JP2673282B2 - エレベータ式駐車装置 - Google Patents

エレベータ式駐車装置

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JP2673282B2
JP2673282B2 JP5032762A JP3276293A JP2673282B2 JP 2673282 B2 JP2673282 B2 JP 2673282B2 JP 5032762 A JP5032762 A JP 5032762A JP 3276293 A JP3276293 A JP 3276293A JP 2673282 B2 JP2673282 B2 JP 2673282B2
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則雄 白木
隆 奥村
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日本ケーブル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレイに自動車を受入
れ、エレベータないし昇降リフトを用いて駐車室に収納
するエレベータ式駐車装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械式駐車装置は、機械装置を用いて自
動車を昇降、移送等を行って立体的に格納し空間効率良
く収納しようとする設備で、各種の方式が提案され実施
され、都市における駐車難の解決のために著しく寄与し
ていることは汎く知られている。機械式駐車装置には各
種の形式があり、従来は垂直循環式駐車装置が最も多用
されてきたが、近時はエレベータ式駐車装置が、その低
騒音性、省エネルギー性等の特性によって注目されてい
る。
【0003】エレベータ式駐車装置には大別してトレイ
を用いない形式のものと、トレイを用いる形式のものと
の2種類がある。
【0004】トレイを用いない形式のものには、例えば
コーム式と称されるものがあり、これは、入出庫室にお
いて自動車を昇降リフトの櫛歯状のコーム上に受入れて
昇降動作し、次いで、各駐車室に所属し、先の昇降リフ
トのコームと擦り抜け通過可能の駐車室コームに自動車
を受渡して格納する方式のものである。この形式の装置
は、トレイを用いる装置のように空車のトレイの取出
し、返還の作業を必要とせず、一の入出庫処理を行った
後に直ちに次の入出庫処理を行うことができるので、入
出庫処理能力が高いとされている。
【0005】しかし、この装置はトレイを用いる装置と
は異なって、駐車装置の内部で自動車を一のコーム上か
ら他のコーム上へと移載受渡しを行い、かつ、間隙のあ
るコームで自動車のタイアを長時間に亙って支持するの
でタイアの接地圧力が高く、ともすればタイアを傷める
おそれがあること、また特に、油滴、雨水や積雪地帯で
自動車と共に持ち込まれた融雪水がコームの歯の間から
流下し下層に駐車している自動車を汚損するという欠点
を有している。従って、駐車装置の利用者としては、預
託の安心感が劣るという欠点がある。
【0006】次に、トレイを用いる形式の装置は、入出
庫位置でトレイ上に自動車を受入れ、以後はトレイに自
動車を搭載したままの状態でトレイと共に自動車の昇
降、移送、格納を行なうものである。
【0007】即ち、駐車室にはそれぞれ専属のトレイを
具えており、自動車を入庫または出庫する場合には空車
または積車のトレイをケージ上に積載して入出庫位置に
到り、ここで自動車を受入れ、次いで所要の駐車室まで
昇降させ駐車室の棚ないしラックとケージとの相互間に
おいて横行装置を用いてトレイを水平にシフトさせて格
納を行うものである。横行装置としては、チェン等によ
るコンベア移送、旋回アームによる移送、または、伸縮
フォークによる移送等が用いられている。
【0008】この形式の装置は、入庫又は出庫作業が連
続した場合には空車のトレイをその所属駐車室に返還
し、又は、取出し作業を行わないと次の入出庫作業に移
行できないという欠点はあるものの、駐車装置利用者が
トレイ上に乗り入れた自動車をそのトレイに載置したま
の状態で預託を受け格納し、出庫要請があった場合に
は、もとのトレイに搭載したままの状態で返還するもの
であり、駐車装置内部で自動車のみを単独で移し換え移
すること等はないので、自動車のタイア等を傷めるお
それがなく、利用者の大切な資産である自動車を丁重に
保管するという基本的思想から好ましい装置であり、利
用者にとっては自動車を傷めない安心感があるという大
きい特長を有している。また、油滴や、雨天の場合の雨
水、または積雪地において自動車と共に持ち込まれる雪
による融雪水等はトレイによって遮られるので、当該駐
車室より下方の階層に格納されている自動車の上や入出
庫室に滴下するおそれがないという利点がり、このよう
な点から、トレイを用いるエレベータ式駐車装置は、こ
れまで最も多用されてきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな特長を有するトレイを用いたエレベータ式駐車装置
であるが、従来の装置においては次に記すような欠点な
いし不満な点が残されている。
【0010】即ち、その一は、昇降リフトから駐車室に
積車又は空車のトレイを横行装置で横行移動させるため
に、昇降リフトを駐車室と同一の水準に正確に停止させ
ることが必要な点である。図16は従来のエレベータ式
駐車装置におけるトレイの横行を示した説明図である。
昇降路80を昇降する昇降リフト81上にはフリーロー
ラ82,82…を枢着して具えており、これらのフリー
ローラ82,82…によってトレイ84を支承してい
る。また、該昇降リフト81上にはトレイ84を横行移
送するために例えばチェンコンベア式の横行装置を積載
して具えている。昇降路80に沿って設けられた駐車室
90においては駐車棚ないし駐車室ラック91が固設さ
れ、これにフリーローラ92,92…が枢着されてい
る。トレイ84は横行装置83に係合して駆動され、フ
リーローラ82,82…上からフリーローラ92,92
…上を順次転動して矢印93方向に渡り移り、駐車室9
0内に横行移送されるようになされている。図16は、
昇降リフト81が所定の停止位置より下方に偏って停止
した場合を例示したもので、駐車室ラック91と昇降リ
フト81との間に段差85を生じた場合を示している。
このような段差85を生ずると、トレイ84の横行動作
が円滑に行われず、甚だしい場合には段差85を超えて
移送できなくなる。この弊害を除くため、従来の装置に
おいては昇降リフトの停止精度を極めて正確にする必要
があり、制御性能の良好な設備が必要で、複雑ないし高
級な設備とする必要があった。
【0011】その二は、前記の停止精度が良好で駐車室
ラック91と昇降リフト81との間に段差なく停止した
としても、トレイ84の横行動作と共に昇降リフト81
の傾動や浮動を生ずるという問題がある。図17は、ト
レイ84が横行装置83によって駆動され、昇降リフト
81のフリーローラ82,82…上から駐車室ラック9
1のフリーローラ92,92…上に矢印93方向へ移送
される模様を示したものである。当初は昇降リフト81
の中央にあったトレイ84は矢印93方向への進行に伴
って、昇降リフト81の負荷状態が当初の状態から次第
に変化し、昇降リフトの一側部86の負荷が軽減されて
偏荷重状態となり、昇降リフト81を懸垂しているワイ
ヤロープまたはチェン等の荷重伸びが短縮され、その結
果、図17のように昇降リフト81の姿勢が傾動する。
または、昇降リフト81の姿勢が浮動し、不整となる。
このような状態となった場合にもトレイ84の横行移送
が円滑に行われないという問題が生ずる。これに対して
従来の装置においては、昇降リフト81を駐車室ラック
91と同一水準に停止させた後にロック装置ないし固定
装置等(図示していない)を用いて昇降リフト81を当
初の水平姿勢で固定して左右傾動を抑止することが行わ
れているが、このための特殊な固定装置を昇降リフト8
1上に付加する必要があり、また、この作動、解除のた
めの時間損失もあった。
【0012】その三は、従来の装置においては図16ま
たは図17の如く、トレイ84を横行させるための横行
装置83を昇降リフト81上に搭載して具える必要があ
るので、昇降移動体である昇降リフト81の構造が複
雑、かつ、重量が大きくなり、これに伴って巻上機の容
量も増大させることを必要とした。
【0013】更に、その四は、前記のように横行装置8
3や前記の固定装置等を昇降リフト81上に設備してい
るので、昇降移動体である昇降リフト81に電源を供給
する必要があり、このために給電用のケーブル又はトロ
リー等の移動電源設備しなければならず設備が複雑と
なるという問題点があった。
【0014】本発明は、このような各種の問題点がある
従来の装置の現状を勘案して、トレイを用いるエレベー
タ式駐車装置の前記の如き欠点を除去した駐車装置の提
供を企図してなされたものである。即ち、昇降リフトの
停止精度を特段に正確にする必要がなく、特別の固定装
置を用いなくとも横行作業のときの荷重移動による昇降
リフトの姿勢変動がなく、横行装置の機構を昇降リフト
上に設けず昇降リフトを軽量化することが可能で、か
つ、昇降リフトに電源供給を必要としない等の特徴を有
するトレイ型のエレベータ式駐車装置の提供を目的とし
てなされたものである。
【0015】
【問題を解決するための手段】前記の目的に対応して本
発明は、昇降路を昇降する昇降リフトと、前記昇降路に
沿って複数層に配設された駐車室とを具え、前記昇降リ
フトに自動車を搭載して昇降移動し、所要の駐車室に該
自動車を移送して格納するようになしたエレベータ式駐
車装置において、自動車を受け入れるときの姿勢におけ
る鉛直方向の投影面内における異なる位置に2種類の係
合用部を有する自動車を受け入れすべきトレイと、懸垂
部材によって前記昇降路を昇降可能に懸垂支持され前記
トレイを積載するための相互に離隔した前記トレイの前
記2種類の係合用部のうちの一方の係合用部と係合可能
な係合用部を有する一対の昇降台枠ビームを用いた昇降
リフトと、前記駐車室にそれぞれ専属し該駐車室と前記
昇降路の領域との間を横行装置によって横行移動可能に
構成され、前記トレイの前記2種類の係合用部のうちの
他方の係合用部と係合可能な係合用部を有していてかつ
前記トレイを脱着可能に積載した複数の横行台枠と、前
記昇降路内の前記トレイの昇降通路と干渉しない位置に
設けられていて前記横行台枠に駆動を与える横行装置を
用いてなり、前記昇降リフトは前記昇降路においては前
記横行台枠と相互に干渉なく擦り抜け通過してトレイの
受渡しを行うようになした、エレベータ式駐車装置、と
して構成したものである。
【0016】
【作用】本発明のエレベータ式駐車装置は、昇降路を昇
降する昇降リフトと、前記昇降路に沿って複数層に配設
された駐車室とを具え、前記昇降リフトのトレイ上に自
動車を搭載して昇降移動し、所要の駐車室に該自動車を
移送して格納するようにしたものである。前記の昇降リ
フトは巻上機に巻き掛けられたチェン等の懸垂部材に懸
垂されたもので、左右に分離した2台の昇降台枠ビーム
を用いてなっている。各駐車室には各々当該駐車室に専
属する横行台枠を具え、この横行台枠にはそれぞれ1台
宛の専属のトレイを具えている。かつ、横行台枠は横行
装置によって駐車室と昇降路の領域との間を横行移動可
能の構成となっている。
【0017】格納すべき自動車は入出庫階層にある入出
庫室で昇降リフト上のトレイに受入れ、昇降リフトで積
車のトレイを昇降移動させ、次に、該積車のトレイを横
行台枠上に受渡し、次いで横行装置で横行台枠と共に積
車のトレイを駐車室に横行移動して格納する。
【0018】積車のトレイを昇降リフトから横行台枠に
受渡しする作業は次のように行われる。即ち、昇降リフ
トを横行台枠の水準位置よりも少なくとも上方の水準ま
で上昇させてここに待機させ、次に、横行台枠を駐車室
から昇降路の領域まで横行させる。ここで次に昇降リフ
トを下降移動させると、昇降リフトの昇降台枠ビームは
横行台枠と相互に干渉することなく擦り抜け通過可能と
なっているので、昇降リフトの昇降台枠ビーム上に積載
されていた積車のトレイは横行台枠上に受け渡され、無
積載となった昇降リフトは下方に通り抜け通過すること
ができる。積車のトレイを受け渡された横行台枠を再び
駐車室に横行させて自動車を駐車室に格納する。出庫作
業についても、前記とほぼ逆手順によって行うことがで
きる。
【0019】本装置は、トレイを昇降リフトから駐車室
に直接に受け渡しせず、横行台枠に受渡しするので、昇
降リフトの停止精度を特段に正確にする必要がなく、特
別の固定装置を用いなくとも横行作業のときの荷重移動
による昇降リフトの姿勢変動がなく、かつ、横行装置の
機構を昇降リフト上に設けないので移動体である昇降リ
フトを軽量化することができ、従って昇降リフトに電源
供給の設備を必要としない等の利点を保有している。
【0020】
【実施例】図1は、本発明のエレベータ式駐車装置の全
体構成を示したものである。
【0021】該エレベータ式駐車装置1は建築物、工作
物等の構造体2の内部に設けられていて、構造体2の中
央には上下に昇降路3が貫通し、この昇降路3の上部の
巻上機室4には巻上機5が設けられている。巻上機5の
駆動車として本実施例においてはスプロケット車6,
6,6,6が設けられており、懸垂部材としてこのスプ
ロケット車6,6,6,6に巻き掛けられたチェン7,
7及び7,7は昇降路3を上下に貫通するガイドレール
8,8または8,8内を経て下方に垂下されている。ま
た、チェン7,7,7,7の他端には、図示省略されて
いるが従来の装置の場合と同様にカウンターウエイトが
懸垂されている。エレベータのかご、ないしケージに相
当する昇降リフト20は左右に独立した各々1本宛、計
2本の昇降台枠ビーム21及び21を用いてなってお
り、図1における右方の昇降台枠ビーム21は右方のチ
ェン7,7に懸垂されており、同様に左方の昇降台枠ビ
ーム21は左方のチェン7,7に懸垂されている。左右
の昇降台枠ビーム21,21は後記の通り協働してトレ
イ40を負荷、積載するもので、巻上機5の運転により
スプロケット車6,6及び6,6が回転しチェン7,7
及び7,7が同期して巻き上げまたは巻き卸されて、該
昇降リフト20ないし昇降台枠ビーム21,21が昇降
路3内を上下に昇降する。図1においては昇降リフト2
0は入出庫階層11に停止しているところが示されてい
る。
【0022】次に、昇降路3に沿っては左右にそれぞれ
複数階層に亘って駐車室10,10…及び10,10…
が配設され、各駐車室10,10…及び10,10…に
はそれぞれ専属の一台宛の横行台枠30または30…を
保有している。詳細の構成については後記するが、1台
の横行台枠30は1台のトレイ40を積載して横行装置
50及び60のガイドローラ53,53…及び63,6
3…に導かれて、該横行台枠30の所属するの駐車室1
0と昇降路3の領域との間の相互間を水平に横行移動可
能の構成となっている。
【0023】このような構成の駐車装置において、自動
車の格納要請があった場合には、まず、入庫すべき何れ
かの階層の駐車室10の横行台枠30をトレイ40と共
に昇降路3の領域まで水平に横行させて、一方、巻上機
5を駆動して昇降台枠ビーム21,21を下方から上昇
させてトレイ40を横行台枠30上から昇降台枠ビーム
21,21上に掬い上げ引き渡しを受け、次いでトレイ
40を昇降台枠ビーム21,21に引き渡した横行台枠
30を再びもとの駐車室10に横行させて返還する。次
には、トレイ40を積載した昇降台枠ビーム21,21
を入出庫階層11の入出庫室12まで下降させる。ここ
で入庫すべき自動車をトレイ40上に受入れ、以後は前
記とほぼ逆の手順によって駐車室に収納するのである。
【0024】次に装置各部の詳細について説明する。
【0025】図2はエレベータ式駐車装置1における昇
降路3と昇降リフト20との関係及び駐車室10,10
との関係を示した平面図である。構造体2に囲まれた中
央部付近には昇降路3が上下に貫通しており、これに沿
って昇降路3の左右にはそれぞれ駐車室10,10が配
設されている。昇降路3の領域には、ほぼ四隅にガイド
レール8,8及び8,8が上下に貫通し固設されてい
る。昇降路3の奥側及び手前側には横行装置60の横行
支持部材61または61が水平姿勢に配設され、ブラケ
ット62,62または62,62によって構造体2に固
着されている。かつ、これらの横行支持部材61,61
は後記するようにそれぞれガイドローラが枢着されてい
る。
【0026】同様に、駐車室10,10にもそれぞれ横
行装置50の横行支持部材51、51または51,51
がが水平姿勢に配設されている。即ち、図における左方
の駐車室10について、奥側及び手前側には横行支持部
材51または51が水平姿勢に配設され、ブラケット5
2,52または52,52によって構造体2に固着され
ている。かつ、これらの横行支持部材51,51には後
記のようにそれぞれガイドローラが枢着されている。全
く同様に、図における右方の駐車室10についも、奥側
及び手前側には横行支持部材51または51が水平姿勢
をなしてブラケット52,52または52,52により
構造体2に固着されており、これらの横行支持部材5
1,51にもガイドローラがそれぞれ枢着されている。
【0027】この、図2においては左右の駐車室10,
10の横行装置50または50のガイドローラ相互間に
横行台枠30または30が係合し渡架され、更に、横行
台枠30,30にはそれぞれトレイ40または40が積
載された状態を示しているが、左側の駐車室10につい
ては、トレイ40を一部、破断して示し、横行台枠30
が実線で図示されるようにしている。
【0028】次に、同じく図2の昇降路3には、昇降リ
フト20の昇降台枠ビーム21,21が示されている。
昇降リフト20の詳細は図5を併せて参照して説明する
と、先ず一方の昇降台枠ビーム21について述べれば、
ほぼ長尺状部材よりなる直線状の梁であり、この両端付
近においてはそれぞれ屈曲状の連結部材22,22が固
着連結されているものである。この連結部材22,22
は横行支持部材51と横行支持部材61との間の間隙7
0を通り抜け昇降移動可能とするためにこのような形状
に形成されているものである。連結部材22,22は更
にガイドローラ枠23又は23に固着連結されており、
このガイドローラ枠23又は23にはそれぞれ上下に軸
25,25又は25,25を介してガイドローラ24,
24又は24,24が枢着されている。前記のガイドレ
ール8,8は一方にスリット状に開口した角型筒状断面
を有しているが、該ガイドローラ枠23又は23はガイ
ドレール8,8内に遊挿、挿入されている。よってガイ
ドローラ24,24又は24,24はガイドレール8,
8の内面を転動可能となっている。
【0029】他方の昇降台枠ビーム21も同様に連結部
材22,22を経てガイドローラ枠23又は23に連結
され、ガイドローラ枠23又は23にはそれぞれ軸2
5,25又は25,25を用いてガイドローラ24,2
4又は24は24,24が枢着され、前記と均等構成と
なっている。
【0030】これらの両方のガイドローラ枠23,23
及び23,23の各々の上部にはそれぞれチェン7,7
又は7,7が連結され懸垂されており、チェン7,7,
7,7の同期巻き上げ又は巻卸しによって、ガイドロー
ラ枠23,23又は23,23はそれぞれガイドレール
8,8又は8,8の内面に沿って転動、昇降し、よって
両方の昇降台枠ビーム21,21は同調して昇降する。
【0031】なお、昇降台枠ビーム21,21の両端部
付近にはそれぞれ上方に突出した係合突起26,26又
は26,26を固着して具えており、これは該昇降台枠
ビーム21,21にトレイ40を積載するときに、係合
して相互間の関係位置を定め、脱落を防止するための部
材である。
【0032】次に、図6によりトレイ40の構成につい
て説明する。トレイ40は平面視長方形盤状ないし皿状
の形状をなしたものである。即ち、自動車車輪の転走踏
面となるべき踏面部41,41が前後の方向に平面をな
して形成されており、この左右には自動車車輪の左右脱
輪を防止するための側縁部42,42が上方に凸状の辺
縁をなして前後方向全長に亙って形成されている。ま
た、中央部付近においても車輪を誘導するための上方に
凸状の中間部43が前後の方向全長に亙って形成されて
いる。ここで中間部43の裏面は空盒部分をなしてい
て、ここに後述の横行台枠30の上方に凸状をなしてい
る本体部31が嵌め合わされて相互の位置関係が定まる
ようになっている。また、トレイ40の側縁部42,4
2の両端付近の裏面には係合孔46,46または46,
46が穿孔されていて、これは昇降台枠ビーム21,2
1の前記の係合突起26,26または26,26がこれ
に挿入されて相互の関係位置が定まるようにするための
ものである。
【0033】次には、トレイ40を積載して横行移動す
る横行台枠30について説明する。横行台枠30は図7
の如く平面視において、ほぼ「I」字形状をなしてい
て、即ち、やや長方形状の梁である本体部31の両端に
ガイドレール部34,34を直角方向に固着した構成の
ものである。即ち、横行台枠30は側面視において両端
にそれぞれ外側に開口した溝型部材のガイドレール部3
4または34があって、これらのガイドレール部34と
34との間に本体部31が渡架されて連結され一体関係
に構成されている。この本体部31は側面視において、
前記のガイドレール部34または34のそれぞれ近傍位
置において段差状の外端面部32と32が形成されてお
り、これらの外端面部32と32との中間部分は水準高
が高く形成されている。また、この本体部31の両側の
辺縁部分は図8の如く正面視、上方から下方に向かって
テーパー状ないし末広がり状となった断面形状をなして
外側面部33と33が形成されている。従って、該本体
部31の外端面部32,32と外側面部33,33とで
四辺を囲まれた内側領域は上方に凸の平面をなしてい
る。また、前記のガイドレール部34,34のそれぞれ
外方に開口した溝部は後記のようにこの中にガイドロー
ラ53,53…または63,63…が係合すべき部位で
ある。
【0034】次には、横行装置50及び60について説
明する。前記の通り各々の駐車室10,10…にはそれ
ぞれ横行装置50,50…を具えており、またこれに対
応して昇降路3の各駐車階層ごとにも横行装置60,6
0…が設けられている。これらの横行装置50と横行装
置60とは基本的に同一構成のものであるが、ここでは
駐車室10の横行装置50を図10に示した。
【0035】駐車室10の前後の方向にはそれぞれ構造
体2からブラケット52,52を用いて横行支持部材5
1または51が水平に固設されていることは既述のとお
りである 。ここで一方の、例えば駐車室10の奥側の
横行支持部材51について説明すれば、該横行支持部材
51には複数の軸54,54…が所要の間隔ごとに水平
に並列して枢着され、駐車室10の内方側に向けてこれ
らの軸54,54…にはそれぞれガイドローラ53また
は53…が嵌着されている。駐車室10の外方側におい
ては前記の軸54,54…にそれぞれスプロケット車5
5または55…が嵌着されており、これら相互に隣なり
合って並列配設されたスプロケット車55,55間ごと
にチェン56または56…を用いて回転伝達可能に連結
されている。
【0036】一方、駐車室10の手前側においても、図
示は省略されているが前記と対向して他の横行支持部材
51が固設されていて同様に複数の軸54,54…が枢
着され、それぞれガイドローラ53または53…と、ス
プロケット車55または55…が嵌着されて具えてお
り、チェン56,56…によって次々に回転伝達可能と
なっている。
【0037】こうして対向する横行支持部材51と51
との間に亘っては前記の横行台枠30の横行移動動作を
妨げることのない位置に伝動軸58が渡架されて枢着さ
れ、相互間を連結して、同様に回転が伝達されるように
なっている。
【0038】このような構成において、電動機57に通
電して回転させるとチェン56,56…とスプロケット
車55,55…を経て軸54,54…に次々に回転が伝
達されガイドローラ53,53が同方向に回転する。一
方、他のチェン56及びスプロケット車55を経て伝動
軸58にも回転が伝達されるのでこれによって他方側の
ガイドローラ53,53…も前記同様に同時に回転す
る。
【0039】これらの対向したガイドローラ53,53
…とガイドローラ53,53…には図9のように前記の
横行台枠30のガイドレール部34,34の溝がそれぞ
れ係合し、よって横行台枠30が支承されると共に、ガ
イドローラ53,53とガイドローラ53,53…の正
逆回転によって横行台枠30の正逆の横行移動が行われ
る。また、昇降路3における他の各駐車階層においても
前記と同様に横行装置60,60がそれぞれ配設されて
いる。
【0040】上記の如く各部が構成されたエレベータ式
駐車装置1において、次には装置の作用ないし動作につ
いて説明する。
【0041】全体の配設関係を説明した図1において既
述のように中央の昇降路3にはケージに相当する昇降リ
フト20がチェン7,7,7,7によって昇降可能に懸
垂されている。昇降路3の両側には複数階層の駐車室1
0,10…及び10,10…が配設され各々の駐車室1
0,10…及び10,10…毎にはそれぞれ専属の横行
台枠30または30…を各1台宛具えている。それぞれ
の横行台枠30、30…には各1台宛のトレイ40また
は40…を保有し脱着可能に積載している。ここで、図
1及び図2における駐車室10A,(10)におけるト
レイ40は空車であるものとし、この駐車室10A,
(10)に自動車を収容する場合について以下に説明す
る。
【0042】駐車室10A,(10)において、横行台
枠30はそのガイドレール部34,34が図9の如くそ
れぞれ横行装置50のガイドローラ53,53…及び5
3,53…と係合し支承されて停止している。横行台枠
30上には空車のトレイ40が積載されている。即ち、
トレイ40の内端面部44,44は横行台枠30の外端
面部32,32と係合しており。また、トレイ40の内
側面部45,45は図8の如く横行台枠30の外側面部
33,33と係合しており、これらの係合によって相互
の位置関係が定まり、トレイ40の逸脱が起こらないよ
うにされている。
【0043】先づ、駐車室10A,(10)への入庫作
業を開始するに当たって、昇降リフト20は駐車室10
Aの階層よりも少なくとも下方に位置させておくことが
必要である。かつ、この状態は装置の動作を時系列順に
説明した図11に示したものに応当している。
【0044】次には、横行台枠30を図12のようにト
レイ40と共に駐車室10A,(10)から昇降路3の
領域に横行移動させる。駐車室10A,(10)の横行
装置50と昇降路3における前記駐車室10A,(1
0)と同一階層の横行装置60とを同時に運転すると、
横行台枠30のガイドレール部34,34はガイドロー
ラ53,53…,53,53…の回転に導かれて移送さ
れ、次いで間隙70を渡ってガイドローラ63,63
…,63,63…の領域に遷移して矢印35方向に移送
される。ここで、ガイドローラ53,53…とガイドロ
ーラ63,63…とは同一水準高の固定位置に並設され
ているので、荷重変動による水準高の変位を生ずること
なく、また、横行台枠30のガイドレール部34,34
は常時、複数個のガイドローラ53,53…又は63,
63…と係合し、転送されるのでこの渡り移り動作は空
転なく円滑に行われる。
【0045】図12は、横行台枠30及びトレイ40が
横行装置50と横行装置60との間を矢印35方向に移
動中の状態を示している。このようにしてトレイ40を
積載した横行台枠30が昇降路3の横行装置60上に受
け渡され、図13の状態となり横行装置50,60の運
転を停止する。
【0046】次には横行台枠30上のトレイ40を図1
4の如く昇降リフト20の昇降台枠ビーム21,21に
受け渡す作業が行われる。巻上機5のスプロケット車
6,6,6,6を駆動するとガイドレール8,8,8,
8内に垂下されているチェン7,7,7,7が巻き上げ
られる。かつ、これに懸垂されているガイドローラ枠2
3,23,23,23のガイドローラ24,24……
は、それぞれガイドレール8,8,8,8の内面を転動
し、かつ誘導され、よって昇降台枠ビーム21,21は
上昇移動する。こうして、図3に示した如く昇降台枠ビ
ーム21,21はこの上昇過程で横行台枠30の位置を
擦り抜けて通過し、、横行台枠30上に積載されている
トレイ40を掬い上げ引き渡しを受ける。
【0047】図3に示した如く、昇降台枠ビーム21,
21の端部付近の連結部材22,22,22,22はそ
れぞれ固設の横行支持部材51と61との間の間隙7
0,70…を相互に干渉なく通過可能である。また、平
面視ほぼ「I」型状の横行台枠30に対して左右2本の
昇降台枠ビーム21,21も相互に干渉無く通り抜け可
能となっている。こうして、昇降台枠ビーム21,21
の係合突起26,26,26,26はトレイ40の係合
孔46,46,46,46に挿入され係合して相互の関
係位置が逸脱なく定まり、昇降台枠ビーム21,21は
トレイ40を積載して図14の如く横行台枠30の位置
より少なくとも上方に達したら停止し、ここで待機す
る。
【0048】次には、図15の如くに横行台枠30をも
との駐車室10A,(10)に返還する作業が行われ
る。横行装置60及び横行装置50を同時に、先の場合
とは逆方向に駆動するとガイドローラ63,63…と5
3,53…は同時に回転し横行台枠30のガイドレール
部34,34はこれらガイドローラ63,63…及びガ
イドローラ53,53…に順次転送されて間隙70を渡
り、矢印36方向に駐車室10A,(10)内の所定位
置に返還されて、ここで横行装置60,50の運転を停
止する。
【0049】こうして、トレイ40を積載して待機中の
昇降台枠ビーム21,21は昇降路3内を下降自由とな
るので、次には、空車のトレイ40を入出庫室12に下
降させる作業が行われる。巻上機5によりスプロケット
車6,6,6,6を前記の場合とは逆方向に駆動すると
チェン7,7,7,7に懸垂されたガイドローラ枠2
3,23,23,23はガイドレール8,8,8,8内
に沿って下降し、昇降台枠ビーム21,21は空車のト
レイ40を積載して入出庫階層11に着床する。この状
態は、図1に示した如くであり、また、入出庫階層11
ないし入出庫室12における平面視の状態は図4に示し
た如くとなる。
【0050】ここで、図4において鎖線で略示した扉1
4を開放し入庫すべき自動車を外部から出入口13を経
て矢印17方向に入出庫室12内に進入させる。自動車
は手前側のガイドレール8と8との間を通過して、該自
動車の車輪はトレイ40の踏面部41,41を転走して
所定位置に停止する。自動車の運転者は降車して床面1
5を歩行して出入口13から外部に退出する。ここで一
般の機械式駐車装置で行われているのと同様に入出庫室
12内の安全確認の後、扉14を閉じ、入庫作業に移行
するのである。
【0051】積車のトレイ40を駐車室10A,(1
0)に収納する手順は先の空車のトレイ40の取り出し
作業のほぼ逆手順によって行われる。巻上機5によりス
プロケット車6,6,6,6を上昇方向に駆動すると、
チェン7,7,7,7を経て積車のトレイ40を積載し
た昇降台枠ビーム21,21は昇降路3内を上昇移動
し、駐車室10A,(10)の階層より少なくともやや
上方に停止させ、ここで待機させる。この状態は、先の
説明に用いた図15の状態と位置的には均等であり、た
だ、トレイ40上に自動車が図示されていない点が異な
っているのみである。
【0052】次には、駐車室10A,(10)から横行
台枠30を昇降路3の領域に移動させる作業が行われ
る。駐車室10A,(10)には前記のようにトレイ4
0を積載していない横行台枠30が収容されている。こ
こで、横行装置50,60を駆動してガイドローラ5
3,53…,63,63…を同時に回転させると、横行
台枠30は駐車室10A,(10)から矢印35方向へ
昇降路3の領域に移送され、所定の位置に達したら停止
させる。この状態は先に説明に用いた図14の状態と均
等であり図示のトレイ40には自動車が搭載されていな
い点のみが異なっている。積車のトレイ40を搭載した
昇降台枠ビーム21,21は横行台枠30の上方に停止
している。
【0053】更に次には、昇降台枠ビーム21,21か
ら横行台枠30へ、積車のトレイ40の受渡す作業が行
われる。巻上機5のスプロケット車6,6,6,6を下
降方向に駆動するとチェン7,7,7,7が巻き卸され
ガイドローラ枠23,23,23,23は、それぞれガ
イドレール8,8,8,8内を誘導されて積車のトレイ
40を積載した昇降台枠ビーム21,21は下降移動す
る。こうして、図3の如く昇降台枠ビーム21,21は
この下降過程で横行台枠30の位置を擦り抜けて通過
し、昇降台枠ビーム21,21に積載されている積車の
トレイ40は、横行台枠30上に受け渡される。図3に
よって先に説明した通り、昇降台枠ビーム21,21
結部材22,22,22,22は間隙70,70,7
0,70を干渉なく通過可能であり、また、平面視ほぼ
「I」型状の横行台枠30と左右の昇降台枠ビーム2
1,21との相互間も干渉なく通り抜け可能であるか
ら、こうしてトレイ40の受渡しが行われる。このと
き、トレイ40の係合孔46,46,46,46に挿入
されていた昇降台枠ビーム21,21の係合突起26,
26,26,26が抜けて係合関係は解除されると共
に、横行台枠30の外側面部33,33とトレイ40の
内側面部45,45との係合関係と、及び横行台枠3の
外端面部32,32とトレイ40の内端面部44,44
との係合関係の両方の係合関係が施され、横行台枠30
上に積車のトレイ40が積載されて相互の位置関係が定
まり、逸脱が防止される。この状態はトレイ40が積車
となっていない点を除けば、先きの説明に用いた図13
の状態と均等である。トレイ50の授受を完了した昇降
台枠ビーム21,21は、巻上機5の巻き卸し駆動によ
り、昇降路3内を少なくとも横行台枠30の水準位置よ
りも下方に退避させるようにしている。なお、ここで次
に行うべき予約された入出庫作業が、駐車室10A,
(10)の階層よりも下方の階層に係わるものである場
合には、昇降リフト20は引続き次の作業に移行するこ
とができる。
【0054】更に次には、積車のトレイ40と共に横行
台枠30をもとの駐車室10A,(10)に収納する作
業に移行する。横行装置60,50を同時に駆動してガ
イドローラ63,63…及び53,53…を回転させる
と、横行台枠30のガイドレール部34,34はガイド
ローラ63,63…及び53,53…によって導かれ、
横行台枠30は昇降路3の領域から駐車室10A,(1
0)に横行移送され、所定位置まで達したら横行装置6
0,50の運転を停止し、こうして自動車を積載したト
レイ40は駐車室10A,(10)内に格納されるので
ある。この状態は先の図12及び図11の状態に応当す
る。
【0055】以上の説明は、入庫作業の場合について記
載したものである。出庫作業の場合も前記とほぼ逆手順
で行われるので、ここでは以下に簡単に説明する。
【0056】出庫すべき自動車は例えば先の駐車室10
A,(10)に収納されているものとする。昇降リフト
20の昇降台枠ビーム21,21は該駐車室10A,
(10)よりも少なくとも下方の位置に待機させておく
ようにする。ここで駐車室10A,(10)の横行装置
50と、及び同じ階層における昇降路3の横行装置60
とを運転して積車のトレイ40と共に横行台枠30を昇
降路3の領域に横行させここに停止させる。次いで、昇
降台枠ビーム21,21を上昇させ、横行台枠30の水
準位置を擦り抜け上昇させ、この時、積車のトレイ40
を横行台枠30上から昇降台枠ビーム21,21上に引
き取り、横行台枠30よりもやや上方に停止し、待機す
る。この後に横行装置50,60を前記とは逆方向に運
転して無積載となった横行台枠30をもとの駐車室10
A,(10)に返還する。次には、積車のトレイ40を
搭載した昇降台枠ビーム21,21を入出庫室12に下
降着床させ、扉14を開放して自動車を退出させるので
ある。
【0057】ここで、次の作業が入庫要請である場合に
は、ここで空車となったトレイ40上に新たな自動車を
受入れ入庫作業を行うことができるのは従来の駐車装置
の場合と同様である。しかし、次の作業が再び出庫要請
である場合には、空車のトレイ40を昇降台枠ビーム2
1,21と共に上昇させて駐車室10A,(10)の水
準位置よりも少なくとも上方位置に停止、待機させ、次
いで駐車室10A,(10)の無積載の横行台枠30を
昇降路3の領域に横行移動させる。次には昇降台枠ビー
ム21,21を下降させて空車のトレイ40を横行台枠
30上に引き渡し、横行台枠30は空車のトレイ40を
駐車室10A,(10)に返還する。一方、昇降台枠ビ
ーム21,21は更に下降し、または上昇させ継続して
次の作業に移行するのである。
【0058】
【発明の効果】都市における駐車難の解決のために各種
形式の機械式駐車装置が提案され実施され、問題解決の
ために著しく寄与しているが、これらの各形式の装置の
うち近時はエレベータ式の駐車装置が、その低騒音性、
省エネルギー性等の特性によって注目され、しばしば採
用されるようになっている。従来のエレベータ式駐車装
置には大別してトレイを用いない形式と、トレイを用い
る形式のものとの2種類がある。
【0059】これらのうち、トレイを用いない形式のも
の、例えばコーム式の装置の場合には、自動車の車輪を
直接にコームで支承、移載して入出庫作業を行い、タイ
ア接地圧力も高いので、タイアに過酷な装置であり、ま
た、油滴や雨水、融雪水の流下の問題点等があり、駐車
装置利用者にとっては預託の安心感が劣るという欠点が
あった。
【0060】これに対して、トレイを用いる形式の装置
は、入出庫位置でトレイ上に自動車を受入れ、以後はト
レイに自動車を搭載したまま昇降、移送、格納を行なう
ものであり、自動車のみを単独での移し換え移送等を行
わないので、自動車のタイアに優しく、利用者の大切な
資産である自動車を丁重に保管するという基本的思想か
ら好ましく、利用者にとっては利用安心感があるという
大きい特長を有している。また、油滴や、雨水、融雪水
等はトレイによって遮られるので、他の自動車上や入出
庫室に滴下するおそれがない利点がり、このような点か
ら、トレイを用いるエレベータ式駐車装置は、これまで
最も多用されてきている。
【0061】しかしながら、このようなトレイを用いた
エレベータ式駐車装置であるが、従来のこの種の装置に
おいては、昇降リフトを駐車室の階層と段差なく停止さ
せる必要があるため巻上機の停止精度を極めての良好な
設備とする必要があること、移送作業中の昇降リフトの
負荷変動により、昇降リフトの傾動を生ずるのでこれを
防止する固定装置等を必要とすること、また、昇降リフ
ト上に横行装置や固定装置等を搭載して具えているので
昇降移動体である昇降リフトの重量が大きくなり、か
つ、これに電源を供給するためのケーブルやトロリーを
必要とする等の欠点があった。
【0062】本発明の装置においては、先ず、トレイは
昇降リフトと駐車室の相互間で直接に受渡しが行われる
ものでないため、駐車室階層に対する昇降リフトの停止
精度は高精度を必要とせず寛容度が高く、従って巻上機
の制御は高度のものを要しない利点がある。
【0063】また、前記と同様にトレイは昇降リフトと
駐車室の相互間で直接に受渡しが行われるものでないた
め、昇降リフトと駐車室階層間をトレイが横行するとき
の荷重の移動による昇降リフトの傾動や浮動を生じない
ので、昇降リフトを固定する固定装置等を特別に付加す
る必要がない利点がある。
【0064】更に本装置においては、トレイを横行させ
るための横行装置を従来の装置のように昇降リフト上に
設ける必要がなく、総て固定位置側に設備されているの
で、昇降移動体である昇降リフトが簡単な構成で軽量と
なる利点がある。
【0065】かつ、これに伴って昇降移動体である昇降
リフトの横行装置に移動電源を供給するための給電用の
ケーブル又はトロリー等を設備する必要がなく、設備が
簡潔となる利点がある。
【0066】これらの各種の利点ないし特徴によって、
信頼性が高く、簡潔な構成で経済的に用いることができ
るトレイ形式のエレベータ式駐車装置を提供することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エレベータ式駐車装置の全体を断面図で示した
平面図である。
【図2】昇降路と昇降リフト及び駐車室との関係を示し
た平面図である。
【図3】昇降路と昇降リフトと横行台枠との関係及び駐
車室との関係を示した平面図である。
【図4】入出庫室における昇降リフトとトレイを示す平
面図である。
【図5】昇降リフトを示す斜視図である。
【図6】トレイを示す斜視図である。
【図7】横行台枠を示す斜視図である。
【図8】横行台枠とトレイとの係合関係を示す正面図で
ある。
【図9】横行装置のガイドローラ、横行台枠及びレイ
の関係を示した側面図である。
【図10】駐車室における横行装置を示す平面図であ
る。
【図11】エレベータ式駐車装置の動作を時系列順に略
図で示した正面図である。
【図12】エレベータ式駐車装置の動作を時系列順に略
図で示した正面図である。
【図13】エレベータ式駐車装置の動作を時系列順に略
図で示した正面図である。
【図14】エレベータ式駐車装置の動作を時系列順に略
図で示した正面図である。
【図15】エレベータ式駐車装置の動作を時系列順に略
図で示した正面図である。
【図16】従来のエレベータ式駐車装置におけるトレイ
の横行を示す説明図である。
【図17】従来のエレベータ式駐車装置におけるトレイ
の横行を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エレベータ式駐車装置 2 構造体 3 昇降路 4 巻上機室 5 巻上機 6 スプロケット車 7 チェン 8 ガイドレール 10,10A 駐車室 11 入出庫階層 12 入出庫室 13 出入口 14 扉 15 床面 16 ピット 17 矢印 20 昇降リフト 21 昇降台枠ビーム 22 連結部材 23 ガイドローラ枠 24 ガイドローラ 25 軸 26 係合突起 30 横行台枠 31 本体部 32 外端面部 33 外側面部 34 ガイドレール部 35,36 矢印 40 トレイ 41 踏面部 42 側縁部 43 中間部 44 内端面部 45 内側面部 46 係合孔 50 横行装置 51 横行支持部材 52 ブラケット 53 ガイドローラ 54 軸 55 スプロケット車 56 チェン 57 電動機 58 伝動軸 60 横行装置 61 横行支持部材 62 ブラケット 63 ガイドローラ 64 軸 65 スプロケット車 66 チェン 70 間隙 80 昇降路 81 昇降リフト 82 フリーローラ 83 横行装置 84 トレイ 85 段差 86 昇降リフトの一側部 90 駐車室 91 駐車室ラック 92 フリーローラ 93 矢印

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇降路を昇降する昇降リフトと、前記昇降
    路に沿って複数層に配設された駐車室とを具え、前記昇
    降リフトに自動車を搭載して昇降移動し、所要の駐車室
    に該自動車を移送して格納するようになしたエレベータ
    式駐車装置において、自動車を受け入れるときの姿勢に
    おける鉛直方向の投影面内における異なる位置に2種類
    の係合用部を有する自動車を受け入れすべきトレイと、
    懸垂部材によって前記昇降路を昇降可能に懸垂支持され
    前記トレイを積載するための相互に離隔した前記トレイ
    の前記2種類の係合用部のうちの一方の係合用部と係合
    可能な係合用部を有する一対の昇降台枠ビームを用いた
    昇降リフトと、前記駐車室にそれぞれ専属し該駐車室と
    前記昇降路の領域との間を横行装置によって横行移動可
    能に構成され、前記トレイの前記2種類の係合用部のう
    ちの他方の係合用部と係合可能な係合用部を有していて
    かつ前記トレイを脱着可能に積載した複数の横行台枠
    と、前記昇降路内の前記トレイの昇降通路と干渉しない
    位置に設けられていて前記横行台枠に駆動を与える横行
    装置を用いてなり、前記昇降リフトは前記昇降路におい
    ては前記横行台枠と相互に干渉なく擦り抜け通過してト
    レイの受渡しを行うようになした、エレベータ式駐車装
    置。
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