JP2648594B2 - 転写型ホログラムの製造方法 - Google Patents

転写型ホログラムの製造方法

Info

Publication number
JP2648594B2
JP2648594B2 JP62122416A JP12241687A JP2648594B2 JP 2648594 B2 JP2648594 B2 JP 2648594B2 JP 62122416 A JP62122416 A JP 62122416A JP 12241687 A JP12241687 A JP 12241687A JP 2648594 B2 JP2648594 B2 JP 2648594B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hologram
film
layer
transfer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62122416A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63287879A (ja
Inventor
信男 櫛引
曜子 吉永
尚郷 谷口
哲郎 桑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP62122416A priority Critical patent/JP2648594B2/ja
Priority to US07/194,172 priority patent/US4908285A/en
Priority to DE3856284T priority patent/DE3856284T2/de
Priority to EP88107878A priority patent/EP0291928B1/en
Publication of JPS63287879A publication Critical patent/JPS63287879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2648594B2 publication Critical patent/JP2648594B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば平板状のフィルムに立体像を観察で
きる体積型位相ホログラムの製造方法に関し、とりわけ
転写によりホログラフィック画像を所望とする場所に簡
単、かつ手軽に設けることができる転写型ホログラムの
製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ホログラフィーは、レーザーのように干渉性良好な光
の波を物体に照射し、その振幅と位相とが該物体の形状
に応じて変調された反射または透過光を感剤で受光して
記録し、形成されたホログラムに照射された光により記
録した物体の光学像を再生する技術であり、例えば、立
体光学像を平板状のフィルムに観察することができる。
このようなホログラフィーの関する研究の進展に伴な
い現在では、その感剤に対する要求もかなり明確なもの
となってきている。ホログラフィーに用い得る感剤とし
ては、漂白処理銀塩、フォトレジスト、サーモプラスチ
ック、重クロム酸ゼラチン、無機ガラス系材料、強誘電
体などの多くの材料が知られており、そのホログラフィ
ーに対する適性が更に研究されている。
ホログラム形成用の感剤の持つべき特性としては、例
えば (1)レーザー感度、特に可視光領域にレーザー感度を
有し、かつ高感度であること、 (2)高解像力を有すること、 (3)得られたホログラムの回折効率が高いこと、 (4)ホログラムのノイズが少ないこと、 (5)ホログラムが安定していること、 (6)記録および再生操作が容易であること、 などを挙げることができる。
一方、ホログラフィー技術の進歩にともない、実用に
耐え得るホログラムの形成が可能となりつつあり、画像
自体を楽しんだり、種々の物品を装飾するために用いた
りするなど、ホログラムの用途も種々の方面へ拡大され
ており、それに応じた各種の形態がホログラムにも要求
されつつある。
例えば、画像に応じた凹凸を感剤層表面に形成し、そ
の凹凸での光の反射あるいは透過を利用して画像を再生
するタイプのホログラフは、本の表紙として、あるいは
磁気カードの偽造、変造防止用のマークとしてすでに利
用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、先に挙げたホログラム形成用感剤の特
性およびホログラム自身の形態の両方において、上述の
ような用途の拡大に伴なう種々の要求に対して、十分に
対応し得るホログラムは提供されていないのが現状であ
る。
例えば、簡単な操作で容易に所望とする各種物体にホ
ログラムを適用する技術やそれに適したホログラムの形
態は未だ提供されていない。
本発明は、このようなホログラムの用途の拡大に伴な
った種々の要求への対応に鑑みなされたものであり、ホ
ログラムの各種物体への適用を容易とする技術を提供す
ることをその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的は、以下の本発明により達成することがで
きる。
すなわち、本発明は、基材上に剥離可能に設けられた
ホログラム形成用感剤層にホログラム露光及び有機溶剤
による現像処理を行って反射型の体積型位相ホログラム
を形成する転写型ホログラムの製造方法であって、前記
基材が400nmの波長域で30%以上の光透過率を、且つ450
〜800nmの波長域で40%以上の光透過率を有し、前記基
材と前記ホログラム形成用感剤層との間に、現像処理に
使用される有機溶剤に対して耐溶剤性を有する剥離層を
設け、且つ前記ホログラム形成用感剤層がビニルカルバ
ゾール系ポリマーを含むことを特徴とする転写型ホログ
ラムの製造方法である。
本発明において得られる転写型ホログラムを用いれ
ば、基材上に保持させたホログラムフィルムを所望の物
品に転写するという簡単な操作で、所望のホログラフィ
ック画像を例えば紙、金属、プラスチック、セラミック
などからなる各種物体(以後、被転写材という)の所望
とする部分に容易に付与することができる。また、例え
ば被転写材に適当な台紙を用いその上にホログラムフィ
ルムを転写させ、絵や写真などと同様に楽しむこともで
きる。
また、先に述べた凹凸表面を用いるタイプでは、圧着
や接着によって各種被転写材上にホログラムを直接接着
する場合、表面に形成した凹凸に変形や破損等の影響が
避けられないが、本発明における転写型ホログラムに
は、体積型位相のホログラムフィルムが用いられている
ので、転写に際してそのような問題が生じることがな
い。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
第1図は、本発明において得られる転写型ホログラム
の一例の構成を示す模式的側面図である。
この転写型ホログラムは、基材1と、基材1上に剥離
可能に設けられたホログラムフィルム2とを有して構成
されている。
基材1には、400nmの波長域で30%以上の光透過率を
有し且つ450〜800nmの波長域で40%以上の光透過率を有
するものを用いる。このような基材を用いることによっ
て、基材上でのホログラム形成のための露光を高感度、
高精度で行なうことができる。
なお前記透過率は、ASTM D 1003番に記載された方法
に従って測定されたものであり、400nmで30%以上、好
ましくは50%以上の透過率を有し、且つ450〜800nmで40
%以上好ましくは60%以上の透過率を有する基板を用い
る。
この際、上記条件を妨げない範囲であれば光劣化防止
のために紫外線吸収剤、着色剤を透明基板に混合するこ
とができる。
基材1としては、ホログラムフィルム2を担持できる
程度の強度を有し、またホログラムフィルムの転写操作
を容易とするような特性を有するものが好適に用い得
る。
基材1としては、このような特性を満足するものであ
ればどのような材質からなるものでも利用可能である。
具体的には、例えば、樹脂、金属、セラミックスなどの
材料からなるものを挙げることができ、適度な可撓性を
有するものが転写操作におけるホログラムフィルム2の
剥離を行ない易いので都合が良い。
この工程で使用する透明基板を、0.2mmより厚地のも
のとする場合には、本質的に非晶質である材料または本
質的に短結晶である材料が一般に利用できる。一方、0.
2mmより薄地の透明基板(このようなものは通称フィル
ムと分類される)を用いるときには、本質的に非晶質の
もののみならず、本質的に結晶性の材料の成型加工の
際、二軸方向に延伸をかけて配向結晶を起こさせて透明
化させたものも、一般に利用できる。
このような目的において用いる基材としては、その厚
さが0.2mmを越える透明基板として、例えば、ガラス、
あるいは、有機高分子では、ポリメチルメタアクリレー
ト、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテ
ルスルホン、ポリスチレン、ポリ(4−メチルペンテ
ン)、スチレン−アクリル酸エステル、またはメタアク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸多価アルコールエ
ステル等が挙げられる。
透明フィルムでは、上記に加え結晶性高分子の透明化
フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化エチレン−プロ
ピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリシアン化ビニリデン−酢酸ビニル、サランポリ
エ−テルエ−テルケトン、ポリイミド、ポリアミド、セ
ロファン、ポリビニルアルコール等が好適に用いられ
る。
基材1の厚みは、上記のような特性を満足する範囲内
で用いる基材の材質に応じて適宜選択すれば良く、例え
ば樹脂からなる基材を用いる場合には、5μm程度以上
の厚さを有するものを用いると良く、また樹脂からなる
透明基材として用いる場合には、例えば機械的強度と透
明性の兼ね合いから通常20μm〜100μm程度のものが
好適に用いられる。
更に基材1のホログラムフィルム2側の表面に、必要
に応じて、ホログラムフィルム2の転写性能を高める、
あるいはホログラムフィルム2との積層性を調節するた
めの、更には、後述するような剥離層との適性を改善す
るために、例えばコロナ、プラズマ等を用いた放電処
理、火焔処理などの物理的処理;硫酸、硝酸、フッ化化
合物、アルカリ、シラン化合物等による化学的処理等の
表面処理が施こされていても良い。
しかしながら、基材1として上述したような透明基材
を用いる場合には、透明基材に要求される上述したよう
な光学的特性が損なわれない範囲内でこれら表面処理等
が行なわれることが望ましい。
ホログラムフィルム2としては、ビニルカルバゾール
系ポリマーを感剤として用いたものが利用され、このビ
ニルカルバゾール系ポリマーを感剤として用いた体積型
位相ホログラムは、先に挙げた感剤への要求性能を満足
し、かつ得られたホログラム自身の耐湿性、保存安定性
に優れ、またホログラム形成時のあるいは転写の際の各
種操作に対する安定性にも優れている。
このビニルカルバゾール系ポリマーとは、ポリビニル
カルバゾール、ポリビニルカルバゾールのアルキル置換
体、ポリビニルカルバゾールのハロゲン置換誘導体およ
びこれらを主体とする重合体をいい、所望に応じてその
1種以上を用い得る。具体的には、例えば、ポリビニル
カルバゾール、3−クロルビニルカルバゾール重合体、
3−ブロムビニルカルバゾール重合体、3−ヨードビニ
ルカルバゾール重合体、3−メチルビニルカルバゾール
重合体、3−エチルビニルカルバゾール重合体、クロル
化ポリビニルカルバゾール、ブロム化ポリビニルカルバ
ゾール等を利用することができる。
なかでも、未置換のポリビニルカルバゾールは、その
入手が容易で、しかも得られるホログラムの性能も特に
優れたものであるので、実用上好適である。
ビニルカルバゾール系ポリマーは、例えばフィルムと
した際の強度や柔軟性などの特性の制御のために、必要
に応じて、他のモノマーと共重合されていても良い。そ
のような用途に用い得る他のモノマーとしては、例えば
上記ビニルカルバゾール類に加えて、酢酸ビニル等のビ
ニルエステル、アクリル酸およびメタアクリル酸のエス
テル、スチレン及びスチレン誘導体等のラジカル重合法
によって共重合し得るビニル系モノマーを挙げることが
できる。また、このような目的などで例えば、ポリスチ
レン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−水素
化ブタジエン共重合体などの他のポリマーをホログラム
像が記録できる範囲でブレンドして用いることもでき
る。
なお、これらは所望の特性が得られるようにその添加
割合が選択して用いられる。
このビニルカルバゾール系ポリマーはヨウ素化合物に
よって輻射線で活性化された状態でホログラフィーに用
いられる。
このヨウ素化合物としては、例えば四ヨウ化炭素、ヨ
ードホルム、四ヨウ化エチレン、トリヨードエタン、テ
トラヨードエタン、ペンタヨードエタン、ヘキサヨード
エタン等の重合体成分中に共存して可視光波長に対する
十分な感度を有する感剤層を構成できるものが用いられ
る。
このような構成のビニルカルバゾール系ポリマーを用
いた感剤層は、560nmまでの可視光に対し感度を示し、
そのような波長領域内の適当な波長の物体光と参照光の
2光束の可干渉性レーザーによって干渉パターンを露光
後、更に溶剤による膨潤、収縮現象を利用した現像工程
を経る方法によって高解像度、高回折効率の体積型位相
ホログラムを形成することができる。
基材1上にホログラムフィルム2を設けるには、基材
1として先に述べた透明基材を用い、その透明基材上に
ホログラム形成用の感剤層を剥離可能となるように積層
し、所定の露光、現像処理を行なう方法が利用できる
が、本発明の構成は基材1上でホログラムを形成するタ
イプにおいて特に効果的である。
このような構成の転写型ホログラムは、ホログラムフ
ィルム2の露出面を、それを転写しようとする被転写材
の面に重ね合せて、これらを圧接させることによって、
ホログラムフィルム2を他の所望とする被転写材上に転
写させることができる。
すなわち、本発明でいう「剥離可能」とは、基材1か
らホログラムフィルム2が上記のような転写操作に際し
てその形状あるいは画像の記録状態に変化が及ぼされる
ことなく剥離可能であることを意味する。
したがって、基材1とホログラムフィルム2として
は、良好な転写操作が行なえるような組合せで各々の材
質を選択すると良い。
しかしながら、第1図のような構成において、基材1
からホログラムフィルム2が剥離しにくい場合、あるい
はホログラムフィルム2の厚みが薄くその強度が小さく
良好な転写操作が行なえないような基材1とホログラム
フィルムの組合せを取る場合には、例えば第2図に示す
ように基材1とホログラムフィルム2との間に剥離層3
を設けることによって良好な転写操作を実現できる。
このような目的に用いる剥離層3は、転写操作の際
に、基材1とホログラムフィルム2との剥離を容易とす
る機能を有するような材料および層厚で用いれば良い。
剥離層3のタイプとしては、転写操作後に基材1側に
残るものでも良いし、ホログラムフィルム2側に密着し
て、それとともに転写されるものでも良い。
このような目的に用いる剥離層3はホログラム形成用
感剤層とともに現像処理されるものであるので、現像液
(有機溶剤)に対する耐性を有するものが用いられ、更
に、例えばホログラムフィルム2の表面張力(ビニルカ
ルバゾール系ポリマーを用いた場合には、30〜35dyne/c
m)よりも、良好な剥離状態を得るのに十分な程度に大
きい、または小さい表面張力を有する、例えばポリマー
からなる層や、いわゆるシランカップリング剤やチタン
カップリング剤と呼ばれる低分子の表面改質剤からなる
層を用いることができる。
剥離層3を構成できる材料として具体的には、例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリフ
ッ化エチレン−プロピレン、ポリ有機シロキサンなどの
ポリマー;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン等のシランカップリング
剤;イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリオクチルチタネート等のチタンカップリング
剤などを挙げることができる。
しかしながら、剥離層3がホログラムフィルム2とと
もに転写されるものであり、かつこの剥離層3が転写操
作後のホログラムフィルム2上に残されるものである場
合には、剥離層3はホログラムフィルム2の観察を妨げ
ないようなものである必要がある。
また、ホログラムフィルム2上に残されるタイプの剥
離層を用いる場合、該剥離層をホログラムフィルムの保
護層としての機能を有する材料で構成したり、剥離層に
保護機能を付与できる各種添加材を添加して、保護層と
しての機能を剥離層3に付与しておけば転写後のホログ
ラムフィルムに自動的に保護層を設けることができる。
保護層としても機能できる剥離層形成用材料として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリパーフルオロエチレン−プロピ
レン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコールな
どを挙げることができる。
また、保護層としての機能を付与するために添加でき
る添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤としては、2
−(ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリ
アゾール誘導体、1,3,5−トリス(2′ヒドロキシフェ
ニル)トリアジン等にトリアジン誘導体、レゾルシール
モノベンゾエート等のベンゾフェノン誘導体等を挙げる
ことができる。
なお、基材1として先に述べたような目的で透明基材
を用いる場合には、剥離層3にも基材1と同様な透明性
が要求される。
剥離層3は、基材1上に例えば上記ポリマーからなる
層を積層して、あるいは基材1表面をシランカップリン
グ剤やチタンカップリング剤を含む溶液で処理して設け
ることができる。
一方、ホログラムフィルム2の露出面には、転写操作
をより良好とするために、あるいは転写後のホログラム
フィルムの被転写材上での固定性を良好とするために、
第3図に示すように接着もしくは粘着用の層4を設けて
も良い。
層4に用いることのできる材料としては、良好な接着
または粘着効果が得られ、しかも該層を利用した接着、
粘着工程においてホログラムフィルム2に悪影響を与え
ず、かつそれ自身がホログラムフィルム2と化学的、物
理的に反応してそれに害を及ぼすことのない材料から所
望とする転写型ホログラムの構成に応じて適宜選択して
用いれば良い。
例えば、アクリル酸エステル系ポリマー、酢酸ビニル
系ポリマー、α−シアノアクリル酸エステル、ウレタン
系接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤などから上
記のような特性を満足するものを選択して用いることが
でき、例えばポリエステルを用いる場合には、アクリル
酸エステル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシルおよびエチレンの共重合組成を適宜変更して、
その特性を所望の効果が得られるよう対象物体に応じて
調節されているので、選択して用いることができる。
なお、層4は必要に応じてプライマーによって前処理
が施こされていれも良い。
また、接着剤、粘着剤の形態としては、それを用いる
効果が得られるならば、例えば1液型、2液型、水性ラ
テックス、油性ラテックス、ホットメルトタイプ(粉末
状、シート状)、ヒートシール用タイプなどいずれの形
態のものでも良い。
層4を設けるには、その形態の応じて、ホログラムフ
ィルム2(またはホログラム形成用記録材)上に直接塗
布する方法、一旦キャスト等によりフィルム状に成形さ
れたものをホログラムフィルム2上へ接着または貼着す
る方法などを適宜選択して用いれば良い。
なお層4を接着層として設ける場合には、例えば、10
0〜120℃、数kg/cm2の条件で接着可能な接着層を好適に
用いることができる。
また、層4の接着、粘着強度としては、例えば200g/2
5mm程度以上あれば十分である。
更に、基材1として先に述べたような目的で透明基材
を用いる場合で、かつ露光処理前に層4をホログラム形
成用記録材上に予め設けておく場合には、層4にも透明
基材と同様な透明性が要求されるが、露光現像処理後に
形成したホログラムフィルム上に層4を設けるのであれ
ばこの限りではない。
本発明で得られる転写型ホログラムは、第4図に示す
ように、ホログラムフィルム2の露出面に金属もしくは
金属酸化物の層5が設けられいても良い。
層5は、被転写材にホログラムフィルム2が転写され
た際の該フィルムに観察される画像のバックを構成でき
るものであり、その材質、色や形状、層厚およびそれを
設ける位置などを適宜選択することによって、ホログラ
ムフィック画像をより鮮明にかつ見ばえ良くすることが
できる。
特に、被転写材の色がホログラムフィルムに観察され
る画像を損なうものである場合には、この層を不透明層
として設けることによって、良好な画像観察が常に可能
となる。
そのような目的で用いる層5は、例えばInO、Al2O3
Al、An等などの1種以上を、50Å〜5000Å程度の層厚で
蒸着法などの方法によりホログラムフィルム2上面の所
定部分に積層して設けることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 基材としての厚さ50μmのポリエーテルエーテルケト
ンフィルム(エスペックーK、住友化学製)の光吸収ス
ペクトルを測定した結果を第5図Aに示す。
上記フィルム上に、暗所にてポリ(N−ビニルカルバ
ゾール)2.5g、四ヨウ化炭素0.2gをモノクロルベンゼン
30gに溶解した溶液をスピナー(ミカサスピナー、1H−
2)を用いて塗布した後乾燥させて、層厚5.0μmのホ
ログラム形成用感剤層を得た。
得られた感剤層の吸光度を分光光度計UVIDEC-650(日
本分光製)で測定したところ、560nmまでの吸収端を有
していた。
この感剤層にArレーザー(514.5nm)を用い、光強度
比1:1(両ビームの光強度の和が入射直前で15mJ/cm2
の条件でデニシュークの方法にしたがって所望の物体に
対応する画像を記録した。
露光後、感剤層を以下の〜の工程で順次処理して
基材上に所望の画像が記録されたリップマンタイプの反
射型ホログラムが基材上に転写可能に設けられた転写型
ホログラムを得た。
20℃、2分間のトルエンに浸漬 30℃、3分間のキシレンに浸漬 25℃、3分間n−ヘプタンに浸漬後、乾燥 得られたホログラムは、514.5nmの波長の光に対し約3
000本/mmの空間周波数を有し、回折効率が88%であり、
透過率が90%の体積型位相であった。
このようにして得た転写型ホログラムをケント紙にポ
リゾールAB-412BN(昭和高分子(株)社製)を塗布した
被転写材にそのホログラムフィルム面を介して重ね合
せ、2kg/cm2程度の圧力をローラーでかけることによ
り、ケント紙上にホログラムフィルムを転写することが
できた。
転写されたホログラムの特性は、その形成直後と変り
ないものであり、そこに良好なホログラフィック画像が
観察できた。
実施例2 アセトベンゼンを5重量%混合したポリエステルフィ
ルムの吸収スペクトルを第5図Bに示す。
実施例1で用いたポリエーテルエーテルケトンの代わ
りに上記フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして
転写型ホログラムを形成した。
得られた転写型ホログラムは回折効率が85%であり、
実施例1とほとんど同様の特性がえられた。
比較例1 ポリビニルアルコール5g、およびルテニウム(III)
トリスビピリジル錯体を水50mlに溶解し、キャスティン
グして厚さ約100μmフィルムを作成し、その吸収スペ
クトルを測定した結果を第5図Cに示す。このフィルム
は、450〜500nm付近の波長域において極めて低い透過度
を示す。
実施例1で用いたポリエーテルエーテルケトンの代り
に上記フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして転
写型ホログラムを形成した。
得られた転写型ホログラムは、露光が不十分であった
ため回折効率が25%であり、十分な像が得られなかっ
た。
〔発明の効果〕
本発明で得られる転写型ホログラムは、適当な基材上
に該基材から剥離可能にホログラムフィルムが設けられ
た構成を有し、基材上に保持させたホログラムフィルム
を所望の物体に転写するという簡単な操作で、所望のホ
ログラフィック画像を各種物体の所望とする部分に容易
かつ手軽に付与することができる。また、例えば適当な
台紙上にホログラムフィルムを転写させ、絵や写真など
と同様に楽しむこともできる。
また、先に述べた凹凸表面を用いるタイプでは、圧着
や接着によって各種物体上にホログラムを直接積層する
場合、表面に形成した凹凸に変形や破損等の影響が避け
られないが、本発明で得られる転写型ホログラムには、
体積型位相のホログラムフィルムが用いられているの
で、転写に際してそのような問題は生じることがない。
更には、基材に400nmの波長域で30%以上の光透過率
を有し且つ450〜800nmの波長域で40%以上の光透過率を
有するものを用いるので、基材上でのホログラム形成の
ための露光を高感度、高精度で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はそれぞれ本発明で得られる転写型ホロ
グラムの代表的構成例を示す模式的側面図、第5図は本
発明の実施例および比較例に用いた基板の吸収スペクト
ルを示す図である。 1:基材 2:ホログラムフィルム 3:剥離層 4:接着または粘着用層 5:金属および/または金属酸化物からなる層 A:実施例1における基材の吸収スペクトル B:実施例2における基材の吸収スペクトル C:比較例1における基材の吸収スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑山 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−292181(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に剥離可能に設けられたホログラム
    形成用感剤層にホログラム露光及び有機溶剤による現像
    処理を行って反射型の体積型位相ホログラムを形成する
    転写型ホログラムの製造方法であって、 前記基材が400nmの波長域で30%以上の光透過率を、且
    つ450〜800nmの波長域で40%以上の光透過率を有し、 前記基材と前記ホログラム形成用感剤層との間に、現像
    処理に使用される有機溶剤に対して耐溶剤性を有する剥
    離層を設け、 且つ前記ホログラム形成用感剤層がビニルカルバゾール
    系ポリマーを含むことを特徴とする転写型ホログラムの
    製造方法。
JP62122416A 1987-05-18 1987-05-21 転写型ホログラムの製造方法 Expired - Fee Related JP2648594B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62122416A JP2648594B2 (ja) 1987-05-21 1987-05-21 転写型ホログラムの製造方法
US07/194,172 US4908285A (en) 1987-05-18 1988-05-16 Hologram member
DE3856284T DE3856284T2 (de) 1987-05-18 1988-05-17 Holographisches Element
EP88107878A EP0291928B1 (en) 1987-05-18 1988-05-17 Hologram member

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62122416A JP2648594B2 (ja) 1987-05-21 1987-05-21 転写型ホログラムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63287879A JPS63287879A (ja) 1988-11-24
JP2648594B2 true JP2648594B2 (ja) 1997-09-03

Family

ID=14835279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62122416A Expired - Fee Related JP2648594B2 (ja) 1987-05-18 1987-05-21 転写型ホログラムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2648594B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH056478U (ja) * 1991-07-10 1993-01-29 凸版印刷株式会社 ホログラム形成シート

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5315153A (en) * 1976-07-27 1978-02-10 Canon Inc Hologram
JPS61190370A (ja) * 1985-02-20 1986-08-25 Toppan Printing Co Ltd ホログラム転写箔
JPS61292181A (ja) * 1986-03-11 1986-12-22 Dainippon Printing Co Ltd 透明型ホログラム転写シ−ト

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63287879A (ja) 1988-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0291928B1 (en) Hologram member
US10474099B2 (en) Method of producing volume hologram laminate
JPH05150699A (ja) 多層ホログラム
US4367911A (en) Method and assembly for holographic exposure
JP2004361622A (ja) ホログラム転写シート及び中間転写記録媒体
JP2010155629A (ja) 複屈折パターンを有する包装材
US4946533A (en) Method of preparing volume type hologram film
JP2648594B2 (ja) 転写型ホログラムの製造方法
JP2648593B2 (ja) 転写型ホログラムの製造方法
JP2648595B2 (ja) 転写型ホログラムの製造方法
JPS61272773A (ja) 透明型ホログラム
JPS63284586A (ja) 転写型ホログラム
JP2582778B2 (ja) 体積型位相ホログラムの製造方法
JPS63284587A (ja) 接着または粘着型ホログラム
JP2000231323A (ja) ホログラム原版作製方法
JP2010286768A (ja) 偽造防止体積ホログラム積層体
JPS63287878A (ja) 接着または粘着型ホログラム
JPH01231082A (ja) 体積立相ホログラムの製造方法
JPS63287880A (ja) 接着または粘着型ホログラム
JP2593871B2 (ja) 体積型位相ホログラムの製造方法
JP2516920Y2 (ja) レリーフホログラム
JP2774509B2 (ja) 体積位相型ホログラムの製造方法
JPS63287983A (ja) 体積位相型ホログラムの製造方法
JPH01107290A (ja) カラーホログラム
JP2004230571A (ja) ホログラムラベル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees