JP2686396B2 - 建物の構築方法 - Google Patents

建物の構築方法

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JP2686396B2 JP4117454A JP11745492A JP2686396B2 JP 2686396 B2 JP2686396 B2 JP 2686396B2 JP 4117454 A JP4117454 A JP 4117454A JP 11745492 A JP11745492 A JP 11745492A JP 2686396 B2 JP2686396 B2 JP 2686396B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の構築方法に係
り、住宅用等の箱形ユニット式建築などに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、住宅建築においては、規格寸法
の直方体状の居室ユニット等を形成しておき、現場にお
いて複数のユニットを接合する、いわゆる箱形ユニット
式住宅が利用されている。
【0003】このユニット式住宅は、各ユニットに内外
装や設備類を予め工場組付けしておくことができるた
め、在来工法に比べて短期間で構築できるうえ、近年で
は、高耐久性かつ高品質なものが実現され、様々な要望
に対応できるようになっており、その普及が著しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような箱形ユニット式住宅は、基本的にユニットが規格
化されているので、敷地の形状への対応には限界があ
る。すなわち、敷地の形状が台形や三角形等の特殊な平
面形状である場合などには、有効に利用できない土地が
生じるという問題がある。
【0005】例えば、図11に示された敷地90の例で
は、この敷地90内に八つのユニット91によりユニット式
住宅92が構築されているが、敷地90が特殊な平面形状で
あるために有効利用されない土地93が生じる。そして、
この場合において、ユニット91の配置を縦横替える等し
てもやはり同様に有効利用されない土地93が生じる。
【0006】これに対し、標準ユニットより小さなユニ
ットを用意しておく方法も取られている。しかしなが
ら、このようにユニット種別が多岐にわたると、部品管
理および品質管理が煩雑となってコストアップの要因に
なるという問題がある。
【0007】一方、各ユニットを間隔をおいて配置し、
この間に軸組を掛け渡すことにより全体の大きさを可変
とする方法もとられているが、台形や三角形等といった
特殊な平面形状の敷地に対応させて細かく建物の外周形
状を変化させることはできなかった。
【0008】本発明の目的は、多様な敷地形状に対応で
き土地および空間の有効利用可能な建物の構築方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のほぼ箱
型状のユニットを接合して構築されるユニット建物の横
断面形状で凹状になる入り隅部を複数のユニットのうち
1つのユニットの端部と他の1つのユニットの端部とを
面状部材で囲み、入り隅部に閉空間を形成することを特
徴とする。
【0010】
【作用】このような本発明においては、ユニット建物の
ほぼ箱型状のユニットで形成される横断面形状で凹状に
なる入り隅部に、当該入り隅部を複数のユニットのうち
1つのユニットの端部と他の1つのユニットの端部とを
結ぶ面状部材で囲んで閉空間を形成するため、当該入り
隅部を最大限建物内空間として有効に利用できるように
なり、多様な敷地形状への対応性が高くなり、これらに
より前記目的が達成される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、ユニット式住宅10は、ユニット
構築部11と軸組構築部20とにより構成されている。ユニ
ット構築部11は、ユニット式住宅10の基本部分として構
築されており、一階に三つ、二階に二つの計五つの箱形
ユニット12が配置接合されている。
【0012】軸組構築部20は、ユニット構築部11の形
状、すなわちユニット12の配置状況により生じたユニッ
ト外空間21に形成されている。ユニット外空間21は、横
入り隅部22(横断面形状で凹状になる入り隅部)と縦入
り隅部23(縦断面形状で凹状になる入り隅部)とこれら
を連結する入り隅連結部24とにより構成されている。
【0013】図2において、ユニット外空間21は、面状
部材30により空間を覆い隠すように囲まれており、この
面状部材30は、長方形面状部材31,32 および三角形面状
部材33,34 により構成されている。また、この面状部材
30をユニット式住宅10に固定するために軸組部材40が設
けられており、この軸組部材40は、ユニット12の外壁に
沿って設けられた壁付軸組部材41とユニット外空間21を
形成している異なるユニット12の凸状角部どうしを結ん
だ渡し軸組部材42とにより構成されている。
【0014】このような本実施例においては、以下のよ
うにユニット式住宅10が構築される。先ず、予め工場で
内外装や設備類を組付けられたユニット12を現場におい
て配置接合することによりユニット構築部11を構築す
る。
【0015】すなわち、敷地の事情等に対応させて一階
部分のユニット12を設置し、その上に北側斜線等に対応
させて二階部分のユニット12を設置してユニット構築部
11を構築する。この際、一階部分および二階部分には、
それぞれ横入り隅部22、縦入り隅部23が生じ、さらに二
階部分には、これらを連結する入り隅連結部24が生じ
る。
【0016】次に、現場において面状部材30を軸組部材
40に張り付けてユニット外空間21を覆い隠すくすことに
より軸組構築部20を構築する。すなわち、現場において
各ユニット12のユニット外空間21を形成する外壁面に壁
付軸組部材41を設置し、このユニット外空間21を形成す
る異なるユニット12の凸状角部どうしを結ぶように渡し
軸組部材42を設置する。
【0017】そして、これらの軸組部材40に長方形面状
部材31を図中A方向に張り付けて横入り隅部22に鉛直方
向に立ち上がった三角柱状の空間を形成する。また、同
様に長方形面状部材32および三角形面状部材34をそれぞ
れ図中B,C方向に張り付けて縦入り隅部23に水平方向
に倒れた三角柱状の空間を形成する。さらに、三角形面
状部材33を図中D方向に張り付けて入り隅連結部24に三
角牛乳パック状の四面体空間を形成する(図2参照)。
【0018】このようにしてユニット外空間21は全体と
して完全に閉空間となり、横入り隅部22、縦入り隅部2
3、入り隅連結部24の各々は居室空間となって軸組構築
部20の構築は終了する。以上により、ユニット式住宅10
が構築される。
【0019】このような本実施例によれば、ユニット式
建築のメリットが従来通り生かせるとともに、北側斜線
制限、道路斜線制限あるいは多様な敷地形状に細かく対
応することができる。
【0020】特に、横入り隅部22に長方形面状部材31等
を張り付けて閉空間を形成したため、敷地の事情等によ
りユニット12の横断面形状(水平断面形状)に設置制限
を受けた場合などでも敷地および空間の無駄を解消する
ことができ、これらを有効に居室空間等に利用すること
ができる。
【0021】また、縦入り隅部23に長方形面状部材32、
三角形面状部材34等を張り付けて閉空間を形成したた
め、北側斜線制限等によりユニット12の縦断面形状(鉛
直断面形状)に設置制限を受けた場合などでも空間の無
駄を解消することができ、これらを有効に居室空間等に
利用することができる。
【0022】さらに、入り隅連結部24に三角形面状部材
33等を張り付けて閉空間を形成したため、これによって
も前記横入り隅部22および縦入り隅部23に従って生じた
空間の無駄を解消することができ、これらを有効に居室
空間等に利用することができる。
【0023】また、横入り隅部22、縦入り隅部23、入り
隅連結部24に形成される軸組構築部20は現場において軸
組を行い、面状部材30を張り付けるだけで容易に構築す
ることができる。このため、従来のような特殊な形状の
ユニットは不要となり、部品管理および品質管理が煩雑
になってコストアップになるという不都合を解消でき
る。
【0024】また、逆に敷地あるいは空間が必要になっ
た時、例えば花壇を作ったり、木を植えたい時などに
は、容易に分解除去できる。さらに、面状部材30と軸組
部材40とを分解した状態で輸送を行うので、特殊な形状
のユニットを工場から現場まで輸送する場合等に比べて
嵩張らないため、輸送手段が小型化され、輸送費が軽減
されるうえ、取扱も容易にすることができる。
【0025】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば以下に示すような変形等も本発明に
含まれるものである。例えば、軸組構築部20の軸組の構
成は、前記実施例のような壁付軸組部材41および渡し軸
組部材42による軸組部材40とせずに、例えばX状に軸組
する等、任意であり、要するに面状部材30が図1に示し
た状態に固定されればよい。
【0026】また、前記実施例では、軸組構築部20は軸
組部材40を設けることにより面状部材30を張り付けて構
築されているが、壁付軸組部材41はユニット12のユニッ
ト外空間21を形成する外壁面に面状部材30の端部を固定
するための溝あるいはブラケット等を設けるなどの方法
を取ればなくてもよく、渡し軸組部材42も面状部材30に
ある程度強度が備わっていればなくてもよい。
【0027】そして、前記実施例では、横入り隅部22、
縦入り隅部23、入り隅連結部24が全て面状部材30により
囲まれて軸組構築部20となっているが、本発明は横入り
隅部22を囲うということであり、他の縦入り隅部23、入
り隅連結部24を囲うことは任意であるので、図3に示す
例のように横入り隅部22のみを面状部材30で囲い軸組構
築部20としてもよい。
【0028】さらに、前記実施例では、入り隅連結部24
は一枚の三角形面状部材33により覆われているが、図4
に示す例のように、二枚の三角形面状部材33A,33B によ
り覆われていてもよく、あるいはこの場合、長方形面状
部材32と三角形面状部材33Aまたは長方形面状部材31と
三角形面状部材33B は一枚の台形面状部材であってもよ
い。
【0029】また、前記実施例の長方形面状部材31に開
口部を設けておくことにより、横入り隅部22を外部から
出し入れする物置等に利用することができ、逆にユニッ
ト12のユニット外空間21を形成する外壁面に開口部を設
けておけば横入り隅部22は居室空間あるいは内部から出
し入れを行う押入れ等に利用することができる。さら
に、前記実施例の長方形面状部材31, 32、三角形面状部
材33, 34に窓等を設けておく、あるいは全てこれらを硝
子張りにしておくことで採光のよい居室空間等を得るこ
とができる。
【0030】また、図5に示す例のように、斜め部分の
多い敷地にユニット式住宅10を対応させる時などには、
水平方向に連続して横入り隅部22が形成されることがあ
り、このような場合には、面状部材30を連続して設置す
ればよい。そして、同図に示す例のように二階以上の階
に跨がり鉛直方向に横入り隅部22が連続して形成される
場合には、これに対応させて連続して面状部材30を設置
すればよい。
【0031】さらに、ユニット式住宅10に複数の横入り
隅部22が連続してではなく形成されている場合、あるい
は図6に示す例のように、一部の横入り隅部22を例えば
花壇や池、植込み等に利用する場合などには、連続しな
い各々の横入り隅部22に面状部材30を設置すればよい。
【0032】また、図7に示す例のように、平面的ある
いは鉛直面的に複数のユニット12に跨がって形成された
横入り隅部22を一括して囲うようにして面状部材30を設
置し、軸組構築部20を構築してもよく、そうすることで
広い空間を作ることができる。
【0033】さらに、前記実施例の長方形面状部材31,
32および三角形面状部材33, 34の各々あるいは他の変形
例の面状部材30の各々は一枚の板等により構成されてい
る必要はなく、適宜分割してもよく、特に、図7に示し
た例のように面状部材30が大きい場合には分割すること
が有効であり、要するに設置後の状態が前記各実施例に
示されるような面状に形成され、軸組部材40がそれに対
応した状態に設置されていればよい。
【0034】また、必ずしも敷地に対応させた一階部分
の横入り隅部22およびこれに従って形成される二階以上
の階の横入り隅部22だけに面状部材30を設置する必要は
なく、例えば図8に示す例のように、一階部分にユニッ
ト12が設置されこの上の二階部分の横入り隅部22に面状
部材30を設置し軸組構築部20を構築してもよい。さら
に、図9に示す例のように、僅かな敷地を一階部分に確
保したい場合等には、上の階にユニット12が設置されて
いても本発明は適用でき、この場合には、屋根に当たる
面状部材30は不用となる。
【0035】
【0036】さらに、面状部材30は、平面状の部材であ
る必要はなく、湾曲した部材等であってもよく、要する
に横入り隅部22等のユニット外空間21に閉空間が形成で
きればよい。
【0037】また、面状部材30の材質は、木材、金属
材、ガラス、無機材質等任意に選択してよく、要するに
横入り隅部22、縦入り隅部23、入り隅連結部24の用途、
あるいは軸組部材40の有無による必要強度を満たしてい
ればよい。さらに、軸組部材40の材質は、木材、金属材
等任意であり、要するに面状部材30を確実に支持する強
度を有していればよい。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、ユ
ニット建物のほぼ箱形状のユニットで形成される横断面
形状で凹状になる入り隅部に、当該入り隅部を複数のユ
ニットのうち1つのユニットの端部と他の1つのユニッ
トの端部とを結ぶ面状部材で囲んで閉空間を形成するた
め、当該入り隅部を最大限有効に居室空間等に利用する
ことができ、ユニット式建物のメリットが従来通り生か
せるとともに、多様な敷地形状への対応性が高くなり空
間の無駄を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】前記実施例を示す分解斜視図。
【図3】本発明の変形例を示す斜視図。
【図4】本発明の変形例を示す斜視図。
【図5】本発明の変形例を示す斜視図。
【図6】本発明の変形例を示す斜視図。
【図7】本発明の変形例を示す斜視図。
【図8】本発明の変形例を示す斜視図。
【図9】本発明の変形例を示す斜視図。
【図10】従来例を示す概略図。
【符号の説明】
10 ユニット式住宅 11 ユニット構築部 12 ユニット 20 軸組構築部 21 ユニット外空間 22 横入り隅部 23 縦入り隅部 24 入り隅連結部 30 面状部材 31,32 長方形面状部材 33,33A,33B,34 三角形面状部材 40 軸組部材 41 壁付軸組部材 42 渡し軸組部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のほぼ箱型状のユニットを接合して
    構築されるユニット建物の横断面形状で凹状になる入り
    隅部を前記複数のユニットのうち1つのユニットの端部
    と他の1つのユニットの端部とを結ぶ面状部材で囲み、
    前記入り隅部に閉空間を形成することを特徴とする建物
    の構築方法。
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JPS562572A (en) * 1979-06-20 1981-01-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd Measuring instrument for characteristic of electronic parts

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