JP2665395B2 - α―6―デオキシテトラサイクリン類の製造法 - Google Patents

α―6―デオキシテトラサイクリン類の製造法

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JP2665395B2 JP2502437A JP50243790A JP2665395B2 JP 2665395 B2 JP2665395 B2 JP 2665395B2 JP 2502437 A JP2502437 A JP 2502437A JP 50243790 A JP50243790 A JP 50243790A JP 2665395 B2 JP2665395 B2 JP 2665395B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/12Preparation of carboxylic acid amides by reactions not involving the formation of carboxamide groups

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、α−6−デオキシテトラサイクリン類の
製造法、その方法への不均一系ロジウム触媒の使用、及
びさらに詳細には、抗生物質のドキシサイクリン、すな
わち、α−6−デオキシ−5−オキシテトラサイクリン
の有用な製造方法に関する。
発明の背景 ドキシサイクリン及び他のα−6−デオキシテトラサ
イクリン類の製造は、Blackwood等の米国特許第3,200,1
49号(1965年8月10日付与)に最初に記載されている。
その特許には、不均一系不活性金属触媒、例えばパラジ
ウム−炭素の存在下、対応するメチレン中間体、例えば
ドキシサイクリンの場合、11a−クロロ−6−デオキシ
−6−デメチル−6−メチレン−5−オキシテトラサイ
クリン(11a−クロロメタサイクリン)または6−デオ
キシ−6−デメチル−6−メチレン−5−オキシテトラ
サイクリン(メタサイクリン)を接触還元によって製造
することが記載されている。Blackwoodの特許には、約5
0%までの収率で、6−デオキシテトラサイクリン類の
等モル割合のジアステレオマー(エピマー)の製造が開
示されている。ドキシサイクリンの場合には、この特許
には、対応するβ−エピマー、すなわちβ−6−デオキ
シ−5−オキシテトラサイクリンも同時に生成すること
が開示されている。
次の努力は、6−デオキシテトラサイクリン類を高収
率で、かつ所望のα−エピマー類、例えばドキシサイク
リンをより立体選択的な生成をする合成の開発に向けら
れた。
すなわち、Korstの米国特許第3,444,198号(1969年、
5月13日付与)には、貴金属の水添触媒が不活性になる
時、α−エピマー生成の立体選択的生成が増加すること
が開示されている。Korstの特許には、6−デオキシテ
トラサイクリン類のエピマー混合物が、約60%までの全
収率で、そのうちエピマー生成混合物の約90%までの量
のαエピマーが立体選択的に生成されることが開示され
ている。
ドキシサイクリン及び他のα−6−デオキシ−5−オ
キシテトラサイクリン類の製造に均一な立体特異的な水
添触媒として塩化ロジウム/トリフェニルホスフィン及
び同様な錯化合物の使用も特許文献に大いに論じられて
いる。例えば、米国特許第3,907,890;同第3,961,331
号;同第4,001,321号;同第4,207,258号;同第4,550,09
6号;同第4,743,699号;及びフランス第2,216,268号参
照。
6−メチレンテトラサイクリン類用の他の貴金属また
は貴金属塩の不均一系水添触媒も特許文献に開示されて
いる。例えば、Faubl等の米国特許第3,962,131号には、
メタサイクリンの水素添加に不均一系触媒の使用が記載
されている。Faublの触媒は、50℃以上温度で、メタノ
ール中塩化ロジウムと酢酸ナトリウムを反応させ、その
反応系にトリフェニルホスフィンを反応させて製造され
る。Faubl触媒は、唯一の実施例において、98.8%の収
率で得られ、そのうちα−エピマー対β−エピマーの比
が少なくとも9:1でα−エピマーが立体選択的に得られ
ることが報告されている。
メタサイクリンの触媒還元には、ロジウム金属の触媒
量に、ホスフィン、好ましくはトリフェニルホスフィ
ン、及びプロモーター、例えば過剰の酸(メタサイクリ
ンと酸付加塩を生成するに必要な量より以上の量)を一
緒に用いることが、Morris,is,Jr.の米国特許3,954,862
号に開示されている。不均一系ロジウム金属触媒は、非
担体型または例えば、炭素、シリカ、アルミナまたは、
硫酸バリウムにより担持される担体型からなる。
メタサイクリンの不均一系水素添加の他の方法は、Pa
geの米国特許第4,597,904号に開示されている。Page
は、ロジウムがポリシロキサン担体、一般にはアミノポ
リシロキサンと結合したロジウム塩触媒を用いている。
メタサイクリンの水素添加は、3級ホスフィン、例え
ばトリフェニルホスフィンの存在下で行われる。Pageの
水素添加法は、立体特異的で、代表的なものとしてβ−
エピマーが0.2以下で生成することが報告されている。
しかしながら、ポリシロキサン材料は、例えば、90℃以
上の高温に対して鋭敏であることが知られており、ポリ
シロキサン担体の分解が、Pageのロジウム塩触媒の機能
性と再利用性を損なうであろう。
この発明は、ドキシサイクリン及び他のα−6−デオ
キシテトラサイクリン類の改良された製造法に関し、こ
の方法では、所望のα−エピマーが高収率で立体特異的
に製造され、水添触媒の貴金属成分は、これまでの必要
量より少ない割合で利用でき、再使用のために反応混合
物から容易に回収できる。この発明の他の目的及び利点
は、次の好ましい具体例の記載から明らかであろう。
発明の要約 この発明は、ロジウムが配位して、シリカゲル担体と
結合している不均一系ロジウム触媒の存在下、対応6−
メチルテトラサイクリン類の水素添加によるα−6−デ
オキシテトラサイクリン類の改良製造法からなる。
このタイプのシリカに担持されたロジウム錯化合物触
媒は、アルケンのハロゲン化反応で開示されている。Cz
akova等、J.Mol.Catal.II,313〜322(1981)。Hartley,
Supprted Metal Complexes,D.Reidel Publishing Co.,p
150以下参照(1985);Kochloefl等、J.C.S.Clem Comm.1
977,510〜11,Conan等、J.Mol.Catal,I.375〜382(197
6)。
適切な6−メチルテトラサイクリン基質を上記のタイ
プの不均一系ロジウム触媒の存在下で水素添加する時、
対応のα−6−デオキシテトラサイクリンは約95%以上
の収率で得られ、対応するβ−6−デオキシテトラサイ
クリンエピマーは無視できる程少量しか生成しなかっ
た。不均一系ロジウム触媒は、反応系から、例えば濾過
により、容易に回収され、次の水素添加反応において触
媒として十分に再利用され、所望しないβ−エピマーの
分離に一般的に必要な高価な精製法を省くことができ
る。
さらに、上記の不均一系ロジウム触媒は、メタサイク
リンを立体特異的に水素添加し、先行技術の不均一系触
媒システムに比してロジウム金属が著しく低濃度でドキ
シサイクリンのα−エピマーを生成するのに用いること
ができる。この発明によるドキシサイクリンの立体特異
的生成は、生成物の収率を犠牲にすることなく、ロジウ
ム金属の濃度が0.15mg/g11a−クロロメタサイクリンの
低濃度で行うことができる。実際に、十分に90%以上、
99.3%程度の高収率が、0.2mg/gメタサイクリン以下の
ロジウム金属濃度で達成される。
比較として、Pageの不均一系触媒用のロジウム金属メ
タサイクリン比の報告された最低値は、0.25mg/g(実施
例1)であり、収率は僅か87.4%であった。同様に、ロ
ジウム金属11−aクロロメタサイクリン比が0.19mg/g
(実施例6)の時、僅か89.9%の収率がPageの不均一系
触媒を用いて達成されている。また、ロジウム金属のよ
り高濃度についてはMorris,Jr.の不均一系触媒系(2.3
及び23mg/g)で報告されている。すなわち、α−6−デ
オキシテトラサイクリン類の選択的な生成に要するロジ
ウム金属量を著しく減少させることにより高収率が得ら
れ、付随的に費用の点でも有利である。先行技術の水素
添加触媒の基金属濃度、それらの各収率及び立体特異性
と、この発明の方法との比較を、次表に示す(先行技術
のデータは、Pageの米国特許第4,597,904号のTable Iか
ら引用)。
この発明の方法は、Pageの実施例4を除く先行技術の
方法に報告されているものに比し非常に高収率で、α−
エピマーを立体特異的に製造する。しかしながら、Page
の実施例4の場合には、ロジウム対メタサイクリン塩酸
塩の比は、この発明に用いる比の2倍以上であった。従
って、この発明は、α−6−デオキシテトラサイクリン
を製造する先行技術の方法より非常に効果的である。
この発明の好ましい具体例 この発明の水素添加法に有用な触媒は、シリカゲルに
ロジウム配位化合物と結合する配位子として機能し得る
1つ以上の基を有する化合物を反応させて製造するのが
好ましい。配位子の長さ及び移動度は、触媒中間体が相
互に作用する度合に影響を与え、それにより、水素添加
活性度を減少させると考えられる。適切な基を有する化
合物としては、次式: (EtO)3SiCH2PPh2 (EtO)3Si(CH22PPh2 (EtO)3Si(CH23PPh2 (EtO)3Si(CH24PPh2 (EtO)3Si(CH25PPh2 (EtO)3Si(CH26PPh2 (EtO)2MeSiCH2PPh2 (EtO)2MeSi(CH22PPh2 (EtO)2MeSi(CH23PPh2 (EtO)Me2SiCH2PPh2 (式中、Etはエチル及びPhはフェニル) で表されるアルコキシシリル−置換アルキルフェニルホ
スフィン類が挙げられる。また別に配位子は、例えばク
ロロメチルエーテルとジフェニルホスフィンリチウムと
を反応させて、シリカゲルによりその場で生成させても
よい。
触媒の製造に用いられるシリカゲルは、一般に粒子の
大きさが0.063〜0.2mmで、孔の直径が20〜100Åであ
り、例えばキーゼルゲル100(メルク社製)である。シ
リカゲルは、好ましくは粒子の大きさが0.063〜0.090mm
であり、孔のサイズが40〜60Åである。
シリカゲルは、通常アルコキシシリル−置換アルキル
ジフェニルホスフィンと反応させる前に、例えば180℃
の真空オーブン中で乾燥させる。シリカゲルとアルキル
ジフェニルホスフィンとの反応は、通常芳香系溶媒、例
えば、ベンゼン、キシレンまたはトルエン中、60〜115
℃で行われる。例えば乾燥したシリカゲルを不活性ガ
ス、例えば窒素ガスの気流中、2−ジフェニルホスフィ
ン−エチルトリエトキシシランと共に、芳香族系溶媒に
加えるとシリカゲルに適切な配位子を結合させることに
なる。反応混合物を通常約1〜6時間還流してシリカゲ
ルに配位子を結合させる。
ついで反応混合物を共沸蒸留して、配位子化合物のア
ルコキシシラン基とゲル担体の表面のヒドロキシル基と
の相互作用により生成するエタノールを留去する。蒸留
の条件は、業者に容易に明らかであるように、用いた溶
媒及び反応が大気圧または真空中のいずれで行われるか
に依存する。
一般的には蒸留物が除かれた後、新しく調製した溶媒
を反応混合物に加えて、不活性ガス、例えば窒素ガス気
流中、20〜30℃に冷却して反応系を撹拌する。ついで反
応混合物を濾過して回収したケーキを溶媒で洗浄する。
濾過ケーキは、複数の配位子を結合するシリカゲルから
なり、配位子の遊離している末端はロジウム錯化合物に
結合するのに適している。
濾過ケーキを、芳香族系溶媒中で再びスラリー化し、
それにロジウム錯化合物を加えた。例えば適切なロジウ
ム錯化合物といては、Rh2Cl4(C2H2、Rh2Cl2(シク
ロオクテン)、RhCl2(PPh3)、ウィルキンソンの触
媒〔Rh(PPh33Cl〕が挙げられる。
ロジウム錯化合物含有系を、不活性気体の気流下で軽
く還流、例えば12〜16時間還流すると、ロジウム錯化合
物は配位基の遊離末端で反応する。ついで反応混合物を
20〜40℃に冷却し、濾過してこの発明の不均一系ロジウ
ム触媒を得る。触媒は、一般に、ロジウム金属0.3〜0.6
%/g触媒である。
この発明によれば、不均一系ロジウム触媒は、公知の
いずれものα−6−デオキシテトラサイクリン類、好ま
しくは式: (式中、R及びR2は夫々水素原子または塩素原子及びR1
は水素原子またはヒドロキシル基) で表わされる化合物の製造法に用いられる。
上記化合物は、式: 4(式中、R,R1及びR2は上記の定義に同じ) で表される対応する6−メチテトラサイクリン化合物の
水素添加により製造される。
このように反応する6−メチレンテトラサイクリン類
は、当業者に公知の方法で製造され、例えば、Black wo
odの米国特許第2,984,986号(1961年5月16日付与)ま
たはVillaxの米国特許第3,848,491号(1974年11月19日
付与)に記載の方法。
接触還元は、好ましくは、メタサイクリン(Rが水素
原子、R1がヒドロキシル及びR2が水素原子)または11a
−クロロメタサイクリン(Rが水素原子、R1がヒドロキ
シル及びR2がクロロ)から、ドキシサイクリン(Rが水
素原子、R1がヒドロキシル)を製造するのに利用され
る。11a−クロロメタサイクリンが出発物質として用い
られる時、トリフェニルホスフィンの等量も一般適には
水素添加系に含有させる。
水素添加反応を当業者に公知の方法の1つで行うと、
所望のα−エピマーが立体特異的に94%以上の収率で得
られた。水素添加生成物の高速液体クロマトグラフ(HP
LC)分析では、β−エピマーの含有量が無視できる程度
の量を示す。水素添加は、反応させる6−メチレンテト
ラサイクリンのg当たり触媒の約0.05〜0.2gの存在下で
効果的であり、例えばドキシサイクリンの製造にはロジ
ウム金属対メタサイクリン比が0.15〜1.2mg/gを用い
る。メタサイクリンのドキシサイクリンへの還元に要す
るロジウム量は、先行技術の水素添加法に比して著しく
減少することができる。従って、この発明の触媒還元
は、所望のα−6−デオキシテトラサイクリン類をすぐ
れた比率及び純度で、操作上実質的に改善された効率で
提供する。
反応は低級アルカノール系溶媒中で適切に行われる。
好ましくはメタノールまたはエタノールが用いられる。
溶媒は、一般には、使用前に窒素ガスでガス抜きされ
る。
反応時間は、水素添加に用いられる触媒の量及びオー
トクレーブの型に依存する。通常、高収率及び高純度を
得るために、反応時間は約6〜12時間がとられる。反応
は限定されないが、約60〜130psigの圧力下、約90〜100
℃の温度で行うのが好ましい。約85℃以下の低温では、
反応は遅過ぎて不適当であり、高温では分解が起こる。
水素添加の前に、反応混合物にトリフェニルホフフィ
ンの少量、例えば6−メチレンテトラサイクリン基質の
g当たり約4〜8mgの添加は、水素ガスの吸収速度を促
進し、反応の完結を容易にする。所定の触媒に対するト
リフェニルホスフィンの最適量は、実験的に決められ
る。少量の例えば塩酸などの酸を加えても水素添加反応
を促進することができる。
ドキシサイクリンまたは他のα−エピマーは、一般的
に、反応混合物から酸付加塩として、例えば、p−トル
エンスルホネート、スルホサチリル酸塩または塩酸塩の
形で結晶化する。
その純度は、HPLC分析で99.5%以上である。その後ド
キシサイクリン酸付加塩は当業者に公知の方法により直
接ドキシサイクリンハイクレート(hyclate)(1/2エタ
ノレート・1/2水和物)に化学量論的収率で変換され
る。
接触還元は、11a−ハロ−6−デオキシ−6−デメチ
ル−6−メチレンテトラサイクリン、例えば11a−クロ
ロサイクリンの還元的脱ハロゲン化と、6−メチレン基
の還元の両方を1工程で行うのに用いられる。対応する
α−6デオキシテトラサイクリン、例えばトキシサイク
リンが、改良された収率及び純度、及び低いロジウム消
費量で直接生成される。
好ましい具体例では、6−デオキシ−6−デメチル−
6−メチルテトラサイクリン、好ましくはその塩酸付加
塩、トリフェニルホスフィン、塩酸及びこの発明の不均
一系ロジウム触媒を含有するメタノール性混合物が、ス
テンレス鋼製オートクレーブ中で撹拌に付し、約100pis
gの水素圧で約90℃で水素添加される。反応混合物を約6
0℃に冷却し、減圧で吸引濾過して触媒を回収する。濾
液にp−トルエンスルホン酸を加え、50〜60℃で1時間
撹拌する。その後、この反応系を少なくとも2時間5℃
に冷却する。すなわち、得られたα−6−デオキシ−5
−オキシテトラサイクリン p−トルエンスルホネート
を濾過し、メタノールで、ついでアセトンで洗浄する。
別に、還元的脱ハロゲン化と水素添加は、2行程で行
うことができ、最初に、通常の触媒、例えば5%Rh/Cま
たは5%Pd/Cでメタノール中で11a−脱ハロゲン化を行
う。ついで最初の触媒は濾過で除去し、濾液を再度この
発明の不均一系ロジウム触媒の存在下で水素添加に付さ
れる。
次の実施例には、特に、α−6−デオキシテトラサイ
クリン製造法の特に好ましい具体例が記載されている。
実施例では、全温度を摂氏で表し、特定されない限り
は全部分は重量%であらわす。
実施例1 不均一系ロジウム触媒の製造 シリカゲル(20.0kg)を真空オーブン中180℃で5〜
6時間乾燥した。窒素気流下乾燥したシリカゲルをトル
エン(100)に加えた。別のポリプロピレン製カーボ
イ容器(15ガロン)中で、エチルトリエトキシシリル−
2−ジフェニルホスフィン(960g)をトルエン(50)
に加えて、撹拌した。ついでカーボイ容器の内容物をシ
リカゲル含有系に加えて窒素気流下撹拌した。この反応
系を113℃で5時間緩和に還流した。
還流後、反応系は、110℃〜115℃で常圧蒸留(共沸蒸
留)してエタノールを含む留液(100)を除去した。
新鮮なトルエン(100)を撹拌しながら反応系に加
え、留液と置換し、その間20〜30℃に冷却した。反応系
を濾過し、トルエンで湿ったケーキを回収し、これをさ
らにトルエンで洗浄した。
ケーキを窒素気流下撹拌しながら新鮮なトルエン(14
0)に加えた。混合物を55〜70℃に加温し、ウィルキ
ンソンの触媒(880g)を加えた。反応系を窒素気流下11
3℃で12〜16時間軽く還流し、ついで20〜40℃に冷却し
た。この系を濾過して触媒(23〜24kg)を回収し、この
触媒はトルエンで洗浄し、45℃で減圧乾燥した。
実施例2 メタサイクリン塩酸塩からドキシサイクリンp−トルエ
ンスルホネートの製造 メタサイクリン塩酸塩(13.44kg)を窒素気流下でメ
タノール(63.0)に加えた。トリフェニルホスフィン
(42g)及び塩酸(14ml)をこの反応系に加え、約1時
間30分の間50℃に加温した。実施例1の不均一系ロジウ
ム触媒(2.1kg)をこの反応系に加え、水素ガスで100ps
igに加圧した。反応系を90℃(+5℃)に加熱し、この
温度に24時間保持した。この反応系を60℃に冷却し、減
圧濾過して不均一系ロジウム触媒を回収した。この反応
系にp−トルエンスルホン酸(6.16kg)を加え、50〜60
℃で1時間撹拌した。この反応系を室温に1液放冷し、
ついで5℃に2時間冷却した。ドキシサイクリン p−
トルエンスルホネートを濾過により反応系から回収し、
冷メタノール(3)及び冷アセトン(3)で洗浄し
た。生成物を約40℃で乾燥した。生じた生成物を秤量し
て約16.0kg(理論値の94%)であった。HLPC分析で、生
成物が99%の純度のα−デオキシテトラサイクリンp−
トルエンスルホネートで、β−エピマーは含まれないこ
とを示した。第2の塊として0.94kgのスルホサリチレー
ト塩が回収された。従って全収率は99%であった。
実施例3 ドキシサイクリン p−トルエンスルホネートの製造 11a−クロロ−6−デオキシ−6−デメチル−6−メ
チレン−5−オキシテトラサイクリン p−トルエンス
ルホネート(25g)及びトリフェニルホルフィン(10.2
g)を水素添加用容器に加えた。メタノール(75ml)を
混合物に加え、反応物を50℃に加温し、実施例1の不均
一系ロジウム触媒(3.0g)を加えた。
反応試剤を、水素の吸収が止むまで水素ガスの100psi
gの圧力下、90℃で水素添加した。反応系を60℃に冷却
して、不均一系触媒をスラリーから濾別した。p−トル
エンスルホン酸(8.4g)を50℃で濾液に加え、反応系を
1時間撹拌した。反応系を室温で1液放置し、ついで5
℃に2時間保持した。ついでドキサイクリン p−トル
エンスルホネートを反応系から濾過し、冷メタノール
(20ml)及び冷却アセトン(20ml)で洗浄した。得られ
た生成物は20.5g(87%)の収量であり、HPLCによる分
析は次のようであった。:α−異性体99%:β−異性体
無視できる量。第2の塊としてはスルホサリチレート塩
として1.9g得られた。従って全収率は94%であった。
実施例4 ドキシサイクリン p−トルエンスルホネートからドキ
シサイクリンハイクレートの製造 実施例3のドキシサイクリン p−トルエンスルホネ
ート(13g)にアセトン(38ml)と水(1.78ml)を、35
℃で混合、溶液とした。ヌッチャーG−60(Nuchar)
(1g)を反応系に加えて、1.5時間撹拌した。ついでス
ラリーをセライトパッドを通して濾過した。濾液にエタ
ノール(28.6ml)及び18%塩酸−エタノール(14.3ml)
を加えた。10分以内に結晶種が溶液の中に現れ始める。
溶液を室温で3時間撹拌し、ついで濾過してケーキを得
た。
ケーキは、まずエタノール(30ml)で、つでアセトン
(15ml)で洗浄し、ついで乾燥した。この最初の塊から
のドキシサイクリンサイクレート(ヘミエタノレート・
ヘミヒドレート)の収率は8.3g(76%)であった。HPLC
分析では、生成物は純粋なα−デオキシテトラサイクリ
ンハイクレート酸塩99.4%からなり、β−ドキシサイク
リンハイクレートは検出されなかった。ドキシサイクリ
ンハイクレートの第2の塊からさらに2.04gを得、これ
も本質的には純粋なα−ドキシサイクリンハイクレート
であり、全収率は約95%であった。
実施例5 メタサイクリン塩酸塩から p−トルエンスルホネート
の製造 純粋なメタサイクリン塩酸塩(5.0g)、濃塩酸(37
%、1滴)及びメタノール(30ml)をボンベに入れた。
反応系を窒素気流下に置いた。トリフェニルホスフィン
(20mg)及び実施例1の不均一系ロジウム触媒(1.3g)
をこの系に加えた。反応系を約90℃(87.0〜95.0℃の範
囲)に加熱し、ゼロ時間の時119.0psingの水素圧下で水
素添加した。水素添加時間が17時間に延長されその時水
素圧は約108.5psigであった。
ついで、この反応系を55℃に冷却し、シリカに担持し
たロジウム触媒から上澄液を傾斜により分離した。上澄
液にp−トルエンスルホン酸水和物(2.2g)を加え、約
50℃に加温した。反応系を室温で約2時間撹拌し、さら
に2時間氷浴中で撹拌し、次いで濾過した。回収したケ
ーキを冷アセトンで洗浄した。得られた(乾燥)ドキシ
サイクリン p−トルエンスルホネートは、約6.2g(9
6.4%収率)でペーパークロまトグラフによる分析で
は、α−異性体のみの存在を示した。第2の収量の2.1g
は、スルホサリチレートとして得られた。従って全収率
は99.3%であった。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】11a−クロロ−6−デオキシ−6−デメチ
    ル−6−メチレンテトラサイクリン、6−デオキシ−6
    −デメチル−6−メチレン−テトラサイクリン及びそれ
    らの塩からなる群から選択された基質の水素添加による
    α−6−デオキシテトラサイクリンの製造法において、 (a)シリカゲル担体に式: (EtO)(CH33-mSi(CH2nPPh2 (式中、Etはエチル; mは1〜3の整数; nは1〜6の整数;及び Phはフェニル) で示され、ロジウム錯化合物に結合する配位子として作
    用しうる1つ以上の基を有するアルコキシシリル置換ア
    ルキルジフェニルホスフィンを反応させて、 (b)ホスフィンのアルコキシシリル基とシリカゲル表
    面のヒドロキシル基との相互作用により生成したエタノ
    ールを除去し、及び (c)得られた反応生成物をRh2Cl4(C2H2、Rh2Cl2
    −(シロロオクテン)、RhCl2−(PPh3)及びRh(PP
    h33Clからなる群から選択されたロジウム錯化合物に
    結合させることにより製造され、ロジウムを0.3〜0.6%
    含有するシリカ担持の不均一系ロジウム触媒の存在下で
    水素添加を行うことからなる製造法。
  2. 【請求項2】基質が11a−クロロメタサイクリン、メタ
    サイクリン、またはそれらの酸付加塩である請求項1記
    載のドキシサイクリン製造法。
  3. 【請求項3】基質が6−メチレンテトラサイクリンであ
    る請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】基質が11a−クロロ−メチレンテトラサイ
    クリンである請求項1に記載の方法。
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