JP2648872B2 - 車両用液圧ブレーキ制御装置 - Google Patents

車両用液圧ブレーキ制御装置

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JP2648872B2
JP2648872B2 JP16662788A JP16662788A JP2648872B2 JP 2648872 B2 JP2648872 B2 JP 2648872B2 JP 16662788 A JP16662788 A JP 16662788A JP 16662788 A JP16662788 A JP 16662788A JP 2648872 B2 JP2648872 B2 JP 2648872B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車輪の制動スリップ及び駆動スリップを制御
する車両用液圧ブレーキ制御装置に関する。
〔従来の技術〕
車輪の制動スリップ制御装置(ロック防止装置)とし
て、例えば特開昭62−134361号公報に開示されている装
置では、マスタシリンダと車輪ブレーキ装置との間に液
圧制御弁を設け、減圧制御の際、車輪ブレーキ装置から
のブレーキ液を液圧制御弁を介してリザーバに排出し、
再増圧制御の際には該リザーバに排出されたブレーキ液
を液圧ポンプで加圧して液圧制御弁と車輪ブレーキ装置
との間に供給するようにしている。
一方、近年、車輪の制動スリップ制御装置とゝもに、
車両の急発進時や急加速時等に生じる駆動輪の過大なス
リップを抑制し、運転者の運転操作を容易にし、発進・
加速性及び操縦安定性を向上させるための駆動スリップ
制御装置の必要性も高まってきた。
このため本出願人は、上記特開昭62−134361号公報に
開示の装置を改良し、例えばマスタシリンダ用のリザー
バで上記液圧制御弁に接続するリザーバを兼用し、即
ち、減圧制御の際、マスタシリンダ用のリザーバに排出
するようにし、また駆動スリップ制御の加圧時、液圧ポ
ンプの吐出圧液が液圧制御弁の入力側と出力側とをバイ
パスする戻し管路を介してマスタシリンダ用のリザーバ
に排出されて車輪ブレーキ装置への加圧ができなくなる
のを防止するために、上記戻し管路に遮断弁を設けるこ
とを提案した(実願昭63−54240号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
然るに上記の提案では、なおブレーキペダルを踏んで
いて、制動スリップ制御終了後その制動スリップ制御時
に車輪ブレーキ装置からマスタシリンダ用のリザーバに
直接排出されたブレーキ液の量だけ、マスタシリンダと
液圧制御弁とを接続する管路を介してマスタシリンダの
液圧発生室側に戻さなければマスタシリンダのピストン
ストローク、換言すればブレーキペダルストロークが不
要に延びることになる。このため、車輪ブレーキ装置の
ブレーキ液圧を制御する必要がなくなった後においても
その排出ブレーキ液量だけ液圧ポンプを駆動して上記液
圧発生室側に戻さなければならず、それだけ制御が複雑
になり、その排出ブレーキ液量を推定すること自体困難
である。たとえ、上記リザーバに液量レベルスイッチを
設け、その排出ブレーキ液量分を測定するにしても不正
確であり、また構造も複雑になる。
本発明は、制御を簡単にしかつ構造も複雑化すること
なく車輪の制動スリップ及び駆動スリップを防止できる
車両用液圧ブレーキ制御装置を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
以上の目的は、車輪の制動スリップ及び/又は駆動ス
リップを評価するコントロールユニットからの指令を受
けて、車輪ブレーキ装置のブレーキ液圧を制御する液圧
制御弁と、該液圧制御弁の制御によりブレーキ液圧を低
下する際、前記車輪ブレーキ装置から前記液圧制御弁を
介して排出されるブレーキ液を貯えるリザーバと、該リ
ザーバのブレーキ液を加圧し、マスタシリンダと前記車
輪ブレーキ装置とを接続する主管路側に供給可能な第1
の液圧ポンプとを有する車両用液圧ブレーキ制御装置に
おいて、前記第1の液圧ポンプの吐出側から前記マスタ
シリンダ側への液連通を少なくとも前記吐出側の液圧と
前記マスタシリンダ側の液圧との差が所定圧以下のとき
には遮断可能な弁装置を設け前記リザーバは、予めブレ
ーキ液を貯蔵している第1リザーバと、ブレーキ液を貯
蔵可能な第2リザーバとから構成し、前記両リザーバを
接続する管路に前記第1の液圧ポンプとは独立に制御可
能な第2の液圧ポンプを、その吐出側を前記第1の液圧
ポンプの吸込側に向けて設けたことを特徴とする車両用
液圧ブレーキ制御装置によって達成される。
又は車輪の制動スリップ及び/又は駆動スリップを評
価するコントロールユニットからの指令を受けて、車輪
ブレーキ装置のブレーキ液圧を制御する液圧制御弁と、
該液圧制御弁の制御によりブレーキ液圧を低下する際、
前記車輪ブレーキ装置から前記液圧制御弁を介して排出
されるブレーキ液を貯えるリザーバと、該リザーバのブ
レーキ液を加圧し、マスタシリンダと前記車輪ブレーキ
装置とを接続する主管路側に供給可能な第1の液圧ポン
プとを有する車両用液圧ブレーキ制御装置において、前
記第1の液圧ポンプの吐出側から前記マスタシリンダ側
への液連通を少なくとも前記吐出側の液圧と前記マスタ
シリンダ側の液圧との差が所定圧以下のときには遮断可
能な第1の弁装置を設け前記リザーバは、予めブレーキ
液を貯蔵している第1リザーバと、ブレーキ液を貯蔵可
能な第2リザーバとから構成し、前記両リザーバを接続
する管路に前記第1リザーバ側に液連通を遮断可能な第
2の弁装置と、その吐出側を前記第1の液圧ポンプの吸
込側に向けた第2の液圧ポンプとを設けたことを特徴と
する車両用液圧ブレーキ制御装置によって達成される。
〔作用〕
第1リザーバと第2リザーバとを接続する管路に第1
の液圧ポンプに、その吐出側を向けて第2の液圧ポンプ
が設けられている。これは第1の液圧ポンプとは独立に
制御可能であり、駆動スリップ制御時には、第1、第2
の液圧ポンプは共に駆動され、第1リザーバからブレー
キ液が吸込まれて車両のブレーキ装置に供給される。制
動スリップ制御時には第2の液圧ポンプは駆動されな
い。従って第1のリザーバからブレーキ液が第2のリザ
ーバへと排出されることはなく、また第2の液圧ポンプ
の吐出側が第1の液圧ポンプの吸込側に向いているの
で、第1リザーバ側にブレーキ液が流れることがない。
このため、制動スリップ時にはマスタシリンダ液圧発
生室から車輪ブレーキ装置に供給されたブレーキ液が第
1リザーバに排出されることはなく、車輪ブレーキ装置
から第2リザーバに排出されたブレーキ液を全てマスタ
シリンダ液圧発生室に戻すことができるのでマスタシリ
ンダのピストンストローク(ブレーキペダルストロー
ク)が不要に延びることはない。弁装置を駆動スリップ
制御時には、少なくとも所定圧以下の差圧では液圧ポン
プの吐出側からマスタシリンダ側への液連通を遮断する
状態におくことができ、そして第2の液圧ポンプを駆動
するだけでよく、また制動スリップ制御時には弁装置を
常時連通状態とし、第2の液圧ポンプは停止させておく
だけでよいので、制御が簡単である。また構造も複雑化
する必要はない。
また、第2の液圧ポンプと第1リザーバとの間に第2
の弁装置を設けた場合には駆動スリップ制御時には、こ
れに連通状態をとらせて第1リザーバからのブレーキ液
補給を可能とし、制動スリップ制御時には遮断状態とす
るだけでよいので(なおこの場合には第2の液圧ポンプ
は第1の液圧ポンプと駆動用のモータを共通とすること
ができる)やはり制御が簡単であり、構造も複雑化する
必要はない。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例による車両用液圧ブレーキ制御
装置について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の第1実施例を示すものであるが図に
於いてタンデムマスタシリンダ(1)のシリンダ本体
(2)内には2つの液圧発生室が画成されており、この
本体(2)と一体的にブレーキ液を貯蔵する第1のリザ
ーバとしてのリザーバ(3)が設けられている。
シリンダ本体(2)内のピストンはこれに結合される
ブレーキペダル(4)の踏込みによって駆動され、これ
により2つの液圧発生室にそれぞれ接続されている管路
(5)(11)に液圧を発生させる。
一方の管路(5)は第1の弁装置としてのリリーフ弁
装置(6)、管路(7)、液圧制御弁としての3ポート
3位置電磁切換弁(8)を介して左側の前輪(9a)のホ
イールシリンダ(10a)へと接続される。又、他方の液
圧発生室は管路(11)、他方のリリーフ弁装置(12)、
管路(13)、同じく液圧制御弁としての3ポート3位置
電磁切換弁(14)を介して右側前輪(9b)のホイールシ
リンダ(10b)に接続される。
管路(7)は更に上述と同様な液圧制御弁としての切
換弁(15)及び減圧比例弁(16)、管路(18)を介して
右側後輪(19b)のホイールシリンダ(20b)に接続され
る。同様に管路(13)は切換弁(21)及び上述の減圧比
例弁(16)及び管路(17)を介して左側後輪(19a)の
ホイールシリンダ(20a)に接続される。即ち本実施例
はX配管とされる。
一方の系統の切換弁(8)(15)の排出ポートは共通
の排出管路(22a)を介して第2のリザーバとしての一
方のリザーバ(23a)に接続される。又、他方の系統の
切換弁(14)(21)の排出ポート同様に共通の排出管路
(22b)を介して同じく第2のリザーバとしての他方の
リザーバ(23b)に接続される。リザーバ(23a)(23
b)は公知のように構成され、それぞれケーシング(24
a)(24b)に比較的弱いばね(26a)(26b)を内蔵し、
これによりピストン(25a)(25b)を図に於いて右方又
は左方へと付勢している。又排出管路(22a)(22b)に
は第1の液圧ポンプ(32a)(32b)の吸込口が接続さ
れ、これらの吐出口は上述の管路(7)(13)に接続さ
れている。これら液圧ポンプ(32a)(32b)は共通の電
動機M2によって駆動されるようになっている。
タンデムマスタシリンダ(1)のリザーバ(3)は管
路(28)に接続され、これは第2の液圧ポンプとしての
補助液圧ポンプ(29)の吸込口に接続され、この吐出口
は逆止弁(30a)(30b)を介して、それぞれリザーバ
(23a)(23b)に接続されている。又、補助液圧ポンプ
(29)には並列にリリーフ弁(34)が接続されている。
更に上述の液圧制御弁としての切換弁(8)(14)(1
5)(21)の入力ポートと出力ポートとの間には逆止弁
(27a)(27b)(33a)(33b)が接続されており、これ
はホイールシリンダ側からマスタシリンダ側へを順方向
とするものである。
補助液圧ポンプ(29)は上述の電動機M2とは独立した
電動機M1により駆動されるようになっている。従って電
動機M2とは独立に制御され得るようになっている。
液圧ポンプ(29)(32a)(32b)は公知の構造を有
し、主としてケーシングと、該ケーシングに摺動自在な
ピストンと、該ピストンにより一方側に画成される液室
と、該液室のブレーキ液吸込側と吐出側に接続される逆
止弁とから成り、上記ピストンをカム機構を介して電動
機により往復動させて、上記一方の逆止弁を通してブレ
ーキ液を液室内に吸込み、他方の逆止弁を通してブレー
キ液を液室から吐出するようにしている。従って一方の
逆止弁は液室に向う方向を順方向としており、他方の逆
止弁は液室から吐出側に向かう方向を順方向としてい
る。上記の補助液圧ポンプ(29)は逆止弁(30a)(30
b)及び液圧ポンプ(32a)(32b)の吸込側に接続され
る逆止弁を開弁させるだけの吐出容量をもっていれば充
分である。
リリーフ弁装置(6)(12)は同様に構成されるので
一方のリリーフ弁装置(6)についてのみ説明すると、
通常はD位置をとりマスタシリンダ側とホイールシリン
ダ側とを相連通させているが図示しないコントロールユ
ニットから制御信号がソレノイド部(6a)に与えられる
とE位置をとる。このE位置に於いてはリリーフ弁とし
て機能し開弁圧の大きい逆止弁として機能するのであっ
て、管路(7)側から管路(5)側への方向を順方向と
し、管路(7)側の液圧が管路(5)側の液圧より所定
値以上になると開弁し、マスタシリンダ側とホイールシ
リンダ側とを相連通させるものである。開弁圧は通常は
逆止弁より相当高い。尚コントロールユニットは図示さ
れていないが各車輪(9a)(9b)(19a)(19b)に設け
られた車輪速度センサ(35a)(35b)(36a)(36b)か
らの検知信号を受け、これら信号に基づいて駆動輪であ
る前輪(9a)(9b)に所定値以上の駆動スリップが生じ
ているかどうか、又はブレーキを込めるべきか、弛める
べきか、保持すべきかを判断し、この判断信号に基づい
て上述のリリーフ弁装置(6)(12)のソレノイド部
(6a)(12a)及び切換弁(8)(14)(15)(21)の
ソレノイド部(8a)(14a)(15a)(21a)に供給する
制御信号を発生する。
減圧比例弁(16)は公知の構造を有するものであるが
本実施例では一体的に構成されており、それぞれ独立に
後輪(19a)(19b)のホイールシリンダ(20a)(20b)
に供給されるブレーキ液圧を減圧比例制御するものであ
る。また切換弁(8)(14)(15)(21)は同様な構成
を有するので1つの切換弁(8)について説明すると3
つの位置A、B又はCを有するのであるが、ソレノイド
部(8a)に供給される電流レベルが零の場合には管路
(7)側とホイールシリンダ側とを相連通させ、電流レ
ベルが“1/2"の時には管路(7)とホイールシリンダ側
とを遮断すると共にホイールシリンダ側と排出管路(22
a)側とも遮断する。又、電流レベルが“1"の時にはC
位置をとりマスタシリンダ側とホイールシリンダ側を遮
断するが、ホイールシリンダ側と排出管路(22a)側と
は相連通させる。従ってホイールシリンダ(10a)に供
給されている圧液はリサーバ(23a)へと排出される。
尚、以上の構成に於いて、補助液圧ポンプ(29)、リ
リーフ弁装置(6)(12)などから成るブロックは2点
鎖線で示される“A"ブロックとして別体として形成され
ており、又、1点鎖線で示す“B"ブロックは切換弁
(8)(14)(15)(21)、液圧ポンプ(32a)(32b)
などから成るが、このブロック“B"と上述のブロック
“A"とは例えばスクリューねじ込方式で結合されている
ものとする。
本発明の第1実施例は以上のように構成されるのであ
るが次にこの作用について説明する。
先ず駆動スリップ制御について説明する。例えば車両
の発進時、急発進により駆動輪(9a)(9b)がエンジン
の駆動トルクが大きすぎて所定値より大きなスリップを
生じたことを車輪速度センサ(35a)(35b)(36a)(3
6b)を介して図示しないコントロールユニットが検知す
ると液圧ポンプ(32a)(32b)(29)が駆動を開始し、
且つリリーフ弁装置(6)(12)及び後輪用の切換弁
(15)(21)のソレノイド部(6a)(12a)及び(15a)
(21a)(電流レベル“2/1"で)が励磁されてE位置及
びB位置をとる。すなわちリリーフ弁装置(6)(12)
はリリーフ弁としての機能を果すようになり、切換弁
(15)(21)は遮断位置をとる。この状態でタンデムマ
スタシリンダ(1)のリザーバ(3)からブレーキ液が
補助液圧ポンプ(29)により吸込まれて、これがリサー
バ(23a)(23b)に排出されるが、これは直ちに液圧ポ
ンプ(32a)(32b)に吸込まれて管路(7)(13)を通
り切換弁(8)(14)(A位置にある)を通って駆動輪
(9a)(9b)のホイールシリンダ(10a)(10b)に供給
される。これにより駆動輪にブレーキがかけられる。よ
って駆動スリップを減少させる。又、本実施例のコント
ロールユニートによれば切換弁(8)(14)はB位置、
C位置又はA位置をとり駆動スリップを制御するのにブ
レーキ力保持及び弛め及び込めを繰返す事により駆動ス
リップを制御する事が出来る。そして駆動スリップが殆
どなくなるとコントロールユニットはこれを検知し液圧
ポンプ(29)(32a)(32b)を駆動するモータM1、M2
電源供給を遮断する。又、リリーフ弁装置(6)(12)
のソレノイド部(6a)(12a)を非励磁とし元のC位置
をとらせ、切換弁(8)(14)(15)(21)のソレノイ
ド部(8a)(14a)(15a)(21a)も非励磁とし、切換
弁(8)(14)(15)(21)は元のA位置をとる。
駆動スリップ制御は以上のようにして行われるのであ
るが液圧ポンプ(32a)(32b)の吐出液圧が異常に高く
なった場合にはリリーフ弁装置(6)(12)のリリーフ
弁を開弁させてマスタシリンダ(1)側にブレーキ液を
戻すことができるので、液圧ポンプ(32a)(32b)を過
大な液圧による損傷から保護することができる。
この状態で車両は走行しているのであるが、この走行
中に於いてブレーキペダル(4)を急激に踏み込んです
なわち急制動し、車輪(9a)(9b)(19a)(19b)がロ
ック傾向を示すと、コントロールユニットはブレーキ圧
力を先ず保持すべきものと判断し切換弁(8)(14)
(15)(21)の各ソレノイド部へレベル“1/2"の電流を
供給する。よってこれら切換弁(8)(14)(15)(2
1)はB位置をとり車輪(9a)(9b)(19a)(19b)の
ブレーキ力が一定に保持される。尚、説明をわかり易く
するために4輪はすべてスキッド状態が同等に変化する
ものとする。
次いでコントロールユニットがブレーキ圧力を一定に
保持するだけでは不充分でブレーキ圧力を弛めるべきで
あると判断すると、切換弁(8)(14)(15)(21)の
ソレノイド部への電流レベルが“1"となる。各切換弁は
C位置をとる。よって各車輪(9a)(9b)(19a)(19
b)のホイールシリンダ(10a)(10b)(20a)(20b)
の圧液は切換弁(8)(14)(15)(21)の排出ポート
及び排出管路(22a)(22b)を通ってリザーバ(23a)
(23b)に排出される。よって各車輪のブレーキは弛め
られる。尚、補助液圧ポンプ(29)は駆動スリップ制御
時は駆動されるが、駆動スリップ制御終了後は停止して
おりアンチスキッド制御中も停止している。従ってマス
タシリンダ(1)のリザーバ(3)からブレーキ液を吸
込まないばかりか、このリザーバ(3)とリザーバ(23
a)(23b)とは遮断した状態とされている。即ち液圧ポ
ンプ(29)が内蔵する一方の逆止弁はこのポンプ(29)
側からリザーバ(23a)(23b)側への方向を順方向とす
るが、この逆向きの液流は許容しないのでマスタシリン
ダ(1)のリザーバ(3)に逆流する事はなく液圧ポン
プ(32a)(32b)により吸込まれて管路(7)(13)側
へとのみ供給する。
なお管路(31a)(31b)にはリザーバ(23a)(23b)
側への方向を順方向とする逆止弁(30a)(30b)が設け
られているので、補助液圧ポンプ(29)の上述の逆止弁
が仮にないとしても第2のリザーバ(23a)(23b)から
第1のリザーバ(3)へとブレーキ液が流入することは
ないのであるが、逆止弁(30a)(30b)は一方のリザー
バ(23a)又は(23b)から他方のリザーバ(23b)又は
(23a)にブレーキ液が流入しないようにするためのも
のであって、両系統が異なったときにブレーキを弛める
場合にホイールシリンダの圧液が他方のリザーバ内にも
排出されては、再込めのとき制御が不安定となるからで
ある。
よって、両系統にそれぞれ補助液圧ポンプ(29)を設
けた場合には逆止弁(30a)(30b)を省略することがで
きる。然しながら、このような場合でも上述したように
第2のリザーバ(23a)(23b)から第1のリザーバ
(3)にブレーキ液が流入することはない。
またこの制動スリップ制御時、リリーフ弁装置(6)
(12)はD位置をとっているので液圧ポンプ(32a)(3
2b)の吐出圧液はマスタシリンダ(1)側へと戻され
る。以下コントロールユニットがブレーキを保持すべき
であるか、ブレーキを弛めるべきか又は込めるべきであ
ると判断するとそれぞれソレノイド部への電流レベルを
“1/2"、“1"又は“0"としB位置、C位置又はA位置を
とる。上述したようにB位置に於いてはマスタシリンダ
側とホイールシリンダ側とは遮断されるので各車輪のブ
レーキ力は一定に保持され、又、C位置をとるとホイー
ルシリンダの圧液は排出管路(22a)(22b)を通ってリ
ザーバ(23a)(23b)に排出される。これは直ちに液圧
ポンプ(32a)(32b)により吸込まれて管路(7)(1
3)側へと送り込み、且つマスタシリンダ(1)へと戻
される。以上のようなアンチスキッド制御が以下繰り返
される。尚、後輪(19a)(19b)には減圧比例弁(16)
を介して圧液が供給されるので公知のように所定圧以上
では前輪よりも所定の割合で減圧されて液圧は供給され
る。
第2図は本発明の第2実施例を示すが第1図に対応す
る部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は
省略する。
即ち本実施例に於いてはタンデムマスタシリンダ
(1)のリザーバ(3)とリザーバ(23a)(23b)とを
接続する管路(28)に第1実施例の補助液圧ポンプ(2
9)と直列にタンデムマスタシリンダ(1)のリザーバ
(3)側に更に第2の弁装置としての遮断弁(40)が設
けられる。この遮断弁はF又はG位置をとるのである
が、これは圧力検知部(40a)に加えられる圧力によっ
ていずれかをとり、圧力検知部(40a)はマスタシリン
ダ(1)の管路から延びる管路(11)に接続されてい
る。即ちブレーキペダル(4)を踏み込む事により所定
圧以上の圧力が発生し、これを検知部(40a)が判断し
通常は両側を連通するF位置をとっているが、この圧力
によりG位置をとり両側を遮断状態とする。なお液圧ポ
ンプ(32a)(32b)(29)を駆動するモータMは共通と
する。その他の構成は第1実施例と同様である。
次にこの第2実施例の作用について説明する。
駆動スリップ制御に於いては液圧ポンプ(32a)(32
b)及び補助ポンプ(29)が駆動されるのは同様である
が、これを駆動する電動機Mは3つの液圧ポンプに共通
である。そして第1実施例と同様な駆動スリップ制御を
行う。この時ブレーキペダル(4)を踏み込んでいない
ので管路(11)には液圧は発生せず従って圧力検知部
(40a)では所定の圧力以上の圧力を検知しないので遮
断弁(40)はF位置をとったまゝであり、両側を相連通
させているのでマスタシリンダ(1)のリザーバ(3)
側からブレーキ液を補助ポンプ(29)により吸込んで第
2のリザーバ(23a)(23b)に供給し、直ちに液圧ポン
プ(32a)(32b)により吸込まれてブレーキ圧液を駆動
輪である前輪(9a)(9b)のホイールシリンダ(10a)
(10b)に伝達されるのは第1実施例と同様である。リ
リーフ弁装置(6)(12)はE位置をとっている。
また制動スリップ制御時に於いても電動機Mは共通で
あるので補助液圧ポンプ(29)も駆動しており、従って
遮断弁装置(40)がなければマスタシリンダ(1)のリ
ザーバ(3)からブレーキ液を吸込んでこれを第2のリ
ザーバ(23a)(23b)に供給することになるので車輪
(9a)(9b)(19a)(19b)のホイールシリンダから排
出されるブレーキ液量以上のブレーキ液を貯えることに
なりこれでは車輪のブレーキ液圧を低下させにくゝす
る。特にμジャンプして高摩擦路面から低摩擦路面に至
った時には多量のブレーキ液をリザーバ(23a)(23b)
に排出されなければならないが、この時タンデムマスタ
シリンダ(1)のリザーバ(3)側からもブレーキ液が
供給されるとホイールシリンダからの圧液は益々排出さ
れにくゝなり、よってはブレーキを弛めることが困難と
なり、車輪はロックしてしまうことになるであろう。し
かるに遮断弁(40)が設けられておりブレーキペダル
(4)を踏み込んで管路(11)には所定の圧力以上の圧
力が発生し、これが圧力検知器(40a)で検知して遮断
弁(40)はG位置をとり両側を遮断としている。従って
補助ポンプ(29)は空運転をし、その吐出側には何等、
液圧を発生せず、即ちタンデムマスタシリンダ(1)の
リザーバ(3)からブレーキ液を吸込む事はない。従っ
て以上のような問題を生ずることはない。
第3図は本発明の第3実施例を示すが、図において第
1図及び第2図に対応する部分については同一の符号を
付し、その詳細な説明は省略する。
すなわち、本実施例は切換弁(15)(21)がないこと
及び前輪(9a)(9b)と後輪(19a)(19b)との間に圧
力選択弁装置(63)が設けられていることを除いては第
1図に示す第1実施例と同様であるので、主として以
下、この弁装置(63)についてのみ説明する。弁装置
(63)の本体(70)には軸方向に段付孔(71)が形成さ
れ、図において中央上方部には上述の第1入力ポート
(64)及び第2入力ポート(69)が形成されている。
段付孔(71)には3つの部材から成る左右対称のピス
トン群(38)が摺動自在に嵌合しており、これは一対の
大径ピストン(41a)(41b)とこれらと内面で当接する
小径ピストン(45)とから成り、大径ピストン(41a)
(41b)はシールリング(39a)(39b)を装着して、そ
れぞれ両側に然しながら相反する側に出力室(50a)(5
0b)及びマスタシリンダ圧室(55a)(55b)を画成して
いる。小径ピストン(45)は本体(70)の隔壁部(70
a)をシールリング(59a)(59b)でシールされて挿通
しており、シールリング(59a)(59b)間は空気孔(4
0)により大気と連通している。また大径ピストン(41
a)(41b)はばね受けリング(74a)(74b)を介して相
等しいバネ(43a)(43b)により中央部に向って付勢さ
れ、ばね受けリング(74a)(74b)の周縁部が本体(7
0)の内壁段部(74a)(74b)と当接することによりピ
ストン群(38)は通常は図示の中立位置をとっている。
マスタシリンダ圧室(55a)(55b)は接続孔(55)
(52)から管路(42a)(42b)を介してマスタシリンダ
(1)と連通しており、出力室(50a)(50b)は接続孔
(67)(65)を介して管路(18)(17)と連通してい
る。
本体(70)の隔壁部(70a)の通孔(47a)(47b)に
は弁ロッド(48a)(48b)が挿通しており、その外端は
大径ピストン(41a)(41b)の内端面と当接している。
内端はばね(58a)(58b)で付勢された弁球(61a)(6
1b)と当接しており、通常の図示するピストン群(38)
の中立位置では弁球(61a)(61b)を弁座(62a)(62
b)から図示するように離座させている。ばね(58a)
(58b)を張設させている弁室(49a)(49b)は接続孔
(69)(64)を介して前輪(9a)(9b)のホイールシリ
ンダ(10a)(10b)と接続される管路(75a)(75b)と
連通している。
本発明の第3実施例は以上のように構成されるが、次
にこの作用について説明する。なお、両系統とも正常で
あるとする。また、駆動スリップ制御作用については第
1実施例とは同様であるので省略し、主として制動スリ
ップ制御中における弁装置(63)の作用について説明す
る。
今、急ブレーキをかけるべくブレーキペダル(4)を
踏んだものとする。また、車輪(9a)(9b)(19a)(1
9b)は摩擦係数が均一な路面を走行しているものとす
る。ブレーキのかけ始めにおいては図示しないコントロ
ール・ユニットから切換弁(8)(14)への信号はいず
れも“0"であるので、切換弁(8)(14)はAの位置を
とっている。従って、マスタシリンダ(1)からの圧液
は管路(5)(11)、リリーフ弁装置(6)(12)、切
換弁(8)(14)を通って前輪(9a)(9b)のホイール
シリンダ(10a)(10b)に供給される。この圧液は更に
弁装置(63)における第2入力ポート(69)、第1入力
ポート(64)、弁室(49a)(49b)、出力室(50a)(5
0b)、第2出力ポート(67)、第1出力ポート(65)、
管路(18)(19)、減圧比例弁(16)を通って後輪(19
b)(19a)のホイールシリンダ(20b)(20a)にも供給
される。これにより車輪(9a)(9b)(19a)(19b)に
ブレーキがかけられる。
マスタシリンダ(1)内の両液圧発生室の液圧はほゞ
同等に上昇し、相等しい。従って、弁装置(63)におい
て、マスタシリンダ圧室(55a)(55b)の液圧は等し
く、また出力室(50a)(50b)従って弁室(49a)(49
b)(弁球(61a)(61b)は離座しているので)の液圧
も等しいので、ピストン群(38)は移動せず、図示の中
立位置をとったまゝである。
ブレーキ液圧の上昇により、車輪(9a)(9b)(19
a)(19b)が所定の減速度に達し、これを越えようとす
ると、制御信号はレベル“1/2"になり、ソレノイド(8
a)(14a)は励磁され、切換弁(8)(14)はBの位置
をとり、管路(5)とホイールシリンダ(10a)側及び
管路(11)とホイールシリンダ(10b)側とは遮断の状
態におかれる。よって車輪(9a)(9b)(19a)(19b)
のブレーキ力は一定に保持される。
次いで、車輪(9a)(9b)(19a)(19b)が所定のス
リップ率に達し、これを越えようとすると、制御信号は
Highレベル“1"になり、ソレノイド(8a)(14a)は励
磁され、切換弁(8)(14)はCの位置をとり、マスタ
シリンダ側とホイールシリンダ側とは遮断の状態におか
れるがホイールシリンダ側とリザーバ側とは連通され
る。
前輪(9a)(9b)のホイールシリンダ(10a)(10b)
のブレーキ液は管路(22a)(22b)を通ってリザーバ
(23a)(23b)内に流入する。また後輪(19a)(19b)
のホイールシリンダ(20a)(20b)のブレーキ液も管路
(17)(18)、弁装置(63)の出力ポート(65)(6
7)、出力室(50b)(50a)、弁室(49b)(49a)、入
力ポート(64)(69)、管路(75b)(75a)、(22b)
(22a)を通ってリザーバ(23a)(23b)内に流入す
る。これにより前輪(9a)(9b)、後輪(19a)(19b)
のブレーキがゆるめられる。
車輪が上述のように所定のスリップ率に達し、これを
越えると制御信号がレベル“1"となり、モータ駆動信号
が発生することにより液圧ポンプ(32a)(32b)が駆動
される。これによってリザーバ(23a)(23b)に排出さ
れたブレーキ液は直ちに液圧ポンプ(32a)(32b)によ
って吸入される。
以下、同様な制御をくり返して、車両が所望の速度に
達すると、または停止するとブレーキペダル(4)への
踏み込みは解除される。これと共にホイールシリンダ
(10a)(10b)(20a)(20b)からブレーキ液は各管
路、弁装置(63)、切換弁(8)(14)、逆止弁(27
a)(27b)、リリーフ弁装置(6)(12)を通ってマス
タシリンダ(1)に還流する。よってブレーキがゆるめ
られる。
なお以上の作用の説明では、切換弁(8)(14)への
制御信号が同時に“0"、“1"、“1/2"になるものとした
が、車輪(9a)(9b)(19a)(19b)が走行する路面の
摩擦係数が左右で大きく異なる場合には、例えば車輪
(9a)(19a)側の路面の摩擦係数が比較的に小さい場
合には換換弁(8)への信号が先に“1/2"又は“1"とな
る。なお説明を簡略化するためにその信号が“1"となる
場合について次に説明する。
ブレーキのかけ始めにおいては上述の場合と同様であ
るが、切換弁(8)への信号が“1"になると切換弁
(8)がCの位置をとり、ホイールシリンダ(10a)か
らブレーキ液がリザーバ(23a)に排出される。右側後
輪(19b)のホイールシリンダ(20b)の圧液は管路(1
8)、弁装置(63)の接続孔(67)、開弁している弁球
(61a)と弁座(62a)との隙間、接続孔(69)、管路
(75a)及び(22a)を介してリザーバ(23a)に排出さ
れる。かくしてこれら車輪(9a)(19b)のブレーキ力
は低下する。
弁装置(63)において、一方の出力室(50a)の液圧
も低下するが、他方の出力室(50b)はなおも上昇中で
あるので、ピストン群(38)全体は右方へと移動する。
これにより右側の弁ロッド(48b)も右方へと移動し弁
球(61b)を弁座(62b)に着座させる。すなわち、弁球
(61b)を閉じる。他方、左側の弁ロッド(48a)は右方
へと移動し弁球(61a)を更に弁座(62a)から遠去け
る。すなわち弁球(61a)の開弁状態を維持する。
ピストン群(38)の右方への移動により一方の出力室
(50b)の容積は増大する。この出力室(50b)は今や左
側前輪(9a)のホイールシリンダ(10a)とは遮断され
ているので、出力室(50b)と常時連通している左側後
輪(19a)のホイールシリンダ(20a)の液圧を容積の増
大と共に低下させる。また右側の弁球(61b)が閉じて
いる限り左側の出力室(50a)の液圧が再び上昇すると
きには(切換弁(8)への信号が“0"になる)、ピスト
ン群(38)が左方に移動して右側の出力室(50b)の容
積が減少する。これにより後輪(19a)のホイールシリ
ンダ(20a)のブレーキ液圧が再び上昇する。すなわ
ち、前輪(9a)と同一側にある後輪(19a)は前輪(9
a)のブレーキ液圧に従って制御されることになる。従
って、路面の低い摩擦係数側にある後輪(19a)は同一
側の前輪(9a)と同様にロックが防止される。
もし他方の路面の高い摩擦係数側にある前輪(9b)と
同様に後輪(19a)のブレーキ液圧を制御すればロック
するであろう。
次にいずれか一方の系統にフェールが生じた場合につ
いて説明する。
例えば、管路(11)側の系統で液もれが生じたとする
とブレーキペダル(4)を踏んでもホイールシリンダ
(9b)(20a)の液圧は上昇しない。他方、管路(5)
側の系統における圧力上昇により弁装置(63)内では一
方のマスタシリンダ圧室(55a)の液圧は上昇するが、
他方のマスタシリンダ圧室(55b)の液圧は零のまゝで
ある。従って、ピストン群(38)の一方の大径ピストン
(41b)の両端面にかゝる液圧は零であり、他方の大径
ピストン(41a)の両端面にかゝる液圧はほゞ等しく、
結局、ピストン群(38)は中立位置をとったまゝ移動せ
ず、両弁球(61a)(61b)は図示のように弁座から離座
したまゝである。
従って、マスタシリンダ(1)から正常な方の系統の
管路(5)、切換弁(8)、を通って左側の前輪(9a)
のホイールシリンダ(10a)に圧液が供給されると共
に、更に管路(75a)、弁装置(63)の出力室(50a)
(弁球(61a)は開弁しているので)、管路(18)を通
って右側の後輪(19b)のホイールシリンダ(20b)にも
圧液が供給される。かくして一方の系統のブレーキ力が
確保される。
以上述べたように本実施例によれば、一方の系統がフ
ェールしても他方の正常な系統のブレーキ力は確保され
る。
第4図は本発明の第4実施例を示すものであるが、図
において第2図及び第3図に対応する部分については同
一の符号を付すものとする。
すなわち本実施例は第2図の実施例において切換弁
(15)(21)を除いたものに第3図の圧力選択弁装置
(63)を加えたものであり、その作用は第2図又は第3
図の作用と同一であるので省略する。
第5図はリリーフ弁装置(6)の変形例を示すもので
あるが、上記実施例に対応する部分については同一の符
号を付すものとする。
即ち本変形例のリリーフ弁装置(82)によれば遮断弁
(80)とリリーフ弁(81)から成っている。遮断弁(8
0)は通常はH位置をとり、両側を相連通させているが
駆動スリップ制御時はソレノイド部(80a)が励磁され
I位置をとり、管路(5)側と(7)側とを非連通とさ
せる。しかしながらこれと並列に接続されたリリーフ弁
(81)により管路(5)側と管路(7)側との液圧差で
管路(7)側が所定圧以上高くなると逆止弁としてのリ
リーフ弁(81)が開弁し管路(7)側から管路(5)側
への液流を許容するものである。これによっても上記実
施例と同様な効果を奏する事は明らかである。
第6図は第2の変形例を示すものであるが本弁装置
(83)によれば同じく遮断弁(80)とリリーフ弁(84)
とから成り、このリリーフ弁(84)は第5図の変形例と
同様な機能を有するものであるが、このリリーフ弁(8
4)は管路(7)とマスタシリンダ(1)のリザーバ
(3)とを接続する管路(85)に接続されている。従っ
て駆動スリップ制御時には遮断弁(80)はI位置をとる
のであるが管路(7)側が管路(85)側に対し所定圧以
上になると液圧ポンプの吐出圧液はリリーフ弁(84)を
開弁させ、管路(85)を通ってタンデムマスタシリンダ
(1)のリザーバ(3)に戻される。このような弁装置
(83)を設けても上記実施例と同様な効果が得られる事
は明らかである。
第7図は更に第3変形例を示すものであり、上記実施
例に対応する部分については同一の符号を付すものとす
る。
即ち本変形例に於いてはリリーフ弁装置(6)とマス
タシリンダ(1)との間に更にフェール用弁装置(72)
が設けられている。これは通常はJ位置をとりマスタシ
リンダ(1)側とリリーフ弁(6)側とを相連通させて
おり、マスタシリンダ(1)側とホイールシリンダ側と
を遮断状態としているが、リリーフ弁装置(6)がE位
置に何らかの原因でロックしたことをコントロールユニ
ット又は何らかのフェール検知手段が検知した場合に
は、ソレノイド部(72a)に制御信号を供給し、K位置
に切換える。これによりマスタシリンダ側とリリーフ弁
(6)側とは遮断されるが、マスタシリンダ側のホイー
ルシリンダ側は直接連通させられる事になる。これによ
ってリリーフ弁装置(6)がE位置に例えば機械的にロ
ックした場合にはブレーキペダル(4)を踏んでもホイ
ールシリンダ(10a)にブレーキ液圧を供給することが
出来なくなるが、このような危険な状態(ノーブレーキ
状態)を回避する事が出来る。尚、一方のリリーフ弁装
置(6)について図示したが、他方のリリーフ弁装置
(12)についても同様である。
以上、本発明の各実施例及び変形例について説明した
が、次にこれらの効果について説明する。
先ず第1図に示す第1実施例に於いてはAブロックと
Bブロックに別け、これを結合する構成としたが、Aブ
ロックは駆動スリップ制御用の回路であり、又、Bブロ
ックは制動スリップ制御用であり、駆動スリップ制御時
に一部共用するものである。Aブロック及びBブロック
を別体で形成するために、液圧ポンプ(32a)(32b)を
駆動するモータM2及び補助液圧ポンプ(29)を駆動する
モータM1は別体とし、モータM1はモータM2と独立に制御
可能とした別体構成により駆動スリップ制御を必要とし
ないシステムの場合には、Aブロックを省略しBブロッ
クのみを車体に取付ける事が出来、又、駆動スリップ制
御をも必要とするシステムにはAブロックを結合するの
みであるので量産効果を得る事が出来る。仮にA及びB
ブロックがブロック別でなく一体構成であれば、駆動ス
リップ制御を必要としない場合にはAブロックの構成は
無駄となる。また第1又は第2実施例では補助液圧ポン
プ(29)の駆動用モータM1と液圧ポンプ(32a)(32b)
の駆動用モータM2とは独立にオン、オフの制御が可能で
あり、補助液圧ポンプ(29)の駆動時は液圧ポンプ(32
a)(32b)の吸込側の逆止弁を開弁するための補助作用
をも行うので急発進時において駆動スリップを最適スリ
ップ値又は最適スリップ率へと迅速に駆動輪を制御する
ので迅速に車両の操縦性及び走行性の安定化を図ること
が出来る。又、上述したように、液圧ポンプと補助液圧
ポンプのモータを別に制御可能とした場合には第1と第
2のリザーバ間に遮断弁装置を設ける必要はない。
第2図は第1図と比べると補助液圧ポンプ(29)とタ
ンデムマスタシリンダ(1)のリザーバ(3)との間に
遮断弁装置(40)が設けられており、これによってモー
タMが常に回転していても制動スリップ制御中に於いて
第1のリザーバ(3)側から第2のリザーバ(23a)(2
3b)にブレーキ液を排出するのを防止することが出来、
よって安定なアンチスキッド制御を保証するものであ
る。また、この遮断弁装置(40)を含む駆動スリップ制
御用の回路全体をA′のブロックとし、第1実施例と同
様にBブロックに結合するようにしてもよいが補助液圧
ポンプのモータと液圧ポンプ(32a)(32b)のモータを
共通とする場合には結合時に於いて補助液圧ポンプ(2
9)へのモータMの回転力の伝達機構が複雑化するので
ブロックA′とブロックBと別けないで一体構成とする
事が望ましい。
第3図及び第4図は第1図及び第2図の実施例に対し
切換弁を2個減らし圧力選択弁装置を付加したものであ
り、駆動スリップ制御は同様に行われるが、制動スリッ
プ制御は2チャンネルにも拘らず圧力選択弁装置によっ
て低摩擦側路面の後輪のロックも防止する事が出来る。
又、駆動スリップ制御においては第1図及び第2図の実
施例では後輪用の切換弁をB位置に切換えたが、このよ
うな制御信号を必要としないので制御がより簡単とな
る。又、第3図及び第4図においてはこの圧力弁選択弁
装置を含めて第1図と第2図の制動スリップ制御部を加
えたブロックをB′として表わしたが、第3図の実施例
においてはモータを別体(M1、M2)とし得るのでAブロ
ックとB′ブロックを別体とする事が望ましいが、第4
図の実施例においてはブロックA′とB′をモータを共
通にする場合は一体化構成とする事が望ましい。
又、以上の各実施例においては駆動スリップ制御時の
みリリーフ弁装置(6)(12)のソレノイド部(6a)
(12a)を励磁するだけでよいので制御は非常に簡単で
ある。又、第2のリザーバ(23a)(23b)にホイールシ
リンダから排出されたブレーキ液はすべてタンデムマス
タシリンダ(1)のシリンダ本体内に戻す事が出来るの
でブレーキペダル(4)のストロークを不要に増大させ
るような事はなく、又これを構造を何等複雑化させる事
なく行う事が出来る。
以上、本発明の各実施例及び各変形例について説明し
たが勿論、本発明はこれ等に限定される事なく、本発明
の技術的思想に基づいて更に種々の変形が可能である。
例えば以上の各実施例においては切換弁として3ポー
ト3位置電磁切換弁が用いられたがこれに代えてそれぞ
れの弁を、2個の弁すなわちいわゆる供給弁と排出弁か
らなるように構成してもよい。
また、以上の第2図及び第4図の実施例では遮断弁装
置(40)の圧力検知部(40a)が管路(11)の圧力が所
定値以上であると検知すると遮断位置に切換るようにし
たが、これに代えて電磁弁とし、ブレーキペダルを踏む
とオンとなる信号を供給して切換えるようにしてもよ
い。あるいは制動スリップ制御信号のどれかを供給して
切換えるようにしてもよい。また、以上の実施例ではX
−ブレーキ配管であったが前後分離配管、J配管、H配
管等のブレーキ配管にも本発明は適用可能である。
また、以上の実施例において、駆動スリップ制御中に
運転者がブレーキペダルを踏んだときは、強制的に切換
弁及びリリーフ弁装置を初期位置(A、D)に戻し、液
圧ポンプ(32a)(32b)と補助液圧ポンプ(29)との電
動機を停止するようにしてもよい。
即ち、運転者の意志に従ってブレーキがかゝるように
してもよい。
また、以上の実施例では前輪のみを駆動輪としたが後
輪のみを駆動輪とする車両にも本発明は適用可能であ
り、また4輪駆動車、自動2輪車等にも本発明は適用可
能である。
また第7図の変形例におけるフェール用弁装置(72)
は通常はJ位置をとりマスタシリンダ側とリリーフ弁装
置(6)側とを連通させるようにしているが、これに代
えて通常はK位置をとってマスタシリンダ側とホイール
シリンダ側とを連通させるようにし、駆動スリップ制御
時及び制動スリップ制御時にはJ位置に切り換えてマス
タシリンダ側とリリーフ弁装置(6)側とを連通させる
ようにし、リリーフ弁装置(6)が故障して機械的にE
位置にロックした場合には再びK位置に戻るようにして
もよい。あるいはこのフェール対策としてマスタシリン
ダ(1)のリザーバ(3)から液圧ポプ(29)(32a)
(32b)の駆動によりブレーキ液を吸い込んで液圧制御
弁としての切換弁(8)(14)(15)(21)を介してホ
イールシリンダに圧液を供給するようにしてもよい。
また、第1図及び第2図では4チャンネル、第3図及
び第4図では2チャンネルの方式を説明したが、本発明
は1チャンネルや3チャンネル方式にも適用可能であ
る。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明の車両用液圧ブレーキ装置に
よれば簡単な構造でかつ制御を簡単にして駆動スリップ
制御及び制動スリップ制御を行う事が出来る。又、制動
スリップ制御後においてブレーキペダルのストロークを
不要に増大する事も防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はそれぞれ本発明の第1〜第4実施例の
車両用液圧ブレーキ制御装置の配管系統図、及び第5図
〜第7図はそれぞれ上記実施例におけるリリーフ弁装置
及びこれに関連する部分の変形例を示す部分配管系統図
である。 なお図において、 (6)(12)……リリーフ弁装置 (29)……補助液圧ポンプ (40)……遮断弁装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の制動スリップ及び/又は駆動スリッ
    プを評価するコントロールユニットからの指令を受け
    て、車輪ブレーキ装置のブレーキ液圧を制御する液圧制
    御弁と、該液圧制御弁の制御によりブレーキ液圧を低下
    する際、前記車輪ブレーキ装置から前記液圧制御弁を介
    して排出されるブレーキ液を貯えるリザーバと、該リザ
    ーバのブレーキ液を加圧し、マスタシリンダと前記車輪
    ブレーキ装置とを接続する主管路側に供給可能な第1の
    液圧ポンプとを有する車両用液圧ブレーキ制御装置にお
    いて、前記第1の液圧ポンプの吐出側から前記マスタシ
    リンダ側への液連通を少なくとも前記吐出側の液圧と前
    記マスタシリンダ側の液圧との差が所定圧以下のときに
    は遮断可能な弁装置を設け前記リザーバは、予めブレー
    キ液を貯蔵している第1リザーバと、ブレーキ液を貯蔵
    可能な第2リザーバとから構成し、前記両リザーバを接
    続する管路に前記第1の液圧ポンプとは独立に制御可能
    な第2の液圧ポンプを、その吐出側を前記第1の液圧ポ
    ンプの吸込側に向けて設けたことを特徴とする車両用液
    圧ブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】車輪の制動スリップ及び/又は駆動スリッ
    プを評価するコントロールユニットからの指令を受け
    て、車輪ブレーキ装置のブレーキ液圧を制御する液圧制
    御弁と、該液圧制御弁の制御によりブレーキ液圧を低下
    する際、前記車輪ブレーキ装置から前記液圧制御弁を介
    して排出されるブレーキ液を貯えるリザーバと、該リザ
    ーバのブレーキ液を加圧し、マスタシリンダと前記車輪
    ブレーキ装置とを接続する主管路側に供給可能な第1の
    液圧ポンプとを有する車両用液圧ブレーキ制御装置にお
    いて、前記第1の液圧ポンプの吐出側から前記マスタシ
    リンダ側への液連通を少なくとも前記吐出側の液圧と前
    記マスタシリンダ側の液圧との差が所定圧以下のときに
    は遮断可能な第1の弁装置を設け前記リザーバは、予め
    ブレーキ液を貯蔵している第1リザーバと、ブレーキ液
    を貯蔵可能な第2リザーバとから構成し、前記両リザー
    バを接続する管路に前記第1リザーバ側に液連通を遮断
    可能な第2の弁装置と、その吐出側を前記第1の液圧ポ
    ンプの吸込側に向けた第2の液圧ポンプとを設けたこと
    を特徴とする車両用液圧ブレーキ制御装置。
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