JP2657783B2 - 水溶性フタロシアニン色素 - Google Patents
水溶性フタロシアニン色素Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターキス色の水溶
性フタロシアニン色素に関する。更に詳しくは、分子構
造中に反応基として2個の塩素原子で置換されたピリミ
ジニル基と、ビニルスルホン型反応基とを併有し、特
に、セルロース及び含窒素繊維に対する低温域での反応
固着性に優れた水溶性フタロシアニン色素に関するもの
である。
性フタロシアニン色素に関する。更に詳しくは、分子構
造中に反応基として2個の塩素原子で置換されたピリミ
ジニル基と、ビニルスルホン型反応基とを併有し、特
に、セルロース及び含窒素繊維に対する低温域での反応
固着性に優れた水溶性フタロシアニン色素に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロース及び含窒素繊維染色用
の反応性染料としては、例えば、下記の構造式で示され
るようなフタロシアニン係水溶性染料が知られている
(特公昭38−26488号公報参照)。
の反応性染料としては、例えば、下記の構造式で示され
るようなフタロシアニン係水溶性染料が知られている
(特公昭38−26488号公報参照)。
【0003】
【化3】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のフタロシアニン係染料は、水に対する溶解
性が低いうえ、これを用いて吸尽法により繊維の染色を
行った場合、染色温度が80℃程度のときは温度の影響
は比較的少ないが、50〜60℃程度の低温域での繊維
への反応固着性が悪く、良好な染色物は得られず、酸ブ
リード性も悪いという欠点があった。従来のフタロシア
ニン系染料このような欠点は、単に温度依存性が不良で
あるばかりでなく、染色工場における省エネルギーの観
点からも不利であるという欠点があった。
ような従来のフタロシアニン係染料は、水に対する溶解
性が低いうえ、これを用いて吸尽法により繊維の染色を
行った場合、染色温度が80℃程度のときは温度の影響
は比較的少ないが、50〜60℃程度の低温域での繊維
への反応固着性が悪く、良好な染色物は得られず、酸ブ
リード性も悪いという欠点があった。従来のフタロシア
ニン系染料このような欠点は、単に温度依存性が不良で
あるばかりでなく、染色工場における省エネルギーの観
点からも不利であるという欠点があった。
【0005】本発明は、上記の従来の諸欠点を解決し得
るように、特に、低温域でのセルロース及び含窒素繊維
に対する反応固着性に優れ、かつ、各種染色堅ろう度も
良好な新規な水溶性フタロシアニン系色素を提供するこ
とを目的とする。
るように、特に、低温域でのセルロース及び含窒素繊維
に対する反応固着性に優れ、かつ、各種染色堅ろう度も
良好な新規な水溶性フタロシアニン系色素を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成すべく検討を進めた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、遊離酸の形態で、一般式[I]
的を達成すべく検討を進めた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、遊離酸の形態で、一般式[I]
【0007】
【化4】
【0008】{一般式[I]において、Pcは金属含有
又は金属非含有のフタロシアニン残基を表わし、R1は
水素原子、メチル基又はエチル基を表わし、Aは置換基
を有していてもよいフェニレン基又はナフチレン基を表
わし、Xは−SO2CH=CH2基、又は−SO2CH
2CH2W基(ここで、Wはアルカリの作用によって脱
離する基を示す。)を表わし、Yは−N(R2)(CH
2)n N(R 3 )−基(ここで、R2及びR3はそれぞ
れ水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは0〜6
の整数を示す。)を表わし、Zは下記一般式[II]
又は金属非含有のフタロシアニン残基を表わし、R1は
水素原子、メチル基又はエチル基を表わし、Aは置換基
を有していてもよいフェニレン基又はナフチレン基を表
わし、Xは−SO2CH=CH2基、又は−SO2CH
2CH2W基(ここで、Wはアルカリの作用によって脱
離する基を示す。)を表わし、Yは−N(R2)(CH
2)n N(R 3 )−基(ここで、R2及びR3はそれぞ
れ水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは0〜6
の整数を示す。)を表わし、Zは下記一般式[II]
【0009】
【化5】
【0010】(一般式[II]において、T1〜T3の
2個は塩素原子で、残りはシアノ基又は低級アルキルス
ルホニル基を示す。)で示される基を表わし、また、a
は0〜2の数を表わし、b及びcは1〜3の数を表わ
し、ただしa,b及びcの合計は4以下の数である。}
で示される水溶性フタロシアニン色素を提供するもので
ある。
2個は塩素原子で、残りはシアノ基又は低級アルキルス
ルホニル基を示す。)で示される基を表わし、また、a
は0〜2の数を表わし、b及びcは1〜3の数を表わ
し、ただしa,b及びcの合計は4以下の数である。}
で示される水溶性フタロシアニン色素を提供するもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
遊離酸の形態の前記一般式[I]で示されるフタロシア
ニン色素において、Pcで表わされるフタロシアニン残
基としては、通常、金属含有又は非含有のいずれのもの
でもよいが、とりわけ銅、コバルト又はニッケル金属を
含むフタロシアニン残基が好ましい。
遊離酸の形態の前記一般式[I]で示されるフタロシア
ニン色素において、Pcで表わされるフタロシアニン残
基としては、通常、金属含有又は非含有のいずれのもの
でもよいが、とりわけ銅、コバルト又はニッケル金属を
含むフタロシアニン残基が好ましい。
【0012】Aで表わされる特に好ましい残基は、非置
換のフェニレン基である。一方、Aで表わされる置換フ
ェニレン基としては、例えば、メチル基、エチル基など
の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などの低級
アルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原
子、又はスルホン酸基等で置換されたフェニレン基が挙
げられ、これらの具体例としては下記のものが挙げられ
る。
換のフェニレン基である。一方、Aで表わされる置換フ
ェニレン基としては、例えば、メチル基、エチル基など
の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などの低級
アルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原
子、又はスルホン酸基等で置換されたフェニレン基が挙
げられ、これらの具体例としては下記のものが挙げられ
る。
【0013】
【化6】
【0014】また、Aで表わされるナフチレン基として
は、非置換のナフチレン基又は、例えばスルホン酸基で
置換されたナフチレン基が挙げられ、この置換されたナ
フチレン基の具休例としては、下記のものが挙げられ
る。
は、非置換のナフチレン基又は、例えばスルホン酸基で
置換されたナフチレン基が挙げられ、この置換されたナ
フチレン基の具休例としては、下記のものが挙げられ
る。
【0015】
【化7】
【0016】Xで表わされる−SO2CH2CH2W基
におけるWは、アルカリで脱離する基を表わすが、この
基としては、通常、硫酸エステル基、チオ硫酸エステル
基、リン酸エステル基、酢酸エステル基又はハロゲン原
子などが挙げられ、なかでも硫酸エステル基が特に好ま
しい。
におけるWは、アルカリで脱離する基を表わすが、この
基としては、通常、硫酸エステル基、チオ硫酸エステル
基、リン酸エステル基、酢酸エステル基又はハロゲン原
子などが挙げられ、なかでも硫酸エステル基が特に好ま
しい。
【0017】Yで表わされるジイミノ基、そのなかでも
特に好ましい基としては、例えば−NHNH−基、−N
HC2H4NH−基等が挙げられる。また、Zは下記一
般式[II]
特に好ましい基としては、例えば−NHNH−基、−N
HC2H4NH−基等が挙げられる。また、Zは下記一
般式[II]
【0018】
【化8】
【0019】(一般式[II]において、T1〜T3は
2個の塩素原子で、残りはシアノ基又は低級アルキルス
ルホニル基を示す。)で示されるピリミジニル基であ
り、特に好ましい具体例としては下記のものが挙げられ
る。
2個の塩素原子で、残りはシアノ基又は低級アルキルス
ルホニル基を示す。)で示されるピリミジニル基であ
り、特に好ましい具体例としては下記のものが挙げられ
る。
【0020】
【化9】
【0021】本発明に係るフタロシアニン色素は、遊離
酸の形態又はその塩の形態で存在するが、通常、その塩
としてはシチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩などのアルカリ全属塩又はアルカリ土類金属塩
が好ましい。
酸の形態又はその塩の形態で存在するが、通常、その塩
としてはシチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩などのアルカリ全属塩又はアルカリ土類金属塩
が好ましい。
【0022】本発明に係るフタロシアニン色素は、次の
ようにして製造することができる。例えば、フタロシア
ニンスルホニルクロリドに、次の一般式[III]、す
なわち、H−Y−H…[III]、及び次の一般式[I
V]、すなわち、H−N(R 1 )−A−X、(一般式
[III]及び[IV]において、A、X、Y及びR1
は、それぞれ前記一般式[I]におけると同一の意義を
有する。)で示されるジアミンとモノアミンとを縮合さ
せて得られる下記一般式[V]
ようにして製造することができる。例えば、フタロシア
ニンスルホニルクロリドに、次の一般式[III]、す
なわち、H−Y−H…[III]、及び次の一般式[I
V]、すなわち、H−N(R 1 )−A−X、(一般式
[III]及び[IV]において、A、X、Y及びR1
は、それぞれ前記一般式[I]におけると同一の意義を
有する。)で示されるジアミンとモノアミンとを縮合さ
せて得られる下記一般式[V]
【0023】
【化10】
【0024】(一般式[V]において、Pc、A、X、
Y、R1、a、b及びcは、それぞれ前記一般式[I]
におけると同一の意義を有する。)で示される化合物を
得、次いでこれと、次の一般式[VI]、すなわち、T
4−Z…[VI]、(一般式[VI]において、T4は
ハロゲン原子を衰わし、Zは前記一般式[I]における
と同一の意義を有する。)で示されるピリミジン化合物
とを、水性媒体中、0〜30℃の温度下、pH2〜8に
調整しながら縮合させることにより、本発明に係る水溶
性フタロシアニン色素を得ることができる。
Y、R1、a、b及びcは、それぞれ前記一般式[I]
におけると同一の意義を有する。)で示される化合物を
得、次いでこれと、次の一般式[VI]、すなわち、T
4−Z…[VI]、(一般式[VI]において、T4は
ハロゲン原子を衰わし、Zは前記一般式[I]における
と同一の意義を有する。)で示されるピリミジン化合物
とを、水性媒体中、0〜30℃の温度下、pH2〜8に
調整しながら縮合させることにより、本発明に係る水溶
性フタロシアニン色素を得ることができる。
【0025】本発明に係るフタロシアニン色素は、ま
た、前記一般式[III]で示されるジアミンと前記一
般式[VI]で示されるピリミジン化合物とを縮合させ
て得られる次の一般式[VII]、すなわち、H−Y−
Z…[VII]、(一般式[VII]において、Y及び
Zは前記一般式[I]におけると同一の意義を有す
る。)で示される化合物を、前記一般式[IV]で示さ
れるモノアミンと共に、フタロシアニンスルホニルクロ
リドと縮合させることによっても、製造することができ
る。
た、前記一般式[III]で示されるジアミンと前記一
般式[VI]で示されるピリミジン化合物とを縮合させ
て得られる次の一般式[VII]、すなわち、H−Y−
Z…[VII]、(一般式[VII]において、Y及び
Zは前記一般式[I]におけると同一の意義を有す
る。)で示される化合物を、前記一般式[IV]で示さ
れるモノアミンと共に、フタロシアニンスルホニルクロ
リドと縮合させることによっても、製造することができ
る。
【0026】このようにして得られる本発明に係るフタ
ロシアニン色素は、繊維、布を染色するための染料とし
て、紙、合成樹脂を着色するための色素として、更に、
インクジェット式プリンターなどの色素として広く利用
することができる。本発明に係るフタロシアニン色素
は、特に、セルロース又は含窒素繊維を染色するための
反応性染料として用いた場合の適性が優れている。この
場合の対象繊維としては、通常、木綿、ビスコースレー
ヨン、キュブラアンモニウムレーヨン、麻などのセルロ
ース繊維、又は、ポリアミド、羊毛、絹などの含窒素繊
維が挙げられる。また、これらの繊維と、他の繊維、例
えば、ポリエステル、トリアセテート、ポリアクリロニ
トリルなどとの混合繊維であってもよい。なお、本発明
に係るフタロシアニン色素は、その他の反応性染料又は
分散染料と、適宜、併用して使用することも可能であ
る。
ロシアニン色素は、繊維、布を染色するための染料とし
て、紙、合成樹脂を着色するための色素として、更に、
インクジェット式プリンターなどの色素として広く利用
することができる。本発明に係るフタロシアニン色素
は、特に、セルロース又は含窒素繊維を染色するための
反応性染料として用いた場合の適性が優れている。この
場合の対象繊維としては、通常、木綿、ビスコースレー
ヨン、キュブラアンモニウムレーヨン、麻などのセルロ
ース繊維、又は、ポリアミド、羊毛、絹などの含窒素繊
維が挙げられる。また、これらの繊維と、他の繊維、例
えば、ポリエステル、トリアセテート、ポリアクリロニ
トリルなどとの混合繊維であってもよい。なお、本発明
に係るフタロシアニン色素は、その他の反応性染料又は
分散染料と、適宜、併用して使用することも可能であ
る。
【0027】本発明に係る水溶性フタロシアニン色素を
用いて、セルロース又は含窒素繊維を染色する場合に
は、吸尽法、パディング法、捺染法などの従来から知ら
れている染色法によることができる。なかでも、本発明
に係る水溶性フタロシアニン色素を使用して、被染色物
を吸尽法によって染色する場合には、染色温度が低くて
も被染色物に対して良好な反応固着性を示すので、特に
好ましい。なお、染色に際しては、常法に従って、例え
ば、炭酸ソーダ、炭酸カリ、苛性ソーダ、苛性カリ、リ
ン酸ソーダ、トリクロロ酢酸ソーダなどの酸結合剤と、
芒硝、食塩などの電解質の存在下、染色浴のpHを8〜
12とし、40〜80℃の温度で染色することができ
る。そして、染色後の染色物はソーピング及び水洗処理
した後、乾燥して回収される。
用いて、セルロース又は含窒素繊維を染色する場合に
は、吸尽法、パディング法、捺染法などの従来から知ら
れている染色法によることができる。なかでも、本発明
に係る水溶性フタロシアニン色素を使用して、被染色物
を吸尽法によって染色する場合には、染色温度が低くて
も被染色物に対して良好な反応固着性を示すので、特に
好ましい。なお、染色に際しては、常法に従って、例え
ば、炭酸ソーダ、炭酸カリ、苛性ソーダ、苛性カリ、リ
ン酸ソーダ、トリクロロ酢酸ソーダなどの酸結合剤と、
芒硝、食塩などの電解質の存在下、染色浴のpHを8〜
12とし、40〜80℃の温度で染色することができ
る。そして、染色後の染色物はソーピング及び水洗処理
した後、乾燥して回収される。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
記載例に限定されるものではない。
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
記載例に限定されるものではない。
【0029】[実施例1] (製造例) 銅フタロシアニントリスルホニルクロリド25gを氷水
150mlに人れて懸濁させ、これにエチレンジアミン
2.5g及びアニリン−4−β−スルファートエチルス
ルホン8gを添加し、30℃まで加温して18時間撹拌
し、その間、5%水酸化ナトリウム水溶液によりpH7
に保った。次いで、反応液の温度を0〜5℃に冷却し、
2,3,6−トリクロロ−5−シアノピリミジン8.1
gを添加し、pH7に保ちながら5〜15℃で縮合の完
了するまで撹拌して、遊離酸の形態の下記構造式で示さ
れる本発明に係る銅フタロシアニン色素を得た。
150mlに人れて懸濁させ、これにエチレンジアミン
2.5g及びアニリン−4−β−スルファートエチルス
ルホン8gを添加し、30℃まで加温して18時間撹拌
し、その間、5%水酸化ナトリウム水溶液によりpH7
に保った。次いで、反応液の温度を0〜5℃に冷却し、
2,3,6−トリクロロ−5−シアノピリミジン8.1
gを添加し、pH7に保ちながら5〜15℃で縮合の完
了するまで撹拌して、遊離酸の形態の下記構造式で示さ
れる本発明に係る銅フタロシアニン色素を得た。
【0030】
【化11】
【0031】(染色例) 上記で得られた銅フタロシアニン色素0.2gを水20
0mlに溶解し、芒硝10gと木綿10gを加え、染色
浴の温度を50℃に昇温した後、炭酸ナトリウム4gを
添加して1時間染色を行い、次いで木綿を水洗、ソーピ
ング、水洗、乾燥して、ターキス色に染色された染色物
を得た。この染色における木綿に対する色素の反応固着
性は良好であり、かつ、得られた染色物の酸ブリード性
及び耐光堅ろう度は極めて良好であった。
0mlに溶解し、芒硝10gと木綿10gを加え、染色
浴の温度を50℃に昇温した後、炭酸ナトリウム4gを
添加して1時間染色を行い、次いで木綿を水洗、ソーピ
ング、水洗、乾燥して、ターキス色に染色された染色物
を得た。この染色における木綿に対する色素の反応固着
性は良好であり、かつ、得られた染色物の酸ブリード性
及び耐光堅ろう度は極めて良好であった。
【0032】[実施例2] (製造例) 実施例1に記載の製造例に準じて、遊離酸の形態の下記
構造式で示される本発明に係る銅フタロシアニン色素を
得た。
構造式で示される本発明に係る銅フタロシアニン色素を
得た。
【0033】
【化12】
【0034】(染色例) 上記で得られた銅フタロシアニン色素0.1g、0.2
g又は0.4gをそれぞれ水200mlに溶解し、これ
ら銅フタロシアニン色素の量を変えた3種の色素水溶液
の各々に、芒硝10gと木綿10gを加え、染色浴の温
度を60℃に昇温した後、炭酸ナトリウム4gを添加し
て1時間染色を行い、次いで水洗、ソーピング、水洗、
乾燥して、3種のターキス色に染色された木綿の染色物
を得た。
g又は0.4gをそれぞれ水200mlに溶解し、これ
ら銅フタロシアニン色素の量を変えた3種の色素水溶液
の各々に、芒硝10gと木綿10gを加え、染色浴の温
度を60℃に昇温した後、炭酸ナトリウム4gを添加し
て1時間染色を行い、次いで水洗、ソーピング、水洗、
乾燥して、3種のターキス色に染色された木綿の染色物
を得た。
【0035】これら3種の染色における木綿に対する色
素の反応固着性は、いずれも良好であり、また、得られ
た各染色物の酸ブリード性、ビルドアップ性及び耐光堅
ろう度もすべて極めて良好であった。なお、上記のフタ
ロシアニン色素を用い、染色液の温度を80℃として同
様の染色を行い、得られた染色物の各特性を、上記の5
0℃、60℃の低温域で染色したものと対比したとこ
ろ、低温域で染色したものは、外観、その他酸ブリード
性、ビルドアップ性及び耐光堅ろう度などの評価結果と
もに、80℃の温度で染色したものと比較し遜色ないも
のであった。
素の反応固着性は、いずれも良好であり、また、得られ
た各染色物の酸ブリード性、ビルドアップ性及び耐光堅
ろう度もすべて極めて良好であった。なお、上記のフタ
ロシアニン色素を用い、染色液の温度を80℃として同
様の染色を行い、得られた染色物の各特性を、上記の5
0℃、60℃の低温域で染色したものと対比したとこ
ろ、低温域で染色したものは、外観、その他酸ブリード
性、ビルドアップ性及び耐光堅ろう度などの評価結果と
もに、80℃の温度で染色したものと比較し遜色ないも
のであった。
【0036】[実施例3] (製造例) 実施例1に記載の製造例に準じて、遊離酸の形態で下記
構造式で示される本発明に係るニッケルフタロシアニン
色素を得た。
構造式で示される本発明に係るニッケルフタロシアニン
色素を得た。
【0037】
【化13】
【0038】(染色例) 上記で得られたニッケルフタロシアニン色素を用い、実
施例2に記載の染色例に準じて木綿を染色し、ターキス
色に染色された染色物を得た。この染色における木綿に
対する色素の反応固着性は良好であり、かつ、得られた
染色物の酸ブリード性、ビルドアップ性及び耐光堅ろう
度も極めて良好であった。
施例2に記載の染色例に準じて木綿を染色し、ターキス
色に染色された染色物を得た。この染色における木綿に
対する色素の反応固着性は良好であり、かつ、得られた
染色物の酸ブリード性、ビルドアップ性及び耐光堅ろう
度も極めて良好であった。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る水溶性フタロシアニン色素
は、次のような特別に顕著な効果を奏し、その産業状の
利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る新規な水溶性フタロシアニン色素は、
分子中に反応基として、2個の塩素原子を有するピリミ
ジニル基とビニルスルホン型反応基との両方を有する水
溶性のターキス系色素であることから、水に対する溶解
性は、従来公知のビニルスルホン型反応基を有する水溶
性フタロシアニン色素に比べ格段に優れている。 2.従来公知の水溶性フタロシアニン色素を用いて吸尽
染色を行う場合の染色温度は80℃付近であったのに対
し、本発明に係る水溶性フタロシアニン色素を用いる場
合には、染色温度を50℃付近に低下させても、反応固
着性において優れている染色物が得られるので、省エネ
ルギーの観点から有利である。 3.本発明に係る新規な水溶性フタロシアニン色素は、
従来公知のビニルスルホン型反応基を有する水溶性フタ
ロシアニン色素に比べて、セルロース及び含窒素繊維に
対する反応固着性において優れている。 4.本発明に係る新規な水溶性フタロシアニン色素によ
って染色した染色物は、酸ブリード性及びビルドアッブ
性に優れ、かつ、耐光堅ろう度などの各種染色堅ろう度
も良好である。
は、次のような特別に顕著な効果を奏し、その産業状の
利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る新規な水溶性フタロシアニン色素は、
分子中に反応基として、2個の塩素原子を有するピリミ
ジニル基とビニルスルホン型反応基との両方を有する水
溶性のターキス系色素であることから、水に対する溶解
性は、従来公知のビニルスルホン型反応基を有する水溶
性フタロシアニン色素に比べ格段に優れている。 2.従来公知の水溶性フタロシアニン色素を用いて吸尽
染色を行う場合の染色温度は80℃付近であったのに対
し、本発明に係る水溶性フタロシアニン色素を用いる場
合には、染色温度を50℃付近に低下させても、反応固
着性において優れている染色物が得られるので、省エネ
ルギーの観点から有利である。 3.本発明に係る新規な水溶性フタロシアニン色素は、
従来公知のビニルスルホン型反応基を有する水溶性フタ
ロシアニン色素に比べて、セルロース及び含窒素繊維に
対する反応固着性において優れている。 4.本発明に係る新規な水溶性フタロシアニン色素によ
って染色した染色物は、酸ブリード性及びビルドアッブ
性に優れ、かつ、耐光堅ろう度などの各種染色堅ろう度
も良好である。
Claims (1)
- 【請求項1】 遊離酸の形態で、一般式[I] 【化1】 {一般式[I]において、Pcは金属含有又は金属非含
有のフタロシアニン残基を表わし、R1は水素原子、メ
チル基又はエチル基を表わし、Aは置換基を有していて
もよいフェニレン基又はナフチレン基を表わし、Xは−
SO2CH=CH2基又は−SO2CH2CH2W基
(ここで、Wはアルカリの作用によって脱離する基を示
す。)を表わし、Yは−NR2(CH2)nNR3−基
(ここで、R2及びR3はそれぞれ水素原子、メチル基
又はエチル基を示し、nは0〜6の整数を示す。)を表
わし、Zは下記一般式[II] 【化2】 (一般式[II]において、T1〜T3の2個は塩素原
子で、残りはシアノ基又は低級アルキルスルホニル基を
示す。)で示される基を表わし、また、aは0〜2の数
を表わし、b及びcは1〜3の数を表わし、ただしa,
b及びcの合計は4以下の数である。}で示される水溶
性フタロシアニン色素。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7053125A JP2657783B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 水溶性フタロシアニン色素 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7053125A JP2657783B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 水溶性フタロシアニン色素 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61255216A Division JPH0772255B2 (ja) | 1986-10-27 | 1986-10-27 | 水溶性フタロシアニン色素 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316453A JPH07316453A (ja) | 1995-12-05 |
JP2657783B2 true JP2657783B2 (ja) | 1997-09-24 |
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ID=12934093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7053125A Expired - Lifetime JP2657783B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 水溶性フタロシアニン色素 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2657783B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0167490A1 (de) * | 1984-07-05 | 1986-01-08 | Ciba-Geigy Ag | Reaktivfarbstoffe, deren Herstellung und Verwendung |
-
1995
- 1995-02-06 JP JP7053125A patent/JP2657783B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07316453A (ja) | 1995-12-05 |
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