JP2659724B2 - 高強度複合繊維の製造方法 - Google Patents

高強度複合繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は産業資材用途、特にゴム補強材に適した高強
度繊維の製造方法に関するものである。更に詳しくは、
高強度、ハイモジュラス、改良された寸法安定性等の優
れた機械的特性を有し、かつゴムとの接着性、ゴム中に
おける耐熱性(以下ゴム中耐熱性という)及び耐疲労性
にも優れたゴム補強材用複合繊維の製造方法を提供する
ものである。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレート繊維で代表されるポリエ
ステル繊維は高強力、高弾性率の特徴を有するため、各
種産業資材用途に広く用いられている。特にタイヤコー
ド、伝動用ベルト、搬送用ベルト等のゴム補強資材とし
て有用されている。
しかしながら、ポリエステル繊維は一般にゴム中での
耐熱性が劣る。即ち、高温下ではゴム中の水分やアミン
化合物の作用によって、ポリエステル繊維のエステル結
合部が切断し、強力低下を引き起こす。またゴムとの接
着性も劣り、特に高温雰囲気下に長時間繰り返し曝され
るとゴムとの接着力が著しく低下する。
ポリエステルタイヤコードは高強度、ハイモジュラス
の特徴を生かし、乗用車用ラジアルタイヤのカーカス材
として多用されている。しかし、より大型の軽トラッ
ク、トラックやバス用ラジアルタイヤのカーカス材とし
て用いると、自動車走行時に発熱した熱がタイヤ中に蓄
積され易いため、ポリエステルタイヤコードは熱劣化し
て強力低下し、またゴムとの接着力を失い剥離してしま
うという問題があった。
従来からポリエステルの欠点である接着性を改良しよ
うとする試みが数多く提案されており、その一つとして
ポリエステルの表面をポリアミドで被覆する方法が知ら
れている。例えば特開昭49−85315号公報にはポリエス
テルを芯にナイロン6を鞘にした複合繊維を、それぞれ
の成分ポリマの重合度及び芯部ポリマの割合を特定し、
非含水給油の後、400m/分のような低速で巻取った後、
特定温度で延伸する製糸方法や、或いは、そのような低
速での引取りに続いて特定温度で延伸する製糸方法によ
って製造することが提案されている。
また、特公昭62−42061号公報にも同様に芯にポリエ
ステル、鞘にポリアミドを配した芯鞘型複合構造の繊維
からなるゴム補強材が記載され、ポリアミド鞘成分を7
〜30重量%とし、その繊維表面にエポキシ系接着剤を付
着させてゴム補強材とすること、及び、この複合繊維
は、溶融紡糸、冷却、給油の後、400m/分のような低速
で巻取った後に多段延伸する方法や、そのような低速で
の引取りに続いて多段延伸する方法によって製造される
ことが記載されている。
[発明が解決しようとする問題点] 前記した特開昭49−85315号公報及び特公昭62−42061
号公報の方法で提案されている芯鞘複合構造の繊維は鞘
のポリアミド成分により改良されたゴムとの接着性をも
たせ、芯のポリエステル成分によってモジュラスや寸法
安定性を保持しようとしたものである。該方法によると
確かにゴムとの接着性は十分に改良され、また、モジュ
ラスや寸法安定性も改善されるものの、ポリアミドの有
するゴム中耐熱性や耐疲労性等を十分に生かすことがで
きないという大きな問題があった。
またポリエチレンテレフタレートのような通常のポリ
エステルとナイロン6やナイロン66のような通常のポリ
アミドとはポリマ同志の相溶性が悪いため、前記公知例
に記載された製糸方法で製造した場合は芯鞘複合構造の
両ポリマ界面で剥離破壊し易く実用に供するに十分な耐
久性、特に耐疲労性を有することができなかった。特に
延伸工程、撚糸、ディッピング等のタイヤコード加工工
程、タイヤ加硫工程、及びタイヤ走行時における繰り返
し伸長圧縮疲労によってポリマ界面が破壊され、本来の
芯鞘複合繊維に期待する性能が得られなかった。
本発明は上記問題点を克服することにより、ゴムとの
接着性に優れ、ポリエステルに近いハイモジュラスと寸
法安定性を有するとともに、ゴム中耐熱性及び耐疲労性
も優れ、しかも、芯鞘複合界面における界面剥離に対し
て十分な耐久性を有し、耐疲労性等の耐久性にも優れ、
ゴム補強用に好適な高強度複合繊維の製造方法を提供す
ることにある。
[問題点を解決するための手段および作用] 上記目的を達成するため、本発明の高強度複合繊維の
製造方法は、極限粘度〔η〕が0.85以上の、エチレンテ
レフタレートを主成分とするポリエステル、及び、硫酸
相対粘度〔ηr〕が2.8以上のポリアミドを複合紡糸パ
ックに導き、複合紡糸用口金を通して、芯部がポリエス
テル、鞘部がポリアミドからなり芯部複合割合が30〜90
重量%である芯鞘型複合繊維を溶融紡糸し、1500m/分以
上の紡糸速度で引取った後、延伸することにより、強度
が7.5g/d以上、伸度が20%以下、初期引張り抵抗度が60
g/d以上、及び、乾熱収縮率が7%以下の繊維特性を有
し、芯成分をなすポリエステルの極限粘度〔η〕が0.8
以上、複屈折が160×10-3〜190×10-3、密度が1.395g/c
m3以上、DSCで測定した融解曲線のピーク温度が247℃以
上であり、かつ、この鞘成分をなすポリアミドの硫酸相
対粘度ηrが2.8以上、複屈折が50×10-3以上、密度が
1.140g/cm3以上である芯鞘型複合繊維を製造することを
特徴とする。
また、この製造方法において、1500m/分以上の紡糸速
度で引取った時における未延伸糸が、ポリアミド鞘部の
複屈折が20×10-3以上、かつ、ポリエステル芯部の複屈
折が20×10-3以上を有することが好ましい。
以下に本発明に係る高強度複合繊維の製造方法につい
て詳述する。
本発明の製造方法において複合繊維の芯成分として用
いるポリエステルは、エチレンテレフタレートを主成分
とすればよいが、実質的にポリエチレンテレフタレート
単位のみからなるポリエステルが好ましい。ポリエチレ
ンテレフタレートポリマの物理的、化学的特性を実質的
に低下させない程度、例えば10%未満の共重合成分を含
んでもよい。共重合成分としてはイソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等のジカル
ボン酸、及びエチレンオキサイド、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール等のジオール成分を含んでもよ
い。
一方、ポリアミド鞘成分は、ポリカプラミト、ポリヘ
キサメチレンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパン
ド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレ
ンドデカミド等の通常のポリアミドからなるが、ポリヘ
キサメチレンアジパミド系ポリマが好ましい。
特に、芯成分ポリエステルと鞘成分ポリアミドとの界
面剥離に対する耐久性をさらに一層向上させるために
は、ポリアミド成分としては、ヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペートとヘキサメチレンジアンモニウムテレ
フタレートとの共重合ポリアミド(以下66/6Tコポリア
ミドと称す)が最も適している。この66/6Tコポリアミ
ドの66成分と6T成分は互いにアイソモルファスであるた
め、共重合化による結晶性の低下が殆どない。ナイロン
66より高いガラス転移温度、及びナイロン66と同等かよ
り高い融点を有し、強度、モジュラス、寸法安定性等は
ナイロン66に勝るとも劣らない特性をもち、目的とする
界面剥離耐久性が極めて良好である。それはポリエステ
ルと66/6Tコポリアミドともに構成単位中にベンゼン環
を含み、ベンゼン環同志の分子間力が作用するからであ
ると考えられる。この66/6Tコポリアミドにおけるヘキ
サメチレンジアンモニウムテレフタレートの共重合割合
は5重量%以上が好ましく、10〜40重量%であることが
より好ましい。
また、ポリアミド鞘成分には熱酸化劣化防止剤として
銅塩、及びその他の有機、無機化合物が添加されている
ことが好ましい。特に沃化銅、酢酸銅、塩化銅、ステア
リン酸銅等の銅塩を銅として30〜50ppmと沃化カリウ
ム、沃化ナトリウム、臭化カリウム等のハロゲン化アル
カリ金属を0.01〜0.5重量%、及び/又は有機、無機の
燐化合物を0.01〜0.1重量%含有させることが好まし
い。
本発明における複合繊維のポリエステル芯成分の複合
割合は30〜90重量%であり、従って他方のポリアミド鞘
成分の割合は70〜10重量%である。ポリエステル芯成分
が30重量%未満では複合繊維のモジュラス及び寸法安定
性をポリエステルに近づけることができない。一方、ポ
リアミド鞘成分が10重量%未満では、複合繊維とゴムと
の接着性、ゴム中耐熱性等の改良が達せられない。
本発明法によって得ようとする高強度複合繊維は、7.
5g/d以上の高い強度、60g/d以上の高い初期引張り抵抗
度、及び20%以下の低い伸度を有するものである。さら
に、本発明法によると乾熱収縮率が7%以下と従来の複
合繊維よりも低くなる。
本発明の製造方法において、複合繊維の強度7.5g/d以
上を得るためには、芯成分として用いるポリエステル芯
成分は、極限粘度〔η〕が0.85以上の高重合度を有する
ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、好ましく
は実質的にポリエチレンテレフタレートからなるポリエ
ステルを用いる。
また、芯成分のポリエステルと同様に、鞘成分のポリ
アミドも高重合度が必要であり、硫酸相対粘度〔ηr〕
で2.8以上、好ましくは3.0以上の高粘度ポリアミドを用
いる。
さらに本発明において優れたゴム中耐熱性を得るため
には、ポリエチレンテレフタレート芯成分のカルボキシ
ル末端基濃度は20eq/106g以下であることが好ましい。
このためには、低カルボキシル末端基濃度のポリマを紡
糸することが有効であり、例えば低温重合法を採用した
り、重合工程、または紡糸工程で封鎖剤を添加する等の
技術を適用すればよい。封鎖剤としては例えばオキサゾ
リン類、エポキシ類、カルボジイミド類、エチレンカー
ボネート、シュウ酸エステル、マロン酸エステル類等が
ある。
これらポリマの溶融複合紡糸には2基のエクストルー
ダー型紡糸機を用いることが好ましい。それぞれのエク
ストルーダーで溶融されたポリエステル及びポリアミド
を複合紡糸パックに導き、複合紡糸用口金を通して芯部
にポリエステル、鞘部にポリアミドを配した複合繊維と
して紡糸する。
紡糸口金直下には10cm以上、1m以内にわたって200℃
以上、好ましくは260℃以上の加熱雰囲気を、保温筒、
加熱筒等を設けることによって形成することが好まし
い。紡出糸条は上記加熱雰囲気中を通過した後、冷風で
急冷固化され、次いで油剤を付与された後、紡糸速度を
制御する引取りロールで引取られる。この引取り時の紡
糸速度は1500m/分以上の高速とすることが必要であり、
好ましくは2000m/分以上の高速とする。前記口金直下の
加熱雰囲気の制御は本発明の高速紡糸時の曳糸性を良好
に維持するために好ましい。
引取られた未延伸糸は通常一旦巻取ることなく連続し
て延伸される。延伸前の未延伸糸の物性を把握する目的
で引取りロール上でサンプリングした未延伸糸は、ポリ
アミド鞘部の複屈折が20×10-3以上、好ましくは30×10
-3以上、ポリエステル芯部の複屈折も20×10-3以上、好
ましくは30×10-3以上と高度に配向していることが好ま
しい。
本発明の高速紡糸の採用は複合繊維のモジュラス、寸
法安定性、及び耐疲労性の改良効果をもたらすが、さら
に大きな効果として、芯鞘複合界面での耐剥離性が向上
し、複合界面の耐久性が改良されることは注目すべきで
ある。従来の低速紡糸法のように、吸湿結晶化の進んだ
ポリアミド成分と非晶状態のポリエステル成分が組合さ
れる場合と異なり、高速紡糸法ではポリアミド成分、ポ
リエステル成分ともに配向結晶化が速く進む状態にある
こと、紡糸後の延伸倍率が少なくて済むこと等が複合界
面の耐久性の改良に寄与しているものと考えられる。
次に、該未延伸糸は連続して延伸されるが、その延伸
温度は180℃以上、好ましくは200℃以上の温度とすれば
よい。延伸は2段以上、通常は3段以上の多段で行い、
延伸倍率は1.4〜3.5倍の範囲とすればよい。本発明のか
かる高温熱延伸の採用も複合界面耐久性の改良に寄与し
ており、特に3段目の延伸温度の寄与が大きい。例え
ば、3段目の延伸温度が低く、例えば160℃未満では延
伸によって界面剥離か生じ易く、また180℃未満で延伸
した場合は、例えばタイヤコードとして用いるとタイヤ
コード加工工程中、加硫工程中、またはタイヤ走行中に
界面剥離が生じ易い。
かくして得られる本発明法による複合繊維は次の特性
を有する。
得られる複合繊維は、7.5g/d以上の高強度、60g/d以
上の初期引張り抵抗度を有し、伸度は20%以下、乾熱収
縮率は7%以下である。より好ましくは強度8g/d以上、
初期引張り抵抗度70g/d以上、伸度8〜16%である。
また、複合繊維をなすポリエステル芯成分は90g/d以
上の高い初期引張り抵抗度と20g/d以下の低いターミナ
ルモジュラスを有することがより好ましい。高い初期引
張り抵抗度を有しかつ低いターミナルモジュラスを有す
るポリエステル繊維は、例えばタイヤコード加工工程で
の強力低下が少なく、耐疲労性が改良されることと関係
しているので、ポリエステル芯成分が該特性を達成して
いることは本発明の目的達成のために好ましい。なお、
ターミナルモジュラスは繊維の引張り試験において、SS
曲線上で切断伸度より2.4%引いた曲線上の点と切断点
までの応力増分2.4×10-2で除した値(g/d)であり、引
張り試験の条件はJIS L1017による。
さらに、ポリエステル芯成分の極限粘度〔η〕が0.8
以上、複屈折が160×10-3〜190×10-3、密度が1.395g/c
m3以上、DSCで測定した融解曲線のピーク温度が247℃以
上、また、鞘成分をなすポリアミドの硫酸相対粘度〔η
r〕が2.8以上、複屈折が50×10-3以上、密度が1.140g/
cm3以上である繊維構造特性を有する。
次に、実施例に基づいて説明するが、本発明中で記載
した繊維特性、コード特性の定義、及び測定法は次のと
おりである。
ポリエステル芯成分の特性 (イ)極限粘度〔η〕: 試料をオルソクロロフェノール溶液に溶解し、オスト
ワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
(ロ)複屈折: カールツアイスイエナ社(東独)製透過定量型干渉顕
微鏡を用いて、干渉縞法によって繊維の側面から観察し
た平均複屈折を求めた。試料はポリアミド鞘成分を蟻酸
で溶解除去し、ポリエステル芯成分部分を測定した。繊
維の表層から中心方向に2μ間隔で測定し、平均値を求
めた。
(ハ)密度: 四塩化炭素を重液、n−ヘプタンを軽液として作製し
た密度勾配管を用い、25℃で測定した。
(ニ)DSCの融解曲線ピーク温度: Perkin−Elmer社製のDSC−1B型で、昇温速度10℃/
分、試料量4.0mg、感度4m cal/sフルスケールで測定
し、融解曲線の主ピーク温度を融点(Tm)とした。
(ホ)カルボキシル末端基濃度: 試料1gをオルソクレゾール20mlに溶解し、完全溶解冷
却してからクロロホルム40mlを加えてからカセイソーダ
のメタノール溶液にて電位差滴定を行い求めた。
ポリアミド鞘成分の特性 (ヘ)硫酸相対粘度〔ηr〕: 試料0.25gを98%硫酸25ccに溶解し、オストワルド粘
度計を用いて25℃で測定した。
(ト)複屈折: ポリエステル芯成分と同様透過定量型干渉顕微鏡によ
る干渉縞法で側面から表層のポリアミド部分のみを測定
した。
(チ)密度: 四塩化炭素を重液、トルエンを軽液として作製した密
度勾配管を用い、25℃で測定した。
複合繊維またはポリエステル芯成分の特性 (リ)強度、伸度、初期引張り抵抗度、及びターミナル
モジュラス: 強度、伸度、初期引張り抵抗度はJIS L1017の定義及
び測定法によった。ターミナルモジュラスの定義は前記
したとおりである。なお、SS曲線を得るための引張り試
験の具体的条件は次のとおりである。
試料を綛状にとり、20℃、65%RHの温湿度調節された
部屋に24時間以上放置後、“テンシロン"UTL−4L型引張
試験機(オリエンテック(株)製)を用い、試長25cm、
引張速度30cm/分で測定した。
(ヌ)乾熱収縮率: 試料を綛状にとり、20℃、65%RHの温湿度調節室で24
時間以上放置した後、試料の0.1g/dに相当する荷重をか
けて測定した長さLoの試料を無緊張状態で150℃のオー
ブン中で30分間処理する。処理後のサンプルを風乾し、
上記温湿度調節室で24時間以上放置し、再び上記荷重を
かけて測定した長さLから次式によって算出した。
乾熱収縮率(%)=[(L−Lo)/Lo]×100 複合繊維コードの特性 (ル)強度、伸度及び中間伸度: 前記繊維の場合と同様に測定した。中間伸度は下記式
で定める強力を示す時の伸度をいう。
(D×n)/(1000×4.5×2)kg 但し、D:延伸糸繊度、n:合撚糸数 例えば、延伸糸繊度1000デニール糸を2本合撚糸した
コード1000/2は4.5kgの時の伸度が中間伸度である。
(ヲ)乾熱収縮率: 熱処理温度を177℃とした以外は前記複合繊維の場合
と同様に測定した。
(ワ)GY疲労寿命: JIS L1017−1.3.2.1A法に準拠した。但し、曲げ角度
は90゜とした。
(カ)GD疲労: JIS L1017−1.3.2.2に準拠した。但し、伸長6.3%、
圧縮12.6%とした。
(ヨ)接着性: JIS L1017−3.3.1A法によった。
(タ)耐熱接着性: 加硫時の熱処理を170℃で60分とした以外上記(ヨ)
項の接着性と同様の方法で評価した。
(ソ)ゴム中耐熱性: ゴムシート上に並べたディップコードを、別に用意し
たゴムシートでサンドイッチ状に挟み、170℃に加熱し
たプレス機で50kg/cm2の圧力下に3時間熱処理した。処
理前後のコード強力を測定し、強力保持率を求めて耐熱
性の尺度とした。
[実施例−1] 極度粘度〔η〕1.05、カルボキシル末端基濃度10.5eq
/106gのポリエチレンテレフタレート(PET)、及び、沃
化銅0.02重量%と沃化カリウム0.1重量%を含む66/6T
(80:20重量比)コポリアミド(硫酸相対粘度ηr3.2)
又はポリヘキサメチレンアジパミド(N66:硫酸相対粘度
ηr3.3)をそれぞれ40φエクストルーダー型紡糸機で溶
融し、複合紡糸パックに導き、芯鞘複合紡糸口金より芯
部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にポリアミドの
芯鞘型複合繊維として紡出した。
その際、芯成分及び鞘成分の複合割合は第1表のよう
に70:30とした。口金は孔径0.4mmφ、孔数120ホールを
用いた。ポリマ温度はポリエチレンテレフタレートを29
5℃、ポリアミドを290℃でそれぞれ溶解し、紡糸パック
温度を300℃として紡出した。口金直下には15cmの加熱
筒を取付け、筒内雰囲気温度を290℃となるように加熱
した。雰囲気温度とは口金面より10cm下の位置で、かつ
最外周糸条より1cm離れた位置で測定した雰囲気温度で
ある。加熱筒の下には長さ400cmの環状型チムニーを取
付け、糸条の周囲より25℃で40m/分の冷風を糸条に直角
に吹付け、冷却した。次いで油剤を付与した後、第1表
に示した紡糸速度で回転する引取りロールで糸条速度を
制御した後、一旦巻取ることなく連続して延伸した。
延伸は5対のネルソン型ロールによって3段延伸した
のち3%のリラックスを与えて弛緩熱処理して巻取っ
た。延伸条件は、引取りロール温度を60℃、第1延伸ロ
ール温度120℃、第2延伸ロール温度を190℃、第3延伸
ロール温度を225℃、延伸後の張力調整ロールは非加熱
とし、1段延伸倍率は全延伸倍率の70%、残りを2段階
に分けて配分し延伸した。紡糸速度、全延伸倍率等を変
化させて製糸したが、延伸糸の繊度が約500デニールと
なるよう紡糸速度、延伸倍率に対応させて吐出量を変化
させた。得られた延伸糸は3本合糸して1500デニールと
した。
比較のため前記複合繊維の製造に用いたポリエステル
とポリヘキサメチレンアジバミドをそれぞれ単独に製糸
して繊維とした。ポリアミドの場合は延伸倍率を2.5倍
とした以外は紡糸・延伸条件ともに本発明例と同様な条
件で行った。また、ポリエステルの場合は、第3延伸ロ
ール温度を245℃に、延伸倍率を2.6倍とした以外は紡糸
・延伸条件ともに本発明例と同様な条件で行った。
それらの製糸条件、得られた延伸糸特性、及び繊維構
造物性を第1表に示した。
[実施例−2] 実施例−1で得た延伸糸を用い、上撚及び下撚をそれ
ぞれ反対方向に40T/10cmずつかけて1500/2の生コードと
した。但し、比較例−(3)のN66は撚数を39T/10cmと
し、1260/2の生コードとした。この生コードをリツラー
社製ディッピング機によって常法によって接着剤付与及
び熱処理をしてディップコードとした。
ディップ液は20%のレゾルシン・ホルマリン・ラテッ
クスよりなる接着剤成分を含み、接着剤成分がコートに
約4%付着するよう調整した。熱処理は225℃で80秒、
ディップコードの中間伸度が約5%となるようストレッ
チをかけながら処理した。ナイロン66繊維は同様な熱処
理条件で、中間伸度が約9%となるようストレッチして
処理した。またポリエステル繊維は常法により2浴接着
処理を行い、熱処理は240℃、120秒行い、中間伸度が約
5%となるようストレッチして処理した。
かくして得られたディップコードについてゴム中耐熱
性、接着性、耐疲労性等を評価し第2表に示した。
本発明法によって得られた複合繊維ディップコード
は、ポリエステルディップコード(比較例−(3))と
同等以上のモジュラス、寸法安定性、及び耐疲労特性を
有し、かつ著しく改良されたゴム中耐熱性、耐熱接着性
を有する高強力ディップコードであった。
また、本発明法によって得られた複合繊維ディップコ
ードは、従来法による複合繊維ディップコード(比較例
−(1)、(2))よりも、ゴム中耐熱性、耐疲労特性
が大きく改善されたものであった。
[発明の効果] 本発明法によって得られる複合繊維は、従来のポリエ
ステル繊維と同等以上の高いモジュラス、低い寸法安定
性を有し、かつ従来のポリエステル繊維に比べゴム中耐
熱性、ゴムとの接着性、特に高温履歴を受けた後の耐熱
接着性が著しく改良されている。また、従来法による複
合繊維よりも耐疲労性が大きく向上し、しかも、ゴム中
耐熱性等も改良できる。
そのため、例えばタイヤコードとして用いるとタイヤ
走行時の繰り返し疲労に対する耐久性が極めて良好とな
る。そこで比較的大型の乗用車、ライトラック、トラッ
ク、バス用のタイヤコードとして有用である。特に大型
のラジアルタイヤのカーカスコードとして最適である。
また本発明によって得られる複合繊維は上記した優れ
た特性を有するので、タイヤコード以外のゴム補強材と
しては勿論、一般の産業資材用途にも有用である。
フロントページの続き 合議体 審判長 小原 英一 審判官 船越 巧子 審判官 菅野 芳男 (56)参考文献 特開 昭62−97921(JP,A) 特公 昭62−42061(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度〔η〕が0.85以上の、エチレンテ
    レフタレートを主成分とするポリエステル、及び、硫酸
    相対粘度〔ηr〕が2.8以上のポリアミドを複合紡糸パ
    ックに導き、複合紡糸用口金を通して、芯部がポリエス
    テル、鞘部がポリアミドからなり芯部複合割合が30〜90
    重量%である芯鞘型複合繊維を溶融紡糸し、1500m/分以
    上の紡糸速度で引取った後、延伸することにより、強度
    が7.5g/d以上、伸度が20%以下、初期引張り抵抗度が60
    g/d以上、及び、乾熱収縮率が7%以下の繊維特性を有
    し、芯成分をなすポリエステルの極限粘度〔η〕が0.8
    以上、複屈折が160×10-3〜190×10-3、密度が1.395g/c
    m3以上、DSCで測定した融解曲線のピーク温度が247℃以
    上であり、かつ、鞘成分をなすポリアミドの硫酸相対粘
    度ηrが2.8以上、複屈折が50×10-3以上、密度が1.140
    g/cm3以上である芯鞘型複合繊維を製造することを特徴
    とする高強度複合繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】1500m/分以上の紡糸速度で引取った時にお
    ける未延伸糸が、ポリアミド鞘部の複屈折が20×10-3
    上、かつ、ポリエステル芯部の複屈折が20×10-3以上を
    有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の高
    強度複合繊維の製造方法。
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