JP2556677B2 - アンチスキツド装置用液圧制御装置 - Google Patents

アンチスキツド装置用液圧制御装置

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JP2556677B2
JP2556677B2 JP60126914A JP12691485A JP2556677B2 JP 2556677 B2 JP2556677 B2 JP 2556677B2 JP 60126914 A JP60126914 A JP 60126914A JP 12691485 A JP12691485 A JP 12691485A JP 2556677 B2 JP2556677 B2 JP 2556677B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両等の車輪の回転状態もしくはスキッド
状態に応じて、車輪のブレーキ装置のホイールシリンダ
に伝達されるブレーキ液圧を制御する車両用アンチスキ
ッド装置のための液圧制御装置に関する。
〔従来の技術〕
この種の装置として、マスタシリンダと車輪ブレーキ
装置のホイールシリンダとの間に配設され車輪のスキッ
ド状態を評価するコントロール・ユニットからの指令を
受けて、該ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御する
液圧制御弁を備えたアンチスキッド装置用液圧制御装置
が知られている。例えば車輪が一対の前輪及び一対の後
輪から成る場合には、それぞれの前輪及び後輪に対して
各々液圧制御弁を設け、すなわち4個の液圧制御弁を設
け、各々独立してブレーキ液圧を制御すれば何も問題は
ない。あるいは両後輪に対しては回転速度の小さい方の
後輪のスキッド状態に応じて一個の液圧制御弁で共通に
ブレーキ液圧を制御するようにしても問題はない。
然しながら、上述の場合、3個又は4個の液圧制御弁
が用いられるので、装置全体(一般にリザーバなどとユ
ニット化されている)を大型化し、重量も大きくしてい
る。更に、液圧制御弁は高価であるのでコストを高くし
ている。
従って、例えばX型の配管系統で2個の液圧制御弁で
両前輪のブレーキ液圧を各々制御し、各後輪のブレーキ
液圧もこれら液圧制御弁で共通に制御することが考えら
れる。然しながら、路面の両側で摩擦係数μが大きく異
なる場合、高μ側路面上にある前輪と反対側(ダイアゴ
ナルな位置)にある後輪はロックする恐れがある。この
場合には車両の方向安定性が失われ非常に危険である。
また、後輪に対しては減圧比例制御弁(プロポーショニ
ング・バルブ)を介在させてブレーキ液圧を制御するこ
とも考えられるが、この弁の入力側の液圧に比例してブ
レーキ液圧が上昇するのでやはりロックの恐れはなくな
らない。
本出願人は上記の問題に鑑みて液圧制御弁は2個(2
チャンネル)として装置を小型化、軽量化しながら、後
輪のロックの恐れを排除することができるアンチスキッ
ド装置用液圧制御装置を提供することを目的として、先
に上記構成において、各前輪に対しそれぞれ前記液圧制
御弁を設け、これら制御弁のいづれかが制御開始したと
きはこれら前輪のブレーキ液圧のうち低い方のブレーキ
液圧に従って、前記後輪のうち少なくとも該低い方のブ
レーキ液圧の前輪と同一側にある後輪のブレーキ液圧を
制御するようにしたことを特徴とするアンチスキッド装
置用液圧制御装置を提案した。すなわち、上記液圧制御
弁により制御された両前輪のブレーキ液圧のうち低い方
の圧力に従った圧力を出力する圧力選択手段を両前輪の
ホイールシリンダと両後輪のホイールシリンダとの間に
配設した。また、各液圧制御弁を制御するためのコント
ロール・ユニットからの指令は各前輪のスキッド状態を
評価することにより形成されている。
然しながら、上記構成では、均一な路面における強い
制動時には、前後輪とも同種のタイヤを装備しているこ
とを前提にして、前輪の方が後輪より先にロックするよ
うに前後輪の制動力を適当に配分しているのであるが、
上記前提条件を満足しない場合、例えば、氷上又は雪上
路面で前輪のみにスパイクタイヤを用いたり、チェーン
を装備して後輪は通常のタイヤである場合には、逆に後
輪の方が前輪より先にロックし得る。しかし上記構成で
は後輪のみがロックの傾向を示してもブレーキ圧力は制
御されないので、この様な条件では、前輪の制御が開始
され、そのブレーキ圧力が後輪のロック圧力以下に低下
することがない限り後輪のロックは解除されず、車両の
方向安定性を保つことはできない。
また、前後輪とも同種のタイヤを装備している場合で
も、前輪ブレーキ装置のいわゆる温度フェード現象など
によってブレーキライニングの摩擦係数が低下し前輪の
ロック圧力が異常に上昇した場合、特に高μ路面におけ
る強い制動時には、後輪のブレーキ圧力は減圧比例弁に
よって前輪のブレーキ圧力に比例した圧力にまで上昇さ
れ、遂にはそのロック圧力以上に達して後輪の方が前輪
より先にロックし得る。これにより上述と同様な問題が
生ずる。
第7図はこのような問題をグラフで示したものである
が、第7図Aはブレーキをかけたときの車輪速度の変
化、第7図Bはコントロール・ユニットの指令信号、第
7図Cは車輪のブレーキ液圧の変化を示している。すな
わち、均一な路面を走行し、前後輪とも同種のタイヤを
装備している場合には、時刻t0でブレーキペダルを踏み
込むと前輪のブレーキ液圧Pは第7図Cで実線で示すよ
うに上昇し、時間t1でブレーキ保持指令をコントロール
・ユニットが発生する。すなわち液圧制御弁を構成する
供給弁及び排出弁の各ソレノイドに対する制御信号EV及
びAVのうち、AVは未だ“0"であるがEVが“1"となる。こ
れにより前輪のブレーキ液圧Pは一定とされる。時間t2
になるとブレーキ弛め指令をコントロール・ユニットが
発する。すなわち、制御信号EVは依然として“1"である
が、制御信号AVが“0"から“1"となる。これにより第7
図Cに示すように前輪のブレーキ液圧Pが減少する。時
間t3で制御信号AVが“0"となるが、EVは依然として“1"
である。これによりブレーキ液圧が一定に保持される。
時間t4で制御信号EVも“0"となると(コントロール・ユ
ニットはブレーキ再込め指令を発する)、ブレーキ液圧
は再上昇する。時間t5で制御信号EVが再び“1"となる
と、ブレーキ液圧は一定に保持される。以後、同様にし
て階段込めの状態でブレーキ液圧Pは上昇し、時間t6
なると制御信号EVが“1"のときに制御信号AVが“1"とな
る。これによりブレーキ液圧Pは減少する。以上のよう
にして前輪のブレーキ液圧Pは時間と共に変化するので
あるが、後輪のブレーキ液圧P′も前輪のブレーキ液圧
Pの変化に従って、減圧されて変化する。なお、減圧比
例弁を介在させているので、そのヒステリシス現象によ
り後輪のブレーキ液圧P′は前輪のブレーキ液圧Pに対
して若干遅れるが、第7図Cではこの遅れを無視してい
る。また、減圧比例弁のヒステリシス現象と後輪のブレ
ーキ装置、すなわちホイールシリンダの剛性の影響(低
圧域ではブレーキ液圧を一定量増大させるのにより大き
なブレーキ液量を必要とする)とによってブレーキ液圧
P′の変動巾は図示するように前輪のブレーキ液圧Pの
変動巾より小さい。
以上のようなブレーキ液圧の変化により、前輪及び後
輪の車輪速度V、V′は第7図Aで実線で示すように変
化し、ロックすることなく減少し所望のアンチスキッド
制御が行われる。
前輪にチェーンを装備したり、温度フェード現象が生
じたりすると上述のように前輪のロック圧力が上昇する
のであるが、第7図Cでは前輪のブレーキ液圧Pは破線
で示すように変化する。すなわち、実線と比べると高い
レベルで変動している。他方、後輪のブレーキ液圧P′
は破線で示すように後輪ロック限界圧力Rを越えてしま
い、以後、前輪のブレーキ液圧Pを減少させても、変動
巾がより小さいこともあってロックを解除されることが
ない。第7図Aの破線で示すように前輪はロックするこ
とがないが、後輪はロックしてしまう。これによりアン
チスキッド制御が適切に行われなくなるばかりか、方向
安定性が失われ、極めて危険な状態となる。
本出願人は更に上記の問題に鑑みて液圧制御弁は2個
(2チャンネル)として装置を小型化、軽量化しなが
ら、いかなる場合にも後輪のロックの恐れを排除するこ
とができるアンチスキッド装置用液圧制御装置を提供す
ることを目的として、上記構成において、前記コントロ
ール・ユニットは前記一対の前輪及び前記一対の後輪の
スキッド状態をそれぞれ評価し、前記前輪のうちの一方
の評価結果と該前輪と同一側にある前記後輪のうちの一
方の評価結果とを論理的に組み合わせて前記第1液圧制
御弁を制御する指令を発し、前記前輪のうちの他方の評
価結果と該前輪と同一側にある前記後輪のうちの他方の
評価結果とを論理的に組み合わせて前記第2液圧制御弁
を制御する指令を発するようにしたことを特徴とするア
ンチスキッド装置用液圧制御装置、を先に提案した(特
願昭60−17178)。
以上の構成では、一方の後輪が先にロック傾向を示し
たとき、その弛め信号によりこれと同一側の一方の前輪
用の液圧制御弁を作動させる。これにより両後輪及び一
方の前輪のブレーキ力が低下する。同様に他方の後輪が
先にロック傾向を示したとき、その弛め信号により、こ
れと同一側の他方の前輪用の液圧制御弁を作動させる。
これにより両後輪及び他方のブレーキ力が低下する。従
って、例えば一方の後輪から弛め信号が出ているとき、
他方の後輪のブレーキ力も低下するにも拘らず、この後
輪から弛め信号が出るとこれと同一側にある前輪用の液
圧制御弁を作動させたのでは該前輪(未だブレーキ弛め
信号は出ていない)のブレーキ力も低下させてしまい制
動距離が延びてしまう。また制御中には運転者は体が前
後に大きく揺れ、フィーリングが悪い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記問題に鑑みてなされ、いかなる場合にも
後輪のロックの恐れを排除しながら、上記従来構成より
制御距離を短かくし、制動時のフィーリングも良好にす
るアンチスキッド装置用液圧制御装置を提供することを
目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的は、それぞれのホイールシリンダをX配管
接続させた一対の前輪及び一対の後輪;マスタシリンダ
の第1液圧発生室と前記前輪のうちの一方の前輪のホイ
ールシリンダとの間に配設され該前輪のホイールシリン
ダのブレーキ液圧を制御する第1液圧制御弁;前記マス
タシリンダの第2液圧発生室と前記前輪のうちの他方の
前輪のホイールシリンダとの間に配設され、該前輪のホ
イールシリンダのブレーキ液圧を制御する第2液圧制御
弁;車輪のスキッド状態を評価し、前記第1、第2液圧
制御弁を制御する指令を発するコントロール・ユニッ
ト;前記両前輪のホイールシリンダと両後輪のホイール
シリンダとの間に配設され、前記第1、第2液圧制御弁
により制御された前記両前輪のブレーキ液圧のうち低い
方の圧力に従った圧力を出力する圧力選択手段;とから
成るアンチスキッド装置用液圧制御装置において、前記
第1及び第2液圧制御弁のうち一方に対する前記指令の
うちブレーキ液圧を低下させるための低下指令は、前記
評価結果の中で前記一方の液圧制御弁によってブレーキ
液圧を制御される一方の前輪と同一の側にある一方の後
輪のブレーキ液圧を低下させるべきスキッド状態と、前
記第1及び第2液圧制御弁のうち他方は低下指令を受け
ていないことゝの論理積と、前記一方の後輪と同一側に
ある前記一方の前輪の該スキッド状態との論理和によっ
て形成するようにしたことを特徴とするアンチスキッド
装置用液圧制御装置、によって達成される。
〔作用〕
一方の後輪がブレーキ液圧を低下させるべきスキッド
状態になり、該後輪と同一系統の前輪用の液圧制御弁が
低下指令を受けていないと、他系統すなわち、該後輪と
同一側にある前輪用の液圧制御弁が低下指令を受け、該
同一側の前輪のブレーキが弛められ、圧力選択手段によ
り、該前輪と同一側にある該後輪のブレーキが弛められ
る。また、該前輪と同一系統にある他方の後輪のブレー
キも弛められる。従って、仮にこの他方の後輪にロック
傾向が出ていても、このブレーキ力低下で短時間で終わ
り、しかも前記一方の後輪がブレーキ液圧を低下させる
べきスキッド状態にあるときに、該他方の後輪がブレー
キ液圧を低下させるべき状態に達したとしても、該後輪
と同一側の前輪のブレーキ力は低下しないようにしてい
るのでブレーキの弛め過ぎを防止し、制動距離を短くす
ることができる、又、従来は他方の後輪のスキッド状態
により同一側の前輪のブレーキ力も低下させていたの
で、車両全体のブレーキ力の変化が(低下中に更に低
下、またこの低下から増大という)多くなり、その度に
運転者に慣性力が働いて、体が前後に大きく揺れ、フィ
ーリングが悪くなっていたが、本発明はこれを良好なも
のとすることができる。又、前輪がチェーンを装備した
りフェール現象を生じさせていても後輪が両方ともロッ
クされるということが防止される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図〜第6図は本発明の実施例を示すが、第1図に
おいてマスタシリンダ(1)はペダル(2)に結合さ
れ、その一方の液圧発生室は管路(3)、液圧制御弁
(4a)、管路(5)を介して右側前輪(6a)のホイール
シリンダ(7a)に接続される。管路(5)は更に後に詳
述する弁装置(8)の第1入力ポート(9)に接続され
る。弁装置(8)の通常は第1入力ポート(9)と連通
する第1出力ポート(10)は管路(13)及び減圧比例弁
(32b)を介して左側後輪(11b)のホイールシリンダ
(12b)に接続される。
マスタシリンダ(1)の他方の液圧発生室は管路(1
6)、液圧制御弁(4b)、管路(17)を介して左側前輪
(6b)のホイールシリンダ(7b)に接続される。管路
(17)は更に弁装置(8)の第2入力ポート(18)に接
続される。弁装置(8)の通常は第2入力ポート(18)
と連通する第2出力ポート(14)は管路(15)を介して
右側後輪(11a)のホイールシリンダ(12a)に接続され
る。
液圧制御弁(4a)(4b)はそれぞれ切換弁としての供
給弁(33a)(33b)及び排出弁(34a)(34b)から成り
排出弁(34a)(34b)の排出口は管路(60a)(60b)を
介してリザーバ(25a)(25b)に接続される。リザーバ
(25a)(25b)は本体に摺動自在に嵌合したピストン
(27a)(27b)及び弱いばね(26a)(26b)から成り、
このリザーバ室は液圧ポンプ(20)の吸込口に接続され
る。液圧ポンプ(20)は公知のようにピストンを摺動自
在に収容する本体(21)、ピストンを往復動させる電動
機(22)、逆止弁(23a)(23b)(24a)(24b)から成
り、その吐出口、すなわち逆止弁(23a)(23b)側は管
路(3)(16)に接続される。
車輪(6a)(6b)(11a)(11b)にはそれぞれ車輪速
度検出器(28a)(28b)(29a)(29b)が配設される。
これら検出器から車輪(6a)(6b)(11a)(11b)の回
転速度に比例した周波数のパルス信号が得られ、コント
ロール・ユニット(31)に入力として加えられる。
コントロール・ユニット(31)は一点鎖線で囲まれて
いるように第1評価回路(35a)該第1評価回路(35a)
とは独立であるが同一の回路構成を有する第2評価回路
(35b)論理回路(36)、及びモータ駆動回路(37)か
ら成っている。これら各回路(35a)(35b)(36)(3
7)については後に詳述するが、第1評価回路(35a)の
入力端子a1、a2にはそれぞれ車輪速度検出器(28a)(2
9b)の出力端子が接続され、第2評価回路(35b)の入
力端子a1′、a2′にはそれぞれ車輪速度検出器(28b)
(29a)の出力端子が接続される。すなわち、第1評価
回路(35a)は右側前輪(6a)の車輪速度信号及び左側
後輪(11b)の車輪速度信号を受け、これらをそれぞれ
評価し、その評価結果を論理回路(36)に供給し、後述
するようにこれらを論理的に組み合わせて、出力端子
C1、C2にそれぞれ制御信号EV、AVを発生する。第2評価
回路(35b)は左側前輪(6b)の車輪速度信号及び右側
後輪(11a)の車輪速度信号を受け、これらをそれぞれ
評価し、その評価結果を後述するようにこれらを論理的
に組み合わせて、出力端子C1′、C2′にそれぞれ制御信
号EV′、AV′を発生する。これら制御信号EV、AV、E
V′、AV′は2位置電磁切換弁(33a)(34a)、(33b)
(34b)のソレノイドSa、Sa′、Sb、Sb′に供給され
る。2位置電磁切換弁(33a)(34a)、(33b)(34b)
はそのソレノイドへのEV、AV、EV′、AV′がロー“0"で
あるかハイ“1"であるかによって2つの位置A、B又は
C、Dのいづれかをとるように構成されている。すなわ
ち、制御信号EV、EV′が“0"のときには、供給弁として
の切換弁(33a)(33b)はAの位置をとり、両側通路を
連通させ、EV、EV′が“1"のときにはBの位置をとり、
両側通路を遮断する。制御信号AV、AV′が“0"ときには
排出弁としての切換部(34a)(34b)はCの位置をと
り、マスタシリンダ(1)側とホイールシリンダ(7a)
(7b)側とを連通させるが、AV、AV′が“1"ときにはD
の位置をとり、マスタシリンダ(1)側とホイールシリ
ンダ(7a)(7b)側とを遮断し、ホイールシリンダ(7
a)(7b)側とリザーバ(25a)(25b)側とを連通させ
る。すなわち、コントロール・ユニット(31)がブレー
キ弛め指令を発するときには制御信号EV、EV′及びAV、
AV′は共に“1"となり、ブレーキ一定保持指令のときに
はEV、EV′は“1"でAV、AV′は“0"となり、ブレーキ込
め指令ときにはEV、EV′及びAV、AV′は共に“0"とな
る。コントロール・ユニット(31)におけるモータ駆動
回路(37)はブレーキ弛め指令を発すると共に以後、ア
ンチスキッド制御中は継続してモータ駆動信号Qを発生
し、この信号Qによりモータ(22)は駆動される。
次に前輪(6a)(6b)のホイールシリンダ(7a)(7
b)からブレーキ液圧を受ける弁装置(8)の詳細につ
いて第2図を参照して説明する。
弁装置(8)の本体(61)には軸方向に段付貫通孔
(61a)が形成され、第2図において右端開口部には蓋
体(62)がシールリング(35)を介在させて螺着され、
左端開口部には蓋体(36)がシールリング(37)を介在
させて螺着されている。蓋体(62)(36)にはそれぞれ
上述の第1入力ポート(9)及び第2入力ポート(18)
が形成されている。
段付孔(61a)の中央にはシールリング(39)(40)
を装着したピストン(38)が摺動自在に嵌合しており、
その両端に一体的に形成された軸状部(41a)(41b)は
出力室(50a)(50b)を横断して通常の図示する状態で
は弁球(47a)(47b)と当接している。弁球(47a)(4
7b)は入力室(49a)(49b)内にあり、ばね(48a)(4
8b)により弁座(46a)(46b)に向って付勢されてい
る。一方の弁座(46b)は本体(61)の内壁に形成され
ているが、他方の弁座(46a)は筒状部材(44)に圧入
された弁座部材(45)に形成されている。筒状部材(4
4)の内側に上述の出力室(50a)が形成され、この周壁
部に形成された孔(44a)を介して第1出力ポート(1
0)と連通している。また、他方の出力室(50b)は直
接、第2出力ポート(14)と連通している。
ピストン(38)の軸状部(41a)(41b)に遊合状態で
ばね受けリング(42a)(42b)が嵌合しており、これと
段付孔(33)の段部との間にばね(43a)(43b)が張設
され、ばね受けリング(42a)(42b)を中央部に向って
付勢している。通常の図示する状態ではばね受けリング
(42a)(42b)のフランジ部が本体(61)の段部(58
a)(58b)と当接している。この状態で、ピストン(3
8)の主部(59)とばね受けリング(42a)(42b)との
間にはわずかな隙間しか形成されない。これによりピス
トン(38)の段付孔(33)内における中立位置が規制さ
れる。
本体(32)の中央部に形成された孔にはスイッチ(5
2)がシールリング(53)を装着し嵌入されており、そ
の作動子は中立位置にあるピストン(38)の外周に形成
された溝(51)に嵌合している。スイッチ(52)からの
リード線(54)はb接点リレーの接点(55)、警報ラン
プ(56)を介してバッテリ(57)の+端子に接続され
る。すなわち、接点(55)が閉じておりスイッチ(52)
の作動子が作動したときに警報ランプ(56)が点灯する
ように構成されている。b接点リレーの接点(55)は第
1図に示すアンチスキッド装置が作動すると開き、通常
は閉じている。これは例えば液圧ポンプ(20)が作動す
ると圧力により励磁されるリレーである。
なお、ピストン(38)が通常の図示する中立位置では
軸状部(41a)(41b)により弁球(47a)(47b)は弁座
(46a)(46b)から離座されており、入力室(49a)(4
9b)と出力室(50a)(50b)とを連通させている。また
第1図において、管路(3)と(5)及び(16)と(1
7)との間に逆止弁(19a)(19b)が接続されている。
これらはホイールシリンダ側からマスタシリンダ側への
方向を順方向としているが、切換部(33a)(33b)(34
a)(34b)はA、Cの位置では絞り孔を介して両側を連
通させているので、ブレーキペダル(2)への踏力を解
除してブレーキをゆるめるときに迅速にホイールシリン
ダ(7a)(7b)(12a)(12b)からマスタシリンダ
(1)に圧液を還流させるために設けられている。
第1、第2評価回路(35a)(35b)は同一の構成を有
するので、次に一方の第1評価回路(35a)についての
み第3図を参照して説明する。
第1、第2評価回路(35a)(35b)はそれぞれ前輪評
価回路部(35a1)(35b1)及び後輪評価回路部(35a2
(35b2)から成るが、これら評価回路部も同様に構成さ
れている。
車輪速度検出器(28a)(29b)の信号は車輪速度演算
器(72a)(72b)に供給され、この演算器(72a)(72
b)から車輪速度に比例したデジタル又はアナログ出力
が得られ、近似車体速度発生器(76a)(76b)と、スリ
ップ信号発生器(77a)(77b)と、車輪加減速度演算器
すなわち微分器(73a)(73b)とに供給される。
近似車体速度発生器(76a)(76b)は車輪速度演算器
(72a)(72b)の出力を受け、車輪の減速度が所定の値
に達するまでは、車輪速度に等しい出力を発生し、車輪
の減速度が上記所定の値以上になると、その時点の車輪
速度を初期値として、それ以後所定の勾配で低下する近
似車体速度を発生する。近似車体速度発生器(76a)(7
6b)の出力は高出力選択器(71)に供給され、これで選
択された高い方の出力がスリップ信号発生器(77a)(7
7b)に供給され、こゝで車輪速度演算器(72a)(72b)
からの車輪速度と近似車体速度とが比較され前者が後者
より所定量以上小さいときには、スリップ率信号Sを発
生する。この所定量は例えば基準率15%として設定され
ており、近似車体速度に対する車輪速度の百分率を100
から引いた値(スリップ率)が基準率と比較され、この
スリップ率が基準率より大きい場合にスリップ率信号S
を発生する。
微分器(73a)(73b)は車輪速度演算器(72a)(72
b)の出力を受け、これを時間に関し微分し、この微分
出力は減速度信号発生器(75a)(75b)と、加速度信号
発生器(74a)(74b)とに供給される。減速度信号発生
器(75a)(75b)には減速度基準値(例えば−1.5g)が
設定されており、これと微分器(73a)(73b)の出力と
が比較され、微分器(73a)(73b)の出力、すなわち車
輪の減速度が減速度基準値より大きいときには減速度信
号発生器(75a)(75b)は減速度信号−bを発生する。
また、加速度信号発生器(74a)(74b)には、加速度基
準値(例えば、0.5g)が設定されており、これと微分器
(73a)(73b)の出力とが比較され、微分器(73a)(7
3b)の出力、すなわち車輪の加速度が加速度基準値より
大きいときには、発生器(74a)(74b)は加速度信号+
bを発生する。
加速度信号発生器(74a)(74b)の出力端子はアンド
ゲート(92a)(92b)の論理否定の入力端子(○印で示
す。以下同様)、アンドゲート(90a)(90b)の論理否
定の入力端子、オフ遅延タイマ(88a)(88b)を介して
アンドゲート(90a)(90b)の入力端子、及オアゲート
(94a)(94b)の第1の入力端子に接続されている。ア
ンドゲート(90a)(90b)の出力端子はパルス発信器
(78a)(78b)の入力端子及びアンドゲート(93a)(9
3b)の入力端子に接続され、パルス発信器(78a)(78
b)の出力端子はアンドゲート(93a)(93b)の論理否
定の入力端子に接続される。加速度信号発生器(74a)
(74b)、オフ遅延タイマ(88a)(88b)、パルス発信
器(78a)(78b)、オアゲート(94a)(94b)及びアン
ドゲート(90a)(90b)(93a)(93b)によってブレー
キ上昇信号発生器(81a)(81b)が構成され、これによ
りブレーキ圧力を緩上昇させるためのパルス信号が発生
するのであるが、後述するようにアンチスキッド制御中
においてブレーキ圧力を緩上昇させるべき時間を考慮し
てオフ遅延タイマ(88a)(88b)の遅延時間が定められ
ている。アンドゲート(93a)(93b)の出力端子は上述
のオアゲート(94a)(94b)の第2の入力端子に接続さ
れる。
減速度信号発生器(75a)(75b)の出力端子はオフ遅
延タイマ(97a)(97b)を介してオアゲート(94a)(9
4b)の第3の入力端子に接続され、スリップ信号発生器
(77a)(77b)の出力端子は上述のアンドゲート(92
a)(92b)の他方の入力端子に接続され、このアンドゲ
ート(92a)(92b)の出力端子は上述のオアゲート(94
a)(94b)の第4の入力端子に接続される。オアゲート
(94a)(94b)の出力端子及びアンドゲート(92a)(9
2b)の出力端子における信号EV1、EV2、AV1、AV2が後段
の論理回路(36)に供給される。
アンドゲート(92a)(92b)の出力端子は更にオフ遅
延タイマ(95a)(95b)に接続され、このタイマ(95
a)(95b)の出力端子はモータ駆動回路(37)に接続さ
れている。タイマ(95a)(95b)の遅延時間はアンドゲ
ート(92a)(92b)の出力が最初に“1"になり、次いで
“0"になっても以後、アンチスキッド制御中はその出力
は“1"を持続するように充分長く設定されている。
第2評価回路(35b)においても同様にして第1評価
回路(35a)における信号EV1、EV2、AV1、AV2に対応す
る信号EV1′、EV2′、AV1′、AV2′が形成される。すな
わち、EV1′、AV1′は左側前輪(6b)のスキッド状態を
表わす信号であり、EV2′、AV2′は右側後輪(11a)の
スキッド状態を表わす信号である。
次に、第4図を参照して論理回路(36)の詳細につい
て説明する。
第1オアゲート(100a)(100b)の一方の入力端子に
はそれぞれ出力EV1、EV1′が供給され、他方の入力端子
には第1アンドゲート(101a)(101b)の出力が供給さ
れる。このアンドゲート(101a)(101b)の一方の入力
端子にはそれぞれ出力EV2′、EV2が供給され、他方の入
力端子にはノットゲート(102a)(102b)を介して出力
AV1Z、AV1Z′が供給される。
第2オアゲート(103a)(103b)の一方の入力端子に
は出力AV1、AV1′が供給され、他方の入力端子には第2
アンドゲート(104a)(104b)の出力が供給される。第
2アンドゲート(104a)(104b)の一方の入力端子には
ノットゲート(105a)(105b)を介してそれぞれオアゲ
ート(103a)(103b)の出力AV、AV′が供給され、他方
の入力端子には出力AV2′AV2が供給される。オアゲート
(100a)(100b)(103a)(103b)の出力端子はそれぞ
れ増巾器(106a)(106b)(107a)(107b)を介して第
1図における供給弁(33a)(33b)のソレノイドSa、Sb
及び排出弁(34a)(34b)のソレノイドSa′、Sb′に接
続される。すなわち、増巾器(106a)(106b)(107a)
(107b)により増巾された制御信号EV、AV、EV′、AV′
がソレノイドSa、Sa′、Sb、Sb′に供給される。
第5図はモータ駆動回路(37)を示し、オアゲート
(114)と増巾器(115)とから成っている。オアゲート
(114)の第1の入力端子には第1評価回路(35a)から
のAV2Z信号が供給され、第2の入力端子にはAV1Z信号
が供給される。AV1Z信号は右側前輪(6a)のスキッド
状態により形成され、AV2Z信号は左側後輪(11b)のス
キッド状態により形成されたものであるが、第2評価回
路(35b)においても同様に左側前輪(6b)のスキッド
状態によりAV1Z′信号、右側後輪(11a)のスキッド状
態によりAV2Z′信号が形成され、これらはそれぞれオ
アゲート(114)の第4、第3の入力端子に接続され
る。第2、第4入力端子はそれぞれ(36)に上述のよう
に接続される。オアゲート(114)の出力は増巾器(11
5)により増巾されQ信号となり第1図におけるモータ
(22)を駆動する信号となる。
本発明の実施例は以上のように構成されるが、次にこ
の作用について説明する。
今、急ブレーキをかけるべくブレーキペダル(2)を
踏んだものとする。また、車輪(6a)(6b)(11a)(1
1b)は同一種のタイヤを装備し摩擦係数が均一な路面を
走行しているものとする。ブレーキのかけ始めにおいて
はコントロール・ユニット(31)からの弁駆動信号EV、
AV、EV′、AV′はいづれも“0"であるので、切換部(33
a)(34a)、(33b)(34b)はA、Cの位置をとってい
る。従って、マスタシリンダ(1)からの圧液は管路
(3)(16)、切換弁(33a)(34a)、(33b)(34b)
管路(5)(17)を通って前輪(6a)(6b)のホイール
シリンダ(7a)(7b)に供給される。この圧液は更に弁
装置(8)における第1入力ポート(9)、第2入力ポ
ート(18)、入力室(49a)(49b)、出力室(50a)(5
0b)、第1出力ポート(10)、第2出力ポート(14)、
管路(13)(15)及び減圧弁(32a)(32b)を通って後
輪(11a)(11b)のホイールシリンダ(12a)(12b)に
も供給される。これにより車輪(6a)(6b)(11a)(1
1b)にブレーキがかかけられる。減圧弁(32a)(32b)
は公知の作用を行ない、入力側の圧力が所定値以下で
は、そのまゝ出力側に伝えるが、所定値以上では、ほゞ
一定の割合で減圧させて出力側に伝える。
ブレーキ液圧の上昇により車輪(6a)(6b)(11a)
(11b)が所定の減速度に達すると(なおこの場合には
説明をわかりやすくするために同時に達するものとす
る。以下のスリップ率についても同様)、すなわち評価
回路(35a)(35b)で減速度信号発生器(75a)(75b)
(第1評価回路(35a)について代表的に符示する。)
が減速度信号−bを発生するとEV1、EV2、EV1′、EV2
信号が“1"となり、論理回路(36a)(36b)の出力EV、
EV′は“1"となる。従って、切換弁(33a)(33b)はB
の位置に切り換えられ、マスタシリンダ(1)側とホイ
ールシリンダ(7a)(7b)側とは遮断される。これによ
りホイールシリンダ(7a)(7b)(12a)(12b)のブレ
ーキ液圧は一定に保持される。
車輪の減速度が所定の値より小さくなると減速度信号
−bは消滅するが、オフ遅延タイマー(97a)(97b)に
よりオアゲート(94a)(94b)への入力はなお“1"に保
持される。この後に車輪が所定のスリップ率に達する
と、または減速度信号発生中にこのスリップ率に達する
と第3図においてスリップ信号発生器(77a)(77b)は
スリップ信号Sを発生する。加速度信号発生器(74a)
(74b)は未だ加速度信号+bを発生していないのでア
ンドゲート(92a)(92b)の出力AV1、AV2、AV1′、A
V2′も“1"となり、論理回路(36)の出力AV、AV′がE
V、EV′と共に“1"となる。これにより切換弁(33a)
(33b)、(34a)(34b)はB、Dの位置に切り換わ
る。管路(3)と(5)及び(16)と(17)とは遮断の
状態におかれるが管路(5)と(60a)及び(17)と(6
0b)とは連通される。
前輪(6a)(6b)のホイールシリンダ(7a)(7b)の
ブレーキ液は管路(5)(60a)、(17)(60b)を通っ
てリザーバ(25a)(25b)内に流入する。また後輪(11
a)(11b)のホイールシリンダ(12a)(12b)のブレー
キ液も管路(15)(13)、弁装置(8)の出力ポート
(14)(10)、出力室(50a)(50b)、入力室(49a)
(49b)、入力ポート(18)(9)、管路(17)
(5)、(60b)(60a)を通ってリザーバ(25a)(25
b)内に流入する。これにより前輪(6a)(6b)、後輪
(10a)(10b)のブレーキがゆるめられる。
液圧ポンプ(20)は信号AV1、AV2、AV1′、AV2′が
“1"となると共に駆動開始し、リザーバ(25a)(25b)
からほゞ同等の吸入量で管路(3)(16)側に送り込む
ので、弁装置(8)内ではピストン(38)の両側の液圧
はほゞ同じ速さで減少して行く。従ってピストン(38)
は中立位置から移動せず弁球(47a)(47b)を弁座(46
a)(46b)から離座させたまゝである。
車輪速度が回復し、所定の加速度に達すると加速度信
号発生器(74a)(74b)から加速度信号+bが発生す
る。これにより評価回路(35a)(35b)の出力EV1、E
V2、EV1′、EV2′は“1"となり、論理回路(36)の出力
EV、EV′は“1"となる。車輪のブレーキ液圧は一定に保
持される。
加速度信号+bが消滅するとパルス発振器(78a)(7
8b)が作動し、オフ遅延タイマ(88a)(88b)の遅延時
間だけ出力EV1、EV2、EV1′、EV2′が“1"、“0"、
“1"、“0"………とパルス状に変化する。これにより論
理回路(36)の出力EV、EV′も同様に変化し、車輪のブ
レーキ液圧は階段上に増大させられる。
以下、同様な制御をくり返して、車両が所望の速度に
達すると、または停止するとブレーキペダル(2)への
踏み込みは解除される。これと共にホイールシリンダ
(7a)(7b)(12a)(12b)からブレーキ液は各管路、
弁装置(8)、切換弁(4a)(4b)、逆止弁(19a)(1
9b)を通ってマスタシリンダ(1)に還流する。よって
ブレーキがゆるめられる。
以上の作用の説明では、EV1、EV2、EV1′、EV2′、又
はAV1、AV2、AV1′、AV2′が同時に“0"又は“1"、にな
るものとしたが、車輪(6a)(6b)(11a)(11b)が走
行する路面の摩擦係数が左右で大きく異なる場合、例え
ば車輪(6a)(11a)側の路面の摩擦係数が比較的に小
さい場合(いわゆるスプリット路面)について次に説明
する。
説明をわかりやすくするために右側の車輪(6a)(11
a)の減速度信号−b又はスリップ信号Sは同時に発生
するものとする。すなわち、評価回路(35a)(35b)の
出力EV1、EV2′及びAV1、AV2′は同時に“0"、“1"とな
るので、回路(36)の出力EV又はAVはEV1、AV1に同期し
て“0"、“1"となり、切換弁(33a)(34a)により右側
前輪(6a)のブレーキ液圧は一定保持又は減少させられ
る。高μ側にある左側前輪(6b)及び左側後輪(11b)
は未だロック傾向にはないので、出力EV′、AV′は“0"
であり切換弁(33b)(34b)は作動せず、前輪(6b)の
ブレーキ液圧は未だ上昇中である。
従って、第2図において、ピストン(38)の右側の入
力室(49a)及び出力室(50a)の液圧は左側のそれらよ
り低くなるのでピストン(38)は右方へと移動する。こ
れにより左方の弁球(47b)はばね(48b)のばね力によ
り弁座(46b)に着座する。他方、右方の弁球(47a)は
軸状部(41a)により弁座(46a)より更に離れる方向に
押される。ピストン(38)の右側の入力室(49a)と出
力室(50a)とは連通したまゝであるが、左側の入力室
(49b)と出力室(50b)とは遮断される。すなわち、マ
スタシリンダ(1)から一方の後輪(11a)のホイール
シリンダ(12a)への液供給は遮断される。
以上のように遮断された状態でピストン(38)が右側
の入力(49a)、出力室(50a)の圧力低下と共に更に右
方へと移動するとピストン(3)の左側の遮断された出
力室(50b)の容積が増大する。すなわち、この出力室
(50b)と出力ポート(14)、管路(15)を介して連通
している後輪(11a)のホイールシリンダ(12a)の液圧
が低下する。また、左側の弁球(47b)が弁座(46b)に
着座している限り、右側の入力室(49a)、出力室(50
a)の液圧が再び上昇するときには(信号EV、AVが“0"
になる)、ピストン(38)が左方に移動して左側の出力
室(50b)の容積が減少する。これにより後輪(11a)の
ホイールシリンダ(12)のブレーキ液圧が再び上昇す
る。すなわち、前輪(6a)と同一側にある後輪(11a)
は前輪(6a)のブレーキ液圧に従って制御されることに
なる。従って、路面の低い摩擦係数側にある後輪(11
a)は同一側の前輪(6a)と同様にロックが防止され
る。もし他方の路面の高い摩擦係数側にある前輪(6b)
と同様に後輪(11a)のブレーキ液圧を制御すればロッ
クするであろう。
以上は全車輪は同一種のタイヤを装備しているものと
して説明したが、次に前輪(6a)(6b)にのみスパイク
タイヤ又はチェーンを装備した場合について説明する。
まず、スプリット路面を走行している場合について説明
する。
今、前輪(6a)、後輪(11a)が低μ側にあり、前輪
(6b)、後輪(11b)が高μ側にあるものとする。
急ブレーキをかけると第6図Bに示すように前輪(6
a)、後輪(11a)のブレーキ液圧P、P′が上昇して行
き、時間t1になると出力EV2′が第6図Cに示すように
“1"となる。すなわち、後輪(11a)の減速度信号−b
が発生する。これにより論理回路(36)の出力EVは“1"
となりブレーキ液圧P、P′は一定に保持される。な
お、後輪(11a)のブレーキ液圧P′は減圧弁(32a)の
作用によりある液圧以上では前輪のブレーキ液圧Pに対
し減圧されて上昇して行く。時間t2になると出力AV2
が“1"となる。すなわち後輪(11a)のスリップ信号S
が発生する。他方の前輪(6b)及び後輪(11b)のスリ
ップ信号Sは未だ“0"であるので、第4図においてオア
ゲート(103b)の出力AV′は“0"、従ってアンドゲート
(104a)の他方の入力端子への入力も“1"となり、論理
回路(36)の出力AVは“1"となる。出力EV2′は依然と
して“1"である。これにより前輪(6a)のブレーキ液圧
Pは低下する。後輪(11b)のブレーキ液圧も液圧制御
弁(4a)の作動により第6図Bに示すように低下する。
なお、第4図において、アンドゲート(104b)の一方の
入力端子への入力が“0"、オアゲート(100b)(103b)
の両入力端子への入力も“0"であるので論理回路(36)
の出力EV′、AV′は“0"であり、高μ側にある前輪(6
b)のブレーキ液圧は依然として上昇し続ける。
時間t3になるとブレーキ液圧P′を低下させているに
も拘らず高μ側の後輪(11b)のスリップ信号Sが発生
する。すなわち出力AV2が第6図Cに示すように“1"と
なる。これにより第4図において、アンドゲート(104
b)の一方の入力端子への入力が“1"となるが、他方の
入力端子にはノットゲート(105b)を介してオアゲート
(103a)の出力AV(増巾前)が供給されているので、ア
ンドゲート(104b)の出力従って出力AV′は依然として
“0"である。他方、出力AV2の発生と共にノットゲート
(105a)の出力は“0"となり、従って、オアゲート(10
3a)の出力、すなわち、出力AVは“0"となる。然しなが
ら、出力EV2′は未だ続いているので出力EVは“1"であ
り、ブレーキ液圧P、P′は一定に保持される。高μ側
の前輪(6b)はスパイクタイヤ又はチェーンを装備して
いるので未だロック傾向を示さず、その出力EV1′は
“0"であり、高μ側の後輪(11b)の出力EV2も“0"であ
る。従って、第4図において、オアゲート(100b)の出
力、すなわち、出力EV′は“0"である。よって、高μ側
の前輪(6b)のブレーキ液圧はなおも上昇し続ける。
ブレーキ力保持により時間t4で出力AV2が“0"となる
(高μ側にあるので極短時間でロック解除される)が、
出力AV2′がなお“1"であるので出力AVは“1"であり、
再びブレーキ液圧P、P′は低下する。
なお、左側前輪(6b)にスリップ信号が発生すると、
すなわち出力AV1′が“1"となるとオアゲート(103b)
の出力AV′が“1"となり、これがノットゲート(105a)
を介してアンドゲート(104a)の一方の入力端子に供給
されるので、アンドゲート(104a)の他方の入力端子の
入力AV2′がこのとき“1"であっても、アンドゲート(1
04a)の出力、すなわちオアゲート(103a)の出力AVは
“0"となる。然しながら左側前輪(6b)のブレーキ液圧
が低下させられることにより弁装置(8)を介して右側
後輪(11a)のブレーキ液圧はなおも低下させられる。
時間t5になると後輪(11a)のスリップ信号Sが消滅
し、出力AV2′は“0"となるが、出力EV2′は依然として
“1"であるのでブレーキ液圧P、P′は一定に保持され
る。
後輪(11a)の減速度信号−bが消滅後もオフ遅延タ
イマーの遅延時間だけ出力EV2′は“1"であるが、この
間に加速度信号+bが発生し、この信号+bが発生中は
出力EV2′は“1"であり続ける。加速度信号+bが時間t
6で消滅すると評価回路(36)においてパルス発振器(8
1b)が駆動開始し、出力EV2′は“0"、“1"、“0"、
“1"………とパルス状に変化しブレーキ液圧P、P′は
階段状に上昇し続ける。なお、第6図Aは車輪速度の変
化を示し、V1、V2V3はそれぞれ右側前輪、左側後輪及右
側後輪の車輪速度である。
以後、上述と同様なアンチスキッド制御を繰り返し両
後輪が共にロックすることは防止される。また、高μ側
にある前輪(6b)は同一側の後輪(11b)にロック(ス
リップ)信号が出たとしてもそのまゝブレーキ液圧は上
昇させられるので、制動距離を長くすることはなく、制
御中の運転者のフィーリングも従来よりは良好となる。
次に、両前輪がスパイクタイヤ又はチェーンを装備し
ており、前輪が均一な路面を走行している場合について
説明する。
この場合には両後輪(11a)(11b)が同時にロックし
て出力AV2、AV2′が共に“1"となることも考えられる
が、実際にはいづれかが先に“1"となり、これにより弁
装置(8)を介して両後輪(11a)(11b)が共にブレー
キ液圧を低下させられるので、両後輪は共にロックされ
ることはない。
今、仮に右側後輪(11a)が先にスリップ信号を発生
したとすると上述の場合と同様にして右側前輪(6a)用
の液圧制御弁(4a)にブレーキ弛め指令(EV=1、AV=
1)が与えられ右側前輪(6a)のブレーキ液圧が低下さ
せられる。これにより弁装置(8)を介して両後輪(11
a)(11b)のブレーキ液圧が低下させられる。
わずか後に、次いで左側後輪(11b)がスリップ信号
を発生したとしても(AV2=1、EV2=1)、第4図にお
いてオアゲート(103a)の出力AVがすでに“1"となって
ブレーキ弛め指令を発生しているので、ノットゲート
(105b)の出力は“0"であり、アンドゲート(104b)の
出力、従ってオアゲート(103b)の出力AV′は“1"とは
ならない。すなわち、左側前輪(6b)用の液圧制御弁
(4b)にはブレーキ弛め指令を与えない。これにより左
側前輪(6b)のブレーキ液圧は左側後輪(11b)にスリ
ップ信号が発生していたとしても、これに無関係にブレ
ーキ液圧は上昇し続ける。左側前輪(6b)も右側前輪
(6a)と同様にブレーキを弛めて加速すれば車体に大き
な慣性力が付与されて運転者に悪いフィーリングを与え
るであろう。然しながら、本実施例ではこのようなこと
はなく、また制動距離も短かくすることができる。
次にいづれか一方の系統にフェールが生じた場合につ
いて説明する。
例えば、管路(3)側の系統で液もれが生じたすると
ブレーキペダル(2)を踏んでもホイールシリンダ(7
a)(12b)の液圧は上昇しない。他方、管路(16)側の
系統における圧力上昇により弁装置(8)内ではピスト
ン(38)が右方に移動する。アンチスキッド制御は行わ
れないので接点(55)は閉じたまゝであり、スイッチ
(52)がピストン(38)の移動により閉成するのでバッ
テリ(57)から電流が流れ警報ランプ(56)が点灯す
る。これにより運転者は本装置がフェールしていること
を認識することができる。なお、フェールしていない場
合には接点(55)はアンチスキッド制御(例えば液圧ポ
ンプ(20)の駆動開始)と共に開くのでピストン(38)
が移動しても警報ランプ(56)は点灯しない。
以上、本発明の実施例について説明したが、勿論、本
発明はこれに限定されることなく本発明の技術的思想に
基づいて種々の変形が可能である。
例えば、評価回路としては第2図に示すものを挙げた
が、すでに公知の種々のコントロール・ユニットが適用
可能である。
また、論理構成によっては液圧制御弁(4a)(4b)と
して各々の1個の3位置電磁切換弁を用いるようにして
もよい。
また以上の実施例では近似車体速度発生器(76a)(7
6b)の出力のうち大きい方をとるようにしたが、車輪速
度の大きい方を選択して、これにより近似車体速度を形
成するようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明のアンチスキッド装置用液圧
制御装置によれば、液圧制御弁は2個(2チャンネル)
しか用いてないので3チャンネル、4チャンネルに比べ
て装置を小型化、軽量化しコスト低下を図りながら、な
おかつ前輪にフェード現象が生じたり、チェーンを装備
した場合でも制動距離を極力短かくして後輪のロックを
確実に防止することができ、操縦安定性を保つことがで
きる。また制御中の運転感覚も良好なものとする。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例によるアンチスキッド制御装置
用液圧調整装置の配管系統及び電気配線を示す図、第2
図は第1図における弁装置の拡大断面図、第3図は第1
図における第1評価回路のブロック図、第4図は第1図
における論理回路のブロック図、第5図は第1図におけ
るモータ駆動回路のブロック図、第6図は本実施例の作
用を説明するグラフ、及び第7図は従来のアンチスキッ
ド装置用液圧調整装置の作用を説明するグラフである。 なお図において、 (4a)(4b)……液圧制御弁 (6a)(6b)(11a)(11b)……車輪 (8)……弁装置 (31)……コントロール・ユニット (35a)(35b)……評価回路 (36)……論理回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれのホイールシリンダをX配管接続
    させた一対の前輪及び一対の後輪;マスタシリンダの第
    1液圧発生室と前記前輪のうちの一方の前輪のホイール
    シリンダとの間に配設され該前輪のホイールシリンダの
    ブレーキ液圧を制御する第1液圧制御弁;前記マスタシ
    リンダの第2液圧発生室と前記前輪のうちの他方の前輪
    のホイールシリンダとの間に配設され、該前輪のホイー
    ルシリンダのブレーキ液圧を制御する第2液圧制御弁;
    車輪のスキッド状態を評価し、前記第1、第2液圧制御
    弁を制御する指令を発するコントロール・ユニット;前
    記両前輪のホイールシリンダと両後輪のホイールシリン
    ダとの間に配設され、前記第1、第2液圧制御弁により
    制御された前記両前輪のブレーキ液圧のうち低い方の圧
    力に従った圧力を出力する圧力選択手段;とから成るア
    ンチスキッド装置用液圧制御装置において、前記第1及
    び第2液圧制御弁のうち一方に対する前記指令のうちブ
    レーキ液圧を低下させるための低下指令は、前記評価結
    果の中で前記一方の液圧制御弁によってブレーキ液圧を
    制御される一方の前輪と同一の側にある一方の後輪のブ
    レーキ液圧を低下させるべきスキッド状態と、前記第1
    及び第2液圧制御弁のうち他方は低下指令を受けていな
    いことゝの論理積と、前記一方の後輪と同一側にある前
    記一方の前輪の該スキッド状態との論理和によって形成
    するようにしたことを特徴とするアンチスキッド装置用
    液圧制御装置。
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