着する構造としている。
特許6338071号公報
ところで、振動発電素子は非常に小さいため、錘が予め決められた固定位置からわずかにずれた場合でも振動発電素子の振動状態に悪影響を与えてしまうという問題があった。
本発明の第1の態様による振動発電素子は、複数の櫛歯電極を有する固定電極部と、 複数の櫛歯電極を有する可動電極部と、前記可動電極部を弾性支持する支持部と、前記可動電極部に固定される錘と、前記錘を前記可動電極部に位置決めする位置決め機構とを備える、振動発電素子。
本発明の第2の態様による振動発電装置は、前記振動発電素子と、前記振動発電素子を真空封止する筐体とを備える。
本発明によれば、錘を高精度に装着することができる。
図1は、真空パッケージに封入された振動発電素子を示す図である。 図2は、振動発電素子の各部の構成を示す図である。 図3は、振動平面内における重心位置のずれを説明する図である。 図4は、振動平面に垂直な方向の位置ずれを説明する図である。 図5は、錘の可動電極部への装着手順を示す図である。 図6は、錘の可動電極部への装着手順の内、図5に続く工程を示す図である。 図7は、振動発電素子のMEMS加工体の形成手順の一例を示す図である。 図8は、MEMS加工体の形成手順の図7に続く工程を示す図である。 図9は、位置決め機構の変形例を示す図である。 図10は、係合部形状を示す図である。 図11は、位置決めピンを取り去らない構成を説明する図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は真空状態のパッケージ2内に封入された振動発電素子1を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はA−A断面図である。なお、図1(a)の平面図ではパッケージ2の内部構造が分かるように、パッケージ2の上面側(z軸正方向側)に設けられた上蓋3の図示を省略した。
振動発電素子1は、固定部11と、可動電極部12と、可動電極部12を弾性支持する弾性支持部13と、可動電極部12の表裏両面に固着された一対の錘10a,10bとを備えている。振動発電素子1の固定部11は、ダイボンドによりパッケージ2に固定される。パッケージ2は、例えば、電気絶縁性の材料(例えば、セラミックス)で形成されている。パッケージ2の上端には、パッケージ2内を真空封入するための上蓋3がシーム溶接される。
固定部11上には固定電極部111が形成され、その固定電極部111には、x軸方向に延びる櫛歯電極110がy軸方向に複数形成されている。可動電極部12には、x軸方向に延びる櫛歯電極120がy軸方向に複数形成されている。櫛歯電極110と櫛歯電極120とは、隙間を介して互いに噛合するように配置されている。固定電極部111には電極パッド112が形成されている。可動電極部12は、固定部11上に形成された接続部114に弾性支持部13を介して機械的および電気的に接続されている。接続部114には電極パッド113が形成されている。電極パッド112,113は、ワイヤー22によってパッケージ2に設けられた電極21a,21bに接続されている。本実施の形態では可動電極部12はx軸方向に振動するように構成されており、可動電極部12がx軸方向に振動すると、固定電極部111の櫛歯電極110に対する櫛歯電極120の挿入量が変化して発電が行われる。
図2は振動発電素子1の各部の構成を示す図である。後述するように、振動発電素子1は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて一般的なMEMS加工技術により形成される。SOI基板はSiの支持層とSiOのボックス層とSiの活性層とから成る3層構造の基板であり、固定部11は支持層により形成され、固定電極部111、可動電極部12、弾性支持部13および接続部114は活性層により形成される。
図2(a)は、振動発電素子1のMEMS加工体、すなわち錘10a,10bを固着する前の振動発電素子1を示す図である。図2(a)では、固定部11上の固定電極部111と、可動電極部12,弾性支持部13および接続部114とをハッチングを施して示した。可動電極部12は4組の弾性支持部13によって弾性支持されている。各弾性支持部13は、弾性変形可能な3本のビーム13a〜13cを備えている。可動電極部12には、錘10a,10bを装着する際の位置決め用に使用される貫通孔122が形成されている。図2(a)に示す例では、貫通孔122は2つ形成されている。
接続部114は、可動電極部12のx軸方向振動の範囲を制限する制限部としても機能する。接続部114の可動電極部12に対向する面には、突起114aが形成されている。可動電極部12のx軸方向端面が接続部114の突起114aに衝突することによって、可動電極部12の振動の振幅が制限される。なお、図2(a)では突起を接続部114に形成したが、可動電極部12側に形成しても良い。
図2(b)は、振動発電素子1の固定部11のみを示す図である。図2(b)の固定部11上に示したハッチング領域11Cは、固定電極部111が固定されている領域を示す。ビーム13aの端部は固定部11上に固定される。図2(b)の固定部11上に示したハッチング領域11Aは、ビーム13aの端部が固定されている領域を示す。ビーム13cの端部は、固定部11上に形成された接続部114に接続されている。図2(b)の固定部11上に示したハッチング領域11Bは、接続部114が固定されている領域を示す。
本実施の形態の振動発電素子1では、可動電極部12の質量を増やして発電効率をより向上させるために別体の錘10a,10bを可動電極部12に装着するようにしている。錘10a,10bの材料には、小さな体積でも大きな質量が得らえるようにSOI基板よりも比重の大きな材料が使用される。例えば、タングステン(比重19.25)、快削銅(比重8.94)、ステンレス鋼(比重7.93)や、メタルインジェクション法により形成されるタングステン部材(比重13〜17)等の金属や、タングステン樹脂(比重11〜13)のように樹脂に金属材を混入したものなどが用いられる。
上述のように、別に形成された錘10a,10bを可動電極部12に装着する構成の場合、可動電極部12に装着した際の錘10a,10bの重心位置のずれが弾性支持部13の寿命に大きな影響を与えることが判った。図3および図4は、錘10a,10bの重心位置のずれの影響を説明する図である。図3は振動平面内(図1のxy平面内)での位置ずれを説明する図で、図4は振動平面に垂直な方向(図1のz軸方向)の位置ずれを説明する図である。
図3において、(a)は位置決めが適切に行われている場合を示し、(b)は位置決めが不適切な場合を示す。図3では錘10a,10bの図示を省略し、錘10a,10bの重心位置のみを符号Gで示した。なお、錘10a,10bの一方を装着した場合においても同様の議論が成り立つ。図3(a),(b)において、ラインL1は接続部114の突起114aの先端を通り振動方向(x軸方向)に平行な直線である。図3(a)に示す例では、xy平面上における錘10a,10bの重心位置GはラインL1上に位置している。そのため、振動により錘10a,10bの重心に働く力F1の方向は、ラインL1に沿った方向となっている。可動電極部12が接続部114の突起114aに衝突すると突起114aから可動電極部12に対して反作用の力F2が働くが、F1とF2は向きは逆であるが方向はラインL1に沿った方向である。そのため、可動電極部12をxy面内で傾けるようなモーメントは発生しない。
なお、可動電極部12はラインL1に対して線対称にyプラス方向とyマイナス方向に可動櫛歯群が設けられており、質量に関してもラインL1に対して線対称となっている。したがって、ラインL1は可動電極部12の可動電極群が線対称となる基準線と定義することもできる。
一方、図3(b)に示す位置決めが不適切な場合、錘10a,10bの重心位置GはラインL1に対してy軸負方向に位置ずれしている。そのため、可動電極部12が接続部114の突起114aに衝突すると、力F1および力F2を表すベクトルが同一ラインに沿った力ではないため可動電極部12を矢印のように傾けるようなモーメントが作用し、可動電極部12がxy面内で傾くことになる。その結果、ビーム13bに意図しない変形が生じビーム破損の原因となる。
振動平面に垂直な方向の位置ずれを説明する図4は、図3(a)のラインL1に沿ったxz断面を示したものである。図4は衝突時の状態を示す図であって、図4(a)は錘10a,10bの合計質量の重心位置GがラインL1上にある場合を示し、図4(b)は重心位置GがラインL1よりも図示下側(z軸負方向側)にある場合を示す。
錘10a,10bが同一材料かつ同一形状である場合には、それぞれの重心位置G1,G2の可動電極部12からの高さ寸法は同一となる。そのため、xy平面上における重心位置G1,G2の位置ずれがあった場合でも、錘10a,10bの合計質量の重心位置GはラインL1を含むxy平面上に位置することになり、可動電極部12が接続部114の突起114aに衝突した際にモーメントは発生しない。
ただし、錘10a,10bの形状が互いに異なる等の理由で、図4(b)に示すように合計質量の重心位置GがラインL1に対してz軸方向に位置ずれしていた場合、可動電極部12に対する錘10a,10bのxy方向の位置決めが適正であっても、可動電極部12が接続部114の突起114aに衝突した際に可動電極部12を矢印のように傾けるようなモーメントが発生して、ビーム13bに意図しない変形が生じることになる。
本実施の形態では、可動電極部12に対して錘10a,10bを予め設定した適正なxy位置に位置決めするための位置決め機構として、可動電極部12および錘10a,10bに位置決めピン用の貫通孔122,100(図1参照)を形成するようにした。また、図1(b)のように可動電極部12の表裏両面に錘10a,10bを装着する場合には、z方向の重心位置GのラインL1からのずれを防止するために、錘10a,10bの重心位置G1,G1の可動電極部12からの高さが等しくなるように設定する。すなわち、重心位置G1,G1が可動電極部12に対して対称な位置となり、合計質量の重心位置GがラインL1上となるように、錘10a,10bを設定する。
錘10a,10bは同一材料で同一の形状で作成するのが好ましいが、表裏面の一対の錘10a,10bの質量が同一であり、錘10a,10bの重心位置G1,G2の各固着面からの高さが等しければ、材質、形状は異なっていても良い。
図5および図6は、錘10a,10bの可動電極部12への装着手順を示す図である。本実施形態では、錘10a,10bは、接着剤を用いて可動電極部12へ固着される。図5(a)の工程では、錘10bの固着面101に接着剤102をディスペンサにより点付けし、錘10bの貫通孔100の位置と可動電極部12の貫通孔122の位置がほぼ一致するように、可動電極部12の真上から貫通孔100、122の位置を目視で確認しながら、錘10bの上に図2(a)に示した振動発電素子1のMEMS加工体を載置する。図5(b)の工程では、可動電極部12の貫通孔122および錘10bの貫通孔100とに位置決めピン103を通して、可動電極部12と錘10bとを正確に位置決めする。
図6(a)の工程では、可動電極部12の固着面123に接着剤102をディスペンサにより点付けし、位置決めピン103の位置と錘10aの貫通孔100の位置とを目視で確認しながら、可動電極部12の固着面123上に錘10aを載置する。その後、図6(b)に示す状態を保持して、錘10a,10bの位置ずれを防止しつつ接着剤102を固化させる。接着剤102が固化したならば、位置決めピン103は抜き取る。以上のような手順で可動電極部12への錘10a,10bの装着が完了し、その後、錘10a,10bが装着された振動発電素子1は、ダイボンド工程においてパッケージ2内に固定される。
図7および図8は、振動発電素子1のMEMS加工体の形成手順の一例を示す図である。MEMS加工技術によりSOI基板から振動発電素子を形成する方法は周知の技術であり(例えば、特開2017−070163号公報等参照)、ここでは形成手順の概略を説明する。なお、図7および図8では、図2(a)の一点鎖線L2に沿った断面を模式的に示した。
図7(a)は、MEMS加工が行われる基板であるSOI基板の断面を示す図である。前述したように、SOI基板は、Siの支持層301とSiOのボックス層302とSiの活性層303とから成る。図7(b)に示す第1のステップでは、活性層303の表面に窒化膜(SiN膜)304を成膜する。図7(c)に示す第2のステップでは、窒化膜304をパターニングして、電極パッド112,113を形成する箇所を保護するための窒化膜パターン304aを形成する。
図7(d)に示す第3のステップでは、可動電極部12、固定電極部111、弾性支持部13および接続部114を形成するためのマスクパターンを形成し、活性層303をエッチングする。エッチング加工は、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)等によりボックス層302に達するまで行われる。このエッチング加工において、可動電極部12の貫通孔122も同時に形成される。図7(d)において、符号B1で示す部分は固定電極部111に対応する部分で、符号B2で示す部分は可動電極部12に対応する部分で、符号B3で示す部分は接続部114に対応する部分である。
図8(a)に示す第4のステップでは、固定部11を形成するためのマスクパターンを支持層301の表面に形成し、支持層301をDRIE加工する。図8(b)に示す第5のステップでは、支持層301の側および活性層303の側に露出するSiOのBOX層を強フッ酸により除去する。図8(c)に示す第6のステップでは、熱酸化法によりSi層の表面にシリコン酸化膜305を形成する。図8(d)に示す第6のステップでは、窒化膜パターン304aを除去し、除去した領域にアルミ電極を成膜して電極パッド112,113を形成する。なお、電極パッド113については図8(d)に示す領域の外に形成されるので、図8(d)には表示されていない。
上述の加工手順により、エレクトレット未形成の振動発電素子1のMEMS加工体が形成される。その後、周知のエレクトレット形成方法(例えば、特許5627130号公報等参照)により、櫛歯電極110,120の少なくとも一方にエレクトレットを形成する。
振動発電素子1はMEMS技術により加工され非常に微小な構造体であり、図1に示したパッケージ2の縦横寸法は数cmで高さ寸法は数mm程度である。櫛歯電極110,120の数が多ければ多いほど発電量が大きくなるので、可動電極部12において錘10a,10bが装着される固着面123の面積は小さくなる傾向があり、例えば、固着面123の幅寸法は1〜2mm程度と小さなものになる。一方、固着面123の部分には静電力が加わるので、貫通孔122が大きいと残りの部分の寸法が小さくなって変形するおそれがある。そのため、貫通孔100,122は0.3〜0.5mm程度が限度となる。
なお、上述した実施の形態では、錘10a,10bを可動電極部12に固着した後に位置決めピン103を取り去る構成としたが、図11(a)のように位置決めピン103を残したままとしても良い。この場合、位置決めピン103は接着剤によって貫通孔100、122内に固着されるような構成とする。また、図11(b)のように貫通孔100に代えて非貫通の穴105を錘10a,10bに形成し、穴105と貫通孔122で形成される空間内に位置決めピン103を封入する構成としても良い。この場合も、位置決めピン103が上下に移動しないように接着剤によって錘10a,10bや可動電極部12に固着される。
(変形例)
図9,10は、位置決め機構の変形例を示す図である。上述した実施の形態では、位置決めピンを錘10a,10bと可動電極部12に形成された貫通孔122に通すことにより、可動電極部12に対して錘10a,10bを位置決めした。一方、図9(a),(b)に示す変形例では、可動電極部12の固着面123に形成された貫通孔123aに錘10a,10bの固着面101に形成された凸部101aを係合させることにより、錘10a,10bの位置決めを行うようにした。
錘10a,10bの装着の順序はピン位置決め構造の場合と同じで、最初に、図9(a)に示すように下側の錘10bの上に可動電極部12を載置するように接着する。このとき、錘10bの凸部101aを可動電極部12の貫通孔123aに係合させることで、錘10bの位置決めが行われる。次いで、図9(b)に示すように、錘10aを可動電極部12に載置するように接着する。このとき、錘10aの凸部101aを可動電極部12の貫通孔123aに係合させることで、錘10aの位置決めが行われる。
凸部101aおよび貫通孔123aは種々の形状が可能であり、図10は凸部形状の代表的な例を示したものである。図示は省略するが、可動電極部12の貫通孔123aは、係合する凸部101aの形状に対応する同一横断面形状の貫通孔となる。図10(a)は、図9(a),(b)に示した凸部101aの断面形状である。凸部101aは、xy平面で断面した断面形状が円形の柱状体である。凸部101aの断面形状が円形の場合、重心位置Gが設定位置からずれないように位置決めするためには、凸部101aを2以上設ける必要がある。
図10(b),(c)は、凸部101aをxy平面で断面した断面形状が四角形の場合を示す。図10(b)の場合の断面形状は長辺がラインL1に平行な長方形であり、図10(c)の場合の断面形状は長い方の対角線がラインL1に平行な菱形である。図10(b),(c)では断面形状が四角形であったが、四角形に限らず断面形状が多角形の場合には、凸部101aを中心とする回転ずれを阻止できる。そのため、係合する凹凸部が一組であっても、重心位置Gがずれないように位置決めすることができる。
なお、図9に示す例では、可動電極部12の表裏両面に貫通孔123aを形成したが、貫通孔に代えて凹部を形成し、その凹部に錘10a,10bの凸部101aを係合させるようにしても良い。
上述した実施形態、変形例で説明した振動発電素子1をまとめて説明すると以下のとおりである。
(1)振動発電素子1は、複数の櫛歯電極110を有する固定電極部111と、複数の櫛歯電極120を有する可動電極部12と、可動電極部12を弾性支持する弾性支持部13と、可動電極部12に固定される錘10a,10bと、錘10a,10bを可動電極部12に位置決めする位置決め機構としての貫通孔100、122とを備える。位置決め機構を設けることにより、可動電極部12とは別体で形成された錘10a,10bであっても、あらかじめ設定した位置に精度よく固定することができる。また、錘10a,10bを可動電極部12に固定する構成であるため、可動電極部12の形状や材料に制限されることなく比重および体積の大きな錘10a,10bを構成することができ、発電効率の向上を図ることができる。
(2)振動発電素子1は、振動する可動電極部12に当接して可動電極部12の振動を制限する接続部114を備え、位置決め機構は、接続部114の当接箇所である突起114aの先端を通って振動方向に平行なラインL1の上に錘10a,10bの重心位置Gを位置決めする。そのように位置決めすることにより、重心位置Gを通る振動方向に平行なラインに関して弾性支持部13の配置が対称となり、振動方向がy方向にぶれるような不自然な振動が発生するのを防止することができる。また、可動電極部12が接続部114の突起114aに衝突したときに、可動電極部12をxy面内で傾けるようなモーメントが発生せず、ビーム13bに意図しない変形が生じるのを防止することができる。
(3)位置決め機構としては、図6に示すように、錘10a,10bを可動電極部12に位置決めするための位置決めピン用ピン孔である貫通孔100、122を、錘10a,10bおよび可動電極部12に形成しても良いし、図9に示すように可動電極部12に貫通孔123aを形成し、その貫通孔123aに錘10a,10bに形成された凸部101aを係合させるようにしても良い。いずれの場合も、重心位置Gがずれないように錘10a,10bを位置決めすることができる。
(4)さらに、貫通孔123aおよび凸部101aの横断面形状を、図10(b),(c)に示すような多角形とすることで、一組の貫通孔123aおよび凸部101aにより位置決めを行うことができる。なお、上述した実施の形態では多角形について説明したが、横断面形状が楕円であっても多角形の場合と同様の効果がある。すなわち、多角形や楕円とすることで凸部101aを中心とする回転ずれを阻止できるので、係合する凹凸部が一組であっても、重心位置Gがずれないように位置決めすることができる。
(5)また、錘10a,10bを、可動電極部12を構成する材料よりも比重の大きい材料で形成することにより、錘10a,10bをより小さくすることができ、振動発電素子1の小型化を図ることができる。
(6)図4(a)に示すように可動電極部12の表面側に装着される錘10aと可動電極部12の裏面側に装着される錘10bとを備える場合、錘10aの重心位置G1と錘10bの重心位置G2とが可動電極部12に関して対称な位置にあるのが好ましい。そのように構成することで、可動電極部12が接続部114の突起114aと衝突した際に、図4(b)に示すような可動電極部12をxz面内で傾けるようなモーメントの発生を防止することができる。
(7)上述した実施の形態では、振動発電素子1はパッケージ2と上蓋3とからなる筐体の内部に配置され、振動発電素子1が配置された筐体内は真空状態とされる。すなわち、 振動発電素子1は真空封止されるので、振動発電素子1の振動に対する空気の粘性抵抗の影響を排除することができ、より高効率な振動発電素子を得ることができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上述した実施の形態では、SOI基板により振動発電素子1を形成したが、シリコン基板を用いても良い。シリコン基板を用いる場合、例えば、導電率の小さな真性のシリコン基板の表面から所定厚さの領域にドーピングによりP型またはN型の導電層を形成し、導電層の下部の真性なシリコン層に固定部11を形成し、導電層に固定電極部111、可動電極部12、弾性支持部13を形成すれば良い。
また、上述した実施の形態では、可動電極部12の表裏両面に錘10a,10bを装着する構成を例に説明したが、本発明は、表裏両面のいずれか一方に錘を装着する構成の場合にも適用することができる。
さらにまた、上述した振動発電素子1では、可動電極部12が櫛歯電極110、120の伸延方向(図1のx軸方向)に振動するような構成であったが、例えば、特許6338071号公報に記載の振動発電素子のように複数の櫛歯電極110が並置されている方向(図1のy軸方向)に振動するような構成であっても本発明は適用が可能である。
1…振動発電素子、2…パッケージ、10a,10b…錘、11…固定部、12…可動電極部、13…弾性支持部、100,122,123a…貫通孔、101a…凸部、102…接着剤、103…位置決めピン、110,120…櫛歯電極、111…固定電極部、114…接続部、114a…突起、G,G1,G2…重心位置

Claims (8)

  1. 複数の櫛歯電極を有する固定電極部と、
    複数の櫛歯電極を有する可動電極部と、
    前記可動電極部を弾性支持する支持部と、
    前記可動電極部に固定される錘と、
    前記錘を前記可動電極部に位置決めする位置決め機構とを備える、振動発電素子。
  2. 請求項1に記載の振動発電素子において、
    振動する前記可動電極部に当接して前記可動電極部の振動を制限する制限部を備え、
    前記位置決め機構は、前記制限部の当接箇所を通って振動方向に平行なラインの上に前記錘の重心位置を位置決めする、振動発電素子。
  3. 請求項1または2に記載の振動発電素子において、
    前記位置決め機構として、前記錘を前記可動電極部に位置決めするための位置決めピン用ピン孔が前記錘および前記可動電極部にそれぞれ形成されている、振動発電素子。
  4. 請求項1または2に記載の振動発電素子において、
    前記位置決め機構は、前記可動電極部に形成された凹部と、前記錘に形成され前記凹部に係合する凸部とを備える、振動発電素子。
  5. 請求項4に記載の振動発電素子において、
    前記凹部および凸部の横断面形状が多角形または楕円である、振動発電素子。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の振動発電素子において、
    前記錘は前記可動電極部を構成する材料よりも比重の大きい材料で形成されている、振動発電素子。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の振動発電素子において、
    前記錘は、前記可動電極部の表面側に装着される第1の錘と前記可動電極部の裏面側に装着される第2の錘とから成り、
    前記第1の錘の重心位置と前記第2の錘の重心位置とが前記可動電極部に関して対称な位置にある、振動発電素子。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の振動発電素子と、
    前記振動発電素子を真空封止する筐体とを備える、振動発電装置。
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