JP2666245B2 - ポリエーテルアミドシリコン重合体ワニス - Google Patents

ポリエーテルアミドシリコン重合体ワニス

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JP2666245B2 JP4003885A JP4003885A JP2666245B2 JP 2666245 B2 JP2666245 B2 JP 2666245B2 JP 4003885 A JP4003885 A JP 4003885A JP 4003885 A JP4003885 A JP 4003885A JP 2666245 B2 JP2666245 B2 JP 2666245B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ポリエーテルアミドシリコン重合体ワニス
に関する。 従来の技術 従来、電気絶縁材料、高温用塗料、フィルム等の分野
において、耐熱性、耐溶剤性が要求される場合、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性ワニスが専ら用い
られていたが、成膜するには、硬化反応を行うため高温
に加熱するか、長時間を必要とする等の欠点があった。 また、耐溶剤性、耐熱性が要求され、且つ基材を高温
に加熱することができない場合は、従来の熱硬化型ワニ
スの使用がほとんど不可能であり、現在のところ、使用
し得るワニスはほとんどない。これらの例として各種電
子部品を搭載した回路の絶縁、有機溶剤に接する部分で
のプラスチック容器のコーティング、プラスチックフィ
ルムを基板とした液晶表示素子の配向制御膜、及びその
基板等が挙げられる。 以下プラスチックフィルムを基板とした液晶表示素子
(以下プラスチック液晶素子と略す)を例にして、詳細
な説明を行う。液晶素子分野では、従来のガラス基板に
代わってプラスチックフィルム又はシートを基板とする
プラスチック液晶素子の開発が重要視されている。 液晶素子の概略を述べると、平行に配置された二枚の
透明基板〔ガラス又はポリエチレンテレフタレート(以
下PETという)〕と、この二枚の基板に対向する面上に
透明導電膜と、この導電膜上に、液晶の配向を制御する
配向制御膜があり、配向制御膜に挟持された形で液晶が
封入されている。 上記液晶素子の配向制御膜は、液晶と常時接している
ため特に耐液晶性が要求される。従来、ガラス基板の場
合には、二酸化ケイ素等の無機化合物からなる薄膜を斜
方蒸着する方法及びポリイミド系の熱硬化型樹脂のワニ
スを塗布して形成した薄膜(500〜2000Å)が用いられ
ている。 発明が解決しようとする問題点 しかし、上記方法は、いずれも成膜の際、高温処理を
必要とする。ガラス基板の場合には特に問題ないが、プ
ラスチック基板の場合には、基板が上記処理温度に耐え
ることができず、変形するため従来の方法は採用不能で
ある。 一方、液晶素子の基板については、前記のように、耐
熱性と体液晶性の点からPETフィルムが主流となってい
る。ころろが、PETフィルムは熱溶融し、2軸延伸によ
って作られるため、分子が延伸方向に配列しているた
め、偏光板を介して用いる液晶素子では光学的な難点が
あるる。この難点を解決するには、樹脂ワニスから無延
伸で基板を形成する必要がある。しかし、一般のワニス
化し得るポリスチレン、ポリアクリル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン等の樹脂は、
無延伸の基板を形成し得るが、液晶に溶解するため、液
晶素子用の基板となし得ない。また、ナイロン、ポリプ
ロピレン等の耐液晶性の良好な樹脂は、溶媒がなく、無
延伸の基板を形成し得ない。 次に、電気絶縁分野についてみると、トランジスタ及
IC等を搭載した電子回路を湿気や溶剤類から保護するた
め、回路全体をコーティングすることが最近広く行われ
ている。単に、湿気から絶縁性を保護するには、ウレタ
ン系、アクリル系の樹脂でコーティングすれば充分であ
る。しかし、溶剤から保護するためには、上記材料では
溶剤に溶解し、目的とする役割を果たすことが不可能で
ある。耐溶剤性の点から考えると、熱硬化型の樹脂を用
いる方法がある。しかし、電子回路板においては、樹脂
の硬化に必要な温度に耐えることができない部分もあ
り、不適当である。 このような問題点を解決するものとして、特定のポリ
エーテルアミドシリコン重合体が好ましい材料として期
待されるが、成膜時に白濁化するという大きな欠点を有
する。 本発明は、前記のような問題点を解決し、成膜時に白
濁化せず、成膜後に耐熱性及び耐溶剤性が優れ、しかも
基材への接着性の優れたワニスを提供することを目的と
してなされたものである。 問題点を解決するための手段及びその作用 本発明は、一般式(I): 〔式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素、炭素原
子数1から4のアルキル基、炭素原子数1から4のアル
コキシ基又はハロゲンを表し、R5及びR6はそれぞれ独立
に水素、炭素原子数1から4のアルキル基、トリフルオ
ロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、Arはp−フ
ェニレン基、m−フェニレン基、ジフェニレン基、ナフ
チレン基又は (式中Yは−O−、−SO2−、 −S−、 又は−CH2−を表す)を表す〕及び一般式(II): 〔式中R7は二価の炭素水素基を表し、R8は一価の炭化水
素基を表し、mは1以上の整数を表し、Arは前記のもの
を表す〕で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリエ
ーテルアミドシリコン重合体を極性溶媒と吸湿性の少な
い溶媒との混合物に溶解してなるポリエーテルアミドシ
リコン重合体ワニスに関する。 本発明における前記の一般式(I)及び(II)で表さ
れる繰り返し単位を有する芳香族ポリエーテルアミドシ
リコン重合体は、芳香族ジカルボン酸又はその反応性誘
導体と、一般式(III): 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、前記一般式
(I)におけるものと同じ意味を有する〕で表されるエ
ーテル結合を有する芳香族ジアミン及び一般式(IV):〔式中R7、R8及びmは前記一般式(II)におけるものと
同じ意味を有する〕で表されるジアミノシロキサン化合
物及び更に、必要に応じて他のジアミンとを、溶液重
合、溶融重合又は特開昭52−23198号公報に示された方
法等の既知の芳香族ポリアミドの製造方法を適用して縮
重合させて得ることができる。 上記ジアミンは、一般式(III)で表される化合物15
〜99.9モル%、上記一般式(IV)で表される化合物0.1
〜30モル%及び他のジアミン0〜75モル%で、全体が10
0%になるように配合するのが好ましい。ここで、他の
ジアミン成分が多すぎると、本発明の芳香族ポリエーテ
ルアミドシリコン重合体としての特徴が発揮されない。
他のジアミンは0〜30モル%使用されるのが特に好まし
い。また、一般式(III)の化合物と一般式(IV)の化
合物とを70/30〜99.9/0.1のモル比で配合するのが好ま
しく、特に、85/15〜99.8/0.2のモル比で配合するのが
好ましい。この比が小さすぎると、耐熱性が低下しやす
く、大きすぎると、接着性が低下しやすくなる。 また、上記のジアミンの合計量に対して、芳香族ジカ
ルボン酸又はその反応性酸誘導体を90〜130モル%使用
するのが好ましく、特に約100モル%使用するのが好ま
しい。 前記の一般式(III)で表されるエーテル結合を有す
る芳香族ジアミンとしては、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ〕フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3
−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、2,2−ビス〔3−クロロ−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブロ
モ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−プロピル
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−イソプロピル−4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブチル
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−sec−ブチル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メトキシ
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−エトキシ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3,5−ジクロロ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3,5−ジメトキシ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−クロロ−4
−(4−アミノフェノキシ)−5−メチルフェニル〕プ
ロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−メチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3
−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−エチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1
−ビス〔3−プロピル−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−イソプロピル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−
ビス〔3−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、1,1−ビス〔3−sec−ブチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス
〔3−メトキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エタン、1,1−ビス〔3−エトキシ−4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3,5−
ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン、1,1−ビス〔3,5−ジクロロ−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3,5−ジブロ
モ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、
1,1−ビス〔3,5−ジメトキシ−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−メチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3
−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン、ビス〔3−ブロモ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−プロ
ピル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタ
ン、ビス〔3−イソプロピル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−ブチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−se
c−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン、ビス〔3−メトキシ−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エトキシ−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,
5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕メタン、ビス〔3,5−ジクロロ−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジブロモ
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビ
ス〔3,5−ジメトキシ−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕メタン、ビス〔3−クロロ−4−(4−アミ
ノフェノキシ)−5−メチルフェニル〕メタン、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフロオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキ
サクロロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フエニル〕プロパン、3,3−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、11,1,
3,3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3
−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ペンタン1,1−ビス〔3,5−ジメチル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,−ビス〔3,5−ジブロモ−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,
1,1,3,3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔3,5−ジブロモ
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
3,3−ビス〔3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔3,5−ジブロモ−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブ
タン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,
2−ビス〔3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
−2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン等がある。これらのうちでは、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパンが代表的である。必要に応じて、上記のジアミ
ンの混合物を用いることもできる。 一般式(IV)で表される化合物は、式中のmが100以
下のものが好ましく、特に、50以下のものが好ましい。
mが大きすぎると、重合体中のアミド結合の割合が低下
し、耐溶剤性が低下しやすくなる。一般式(IV)で表さ
れる化合物の例としては、 等の化合物が挙げられる。ただし、上記式中m′は1〜
100の範囲の数である。また、ジアミノシロキサンのう
ち、上記式(a)中、m′が1のもの、平均20のもの及
び平均50のものは、各々、LP−7100、X−22−161A及び
X−22−161C(いずれも信越化学工業(株)商品名)と
して市販されている。これらのジアミノシロキサンを1
種又は2種以上用いることができる。 一般式(IV)で表される化合物を共重合させることに
より、基材との接着を改良することが期待できる。 更に、他のジアミンとしては、一般式(III)で表さ
れる以外の既知の芳香族ジアミン、例えば4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノフェニルメ
タン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、メタフェ
ニレンジアミン、4,4′−ジ(4−アミノフェノキシ)
フェニルスルホン、パラフェニレンジアミン、4,4′−
ジ(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、3,3′
−ジアミノジフェニルスルホン等であり、その他、脂肪
族ジアミンがある。脂肪族ジアミンは、ジアミンの全体
に対して0〜30モル%の範囲で使用されるのが好まし
い。また、ジアミン成分の一部をビスフェノールA等の
ビスフェノールで0〜30モル%置換することができる。
ビスフェノールの使用は密着性改良のため好ましい。 本発明における芳香族ジカルボン酸としては、例えば
テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸−4,4′、ジフェニルスルホンジカルボン酸−
4,4′、ジフェニルジカルボン酸−4,4′、及びナフタレ
ンジカルボン酸酸−1,5等を挙げることができるが、テ
レフタル酸及びイソフタル酸が一般に製造されているの
で好適に使用することができる。特に、テレフタル酸と
イソフタル酸との混合物は、生成する重合体の溶解性の
点から望ましい。なお、本発明における芳香族ジカルボ
ン酸の反応性誘導体とは、前記芳香族ジカルボン酸のジ
クロライド、ジブロマイド、ジエステル等を意味する。 本発明において、テレフタル酸とイソフタル酸との混
合物を使用する場合には、ベンゼン核のメタ位にカルボ
キシル基を有するイソフタル酸とベンゼン核のパラ位に
カルボキシル基を有するテレフタル酸の配合割合は、前
者20〜80%に対し、後者80〜20%の範囲内とすること
が、特に溶融性の点で望ましい。 本発明の芳香族ポリエーテルアミドシリコン重合体
は、ジメチルホルムアミド0.2重量%溶液における30℃
での還元粘度が0.5〜2.0dl/gであるのが好ましい。この
還元粘度が小さすぎると、耐溶剤性が低下し、大きすぎ
ると、極性溶剤への溶解性が低下しやすくなる。 本発明においては、上記芳香族ポリエーテルアミドシ
リコン重合体を、極性溶媒及び吸湿性の小さい溶媒の混
合物に溶解させる。 極性溶媒としては、アセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロ
ベンゼン、グリコールカーボネート、シクロヘキサノン
等があり、これらは単独又は二種以上併用して使用され
る。極性溶媒な吸湿性でもよい。吸湿性の小さい溶媒と
しては、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソル
ブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、キシレ
ン、酢酸2−エチルヘキシル、乳酸n−ブチル、アセト
フェノン、2−エチルヘキシルアルコール、エチルn−
アミルケトン等がある。このような溶媒は、吸湿性が小
さければよく、特に制限はない。なお、この溶媒は、上
記芳香族ポリエーテルアミドシリコン重合体を溶解しな
いものであってもよい。 本発明において、溶媒として、極性溶媒のみを使用し
た場合、成膜時に白濁化しやすい。即ち、上記芳香族ポ
リエーテルアミドシリコン重合体を上記極性溶媒に溶解
してなる溶液をガラス板に滴下し、スピンナーで塗布し
た後、湿度40%RHで放置し、膜の変化を調べた。その結
果シクロヘキサノン以外の上記溶媒の溶液は、いずれも
吸湿性が大きく白濁することが判った。一方、シクロヘ
キサノンの場合は、溶解力が小さく、1〜2%程度の濃
度の溶液しか得ることができない。 このような欠点は、溶媒として、極性溶媒に、更に吸
湿性の小さい溶媒を使用することによって解決される。
即ち、上記極性溶媒(以下、溶媒Aという)と吸湿性の
小さい溶媒(以下、溶媒Bという)の二種類の溶媒を適
切な混合比で用いることにより、白濁化のない成膜性の
良好なワニスを得ることができる。 即ち、ワニス塗布から乾燥終了までの間、溶解性と吸
湿性防止の両者を永続できる溶媒系を選定する必要があ
る。そのために、上記2種の溶媒の蒸発速度が溶媒Aと
Bで同等の場合は、混合量をほぼ同量とし、蒸発速度が
溶媒BよりAの方が大である場合は、混合量は溶媒Aを
多くすることになるが、溶媒Aが必要以上に多くなる
と、溶媒揮散過程で溶媒Aが過剰になり、最終的には溶
媒Aのみとなって、膜が白濁化する。一方、蒸発速度が
逆の場合は、混合量は溶媒Bを多くすることになるが、
溶媒Bが多すぎると、樹脂の溶解能が減少し、溶液中の
樹脂の析出が生じるか、又は不溶となる。以上の結果、
溶解を目的とする溶媒Aと、吸湿防止を目的とする溶媒
Bの混合比は、それぞれの組合せによって、通常、A/B
が重量比で1/9〜9/1の範囲内に適した混合比がある。 本発明のワニスは、基材に塗布した後、単に溶媒を揮
散させるだけで成膜されるため、フィルム化あるいは塗
膜の形成が低温で且つ短時間に行われる。 また、上記の芳香族ポリエーテルアミドシリコン重合
体は、耐熱性及び耐溶剤性に優れているため、このよう
な特性が要求される分野への応用に有利である。耐溶剤
性については、ガソリン、灯油、ベンゼン、トルエン、
脂肪族アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、各
種エステル系溶剤等の溶剤に対して不溶性である。 実施例 次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明
はこれらによりなんら限定されるものではない。なお、
成膜性の評価は、各混合溶媒の溶液を作製し、スピンナ
ーを用いてガラス基板に塗布し、膜の状況を目視又は顕
微鏡で調べることによって行った。 実施例1 1000mlのフラスコに撹拌棒、温度計及び滴下ロートを
セットし、水酸化ナトリウム17.2gを水80mlに溶解して
フラスコに入れる。次に、2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン63.5gと1,3−ビス
(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン2.0gをシ
クロヘキサノン340gに溶解し、上記フラスコ中に注入
し、−2℃まで冷却した。一方、テレフタル酸ジクロラ
イド18.2g及びイソフタル酸ジクロライド18.2gをシクロ
ヘキサノン240gに溶解し、この酸クロライド溶液を滴下
ロートからフラスコ中に注入し、この際反応温度が10℃
を越えないようにして3時間反応させた。 反応液をメタノール中に投入して重合体を単離させ
た。これを乾燥した後、再びメチルホルムアミドに溶解
し、これをメタノール中に投入して芳香族ポリエーテル
アミドシリコン重合体を精製した。 この重合体の還元粘度(ηsp/c)(ジメチルホルムア
ミド0.2重量%溶液、30℃で測定、以下同様)は、1.0dl
/gであった。 この重合体5gをN−メチルピロリドンとブチルセロソ
ルブアセテートとの4:6混合物95gに溶解し、5重量%ワ
ニスを作製した。 こうして得た重合体ワニスの色相は、ガードナーNo.
で1であった。色相は、JIS K 5400−4−1−2に準拠
したものである。(以下の実施例においても同様であ
る)。 この重合体ワニスをスピンナーで塗布(1000rpm、30
秒)し、25℃、72%RHデシケータ中に放置したところ、
2時間経過しても白濁しなかった。 実施例2 実施例1における1,3−ビス(アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン2.0gの代わりに1,3−ビス(アミ
ノプロピル)テトラフェニルジシロキサン4.0gを使用す
る以外は、実施例1と同様に操作し、還元粘度(ηsp/
c)1.3dl/gの重合体を得た。 この重合体を用いて実施例1と同様にしてワニスを製
造した。得られたワニスの色相はガードナーNo.で1で
あった。この重合体ワニスを実施例1と同様にして25
℃、72%RHデシケータ中で放置したが、2時間経過して
も白濁しなかった。 実施例3 実施例1における1,3−ビス(アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン2.0gの代わりに1,3−ビス(アミ
ノプロピル)ヘキサメチルトリシロキサン2.6gを使用し
た以外は、実施例1と同様に操作し、還元粘度(ηsp/
c)1.2dl/gの重合体を得た。 この重合体を用いて実施例1と同様にしてワニスを製
造した。得られたワニスの色相はガードナーNo.で1で
あった。この重合体ワニスを実施例1と同様にして25
℃、72%RHデシケータ中で放置したが、2時間経過して
も白濁しなかった。 実施例4 実施例1における1,3−ビス(アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサン2.0gの代わりにジアミノシロキサ
ン(X−22−161C、平均分子量3880)13.5gを使用した
以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。この重合
体の還元粘度(ηsp/c)1.6dl/gの重合体であった。 この重合体を用いて実施例1と同様にしてワニスを製
造した。得られたワニスの色相はガードナーNo.で3で
あった。この重合体ワニスを実施例1と同様にして25
℃、72%RHデシケータ中で放置したが、2時間経過して
も白濁しなかった。 比較例 実施例1における2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパンを73.9g使用し、1,3−ビス
(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンを省いた
以外は、実施例1と同様に操作し、還元粘度(ηsp/c)
1.4dl/gの芳香族ポリエーテルアミド重合体を得た。 この重合体を用いて実施例1と同様にして重合体ワニ
スを製造したところ、その色相はガードナーNo.で3で
あった。 試験例 ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接着性を下
記の方法で評価した。即ち、実施例及び比較例で得られ
たワニスをポリエチレンテレフタレートフィルムにスピ
ンナーで塗布(3500rpm、45秒)し、120℃で1時間乾燥
した後、該フィルムを繰り返し取り曲げ、ポリエチレン
テレフタレートフィルムからの剥離の状態を顕微鏡で観
察した。結果を第1表に示す。 次に、ガラス板との接着性を下記の方法で評価した。
即ち、実施例及び比較例で得られたワニスを5cm角のガ
ラス板上にスピンナーで塗布(4000rpm、45秒)し、180
℃で1時間乾燥した後、該ガラス板をJISD 0202のごは
ん目試験方法に準拠してセロハン粘着テープによるピー
ルテストを行った結果を第2表に示す。 発明の効果 以上の結果から明らかなとおり、特定の2種類の溶媒
を用い、通常の溶媒には溶解しない芳香族ポリエーテル
アミドシリコン重合体を溶解してなる本発明のワニス
は、成膜時に白濁化せず、また、液晶配向制御膜等の耐
溶剤性あるいは耐熱性を必要とする分野のコーティング
材料として有用である。また、フィルム形成又は成膜を
低温で且つ短時間に行うことができる。更に、得られる
塗膜は基材に対する接着性に優れ、透明性及び可塑性に
おいても優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高亀 寿 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (72)発明者 山根 敏英 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (72)発明者 大島 外代次 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (56)参考文献 特開 昭61−200124(JP,A) 特開 昭56−88427(JP,A) 特開 昭53−104696(JP,A) 特開 昭53−104697(JP,A) 特開 昭61−161744(JP,A) 特開 昭60−246658(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一般式(I): 〔式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素、炭素原
    子数1から4のアルキル基、炭素原子数1から4のアル
    コキシ基又はハロゲンを表し、R5及びR6はそれぞれ独立
    に水素、炭素原子数1から4のアルキル基、トリフルオ
    ロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、Arはp−フ
    ェニレン基、m−フェニレン基、ジフェニレン基、ナフ
    チレン基又は (式中Yは−O−、SO2−、 −S−、又は−CH2−を表す)を表す〕及び一般式(II): 〔式中R7は二価の炭化水素基を表し、R8は一価の炭化水
    素を表し、mは1以上の整数を表し、Arは前記のものを
    表す〕で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリエー
    テルアミドシリコン重合体を極性溶媒と吸湿性の少ない
    溶媒との混合物に溶解してなるポリエーテルアミドシリ
    コン重合体ワニス。 2.該極性溶媒がアセトアミド、N,N−ジメチルホルム
    アミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホ
    ルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル
    −2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロベン
    ゼン又はグリコールカーボネートのうちの1種以上であ
    る特許請求の範囲第1項記載のポリエーテルアミドシリ
    コン重合体ワニス。
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CN116554466B (zh) * 2023-06-12 2023-11-21 广州硅碳新材料有限公司 一种有机硅改性聚酰胺及其制备方法和应用

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