JPH0274610A - 耐久性の優れた高強度複合繊維 - Google Patents

耐久性の優れた高強度複合繊維

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JPH0274610A
JPH0274610A JP22376988A JP22376988A JPH0274610A JP H0274610 A JPH0274610 A JP H0274610A JP 22376988 A JP22376988 A JP 22376988A JP 22376988 A JP22376988 A JP 22376988A JP H0274610 A JPH0274610 A JP H0274610A
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core
sheath
polyamide
polyester
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JP22376988A
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Isoo Saito
磯雄 斎藤
Takuji Sato
卓治 佐藤
Masayuki Sato
正幸 佐藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は産業資材用途、特にゴム補強材に適した耐久性
に優れた高強度複合繊維に関するものである。更に詳し
くは高強度、ハイモジュラス、改良された寸法安定性等
の擾れた機械的特性を有し、かつゴムとの接着性、特に
耐熱接着性、ゴム中における耐熱性、及び耐疲労性等の
改良された産業資材用複合繊維を提供することにある。
〔従来の技術〕
ポリエチレンテレフタレート繊維を代表とするポリエス
テル繊維は高強度、高弾性率の特徴を有するため、各種
産業資材用途に広く用いられている。特にタイヤコード
、伝動用ベルト、搬送用ベルト等のゴム補強資材として
有用されている。
しかしながら、ポリエステル繊維は一般にゴム中での耐
熱性が劣る。即ち、高温下ではゴム中の水分やアミン化
合物の作用によって、ポリエステルポリマのエステル結
合部が切断し、強力低下を引き起こす。またゴムとの接
着性も劣り、特に高温雰囲気下に長時間隙されるとゴム
との接着力が箸しく低下するという問題があった。
ポリエステル繊維からなるタイヤコードは高強力、ハイ
モジュラスの特徴を生かし、乗用車用ラジアルタイヤの
カーカス材として多用されてきた。
しかしより大型の軽トラツク、トラックやバス用として
用いると、自動車走行時に発熱した熱がタイヤ中に蓄積
され易いため、ポリエステルタイヤコードは熱劣化して
強力低下し、またゴムとの接着力を失い剥離してしまう
という問題があった。
そこでポリエステル繊維のゴム中での耐熱性を改良し、
また高温下での接着性を改良することが求められていた
従来からポリエステル繊維の欠点である接着性を改良し
ようとする試みは数多く提案されており、その一つとし
てポリエステルの表面をポリアミドで被覆するする方法
が知られている。例えば特開昭49−85315号公報
にはポリエステルを芯にナイロン6を鞘にした複合繊維
の製造方法について、それぞれの成分ポリマの重合度及
び芯部ポリマの割合を特定し、また製糸方法に関し、非
含水給油して直接紡糸延伸する方法が開示され”Cいる
。また特開昭56−140128号公報にも同様に芯に
ポリエステル、鞘にポリアミドを配した芯鞘型複合構造
の繊維からなるゴム補強材に関し、ポリアミド鞘成分を
7〜30ffiffi%で、かつその表面がエポキシ系
接着剤で付着されたゴム補強材について記載されている
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記特開昭49−85315号公報及び特開昭56−1
40128号公報の方法で提案されている芯鞘複合構造
のf&紺は鞘のポリアミド成分によってゴムとの接着性
を改良し、芯のポリエステル成分によってモジュラスや
寸法安定性を保持しようとしたものであった。該方法に
よって確かに接着性は十分に改良される4のの、モジュ
ラス、寸法安定性は鞘のナイロン成分を多くするに従っ
て低下してしまい、従来のポリエステル繊維が有するモ
ジュラスと寸法安定性を十分保持することはできなかっ
たし、一方ナイロンの有するゴム中における耐熱性や耐
疲労性等を十分生かすことができなかった。
またポリエチレンテレフタレートのような通常のポリエ
ステルとナイロン6やナイロン66のような通常のポリ
アミドとはポリマ同志の相溶性が悪いため、通常の製糸
方法で製造した場合は芯鞘複合構造の両ポリマ界面で剥
離破壊し易く、実用できる十分な耐久性を持たなかった
。特に延伸工程、撚糸、ディッピング等のタイヤコード
加工工程、タイヤ加硫工程、及びタイヤ走行時に受ける
繰り返し伸長圧縮疲労によフてポリマ界面が破壊され、
芯鞘複合繊維に期待される性能が得られなかった。
本発明は上記問題点を克服することにより、ゴムとの接
着性に優れ、ポリエステルと同等レベルのハイモジュラ
スと寸法安定性を有し、ゴム中耐熱性及び耐疲労性の改
良されたゴム補強用に好適な複合繊維を提供することに
ある。特に従来技術では達せられなかったハイモジュラ
ス、改良された寸法安定性、改良されたゴム中における
耐熱性を有し、かつ芯鞘複合界面のポリマの剥離に対し
て十分な耐久性を有する複合繊維を提供することにある
〔問題点を解決するための手段および作用〕本発明の構
成は、 (1)耐久性の優れた高強度複合繊維において、ポリエ
ステルポリマを主成分とし、30重量%以下のポリアミ
ド成分が混合されており、鞘部な形成するポリマーはポ
リアミド成分からなり、前記芯部の割合が30〜90重
量%であり、該芯部の主成分であるポリエステルの極限
粘度(〔η〕)が0.8以上、複屈折(Δn)が160
X10−3〜190X10−3、密度(ρ)が1.39
5g/cm3以上であり、前記鞘部のポリアミド成分の
硫酸相対粘度(ηr)が2.8以上、複屈折(Δn)が
50X10−3以上、密度(ρ)が1.135g/cm
3以上であり、前記と芯部、鞘部を形成するポリマがそ
れぞれ高配向、高結晶繊維構造を形成してなることを特
徴とする耐久性の優れた高強度複合繊維にあり、 (2)前記(1)に記載の耐久性の優れた高強度複合繊
維をllOH2で測定した20℃及び150℃の動的弾
性率(E’2[1、E’+50)がそれぞれ8X104
dyne/d以上、3X 104d yne / d以
上で、かつ力学的正接損失(tanδ)曲線における主
分散ピーク温度(Tα)が140℃以上であることを特
徴とする耐久性の優れた高強度複合繊維にあり、 (3)前記(1)に記載の耐久性の優れた高強度複合繊
維の強度(T/D)が7.5g/d以上、初期引張り抵
抗塵(Mi)が60g/d以上、150℃で測定した乾
熱収縮率(ΔS 150)が7%以下であることを特徴
とする耐久性の優れた高強度複合繊維である。
本発明に係る耐久性の優れた高強度複合繊維(以下単に
複合繊維と記す)は上記構成からなるが、特に本発明の
目的とする、従来技術では達せられなかった、ポリエス
テルと同レベルのハイモジュラスと寸法安定性を保持し
、ゴム中耐熱性、耐疲労性および芯鞘複合界面における
ポリマの剥煎耐久性等の改良は芯の主成分を構成するポ
リエステル及び鞘成分を構成するポリアミドi&紺部分
の特定された複屈折、密度等の組合せを達成することに
よって、そして更に動的粘弾性特性を満足させることに
よって達せられる。
以下に本発明を構成する各要素の内容とその作用効果に
ついて詳述する。
本発明に係る複合繊維の芯成分はポリエステルを主成分
とし、30重量%以下のポリアミドが混合されたポリマ
からなる。主成分のポリエステルは実質的にエチレンテ
レフタレート単位からなるポリエステルが好ましい。ポ
リエチレンテレフタレートポリマの物理的、化学的特性
を実質的に低下させない程度、例えば10%未満の共重
合成分を含んでも良い。共1合成分としてはイソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸
等のジカルボン酸、及びプロピレングリコール、ブチレ
ングリコール等のジオール成分やエチレンオキサイド等
を含んでいてもよい。そして本発明複合繊維の強度7.
5g/d以上を得るために芯成分のポリエチレンテレフ
タレート繊維は極限粘度(〔η〕)が0.8以上、好ま
しくは0゜9以上と高粘度である。また本発明複合繊維
の優れたゴム中耐熱性を得るために、芯部の主成分であ
るポリエステルのカルボキシル木端基の濃度は20eq
/106g以下であることが好ましい。
本発明複合繊維に係る芯成分は上記ポリエステルを主成
分とし、ポリアミドを30重量%以下含むが、これは鞘
成分のポリアミドとの界面の接着を良好ならしめるのに
効果的である。通常は25〜5重量%混合されているこ
とが好ましい。30重量%を越えると芯成分に期待され
ているポリエステルja!liの特性、特にハイモジュ
ラスと寸法安定性が発揮されない。一方、ポリアミドの
含有量を5重量%未満となした場合は芯成分と鞘成分と
の複合界面の接着が十分改良されないことがあり、好ま
しくは5〜30瓜量%の範囲内とすることが好ましい。
芯成分の一部として用いるポリアミドポリマは以下に述
べる鞘成分として用いるポリマと同様のものが好ましい
が、必ずしも同じにする必要はない。
鞘成分として用いるポリアミドはポリカプラミド、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパ
ミド、ポリへキサメチレンドデカミド、ポリへキサメチ
レンドデカミド等の通常のポリアミドからなるが、ポリ
へキサメチレンアジバミF系ポリマが好ましい。ポリア
ミド鞘成分ボノマも本発明に係る複合繊維を得るために
は高重合度であることが必要であり、硫酸相対粘度(η
r)で2.8以上、好ましくは3.0以上である。 ポ
リアミド成分には熱酸化劣化防止剤として’M塩、及び
その他の有機、無機化合物が含有されているのが望まし
く、この場合、沃化鋼、酢酸鋼、塩化鋼、ステアリン酸
銅等の銅塩を銅として30〜500ppmと沃化カリウ
ム、沃化ナトリウム、臭化カリウム等のハロゲン化アル
カリ金属を0.01−0.5重量%、及び/或は有機、
無機の燐化合物を燐として10〜500ppm含有させ
る。
本発明に係る複合!&維の芯成分の割合は30〜90重
量%である。芯成分が30重量%未満ては目的とする複
合繊維としてのモジュラス及び寸法安定性をポリエステ
ルのレベルにすることが困難である。一方、ポリエステ
ル芯成分が90重量%を越えると、複合繊維とゴムとの
接着性、ゴム中耐熱性等の改良が十分達せられない。
本発明に係る複合繊維はポリエステルとポリアミド混合
ポリマからなる芯成分、及びポリアミド鞘成分いずれも
高度に配向、結晶化していることが特徴である。即ち芯
部の主成分であるポリエステルの複屈折(Δn)は16
0X10−3〜190X10”3である。160X10
−3末溝では複合繊維の強度(T/D)を7.5g/d
以上、初期弓弦り抵抗度(Mi)を60g/d以上とす
ることはできない。一方、190X10”3を越えてい
ると寸法安定性及び耐疲労性の改良がされない。後述す
る本発明に係る複合繊維を得ることのできる新規な製造
方法によれば複屈折は190X10−3を越えることは
ない。
一方、ポリアミド鞘成分の複屈折(Δn)は50X10
弓以上、望ましくは53X10−3以上と高配向である
。複屈折が50X10−3未満では高強度で高い初期引
張り抵抗度を有する複合繊維は得られない。
芯鞘複合繊維の複屈折の測定は次のようにして行うこと
ができる。即ち、鞘部はそのまま透過干渉顕微鏡で測定
し、芯部はポリアミド鞘成分を蟻酸、硫酸、弗素化アル
コール等で溶解した後、透過干渉顕微鏡、または通常の
ベトツクコンベンセーター法で測定する。密度は芯の主
成分であるポリエステルが1.395g/am3以上、
ポリアミド鞘成分が1.135g/cm3以上であり、
高度に結晶化している。密度がそれぞれ上記特定の値以
上にないと複合繊維の寸法安定性、耐疲労性、及びゴム
中耐熱性は改良されない。
なお芯の主成分であるポリエステルの密度は、ポリアミ
ド成分を蟻酸、硫酸、弗素化アルコール等で溶解除去し
て測定する。ポリアミド鞘成分の密度は複合繊維の密度
とポリエステル成分の密度および複合比率とから計算で
求めたもので、芯の一部を構成するポリアミド成分の密
度を含んだ値である。
本発明に係る複合繊維の構造的特徴の一つは動的粘弾性
挙動が特異なことである。110Hzで測定した20℃
2及び150℃の動的弾性率(E’ 20. E’ +
5[+)がそれぞれ8X104dyne/d以上、3X
104dyne/d以上である。20℃での動的弾性率
はポリエステル繊維と比較してやや低く、ポリアミド成
分の含有量に依存するが、150℃の高温ではポリエス
テル繊維と同等か、むしろ高い弾性率を有することであ
る。
また力学的正接損失(tanδ)曲線における主分散ピ
ーク温度(Tα)力月40℃以上である。
ある。
前記のように本発明に係る複合繊維は通常のナイロン6
6の動的弾性率(E’2[1、E’ +50)がそれぞ
れ約6X104dyne/d、約1.5×104dyn
e/dであること、および主分散ピーク温度(Tα)が
約125℃であるのに比へ著しく高い。本発明に係る複
合繊維はポリアミド成分を多量含むにも係わらず、高温
での動的弾性率(E’ 150)および主分散ピーク温
度(Tα)はポリエステル繊維と同等かむしろ高いとい
う特徴を有する。以上の動的粘弾性挙動は従来のポリエ
ステル繊維とポリアミド繊維のそれぞれの特徴を合せた
だけでは説明できず、両成分ポリマを本発明に従フて複
合させたことによって発現した特異効果と言える。
上記繊維構造によって特徴づけられる本発明に係る複合
繊維は7.5g/d以上の高強度、60g/d以上の初
期引張り抵抗度を有し、150℃で測定した乾熱収縮率
(ΔS +50)が7%以下の繊維特性を示す。より好
ましい複合繊維特性は強度8g/d以上、初期引張り抵
抗度70g/d以上、乾熱収縮率(ΔS 150)が5
%以下であり、これは前記繊維構造特性を適正に組合せ
ることによって達せられる。
以上の特徴を有する本発明に係る複合繊維は以下に示す
新規な方法によって製造される。
前記芯部の主成分を構成するポリエステル繊維物性を得
るためには、極限粘度(〔η〕)が0゜80以上、通常
は0.85以上の実質的にポリエチレンテレフタレート
からなるポリマを用いる。
また耐熱性の優れた繊維を得るためには低カルボキシル
末端基濃度のポリマを紡糸することが好ましい。例えば
低温重合法を採用したり、重合工程、または紡糸工程で
封鎖剤を添加する等の技術が適用される。封鎖剤として
は例えばオキサゾリン類、エポキシ類、カルボジイミド
類、エチレンカーボネート、シュウ酸エステル、マロン
酸エステル類等である。
ポリアミド鞘成分、および芯成分としてポリエステルと
混合するポリアミドポリマは硫酸相対粘度で2.8以上
、好ましくは3.0以上の高重合度ポリマを用いる。芯
成分の一部として用いるポリアミドポリマは鞘成分とし
て用いるポリマと同様のものが好ましいが、必ずしも同
じでなくとも本発明効果を得ることができる。
該ポリマの溶融紡糸には2基のエクストルーダー型紡糸
機を用いることが好ましい。一方のエクストルーダーで
溶融された芯成分用のポリエステルとポリアミドの混合
ポリマ及び他方のエクストルーダーで溶融された鞘成分
用ポリアミドポリマをそれぞれ複合紡糸パックに導き、
複合紡糸用口金を通して芯部にポリエステルとポリアミ
ドの混合ポリマな、鞘部にポリアミドを配した複合繊維
として紡糸する。
紡糸速度は1500m/分以上、好ましくは2000m
/分以上の高速とする。紡糸口金直下には10cm以上
、1m以内にわたって200℃以上、好ましくは260
℃以上の高温雰囲気とし、該高温雰囲気は保温筒、加熱
筒等を設けることによフてなされる。紡出糸条は上記高
温雰囲気中を通過したのち冷風を用いて急冷固化し、次
いで油剤を付与した後紡糸速度を制御する引取りロール
で引取られる。前記口金直下の高温雰囲気の制御は高速
紡糸時の曳糸性を保持する上で極めて重要である。引取
られた未延伸糸は通常−旦巻取ることなく連続して延伸
するが、−旦巻取フた後に別工程で延伸することもでき
る。前記引取りロール上を通過させた直後の未延伸糸の
複屈折はポリアミド鞘部が20X10−3〜40X10
−3、芯部のポリエステル成分の複屈折は20X10−
3以上、好ましくは30X10−3〜70X10−3で
あり、比較的高度に配向している。
本発明に係る複合繊維は前記芯部の主成分であるポリエ
ステルにポリアミドを混合したポリマな用い、高速紡糸
法を採用することによってモジュラス、寸法安定性、及
び耐疲労性の改良効果をもたらすが、更に芯鞘複合界面
の剥離耐久性が著しく改良されるという効果を奏する。
このことは恐ら〈従来の低速紡糸法のように、やや結晶
化の進んだポリアミド成分と非晶状態のポリエステル成
分が組合される場合と異なり、高速紡糸法を採用するこ
とによってポリアミド成分、ポリエステル成分ともに配
向結晶化が進む状態にあること、紡糸後の延伸倍率が少
なくて済むこと等が複合界面の剥離耐久性の改良に著し
く寄与しているものと考えられる。上記高速紡糸法の採
用は本発明に係る複合繊維の芯鞘複合界面の耐久性の改
良に極めて効果的であるが、更に本発明で採用した、芯
の主成分であるポリエステルに30重量%以下のポリア
ミドを混合することによって、−層の芯鞘複合界面の剥
離耐久性が改良されるのである。
以上の通り、本発明に係る複合繊維を得る新規な製法上
の特徴は高速紡糸法の採用と、芯部の主成分であるポリ
エステルにポリアミドを混合したポリマを用いたことに
よって、芯鞘複合界面の剥離耐久性を著しく改良したこ
とにある。
次に前記未延伸糸は180℃以上、好ましくは210℃
〜240℃の高温て熱延伸される。延伸は2段以上、好
ましくは3段以上の多段で行い、延伸倍率は1.4〜3
.5倍の範囲である。本発明のかかる高温熱延伸の採用
も複合界面耐久性の改良に大きく寄与している。例えば
延伸時における最終段目の延伸温度が低く、160℃未
満ではしばしば延伸によフて芯鞘界面での剥離が起こる
また180℃未満で延伸した場合は、例えばタイヤコー
ドとして用いた時タイヤコード加工工程中、タイヤ加硫
工程中、またはタイヤ走行中に界面剥離がおこることが
確認されており、本発明に係る複合繊維を得る方法とし
て高温延伸が極めて重要である。
かくして得られる繊維は前記本発明複合繊維の特徴を有
する。
次に実施例に基づいて説明するが、本発明明細書本文、
及び実施例中に記載した繊維特性、コード特性の定義、
及び測定法は次の通りである★芯のポリエステル成分繊
維の特性 試料はポリアミド成分を蟻酸で溶解除去し、ポリエステ
ル芯繊維部分を測定に供した。
(イ)極限粘度(〔η〕): 試料をオルソクロロフェノール溶液に溶解し、オストワ
ルド粘度計を用いて25℃で測定した。
(ロ)複屈折(Δn): 日本光学(株)製′ニコンPOH型′偏光顕微鏡を用い
、通常のベレックコンペンセーター法により、光源にナ
トリウム−D線を用いて測定した。
(ハ)密度(ρ): 四塩化炭素を重液、n−へブタンを軽液として作製した
密度勾配管を用い、25℃で測定した。
(ニ)カルボキシル末端基濃度(COOH):試料1g
をオルソクレゾール20 m lに溶解し、完全溶解後
冷却してからクロロホルム40m1を加え、カセイソー
ダのメタノール溶液にて電位差滴定によフで求めた。
★ポリアミド鞘成分繊維の特性 (ホ)硫酸相対粘度(ηr): 試料のポリアミド成分1gを98%硫酸25ccに溶解
し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。ポ
リアミド成分の重量は複合*維重量と複合比率とから求
めた。
(へ)複屈折(Δn): カールツアイスイエナ社(東独)製透過定量型干渉顕微
鏡による干渉縞法で側面から表層のポリアミド繊維部分
のみを測定した。
(ト)密度(ρ): 複合繊維およびポリエステル繊維成分の密度と複合比率
からポリアミド繊維成分の密度を算出した。
★複合繊維の特性 (チ)強度(T/D) 、伸度(E)、初期引張り抵抗
度(Mi): 強度、初期引張り抵抗度はJIS  Ll017の定義
及び測定法によった。尚、35曲線を得るための引張り
試験の具体的条件は次の通りである。
試料を絽状にとり、20℃、66%RHの温湿度調節さ
れた部屋に24時間以上放置後、″テンシロン UTL
−4L”型引張試験機(オリエンチック(株)製)を用
い、試長2δcm、引張速度30cm/分で測定した。
(す)乾熱収縮率(ΔS+50) : 試料を絽状にとり、20℃165%RHの温湿度調節室
で24時間以上放置した後、試料のO6Ig/d に相
当する荷重を掛けて測定した長さLoの試料を無緊張状
態で150℃のオーブン中で30分間処理する。処理後
のサンプルを風乾し、上記温湿度調節室で24時間以上
放置し、再び上記荷重をかけて測定した長さLlから次
式によって算出した。
乾熱収縮率(%)= ((L+−Lo)/L+)×10
0 (ヌ)動的弾性率(E’ 20. E’ 150) 、
および主分散ピーク温度(Tα): (株)オリエンティック社製” V i b r o 
nDDV−II”を用い、振動数110H2)昇温速度
り℃/分で空気浴中で測定した。
★複合繊維コードの特性 (ル)強度(T/D)、伸度(E)、初期引張り抵抗塵
(Mi)、及び中間伸度(ME):前記繊維の場合と同
様に測定した。中間伸度は下記式で定める強力を示す時
の伸度とした。
(6,75XDXn)/ (1500X2)Icg但し
、D:延伸糸繊度 n:合撚糸数 例えば、延伸糸繊度1500デニール糸を2本合撚糸し
たコード1500/2は6.75kgの時の伸度が中間
伸度である。
(オ)乾熱収縮率(Δ5177) : 熱処理温度を177℃とした以外は前記(す)項の複合
繊維と同様に測定した。
(ワ)GY疲労寿命: JIS  L1017−1.3.2.IA法に準拠した
。但し曲げ角度は900とした。
(力)GD疲労: JIS  L1017−1.3.2.2に準拠した。但
し伸長6.3%、圧縮12.6%とした。
(ヨ)接着性: JIS  L101?−3,3,IA法によフた。
(り)耐熱接着性: 加硫時の熱処理を170℃で60分とした以外上記(ヨ
)項と同様の方法で評価した。
(し)ゴム中耐熱性: ゴムシート上に並べたデイツプコードを、別に用意した
ゴムシートでサンドイッチ状に挟み、170℃に加熱し
たプレス機で50kg/cm2の圧力下に3時間熱処理
した。熱処理前後のコード強力を測定し、強力保持率を
求めて耐熱性の尺度とした。
〔実施例〕
〈実施例−1〜−4、比較例−(1) 、−(2)>極
限粘度(η)1.04、カルボキシル末端基濃度10.
2eq/106gのポリエチレンテレフタレート(P 
E T)および沃化鋼0.02重量%、沃化カリウムo
、i重量%を含むナイロン66(N66:硫酸相対粘度
ηr3.2)を85:15重量比で混合して芯成分とし
、一方上記と同じN66を鞘成分としてそれぞれ40φ
工クストルーダー型紡糸機で溶融し、複合紡糸パックに
導き、芯鞘複合紡糸口金より芯部にPETとN66混合
ポリマ、鞘部にN66の複合Wc維として紡出した。芯
成分及び鞘成分の割合は第1表のように変化させた。口
金は孔径0.4mmφ、孔数120ホールを用いた。ポ
リマー温度は芯部のPETとN66の混合ポリマを29
5℃、鞘部のN66を290℃でそれぞれ溶融し、紡糸
パック温度を295℃として紡出した。口金直下には1
5cmの加熱筒を取り付け、筒内雰囲気温度を290℃
となるように加熱した。雰囲気温度とは口金面より10
cm下の位置で、且つ最外周糸条より1cm離れた位置
で測定した雰囲気温度である。加熱筒の下には長さ12
0cmの横型ユニフローチムニ−を取り付け、糸条に直
角方向から20℃の冷風を30m/分の速度で吹き付け
、急冷した。
ついで油剤を付与した後、第1表に示した速度で回転す
る引取りロールで糸条速度を制御した後、−旦巻取るこ
となく連続して延伸した。延伸は5対のネルソン型ロー
ルによって3段延伸したのち3%のリラックスを与えて
弛緩熱処理して巻き取った。延伸条件は、引取りロール
温度を60℃、第1延伸ロール温度を120℃、第2延
伸ロール温度を190℃、第3延伸ロール温度を225
℃、延伸後の張力調整ロールは非加熱とし、1段延伸倍
率は全延伸倍率の70%、残りを2段階に配分し延伸し
た。紡糸速度、全延伸倍率等を変化させて製糸したが、
延伸糸の繊度が約500デニールとなるよう紡糸速度、
延伸倍率に対応させて吐出量を変化させた。得られた延
伸糸は3本合糸して1500デニールとした。
製糸条件を第1表に示した。得られた延伸糸特性、及び
繊維構造パラメーターは第2表における実施例−1〜−
4に示す通りであった。また市販のタイヤコード用PE
T繊維(1500D−288f i l−702C)(
比較例−(1)) 、およびN66繊維(1280D−
204f i 1−1781)(比較例−(2))の特
性についての測定結果を第2表に示した。
本発明複合繊維の粘弾性特性は多量のN66成分を含む
にも拘わらずポリエステルに近似した特性を有するとい
う、極めて特異であることを示している。
前記の本発明に係る複合繊維(実施例−1〜4)、およ
びPET繊維(比較例−(1))を用い、それぞれ上撚
および下撚を反対方向に407/10cmづつかけて1
500D/2の生コードとした。
但し、N66繊維(比較例−(2))は撚数を39T/
10cmとし、1260D/2の生コードとした。
本発明に係る複合繊維(実施例−1〜−4)からなる生
コードはリツラー社製ディッピング機によって常法によ
って接着剤付与及び熱処理をしてデイツプコードとした
。デイツプ液は20%のレゾルシン、ホルマリン、ラテ
ックスよりなる接着剤成分を含み、接着剤成分がコード
に約4%付着するよう調整した。熱処理は225℃で8
0秒、デイツプコートの中間伸度が約5%となるようス
トレッチをかけながら処理した。
N66繊維(比較例−(2))からなる生コードは本発
明に係る複合繊維(実施例−1〜4)の場合と同様の熱
処理条件で、また中間伸度は通常のN66タイヤコード
に適用される約9%に設定してストレッチし、熱処理し
た。
またPET繊維(比較例−(1))からなる生コードは
常法により2浴接着処理を行い、熱処理は240℃、1
20秒行い、中間伸度は通常のPETタイヤコードに適
用される約5%に設定してストレッチし、熱処理した。
かくして得られたデイツプコードについてゴム中耐熱性
、接着性、耐疲労性等のタイヤコード特性を同時に評価
し、その結果を第3表に示した。
本発明に係る接金*mデイツプコードは従来のPET繊
維からなるデイツプコードと同等以上のモジュラス、寸
法安定性を有し、かつ箸しく改良されたゴム中耐熱性、
耐熱接着性、及び耐疲労性を有する高強力デイツプコー
ドであることを示している。
〔発明の効果〕
本発明複合繊維はポリエステル繊維に比較してゴム中耐
熱性、接着性、特に高温履歴を受けた後の耐熱接着性、
及び耐疲労性が著しく改良され、一方、ポリアミド繊維
では達成できなかった、ハイモジュラスと寸法安定性を
兼備した、耐久性に優れた高強度複合wc維を提供する
ものである。そのため、例えばタイヤコードとして用い
るとタイヤ走行時の耐久性が極めて良好となる。そこで
比較的大型のライトトラック、及びトラック、バス用の
タイヤコードとして、またレーシングカーや高速走行す
る乗用車のように高速耐久性の要求されるタイヤ種のコ
ード素材として最適である。
また本発明複合繊維は上記優れた特徴を有するので、タ
イヤコード以外のゴム補強材、例えば伝動ベルト、コン
ベヤーベルト、ゴムホース、空気バネ等としては勿論、
一般の産業資材用途、例えば縫糸、シートベルト、漁網
、カーシート、スリング、ケーブル、ロープ等に有用で
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)耐久性の優れた高強度複合繊維において、ポリエ
    ステルポリマを主成分とし、30重量%以下のポリアミ
    ド成分が混合されており、鞘部を形成するポリマーはポ
    リアミド成分からなり、前記芯部の割合が30〜90重
    量%であり、該芯部の主成分であるポリエステルの極限
    粘度(〔η〕)が0.8以上、複屈折(Δn)が160
    ×10^−^3〜190×10^−^3、密度(ρ)が
    1.395g/cm^3以上であり、前記鞘部のポリア
    ミド成分の硫酸相対粘度(ηr)が2.8以上、複屈折
    (Δn)が50×10^−^3以上、密度(ρ)が1.
    135g/cm^3以上であり、前記と芯部、鞘部を形
    成するポリマがそれぞれ高配向、高結晶繊維構造を形成
    してなることを特徴とする耐久性の優れた高強度複合繊
    維。
  2. (2)特許請求の範囲第1項に記載の耐久性の優れた高
    強度複合繊維を110Hzで測定した20℃及び150
    ℃の動的弾性率(E’_2_0、E’_1_5_0)が
    それぞれ8×10^4dyne/d以上、3×10^4
    dyne/d以上で、かつ力学的正接損失(tanδ)
    曲線における主分散ピーク温度(Tα)が140℃以上
    であることを特徴とする耐久性の優れた高強度複合繊維
  3. (3)特許請求の範囲第1項に記載の耐久性の優れた高
    強度複合繊維の強度(T/D)が7.5g/d以上、初
    期引張り抵抗度(Mi)が60g/d以上、150℃で
    測定した乾熱収縮率(ΔS_1_5_0)が7%以下で
    あることを特徴とする耐久性の優れた高強度複合繊維。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002371434A (ja) * 2001-06-15 2002-12-26 Toray Monofilament Co Ltd 複合モノフィラメント
JP2005178776A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Goodyear Tire & Rubber Co:The ブレンド複合材繊維コードを有する空気入りタイヤ
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