JP2670632B2 - 光走査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、たとえば画像読取装置やレーザプリンタ等
で使用される、光点により被走査体上を走査する光走査
装置に関するものである。

（従来の技術） 画像の記録された記録シート上を光ビームにより走査
して画像信号を得、この画像信号に画像処理を施し、画
像処理の施された画像信号に基づいて光ビームを変調し
て該光ビームに感光する記録シート上を走査し、該記録
シート上に画像を再生記録する等のシステムが種々の分
野で用いられている。

たとえば、後の画像処理に適合するように設計された
ガンマ値の低いＸ線フイルムを用いてＸ線画像を記録
し、このＸ線画像が記録されたフイルムからＸ線画像を
読み取って電気信号に変換し、この電気信号（画像信
号）に画像処理を施した後感光フイルム等に可視像とし
て再生することにより、コントラスト，シャープネス，
粒状性等の画質性能の良好な再生画像を得ることのでき
るシステムが開発されている（特公昭61−5293号公報参
照）。

また本出願人により、放射線（Ｘ線，α線，β線，γ
線，電子線，紫外線等）を照射するとこの放射線エネル
ギーの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射
すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄
積性蛍光体（輝尽性蛍光体）を利用して、人体等の被写
体の放射線画像を一旦シート状の蓄積性蛍光体に撮影記
録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザー光等の励起光
で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光
を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基
づき被写体の放射線画像を写真感光材料等の記録材料、
CRT等に可視像として出力させる放射線画像記録再生シ
ステムがすでに提案されている（特開昭55−12429号，
同56−11395号，同55−163472号，同56−104645号，同5
5−116340号等）。

このシステムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真
システムと比較して極めて広い放射線露出域にわたって
画像を記録しうるという実用的な利点を有している。す
なわち、蓄積性蛍光体においては、放射線露光量に対し
て蓄積後に励起によって輝尽発光する発光光の光量が極
めて広い範囲にわたって比例することが認められてお
り、従って種々の撮影条件により放射線露光量がかなり
大幅に変動しても、蓄積性蛍光体シートより放射される
輝尽発光光の光量を読取ゲインを適当な値に設定して光
電変換手段により読み取って電気信号に変換し、この電
気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、CRT等の表
示装置に放射線画像を可視像として出力させることによ
って、放射線露光量の変動に影響されない放射線画像を
得ることができる。

Ｘ線フイルムや蓄積性蛍光体シート等を用いる上記シ
ステム、およびさらに広く一般の画像等を取扱う種々の
システムにおいて、画像を読み取って画像信号を得るに
は、通常、該画像の記録されたＸ線フイルムや蓄積性蛍
光体シートやその他の記録シート上を光ビームにより走
査し、この走査により得られた上記画像を表わす光（例
えば、Ｘ線フイルムを透過し又はＸ線フイルムから反射
した光や、蓄積性蛍光体シートから発せられた輝尽発光
光等）を光検出器で受光して画像信号を得る画像読取装
置が用いられる。また、画像信号に基づいて可視画像を
得るには、該画像信号に基づいて強度変調された光ビー
ムでたとえば画像記録用感光フイルム等の記録シート上
を走査する画像記録装置が用いられる。

（発明が解決しようとする課題） 上記画像読取装置や画像記録装置等において光ビーム
を用いて記録シート上を走査するには、例えば回転多面
鏡やガルバノメータミラー等の機械的偏向器が多く使用
されるが、機械的な可動部が存在すると精密な光学装置
であるにも拘らず振動が生じる原因となり、また寸法も
大きなものとなり、さらにその可動部の寿命が問題とな
ることもある。

本発明は、上記事情に鑑み、機械的可動部を含まない
光走査装置を提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明の光走査装置は、 所定方向に複数の光源が並んだ光源アレイと、それぞ
れが前記各光源から発せられる光の照射を受け得るよう
に、前記所定方向と対応する方向に並んだ複数の電気シ
ャッタからなるシャッタアレイと、前記シャッタアレイ
を構成する各電気シャッタと対応して設けられた、前記
複数の光源から発せられた光被照射体上に所定径の光点
として結像させる複数のレンズからなるレンズアレイ
と、前記光点により前記被照射体上を走査するように前
記複数の光源から光が発せられるタイミングおよび前記
複数の電気シャッタの開閉のタイミングを制御する制御
回路とを備えことを特徴とするものである。

ここで上記「電気シャッタ」とは機械的可動的を有さ
ず、電気信号に基づいて開閉を制御することのできるシ
ャッタをいい、具体的には例えば液晶やPLZT等を用いて
光の透過率を切換えるシャッタ等をいう。

（作用） 本発明の光走査装置は、上記のように光源アレイと、
シャッタアレイと、レンズアレイと、制御回路とを備
え、シャッタアレイを構成する各電気シャッタが光源ア
レイを構成する各光源からそれぞれ発せられる光の照射
を受け、該制御回路により、光点が被照射体上を走査す
るように、複数の光源から光が発せられるタイミングお
よび複数の電気シャッタの開閉のタイミングを制御する
ようにしたため、機械的可動部のない光走査装置が実現
される。

また複数の光源から光が発せられるタイミングおよび
複数の電気シャッタの開閉のタイミングを制御する方法
によっては必要に応じて一本の走査線を複数に分けて並
列に走査することも可能となる。

（実 施 例） 以下本発明の実施例について説明する。

第１図は本発明の光走査装置の一実施例の概略構成図
である。

光源アレイ１を構成する各光源1a,1b,1c,…,1nから発
せられた光は、液晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mからなるシ
ャッタアレイ２に達し、これらの液晶シャッタ2a,2b,2
c,…,2mのうち光源1a,1b,1c,…,1nからの光を通過させ
るように制御されている（以下、「開制御されている」
と称する）液晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mを通過し、レン
ズアレイ３を構成する多数のレンズ3a,3b,3c,…,3mのう
ちの開制御されている液晶シャッタと対応するレンズに
より記録シート４上に所定径の光点として結像される。
各光源1a,1b,1c,…,1nの発光タイミングと各液晶シャッ
タ2a,2b,2c,…,2mの開閉のタイミングは制御回路５によ
り制御される。ここで一例として光源1a,1b,1c,…,1nと
して10個の光源を用い、液晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mと
して100個の液晶シャッタを用いると、記録シート４上
を1000個の光点を走査することになる。

第２図は、第１図に示した光走査装置の、記録シート
４の近傍の一部を拡大して示した図である。

液晶シャッタ２のみを開制御し多数の光源1a,1b,1
c,…1nをこの順にパルス的に発光させると、光点が位置
1a′,1b′,1c′，…,1n′の順に移動し、これにより記
録シート４の一部が走査される。

第３図は、第１図に示す制御回路５により制御され
る、多数の源1a,1b,1c,…,1nの各発光タイミングおよび
多数の液晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mの各開閉タイミング
を表わしたタイムチャートの一例である。尚、ここでは
簡単のため、第１図に示した多数の光源1a,1b,1c,…,1n
の発光タイミングを表わす各タイムチャート、多数の液
晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mの開閉タイミングを表わす各
タイムチャートに、第１図に示す各光源および各液晶シ
ャッタに付した記号と同一の記号を付してある。

このタイムチャートに従って制御を行なうと、先ず液
晶シャッタ2aが開制御された状態で光源1a,1b,1c,…,1n
が順次パルス的に発光され、光源1a,1b,1c,…,1nの発光
が一巡すると次に液晶シャッチ2bが開制御されて多数の
光源1a,1b,1c,…,1nが順次パルス的に発光され、以下同
様にして制御されて記録シート４が一端から他端に向け
て光点により順次走査される。

第４図は、多数の光源1a,1b,1c,…,1nの各発光タイミ
ングおよび多数の液晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mの各開閉
タイミングを表わしたタイムチャートの他の例を示した
図である。

このタイムチャートに従って制御を行なうと、先ず光
源1aと各液晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mの組合せにより定
まる光点のみが記録シート４上で飛び飛びに走査され、
次に光源1bと各液晶シャッタ2a,2b,2c,…,2mの組合せに
より定まる光点が飛び飛びに走査され、徐々に間に補完
して最終的に記録シート４の一列分全体の走査が行なわ
れる。

また、ここに例示したタイムチャートのほか、本発明
の光走査装置を例えば画像記録装置に用いた場合等に、
光源1a,1b,1c,…,1nの発光のパルス幅や単位時間あたり
の発光光量を制御し、及び／又は液晶シャッタ2a,2b,2
c,…,2mの透過率を制御して例えば複数の光源を同時に
発光させる（光量制御を含む）ことや複数の液晶シャッ
タを同時に開制御する（透過率制御を含む）ことにより
一本の走査線内で並列処理を行ない、これによりより高
速な走査を行なうこともできる。

第５図は、本発明の光走査装置の一実施例が用いられ
た画像読取装置を構成するカセッテの一例の外観斜視
図、第６図はその断面図である。

ここでは前述した蓄積性蛍光体シートに蓄積記録され
たＸ線画像を読み取って画像信号を得る画像読取装置の
例について説明する。

このカセッテ10は、太陽光等の外光は遮蔽するととも
にＸ線は透過する例えばアルミニウム製の外壁11を備え
ており、その内部に蓄積性蛍光体シート12が内蔵され
る。このカセッテはその一端側にヒンジ13を中心に開閉
することのできる蓋14が備えられており、該蓋14にはレ
ンズアレイ15、液晶シャッタアレイ16、および液晶シャ
ッタアレイ16を構成する各液晶シャッタの開閉を制御す
るための信号を入力するコネクタ17が備えられている。

図示しないＸ線撮影装置において被写体にＸ線が照射
され、該被写体を透過したＸ線がこのカセッテ10の外壁
を透過して蓄積性蛍光体シート12に照射され、これによ
り該蓄積性蛍光体シート12に上記被写体のＸ線画像が蓄
積記録され、このＸ線画像が蓄積記録された蓄積性蛍光
体シート12がカセッテ10に収納された状態で画像読取装
置にセットされる。

第７図は、上記カセッテ10がセットされた画像読取装
置の概略構成図である。

カセッテ10が画像読取装置20にセットされると図に示
すようにその蓋14が略直角に開けられた状態となる。こ
の状態で搬送手段21が作動してカセッテ10内から蓄積性
蛍光体シート12が引き出される。この引き出し（副走
査）を行ないながら光源アレイ22に内蔵された多数の光
源が順次パルス的に点灯され、またこれとともに液晶シ
ャッタアレイ16を構成する各液晶シャッタの開閉の制御
が行なわれ、上記副走査とともにシート12上が二次元的
に走査される。シート12の、光点が照射された箇所から
は、蓄積記録されているＸ線画像情報に応じた光量の輝
尽発光光が発せられ、光電変換器23によって光電的に読
み取られ、シート12に蓄積記録されていたＸ線画像を担
持する画像信号が得られる。またシート12の搬送の下流
側にはシート12に残存しているエネルギーを消去するた
めの消去用光源24が備られており、読み取りの後直ちに
残存エネルギーの消去が行なわれ、これによりシート12
が再使用可能な状態となる。シート12全面に亘って読取
り、消去が行われると、シート12は再度カセッテ10に収
納される。

上記例は蓄積性蛍光体シートに蓄積記録されたＸ線画
像を読み取る画像読取装置であるが、本発明の光走査装
置は、もっと一般的な画像読取装置にも適用できるもの
であることはいうまでもない。

また、本発明の光走査装置は画像読取装置だけでなく
画像記録装置にも適用することができる。

（発明の効果） 以上詳細に説明したように、本発明の光走査装置は、
複数の光源からなる光源アレイと、複数の電気シャッタ
からなるシャッタアレイと該複数の電気シャッタと対応
して設けられた複数のレンズからなるレンズアレイと、
上記複数の光源の発光タイミングと上記複数の電気シャ
ッタの開閉タイミングを制御する制御回路とを備えたた
め、機械的可動部がなく、したがって小型化されまた機
械的振動がなく、さらに寿命も大幅に伸びた光走査装置
を構成することができる。

またその目的に応じて一本の走査線内で並列に走査す
ることもでき、したがってより高速な走査を行なうこと
も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の光走査装置の一実施例の概略構成
図、 第２図は、第１図に示した光走査装置の、記録シート近
傍の一部を拡大して示した図、 第３図は、第１図に示す多数の光源の各発光タイミング
および多数の液晶シャッタの各開閉タイミングを表わし
たタイムチャートの一例を示した図、 第４図は、タイムチャートの他の例を示した図、 第５図は、本発明の光走査装置の一実施例が用いられた
画像読取装置を構成するカセッテの一例の外観斜視図、 第６図は、第５図に示したカセッテの断面図、 第７図は、第５図，第６図に示したカセッテがセットさ
れた画像読取装置の概略構成図である。 １……光源アレイ 1a,1b,1c,…,1n……光源 ２……シャッタアレイ 2a,2b,2c,…,2m……液晶シャッタ ３……レンズアレイ 3a,3b,3c,…,3m……レンズ ４……記録シート、５……制御回路 10……カセッテ、12……蓄積性蛍光体シート 15……レンズアレイ、16……シャッタアレイ 20……画像読取装置、22……光源アレイ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定方向に複数の光源が並んだ光源アレイ
   と、それぞれが前記各光源から発せられる光の照射を受
   け得るように、前記所定方向と対応する方向に並んだ複
   数の電気シャッタからなるシャッタアレイと、前記シャ
   ッタアレイを構成する各電気シャッタと対応して設けら
   れた、前記複数の光源から発せられた光被照射体上に所
   定系の光点として結像させる複数のレンズからなるレン
   ズアレイと、前記光点により前記被照射体上を走査する
   ように前記複数の光源から光が発せられるタイミングお
   よび前記複数の電気シャッタの開閉のタイミングを制御
   する制御回路とを備えことを特徴とする光走査装置。