JP2519962Y2 - 車両用液圧ブレーキ制御装置 - Google Patents

車両用液圧ブレーキ制御装置

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JP2519962Y2
JP2519962Y2 JP1989012782U JP1278289U JP2519962Y2 JP 2519962 Y2 JP2519962 Y2 JP 2519962Y2 JP 1989012782 U JP1989012782 U JP 1989012782U JP 1278289 U JP1278289 U JP 1278289U JP 2519962 Y2 JP2519962 Y2 JP 2519962Y2
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哲郎 有川
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車輪の制動スリップ及び駆動スリップを制御
する車両用液圧ブレーキ制御装置に関する。
〔従来の技術〕
車輪の制動スリップ制御装置(ロック防止装置)のう
ち制動スリップ制御時にブレーキペダルへのキックバッ
クを防止し、ブレーキペダルフィーリングを良好にする
ものとして、例えば特公昭61-16657号公報に開示されて
いる装置が知られている。
一方、近年、車輪の制動スリップ制御装置とゝもに、
車両の急発進時や急加速時等に生じる駆動輪の過大なス
リップを抑制し、運転者の運転操作を容易にし、発進・
加速性及び操縦安定性を向上させるための駆動スリップ
制御装置の必要性も高まってきた。
車輪の駆動スリップ制御装置としては、特開昭58-122
246号公報に開示されているものが知られている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
然るに上記のいづれの装置においても、通常のブレー
キ作用時又は制動スリップ制御時にブレーキペダルへの
踏力を解除してブレーキを弛めるときには、これを迅速
に行うことが要求されるのであるが、上記の制動スリッ
プ制御装置及び駆動スリップ制御装置を単に組み合わせ
たゞけでは、上記の迅速にブレーキを弛めるための回路
構成が煩雑化し、かえってその迅速性を阻害することに
なる。この場合、コントロール・ユニットからの指令を
受けて、車輪ブレーキ装置のブレーキ液圧を制御する液
圧制御弁を弛め回路の一部として、これを通ってブレー
キ液圧をマスタシリンダに戻すことが考えられるが、液
圧制御弁は一般に入力ポートと出力ポートとの間には絞
りを有するので、戻しに遅れを生ずる。
本考案は上記問題に鑑みてなされ駆動スリップ制御及
びブレーキペダルフィーリングの良好な制動スリップ制
御を行ないながら、回路構成を簡単にして通常のブレー
キ作用時又は制動スリップ制御時にブレーキペダルへの
踏力を解除すると迅速にブレーキを弛めることができる
車両用液圧ブレーキ制御装置を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、マスタシリンダと駆動輪の車輪ブレーキ
装置とを接続する接続管路内に位置し、前記駆動輪の制
動スリップ及び駆動スリップを評価するコントロール・
ユニットからの指令を受けて、前記車輪ブレーキ装置の
ブレーキ液圧を制御する液圧制御弁と、該液圧制御弁の
制御によりブレーキ液圧を低下する際、前記車輪ブレー
キ装置から前記液圧制御弁を介して排出されるブレーキ
液を貯えるリザーバと、該リザーバのブレーキ液を加圧
し前記マスタシリンダと前記液圧制御弁とを接続する主
管路に供給可能な第1の液圧ポンプと、前記主管路の前
記液圧ポンプの吐出側接続部よりも前記マスタシリンダ
側に配設され、通常は両方向に連通し、前記液圧ポンプ
の吐出圧力により、少なくとも前記液圧ポンプの吐出側
から前記マスタシリンダ側への液連通を遮断する第1の
弁装置と、前記接続管路内の前記液圧制御弁と前記第1
の弁装置とをバイパスし、前記車輪ブレーキ装置と前記
マスタシリンダとを接続するバイパス管路に、通常は連
通し前記コントロール・ユニットから駆動スリップ制御
信号を受けると遮断状態に切り換わる第2の弁装置とを
設け前記リザーバは予めブレーキ液圧を貯蔵している第
1リザーバと、ブレーキ液を貯蔵可能な第2リザーバと
から構成し、前記両リザーバを接続する管路にその吐出
側を前記第1の液圧ポンプの吸込側に向けた第2の液圧
ポンプとを設けるとともに前記第2の弁装置と直列に前
記マスタシリンダ側へを順方向とする逆止弁を設け、前
記第2の液圧ポンプは前記駆動輪の駆動スリップ制御中
は常時駆動するようにしたことを特徴とする車両用液圧
ブレーキ制御装置によって達成される。
〔作用〕
駆動スリップ制御時には第2の弁装置は遮断状態にな
る。第1、第2の液圧ポンプが作動して駆動輪が属する
ブレーキ系統内の液圧制御弁を介して圧液が供給され、
ブレーキがかけられ駆動スリップ制御が行われる。
駆動スリップ制御中、常時駆動する第2の液圧ポンプ
は第1の液圧ポンプの吸込側の逆止弁を開弁するための
補助作用を行うことにより、液圧制御弁を介して迅速に
駆動輪のブレーキ装置に圧液が供給され、よって車両の
操縦性と走行性の安定化を図ることができる。
第1、第2の液圧ポンプの吐出圧は第1の弁装置によ
ってマスタシリンダ側に伝達されるのを防止され、また
駆動輪に供給される圧液がマスタシリンダに伝達される
のが第2の弁装置によって防止される。
制動スリップ制御時には液圧制御弁を介してマスタシ
リンダからの圧液がそのブレーキ系統の車輪ブレーキ装
置に供給され、これらにブレーキがかけられる。ブレー
キを弛めるべきであるとコントロールユニットが判断す
ると、この車輪が属するブレーキ系統内の第1の液圧ポ
ンプが作動して液圧制御弁を介して第2リザーバに排出
されたブレーキは直ちに加圧されて主管路側へと供給さ
れる。
上記第1の液圧ポンプの吐出圧力により、同系統の第
1の弁装置はマスタシリンダ側への液連通を遮断する状
態となる。従ってこの脈圧がマスタシリンダ側に伝達さ
れることがないのでペダルフィーリングは良好である。
またバイパス回路に第2の弁装置と直列にマスタシリ
ンダ側へを順方向とする逆止弁が設けられているので、
また第2の弁装置はコントロール・ユニットから駆動ス
リップ制御信号を受けたときのみ遮断状態となるので回
路構成を簡単にして通常のブレーキ時及びアンチスキッ
ド制御時にブレーキペダルへの踏力を解除するとホイー
ルシリンダからの圧液はこの逆止弁及び開状態となって
いる第2の弁装置を通って迅速にマスタシリンダに戻す
ことができる。液圧制御弁は一般に内部に絞りを有する
ので、これに何ら影響されず圧液は迅速にマスタシリン
ダに戻すことができる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例による車両用液圧ブレーキ制御
装置について図面を参照して説明する。
第1図は本考案の第1実施例を示すものであるが図に
於いてタンデムマスタシリンダ(1)のシリンダ本体
(2)内には2つの液圧発生室が画成されており、この
本体(2)と一体的にブレーキ液を貯蔵する第1のリザ
ーバとしてのリザーバ(3)が設けられている。
シリンダ本体(2)内のピストンはこれに結合される
ブレーキペダル(4)の踏込みによって駆動され、これ
により2つの液圧発生室にそれぞれ接続されている管路
(5)(11)に液圧を発生させる。
一方の管路(5)は第1の弁装置としての逆止弁装置
(6)、管路(7)、液圧制御弁としての3ポート3位
置電磁切換弁(8)及び管路(18a)を介して右側の前
輪(9a)のホイールシリンダ(10a)へと接続される。
管路(7)は更に上述と同様な液圧制御弁としての切
換弁(15)、管路(18b)を介して左側前輪(9b)のホ
イールシリンダ(10b)に接続される。
又、他方の液圧発生室も管路(11)、第1の弁装置と
しての逆止弁装置(12)、管路(13)、同じく液圧制御
弁としての3ポート3位置電磁切換弁(14)、管路(17
a)及び図示しないが減圧比例弁を介して左側後輪(19
b)のホイールシリンダ(20b)に接続される。同様に管
路(13)は切換弁(21)、管路(17b)及び図示しない
減圧比例弁を介して右側後輪(19a)のホイールシリン
ダ(20a)に接続される。即ち本実施例は前後分離配管
とされる。
一方の系統の切換弁(8)(15)の排出ポートは共通
の排出管路(22a)を介して第2のリザーバとしての一
方のリザーバ(23a)に接続される。又、他方の系統の
切換弁(14)(21)の排出ポートは同様に共通の排出管
路(22b)を介して同じく第2のリザーバとしての他方
のリザーバ(23b)に接続される。リザーバ(23a)(23
b)は公知のように構成され、それぞれケーシング(24
a)(24b)に比較的弱いばね(26a)(26b)を内蔵し、
これによりピストン(25a)(25b)を図に於いて上方へ
と付勢している。又、排出管路(22a)(22b)には第1
の液圧ポンプ(32)の吸込口が接続される。液圧ポンプ
(32)は公知のようにピストンを摺動自在に収容する本
体(33)、偏心カムを介してピストンを往復動させる電
動機(30)、逆止弁(35a)(35b)(36a)(36b)から
成り、その吐出口、すなわち逆止弁(36a)(36b)側は
更に逆止弁(51a)(51b)を介して管路(7)(13)に
接続されると共に一方の逆止弁(36a)側にのみアキュ
ムレータ(42)に接続される。アキュムレータ(42)は
本体(43)、このシリンダ孔にシールリングを装着して
摺動自在に嵌合するピストン(44)、このピストン(4
4)を上方に付勢する強いばね(45)から成り、液圧ポ
ンプ(32)が圧液を吐出するときにピストン(44)をば
ね(45)に抗して押し下げ、これを蓄圧する働らきをす
る。又、逆止弁装置(6)(12)に並列にリリーフ弁と
しての逆止弁(46a)(46b)が接続されている。これら
はマスタシリンダ(1)側への方向を順方向とする逆止
弁である。
タンデムマスタシリンダ(1)の第1のリザーバとし
てのリザーバ(3)は管路(28)に接続され、これは第
3の弁装置としての遮断弁装置(27)を介して第2の液
圧ポンプとしての補助液圧ポンプ(29)の吸込口に接続
され、この吐出口は上述の第2のリザーバであるリザー
バ(23b)に接続されている。又、遮断弁装置(27)及
び補助液圧ポンプ(29)には並列にリリーフ弁(37)が
接続されている。
遮断弁装置(27)は通常は液連通のH位置をとってい
るが、管路(11)に接続されているその圧力検知部(27
a)が所定以上の圧力を検知すると遮断位置Iに切換わ
るようになっている。
本実施例では補助液圧ポンプ(29)は上述の電動機
(30)と同一の電動機(30)により駆動されるようにな
っている。従って液圧ポンプ(29)(32)は共通に制御
され得るようになっている。なお、第2の液圧ポンプ
(29)は略示しているが、第1の液圧ポンプ(32)と同
様な構成である。
すなわち、液圧ポンプ(29)も公知の構造を有し、主
としてケーシングと、該ケーシングに摺動自在なピスト
ンと、該ピストンにより一方側に画成される液室と、該
液室のブレーキ液吸込側と吐出側に接続される逆止弁と
から成り、上記ピストンをカム機構を介して電動機(3
0)により往復動させて、上記一方の逆止弁を通してブ
レーキ液を液室内に吸込み、他方の逆止弁を通してブレ
ーキ液を液室から吐出するようにしている。従って一方
の逆止弁は液室に向う方向を順方向としており、他方の
逆止弁は液室から吐出側に向かう方向を順方向としてい
る(図面ではこれら逆止弁を図示していない)。上記の
補助液圧ポンプ(29)は主液圧ポンプ(32)の吸込側に
接続される逆止弁(35b)を開弁させるだけの吐出容量
をもっていれば充分である。
次に逆止弁装置(6)(12)について説明すると、通
常はD位置をとりマスタシリンダ側とホイールシリンダ
側とを相連通させているが液圧ポンプ(32)の吐出液
圧、すなわち逆止弁(36a)(36b)の出力側の液圧が所
定値以上に高くなると圧力検知部(6a)(12a)がこれ
を検知してE位置に切換えられる。このE位置に於いて
は逆止弁として機能するのであって、管路(5)(11)
側から管路(7)(13)側への方向を順方向とする。
本実施例では後輪(19a)(19b)が駆動輪であるが、
このブレーキ系統内の逆止弁装置(12)と切換弁(14)
とをバイパスする管路(60)には第2の弁装置としての
遮断弁(61)及びこれと直列に逆止弁(62)が接続され
ている。管路(60)は管路(17a)を介して左側後輪(1
9b)のホイールシリンダ(20b)に接続されているが、
逆止弁(62)はホイールシリンダ側から遮断弁(61)
側、すなわち、マスタシリンダ側への方向を順方向とし
ている。管路(60)から分岐する管路(63)には逆止弁
(64)が接続され、これは更に管路(17b)を介して右
側後輪(19a)のホイールシリンダ(20a)に接続され
る。逆止弁(64)もホイールシリンダ側からマスタシリ
ンダ側への方向を順方向としている。
また逆止弁装置(6)(12)の出力側の管路(7)
(13)とマスタシリンダ(1)との間には上述のリリー
フ弁として逆止弁(46a)(46b)が接続され、これらは
マスタシリンダ(1)側への方向を順方向としている。
すなわち、液圧ポンプ(32)の吐出液圧が異常に高くな
ると、リリーフ弁(46a)(46b)を介してこれをマスタ
シリンダ(1)に逃がすようにしている。また、切換弁
(8)(15)と並列に逆止弁(65)(66)が接続されて
いる。これらはホイールシリンダ(10a)(10b)側から
マスタシリンダ(1)側への方向を順方向としている。
コントロールユニット(47)は各車輪(9a)(9b)
(19a)(19b)に設けられた車輪速度センサ(40a)(4
0b)(41a)(41b)からの検知信号を受け、これら信号
に基づいて駆動輪である後輪(19a)(19b)に所定値以
上の駆動スリップが生じているかどうか及び車輪(9a)
(9b)(19a)(19b)のスキッド状態を判定しブレーキ
を込めるべきか、弛めるべきか、保持すべきかを判断
し、この判断信号に基づいて上述の遮断弁(61)のソレ
ノイド部(61a)及び切換弁(8)(14)(15)(21)
のソレノイド部(8a)(14a)(15a)(21a)に供給す
る制御信号を発生する。遮断弁(61)は通常は相連通す
るF位置をとっているが、そのソレノイド部(61a)が
励磁されると遮断状態Gに切換えられるように構成され
ている。また切換弁(8)(14)(15)(21)は同様な
構成を有するので1つの切換弁(8)について説明する
と3つの位置A、B又はCを有するのであるが、ソレノ
イド部(8a)に供給される電流レベルが零の場合にはA
位置をとり管路(7)側とホイールシリンダ側とを相連
通させ、電流レベルが“1/2"の時にはB位置をとり管路
(7)とホイールシリンダ側とを遮断すると共にホイー
ルシリンダ側と排出管路(22a)側とも遮断する。又、
電流レベルが“1"の時にはC位置をとりマスタシリンダ
側とホイールシリンダ側を遮断するが、ホイールシリン
ダ側と排出管路(22a)側とは相連通させる。従ってホ
イールシリンダ(10a)に供給されている圧液はリザー
バ(23a)へと排出される。なお後輪(19a)(19b)間
にはデファレンシャルギア(50)が設けられている。
本実施例によれば、前輪(9a)(9b)のブレーキ力配
分は後輪(19a)(19b)より大きいので、よりロックを
生じやすい前輪(9a)(9b)のブレーキ系統にのみアキ
ュムレータ(42)が設けられ、他方のブレーキ系統には
設けられていない。また逆止弁(36a)(36b)の出力側
が管路(52a)(52b)を介して逆止弁装置(6)(12)
の圧力検知部(6a)(12a)に接続され、これら出力側
は更に逆止弁(51a)(51b)を介して逆止弁装置(6)
(12)の出力側に接続されている。従って、逆止弁(51
a)(51b)は液圧伝達の遅れ要素となって、液圧ポンプ
(32)の液圧が所定の液圧になって逆止弁装置(6)
(12)がD位置に切り換わってから、この所定の液圧が
逆止弁装置(6)(12)の出力側に伝達されるようにな
っている。
本考案の第1実施例は以上のように構成されるのであ
るが次にこの作用について説明する。
先ず駆動スリップ制御について説明する。例えば車両
の発進時、急発進により駆動輪(19a)(19b)がエンジ
ンの駆動トルクが大きすぎて所定値より大きなスリップ
を生じたことを車輪速度センサ(40a)(40b)(41a)
(41b)を介してコントロールユニット(47)が検知す
ると液圧ポンプ(29)(32)が駆動を開始し、且つ遮断
弁(61)及び前輪用の切換弁(8)(15)のソレノイド
部(61a)及び(8a)(15a)(電流レベル“1/2"で)が
励磁されてG位置及びB位置をとる。すなわち遮断弁
(61)及び切換弁(8)(15)は遮断位置をとる。この
状態でタンデムマスタシリンダ(1)のリザーバ(3)
からブレーキ液が補助液圧ポンプ(29)により吸込まれ
て(第3の弁装置(27)は連通状態のまゝ)これがリザ
ーバ(23b)に排出されるが、これは直ちに液圧ポンプ
(32)により吸込まれて管路(13)を通り切換弁(14)
(21)(A位置にある)を通って駆動輪(19a)(19b)
のホイールシリンダ(20a)(20b)に供給される。この
とき逆止弁装置(12)は液圧ポンプ(32)の吐出圧を圧
力検知部(12a)により受けてE位置に切換わり、マス
タシリンダ(1)側への液連通を遮断している。これに
より駆動輪(19a)(19b)にブレーキがかけられる。よ
って駆動スリップを減少させる。又、本実施例のコント
ロールユニット(47)によれば切換弁(14)(21)はB
位置、C位置又はA位置をとり駆動スリップを制御する
のにブレーキ力保持及び弛め及び込めを繰返す事により
駆動スリップを制御する事が出来る。そして駆動スリッ
プが殆んどなくなるとコントロールユニット(47)はこ
れを検知し液圧ポンプ(29)(32)を駆動するモータ
(30)の電源供給を遮断する。又、遮断弁(61)のソレ
ノイド部(61a)を非励磁とし元のF位置をとらせ、切
換弁(8)(14)(15)(21)のソレノイド部(8a)
(14a)(15a)(21a)も非励磁とし、切換弁(8)(1
4)(15)(21)は元のA位置をとる。さらに、逆止弁
装置(12)もD位置をとる。
駆動スリップ制御は以上のようにして行われるのであ
るが液圧ポンプ(32)の吐出液圧が異常に高くなった場
合にはリリーフ弁としての逆止弁(46b)を開弁させて
マスタシリンダ(1)側にブレーキ液を戻すことができ
るので、液圧ポンプ(32)を過大な液圧による損傷から
保護することができる。第2の液圧ポンプ(29)につい
ても同様でリリーフ弁としての逆止弁(37)によって損
傷から保護される。
この状態で車両は走行しているのであるが、この走行
中に於いてブレーキペダル(4)を急激に踏み込んです
なわち急制動し、前輪である車輪(9a)(9b)がロック
しやすく、これらがロック傾向を示すと、コントロール
ユニット(47)はブレーキ圧力を先ず保持すべきものと
判断し切換弁(8)(15)の各ソレノイド部へレベル
“1/2"の電流を供給する。よってこれら切換弁(8)
(15)はB位置をとり車輪(9a)(9b)のブレーキ力が
一定に保持される。尚、説明をわかり易くするために前
輪(9a)(9b)はスキッド状態が同等に変化するものと
する。
次いでコントロールユニット(47)がブレーキ圧力を
一定に保持するだけでは不充分でブレーキ圧力を弛める
べきであると判断すると、切換弁(8)(15)のソレノ
イド部への電流レベル“1"となる。各切換弁はC位置を
とる。よって各車輪(9a)(9b)のホイールシリンダ
(10a)(10b)の圧液は切換弁(8)(15)の排出ポー
ト及び排出管路(22a)を通ってリザーバ(23a)に排出
される。よって各車輪(9a)(9b)のブレーキは弛めら
れる。
また制動スリップ制御時に於いても電動機(30)は液
圧ポンプ(32)と共通であるので補助液圧ポンプ(29)
も駆動しており、従って遮断弁装置(27)がなければマ
スタシリンダ(1)のリザーバ(3)からブレーキ液を
吸込んでこれを第2のリザーバ(23b)に供給すること
になるので車輪(19a)(19b)のホイールシリンダから
排出されるブレーキ液量以上のブレーキ液を貯えること
になりこれでは車輪のブレーキ液圧を低下させにくゝす
る。特にμジャンプして高摩擦路面から低摩擦路面に至
った時には多量のブレーキ液をリザーバ(23b)に排出
されなければならないが、この時タンデムマスタシリン
ダ(1)のリザーバ(3)側からもブレーキ液が供給さ
れるとホイールシリンダからの圧液は益々排出されにく
ゝなり、よってブレーキを弛めることが困難となり、車
輪はロックしてしまうことになるであろう。しかるに遮
断弁装置(27)が設けられておりブレーキペダル(4)
を踏み込んで管路(11)には所定の圧力以上の圧力が発
生し、これが圧力検知器(27a)で検知されて遮断弁装
置(27)は遮断位置をとり両側を遮断としている。従っ
て補助ポンプ(29)は空運転をし、その吐出側には何
等、液圧を発生せず、即ちタンデムマスタシリンダ
(1)のリザーバ(3)からブレーキ液を吸込む事はな
い。従って以上のような問題を生ずることはない。
またこの制動スリップ制御時、液圧ポンプ(32)が駆
動開始すると逆止弁装置(6)(12)はその吐出圧を圧
力検知部(6a)(12a)により検知してE位置をとって
いるので液圧ポンプ(32)の吐出圧液はマスタシリンダ
(1)側に伝達されることはない。また遮断弁(61)は
F位置をとっているがマスタシリンダ(1)の液圧の方
がホイールシリンダ(20a)(20b)の液圧より高いので
逆止弁(62)(64)を開弁させることなくマスタシリン
ダ(1)側にブレーキ液が流れることはない。以下コン
トロールユニット(47)がブレーキを保持すべきである
が、ブレーキを弛めるべきか又は込めるべきかであると
判断するとそれぞれソレノイド部への電流レベルを“1/
2"、“1"又は“0"としB位置、C位置又はA位置をと
る。上述したようにB位置に於いてはマスタシリンダ側
とホイールシリンダ側とは遮断されるので後輪(19a)
(19b)もロックしたとする各車輪のブレーキ力は一定
に保持され、又、C位置をとるとホイールシリンダの圧
液は排出管路(22a)(22b)を通ってリザーバ(23a)
(23b)に排出される。これは直ちに液圧ポンプ(32)
により吸込まれて管路(7)(13)側へと送り込まれる
が逆止弁装置(6)(12)は逆止弁位置Eをとっている
のでマスタシリンダ(1)側に液圧ポンプ(32)の吐出
圧液が伝達されることはない。以上のようなアンチスキ
ッド制御が以下繰り返される。尚、一般に後輪(19a)
(19b)は前輪(9a)(9b)に比べブレーキ力がより小
さくなるようにブレーキ力配分されている。例えば減圧
比例弁を介して後輪(19a)(19b)のホイールシリンダ
にブレーキ液が供給される。従って前輪(9a)(9b)が
より多くロック傾向を示し、後輪(19a)(19b)がロッ
クすることは稀である。従って、本実施例では前輪(9
a)(9b)のブレーキ配管系統にはアキュムレータ(4
2)が設けられ、後輪(19a)(19b)のそれには設けら
れていないが、後輪(19a)(19b)がロック傾向を示
し、そのブレーキ力を低下させることは余り生じないの
で、液圧ポンプ(32)の吐出圧液が逆止弁装置(12)の
ポートに加えられることは殆んどない。しかし、これが
異常に高くなったときには、リリーフ弁(46b)を介し
てマスタシリンダ(1)側に戻すことができるが、実際
には逆止弁装置(6)(12)によりブレーキペダルを介
しての運転者の足へのキックバック現象は殆んど生じな
い。
なお、駆動スリップ制御時には遮断弁(61)は遮断位
置Gに切り換えられ、液圧ポンプ(32)の吐出圧が切換
弁(14)(21)及び逆止弁(62)(64)を介して遮断弁
(61)に加えられるが、これがリリーフ弁としての逆止
弁(46b)の開弁圧以上になるとマスタシリンダ(1)
側に逃される。よって液圧ポンプ(32)及び遮断弁(6
1)が損傷から保護されると共にこのブレーキ系統に対
するアキュムレータを不要としても何ら問題を生ずるこ
とがない。制動スリップ制御時には逆止弁装置(6)は
E位置をとるが、この場合においてもリリーフ弁として
の逆止弁(46a)がやはり液圧ポンプ(32)及び逆止弁
装置(6)を損傷から保護する働らきをする。また、ア
キュムレータ(42)を小型化する。
なお、液圧ポンプ(32)が駆動開始してその液圧が所
定値を越えると逆止弁装置(6)(12)がE位置に切り
換わるが、この後でこの液圧が逆止弁装置(6)(12)
の出力側に伝達されるので、これがマスタシリンダ側に
伝わることはない。すなわち、液圧ポンプ(32)の吐出
圧が逆止弁(51a)(51b)を開弁させる間に逆止弁装置
(6)(12)がE位置に切換わるので、確実に、液圧ポ
ンプ(32)の吐出圧がマスタシリンダ(1)側に伝達す
るのを防止することができる。
なお本考案によればブレーキを弛めるときには、ホイ
ールシリンダ(10a)(10b)(20a)(20b)の圧液は逆
止弁(62)(64)(65)(66)を通ってマスタシリンダ
(1)へと戻すことができるが、切換弁(8)(14)
(15)(21)は一般に入力ポートと出力ポートとの間に
は絞りを有するので、切換弁(8)(14)(15)(21)
のみを通って戻される場合より迅速にマスタシリンダ
(1)へと戻される。よってブレーキを迅速に弛めるこ
とができる。
第2図は本考案の第2実施例を示すが第1図に対応す
る部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は
省略する。
即ち本実施例に於いてはタンデムマスタシリンダ
(1)のリザーバ(3)とリザーバ(23b)とを接続す
る管路(52)に第1実施例の補助液圧ポンプ(29)と同
様な補助液圧ポンプ(64)が設けられるが、これを駆動
するモータ(66)は第1実施例と異なり第1液圧ポンプ
(32)を駆動するモータ(30)とは別体で独立に制御可
能となっている。従って第1実施例の遮断弁装置(27)
は不要とされている。制動スリップ制御時にはモータ
(66)の駆動が停止され、マスタシリンダ(1)のリザ
ーバ(3)からブレーキ液が吸込まれることはないから
である。
その他の構成及び作用については第1実施例と同様で
あるので省略する。
なお、第1、第2実施例のいづれにおいても補助液圧
ポンプ(29)(64)が設けられているので、駆動スリッ
プの制御時には、これら駆動により、第1の液圧ポンプ
(32)の吸込側の逆止弁(35b)を開弁するための補助
作用をも行うので急発進時において駆動スリップを最適
スリップ値又は最適スリップ率へと迅速に駆動輪(19
a)(19b)を制御するので迅速に車両の操縦性と走行性
の安定化を図ることができる。
以上、本考案の各実施例について説明したが、勿論、
本考案はこれら実施例に限定される事なく本考案の技術
的思想に基づいて種々の変化が可能である。
例えば、以上の実施例では4輪車が説明されたが、本
考案は自動2輪車(モータサイクル)にも適用可能であ
る。
また以上の実施例では、前後分離配管の後輪駆動車が
説明されたが、本考案は前輪駆動車又は4輪駆動車とも
適用可能である。それぞれに応じてXブレーキ配管など
の配管系統に変更すれば良い。
また以上の実施例では4輪に対しそれぞれ切換弁
(8)(14)(15)(21)を設けた(いわゆる4チャン
ネル制御とした)が、これに代えて、4輪を2つの切換
弁又は3つの切換弁、すなわち2チャンネル又は3チャ
ンネルで制御してもよい。
また以上の実施例では液圧ポンプ(32)の液圧の逆止
弁装置(6)(12)の出力側への伝達遅れを生じさせる
ために逆止弁(51a)(51b)を設けたが、これに代えて
絞りを用いてもよい。
また以上の実施例では遮断弁(61)と逆止弁(62)又
は(64)とを直列に切換弁(14)又は(21)をバイパス
する管路に設け、遮断弁(61)はマスタシリンダ(1)
側に接続したが、これに代えて逆止弁(62)(64)をマ
スタシリンダ(1)側に接続し、これに直列にホイール
シリンダ(20b)(20b)側に各々、遮断弁(61)を設け
るようにしてもよい。
また、以上の実施例ではアキュムレータ(42)は一方
の系統にしか設けられなかったが、他方の係合にも設け
てもよい。
〔考案の効果〕
本考案の車両用液圧ブレーキ制御装置によれば、第
1、第2弁装置を上述のように設け、第2弁装置と直列
にマスタシリンダ側への方向を順方向とする逆止弁を設
けているので迅速な駆動スリップ制御及びブレーキペダ
ルフィーリングの良好な制動スリップ制御を行いながら
回路構成を何ら複雑化することなく通常のブレーキ時及
び制動スリップ制御時にブレーキペダルへの踏力を解除
すると迅速にブレーキを弛めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は各々、本考案の第1実施例による車
両用液圧ブレーキ制御装置の配管系統図である。 なお図において、 (61)……遮断弁 (62)(64)……逆止弁

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダと駆動輪の車輪ブレーキ装
    置とを接続する接続管路内に位置し、前記駆動輪の制動
    スリップ及び駆動スリップを評価するコントロール・ユ
    ニットからの指令を受けて、前記車輪ブレーキ装置のブ
    レーキ液圧を制御する液圧制御弁と、該液圧制御弁の制
    御によりブレーキ液圧を低下する際、前記車輪ブレーキ
    装置から前記液圧制御弁を介して排出されるブレーキ液
    を貯えるリザーバと、該リザーバのブレーキ液を加圧し
    前記マスタシリンダと前記液圧制御弁とを接続する主管
    路に供給可能な第1の液圧ポンプと、前記主管路の前記
    液圧ポンプの吐出側接続部よりも前記マスタシリンダ側
    に配設され、通常は両方向に連通し、前記液圧ポンプの
    吐出圧力により、少なくとも前記液圧ポンプの吐出側か
    ら前記マスタシリンダ側への液連通を遮断する第1の弁
    装置と、前記接続管路内の前記液圧制御弁と前記第1の
    弁装置とをバイパスし、前記車輪ブレーキ装置と前記マ
    スタシリンダとを接続するバイパス管路に、通常は連通
    し前記コントロール・ユニットから駆動スリップ制御信
    号を受けると遮断状態に切り換わる第2の弁装置とを設
    け前記リザーバは予めブレーキ液圧を貯蔵している第1
    リザーバと、ブレーキ液を貯蔵可能な第2リザーバとか
    ら構成し、前記両リザーバを接続する管路にその吐出側
    を前記第1の液圧ポンプの吸込側に向けた第2の液圧ポ
    ンプとを設けるとともに前記第2の弁装置と直列に前記
    マスタシリンダ側へを順方向とする逆止弁を設け、前記
    第2の液圧ポンプは前記駆動輪の駆動スリップ制御中は
    常時駆動するようにしたことを特徴とする車両用液圧ブ
    レーキ制御装置。
  2. 【請求項2】前記第1の液圧ポンプの吐出口と前記主管
    路とを接続する管路に、前記第1の液圧ポンプ側から前
    記マスタシリンダ側へを順方向とする逆止弁を設け、該
    逆止弁と前記吐出口との間の液圧を前記第1の弁装置の
    圧力検知部が受けるようにしたことを特徴とする請求項
    (1)に記載の車両用液圧ブレーキ装置。
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