しかしながら、従来の調律装置では、このような正しいピッチの発音練習中に補助表示器の表示が乱れてしまうことがあった。例えば、針式の補助表示器では、隣接する2つの音名に対応する2つの基準ピッチの中間付近に被調律音のピッチが近づいた場合、すなわち、被調律音のピッチが基準ピッチに対して2分の1半音(−50セントまたは+50セント)近くずれている場合に、針が左または右に大きく振れる。これは、被調律音のピッチが2つの隣接する異なる基準ピッチの中間付近で揺らいだ場合、その揺らぎに対応して、ピッチずれ計測の基準となる基準ピッチが頻繁に切り替わり、その都度、切り替わる直前の基準ピッチに対する被調律音のピッチの誤差が一旦リセットされることが原因である。よって、例えば、ある基準音名の基準ピッチに対してプラスであった誤差は、基準ピッチが半音上に切り替わったことに伴い突然マイナスに変化するので、基準ピッチの切り替わりの前後で、針はプラス側(右側)からマイナス側(左側)へと大きく振れる。一方、ある基準ピッチに対してマイナスであった誤差は、基準ピッチが半音下に切り替わったことに伴い突然プラスに変化するので、基準ピッチの切り替わりの前後で、針はマイナス側からプラス側へと大きく振れる。従来の調律装置は、上述の通り、ピッチずれ計測の基準となる基準ピッチが切り替わる前後において補助表示器の表示に乱れが生じるため、被調律音の音高を連続的に変化させた場合に種々の問題が生じる。
例えば、ボーカルや、フルートなどの管楽器によるスケール練習やグリッサンド練習などで、複数の異なる音高の音を連続的に変化させる演奏を行う場合、発音させる音の音高に応じて、ボーカルの発声方法や、楽器の指使いや唇の締め具合(アンブシュア)などの演奏方法などが異なることが原因で、新しい音高の音を発音した直後にピッチを安定させることが難しく、音の立ち上がりでピッチが上がりきらなかったり、逆に上擦ったりしてしまうことがある。特に、ボーカルや管楽器の初心者にとっては、スケール練習の際、慣れないスケールや、発音しにくい高い音高を発音する場合に、被調律音のピッチが、目標とする基準音名に対して±50セント近くずれることは発生しがちな問題である。しかし、上述した通り、従来の調律装置は、ピッチずれ計測の基準となる基準ピッチの切り替わりの前後で補助表示器の表示が乱れるため、調律の目標とする基準音名の確認と、その基準音名の基準ピッチに対する入力音のピッチのずれ度合いの確認とをいずれも行い難く、ボーカルや、フルートなどの管楽器によるスケール練習やグリッサンド練習などの用途には不向きであった。
また、例えば、歌唱の練習において、大きな音高差(例えばCとDの2つの音高を、長2度(2半音))のピッチの振れ幅で連続的にピッチを上下させて歌う場合(トリル)、従来の補助表示器、例えば、針式の補助表示器は、歌唱のピッチが、ピッチずれ計測の基準となる基準ピッチが切り替わるポイント(CとC#との間の中間ピッチ、C#とDとの間の中間ピッチ)を跨ぐ毎に、針が左右に大きく振れることになる。よって、従来の調律装置は、ビブラート時の歌唱のピッチの揺れ具合を補助表示器で確認することが困難であった。
また、ボーカルの場合、従来の針式の補助表示器では、細かなピッチの揺れなどもすべて針の振れに反映される。そのため、声の特性上むしろ音楽的に好い効果をもたらすものとして許容されるべき範囲内のピッチの揺らぎであっても針が逐次細かく振れるため、不必要に厳しいピッチ判定結果をユーザに与える可能性があり、ボーカルのピッチ練習の用途には不向きであった。
以上、針式の補助表示器を例に従来の補助表示器における問題点を説明したが、従来例図7(a)、(b)の補助表示器121においても同様の問題が生じることは容易に理解できる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、特にボーカルや管楽器奏者にとって各音に対するピッチの確認が容易な調律装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために、請求項1記載の調律装置によれば、1オクターブを構成する音名のそれぞれに対する表示位置が音高順に並んで配置された音名表示手段を有する。ピッチ検出手段により検出された入力音のピッチに基づき、音名表示手段における1オクターブを構成する音名のうち、当該入力音のピッチに最も近い基準ピッチを持つ音名(基準音名)が音名決定手段により決定される。そして、決定された基準音名に対応する基準ピッチと入力音のピッチとの差分が、±α(α>0)を両端の境界とする範囲内である場合には、基準音名に対する表示位置である基準表示位置が、第1発光制御手段により発光される。つまり、前記差分が小さい場合には、音名決定手段により決定された基準音名に対する表示位置(基準表示位置)が発光する。このとき、基準表示位置に隣接する表示位置は消光している。よって、例えば、音名表示手段を構成する表示位置が半音単位で配置される場合には、基準表示位置が単独で発光し、基準音名の半音上又は半音下の表示位置はいずれも消光した状態となる。ユーザは、この状態を見て、入力音(被調律音)のピッチが、調律の目標とする基準音名の基準ピッチに合っていること(インチューン状態)を知ることができる。
その一方で、前記差分が、±α(α>0)を両端の境界とする範囲外である場合には、基準表示位置と、基準音名の隣に位置し入力音のピッチに近い側の音名である隣接表示位置との両方が、前記差分の絶対値が大きくなるにつれて、基準表示位置を次第に暗く、隣接表示位置を次第に明るくするように、第1発光制御手段により発光される。つまり、基準音名の基準ピッチに対する入力音のピッチの差分がある程度大きくなると、基準表示位置と隣接表示位置との両方が発光する。よって、例えば、音名表示手段を構成する表示位置が半音単位で配置される場合、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分が高音側にある程度大きくなると、基準表示位置と、半音上の音名の基準ピッチに対する隣接表示位置との両方が発光する。一方、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分が低音側にある程度大きくなると、基準表示位置と、半音下の音名の基準ピッチに対する隣接表示位置との両方が発光する。このとき、基準ピッチと入力音のピッチとの差分の絶対値が大きくなるにつれ(即ち、入力音のピッチが基準ピッチから離れるにつれ)、基準表示位置は次第に暗くなり、その一方で、隣接表示位置は次第に明るくなる。換言すれば、その差分の絶対値が小さくなるにつれ(即ち、入力音のピッチが基準ピッチに近づくにつれ)、基準表示位置は次第に明るくなり、隣接表示位置は次第に暗くなる。よって、入力音のピッチが基準ピッチからどの程度ずれているかを、ずれの方向(高音側にずれているか低音側にずれているか)を含めて隣接する2つの表示位置の明暗の度合い(輝度の程度または発光の濃淡)で確認できるので、調律作業において2つの表示器(音名表示器、補助表示器)を別々に視認する場合に比べ、調律の目標とする基準音名の確認と、その基準音名の基準ピッチに対する入力音のピッチのずれ度合いの確認とを、1つの表示器(音名表示手段)を一見して容易に行い得る。
また、請求項1記載の調律装置によれば、ピッチのずれ度合いが、音名表示手段における各表示位置の連続的な明暗の変化によって表現されるので、それが、特にボーカルにとって、人間工学的または感覚的になじみやすくて都合がよい。また、従来の針式の補助表示器のように、不必要に厳しいピッチ判定結果を与えることを抑制できる。
また、入力音のピッチを高音側または低音側の一方向に連続的に変化させた場合には、あるピッチを境界として、音名決定手段により決定される基準音名が切り替わる。この切り替わりに伴い、それまで隣接表示位置であった表示位置は基準表示位置に変わり、それまで基準表示位置であった表示位置は隣接表示位置に変わる。入力音のピッチをさらに変化させた場合、入力音のピッチは、切り替わり後の基準音名(現在の基準音名)の基準ピッチに次第に近づき、これに伴い、両ピッチの差分の絶対値は次第に小さくなる。よって、それまで隣接表示位置であった表示位置(現在の基準表示位置)は次第に明るくなり、それまで基準表示位置であった表示位置(現在の隣接表示位置)は次第に暗くなる。このように、入力音のピッチを連続的に一方向に変化させた場合には、音名表示手段を構成する各表示位置は、入力音のピッチに逐次対応して連続的に明るくなったり暗くなったりしながら、発光する表示位置がピッチ変化の方向に順次移動する。よって、ボーカルや管楽器によるグリッサンドの練習などを行う場合であっても、入力音(被調律音)の連続的なピッチ変化に伴う表示の変化が連続的で乱れることなくスムーズである。従って、この点においても、調律の目標とする基準音名の確認と、その基準音名の基準ピッチに対する入力音のピッチのずれ度合いの確認とを行い易く、調律作業を行い易い。また、入力音の連続的なピッチ変化に伴う表示の変化が連続的で乱れることなくスムーズであるので、例えば、ピッチのゆれる音高差が大きい(例えば2半音程度)ビブラートを行った場合のピッチの揺れ具合もユーザに容易に確認させることができる。よって、歌唱練習におけるボーカルの調律作業を行い易い。
入力音のピッチが、基準ピッチに対して音高が高い側にずれていることを示す第1表示位置と、入力音のピッチが、基準ピッチに対して音高が低い側にずれていることを示す第2表示位置とを有する補助表示手段を備える。この補助表示手段は、基準ピッチと入力音のピッチとの差分に応じて、第1表示位置および第2表示位置の発光が第2発光制御手段により制御される。よって、基準ピッチに対する入力音のピッチのずれ方向を補助的にユーザに示唆することができ、ユーザにピッチのずれ方向を把握させ易い。
加えて、基準音名の基準ピッチと入力音のピッチとの差分が、±β(β>α)を両端の境界とする範囲外であり、かつ、{(基準音名に隣接する音名の基準ピッチ−基準音名の基準ピッチ)/2}(ただし、この値≠±β)を両端とする範囲内である場合には、第1表示位置と第2表示位置との両方が消光する。つまり、入力音のピッチが、隣り合う音名の各基準ピッチの中間を中心とする所定の範囲にある場合に、第1表示位置と第2表示位置との両方が消光される。音名決定手段により決定される基準音名は、隣り合う音名の各ピッチの中間を境界として切り替わるので、入力音のピッチが当該境界を含む所定の範囲にある場合に、第1表示位置と第2表示位置との両方を消光することにより、基準音名の切り替わりタイミングにおける表示の乱れを防止できる。
請求項2記載の調律装置によれば、請求項1記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。各表示位置が、1オクターブ分の12個の表示装置における一端の音名と他端の音名とが隣り合うように音高順に周回状に配置されているので、最初の入力音のピッチに対応して発光する表示位置がどこであっても、その後に入力音のピッチを一方向に連続的に変化させた場合には、発光する表示位置が連続的に時計方向または反時計方向に移動するだけである。よって、発光する表示位置がピッチの変化方向とは逆方向に跳躍したりなど不自然に移動することがないので、各音に対するピッチの確認を行い易い。
特に、例えば、図7(a)に示すクロマチックチューナディスプレイ100のように、12個の表示部120a〜120lが直線上に配置された調律装置では、入力音のピッチに基づき決定される音名が、Bから半音上のCに変化した場合、発光する表示位置が、右端のBから、左端のCへと大きく移動する。表示音名の半音上への変化であれば、右側に隣接する表示部に発光位置が移動することが感覚的に自然であるが、右端の表示部から左端の表示部へと、ピッチの変化方向とは逆方向に大きく移動するので、感覚的に違和感を与える。請求項2記載の調律装置によれば、この違和感を解消できる。
請求項3記載の調律装置によれば、請求項1又は2に記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。基準ピッチと入力音のピッチとの差分が、±α(α>0)を両端の境界とする第1範囲内である場合に基準表示位置が第1範囲外である場合と比べて、最も明るく発光される。つまり、基準表示位置が単独で最も明るく発光され、当該基準表示位置の両隣の隣接表示位置は消光されるので、入力音のピッチが基準ピッチに合っていることを、ユーザに分かり易く示すことができる。
請求項4記載の調律装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。基準ピッチと入力音のピッチとの差分が、±α(α>0)を両端の境界とする第1範囲内に設定される所定の第2範囲内である場合、当該差分が第2範囲内であることが、報知制御手段により、視覚的または聴覚的に報知される。よって、入力音(被調律音)のピッチが、基準ピッチ近くに合っていることをユーザに認識させ易い。なお、請求項4において「第1範囲内に設定される所定の第2範囲」とは、第2範囲が第1範囲より狭い場合と、第2範囲と第1範囲とが等しい場合との両方を含むことを意図する。
請求項5記載の調律装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。基準ピッチと入力音のピッチとの差分が、所定時間以上、±β(β>α)を両端の境界とする範囲内にある場合に、第1表示位置及び/又は第2表示位置に対する前記差分に応じた発光制御が第2発光制御手段によって行われる。よって、入力音のピッチが、当該範囲内に一瞬入っただけでは、第1表示位置又は第2表示位置が発光せず、補助表示手段(第1表示位置、第2表示位置)のちらつきを防止できる。
請求項6記載の調律装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。基準音名の基準ピッチと入力音のピッチとの差分が{(基準音名に隣接する音名の基準ピッチ−基準音名の基準ピッチ)/2}である場合に、基準表示位置と隣接表示位置とが等しい明るさで発光されるので、入力音のピッチが、隣接する2つの音名のどちらに近いかを誤認させる可能性を低減できる。
請求項7記載の調律装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載される調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。調律の際、これから合わせようとするピッチを基準ピッチとして持つ、調律の目標とする音(目標音)の音名に対する表示位置である目標表示位置が、第3発光制御手段による制御によって、第1発光制御手段による基準表示位置又は隣接表示位置の発光態様とは異なる発光態様で発光されるので、目標表示位置の発光と、基準表示位置又は隣接表示位置の発光とを区別させることができる。よって、ユーザは、目標音に自分のピッチを合わせようとする調律を行い易い。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、調律装置1の概略正面図である。調律装置1は、ボーカル(音声)や楽器音などの音を調律するための装置であり、音名表示器20と、補助表示器21と、マイク22と、操作パネル15とを有する。詳細は後述するが、調律装置1は、マイク22から入力された音のピッチを検出し、音名表示器20及び補助表示器21を、検出されたピッチに基づき発光させる。
音名表示器20は、入力音(被調律音)のピッチに応じた音名を表示するものである。音名表示器20は、1オクターブを構成する12個の音名(C,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,B)にそれぞれ対応する12個の表示部20a〜20lから構成される。なお、図面上では、小文字「l(エル)」を全て、筆記体のエルとして表示している。表示部20a〜20lは、1オクターブにおける一端の音名(例えば、「C」)と他端の音名(例えば、「B」)とが隣り合うように音高順に円周状に配置される。各表示部20a〜20lは、いずれも、音名が表記された半透明のカバーと、そのカバーに覆われたLEDとから構成され、LEDを点灯させることによって発光させる。
補助表示器21は、入力音のピッチに応じて決定される基準音名の基準ピッチに対する、入力音のピッチのずれ方向を表示するものである。補助表示器21は、円周状に配置される表示部20a〜20lの内側に配置され、第1表示部21aと、第2表示部21bとを有する。第1表示部21aは、入力音のピッチが、基準ピッチに対して高い側(#側)にずれていることを示す表示部である。第2表示部21bは、入力音のピッチが、基準ピッチに対して低い側(♭側)にずれていることを示す表示部である。第1表示部21a及び第2表示部21bは、いずれも、半透明のカバーと、そのカバーに覆われたLEDとから構成され、LEDを点灯させることによって発光させる。
図1(b)〜(d)は、音名表示器20及び補助表示器21における表示の一例を示す模式図である。図1(b)〜(d)では、入力音のピッチに応じて決定された音名(基準音名)が「C」である場合の例を示す。
本実施形態の調律装置1によれば、基準音名「C」の基準ピッチ(基準ピッチ「C」)と入力音のピッチとがインチューン状態、すなわち、基準ピッチ「C」に対する入力音のピッチのずれが、音楽的にピッチが合っていると許容できるピッチのずれ範囲内に収まっている場合、図1(b)に示すように、基準音名「C」に対する表示部20aが最大輝度(100%)で発光され、隣接する表示部20b、20lは消光される。このとき、表示部20aが最大輝度で発光し、かつ隣接する上下の音名C#、Bに対応する表示部20b、20lは消灯状態となっているのを見て確認することで、入力音のピッチが基準ピッチ「C」に合った、すなわち調律が出来たと視覚的に判断することができる。なお、図1(b)〜(d)に示す例では、表示部20a〜20lのうち、発光中の表示部にはハッチングを付し、その濃淡によって輝度の違いを表している。具体的に、ハッチングが濃い程、輝度が高く、ハッチングが薄い程、輝度が低いことを表している。図1(b)において最大輝度で発光する表示部20aには、最も濃いハッチングを付している。
一方、基準ピッチと入力音のピッチとの差分がある程度大きくなると、図1(c)及び(d)に示すように、表示部20aと同時に、表示部20aに隣接する表示部20b,20lのうちいずれか一方との2つの表示部が同時に発光される。具体的には、入力音のピッチが、基準ピッチ「C」に対して高い側にずれている場合には、音名「C」に対する表示部20aと、音名「C#」に対する表示部20bとが発光される。一方、基準ピッチ「C」に対して低い側にずれている場合には、表示部20aと、音名「B」に対する表示部20bとが発光される。より詳細には、基準ピッチ「C」と入力音のピッチとの差分が所定の閾値を超えて大きくなると、当該差分の絶対値が大きくなるにつれて、すなわち、入力音のピッチが基準ピッチ「C」から離れ、隣接する音名の基準ピッチ「C#」または「B」に近づくにつれて、表示部20aの輝度が次第に低くなる一方で、隣接する表示部20bまたは表示部20lの輝度が次第に高くなる。
例えば、入力音のピッチを基準ピッチ「C」から「C#」へと連続的に変化させた場合、基準ピッチ「C」と入力音のピッチとの差分が所定の閾値(例えば、+10セント)を超えると、図1(c)に示すように、表示部20aの輝度が次第に低くなる一方で、表示部20bの輝度が高くなっていく。入力音のピッチをさらに高音側に変化させると、やがて、表示部20aの輝度は0%となり、表示部20bの輝度は100%となり、そして、入力音のピッチは基準ピッチ「C#」に至る。なお、基準音名は、入力音のピッチに最も近い基準ピッチを持つ音名であるので、入力音のピッチを基準ピッチ「C」から「C#」へ徐々に変化させた場合、基準音名は、基準ピッチ「C」と基準ピッチ「C#」との中間のピッチを境界として、「C」から「C#」に切り替わる。これら一連の動作により、隣接する表示部20a,20bの明暗に基づいて、入力音のピッチが基準ピッチ「C」より高音側にずれてゆき、基準ピッチ「C#」に至ったことを、ユーザは視覚的に認識できる。
一方、入力音のピッチを基準ピッチ「C」から「B」へと連続的に変化させた場合、基準ピッチ「C」と入力音のピッチとの差分が所定の閾値(例えば、−10セント)を超えると、図1(d)に示すように、表示部20aの輝度が次第に低くなる一方で、表示部20lの輝度が高くなっていく。入力音のピッチをさらに基準ピッチ「B」に向かって変化させると、やがて、表示部20aの輝度は0%となり、表示部20lの輝度は100%となり、そして、入力音のピッチは基準ピッチ「B」に至る。入力音のピッチを基準ピッチ「C」から「B」へ徐々に変化させた場合、基準音名は、基準ピッチ「C」と基準ピッチ「B」との中間のピッチを境界として、「C」から「B」に切り替わる。これら一連の動作により、隣接する表示部20a,20blの明暗に基づいて、入力音のピッチが基準ピッチ「C」より低音側にずれてゆき、基準ピッチ「B」に至ったことを、ユーザは視覚的に認識できる。
また、本実施形態の調律装置1によれば、入力音のピッチを高音側へ連続的に変化させた場合、音名表示器20の各表示部20a〜20lは、基準音名の切り替わりに伴って、新しい基準音名に対応する表示部へと時計回りに順次切り替わるが、それだけでなく、基準音名が切り替わる過程において、隣接する表示部のうち、先に基準音名となった低音側の音名に対応する表示部の輝度が次第に低くなり、その一方で、高音側に隣接する音名に対応する表示部の輝度が、基準音名が切り替わる以前から次第に高くなる。よって、基準音名の切り替わりのタイミングで、隣接する2つの表示部の発光が途切れたり非連続的になったりして乱れることなく、発光する表示部が、ある音名に対応する表示部から、高音側に隣接する新しい基準音名に対応する表示部へと、時計回りにスムーズに順次切り替わる。一方、入力音のピッチを低音側へ連続的に変化させた場合も同様に、基準音名の切り替わりのタイミングで表示が乱れることなく、発光する表示部が、ある音名に対応する表示部から、低音側に隣接する新しい基準音名に対応する表示部へと、反時計回りにスムーズに順次切り替わる。
よって、調律装置1は、ボーカルや管楽器によるスケール練習などにおいて、各音に対するピッチの確認を容易に行うことができ、さらに例えばポルタメント(ピッチを連続的に決められた音高分連続的に上げたり下げたりする演奏方法)時のピッチ変化の態様を視覚的に確認するような用途にも好適に利用できる。また、1オクターブ分の12音における一端の音名(例えば「C」)と、他端の音名(例えば「B」)とが隣り合うように音高順に円周状に配置されているので、入力音のピッチに最も近い基準ピッチに対応する音名に応じて、どの表示位置から発光を開始し、さらに徐々に高くまたは低く変化する場合であっても、発光する表示部が常に連続的に時計回りまたは反時計回りの回転方向に移動する。この点においても、各音に対するピッチの確認を行い易い。
一方、補助表示器21による表示は、基準ピッチに対する入力音のピッチのずれ度合いを補助的に表示する。例えば、調律装置1は、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分が所定の値よりも小さい場合に、第1表示部21a及び第2表示部21bの両方を発光させる。ここで所定の値を、入力音のピッチが基準ピッチに合ったと判定することのできる、基準ピッチに対するピッチのずれ幅の許容範囲とすることにより、第1表示部21a及び第2表示部21bの同時発光は、入力音のピッチが基準ピッチに合った(調律が出来た、またはインチューン)状態であることをユーザに報せることができる。
また、音名表示器20における2つの隣接する表示部が同時に発光している場合、すなわち、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分がある程度大きい(インチューン状態でない)場合には、入力音のピッチが基準ピッチに対して高音側にずれているか、低音側にずれているかに応じて、第1表示部21a又は第2表示部21bの一方のみが発光される。例えば、図1(c)に示すように、入力音のピッチが基準音名の基準ピッチより高音側にずれている場合には、第1表示部(「#」の表示部)21aが発光される。一方、図1(d)に示すように、入力音のピッチが基準音名の基準ピッチより低音側にずれている場合には、第2表示部(「♭」の表示部)21bが発光される。基準音名の基準ピッチに対する入力音のピッチのずれ方向に応じて、第1表示部21a又は第2表示部21bの一方が発光されるので、音名表示器20による入力音の音高のずれ方向の情報を補助し、ユーザにピッチのずれ方向を把握させ易い。
図2は、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分と、音名表示器20における各表示部20a〜20lの輝度との関係の一例を説明する説明図である。図3は、入力音のピッチに対する各表示部20a〜20lの輝度変化の一例を示すグラフである。なお、図3のグラフにおいて、横軸はピッチPを示し、縦軸は輝度L(%)を示す。上述した通り、表示部20a〜20lは、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分(入力音のピッチから基準ピッチを差し引いた値)に応じて、基準ピッチに対応する1つの表示部のみ単独で、または、基準ピッチに対応する表示部と隣接する1つの表示部との2つの表示部が同時に発光される。図2に示すように、1つの音名(例えば、「C」)に着目した場合、入力音のピッチに応じて決定される基準音名の基準ピッチに対する、入力音のピッチの差分Δが、−10セント≦Δ≦+10セントである場合には、基準音名に対する表示部が、輝度L=100%で発光される。例えば、基準音名が「C」である場合、図3に示すm〜oの区間において、基準音名「C」に対する表示部20aが、輝度L=100%で発光される。
一方、−50セント≦Δ<−10セントである場合、すなわち、入力音のピッチが、基準音名の基準ピッチより−10セントを超えて低い場合、基準音名に対する表示部が、80≦L<100の範囲で、差分Δの絶対値が大きくなる程(即ち、入力音のピッチが低い程)、徐々に低い輝度で発光される。その一方で、基準音名の低音側に隣接する表示部が、80≧L>0の範囲で、差分Δの絶対値が大きくなる程、高い輝度で発光される。例えば、基準音名が「C」である場合、図3に示すl〜mの区間において、入力音のピッチが低くなり、差分Δの絶対値が大きくなる程、基準音名「C」に対する表示部20aの輝度は低くなり、音名「B」に対する表示部20lの輝度は高くなる。
また、+10セント<Δ<+50セントである場合、すなわち、入力音のピッチが、基準音名の基準ピッチより+10セントを超えて高い場合、基準音名に対する表示部が、100>L>80の範囲で、差分Δの絶対値が大きくなる程(即ち、入力音のピッチが高い程)、低い輝度で発光される。その一方で、基準音名の高音側に隣接する表示部が、0<L<80の範囲で、差分Δの絶対値が大きくなる程、高い輝度で発光される。例えば、基準音名が「C」である場合、図3に示すo〜pの区間において、入力音のピッチが高くなり、差分Δの絶対値が大きくなる程、基準音名「C」に対する表示部20aの輝度は低くなり、音名「C#」に対する表示部20bの輝度は高くなる。
図3に示すように、隣接する2つの音名に対する各表示部の輝度は、隣接する各音名に対応する各ピッチの中間において交差する。本実施形態では、当該交差点における各表示部の輝度は80%である。隣接する音名間のピッチ差は100セントであるので、例えば、基準音名が「C」である場合には、対応する基準ピッチ「C」から±50セントの位置で、表示部20aの輝度と、表示部20b又は表示部20lの輝度が80%となる。
図3によれば、1つの音名、例えば、「C」に着目した場合、入力音のピッチが、基準ピッチ「C」から±10セントを超えてずれている場合、当該ずれが±50セントまでの範囲、すなわち、l〜m区間およびo〜p区間において、表示部20aは、ずれが大きくなるに伴い、100%から80%まで徐々に輝度が低下し、暗くなっていく。さらに、入力音のピッチが、基準ピッチ「C」から±50セントを超えてずれている場合、すなわち、k〜l区間およびp~q区間において、ずれが大きくなるに伴い、表示部20aの輝度は、さらに徐々に低下し、やがて消光(輝度=0%)となる。なお、入力音のピッチが、基準ピッチ「C」から±50セントを超えると、基準ピッチは「C」から「C#」又は「B」に切り替わる。入力音のピッチが、基準ピッチ「C」に対し±90セント離れた場合に、表示部20aは消光し、その一方で、その時点における基準ピッチ「C#」又は「B」の表示部20bまたは20lの輝度が100%となる。
図3に示すように、隣接する各音名に対応する各ピッチの中間における各表示部の輝度を50%より大きい値にした場合、入力音のピッチが基準ピッチから離れるにつれて低下する、基準音名に対する表示部の輝度の低下率は、入力音のピッチが基準ピッチから離れるにつれて増加する、基準音名に隣接する音名に対する表示部の輝度の増加率より小さくなる。例えば、基準音名が「C」である場合、入力音のピッチが基準ピッチ「C」から離れるに従う表示部20aの輝度の変化率、すなわち、直線rおよび直線sの傾きは、入力音のピッチが基準ピッチ「C」から離れるに従う表示部20b,20lの輝度の変化率、すなわち、直線tおよび直線uの傾きより小さい。よって、かかる場合は、表示部20aの輝度は基準ピッチ「C」から入力音のピッチが離れるにつれて100%より徐々に低下し、基準音名の切り替わりタイミングが到来するまで、隣接する表示部の輝度の変化に比べてゆっくりとなる。そのため、基準音名の切り替わりタイミングを境界として、隣接する2つの音名に対する表示部の輝度の変化に減り張り付けることができる。
図4は、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分Δと、補助表示器21における第1表示部21a及び第2表示部21bの発光状態の一例を説明する説明図である。図4に示すように、第1表示部21a及び第2表示部21bは、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分Δに応じて発光/消光される。具体的に、−5セント≦Δ≦+5セントである場合、第1表示部21a及び第2表示部21bの両方が発光(オン)され、基準ピッチに入力音のピッチがほぼ一致した状態であることをユーザに報せる。ここで、第1表示部21a及び第2表示部21bの両方が点灯する差分Δの範囲(第2範囲)は、基準音名に対する表示部が単独で点灯する差分Δの範囲(第1範囲:−10セント≦Δ≦+10セント)より狭く設定されている。この設定により、最初に、表示部20a〜20lの輝度100%による単独点灯を確かめることによって、入力音のピッチが基準ピッチにおおよそ近づいている広い範囲でのインチューン状態(以下、このインチューン状態を「第1インチューン状態」と称す)であることを報せ、入力音のピッチが基準ピッチにさらに近づくと、第1表示部21a及び第2表示部21bの同時発光によって、より基準ピッチに近い狭い範囲でのインチューン状態(以下、このインチューン状態を「第2インチューン状態」と称す)であることをユーザに報せることができる。
また、+5セント<Δ≦+40セントである場合、すなわち、入力音のピッチが、基準ピッチより+5セントを超えて高い場合には、第1表示部(「#」の表示部)21aのみが発光する。一方、−40セント≦Δ<−5セントである場合、すなわち、入力音のピッチが、基準ピッチより−5セントを超えて低い場合には、第2表示部(「♭」の表示部)21bのみが発光する。よって、入力音のピッチが、基準ピッチに対して高いのか低いのかを、第1表示部21a又は第2表示部21bの発光によって、補助的に、ユーザに報せることができる。
上述したように、入力音のピッチがインチューン状態であることを、第1/第2インチューン状態(広い/狭いピッチずれ範囲を許容)の2段階に分けて報せることにより、入力音(被調律音)のピッチが、基準音名の基準ピッチに対してより正確に合っていることをユーザに認識させ易い。また、入力音のピッチがインチューン状態であることを2段階に分けて報せる機能は、歌唱や管楽器によるスケール練習などで、複数の異なる音高の音を連続的に演奏する場合に、各音の立ち上がりから安定した正しいピッチを出す練習をするために有効となる。
一例をあげると、例えば、フルートなどの管楽器でハ長調の長音階を上昇し下降するロングトーンによるスケール練習を行う場合、初心者である演奏者はまず、ゆっくりとしたテンポでハ長調の音階を順次C、D、E、・・・と演奏しながら、音名表示器20を構成する12音の表示部20a〜20lの点灯に注目する。例えば、順次発音していくそれぞれの音高につき、対応する表示部20a(表示部「C」)、表示部20c(表示部「D」)、表示部20e(表示部「E」)、・・・の点灯状態を逐次確認する。ここで、隣接する上下の表示部、例えば基準音名が「C」であれば、表示部20b,20l(表示部「C#」,「B」)を点灯させることなく、表示部20a(表示部「C」)のみを輝度100%で点灯させるインチューン状態(第1インチューン状態)となるよう、各音高の吹き始め直後から発音することを第1段階の目標とする。
ここで、ハ長調の長音階の7音すべての各音高において第1インチューン状態を満たしたとしても、よりインチューン判定の許容範囲が狭い補助表示器21を同時に見ることで、ハ長調音階の7音のうち、ピッチが下がり気味、または上がり気味となる音高を演奏者は見つけることができる。すなわち、ある音高で第1表示部21aのみが発光し、第2表示部21bが消光していれば、演奏者は、その音高は、第1インチューン状態を満たしていてもなお、基準音名の基準ピッチよりも高め(シャープ気味)であると認識できる。一方、第1表示部21aが消光し、第2表示部21bのみが発光していれば、演奏者は、その音高は、第1インチューン状態を満たしていてもなお、基準ピッチよりも低め(フラット気味)であると認識できる。演奏者は、第2段階の目標として、それら特定の音高を意識して発音時にピッチ調整することで、表示部20a(表示部「C」)、表示部20c(表示部「D」)、表示部20e(表示部「E」)、・・・を100%輝度にて点灯させる第1インチューン状態を満たすと同時に、どのスケール音に対しても補助表示器21a、21bの両方をも点灯させるインチューン状態(第2インチューン状態)を満たすことができるようにスケール練習を行う。
このように、段階を追って練習を進めることで、正しいピッチで各音高を発音するようになるために、効率的なスケール練習を行うことができる。なお、第1および第2インチューン状態それぞれの基準ピッチからのずれの許容範囲は、演奏者の習熟度、あるいは練習の目的に応じて、ユーザが選択または調整できるようにしてもよい。また、第1および第2インチューン状態それぞれの基準ピッチからのずれの許容範囲を等しくして、補助表示器を使って、インチューン状態であることをより分かりやすくユーザに報じるようにしてもよい。
また、+40セント<Δ≦+50セント、又は、−50セント≦Δ<−40セントである場合、第1表示部21a及び第2表示部21bはいずれも消光(オフ)される。よって、隣接する各音名に対応する各ピッチの中間付近、すなわち、基準音名が切り替わるピッチ付近において、第1表示部21a及び第2表示部21bはいずれも消光されるので、基準音名の切り替わりタイミングにおける表示の乱れを防止できる。
図5(a)は、調律装置1の電気的構成を示すブロック図である。調律装置1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、フラッシュメモリ14と、操作パネル15と、ドライバ16と、アナログデジタルコンバータ(ADC)17と、音名表示器20と、補助表示器21と、マイク22とを有している。各部11〜17は、バスライン24を介して互いに接続される。マイク22は、ADC17に接続される。音名表示器20及び補助表示器21は、ドライバ16に接続される。
CPU11は、ROM12に記憶される固定値やプログラム、RAM13に記憶されているデータなどに従って、調律装置1の各部を制御する中央制御装置である。CPU11は、クロック信号を計数することにより、時刻を計時するタイマ(図示せず)を内蔵している。ROM12は、書き替え不能な不揮発性メモリであって、CPU11に実行させる制御プログラム12aや、この制御プログラム12aが実行される際にCPU11により参照される固定値データ(図示せず)などが記憶される。なお、図6のフローチャートに示す各処理は、制御プログラム12aに基づいて実行される。
RAM13は、書き替え可能な揮発性メモリであり、CPU11が制御プログラム12aを実行するにあたり、各種のデータを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する。フラッシュメモリ14は、書き換え可能な不揮発性のメモリであり、例えば、音名表示器20に目標音として表示させるための種々の音高のピッチデータが記憶される。操作パネル15は、ユーザが各種指示を入力する操作子や、7セグメントLEDから構成される表示部などが設けられたパネルである。
ドライバ16は、音名表示器20の表示部20a〜20lにそれぞれ設けられたLED、及び、補助表示器21の各表示部21a,21bにそれぞれ設けられたLEDに接続され、各LEDを発光させるLEDドライバである。ドライバ16は、CPU11から入力された、発光態様を指示する制御情報に従い、指示対象のLEDを発光させる。ドライバ16は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって、各LEDの輝度を制御する。よって、CPU11から供給された制御情報がLEDの輝度を指定する情報である場合には、指定された輝度に応じたデューティ比の電力パルスが制御対象とするLEDへ供給される。これにより、表示部20a〜20lおよび表示部21a,21bに設けられた各LEDは、供給された電力パルスのデューティ比に応じた輝度、即ち、CPU11により指定された輝度で発光する。
図5(b)は、調律装置1の機能を説明するための機能ブロック図である。図5(b)に示すように、調律装置1は、入力手段31と、ピッチ検出手段32と、音名決定手段33と、発光制御手段34と、表示手段35とを含む。入力手段31は、ボーカルや楽器音などの調律の対象となる被調律音(入力音)を、調律装置1へ入力させる機能であり、マイク22とADC17などによって実現される。入力手段31は、入力音をピッチ検出手段32に供給する。
ピッチ検出手段32は、入力手段31から供給された入力音のピッチを検出する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。ピッチ検出手段32は、検出した入力音のピッチを、音名決定手段33と発光制御手段34とに供給する。
音名決定手段33は、調律の際、入力音のピッチを合わせようとする目標のピッチとなる基準ピッチに対応する基準音名を決定する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。音名決定手段33は、ピッチ検出手段32から供給された入力音のピッチに基づき、基準音名を決定する。具体的に、入力音のピッチに最も近い基準ピッチを持つ音名を基準音名として決定する。音名決定手段33は、決定された基準音名を発光制御手段34に供給する。
発光制御手段34は、音名表示器20の発光と、補助表示器21の発光とを制御する機能であり、CPU11およびドライバ16などによって実現される。発光制御手段34は、ピッチ検出手段32から供給された入力音のピッチと、音名決定手段33から供給された基準音名(基準ピッチ)とに基づき、音名表示器20の表示部20a〜20l、及び、補助表示器21の表示部21a,21bのうち、発光対象とする表示部に対し、発光輝度に応じた輝度に応じたデューティ比の電力パルスを表示手段35に供給する。
表示手段35は、発光機能であり、音名表示器20の表示部20a〜20lにそれぞれ設けられたLED、及び、補助表示器21の各表示部21a,21bにそれぞれ設けられたLEDによって実現される。発光制御手段34から電力パルスが供給されると、発光制御手段34において発光対象とされたLED(表示手段35)が発光する。
図6は、上記構成を有する調律装置1のCPU11が実行するピッチ表示処理を示すフローチャートである。ピッチ表示処理は、マイク22から入力された入力音のピッチに基づき、音名表示器20及び補助表示器21の表示を制御する処理である。ピッチ表示処理は、操作パネル15に対する所定の操作によって、調律作業の開始が指示されると開始し、以降は所定時間毎に繰り返し実行される。
CPU11は、まず、入力音のピッチPを検出し(S61)、検出されたピッチPに基づき、基準音名Nt(基準ピッチSt)を決定する(S62)。S62では、具体的に、CPU11は、検出された入力音のピッチPに最も近い基準ピッチStである音名を基準音名Ntとして決定する。次に、CPU11は、S61において検出されたピッチPから、S62において決定された基準ピッチStを減算し、基準ピッチStに対する入力音のピッチPの差分Δをセント単位で算出する(S63)。
S63において算出された差分Δが、−40セント以上、かつ、+5セント以下であると、CPU11が判断した場合(S64:Yes)、CPU11は、補助表示器21における第2表示部(「♭」の表示部)21bのLEDを100%の輝度で発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力する(S65)。一方、差分Δが、−40セント以上でも、+5セント以下でもないと、CPU11が判断した場合(S64:No)、CPU11は、第2表示部21bのLEDを消光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力する(S70)。よって、基準ピッチStに対する入力音のピッチの差分Δが、−40セント≦Δ≦+5セントの範囲内である場合には、第2表示部21bが発光し、上記範囲外である場合には、第2表示部21bは消光する。
また、S63において算出された差分Δが、−5セント以上であり、かつ、+40セント以下であると、CPU11が判断した場合(S66:Yes)、CPU11は、補助表示器21における第1表示部(「#」の表示部)21aのLEDを100%の輝度で発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力する(S67)。一方、差分Δが、−5セント以上でも、+40セント以下でもないと、CPU11が判断した場合(S66:No)、CPU11は、第1表示部21aのLEDを消光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力する(S71)。よって、基準ピッチStに対する入力音のピッチの差分Δが、−5セント≦Δ≦+40セントの範囲内である場合には、第1表示部21aが発光し、上記範囲外である場合には、第1表示部21aは消光する。
次に、S63において算出された差分Δが、−10セント≦Δ≦+10セントの範囲内であると、CPU11が判断した場合(S68:−10cent<Δ<+10cent)、CPU11は、音名表示器20において、基準音名Ntに対する表示部を100%の輝度で発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S69)、本処理を終了する。よって、基準ピッチStに対する入力音のピッチの差分Δが、−10セント≦Δ≦+10セントの範囲内である場合には、基準音名Ntに対する表示部が100%の輝度で発光する。
一方、S63において算出された差分Δが、−50セント≦Δ<−10セントの範囲内であると、CPU11が判断した場合(S68:−50cent≦Δ<−10cent)、CPU11は、音名表示器20において、基準音名Ntに対する表示部と、当該表示部に隣接する半音下の表示部とを、差分Δに応じた輝度で発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S72)、本処理を終了する。なお、S72において、両表示部の輝度は、例えば、図3のグラフに示す関係性に従い決定される。よって、基準ピッチStに対する入力音のピッチの差分Δが、−50セント≦Δ<−10セントの範囲内である場合には、基準音名Ntに対する表示部の輝度は、差分Δの絶対値が大きくなるにつれて次第に低くなり、当該表示部に隣接する半音下の表示部の輝度は、差分Δの絶対値が大きくなるにつれて高くなる。
また、S63において算出された差分Δが、+10セント<Δ<+50セントの範囲内であると、CPU11が判断した場合(S68:+10cent<Δ<+50cent)、CPU11は、音名表示器20において、基準音名Ntに対する表示部と、当該表示部に隣接する半音上の表示部とを、差分Δに応じた輝度で発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S73)、本処理を終了する。なお、S73において、両表示部の輝度は、例えば、図3のグラフに示す関係性に従い決定される。よって、基準ピッチStに対する入力音のピッチの差分Δが、+10セント<Δ<+50セントの範囲内である場合には、基準音名Ntに対する表示部の輝度は、差分Δの絶対値が大きくなるにつれて次第に低くなり、当該表示部に隣接する半音上の表示部の輝度は、差分Δの絶対値が大きくなるにつれて高くなる。
以上説明した通り、本実施形態の調律装置1によれば、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分が小さく、入力音のピッチが合っていると判定できる範囲内である場合には、音名表示器20を構成する12個の表示部20a〜20lうち、基準音名に対する1つの表示部のみが輝度100%で最も明るく発光する(インチューン状態)。この時、両隣の表示部は消光している。その一方で、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分がある程度大きくなると、基準音名に対する表示部と、基準音名の隣に位置し入力音のピッチに近い側の音名に対する表示部との両方が発光する。このとき、基準ピッチと入力音のピッチとの差分の絶対値が大きくなるにつれ(即ち、入力音のピッチが基準ピッチから離れるにつれ)、基準音名に対する表示部は次第に暗くなり、その一方で、隣接する表示部は次第に明るくなる。このようにして、入力音のピッチに対応した基準音名が何であるかを知り、かつ調律対象音としての入力音のピッチが基準ピッチからどの程度ずれているかを、音名表示器20における隣り合う2つの表示部の明暗の度合を見て直感的に確認できるので、従来のように、調律作業において2つの表示器(音名表示器、補助表示器)を同時に交互に視認する場合に比べ、基準音名が何であるかを知り、かつ基準ピッチに対するピッチのずれ度合の確認を容易に行い得る。
また、入力音のピッチを連続的に一方向に変化させた場合には、音名表示器20を構成する各表示部20a〜20lは、入力音のピッチの変化に応じて徐々に明るくなったり暗くなったりしながら、入力音のピッチの基準ピッチからのずれ度合を、基準ピッチに対応する表示部と、近接する表示部の輝度(発光)の度合の差により視覚的に示しつつ、発光する表示部がピッチ変化の方向に順次に移動していく。よって、ボーカルや管楽器によるスケール練習などを行った場合に、入力音の連続的なピッチ変化に伴うピッチずれ表示の変化が非連続的になって乱れることがなく、連続的に変化してスムーズであるため、この点においても、各音に対するピッチの確認を容易に行い得る。特に、音名表示器20を構成する各表示部は、1オクターブにおける一端の音名と他端の音名とが隣り合うように音高順に周回状に配置されているので、入力音の最初のピッチに対する基準音名が12の音名のうちのどれであったにしても、入力音のピッチに対応する表示部の表示位置の移動は、ピッチが高い方に変化する場合であれば、発光する表示部は常に右回転(C、C#、D、・・・)の方向へ、逆にピッチが低い方に変化する場合であれば、発光する表示部は常に左回転(C,B,A#、・・・)の方向へと、常に決まった方向に移動するだけであり、入力音のピッチが高い方に変化したにもかかわらず、表示部の表示位置が逆方向である低い音高の方向に移動するような不自然な動きもない。さらにこの点においても、各音に対するピッチの確認を行い易い。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施形態では、音名表示部20を構成する各表示部20a〜20lを円周状に配置したが、表示部20a〜20lの配置形態は、円周状に限らず、1オクターブを構成する12音の音名列の両端の音名、例えば、音名「C」と音名「B」とを隣り合うように配置させた種々の周回状の形態を採用できる。例えば、12個の表示部20a〜20lを、楕円状や、6角形状や12角形などの多角形状などに配置させてもよい。
また、音名表示部20を構成する各表示部を音高順に直線状に並べる構成としてもよい。各表示部を直線状に並べても、入力音のピッチが、そのピッチに最も近い基準ピッチを持つ音名からある程度ずれていることを、少なくともそのずれの範囲が±100セントであれば、隣り合う2つの表示部の明暗で確認することができる。かかる場合、例えば、C,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,B,Cの13個の音名を配置する構成としてもよい。しかしながら、かかる構成の場合、入力音のピッチに基づき決定される音名が、ある入力音のピッチに対応する基準音名の表示位置が右端に位置し、次の入力音のピッチに対応する基準音名の表示位置が左端に位置する場合、発光する表示部が、右端に位置する音名から、左端に位置する音名へと大きく移動することがあり得るので、音名表示部20を構成する各表示部は、上記実施形態のような円周状などの周回状に配列することが好ましい。
上記実施形態では、音名表示部20を構成する表示部20a〜20lのうち、ピアノの黒鍵に該当する音名表記をすべて#表記(C#,D#,F#,G#,A#)としたが、これを、♭表記(D♭,E♭,G♭,A♭,B♭)、または、#/♭併記(F#/G♭など)にしてもよい。
上記実施形態では、音名表示器20の各表示部20a〜20lを、LEDを光源として発光させる構成としたが、LCDに、各表示部20a〜20lに相当する12個の表示部を円周状に配置させた音名表示部を表示させ、上記実施形態と同様に、各表示部を、基準ピッチと入力音のピッチとの差分に応じた輝度で発光させる構成としてもよい。かかる構成の場合、12個の表示部の表示位置を、調や基準位置に合わせて適宜変更できる。
上記実施形態では、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分が±10セントの範囲内であれば、基準音名に対する表示部を単独発光させる構成とした。これに換えて、3色LEDなどの複数色を発光可能なLEDを利用し、当該差分が、よりゼロに近い所定範囲(例えば、±3セントの範囲)となった場合に、発光色を変更したり、発光色を追加したりして、調律の状態に応じて対応する表示態様が変化する構成としてもよい。また、上記実施形態では、基準音名が同一音名であれば、オクターブの違いを明示させない構成としたが、基準音名が同一音名であっても、オクターブの違いがある場合は、発光色を、オクターブの高さに応じた発光色に変更する構成としてもよい。または、音名表示器20の発光色はそのままで、オクターブの違いを示す表示器を他に設ける構成としてもよい。かかる場合、オクターブの変化の状態が分かるので、音高情報がより分かり易くなるという利点がある。
上記実施形態では、入力音のピッチに対する表示部20a〜20lの輝度変化の一例として、図3のグラフに示す輝度変化を例示したが、入力音のピッチに対する表示部20a〜20lの輝度変化は、基準ピッチと入力音のピッチとの差分が小さい場合に、基準音名に対する表示部が輝度100%で発光し、当該差分がある程度大きくなった場合に、当該差分が大きくなるにつれて、基準音名に対する表示部の輝度が低くなり、隣接する表示部の輝度が高くなる形態であれば、種々の輝度変化の態様を採用できる。図3のグラフでは、隣接する各音名に対する表示部の輝度の低下率(又は上昇率)が、それら両音名間の中間を境界として変化する輝度変化を例示したが、これに換えて、例えば、隣接する音名のうち、一方の音名に対する表示部の輝度が100%から0%まで一様の低下率で低下し、他方の音名に対する表示部の輝度が0%から100%まで一様の上昇率で増加する輝度変化を採用してもよい。また、入力音のピッチ変化に対する輝度の低下又は増加の態様としては、図3に示すように直線的であることに限らず、カーブを描く変化であってもよい。
また、図3のグラフによれば、隣接する2つの音名に対する各表示部の輝度が、隣接する各音名に対応する各ピッチの中間において等しい構成としたが、異なっていてもよい。ただし、隣接する各音名に対応する各ピッチの中間において、各表示部の輝度が等しい場合には、入力音のピッチが、隣接する2つの音名のどちらに近いかを誤認させる可能性を低減できるので好ましい。
上記実施形態では、基準音名に対する表示部が100%の輝度で発光する条件を、基準ピッチに対する入力音ピッチの差分Δが、両端が±aセントである範囲内である場合とした。また、隣接する2つの音名に対応する各ピッチの中間において、これらの隣接する各音名に対する各表示部の輝度を所定の輝度b%とした。また、第1表示部21aと第2表示部21bとの両方が発光する条件を、基準ピッチに対する入力音ピッチの差分Δが、両端が±cセントの範囲内である場合とした。また、第1表示部21aと第2表示部21bとの両方が消光する条件を、基準ピッチに対する入力音ピッチの差分Δが、+dセント<Δ≦+50セント、又は、−50セント≦Δ<−dセントの範囲内である場合とした。具体的に、上記実施形態では、上記a,b,c,dの設定値がそれぞれ10,80,5,40である場合を例示した。上記a,b,c,dの設定値としては、調律対象とする音を発音する楽器の種類(例えば、ボーカル、管楽器、弦楽器など)に応じて、あるいは、ユーザのボーカルや楽器の習熟度に応じて適宜の値を採用できる。ユーザが楽器を指定した場合に、上記a,b,c,dの最適値を、操作子による切り替えや、テーブルの参照などの各種の既知の方法でプリセットできる構成としてもよい。また、楽器毎に、上記a,b,c,dの設定値の組が記憶されたテーブルを準備しておき、操作子の操作などによって楽器毎に切り替える構成としてもよい。
上記実施形態では、図6のピッチ表示処理において、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分Δが、−40セント≦Δ≦+40セントの範囲内であれば、第1表示部21a及び/又は第2表示部21bを発光させる構成としたが、差分Δが、所定時間以上(例えば、500msec以上)、−40セント≦Δ≦+40セントの範囲内に留まっていることを条件として、第1表示部21a及び/又は第2表示部21bを発光させる構成としてもよい。かかる構成によれば、入力音のピッチが、当該範囲内に一瞬入っただけ(例えば10msec前後)では第1表示部21a又は第2表示部21bが発光せず、補助表示器21のちらつきを防止できる。
上記実施形態では、入力音のピッチが基準ピッチに合った第2インチューン状態であることをユーザに報じるのに、補助表示器21の第1表示部21a、第2表示部21bを同時に発光させる構成としたが、第1表示部21a、第2表示部21bに加えて、第3表示部を設け、第2インチューン状態である場合には、第3表示部を発光させることによって、当該状態をユーザに報せる構成としてもよい。あるいは、LCD表示器に「IN−TUNE」などと文字で表示することによって、第2インチューン状態をユーザに報せる構成としてもよい。さらに、第2インチューン状態になった直後には「ピピッ」などのビープ音を発音して、ユーザに音でインチューン状態を報せる構成としてもよい。
上記実施形態では、マイク22からの入力音のピッチに応じて音名表示器20の各表示部20a〜20lを発光させることを例示したが、各表示部20a〜20lを入力音のピッチに応じて発光させることに加え、ユーザが調律の目標とする目標音のピッチに応じて発光させる構成としてもよい。目標音の指定は、専用の操作子に基づいて行ってもよいし、12個の表示部20a〜20lに、目標音の設定機能を持たせ(自照式スイッチなど)、目標音として所望する音名に対する表示部を操作することによって行ってもよい。あるいは、調律装置1に接続された外部機器からのMIDIシーケンスデータなどに基づいて目標音を指定する構成としてもよい。この場合、例えば歌唱のメロディや管楽器の練習用スケール(音階)を、練習に適度なテンポで楽曲の再生に合わせて目標音として入力することで、伴奏データの再生に合わせて、所望のテンポで各音のピッチが立ち上がりから安定するように歌唱やスケールの練習をすることができる。各表示部20a〜20lを目標音のピッチに応じて発光させる場合には、CPU11は、ユーザが目標音として指定した音名(音高)のピッチデータをフラッシュメモリ14から取得し、取得したピッチデータに対応する音名に対する表示部を発光させる。かかる場合、発光制御手段34が、第3発光制御手段に該当する。
なお、目標音の音名に対する表示部を発光させる場合には、目標音の音名に対する表示部の発光態様と、入力音のピッチに応じた表示部の発光態様とが異なることが好ましい。これらの表示態様を異ならせることにより、目標音の音名に対する表示部と、入力音のピッチに応じて発光される表示部とを、ユーザに明確に区別させることができる。よって、ユーザが、目標音を目標とする調律を行い易い。目標音の音名に対する表示部の発光態様と、入力音のピッチに応じた表示部の発光態様との相違としては、発光色の相違、輝度の相違、点灯時間や点灯間隔の相違などによる点滅態様の相違が例示される。
上記実施形態では、検出されたピッチをそのまま採用する構成としたが、ピッチ表示部におけるピッチ揺れを軽減させるために、周知技術である検出ピッチの平均化の手法を採用してもよい。ボーカルでは、一定のピッチで歌っている場合であっても、ビブラート揺れの音高幅の大きさによっては、音名表示器20の表示が揺れる可能性があるが、ピッチ平均化の手法によりそのような表示揺れを抑制できる。
上記実施形態では、音名表示器20は、一つの表示部につき半音単位(一オクターブの音高を12分割)としたが、これをさらに細分化して、一つの表示部につき1/2半音単位(一オクターブの音高を24分割)、またはそれ以上に細かく分割してもよい。
上記実施形態では、音名表示部20における各表示部20a〜20lの明るさを「輝度」の単位で説明したが、明るさを表わす単位として「照度」や「光度」などを用いてもよい。また、上記実施形態では、輝度100%を最も明るい輝度として例示したが、相対的に最も明るい輝度であれば、100%以外の輝度であっても最も明るい輝度として採用可能である。