JP2681184B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

自動車の前部車体構造

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JP2681184B2
JP2681184B2 JP63005966A JP596688A JP2681184B2 JP 2681184 B2 JP2681184 B2 JP 2681184B2 JP 63005966 A JP63005966 A JP 63005966A JP 596688 A JP596688 A JP 596688A JP 2681184 B2 JP2681184 B2 JP 2681184B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動車の前部車体構造に関し、特にその両側
において車体前後方向に向けて配置されたフロントサイ
ドフレームの構造に関するものである。
(従来の技術およびその問題点) 自動車の前部車体構造の一つとして、クロスメンバー
を配置することなく、フロントサスペンションのロアー
アームの車体側支持部を提供するようにしたものが提案
されている。例えば、実開昭61−17377号公報にはこの
形式の車体前部構造が開示されている。この構造におい
ては、車体前部の側部を形成するホイールエプロンの内
側に沿ってフロントサイドフレームが車体前後方向に配
置されており、ダッシュパネルに接合された後側部分
が、車体下方向に向けて湾曲した状態に延長された形状
となっている。この延長部の下面が、サスペンションロ
アーアームの車体側支持部とされている。そして、かか
る支持部を形成するために、車体下側に向けて延長した
フロントサイドフレームの後側延長部には、車幅方向に
貫通した開口が形成され、この開口を通してステアリン
グ装置のタイロッドを車幅方向に配置できるようになっ
ている。
(発明が解決しようとする問題点) このような構造においては、フロントサイドフレーム
の後側延長部は、フロントサイドフレームの前側、サス
ペンション側およびフロアサイドフレーム側から荷重が
伝達され応力集中が起こり易い部分である。この部分の
剛性が低いと、車体振動の増加、車内騒音の増加等の弊
害を引き起こすので好ましくない。しかしながら、上述
したようにかかる形式の構造では、この延長部にステア
リング装置のタイロッド用の挿通孔が形成されているの
で、かかるフレームの部分の車幅方向および車体上下方
向の剛性が不足するというおそれがある。
本発明の目的は、かかる問題点に鑑みて、フロントサ
イドフレームにおけるタイロッド用の挿通孔が形成され
た後側延長部分の剛性が充分に確保された自動車の前部
車体構造を実現することにある。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明の自動車の前部
車体構造においては、自動車の前部車体の側壁を形成す
るホイールエプロンの内側に沿って車体前後方向に向け
て配置された閉断面形状のフロントサイドフレームを備
え、 このフロントサイドフレームの後方端部にはステアリ
ング装置の車幅方向に延びる部材を挿通させるための挿
通孔が形成され、 前記フロントサイドフレーム閉断面内部において、第
1および第2の補強部材が設けられており、 前記第1の補強部材は、前記挿通孔とホイールエプロ
ンとの間に位置する一方第2の補強部材は、挿通孔の車
両前方向側にそれぞれ位置しており、 前記第1の補強部材は、ダッシュロアパネルに接合さ
れるとともに、 前記第2の補強部材はの下端は前記挿通孔の前側のフ
ロントサイドフレーム閉断面構造の底壁まで延長されて
おり、 かつ第1および第2補強部材が互いに接合されている
とともに、 第1および第2補強部材の双方が前記フロントサイド
フレームに接合されていることを特徴とする。
このように、補強部材を取り付けることによって、フ
ロントサイドフレームのかかる部分の剛性が高まる。ま
た、この部分の剛性が高まると、この剛性の高くなった
部分を介してフロントサイドフレーム自体が強固に、剛
性の高いホイールエプロンに結合されることになる。こ
の結果、フロントサイドフレームのねじりおよび曲げ剛
性を高めることができ、剛性不足に起因した振動増加、
騒音の増加といった問題を解消することができる。
(実施例) 以下に、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図ないし第5図は本発明の一実施例を示す図であ
る。まず、第5図には本例の車体前部の基本的な骨組み
を示してある。左右の構造は対称なので、以下の説明で
は左側の部分に付いて説明する。図に示すように、車体
前部1のエンジンルーム側壁はホイールエプロン2によ
って形成されており、このエプロンのほぼ中央部分には
筒状のサスペンションタワー3が一体成形されている。
ホイールエプロン2の車幅方向の内側における下方位置
には、車体前後方向にフロントサイドフレーム4が配置
されている。このフレーム4は、車体前端から、ダッシ
ュロアーパネル5およびダッシュロアーメンバ6の位置
まで延びて、これらに結合されている。フレームの後部
は、一定の長さに渡って車体下方に向けて内側に湾曲し
た状態に延長されており、この延長部4bのほぼ中央に
は、ステアリング装置のタイロッド8を車幅方向に挿通
させるための挿通孔9が形成されている。
一方、第1図に示すように、ダッシュロアーパネル5
の下部分は車体後方側に向けて折り曲げられて傾斜壁5a
が形成され、ここにL形断面のダッシュロアーメンバ6
が接合されており、これによって車幅方向に延びる三角
断面形状の筒状断面5bが形成されている。この断面5bの
車幅方向の両側部分は車体後方側に湾曲した状態で、サ
イドシル7に接合されている。
上記のフロントサイドフレームの延長部4bの下端に
は、サスペンションロアーアーム11の車体側支持部を構
成するブラケット12が固定されている。このブラケット
12は、箱形の閉断面形状をしており、その後側はダッシ
ュロアーメンバ6の下面に位置し、ここに固定されてい
る。
次に、第1図ないし第4図を参照して、上記のフロン
トサイドフレームの延長部4bの構造を説明する。フロン
トサイドフレーム4は車幅方向の外側および内側に位置
するフロントサイドフレームアウタ13およびフロントサ
イドフレームインナ14から構成されている。インナ14は
車幅方向の外側に向けて開いた溝形断面とされており、
この開放側に、平板状のアウタ13がスポット溶接によっ
て接合されて、箱形の閉断面が形成されている。また、
アウタ13の上端部分は、ホイールエプロン2の下端部の
内側面に接合されている。このフロントサイドフレーム
の延長部4bにおいては、溝形のインナ14の上端壁14aは
その侭水平に延び、その後方端に形成したフランジ14d
がダッシュロアーパネル5に接合されている。これに対
して下端壁14bは下方に向けて湾曲しており、その下端
がダッシュロアーメンバ6の下面と同一の位置まで延び
ている。これら両端壁を繋いでいる側壁14cの下端は下
端壁14bよりも下方まで延び、ブラケット12の側部に接
合されている。また、この側壁の車体後方端には、上記
の上端壁14aの後方端に形成したフランジ14dに連続する
フランジ14eが形成されており、このフランジが同じく
ダッシュロアーパネル5およびダッシュロアーメンバ6
に接合されている。一方、アウタ13の側は、下端壁14b
と同一位置まで延長され、その中央部分はインナの側壁
14cの側にプレスされて、タイロッド8の挿通孔9の内
周壁9aとされている。この内周壁9aの先端は、第4図に
示すように、インナの側壁14cに開けた開口を越えて内
側に突出しており、この突出した縁部分が、インナの側
壁14cの開口先端を折り曲げて形成したフランジに接合
された構造となっている。延長部4bの下端開口は、底板
部材17によって塞がれている。すなわち、この底板部材
17の車幅方向の内部縁には下方に折り曲げたフランジが
形成され、この部分がブラケット12の側部とインナ側壁
14cの下端縁の間に挟まれた状態でそこに結合されてい
る。また、底板部材の車幅方向の外側縁は上側に折り曲
げたフランジが形成され、この部分がアウタ13の下端縁
の内側に接合されてり、また底板部材の前方縁には上側
に折れ曲がったフランジが形成され、この部分がインナ
下端壁14bの下端縁の内側に接合されている。このよう
に取り付けた底板部材17の下面に上記のブラケット12が
ボルト接合によって固定されている。
ここに、このように構成された延長部4bにおいて、そ
の挿通孔9とホイールエプロンのサスペンションタワー
3との間に位置するフロントサイドフレームの閉断面の
内部15には、補強部材16が取り付けてある。この補強部
材16は、車幅方向の外側に開放した溝形断面をしてお
り、閉断面の内部15において、ダッシュロアーパネル5
に隣接した位置からサスペンションタワー3を越えた位
置までの長さを有している。更に詳しく説明すると、こ
の補強部材の上端壁16aおよび側壁16bが、第2図に示す
ようにインナの上端壁14aおよび側壁14cの内側面に接合
されている。上壁16aはインナの上端壁14aの全幅よりも
狭い幅となっている。また、側壁16bは、この補強部材
が配置された閉断面の高さよりも短い幅になっており、
その下端に下端壁16cが連続している。下端壁16cにはそ
の側端を下方向に折り曲げたフランジ16dが形成されて
おり、このフランジ16dがアウタの内側面に接合されて
いる。この補強部材16はその前方の側に向かうにつれ
て、下側に徐々に拡がった断面形状となっており、前端
部分における下端壁16cの下面がインナの下端壁14cの上
面に接合され、下端壁16cのフランジ16dが、アウタおよ
びインナに挟まれてそこに接合された状態となってい
る。
このように構成した本例においては、補強部材16によ
って、ホイールエプロン2とタイロッドの挿通孔9の間
にあるフロントサイドフレームの閉断面の部分が補強さ
れている。従って、この部分の剛性が高くなり、しか
も、この剛性の高くなった部分を介して、フロントサイ
ドフレームの延長部分7がホイールエプロン2に結合さ
れる。この結果、かかる延長部分7の剛性不足に起因し
た振動、騒音の増加を回避できる。
なお、上記の実施例では、補強部材16の上端壁16dの
幅を、フロントサイドフレームの内幅よりも狭いものと
している。この代わりに、この上壁端を第6図に示すよ
うに、全幅に渡るようにし、その縁端16eを上側に折り
曲げて、フロントサイドフレームのアウタ13とインア14
の間に挟み、この部分で接合するようにしてもよい。こ
のようした場合には、この閉断面部分が補強部材を介し
てホイールエプロン側、特に剛性の高いサスペンション
タワー3に結合される。従って、この部分の剛性をより
一層高いものとすることができる。
次に、第7図ないし第10図は、本発明の別の実施例を
示す図である。本例においては、補強部材を、ホイール
エプロンとタイロッドの挿通孔の間の閉断面内部に配置
すると共に、挿通孔の車体前方側に位置するフロントサ
イドフレームの閉断面内部にも配置した構造となってい
る。本例は、補強部材の形状および取り付け位置が異な
るのみで、その他の構造は上記の実施例と同一なので、
以下の説明においては、同一部分には同一符号を使用
し、その説明を省略する。
本例においては、フロントサイドフレームの延長部4b
における、ホイールエプロン2とタイロッドの挿通孔9
との間の閉断面内部15および挿通孔9よりも車体前方側
に位置する閉断面内部21に、補強部材22が取り付けられ
ている。第10図から分かるようにこの補強部材22は、一
方の断面内部15内に配置された第1の補強部材23と、他
方の断面内部21に配置された第2の補強部材24とから構
成されている。第1の補強部材23は、上述した実施例の
補強部材16とほぼ同様の形状となっているが、その後端
はダッシュロアーパネル5にまで延びている。第7図に
示すように、この位置において補強部材の下端壁23bに
形成したフランジ23eがダッシュロアーメンバー6の上
端部分6aを挟む状態で、ダッシュロアーパネル5の前側
面に接合されている。
一方、第2の補強部材24は、全体として平板形状をし
ており、第9図に示すように、、箱形形状の閉じ断面内
部21に対角線状に配置されており、その両端に形成した
フランジ24a、24bがフロントサイドフレームのアウタ13
とインナ14との間に挟まれた状態で接合されている。こ
の補強部材の上端縁部24cは、第1の補強部材23の側壁2
3cとフロントサイドフレームのインナ14との間に挟まれ
る位置まで延長されており、この位置においてそれらの
間に接合されている。一方、フランジ24bはその上側部
分の位置においてアウタ13およびインナ14から内側に外
れて上方に延びており、その上端縁部分が他方の補強部
材23の下端壁23bの下面に接触した状態になっている。
一方、この補強部材24の下端部分は車体内側の折り曲げ
られて、インナの側壁14cの内面に接合されたフランジ2
4dが形成されている。
このように構成された本例においては、ホイールエプ
ロンおよび挿通孔の間のフロントサイドフレームの閉断
面部分が補強されると共に、挿通孔の前側に位置する閉
断面部分も補強されている。従って、挿通孔を有するフ
ロントサイドフレーム延長部のねじりおよび曲げ剛性が
高くなり、この部分の剛性不足に起因した弊害を解消す
ることができる。しかも、本例においてはホイールエプ
ロンと挿通孔の間の閉断面内部に配置した第1の補強部
材の後端をダッシュロアーパネルに接合しているので、
延長部とサッシュロアーパネルとの結合強度が高くなっ
ているので好ましい。
なお、上記の例では補強部材22を二つの部材23、24か
ら構成しているが、これらを一体ものの部材とすること
もできる。
(発明の効果) 以上訂正したように、本発明の前部車体構造では、フ
ロントサイドフレーム後方端部には、ステアリング装置
の車幅方向に延びる部材を挿通させるための挿通孔が形
成され、フロントサイドフレームの閉断面内部におい
て、第1および第2の補強部材が設けられており、前記
第1の補強部材は、前記挿通孔とホイールエプロンとの
間に位置する一方第2の補強部材は、挿通孔の車両前方
向側にそれぞれ位置しており、前記第1の補強部材は、
ダッシュロアパネルに接合されるとともに、前記第2の
補強部材はの下端は前記挿通孔の前側のフロントサイド
フレーム閉断面構造の底壁まで延長されており、かつ第
1および第2補強部材が互いに接合されているととも
に、第1および第2補強部材の双方が前記フロントサイ
ドフレームに接合されている。したがって、フロントサ
イドフレームのダッシュロアへの付け根部分の剛性が向
上するとともに、この剛性の向上を達成する第1および
第2の補強部材によりフロントサイドフレームを下方か
ら支持するようにしたのでフロントサイドフレーム自体
の剛性も向上する。したがって、この部分のねじりおよ
び曲げ剛性が高められるので、この部分の剛性不足に起
因して発生する振動、騒音などを抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるフロントサイドフレ
ームの後側延長部を拡大して示す部分斜視図、第2図は
第1図のフロントサイドフレーム後側延長部を構成する
アウタを示す斜視図、第3図は第1図のフロントサイド
フレーム後側延長部を構成するインナを示す斜視図、第
4図は第1図のIV−IV線で切断した部分の断面を示す部
分断面図、第5図は車体前部構造の基本的な骨組みを示
す概略構成図、第6図は補強部材の他の構成例を示す部
分断面図、第7図は本発明の他の実施例を示す部分斜視
図、第8図は第7図のVIII−VIII線で切断した部分の断
面を示す部分断面図、第9図は第7図のIX−IX線で切断
した部分の断面を示す部分断面図、第10図は第7図の補
強部材を示す分解斜視図である。 1……車体前部 2……ホイールエプロン 3……サスペンションタワー 4……フロントサイドフレーム 4b……延長部 5……ダッシュロアーパネル 6……ダッシュロアーメンバ 9……挿通孔 11……ロアーアーム 12……ブラケット 13……アウタ 14……インナ 15……閉断面内部 16……補強部材 17……底板部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の前部車体の側壁を形成するホイー
    ルエプロンの内側に沿って車体前後方向に向けて配置さ
    れた閉断面形状のフロントサイドフレームを備え、 このフロントサイドフレームの後方端部にはステアリン
    グ装置の車幅方向に延びる部材を挿入させるための挿通
    孔が形成され、 前記フロントサイドフレームの閉断面内部において、第
    1および第2の補強部材が設けられており、 前記第1の補強部材は、前記挿通孔とホイールエプロン
    との間に位置する一方第2の補強部材は、挿通孔の車両
    前方向側にそれぞれ位置しており、 前記第1の補強部材は、ダッシュロアパネルに接合され
    るとともに、 前記第2の補強部材はの下端は前記挿通孔の前側のフロ
    ントサイドフレーム閉断面構造の底壁まで延長されてお
    り、 かつ第1および第2補強部材が互いに接合されていると
    ともに、 第1および第2補強部材の双方が前記フロントサイドフ
    レームに接合されていることを特徴とする自動車の前部
    車体構造。
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CN103612663A (zh) * 2013-11-28 2014-03-05 重庆长安汽车股份有限公司 汽车前上构件总成

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