JPH09273326A - 立体駐車場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両搭載用パレットを昇降させる昇降台を利
用して、車両乗降時にパレットを安定良く保持し、それ
によって、パレット保持のための構造を簡素化し、駐車
場設置のための建面積を小さくすることも可能な立体駐
車場の提供。 【解決手段】 車両Ｖが出入庫する出入口に連通する外
部連通部と、車両搭載用パレットＰを上下方向に並べて
収納する複数の収納棚と、パレットＰを載置して上下方
向の昇降径路に沿って昇降可能な昇降台７と、昇降台７
を吊下するための索状体と、昇降台７と収納棚との間で
パレットＰを移載する移載装置とを備え、昇降台７が外
部連通部に位置する状態で被載置部材４７の上面に載置
可能な載置部材４３を昇降台７に設け、載置部材４３を
突出姿勢にして被載置部材４７の上面に載置することに
より、被載置部材４７によって昇降台７を保持するよう
に構成してある立体駐車場。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両が出入庫する
ための出入口と、この出入口に連通する外部連通部と、
車両搭載用のパレットを上下方向に並べて収納する複数
の収納棚と、前記パレットを載置して複数の収納棚と前
記外部連通部とにわたる上下方向の昇降径路に沿って昇
降可能な昇降台と、この昇降台を吊下して上下昇降させ
るための索状体と、前記昇降台と各収納棚との間で前記
パレットを移載するために前記昇降台に設けられた移載
装置とを備えた立体駐車場に関する。

【０００２】

【従来の技術】このような構成の立体駐車場では、入庫
の際に外部連通部にある空パレット上に車両を乗り入
れ、出庫の際に外部連通部にあるパレット上から車両を
降ろすことになり、そのため、入出庫の際に外部連通部
においてパレットを安定良く保持する必要がある。その
場合、パレットを載置して昇降するための昇降台で保持
できればよいのであるが、昇降台は索状体で吊下されて
いるため、車両重量の有無によって索状体が伸縮し、昇
降台の高さが変化するため、この昇降台によってパレッ
トを安定良く保持することは不可能となる。

【０００３】そこで、従来、地上階に出入口と外部連通
部とを設け、その外部連通部の上方に複数の収納棚を配
設した形式の立体駐車場では、地上からの設置物によっ
てパレットの長手方向の両端部近くを保持し、かつ、パ
レットの長手方向中間部も別の設置物で保持するように
構成していた。つまり、車両搭載用のパレットについて
は、極力軽量化を図っているのが現状で、そのため、パ
レットの長手方向の両端部近くのみを保持するだけで
は、車両乗り入れ時などに中間部が撓むことになるの
で、パレットの長手方向両端部のみならず、その中間部
をも地上からの設置物で保持するように構成していた。

【０００４】また、外部連通部の上方と下方とにそれぞ
れ複数の収納棚を配設した形式の立体駐車場では、パレ
ットの長手方向中間部を地上からの設置物で保持するこ
とが難しいので、従来、出入口と外部連通部との間に移
載装置などを設け、この移載装置などでパレットを安定
良く保持した状態でそのパレットに対して車両を乗降す
るように構成し、かつ、その移載装置で車両を搭載した
パレットを昇降台に対して移載するように構成してい
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】したがって、外部連通
部の上方にのみ収納棚を配設した形式の立体駐車場で
は、パレットの長手方向両端部を保持する設置物に加え
て、パレットの中間部を保持する設置物も必要となり、
その設置物もかなり頑丈なもので、しかも、地上から上
方へ向けて設置することになるため、どうしても大がか
りなものとなる欠点があった。また、外部連通部の上方
と下方とに収納棚を配設する形式の立体駐車場では、パ
レットを保持して昇降台に対して移載するための移載装
置が必要となり、かつ、その移載装置を設置するための
床面積も必要となって、立体駐車場設置のための建築面
積が大きくなる欠点があった。

【０００６】本発明は、このような従来の欠点に着目し
たもので、その目的は、パレットを昇降させるために不
可欠な昇降台を利用してパレットを安定良く保持できる
ようにし、それによって、パレットの中間部を保持する
設置物を不要とし、あるいは、移載装置を不要として駐
車場設置のための建築面積を小さくすることの可能な立
体駐車場の提供にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項１に記載の発明によれば、昇降台が外部連通
部に位置する状態で被載置部材の上面に載置可能な載置
部材を昇降台に設け、この載置部材を被載置部材の上面
に載置可能な突出姿勢と昇降台側に収納する収納姿勢と
に切り換え可能に構成し、載置部材を突出姿勢にして被
載置部材の上面に載置することにより、前記被載置部材
によって昇降台を保持するように構成するものであるか
ら、この昇降台によってパレットの中間部、あるいは、
パレット全体を安定良く保持することができ、パレット
の中間部を保持するための特別な設置物を不要にして構
造の簡素化を図ったり、あるいは、移載装置を不要にし
て駐車場設置のための建築面積を小さくすることも可能
となる。

【０００８】請求項２に記載の発明によれば、外部連通
部の上方のみならず、下方にも複数の収納棚を配設する
ものであるから、地下を利用して車両の収納台数を増や
したり、あるいは、２階以上の階に出入口や外部連通部
を設けて特殊な条件にも対応できるにもかかわらず、上
述のような移載装置を不要にして構造の簡素化やコスト
ダウンを図り得るとともに、建築面積をも小さくするこ
とができる。

【０００９】請求項３に記載の発明によれば、車両を搭
載したパレットを担持して旋回し、外部連通部に前進で
入庫してきた車両の向きを前進で出庫できるように姿勢
変更する旋回装置を設けるものであるから、前進による
入庫と出庫とが可能となり、しかも、その旋回装置を昇
降台に設けるものであるから、例えば、入庫時に外部連
通部において前記旋回装置で予め前進出庫姿勢に変更し
て収納棚に収納し、その後の出庫を迅速に行うことも、
逆に、入庫を迅速に行って、出庫時に前進出庫姿勢に変
更することもでき、実際の使用や運用に際して極めて便
利である。

【００１０】請求項４に記載の発明によれば、複数の収
納棚が、外部連通部における車両の長手方向と直交する
方向を向いた状態で車両を収納するように構成され、そ
の複数の収納棚が昇降径路を挟んでその両側に配設され
るので、駐車場の建築面積を極力小さくしながら、車両
収納台数の増加を図ることができ、しかも、車両の向き
変更を上述の旋回装置によって行うことができるので、
車両の向き変更のための特別な装置も不要となる。

【００１１】請求項５に記載の発明によれば、外部連通
部において、パレットの長手方向の両端部近くを保持す
る保持部材を設けるものであるから、車両を搭載したパ
レットの重量の一部を前記保持部材が分担することにな
り、昇降台に設ける載置部材を極端に頑丈にする必要も
なく、昇降台を軽量化することができ、かつ、昇降台を
昇降させるための駆動装置なども比較的小型のもので済
む。

【００１２】請求項６に記載の発明によれば、複数の収
納棚が、外部連通部における車両の長手方向と同方向を
向いた状態で車両を収納するように構成され、その複数
の収納棚が昇降径路を挟んでその両側に配設されるの
で、極力小さな建築面積内に多くの車両を収納すること
ができる。しかも、車両を搭載したパレットを担持して
旋回し、外部連通部に前進で入庫してきた車両の向きを
前進で出庫できるように姿勢変更する旋回装置を設ける
ものであるから、前進による入庫と出庫とが可能である
ばかりか、その旋回装置を収納棚よりも下方に設置する
ものであるから、旋回装置を昇降台に設ける場合に比較
して、昇降台の重量を軽くでき、昇降台を昇降させるた
めの駆動装置やそれに付随する装置をも小型にでき、ま
た、昇降台を吊下する索状体にしても極端に頑丈なもの
は不要となる。

【００１３】請求項７に記載の発明によれば、載置部材
が、昇降台の四隅に設けられているので、この昇降台の
四隅にある載置部材を突出姿勢にして被載置部材上面に
載置することにより、昇降台を一層安定良く保持するこ
とができ、パレットに対する車両の乗降をより安全に行
うことができる。

【００１４】請求項８に記載の発明によれば、載置部材
が、その突出姿勢において各収納棚の上面にも載置可能
に構成してあるため、外部連通部においてパレットを安
定良く保持するための載置部材をそのまま利用して、昇
降台を各収納棚に対して安定良く保持させることがで
き、この昇降台と各収納棚との間におけるパレットや車
両の移載をも安定良く行うことができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明による立体駐車場の実施の
形態を図面に基づいて説明する。図１は、立体駐車場全
体の概略を示し、地上階の正面には、車両Ｖが出入庫す
るための出入口１が設けられ、この出入口１に連通する
外部連通部２の上方には、車両Ｖを搭載したパレットＰ
を正面の出入口１から見て左右方向に横向きにして収納
するための収納棚３が上下方向に複数段配設され、か
つ、外部連通部２の下方の地下にも、同様な収納棚３が
上下方向に複数段配設されている。つまり、立体駐車場
の上下方向の中間に出入口１と外部連通部２とが設けら
れていて、外部連通部２に位置するパレットＰ上に前進
で進入してきた車両Ｖの向きを、後述する旋回装置４に
よって、パレットＰと一緒に外部連通部２における車両
Ｖの長手方向と直交する方向に姿勢変更し、パレットＰ
上に搭載した車両Ｖを各収納棚３に収納できるように構
成されている。

【００１６】この複数段の収納棚３は、出入口１から見
て一定の間隔を隔てて前後方向に一対設けられ、前記外
部連通部２を含んで、これら一対の収納棚３の間の上下
空間が、キャレッジ５の昇降径路６に構成され、この昇
降径路６に沿ってキャレッジ５や旋回装置４を有する昇
降台７などが昇降し得るように構成されている。換言す
ると、キャレッジ５の昇降径路６の中間に前記外部連通
部２が設けられていて、キャレッジ５は、外部連通部２
を上下方向に横切って、その上方へも下方へも自由に昇
降し得るように構成されている。なお、以後、本明細書
において方向を特定した場合、正面の出入口１側から見
た方向を指すものとする。

【００１７】図２は、キャレッジ５とその駆動装置の概
略を示し、このキャレッジ５は、図３から図６にも示す
ように、型鋼などによって左右方向に長い長方形に枠組
みされた構造体で、その上部には、昇降台７や移載台８
などが搭載できるように構成され、かつ、その中央部は
空間になっていて、昇降台７の一部が下方に突出するよ
うに構成されている。このキャレッジ５は、ワイヤやチ
ェンなどからなる索状体９により吊り下げられ、具体的
には、キャレッジ５の四隅に取り付けられた４本の索状
体９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄによって吊り下げられ、各索
状体９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄは、複数の滑車１０で適宜
方向が変換されて、他端にバランスウエイト１１が吊り
下げられるとともに、立体駐車場の上方に配設の駆動装
置１２によって回転駆動される駆動滑車１２ａの正逆回
転駆動により、昇降径路６に沿って上下に昇降できるよ
うに構成されている。

【００１８】キャレッジ５に搭載される昇降台７も、型
鋼などによって左右方向に長い長方形に枠組みされた構
造体で、その四辺がキャレッジ５の四辺の型鋼上に載置
可能に構成され、その中央部には旋回装置４が設置され
ている。この旋回装置４は、出入口１から外部連通部２
にまで前進で進入してきた車両ＶをパレットＰに載せた
まま、パレットＰの中央部を担持しながら９０度旋回し
て、車両Ｖの姿勢を昇降台７に載置された移載台８への
移載に適した横向きに姿勢変更したり、逆に、外部連通
部２にまで搬送されてきた車両ＶをパレットＰと一緒に
前進のままで出入口１から出庫できる前進出庫姿勢に姿
勢変更するためのもので、パレットＰを担持して旋回す
るための旋回担持部１３や、この旋回担持部１３を保持
する上下昇降可能な昇降フレーム１４などから構成され
ている。

【００１９】前記昇降フレーム１４には、昇降台７の左
右に立設された一対のガイドポスト１５に当接して回転
する複数個のガイドローラ１６が設けられ、これらガイ
ドポスト１５とガイドローラ１６とによって昇降フレー
ム１４の昇降台７に対する昇降姿勢が規制されるように
構成されている。昇降台７には、昇降フレーム１４を昇
降駆動するための正逆回転可能な昇降用モータ１７が設
置され、かつ、昇降用回転軸１８が左右横方向に向けて
回転自在に設けられていて、その昇降用モータ１７と昇
降用回転軸１８とが、スプロケット１９，２０と、両ス
プロケット１９，２０間にわたって掛張したチェン２１
とによって互いに連動連結されている。この昇降用回転
軸１８の左右両端部にも、それぞれスプロケット２２，
２３が固着され、これらスプロケット２２，２３に一端
を固着したチェン２４，２５の他端が、それぞれ昇降フ
レーム１４に固着されていて、前記昇降用モータ１７の
正逆回転駆動によって、昇降フレーム１４が昇降台７に
対して上下昇降できるように構成されている。

【００２０】この昇降フレーム１４には、旋回担持部１
３に固着の旋回軸２６が回転可能に支持され、かつ、昇
降フレーム１４の上面に配設の複数個の担持ローラ２７
が旋回担持部１３を保持するように構成されている。こ
の昇降フレーム１４には、さらに、正逆回転可能な旋回
用モータ２８が設置され、この旋回用モータ２８の回転
軸に固着のスプロケット２９と前記旋回軸２６に固着の
スプロケット３０とにわたってチェン３１が掛張されて
いて、旋回用モータ２８の正逆回転駆動によって、旋回
担持部１３が昇降フレーム１４に対して旋回できるよう
に構成されている。

【００２１】前記昇降台７の左右方向の両端部近くに
は、前後方向に沿う左右一対のレール３２が設けられ、
この左右一対のレール３２上に移載台８が載置可能に構
成されている。この移載台８も型鋼などによって左右方
向に長い長方形に枠組みされた構造体で、その中央部
は、昇降台７の一部が上方へ突出可能で、かつ、旋回装
置４の旋回担持部１３が通過できる空間に形成され、左
右方向の両端部近くに設けられた複数個の車輪３３が、
昇降台７のレール３２上に載り、図外のモータで車輪３
３を正逆回転駆動することにより、この移載台８が昇降
台７のレール３２に沿って前後方向に往復移動できるよ
うに構成されている。

【００２２】この移載台８の左右方向の両端部にも、前
後方向に沿う左右一対のレール３４が設けられ、この左
右一対のレール３４上にパレットＰに設けられた遊転輪
Ｐａが載置可能に構成されるとともに、パレットＰに対
する二股状の係合部材３５を保持する２本のチェン３
６，３７が、左右に一対設けられている。この左右に一
対設けられた２本のチェン３６，３７は、それぞれ、図
６に示すように、一方のチェン３６が、前後一対の遊転
スプロケット３６ａ，３６ｂ、中間に設けられた２個の
遊転スプロケット３６ｃ，３６ｄ、ならびに、駆動スプ
ロケット３６ｅ間にわたって掛張され、他方のチェン３
７も同様に、前後の遊転スプロケット３７ａ，３７ｂ、
中間の遊転スプロケット３７ｃ，３７ｄ、ならびに、駆
動スプロケット３７ｅ間にわたって掛張されている。そ
して、一方のチェン３６の前後の遊転スプロケット３６
ａ，３６ｂと他方のチェン３７の前後の遊転スプロケッ
ト３７ａ，３７ｂとは、前後方向に若干軸芯を異ならせ
て配設され、中間のスプロケット３６ｃと３７ｃ、３６
ｄと３７ｄとは同軸上に、両駆動スプロケット３６ｅ，
３７ｅも同軸上に配設されていて、両駆動スプロケット
３６ｅ，３７ｅが、移載台８に設置のモータ３８によっ
て一体的に正逆回転駆動されるように構成されている。

【００２３】詳しい説明は省略するが、２本のチェン３
６，３７には、それぞれ断面コの字型の保持具が枢着さ
れ、かつ、これら両保持具が、２本のチェン３６，３７
に沿う前後方向に位置を異ならせて配設されていて、こ
れら両保持具に前記係合部材３５が枢着されるととも
に、このような係合部材３５が、前後方向の２箇所に配
設されている。これら係合部材３５は、パレットＰに設
けられた凹入部からなる被係合部３９に係合可能に構成
され、前記モータ３８の正逆回転駆動による両チェン３
６，３７の駆動で、チェン３６，３７の前後両端部にお
いては、この係合部材３５が起立姿勢のままで上方に突
出してパレットＰの被係合部３９に係合したり、被係合
部３９から下方へ退避するように、また、被係合部３９
に係合した状態で起立姿勢を維持しながら前後方向に移
動し得るように構成されている。

【００２４】つまり、両チェン３６，３７の駆動によっ
て、係合部材３５がパレットＰの被係合部３９に係合し
てパレットＰを移載台８上から各収納棚３へ移載した
り、逆に各収納棚３から移載台８上へ移載するのであ
り、これら両チェン３６，３７、係合部材３５、ならび
に、モータ３８などによって移載装置４０が構成されて
いる。なお、昇降台７の四隅には、図６に示すように、
ガイド棒４１が取り付けられ、各ガイド棒４１には、キ
ャレッジ５から連設のガイド枠５ａが外嵌されていて、
このガイド枠５ａと昇降台７との間に介装のスプリング
４２によって、昇降台７とキャレッジ５とが互いに離間
する方向に弾性付勢されている。

【００２５】前記昇降台７の四隅には、図７に示すよう
に、載置部材４３が枢支軸４４を介して回動可能に枢着
され、前後一対の載置部材４３が連結ロッド４５を介し
てリンク４６の両端に枢支連結され、かつ、左右のリン
ク４６が適宜連結機構を介して互いに連動連結されてい
る。これら載置部材４３は、図７の（イ）に示す突出姿
勢において、外部連通部２において地上に設置された被
載置部材４７の上面や各収納棚３の上面に載置して昇降
台７を保持するためのもので、リンク４６の一方がモー
タ４８によって正逆回動可能に構成され、このモータ４
８の正逆回転駆動によって、各載置部材４３が図７の
（イ）に示す突出姿勢と、図７の（ロ）に示す収納姿勢
とに切り換え可能に構成されている。

【００２６】この立体駐車場は、マイクロコンピュータ
を主要部とする制御装置によって制御され、車両Ｖを入
庫させるには、図８に示すように、出入口１から前進で
入庫してきた車両Ｖを、前後方向を向いているパレット
Ｐ上にまで乗り入れて駐車する。その際、パレットＰ
は、その長手方向の両端部が、外部連通部２に設けられ
た前後一対の保持部材４９上に載置されて保持され、か
つ、長手方向の中間部が、昇降台７に設置の旋回装置４
の旋回担持部１３によって保持されている。この旋回装
置４を設置している昇降台７は、その四隅に設けられた
載置部材４３が突出して被載置部材４７の上面に載置し
て保持されているので、パレットＰは安定良く保持され
る。

【００２７】その後、図９に示すように、昇降用モータ
１７の回転駆動により昇降フレーム１４が上昇し、旋回
装置４の旋回担持部１３が車両Ｖを乗せたパレットＰの
中央部を担持するとともに、旋回用モータ２８の回転駆
動によりパレットＰを旋回して横向きにし、昇降フレー
ム１４が下降して、パレットＰを移載台８上、つまり、
パレットＰの遊転輪Ｐａが移載台８のレール３４上に載
るように載置する。その後、駆動装置１２によって駆動
滑車１２ａが回転駆動され、４本の索状体９ａ，９ｂ，
９ｃ，９ｄによって昇降台７が若干持ち上げられるとと
もに、昇降台７の載置部材４３が、図７の（ロ）や図１
０に示すような収納姿勢となり、そのまま４本の索状体
９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄによってキャレッジ５が空いて
いる収納棚３の位置にまで持ち上げられる。

【００２８】その際、図１１に示すように、所定の位置
よりも若干上方にまで持ち上げられ、その位置におい
て、モータ３８が回転駆動され、リンク４６や連結ロッ
ド４５を介して各載置部材４３が回動されて、前後に位
置する収納棚３側に突出する突出姿勢に切り換えられ
る。この状態のままでキャレッジ５が下降し、各載置部
材４３が前後に位置する収納棚３の上面に載置され、キ
ャレッジ５がさらに下降して、昇降台７や移載台８のみ
が前後に位置する収納棚３間にわたって載置保持され、
移載台８のレール３４と収納棚３のレールとが面一の状
態となる。その後、移載台８の車輪３３が回転駆動し
て、移載台８全体が収納棚３側に移動し、かつ、モータ
３８の回転駆動に伴って駆動スプロケット３６ｅ，３７
ｅが回転し、係合部材３５がパレットＰの被係合部３９
に係合し、そのままパレットＰを所定の収納棚３側に移
動させて車両Ｖの入庫が完了する。

【００２９】その後においては、キャレッジ５の上昇に
よって昇降台７が持ち上げられ、各載置部材４３が収納
姿勢に切り換えられ、かつ、上述の入庫とは逆の動作に
よって空のパレットＰが移載台８上に移載されて外部連
通部２にまで搬送される。そして、外部連通部２にまで
搬送されたパレットＰは、上述したように、その長手方
向の両端部が、前後一対の保持部材４９により、また、
長手方向の中間部が、旋回装置４の旋回担持部１３によ
って保持された状態で、つぎの入庫に備えることにな
る。なお、車両Ｖの出庫については、上述の入庫と逆の
作動によって行われる。

【００３０】〔別実施形態〕先の実施形態においては、
車両Ｖを搭載したパレットＰを正面の出入口１から見て
左右横向きにして収納する立体駐車場を示したが、図１
２に示すように、車両Ｖを搭載したパレットＰを正面の
出入口１から見て前後方向に向けて収納する立体駐車場
に適用することもできる。その場合、先の実施形態と同
様に旋回装置４を昇降台７上に設け、その旋回装置４に
よってパレットＰを１８０度旋回して、前進による入庫
と前進による出庫とを可能にして実施することもでき
る。

【００３１】しかし、図１２に示す立体駐車場にあって
は、外部連通部２においてパレットＰ上に車両Ｖを乗せ
た後、キャレッジ５や昇降台７などと一緒にパレットＰ
を昇降させる際、パレットＰを９０度旋回させる必要が
ないので、この図１２に示すように、旋回装置４を駐車
場の最下段に設置して実施することもできる。この場合
には、入庫時あるいは出庫時に、車両Ｖを搭載したパレ
ットＰを最下段にまで降ろし、旋回装置４の旋回担持部
１３によってパレットＰを１８０度旋回して、前進入庫
と前進出庫とを可能にして実施することになる。

【００３２】また、先の実施形態においては、キャレッ
ジ５に索状体９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄを取り付け、キャ
レッジ５と一緒に昇降台７を上下昇降させる構成のもの
を示したが、昇降台７そのものに索状体９ａ，９ｂ，９
ｃ，９ｄを取り付けて直接上下昇降させることも可能で
あるし、移載装置４０にしても、チェン３６，３７や係
合部材３５から構成するものに限らず、例えば伸縮可能
なフォークによって構成するなど、種々の改変が可能で
ある。

【００３３】

【図面の簡単な説明】

【図１】立体駐車場の全体の概略を示す側面図

【図２】キャレッジとその駆動装置の概略を示す斜視図

【図３】外部連通部における昇降台の平面図

【図４】外部連通部における昇降台を示す図３中のＡ−
Ａ断面図

【図５】外部連通部における昇降台を示す側面図

【図６】昇降台や移載台を示す要部の側面図

【図７】昇降台や載置部材を示す要部の側面図

【図８】外部連通部における作用を示す側面図

【図９】外部連通部における作用を示す側面図

【図１０】外部連通部における作用を示す側面図

【図１１】移載装置の作用を示す側面図

【図１２】別の実施形態を示す立体駐車場全体の概略正
面図

【符号の説明】

１ 出入口 ２ 外部連通部 ３ 収納棚 ４ 旋回装置 ６ 昇降径路 ７ 昇降台 ９ 索状体 ４０ 移載装置 ４３ 載置部材 ４７ 被載置部材 ４９ 保持部材 Ｖ 車両 Ｐ パレット

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両が出入庫するための出入口と、この
   出入口に連通する外部連通部と、車両搭載用のパレット
   を上下方向に並べて収納する複数の収納棚と、前記パレ
   ットを載置して複数の収納棚と前記外部連通部とにわた
   る上下方向の昇降径路に沿って昇降可能な昇降台と、こ
   の昇降台を吊下して上下昇降させるための索状体と、前
   記昇降台と各収納棚との間で前記パレットを移載するた
   めに前記昇降台に設けられた移載装置とを備えた立体駐
   車場であって、 前記昇降台が外部連通部に位置する状態で被載置部材の
   上面に載置可能な載置部材を前記昇降台に設け、この載
   置部材を前記被載置部材の上面に載置可能な突出姿勢と
   昇降台側に収納する収納姿勢とに切り換え可能に構成
   し、前記載置部材を突出姿勢にして前記被載置部材の上
   面に載置することにより、前記被載置部材によって前記
   昇降台を保持するように構成してある立体駐車場。
2. 【請求項２】 前記外部連通部の上方と下方に複数の収
   納棚を配設してある請求項１記載の立体駐車場。
3. 【請求項３】 車両を搭載した前記パレットを担持して
   旋回し、前記外部連通部に前進で入庫してきた車両の向
   きを前進で出庫できるように姿勢変更する旋回装置を前
   記昇降台に設けてある請求項１、２または３記載の立体
   駐車場。
4. 【請求項４】 前記複数の収納棚が、前記外部連通部に
   おける車両の長手方向と直交する方向を向いた状態で車
   両を収納するように構成されるとともに、前記昇降径路
   を挟んでその両側に配設されている請求項３記載の立体
   駐車場。
5. 【請求項５】 前記外部連通部において、前記パレット
   の長手方向の両端部近くを保持する保持部材を設けてあ
   る請求項４記載の立体駐車場。
6. 【請求項６】 前記複数の収納棚が、前記外部連通部に
   おける車両の長手方向と同方向を向いた状態で車両を収
   納するように構成されるとともに、前記昇降径路を挟ん
   でその両側に配設され、かつ、車両を搭載した前記パレ
   ットを担持して旋回し、前記外部連通部に前進で入庫し
   てきた車両の向きを前進で出庫できるように姿勢変更す
   る旋回装置を前記収納棚よりも下方に設置してある請求
   項１または２記載の立体駐車場。
7. 【請求項７】 前記載置部材が、前記昇降台の四隅に設
   けられている請求項１、２、３、４、５または６記載の
   立体駐車場。
8. 【請求項８】 前記載置部材が、その突出姿勢において
   各収納棚の上面にも載置可能に構成してある請求項１、
   ２、３、４、５、６または７記載の立体駐車場。