JP2817269B2 - 芯鞘複合繊維 - Google Patents

芯鞘複合繊維

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JP2817269B2 JP1277508A JP27750889A JP2817269B2 JP 2817269 B2 JP2817269 B2 JP 2817269B2 JP 1277508 A JP1277508 A JP 1277508A JP 27750889 A JP27750889 A JP 27750889A JP 2817269 B2 JP2817269 B2 JP 2817269B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は産業用資材用途、特にゴム補強材に適した高
強度高弾性繊維に関するものである。更に詳しくは高強
度、ハイモジュラス、改良された寸法安定性等の優れた
機械特性を有し、かつゴムとの接着性、ゴム中における
耐熱性、及び耐疲労性等の改良されたゴム補強用複合繊
維を提供することにある。
[従来の技術] ナフタレートポリエステル繊維を代表するエチレンナ
フタレン−2,6−ジカルボキシレートを主成分とするポ
リエチレン−2,6−ナフタレート(以下2,6−PENとい
う)からなる繊維は高強度、ハイモジュラス、高いゴム
中耐熱性を有し、各種産業資材、特にタイヤコード、伝
動用ベルト、搬送用ベルト等のゴム補強材としての用途
開発が進められつつある。
従来から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等のポリエステル繊維の欠点であるゴム
との接着性を改良しようとする試みは数多く提案されて
おり、その一つとして最近ポリエステルの表層をポリア
ミドで被覆する方法が例えば特開平1−97212号公報に
開示されている。さらに、該特開平1−97212号公報に
はポリエステルを芯にナイロン66を鞘にした複合繊維に
ついて、それぞれの成分ポリマの重合度および芯部ポリ
マの割合を特定した製糸方法について記載されている。
[発明が解決しょうとする課題] 前記特開平1−97212号公報に記載された複合繊維は
接着性、耐久性等が改善されているが、高速で走行する
乗用車、トラック、バス、オフロードカー等の苛酷な条
件で使用するタイヤにおいては満足されるものではな
く、尚一層改善された耐久性と、乗り心地が要求される
という課題を有する。
また、前記特開平1−97212号公報に記載された芯鞘
型の繊維は鞘のポリアミド成分により改良されたゴムと
の接着性をもたせ、芯のポリエステル成分によってモジ
ュラスや寸法安定性を保持しようとしたものであった。
該方法によって確かに接着性は十分に改良されるもの
の、モジュラス、寸法安定性はポリエステル繊維の有す
るモジュラスと寸法安定性を十分保持することはできな
いという問題を有していた。
一方、前記の2,6−PEN繊維はゴムとの接着性に劣り、
特に高温雰囲気下で長時間繰り返し曝れるとゴムとの接
着力が著しく低下する。特にタイヤコードとして用いた
時、自動車走行時に発生した熱がタイヤ内に蓄積されて
高温となりゴムとの接着力を失い剥離してしまうことが
あり、またタイヤがうける繰り返し圧縮伸張によりタイ
ヤコードが破断してしまうという問題を有していた。
本発明の目的は、前記の従来技術における問題を克服
することにより、ゴムとの接着性に優れ、従来の複合繊
維に比較して著しく改良された寸法安定性、ハイモジュ
ラス、ゴム中耐熱性及び耐疲労性の改良されたゴム補強
用に好適な複合繊維を提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記目的を達成するために、本発明の芯鞘複合繊維
は、芯成分がエチレンナフタレン−2,6−ジカルボキシ
レートを主成分とするポリエチレン−2,6−ナフタレー
トからなり、鞘成分がポリアミドからなる芯鞘複合繊維
であって、複合繊維に占める芯成分の割合が30〜90重量
%であり、芯成分の極限粘度[η]が0.5以上、複屈折
が230×10-3〜350×10-3、密度が1.340g/cm3以上であ
り、かつ、鞘成分の硫酸相対粘度ηrが2.8以上、複屈
折が45×10-3以上、密度が1.135g/cm3以上であることを
特徴とする。
さらに、その芯鞘複合繊維は、強度が6.0g/d以上、伸
度が20%以下、初期引張り抵抗度が150g/d以上、かつ、
乾熱収縮率が3%以下という物性を有することができ
る。
前記の本発明に係る芯鞘複合繊維は芯成分が2,6−PE
N、鞘成分がポリアミドであり、これらの芯成分および
鞘成分の割合、芯成分および鞘成分の物性を特定の範囲
で組合わせることによって、従来の複合繊維では達せら
れなかった、著しく改良された寸法安定性、ハイモジュ
ラス、耐熱性、耐疲労性、及び芯鞘複合界面のポリマの
剥離耐久性等に優れた産業用用途、特にゴム補強用繊維
が得られる。
本発明に係る芯鞘複合繊維の芯成分となる2,6−PENは
実質的にエチレンナフタレン−2,6−ジカルボキシレー
トを主成分とし、必要に応じて2,6−PENの物理的、化学
的特性を実質的に低下させない程度、例えば10%未満の
共重合成分を含んでもよい。共重合成分としてはイソフ
タル酸、ジフェニルジカルボン酸等のジカルボン酸、及
びエチレンオキサイド、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール等のジオール成分、あるいは他の成分等が
用いられる。
本発明に係る芯鞘複合繊維に用いられる2,6−PENの極
限粘度〔η〕は0.5以上とすることによって得られる芯
鞘複合繊維の強度を6.0g/d以上となすことができる。
一方、本発明に係る芯鞘複合繊維の鞘成分として用い
られるポリアミドやポリカプラミド、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリヘ
キサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカミ
ド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサ
メチレンイソフタルアミド等であり、中でもポリヘキサ
メチレンアジパミド系ポリマが好ましく用いられる。ま
た、前記のポリアミドには特に強度などの物性を実質的
に低下させない程度に、ポリヘキサメチレンアジバミド
に対して例えば10%未満のε−カプラミド、テトラメチ
レンアジパミド、ヘキサメチレンセバカミド、ヘキサメ
チレンドデカミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等の成分を共
重合したり、あるいはブレンドしてもよい。
また前記のポリアミドには、必要に応じて、本発明繊
維の強度などの物性を低下させない程度に、他の物性を
付加する熱酸化劣化防止剤、艶消剤、顔料、光安定剤、
熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染色性向上剤、接
着性向上剤等を添加することができる。特に熱酸化劣化
防止剤としては銅塩、及びその他の有機、無機化合物が
添加できる。産業用用途として用いる場合は、特に沃化
銅、酢酸銅、塩化銅、ステアリン酸銅等の銅塩を銅とし
て30〜500ppmと沃化カリウム、沃化ナトリュウム、臭化
カリウム等のハロゲン化アルカリ金属を0.01〜0.5重量
%及び/或いは有機、無機の隣化合物を0.01〜0.1重量
%含有させることが好ましい。
本発明に係る芯鞘複合繊維における2,6−PENからなる
芯成分の割合は30〜90重量%である。2,6−PEN成分が30
重量%未満では寸法安定性及び、モジュラスを目的とす
る値まで向上させることができなく、耐熱性も改善され
ない。2,6−PEN芯成分が90重量%以上を越えると、複合
繊維の柔軟性が失われて耐疲労性が低下する。
本発明に係る芯鞘複合繊維は2,6−PEN芯成分、および
ポリアミド鞘成分のいずれも高度に配向、結晶化してい
ることが特徴である。すなわち2,6−PEN芯成分の複屈折
は230×10-3〜350×10-3である。複屈折が230×10-3
満では複合糸の強度6.0g/d以上、初期引張り抵抗度150g
/d以上を達することはできない。
一方、ポリアミド鞘成分の複屈折は45×10-3以上と高
配向である。複屈折が45×10-3以上とすることによって
高強度で高い初期引張り抵抗度を有する複合繊維が得ら
れる。複屈折が40×10-3未満の場合には本発明の他の要
件を満足したとしても、高強度で高い初期引張り抵抗度
を有する芯鞘複合繊維が得られない。
密度は2,6−PEN芯成分が1.340g/cm3以上、ポリアミド
鞘成分が1.135g/cm3以上であり、高度に結晶化してい
る。密度がそれぞれ上記の値以上となすことによって芯
鞘複合繊維の寸法安定性、耐疲労性、およびゴム中耐熱
性が改良される。
前記の様に本発明に係る芯鞘複合繊維は6.0g/d以上の
高強度、150g/d以上の初期引張り抵抗度を有し、伸度は
20%以下とできる。より好ましい複合繊維特性は強度7.
0g/d以上、初期引張り抵抗度200g/d以上、伸度は8〜16
%であり、これは前記条件を適正に組合わせることによ
って達せられる。
本発明に係る複合繊維は以下に詳述する新規な方法に
よって製造される。
前記した2,6−PEN芯成分の物性を得るためには、極限
粘度〔η〕が0.5以上、通常は0.6以上の実質的にエチレ
ンナフタレン−2,6−ジカルボキシレートからなるポリ
マを用いる。
ポリアミド鞘成分ポリマは硫酸相対粘度で2.8以上、
通常は3.0以上の高重合度ポリマを用い溶融紡糸され
る。
該ポリマの溶融紡糸には2基のエクストルーダー型紡
糸機を用いる。芯成分2,6−PENポリマは300〜330℃の溶
融温度で一方のエクストルーダーで溶融され、鞘成分の
ポリアミドポリマは280〜310℃で他方のエクストルダー
で溶融される。それぞれのポリマーを300〜310℃の温度
の複合紡糸装置に導き、複合紡糸用口金を通して芯部に
2,6−PEN、鞘部にポリアミドを配した複合繊維として紡
糸する。
紡糸速度は1000m/分以上、好ましくは1500m/分以上の
高速とする。紡糸口金直下に10cm以上、1m以内にわたっ
て200℃以上、好ましくは260℃以上の加熱雰囲気を、保
温筒、加熱筒を設けることによって作る。紡出糸条は上
記加熱雰囲気中を通過した後冷風で急冷固化され、つい
で油剤を付与された後紡糸速度を制御する引取ロールで
引取られる。
前記口金直下の加熱雰囲気の制御は本発明の高速紡糸
時の曳糸性を保持するため重要である。引取られた未延
伸糸は通常一旦巻き取ることなく連続して延伸するか、
もしくは一旦巻き取った後、別工程で延伸される。延伸
前の未延伸糸の物性を把握する目的で引取ロール上を通
過させた後サンプリングした未延伸糸の複屈折はポリア
ミド鞘部が20×10-3以上、好ましくは30×10-3以上、2,
6−PEN芯部も70×10-3以上、好ましくは80×10-3以上、
と高度に配向している。
高速紡糸の採用は複合繊維の高温時の寸法安定性、お
よび耐久性の改良効果をもたらすが、驚くべきことに芯
鞘複合界面の剥離耐久性が著しく改良される。おそらく
従来の低速紡糸法のように、吸湿結晶化の進んだポリア
ミド成分と非晶状態の2,6−PEN成分が組合される場合と
異なり、高速紡糸法ではポリアミド成分と2,6−PEN成分
との双方の配向結晶化が進んでいること、紡糸後の延伸
倍率が少なくて済むこと等が複合界面の剥離耐久性に寄
与しているものと考えられる。
次に前記の未延伸糸は180℃以上、好ましくは200℃以
上の温度で熱延伸される。延伸は2段以上、通常は3段
以上の多段で行い、延伸倍率は1.1〜4.0の範囲である。
本発明のかかる高温熱延伸の採用も複合界面の剥離耐
久性の改良に寄与している。
前記の延伸による延伸温度が低い場合、例えば160℃
未満ではしばしば延伸時に芯と鞘との界面剥離が生じ、
また180℃未満で延伸した場合は、例えばタイヤコード
として用いる場合においてはタイヤコード加工工程中、
加硫工程中、またはタイヤ走行中に界面剥離が起こるこ
とが確認されている。
かくして得られる繊維は前記の本発明に係る芯鞘複合
繊維の特徴を有する。
次に実施例に基づいて説明するが、本発明の明細書本
文、および実施例中に記載した繊維特性、コード特性の
定義及び測定方法は次の通りである。
芯繊維の物性 (イ)極限粘度〔η〕: 試料をフェノールとオルトジクロロベンゼン混合溶液
(混合比6:4)に溶解し、オストワルド粘度計を用いて2
5℃で測定した。
(ロ)複屈折: カールツアイスイエナ社(東独)製透過定量型干渉顕
微鏡を用いて、干渉縞法によって繊維の側面から観察し
た平均複屈折を求めた。試料はポリアミド成分を蟻酸で
溶解除去し、芯成分を測定した。
(ハ)密度: 四塩化炭素を重液、n−ヘプタンを軽液として製作し
た密度勾配管を用い、25℃で測定した。試料はポリアミ
ド成分を蟻酸で溶解除去し、芯成分を測定した。
ポリアミド鞘成分の物性 (イ)硫酸相対粘度ηr: 試料0.25gを98%硫酸25ccに溶解し、オストワルド粘
度計を用いて25℃で測定した。
(ロ)複屈折: 芯成分と同様透過定量型干渉顕微鏡による干渉縞法で
側面から表層のポリアミド成分の部分のみを測定した。
(ハ)密度: 複合繊維の密度と芯成分の密度から計算によって求め
た。
複合繊維の物性 (イ)強度、伸度、初期引張り抵抗度: 強度、伸度、初期引張り抵抗度はJIS L1017の定義及
び測定法によった。尚、SS曲線を得るための引張り試験
の具体的条件は次の通りである。
試料を綛状にとり、20℃、65%RHの温湿度調整された
部屋に24時間以上放置後、“テンシロンUTL−4L"型引張
試験機(オリエンテック(株)製)を用い、試長25cm、
引張速度30cm/分で測定した。
乾熱収縮率: 試料を綛状にとり、20℃、65%RHの温湿度調整された
部屋に24時間以上放置後、試料の0.1g/dに相当する荷重
を掛けて測定した長さLの試料を無緊張状態で150℃の
オーブン中で30分間処理する。処理後のサンプルを風乾
し、上記温湿度調節室で24時間以上放置後、再度上記荷
重を掛けて測定した長さL0から次式によって算出した。
乾熱収縮率=(L−L0)/L×100 複合繊維コードの特性 (イ)強度、伸度、及び中間伸度: 前記繊維の場合と同様に測定した。中間伸度は下記式
で定める強力を示す時の伸度をいう。
(4.5×D×n)/(1000×2)Kg 但し、D:延伸糸繊度 n:合撚糸数 例えば、延伸糸繊度1500デニール糸を2本合撚糸した
コード1500/2は6.75Kgの時の伸度が中間伸度である。
(ロ)乾熱収縮率: 処理温度を177℃とした以外は、前記複合繊維と同様
に測定した。
(ハ)GY疲労寿命: JIS L1017−1.3.2.1A法に準拠した。但し曲げ角度は
90゜とした。
(ニ)GD疲労寿命 JIS L1017−1.3.2.2に準拠した。但し伸張6.3%、圧
縮12.6%とした。
(ホ)接着性: JIS 1017−3.3.1Aによった。
(ヘ)耐熱接着性: 加硫時の熱処理を170℃で60分とした以外上記(ホ)
項と同様の方法で評価した。
(ト)ゴム中耐熱性: ゴムシート上に並べたディップコードを、別に用意し
たゴムシートでサンドイッチ状に挟み、170℃に加熱し
たプレス機で50kg/cm2の圧力下に3時間熱処理した。処
理前後のコード強力を測定し、強力保持率を求めて耐熱
性の尺度とした。
[実施例] 実施例1 極限粘度〔η〕0.8の2,6−PEN或いは極限粘度[η]
1.2のPETと、沃化銅0.02重量%と沃化カリウム0.1重量
%を含む硫酸相対粘度ηr3.3のヘキサメチレンアジパミ
ドとをそれぞれ40φエクストルーダー型紡糸機で溶融
し、複合紡糸パックに導き、芯鞘複合紡糸口金より芯に
2,6−PEN或いはPET、鞘部にヘキサメチレンアジパミド
の複合繊維として紡出した。芯成分及び鞘成分の割合は
表1の様に変化させた。口金は孔径0.4mmφ、孔数120ホ
ールを用いた。ポリマー温度は2,6−PENを305℃或いはP
ETを295℃、ヘキサメチレンアジパミドを290℃でそれぞ
れ溶融し、紡糸パック温度を300℃として紡出した。口
金直下には15cmの加熱筒を取り付け、筒内雰囲気温度を
300℃となるよう加熱した。筒内雰囲気温度とは口金面
より10cm下の位置で、且つ最外周糸条より1cm離れた位
置で測定した雰囲気温度である。加熱筒の下には長さ40
cmの環状型チムニーを取り付け、糸条の周囲より20℃で
40cm/分の冷風を糸条に直角に吹きつけ、冷却した。つ
いで油剤を付与した後、表1に示した紡糸速度で回転す
る引取ロールで糸条速度を制御しつつ引取った後一旦巻
き取ることなく連続して延伸した。延伸は5対のネルソ
ン型ロールによって3段延伸した後3%のリラックスを
与えて弛緩熱処理して巻き取った。延伸条件は、引取ロ
ール温度を60℃、第1延伸ロール温度を120℃、第2延
伸ロール温度を190℃、第3延伸ロール温度を220℃、延
伸後の張力調整ロールは非加熱とし、1段延伸倍率は全
延伸倍率の70%、残りを2段にわけて配分し延伸した。
紡糸速度、延伸倍率に対応させて吐出量を変化させて製
糸したが、延伸糸の繊度が約500デニールとなるよう紡
糸速度、延伸倍率に対応させて吐出量を変化させた。得
られた延伸糸は3本合糸して1500デニールとした。
製糸条件、得られた延伸糸特性、及び繊維構造物性
を、市販のタイヤコード用ナイロン66繊維(1260−204
−1781)(比較例6)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)繊維(1500−288−702C)(比較例5)、及び試
験的に製糸した2,6−PEN単成分繊維(比較例4)のそれ
らと合わせ表1に示した。
実施例2 実施例1で得た延伸糸を用い、上撚り及び下撚りをそ
れぞれ反対方向に40T/10cmづつかけて1500/2の生コード
とした。但し、比較例6のN66繊維は撚り数を39T/10cm
とし、1260/2の生コードとした。この生コードをリツラ
ー社製ディッピング機によって接着剤付与および熱処理
してディップコードとした。
ディップ液は20%のレゾルシン、ホルマリン、ラテッ
クスよりなる接着剤成分を含み、接着剤成分がコードに
4%付着するよう調整した。熱処理は225℃で80秒、デ
ィップコードの中間伸度が約5%となるようストレッチ
をかけながら処理した。
ナイロン66繊維は同様処理条件で、中間伸度が約9%
となるようストレッチして処理した。またPET繊維と2,6
−PEN単成分繊維は常法により2浴接着処理を行い、熱
処理は240℃、120秒行い、中間伸度が約5%となるよう
ストレッチして処理した。
かくして得られたディップコードについてゴム中耐熱
性、接着性、耐疲労性等を評価し表2に示した。
本発明複合繊維ディップコードは従来のポリエステル
ディップコードと同等以上の寸法安定性を有し、且つ著
しく改良されたモジュラス、ゴム中耐熱性、耐熱接着
性、及び耐疲労性を有する高強力ディップコードである
ことを示している。
[発明の効果] 本発明複合繊維は従来の複合繊維に比べ著しく改良さ
れた寸法安定性、及びモジュラス、ゴム中耐熱性を有
し、且つ接着性、特に高温履歴を受けた後の耐熱接着
性、及び耐疲労性が著しく改良されている。そのため、
例えばタイヤコードとして用いるとタイヤ走行時の繰り
返し疲労、及び走行時の発熱に対する耐久性が極めて良
好となる。そこで比較的大型の乗用車、ライトトラッ
ク、及びトラック、バス用のタイヤコードとして有用で
きる。特に大型のラジアルタイヤのカーカスコードとし
て最適である。
また本発明複合繊維は上記優れた物性を有するので、
タイヤコード以外のゴム補強材としては勿論、一般の産
業資材用途にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/62 306 D01F 6/62 306T (56)参考文献 特開 平3−74203(JP,A) 特開 昭48−28717(JP,A) 特公 昭50−20723(JP,B2) 特公 昭47−5212(JP,B1) 特公 昭44−14897(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 8/12 - 8/14 D01F 6/62 306 B60C 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯成分がエチレンナフタレン−2,6−ジカ
    ルボキシレートを主成分とするポリエチレン−2,6−ナ
    フタレートからなり、鞘成分がポリアミドからなる芯鞘
    複合繊維であって、複合繊維に占める芯成分の割合が30
    〜90重量%であり、芯成分の極限粘度[η]が0.5以
    上、複屈折が230×10-3〜350×10-3、密度が1.340g/cm3
    以上であり、かつ、鞘成分の硫酸相対粘度ηrが2.8以
    上、複屈折が45×10-3以上、密度が1.135g/cm3以上であ
    ることを特徴とする芯鞘複合繊維。
  2. 【請求項2】複合繊維の強度が6.0g/d以上、伸度が20%
    以下、初期引張り抵抗度が150g/d以上、かつ、乾熱収縮
    率が3%以下であることを特徴とする請求項1記載の芯
    鞘複合繊維。
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