JP2666244B2 - ポリエーテルアミドシリコン重合体の製造法 - Google Patents

ポリエーテルアミドシリコン重合体の製造法

Info

Publication number
JP2666244B2
JP2666244B2 JP4003785A JP4003785A JP2666244B2 JP 2666244 B2 JP2666244 B2 JP 2666244B2 JP 4003785 A JP4003785 A JP 4003785A JP 4003785 A JP4003785 A JP 4003785A JP 2666244 B2 JP2666244 B2 JP 2666244B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bis
aminophenoxy
phenyl
polymer
propane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4003785A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61200124A (ja
Inventor
寛 南沢
利明 福島
喬 森永
寿 高亀
敏英 山根
外代次 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP4003785A priority Critical patent/JP2666244B2/ja
Publication of JPS61200124A publication Critical patent/JPS61200124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2666244B2 publication Critical patent/JP2666244B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規なポリエーテルアミドシリコン重合体
製造法に関する。 従来の技術 特開昭54−21397号公報には、芳香族エーテルジアミ
ン及び芳香族ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体を縮
重合させることにより耐熱性及び成形加工法に優れた芳
香族ポリエーテルアミド重合体を製造する方法が開示さ
れている。 これらの芳香族ポリエーテルアミド重合体は、耐熱
性、可撓性及び透明性の優れた樹脂として、電気絶縁材
料等に用いられている。 発明が解決しようとする問題点 しかし、これらの芳香族ポリエーテルアミド重合体
は、基板との接着性が悪く、特にガラス基板等との接着
性は、はなはだ悪く、これらを改良するために、ある種
カップリング剤等が添加されて用いられるが、その利用
範囲は大きく制限されている。 本発明は、前記の問題点を解消し、特に耐熱接着剤、
耐摩耗性、耐熱性、可撓性及び透明性に優れており、電
気絶縁材料、各種成形材料、被覆材料、含浸材料等とし
て有用な樹脂及びその中間体を提供することを目的とし
てなされたものである。 問題点を解決するための手段及びその作用 本発明は、芳香族ジカルボン酸又はその反応性酸誘導
体と、一般式(I) 〔式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素、炭素原
子数1から4のアルキル基、炭素原子数1から4のアル
コキシ基又はハロゲンを表し、R5及びR6はそれぞれ独立
に水素、炭素原子数1から4のアルキル基、トリフルオ
ロメチル基又はトリクロロメチル基を表す〕で表される
芳香族ジアミン及びジアミノシロキサンを重縮合させる
ことを特徴とするポリエーテルアミドシリコン重合体の
製造法に関する。 本発明において、ジアミンの総量に対して、芳香族ジ
カルボン酸又はその反応性酸誘導体を90〜130モル%使
用するのが好ましく、特に、約100モル%使用するのが
好ましい。 上記ジアミンとしては、上記芳香族ジアミン及びジア
ノシロキサン以外に、必要に応じて他のジアミンを更に
使用することができる。 前記の一般式(I)で表されるエーテル結合を有する
芳香族ジアミンとしては、2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−
メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、2,2−ビス〔3−クロロ−4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブロモ
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−プロピル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3−イソプロピル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3−sec−ブチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メトキシ−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3−エトキシ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3,5−ジクロロ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3,5−ジメトキシ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−クロロ−4
−(4−アミノフェノキシ)−5−メチルフェニル〕プ
ロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−メチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3
−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−エチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1
−ビス〔3−プロピル−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−イソプロピル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−
ビス〔3−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、1,1−ビス〔3−sec−ブチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス
〔3−メトキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エタン、1,1−ビス〔3−エトキシ−4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3,5−
ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン、1,1−ビス〔3,5−ジクロロ−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3,5−ジブロ
モ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、
1,1−ビス〔3,5−ジメトキシ−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−メチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3
−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン、ビス〔3−ブロモ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−プロ
ピル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタ
ン、ビス〔3−イソプロピル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−ブチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−se
c−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン、ビス〔3−メトキシ−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エトキシ−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,
5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕メタン、ビス〔3,5−ジクロロ−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジブロモ
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビ
ス〔3,5−ジメトキシ−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕メタン、ビス〔3−クロロ−4−(4−アミ
ノフェノキシ)−5−メチルフェニル〕メタン1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
クロロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン、3,3−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,
3,3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3
−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔3,5−ジメチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジブロ
モ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔3,5−ジ
ブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、3,3−ビス〔3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔3,5−ジブ
ロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3,5−
ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブ
タン、2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン等がある。これらのうち
では、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパンが代表的である。必要に応じて、上記の
ジアミンの混合物を用いることもできる。 一般式(I)で表される化合物は、ジアミンの総量に
対して好ましくは15〜99.9モル%、特に好ましくは70〜
99.9モル%使用される。この化合物の使用量が少なすぎ
ると、耐熱性が低下のする傾向がある。 本発明において、用いられるジアミノシロキサンは、
例えば一般式(II): 〔式中R7は二価の炭化水素基を表し、R8は一価の炭化水
素基を表し、mは1以上の整数である〕で表される化合
物である。R7は、好ましくは炭素原子数1〜5のアルキ
レン基、フェニレン基、アルキル置換フェニレン基であ
り、R8は好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基若し
くはアルコキシ基、フェニル基又はアルキル置換フェニ
ル基である。一般式(II)中、mは100以下が好まし
い。mが大きすぎると、得られる重合体中のアミド結合
が低下し、耐熱性が低下しやすくなる。 例えば、 等の化合物が挙げられる。ただし、上記式中m′は1〜
100の範囲の数である。ジアミノシロキサンのうち上記
式(a)中、m′が1のもの、平均20のもの及び平均50
のものは、各々、LP−7100、X−22−161A及びX−22−
161C(いずれも信越化学工業(株)商品名)として市販
されている。これらのジアミノシロキサンを1種又は2
種以上用いることができる。 ジアミノシロキサンは、例えば米国特許第3185719号
明細書に示される方法によって合成される。ジアミノシ
ロキサンは、ジアミンの総量に対して0.1〜30モル%と
して用いられる。30モル%を越えて用いると、分子量の
低下及び耐熱性の低下の原因となり、好ましくない。ま
た、0.1モル%未満では、接着性等の特性が向上しな
い。傾向がある。 接着性、耐熱性、透明性、生成化合物の分子量の点か
らジアミノシロキサンを、ジアミンの総量に対して0.2
〜15モル%使用するのが好ましい。 更に、他のジアミンとしては、上記一般式(I)で表
される化合物以外の既知の芳香族ジアミン、例えば4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジ(4−アミノ
フェノキシ)フェニルスルホン、パラフェニレンジアミ
ン、4,4′−ジ(3−アミノフェノキシ)フェニルスル
ホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン等があり、
その他、脂肪族ジアミンがある。 他のジアミンは、ジアハンの総量に対して、0〜75モ
ル%使用される。このジアミンが多すぎると、本発明に
より得られる芳香族ポリエーテルアミドシリコン重合体
の特徴が発揮されない。好ましくは、他のジアミンは、
0〜30モル%使用される。特に、脂肪族ジアミンはジア
ミンの総量に対して0〜30モル%にするのが好ましい。
脂肪族ジアミンが多すぎると、耐熱性が低下する。 これらのジアミンは、総量が100モル%になるように
使用される。 また、ジアミン成分の一部をビスフェノールA等のビ
スフェノールで0〜30モル%置換することができる。ビ
スフェノールの使用は、密着性改善のために好ましい。 本発明における芳香族ジカルボン酸としては、例えば
テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸−4,4′、ジフェニルスルホンジカルボン酸−
4,4′、ジフェニルジカルボン酸−4,4′、及びナフタレ
ンジカルボン酸酸−1,5等を挙げることができるが、テ
レフタル酸及びイソフタル酸が一般に製造されているの
で好適に使用することができる。特に、テレフタル酸と
イソフタル酸との混合物は、生成する重合体の溶解性の
点から望ましい。なお、本発明における芳香族ジカルボ
ン酸の反応性誘導体とは、前記芳香族ジカルボン酸のジ
クロライド・ジブロマイド・ジエステル等を意味する。 本発明において、テレフタル酸とイソフタル酸との混
合物を使用する場合には、ベンゼン核のメタ位にカルボ
キシル基を有するイソフタル酸とベンゼン核のパラ位に
カルボキシル基を有するテレフタル酸の配合割合は、前
者20〜80%に対して、後者80〜20%の範囲内とすること
が、特に溶解性の点で望ましい。 本発明において、反応方法は、既に公知のアミンと酸
又はその反応性誘導体の反応に用いられる方法を採用で
き、諸条件についても、特に限定されるものではない。
例えば、界面重縮合法、溶液重合法、溶液重合法等によ
って達成することができる。界面縮合反応に際しては、
後述の公知の水溶性中和剤が用いられる。また、溶液重
合法の場合には、トリエチルアミン、ピリジン、トリブ
チルアミン、ピリジン等の公知の第三級アミンからなる
中和剤が使用される。界面重縮合法及び溶液重合法にお
いては、反応溶媒が用いられるが、この溶媒としてはジ
アミン又は芳香族ジカルボン酸又はその反応性誘導体の
うち、少なくともいずれか一方をなるべくは両方を溶解
しうるものでなければならない。本発明において使用す
る特に有効な反応溶媒の代表例としては、シクロヘキサ
ノンがある。その他に使用しうる溶媒を幾つか例示する
と、塩化メチレン、トリクレン、パークレン、二塩化エ
タン、ニトロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、ジ
イソブチルケトン、アセトフェノン、p−メチルアセト
フェノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメ
チレンスルホン等が挙げられる。反応溶媒は、溶解操作
を容易にする等、必要に応じて2種以上混合して使用す
ることもできる。また、可及的に高分子量のものを得た
い場合には、芳香族ジカルボン酸又はその反応性酸誘導
体を溶解する溶媒により高度に脱水したものを用いると
よい。特に、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性
溶媒を用いて溶液重縮合する場合、助溶剤として、5〜
10重量%の塩化リチウム、塩化カルシウム、ロダンカル
シウム等を加えて合成すると、著しく溶解性が増し、好
都合である。助溶剤としては、これ以外にも後述のよう
な他の公知の助溶剤のすべてが有効である。 また、次のような方法によって反応させることもでき
る。 即ち、通常の界面重縮合法のように、アルカリ水溶液
にジアミンを溶解する方法とは異なり、ジアミンをアル
カリ水溶液に分散させ、これに芳香族ジカルボン酸ジハ
ライドを有機溶媒に溶かした溶液を加えて反応させる方
法である。この方法で重合させることにより、生成した
ハロゲン化水素は中和剤で中和され、水とハロゲン化金
属となり、水に溶解し、有機相からポリマーを沈澱させ
た場合、ポリマーに塩酸や中和剤が残存しないため、ポ
リマーの諸特性に好ましい結果を与えるものである。こ
の場合、アルカリの使用量は、芳香族ジカルボン酸ジハ
ライドと当量以上、1.3当量以下であり、好ましくは1.0
〜1.1等量である。ここで、使用される中和剤として
は、水に溶解する水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が例示される
が、これに限定されるものではない。また、水の量は上
記の中和剤が室温で充分に溶解する程度であれば充分で
ある。勿論それ以上使用しても、反応にはさしつかえな
い。また、反応温度は水が液体である状態、即ち、0〜
100℃、好ましくは5〜60℃の範囲である。 上記重縮合方法は、例えば、次のような手順によって
遂行することができる。まず、中和剤を適当量の水に溶
解し、これにジアミンを加える。更に、有機溶剤に芳香
族ジカルボン酸ハライドを溶かした溶液を加え、反応さ
せる。この際、好ましくは、撹拌してジアミンをアルカ
リ水溶液に分散させた状態で反応させるのがよい。次い
で、有機相のみを分離し、ポリマーを溶解しない、且つ
反応溶剤と相溶性の有機溶媒に投入し、ポリマーを沈澱
させる。これに濾取することにより、芳香族ポリエーテ
ルアミドシリコン樹脂を得る。本発明では、前述の各種
芳香族ジアミン及び脂肪族ジアミンを中和剤として作用
させることができる。この場合、1当量以下の割合(反
応に関与しない量)で増量すればよい。 本発明により得られる芳香族ポリエーテルアミドシリ
コン重合体は、ジメチルホルムアミド0.2重量%溶液に
おける30℃での還元粘度が0.5〜2.0dl/gであるのが好ま
しい。この還元粘度が小さすぎると、耐熱性、耐溶剤性
が低下し、大きすぎると、極性溶剤への溶解性が低下し
やすくなる。また、該重合体は、その成膜時には、例え
ば、極性溶媒に溶解させる。 極性溶媒としては、アセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロ
ベンゼン、グリコールカーボネート、シクロヘキサノン
等があり、これらは単独又は2種以上併用して使用され
る。極性溶媒は吸湿性でもよい。極性溶媒だけでは、成
膜時に白濁化しやすいので、吸湿性の小さい溶媒を使用
するのが好ましい。吸湿性の小さい溶媒としては、メチ
ルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテー
ト、ブチルセロソルブアセテート、キシレン、酢酸2−
エチルヘキシル、乳酸n−ブチル、アセトフェノン、2
−エチルヘキシルアルコール、エチルn−アミルケトン
等がある。このような溶媒は、吸湿性が小さければよ
く、特に制限はない。なお、この溶媒は、上記芳香族ポ
リエーテルアミドシリコン重合体を溶解しなくてもよ
い。 また、上記の芳香族ポリエーテルアミドシリコン重合
体は、耐熱性及び耐溶剤性に優れているため、このよう
な特性が要求される分野への応用に有利である。耐溶剤
性については、ガソリン、灯油、ベンゼン、トルエン、
脂肪族アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、各
種エステル系溶剤等の溶剤に対して不溶性である。 実施例 次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明
はこれらによりなんら限定されるものではない。 実施例1 1000mlのフラスコに撹拌棒、温度計及び滴下ロートを
セットし、水酸化ナトリウム17.2gを水80mlに溶解して
フラスコに入れる。次に、2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン63.5gと1,3−ビス
(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン2.0gをシ
クロヘキサノン340gに溶解し、上記フラスコ中に注入
し、−2℃まで冷却した。一方、テレフタル酸ジクロラ
イド18.2g及びイソフタル酸ジクロライド18.2gをシクロ
ヘキサノン240gに溶解し、この酸クロライド溶液を滴下
ロートからフラスコ中に注入し、この際反応温度が10℃
を越えないようにして3時間反応させた。 反応液をメタノール中に投入して重合体を単離させ
た。これを乾燥した後、再びジメチルホルムアミドに溶
解し、これをメタノール中に投入して芳香族ポリエーテ
ルアミドシリコン重合対を精製した。 この重合体の還元粘度(ηsp/c)(ジメチルホルムア
ミド0.2重量%溶液、30℃で測定、以下同様)は、1.0dl
/gであった。 この重合体5gをN−メチルピロリドンとブチルセロソ
ルブアセテートとの4:6混合物95gに溶解し、5重量%ワ
ニスを作製した。 こうして得た重合体ワニスの色相は、ガードナーNo.
で1であった。(色相はJIS K 5400−4−1−2に準拠
したものである。以下同様)。 実施例2 実施例1における1,3−ビス(アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン2.0gの代わりに1,3−ビス(アミ
ノプロピル)テトラフェニルジシロキサン4.0gを使用す
る以外は、実施例1と同様に操作し、還元粘度(ηsp/
c)1.3dl/gの重合体を得た。 この重合体を用いて実施例1と同様にして重合体ワニ
スを製造したところ、その色相はガードナーNo.で1で
あった。 実施例3 実施例1における1,3−ビス(アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン2.0gの代わりに1,3−ビス(アミ
ノプロピル)ヘキサメチルトリシロキサン2.6gを使用し
た以外は、実施例1と同様に操作し、還元粘度(ηsp/
c)1.2dl/gの重合体を得た。 この重合体を用いて実施例1と同様にして重合体ワニ
スを製造したところ、その色相はガードナーNo.で1で
あった。 実施例4 実施例1における1,3−ビス(アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン2.0gの代わりにジアミノシロキサ
ン(X−22−161C、平均分子量3880)13.5gを使用した
以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。この重合
体の還元粘度(ηsp/c)1.6dl/gの重合体であった。 この重合体を用いて実施例1と同様にして重合体ワニ
スを製造したところ、その色相はガードナーNo.で3で
あった。 比較例 実施例1における2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパンを73.9g使用し、1,3−ビス
(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンを省いた
以外は、実施例1と同様に操作し、還元粘度((ηsp/
c)1.4dl/gの芳香族ポリエーテルアミド重合体を得た。 この重合体を用いて実施例1と同様にして重合体ワニ
スを製造したところ、その色相はガードナーNo.で3で
あった。 試験例 ガラス板との接着性を下記の方法で評価した。即ち、
実施例及び比較例で得られたワニスを5cm角のガラス板
上にスピンナーで塗布(4000rpm、45秒)し、180℃で1
時間乾燥した後、該ガラス板をJISD 0202のごばん目試
験方法に準拠してセロハン粘着テープによるピールテス
トを行った結果を第1表に示す。 数値はサンプル個数n=10の平均値を示す。 発明の効果 以上の結果から明らかなとおり、本発明により得られ
るポリエーテルアミドシリコン重合体は、ガラス基板等
との密着性に非常に優れており、透明性、耐熱性、可撓
性においても優れていることにより半導体分野でのコー
ティング材料、あるいは液晶表示素子の配向制御膜等の
用途に有用である。
フロントページの続き (72)発明者 高亀 寿 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (72)発明者 山根 敏英 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (72)発明者 大島 外代次 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (56)参考文献 特開 昭61−200176(JP,A) 特開 昭56−88427(JP,A) 特開 昭53−104696(JP,A) 特開 昭53−104697(JP,A) 特開 昭61−161744(JP,A) 特開 昭60−246658(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.芳香族ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体と一般
    式(I) 〔式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素、炭素原
    子数1から4のアルキル基、炭素原子数1から4のアル
    コキシ基又はハロゲンを表し、R5及びR6はそれぞれ独立
    に水素、炭素原子数1から4のアルキル基、トリフルオ
    ロメチル基又はトリクロロメチル基を表す〕で表される
    芳香族ジアミン及びジアミノシロキサンを重縮合させる
    ことを特徴とするポリエーテルアミドシリコン重合体の
    製造法。 2.ジアミノシロキサンが一般式(II): 〔式中R7は二価の炭化水素基を表し、R8は一価の炭化水
    素を表し、mは1以上の整数を表す〕で表されるもので
    ある特許請求の範囲第1項記載の重合体の製造法。 3.ジアミノシロキサンを芳香族ジアミンとジアミノシ
    ロキサンの総量に対して0.1〜30モル%反応させる特許
    請求の範囲第1項記載の重合体の製造法。
JP4003785A 1985-02-28 1985-02-28 ポリエーテルアミドシリコン重合体の製造法 Expired - Lifetime JP2666244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4003785A JP2666244B2 (ja) 1985-02-28 1985-02-28 ポリエーテルアミドシリコン重合体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4003785A JP2666244B2 (ja) 1985-02-28 1985-02-28 ポリエーテルアミドシリコン重合体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61200124A JPS61200124A (ja) 1986-09-04
JP2666244B2 true JP2666244B2 (ja) 1997-10-22

Family

ID=12569708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4003785A Expired - Lifetime JP2666244B2 (ja) 1985-02-28 1985-02-28 ポリエーテルアミドシリコン重合体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2666244B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011079944A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Dow Corning Toray Co Ltd アラミドシリコーンポリマーの製造方法
JP5646153B2 (ja) * 2009-10-06 2014-12-24 東レ・ダウコーニング株式会社 ポリアミドシリコーンコポリマーの製造方法
CN103420878B (zh) * 2013-07-16 2014-12-17 常州大学 含多三氟甲基结构的芳香二胺单体及其制备方法
CN116554466B (zh) * 2023-06-12 2023-11-21 广州硅碳新材料有限公司 一种有机硅改性聚酰胺及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61200124A (ja) 1986-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07324133A (ja) シリケート基含有ポリイミド
JP2001114893A (ja) ポリベンゾオキサゾール樹脂およびその前駆体
TWI306867B (en) Flame-retardant epoxy resin and its cured product
JPH03200838A (ja) 新規ポリアミド‐ポリイミド及びポリベンゾキサゾール‐ポリイミド重合体
JP2001163975A (ja) ポリベンゾオキサゾール樹脂及びその前駆体
JP2666244B2 (ja) ポリエーテルアミドシリコン重合体の製造法
JP2006001968A (ja) トリプチセン骨格を有するポリアミド酸、ポリイミド樹脂及びこれを用いた光学部品
JP4767931B2 (ja) 難燃性ポリイミドシリコーン樹脂組成物
JP2003105085A (ja) 有機絶縁膜用材料及び有機絶縁膜
JP3030079B2 (ja) ポリイミド樹脂及びその製造方法
JPH036228A (ja) ジオキシジフタル酸無水物をベースとするポリイミド及びコポリイミド
JP6724992B2 (ja) ポリイミド系ブロック共重合体及びこれを含むポリイミド系フィルム
JP2006206879A (ja) 含フッ素ジアミンおよびそれを用いた重合体
JPH07268098A (ja) ポリイミド樹脂及び耐熱接着剤
US4791157A (en) Polyetheramide-imide polymer composition
JP2005097365A (ja) 低線熱膨張係数を有するポリベンゾオキサゾール及びその製造方法
JPH08218034A (ja) ポリイミド系耐熱性コーティング剤組成物
JP2629361B2 (ja) ペースト組成物及びこれを用いた半導体装置
JP2666245B2 (ja) ポリエーテルアミドシリコン重合体ワニス
JPS60115629A (ja) 芳香族ポリエ−テルアミドイミド重合体の製造法
JP3487128B2 (ja) ポリイミド樹脂
JP4378805B2 (ja) ポリベンゾオキサゾール樹脂及びその前駆体
JPS59204619A (ja) 芳香族ポリアミツク酸溶液組成物
JP2002275264A (ja) ポリヒドロキシアミドおよびポリベンゾオキサゾール
JPH0532894A (ja) 透明な芳香族ポリイミドの溶液組成物

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term