JP2681432B2 - 調律器 - Google Patents

調律器

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JP2681432B2 JP4222782A JP22278292A JP2681432B2 JP 2681432 B2 JP2681432 B2 JP 2681432B2 JP 4222782 A JP4222782 A JP 4222782A JP 22278292 A JP22278292 A JP 22278292A JP 2681432 B2 JP2681432 B2 JP 2681432B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は楽器音が正規のピッチ
からどれ程ずれているかを表示することができる調律器
に関する。
【0002】
【従来の技術】調律器は一般にセント値を使って楽器音
の音のずれ量を表示している。つまり0セントを中心に
楽器音の音の周波数が高い方にずれているときは+セン
ト、低い方にずれているときは−セントを表示する。セ
ント目盛のフルスケールは一般に+50セント、−50
セントである。
【0003】表示手段としては機械式メータ或はLED
のような発光素子を1列に配列して点灯位置を移動させ
る形式の発光素子型表示器が用いられている。機械式メ
ータの場合、可動部分を含むことから耐衝撃性に問題が
あり、落下事故等で故障に陥いる率が高い。このため発
光素子型表示器が多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発光素子型表示器は耐
衝撃性が高いため実用性が高い。然し乍ら機械式メータ
の特徴である動きの滑らかさ、及び表示精度を向上させ
ようとすると、発光素子の数を多くする必要がある。多
数の発光素子を配列して構成した場合、コストが高くな
る欠点がある。また発光素子を表示面に精度よく整列さ
せて並べるのが難かしい。また多数の発光素子を使用し
ても機械式メータの連続的な表示に対してやはり段階的
な変化の印象はぬぐえない。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の調律器は、基
準周波数に対する楽音の検出されたずれ量を、セント誤
差値として線状に配列させた複数の発光素子の発光位置
によって表示させるように構成される調律器において、
上記検出されたセント誤差値に対応して連続する2個の
発光素子を選択し、選択された一方の発光素子の発光割
合を、上記検出されたセント誤差値とその発光素子の対
応した正確なセント誤差値との近さに応じた大きさaと
し、他方の発光素子の発光割合を1−aとする。
【0006】
【実施例】図1はこの発明動作を説明するための図であ
る。図では発光素子L4 とL5 の間で4段階の分解能で
セント誤差値を22〜18セント、18〜16セント、
16〜14セント、14〜12セント、12〜8セント
の領域に分解して表示させた状態を示している。
【0007】つまりA行に示す例では発光素子L4 を1
00%の発光量で発光させている。この状態ではセント
誤差値は20セントを中心に±2セントであることを表
示している。従ってこのとき入力した楽器音はセント誤
差値が18〜22セントの範囲で基準からずれているこ
とが解る。B行に示す例では発光素子L4 を75%の発
光量で発光させ、発光素子L5 を25%の発光量で発光
させた状態を示している。この状態では17セントを中
心に±1セントであることを表示している。この場合は
入力した楽器音は少なくとも16〜18セントの範囲で
基準からずれていることが解る。
【0008】C行に示す例では発光素子L4 とL5 を共
に50%の発光量で発光させた場合を示している。この
状態では14〜16セント(15±1セント)の範囲で
基準からずれていることを表わしている。D行に示す例
では発光素子L5 を75%の発光量で発光させ、発光素
子L4 を25%の発光量で発光させた場合を示してい
る。この状態では12〜14セント(13±1セント)
の範囲で基準からずれていることを表わしている。
【0009】E行の例では発光素子L5 を100%の発
光量で発光させ、発光素子L4 は消灯させている。この
状態では8〜12セント(10±2セント)の範囲で基
準からずれていることを表わしている。このようにこの
発明では発光素子の発光量をN段階に変化させ、その発
光量を組合せることによりセット誤差値を分解能よく表
示させるように構成しようとするものである。
【0010】発光素子の発光量を100%〜25%の範
囲で変化させるには図2に示すように発光素子に与える
電流のデューティを変化させればよい。図3に発光素子
の発光量を段階的に変化させて表示する具体的な調律器
の実施例を示す。図3において1はマイクロフォン、2
は音声増幅器、3はマイクロコンピュータを示す。マイ
クロコンピュータ3は周知のように中央演算処理装置、
ROM,RAM,入力ポート、出力ポート等によって構
成されるが、ここではマイクロコンピュータ3が構成す
る種々の要素を具体的なブロックとして示す。音声増幅
器2によって増幅された楽音信号は入力ポート3Aを通
じて基本周期抽出手段3Bに取込まれる。基本周期抽出
手段3Bに取込まれた楽音信号は例えばゼロクロス点の
時間間隔を測定し、その時間間隔の中の最も長い周期を
基本波としてとらえ、その周期の値をセント誤差算出手
段3Cに与える。
【0011】セント誤差算出手段3Cでは入力されて楽
音信号の周期値を基準周期の値と比較し、そのずれ量を
セント誤差値として出力する。このセント誤差算出手段
3Cは具体的にはROMに書込んだ周期値−セント値変
換テーブルによって構成することができ、周期値によっ
て決まるアドレスを読み出すと、入力した周期の値に対
応したセント値が読出される。
【0012】セント誤差算出手段3Cから算出されたセ
ント誤差値は、発光素子選択手段3Dとデューティ選択
手段3Eとに与えられる。発光素子選択手段3Dはセン
ト誤差値に応じて例えば11本の発光素子L1 〜L11
各2本ずつ選択して発光させる。尚、図中3Hは出力ポ
ートを示す。図4にこの発明による更に具備的実施例を
示す。各発光素子L1 〜L11は2つの切換スイッチ
1 ,S2 によって1個ずつずらして切換られる。つま
り、発光素子L1 とL2 を選択している状態からL2
3 を選択する状態、L3 ,L4を選択する状態からL
4 ,L5 を選択する状態に互に連動して順次1個ずつず
らして切換られる。
【0013】デューティ発生手段3Fはこの例では理解
を容易にするために4個のシフトレジスタSR1 〜SR
4 に発生させるべき各デューティNO.0〜NO.3を
記憶させ、どのシフトレジスタを選択するかによって目
的のデューティNO.0〜NO.3を発生させるかを切
換る構造とした場合を示す。各シフトレジスタSR1
SR4 の各クロック入力端子を切換スイッチS3 を通じ
てクロック発生器3Gに接続し、切換スイッチS3 を通
じてクロックを入力し、記憶したデューティを発生させ
ることができるように構成される。尚各シフトレジスタ
SR1 〜SR4は帰還ループが接続され、読出したデー
タが再書き込みされるようにしている。
【0014】セント誤差が0セント(±2セント程度の
幅を持っている)のとき、発光素子はL5 とL6 が選択
され、デューティはNO.3が選択される。デューティ
NO.3は発光素子L6 に全期間「1」論理が与えら
れ、発光素子L5 には全期間「0」論理が与えられる。
よって発光素子L6 が100%の発光量で発光し、セン
ト誤差が0セントであることを表示する。
【0015】セント誤差がプラス方向に例えば3±1セ
ント(以下単に中心値のみを示す)ずれたとすると、デ
ューティはNO.2が選択されシフトレジスタSR3
記憶したディーティが読出される。デューティNO.2
はシフトレジスタSR3 から「1,1,1,0」で読出
されるから発光素子L6 は75%の発光量で発光し、発
光素子L5 はその逆位相である25%の発光量で発光す
る。従ってこのとき+3セントずれていることが表示さ
れる。
【0016】セント誤差が+5セントの場合はシフトレ
ジスタSR2 に記憶したデューティNO.1が読出され
る。デューティNO.1はシフトレジスタSR2 から
「1,1,0,0」で読出されるから、発光素子L5
6 は共に50%の発光量で発光する。この結果+5セ
ントのセント誤差であることが表示される。セント誤差
が+7セントである場合、デューティはシフトレジスタ
SR1 に記憶したデューティNO.0が読出される。デ
ューティNO.0はシフトレジスタSR1 から「1,
0,0,0」で読出されるから発光素子L6 は25%の
発光量で発光し、発光素子L5 は75%の発光量で発光
する。
【0017】セント誤差が+10セントの範囲に達する
と、発光素子選択手段3Dは切換スイッチS1 とS2
1接点ずらし、発光素子L4 とL5 を選択する。これと
共にデューティ選択手段3EはデューティNO.3を選
択し、シフトレジスタSR4から「1,1,1,1」を
読出す。この結果発光素子L5 が全期間点灯し、100
%の発光量で点灯すると共に、発光素子L4 は消灯状態
に維持される。
【0018】このようにして、セント誤差値が0,+1
0,+20,+30,+40,+50と−10,−2
0,−30,−40,−50の場合はこのセント値を表
わす発光素子L6 ,L5 ,L4 ,L3 ,L2 ,L1 とL
7 ,L8 ,L9 ,L10,L11が単独で100%の発光量
で点灯し、各セント誤差値を表示すると共に、各発光素
子間で発光量の組合せにより、例えば発光素子L6 とL
5 の間では0セント,3セント,5セント,7セント,
10セントの4段階に細分化して表示するから表示の分
解能を向上させることができる。
【0019】尚上述ではデューティNO.をNO.0〜
NO.3の4段階に採った場合を説明したが、その数に
制限がなく、この数を多く採れば分解能が高くなること
は容易に理解できよう。
【0020】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明では、少な
い発光素子を使って分解能の高いセント誤差値の表示を
行なうことができる。よって安価なコストで分解能の高
い表示器を構成することができるから、安価で性能のよ
い調律器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の動作を説明するための図。
【図2】この発明の動作を説明するための図。
【図3】この発明の一実施例を示すブロック図。
【図4】図3に示した実施例の要部を詳細に説明するた
めのブロック図。
【符号の説明】
1 マイクロフォン 2 音声増幅器 3 マイクロコンピュータ 3A 入力ポート 3B 基本周期抽出手段 3C セント誤差算出手段 3D 発光素子選択手段 3E デューティ選択手段 3F デューティ発生手段 3G クロック発生器 3H 出力ポート L1 〜L11 発光素子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準周波数に対する楽音の検出されたず
    れ量を、セント誤差値として線状に配列させた複数の発
    光素子の発光位置によって表示させるように構成される
    調律器において、 上記検出されたセント誤差値に対応して連続する2個の
    発光素子を選択し、選択された一方の発光素子の発光割
    合を、上記検出されたセント誤差値とその発光素子の対
    応した正確なセント誤差値との近さに応じた大きさaと
    し、他方の発光素子の発光割合を1−aとする ことを特
    徴とする調律器。
  2. 【請求項2】 A.線状に配列された複数の発光素子に
    よって構成され、この発光素子の中の何れかを選択して
    点灯させ、その点灯位置に対応して楽音の周波数のずれ
    量を表示する表示器と、 B.楽音の基本周期を抽出する基本周期抽出手段と、 C.この基本周期抽出手段で抽出した基本周期を楽音の
    標準周期と比較し、楽音 のずれ量を算出するセント誤差
    算出手段と、 D.このセント誤差算出手段で算出したセント誤差値に
    対応して上記表示器を構 成する発光素子の中から互いに
    隣接する2個の発光素子を選択する発光素子選 択手段
    と、 E.デューティ比が0〜100%及びこの間に均等に配
    分したデューティ比を持 つ複数のパルス信号及びこのパ
    ルス信号と逆位相の関係にあるパルス信号を発 生し、上
    記2個の発光素子の一方と他方に差動関係にあるデュー
    ティ比のパル ス信号を与えるデューティ発生手段と、 F.このデューティ発生手段で発生するパルス信号のデ
    ューティを上記セント誤 差算出手段で算出したセント誤
    差値に対応して選択し、上記2個の発光素子を 0〜10
    0%の間の発光量で差動的に発光させるデューティ選択
    手段と、 によって構成したことを特徴とする調律器。
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