JP2894156B2 - 鍵盤楽器 - Google Patents

鍵盤楽器

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JP2894156B2 JP5163586A JP16358693A JP2894156B2 JP 2894156 B2 JP2894156 B2 JP 2894156B2 JP 5163586 A JP5163586 A JP 5163586A JP 16358693 A JP16358693 A JP 16358693A JP 2894156 B2 JP2894156 B2 JP 2894156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は音階を有する楽音を発
音する鍵盤楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鍵盤楽器には12平均律音階
が採用されており、図10に示すように、1オクターブ
につき音名が「C」、「D」、「E」、「F」、
「G」、「A」、および「B」である7個の白鍵WK
と、音名が「C#」、「D#」、「F#」、「G#」、およ
び「A#」である5個の黒鍵BKで構成されている。す
なわち、1オクターブに12個の音を設定し、各隣接音
の周波数比が12√2となっている。図11に、12平均
律音階において、1オクターブ内の2音で構成される和
音の2音間間隔、該2音間の周波数の近似整数比(振動
数の比率の整数近似値)、ずれ(単位;セント(cen
ts))、および協和度を示す。この2音間間隔は、半
音を基準として2つの音の隔たりを示している。近似整
数比は、2音間の実際の周波数比を整数比により近似し
たものである。また、ずれは、2音間の実際の周波数比
と近似整数比との差をセントで示したものであり、ずれ
の値が小さい程近似整数比の近似度が高くなっている。
この図に示すように、近似整数比が簡単な比である程協
和度が高い。従って、12平均律音階では、2音間間隔
が5半音分および7半音分の場合、すなわち、完全4度
および完全5度の場合、最も協和度が高く、聴感上きれ
いに響く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の12平均律音階を採用した鍵盤楽器では、2音間間
隔が3半音分、4半音分、8半音分および9半音分の場
合、すなわち、短3度、長3度、短6度、および長6度
の場合は、協和度は高いが、結果的に発生する楽音の響
きに濁りが生じるという問題があった。これは、2音間
の実際の周波数比と近似整数比との間のずれが15セン
トもしくは14セントと比較的大となるためである。ま
た、周波数比が7/5、9/5、7/6、および9/7
に近く、音楽的に有効に用いられるはずの2和音は得ら
れず、発音される和音の範囲が限られるという問題もあ
った。
【0004】この発明は、このような背景の下になされ
たもので、聴感上濁りのない和音をより多く発音するこ
とができ、また、多彩な演奏を行うことができる鍵盤楽
器を提供することを目的とする。あらゆる芸術、文化が
時代と共に進化する傾向として「単純から複雑化へ」が
ある。本件は、永らく単独で継続している12平均律音
階が複雑化したものに替わってゆくための発明である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明によ
る鍵盤楽器は、前列、中列、および後列の横3列から構
成されており、1オクターブにつき、前記前列には7
個、前記中列には5個、および前記後列には7個の鍵が
配設されている鍵盤と、1オクターブに19個の楽音を
等比の周波数間隔で設定し、隣接する前記楽音の周波数
比が19√2となる楽音を前記鍵盤の鍵各々の操作に対応
して発生する発音手段とを具備することを特徴としてい
る。
【0006】請求項2に係る発明による鍵盤楽器は、前
列、中列、および後列の横3列から構成されており、1
オクターブにつき、前記前列には7個、前記中列には5
個、および前記後列には7個の鍵が配設されている鍵盤
と、1オクターブに19個の楽音を等比の周波数間隔で
設定し、隣接する前記楽音の周波数比が19√2となる楽
音を前記鍵盤の鍵各々の操作に対応して発生する第1の
発音手段と、1オクターブに12個の楽音を等比の周波
数間隔で設定し、隣接する前記楽音の周波数比が12√2
となる楽音を前記鍵盤の前列および中列の鍵各々の操作
に対応して発生する第2の発音手段と、前記第1の発音
手段もしくは前記第2の発音手段のいずれか一方を選択
する切換手段とを具備することを特徴としている。
【0007】
【作用】請求項1に係る発明によれば、1オクターブに
19個の楽音が等比の周波数間隔で発生し、鍵盤上の隣
接する鍵が操作されることによって発生する楽音の周波
数比が19√2となる。
【0008】請求項2に係る発明によれば、切換手段に
よって第1の発音手段が選択されると、鍵盤を構成する
19個の鍵が操作可能となり、隣接する鍵が操作される
ことによって発生する楽音の周波数比が19√2となる。
また、切換手段によって第2の発音手段が選択される
と、鍵盤を構成する前列および中列の鍵のみ使用可能と
なり、隣接する鍵が操作されることによって発生する楽
音の周波数比が12√2となる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。まず、図1は、12〜31平均律音階
において、各々の音階内の2音が近似実現することがで
きる周波数比のうち、分母が「7」以下であるものを示
した図である。図内の「1」〜「5」は、各周波数比に
対する近似度を示し、例えば、ずれが13〜15セント
である場合は「1」、7セントである場合は「2」、2
もしくは3セントである場合は「4」、0.1セントで
ある場合は「5」と表す。そして、この表では、近似整
数比によって評価ウェイト(「1」〜「5」)を設定
し、近似整数比が簡単である程評価ウェイトの値を大と
している。この評価ウェイトを近似度の値に乗算し、各
平均律音階毎にその合計を総合評価(ポイント)として
算出している。
【0010】図1に示すように、12平均律音階の場
合、周波数比3/2および4/3に対する近似度は
「4」となっているが、5/3、5/4、6/5、およ
び8/5に対する近似度は「1」となっており、その他
に関しては全く発音不可能となっている。また、31平
均律音階は、上段に示した近似整数比の和音を全て発音
することが可能であり、総合評価が「123ポイント」
と高い。しかし、1オクターブを31個に分割すると楽
器の操作子が増加してしまうため、31平均律音階を楽
器に採用することが困難である。すなわち、楽器の構成
および演奏を考えると、楽音を発音するための操作子は
できるだけ少なく、かつ、聴感上響きのよい和音が数多
く発音できることが望ましい。この条件で図1を参照す
ると、19平均律音階の場合は、総合評価が「77ポイ
ント」となっており、12平均律音階よりもかなり高
い。この理由は、比較的高い協和度の和音が数多く発音
可能であるからである。また、1オクターブ内の音数も
実際的な数であるため、楽器に採用することが可能であ
る。
【0011】次に、図2に、19平均律音階における各
2音間間隔毎の近似整数比、ずれ、および協和度を示
す。この図に示すように、12平均律の場合は、近似整
数比が「6/5」および「5/4」等の場合はずれが1
5および14セントと高かったが、19平均律の場合
は、ずれが0.1セントおよび7セントとなり、かなり
小さくなっている。このため、協和度が高く、かつずれ
が小さい近似整数比の和音が得られる。
【0012】また、図2に示すように、19平均律音階
の場合は、周波数の近似整数比が「7/6」、「9/
7」、「7/5」、「10/7」、「14/9」、およ
び「12/7」である6個の2和音を新たに得ることが
できる。従って、これらを用いて新しい3和音、4和音
を構成することが可能となり、和音数をかなり増加させ
ることができる。ここで、図3に、12平均律音階にお
いて構成される和音の例、および図4に、19平均律音
階において構成される和音の例を示す。図3に示すよう
に、12平均律音階の場合、3和音が10種、4和音が
19種、総計29種しか構成され得ない。しかし、図4
に示すように、19平均律音階の場合は、2音間間隔の
周波数比から決定される協和し易い3和音は33種、4
和音は116種、総計149種の和音の構成が可能とな
ると考えられる。また、図示しないが5和音についても
同様に、19平均律音階の場合は12平均律音階の場合
と比較してより多くの和音が構成され得る。このよう
に、19平均律音階には、12平均律音階では対応する
ことが不可能であった新しい和音を発音することができ
るという可能性がある。
【0013】このような19平均律音階を実現するため
には、1オクターブに19個の楽音を等比の周波数間隔
で設けることとなる。そのため、隣接する楽音の周波数
比が19√2となるようにする。以下、この19平均律音
階を採用した鍵盤楽器の具体例を示す。
【0014】<鍵盤の構成>図5はこの発明の一実施例
による鍵盤楽器の鍵盤11の構成を示す平面図である。
この図に示すように、鍵盤11は、1オクターブにつき
19個の鍵KEYi(i=1〜19)から構成されてお
り、各鍵KEYiの添字の値は、音高の低いものから順
に付与されている。そして、この鍵盤11は、前列
1、中列L2、および後列L3の横3列により構成され
ている。そして、1オクターブにつき、前列L1には7
個、中列L2には5個、後列L3には7個の鍵KEYi
配置されている。上記前列L1および中列L2の12個の
鍵KEYiは、従来の12平均律音階用の鍵盤楽器の白
鍵および黒鍵と同じ配列となっている。また、後列L3
の7個の鍵KEYiは、各々の幅が前列L1の各鍵KEY
iの幅と等しくなっており、各々前列L1の鍵KEYi
対して、その1/2幅だけ、高オクターブ側へずれて配
設されている。
【0015】また、上記前列L1は、鍵KEY1、KEY
4、KEY7、KEY9、KEY12,KEY15,およびK
EY18から構成され、中列L2は、鍵KEY3,KE
6,KEY11,KEY14,およびKEY17から構成さ
れる。また、後列L3は、鍵KEY2,KEY5,KE
8,KEY10,KEY13,KEY16,およびKEY19
から構成されている。
【0016】更に、鍵盤11には音階切換スイッチSW
が配置されており、12平均律音階を示す「12」かも
しくは19平均律音階を示す「19」に切換えられるよ
うになっている。この音階切換スイッチSWが操作され
ることによって「12」が指定されると、前列L1およ
び中列L2の12個の鍵KEYiのみが使用可能となり、
「19」が指定されると、19個の鍵KEYiが全て使
用可能となる。すなわち、音階切換スイッチSWの操作
により、鍵盤11が12平均律音階用として使用される
か、もしくは19平均律音階用として使用されるかが選
択される。
【0017】ここで図6に、上記鍵盤楽器において、鍵
KEY1と、前列L1を構成する他の鍵KEY4、KE
7、KEY9、KEY12、KEY15、およびKEY18
について、発生する楽音の周波数比の整数近似値を示
す。また、図7に、12平均律音階用の鍵盤楽器におい
て、音名が「C」である鍵と他の白鍵WKとについて、
発生する楽音の周波数比の整数近似値を示す。
【0018】図6に示すように、19平均律音階では、
鍵KEY1によって発生する楽音と鍵KEY7によって発
生する楽音との周波数比は5/4、鍵KEY9によって
発生する楽音との周波数比は4/3、鍵KEY12によっ
て発生する楽音との周波数比は3/2、鍵KEY15によ
って発生する楽音との周波数比は5/3となっている。
また、図7に示すように、12平均律音階では、音名が
「C」の鍵によって発生する楽音と、「E」の鍵によっ
て発生する楽音との周波数比は5/4(音程が長3
度)、「F」の鍵によって発生する楽音との周波数比は
4/3(音程が完全4度)、「G」の鍵によって発生す
る楽音と周波数比は3/2(音程が完全5度)、および
「A」の鍵によって発生する楽音との周波数比は5/3
(音程が長6度)となっている。
【0019】すなわち、これらの周波数比の整数近似値
は、12平均律音階を採用した場合と19平均律音階を
採用した場合とで、ほぼ等しい値となっている。従っ
て、19平均律音階で鍵KEY1と共に鍵KEY7、鍵K
EY9、鍵KEY12、もしくは鍵KEY15とを押下した
ときの楽音は、12平均律音階で「C」の鍵と共に
「E」、「F」、「G」、もしくは「A」の鍵とを押下
した場合と、ほぼ等しい音程間隔を得ることができる。
【0020】また、図8に、鍵盤11の他の配列例を示
す。この図に示す鍵盤11は、図5に示すものと同様
に、前列L1、中列L2および後列L3の横3列によって
構成される。ここで、線D−D’より前側における前列
1および中列L2の配置は図5のものと同様であるが、
後列L3の鍵KEYiは、中列L2の後方、すなわち前列
1の各鍵KEYiの間に位置し、中列L2の鍵KEYi
等しい幅となっている。そして、前列L1の鍵KEYi
後端部は後列L3の鍵KEYiの後端部と同位置となって
いる。また、各列L1,L2,およびL3の鍵KEYに割
り当てられている楽音の音名は、図5に示す鍵盤11の
場合と同様である。
【0021】<鍵盤楽器の全体構成>次に、図5および
図8に示す鍵盤11を有する鍵盤楽器の全体構成につい
て図9を用いて説明する。この図において、12はキー
スイッチ回路であり、上記鍵KEYi毎に設けられたス
イッチからなり、対応する鍵KEYiの操作に応じてオ
ン/オフする。13はキーアサイナであり、キースイッ
チ回路12の各スイッチのオン/オフ状態を走査するこ
とにより、現在操作されている鍵KEYiを検出し、検
出した各鍵KEYiのキーオン信号KONおよびキーコ
ードKCを出力する。
【0022】14および15は周波数ナンバメモリであ
り、キーコードKCに対応付けられた周波数ナンバF1
もしくはF2を各々有するテーブルからなり、キーアサ
イナ13から出力されるキーコードKCに対応した周波
数ナンバF1もしくはF2を出力する。周波数ナンバメモ
リ14は、従来の12平均律音階を用いた電子楽器の周
波数ナンバメモリと同様であり、12個×オクターブ数
の周波数ナンバF1を記憶している。一方、周波数ナン
バメモリ15は、19平均律音階に対応しており、19
個×オクターブ数の周波数ナンバF2を記憶している。
これらの周波数ナンバメモリ14,15は、音階切換ス
イッチSW(図5および図8参照)によって接続された
方が選択されるようになっている。
【0023】16はアキュムレータであり、図示しない
クロック・ジェネレータより一定間隔で供給されるサン
プリング・クロックCKに応じ、音階切換スイッチSW
の操作によって選択された周波数ナンバメモリ14もし
くは15から供給される、周波数ナンバF1もしくはF2
を順次累算し、該累算結果を発生すべき楽音波形の瞬時
位相を指示する位相アドレスデータADDとして出力す
る。ここで、上記周波数ナンバメモリ14から供給され
る周波数ナンバF1は、隣合う鍵KEYiによって発生す
る楽音波形信号の周波数比が12√2となるように設定さ
れている。一方、上記周波数ナンバメモリ15から供給
される周波数ナンバF2は、隣合う鍵KEYiによって発
生する楽音波形信号の周波数比が19√2となるように設
定されている。
【0024】17は楽音信号発生回路であり、波形メモ
リ、およびエンベロープ波形発生回路等からなる。波形
メモリには、例えば1周期分の楽音波形信号が記憶され
ており、位相アドレスデータADDを読出しアドレスと
して、上記楽音波形信号が読み出されるようになってい
る。エンベロープ波形発生回路には、キーアサイナ13
からキーコードKC、キーオン信号KON、およびキー
オフ信号KOFFが入力されており、それらに基づいて
エンベロープ波形信号が発生する。楽音信号発生回路1
7は、このエンベロープ波形信号を上記楽音波形信号に
付与し、楽音信号として出力する。18はサウンドシス
テムであり、楽音信号をアナログ信号に変換し、楽音と
して発音する。
【0025】<鍵盤楽器の動作>次に、本実施例による
鍵盤楽器の動作について説明する。まず、上記鍵盤楽器
を19平均律音階用として使用する場合は、演奏者は、
音階切換スイッチSWを「19」側に設定する。これに
より、音階切換スイッチSWは、19平均律音階用の周
波数ナンバメモリ15側に切り換えられる。そして、演
奏者が鍵盤11におけるいずれかの鍵KEYiを押下す
ると、キースイッチ回路12の該鍵KEYiに対応する
スイッチがオンとなる。そして、キーアサイナ13によ
り上記鍵KEYiのオン状態が検出されて、該鍵KEYi
に対応するキーコードKCおよびキーオン信号KONが
出力される。そして、19平均律音階用の周波数ナンバ
メモリ15からは、このキーコードKCに対応する周波
数ナンバF2がアキュムレータ16に出力される。そし
て、アキュムレータ16により、サンプリング・クロッ
クCKに同期して、周波数ナンバF2が順次累算される
と共に、該累算値が位相アドレスデータADDとして楽
音信号発生回路17に順次出力される。
【0026】上記位相アドレスデータADDは、楽音信
号発生回路17に設けられた波形メモリに順次供給さ
れ、楽音波形の各波形振幅値のうち、この位相アドレス
データADDが示す位相角における波形振幅値が楽音波
形データとして出力される。この楽音波形信号は、楽音
信号発生回路17内のエンベロープ発生回路から供給さ
れるエンベロープ波形信号と乗算され、エンベロープ信
号に応じた振幅エンベロープが付与される。そして振幅
エンベロープが付与された楽音波形信号は、サウンドシ
ステム18に入力され、鍵盤11において操作された鍵
KEYiに応じた楽音として発音される。
【0027】一方、この鍵盤楽器を12平均律音階用と
して使用する場合は、演奏者は、音階切換スイッチSW
を「12」側に設定する。これにより、音階切換スイッ
チSWは、12平均律音階用の周波数ナンバメモリ14
側に切り換えられる。この場合、図5および図8に示す
後列L3を構成する鍵KEY2、KEY5、KEY8、KE
10、KEY13、KEY16、およびKEY19は使用され
ない。そして、演奏者が、鍵盤11の前列L1および中
列L2を構成する鍵KEYiのうちのいずれかを操作する
と、上述の場合と同様に、キーアサイナ13により上記
鍵KEYiのオン状態が検出され、該鍵KEYiに対応す
るキーコードKCおよびキーオン信号KONが出力され
る。この場合、周波数ナンバメモリ14から、当該キー
コードKCに対応する周波数ナンバF1がアキュムレー
タ16に出力される。そして、アキュムレータ16によ
り周波数ナンバF1が順次累算され、該累算値が位相ア
ドレスデータADDとして楽音信号発生回路17に順次
出力されて、上述の場合と同様に、サウンドシステム1
8により楽音として発音される。
【0028】ここで、前列L1および中列L2を構成する
鍵KEYiにおいて、隣合う鍵KEYiが押下されること
によって発生する楽音は、各々その周波数比が12√2と
なる。この時この鍵盤楽器は、従来の12平均律音階を
採用した鍵盤楽器として機能する。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、鍵盤楽器に19平均律音階を採用すること
により、以下のような効果が得られる。 12平均律音階を採用した鍵盤楽器においては実現不
可能であった周波数比(7/5,9/5,7/6,およ
び9/7に近い比)の2和音を得ることができる。 3度および6度の和音、すなわち2音間間隔の近似整
数比が6/5、5/4、8/5、および5/3に近い和
音の濁りが減少する。 3和音、4和音、および5和音について、12平均律
音階を採用した鍵盤楽器と比較して、協和しやすい和音
をより多く選択することができる。 1オクターブに存在する楽音の数が増えるため、より
適切なメロディー要素音を選択してメロディーラインを
形成することができる。以上のようなことから、19平
均律音階を用いた鍵盤楽器によって作曲および演奏を行
うと、これまでにない新しいメロディー感、和音感、転
調効果、および装飾音効果等が得られ、より多彩な演奏
を実現することが可能となる。また、請求項2記載の発
明によれば、鍵盤を、1オクターブにつき、7個の鍵か
らなる前列、5個の鍵からなる中列、および7個の鍵か
らなる後列の3列から構成したため、前列および中列の
鍵の配置が従来の12平均律音階を採用した鍵盤楽器と
同様となり、切換手段によって12平均律音階と19平
均律音階とを選択することができるようにしたので、従
来の12平均律音階用鍵盤楽器としても使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種平均律音階と周波数比との関係を示す表
である。
【図2】 19平均律音階における2音間間隔の近似整
数比、ずれ、および協和度を示す表である。
【図3】 12平均律音階において構成される和音例を
示す表である。
【図4】 19平均律音階において構成される和音例を
示す表である。
【図5】 この発明の一実施例による鍵盤楽器の鍵盤1
1の構成を示す平面図である。
【図6】 19平均律音階を採用した鍵盤楽器におい
て、鍵KEY1と前列L1を構成する他の鍵について、発
生する楽音の周波数比の整数近似値を示す図である。
【図7】 12平均律音階用の鍵盤楽器において、音名
が「C」である鍵と他の白鍵とについて、発生する楽音
の周波数比の整数近似値を示す図である。
【図8】 同実施例における鍵盤11の他の構成例を示
す平面図である。
【図9】 同実施例における鍵盤楽器の構成を示すブロ
ック図である。
【図10】 従来の鍵盤楽器の鍵盤の構成を示す平面図
である。
【図11】 12平均律音階における2音間間隔の近似
整数比、ずれ、および協和度を示す表である。
【符号の説明】
11……鍵盤、14……周波数ナンバメモリ(発音手
段、第2の発音手段)、15……周波数ナンバメモリ
(第1の発音手段)、17……楽音信号発生回路、 K
EYi……鍵、SW……音階切換スイッチ(切換手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前列、中列、および後列の横3列から構
    成されており、1オクターブにつき、前記前列には7
    個、前記中列には5個、および前記後列には7個の鍵が
    配設されている鍵盤と、 1オクターブに19個の楽音を等比の周波数間隔で設定
    し、隣接する前記楽音の周波数比が19√2となる楽音を
    前記鍵盤の鍵各々の操作に対応して発生する発音手段と
    を具備することを特徴とする鍵盤楽器。
  2. 【請求項2】 前列、中列、および後列の横3列から構
    成されており、1オクターブにつき、前記前列には7
    個、前記中列には5個、および前記後列には7個の鍵が
    配設されている鍵盤と、 1オクターブに19個の楽音を等比の周波数間隔で設定
    し、隣接する前記楽音の周波数比が19√2となる楽音を
    前記鍵盤の鍵各々の操作に対応して発生する第1の発音
    手段と、 1オクターブに12個の楽音を等比の周波数間隔で設定
    し、隣接する前記楽音の周波数比が12√2となる楽音を
    前記鍵盤の前列および中列の鍵各々の操作に対応して発
    生する第2の発音手段と、 前記第1の発音手段もしくは前記第2の発音手段のいず
    れか一方を選択する切換手段とを具備することを特徴と
    する鍵盤楽器。
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