JP2593871B2 - 体積型位相ホログラムの製造方法 - Google Patents

体積型位相ホログラムの製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば平板状のフィルムに立体像を観察で
きる体積型位相ホログラムに関し、とりわけ転写または
貼付によって、ホログラフィック画像を木、紙、プラス
チックセラミック等に簡単、かつ手軽に設けることがで
きるホログラム、及びその一部に使用するホログラムフ
ィルムの製造方法に関する。
[従来の技術] ホログラフィーは、レーザーのように干渉性良好な光
の波を物体に照射し、その振幅と位相とが該物体の形状
に応じて変調された反射または透過光を感光剤で受光し
て記録し、形成されたホログラムに照射された光により
記録した物体の光学像を再生する技術であり、例えば、
立体光学像を平板状のフィルムに観察することができ
る。
このようなホログラフィーに関する従来の進展に伴な
い現在では、その感光剤に対する要求もかなり明確なも
のとなってきている。ホログラフィーに用い得る感光剤
としては、漂白処理銀塩、フォトレジスト、サーモプラ
スチック、重クロム酸ゼラチン、無酸ガラス系材料、強
誘電体などの多くの材料が知られており、そのホログラ
フィーに対する適性が更に研究されている。
ホログラム形成用の感光剤の持つべき特性としては、
例えば、 (1)レーザー感度、特に可視光領域にレーザー感度を
有し、かつ高感度であること、 (2)高解像力を有すること、 (3)得られたホログラムの回折効率が高いこと、 (4)ホログラムのノイズが少ないこと、 (5)ホログラムが安定していること、 (6)記録および再生操作が容易であること、 などを挙げることができる。
ところで、ホログラフィー技術の進歩にともない、実
用に耐え得るホログラムの形成が可能となりつつあり、
画像自体を楽しんだり、種々の物品を装飾するために用
いたりするなど、ホログラムの用途も種々の方面へ拡大
されており、それに応じた各種の形態がホログラムにも
要求されつつある。
例えば、画像に応じた凹凸を感光剤層表面に形成し、
その凹凸での光の反射あるいは透過を利用して画像を再
生するタイプのホログラムは、本の表紙として、あるい
は磁気カードの偽造,変造防止用のマークとしてすでに
利用されている。
[発明が解決しようとする問題点] 一方、体積型位相ホログラムは、高解像度、高回折効
率などの特徴を有しているため、より高級感を与え、そ
の実用化が求められていたが、例えばジグロム酸ゼラチ
ンは得られたホログラムの耐湿性が低く保存安定性の面
で大きな欠点が指摘されていた。ビニルカルバゾール系
ポリマーを感光剤とする体積型位相ホログラムは、上記
の問題点を克服するものであるが、それが内部に屈折率
差を設けるものであること等、その特性に起因して、単
に透明基材上にホログラムを固着したもの以外は知られ
ていなかった。
そこで、本発明者等は、体積型位相ホログラムの用途
拡大をめざして種々の研究、検討を重ねた結果、ホログ
ラムフィルムと、これを使用した、転写シートや添付シ
ートに利用できる新形態の体積型位相ホログラムと、を
製造する方法を見いだした。
すなわち、本発明は、体積型位相ホログラムの用途拡
大のための、ホログラムフィルムおよび主にシート状の
ホログラムの製造方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的は、以下の本発明により達成することがで
きる。
すなわち、透明基板上にビニルカルバゾール系ポリマ
ーを主成分とする感光剤層を積層し、露光、現像処理を
施した後、水または低沸点有機溶媒中で、透明基板か
ら、体積型位相ホログラムが記録されたビニルカルバゾ
ールポリマー系ホログラムフィルムを剥離するホログラ
ムフィルムの製法、及び該フィルムを基材上に積層させ
ることを特徴とするホログラムの製造方法である。
このような製造法によって、転写や貼付という簡単な
操作で、所望のホログラフィック画像を例えば紙、金
属、プラスチック、セラミックなどの各種物体に付与す
ることができる、基材上にホログラムフィルムが設けら
れたホログラムシートが容易に製造できる。
また、先に述べた凹凸表面を用いるタイプでは、圧着
や接着によって各種被転写材上にホログラムを直接接着
する場合、表面に形成した凹凸に変形や破損などの影響
が避けられないが、本発明によりできたものは、体積型
位相ホログラムフィルムが用いられているので、転写に
際してそのような問題が生じることがない。
以下、本発明の代表的態様を、工程に沿って説明す
る。
まず、ビニルカルバゾール系ポリマーを主成分とする
感光剤層を、透明基板上に形成する(第一工程)。この
透明基板としては、露光工程のため、可視光領域に顕著
な吸収帯を有さないものが利用できるが、特にASTM D
1003番に記載された方法に従って光透過率を測定した
場合に400nmで30%以上、好ましくは50%以上の透過率
を有し、且つ450〜800nmで40%以上の透過率を有するも
のを利用するのがよい。
この際、上記条件を妨げない範囲であれば光劣化防止
のために紫外線吸収剤、着色剤を透明基板に混合するこ
とができる。
この工程で使用する透明基板を、0.2mmよりも厚地の
ものとする場合には、一般には結晶性のものでは透明性
を発現することができず技術的困難さより、本質的に非
晶質である材料または本質的に単結晶である材料が一般
に利用できる。一方、0.2mmより薄地の透明基板(この
ようなものは通称フィルムと分類される。)を用いると
きには、本質的に非晶質のもののみならず、本質的に結
晶性の材料の成型加工の際、二軸方向に延伸をかけて配
向結晶を起こさせて透明化させたものも、一般に利用で
きる。
あえて、透明基板材を例示すると、ガラス、あるいは
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メ
チル)ペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレー
トなどのポリエステル、ポリアミド等の結晶性高分子を
主体とするものであって、必要に応じて成形加工の際に
2軸方向に延伸をかけて配向結晶を起こさせて透明化し
たもの;ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リスルホン、スチレン−メチルメタクリレート共重合
体、アクリル酸多価アルコールエステル(CR−39)など
の非晶質高分子を主体とするものなどを挙げることがで
きる。
更に、透明基板のビニルカルバゾール系ポリマーを主
成分とする感光剤層側の表面に、後に詳説する剥離工程
を妨げない範囲内で感光剤層との親和性を高めるためな
どの目的で、例えばコロナ、プラズマなどを用いた放電
処理、被焔処理などの物理的処理;硫酸、硝酸、フッソ
化合物、アルカリ、シラン化合物等による化学的処理な
どの表面処理を施してもよい。要求される光学特性を妨
げない範囲内で実施することが必要である。
透明基板上に形成されるビニルカルバゾール系ポリマ
ーを主成分とする感光剤層は、得られるホログラム自身
の耐湿性、保存安定性、回折効率など総合面で優れるた
め、本発明で使用される。
このビニルカルバゾール系ポリマーとは、ポリビニル
カルバゾール、ポリビニルカルバゾールのアルキル置換
体、ポリビニルカルバゾールのハロゲン置換誘導体およ
びこれらを主体とする重合体をいい、所望に応じてその
1種類以上を用い得る。具体的には、例えば、ポリビニ
ルカルバゾール、3−クロルビニルカルバゾール重合
体、3−ブロムビニルカルバゾール重合体、3−ヨード
ビニルカルバゾール重合体、3−メチルビニルカルバゾ
ール重合体、3−エチルビニルカルバゾール重合体、ク
ロル化ポリビニルカルバゾール、ブロム化ポリビニルカ
ルバゾール等を利用することができる。
なかでも、未置換のビニルカルバゾールは、その入手
が容易で、しかも得られるホログラムの性能も特に優れ
たものであるので、実用上好適である。
ビニルカルバゾール系ポリマーは、例えば、フィルム
とした際の強度や柔軟性などの特性の制御のために、必
要に応じて、他のモノマーと共重合されていてもよい。
そのような用途に用い得る他のモノマーとしては、例え
ば上記ビニルカルバゾール類に加えて、酢酸ビニルなど
のビニルエステル、アクリル酸、メタアクリル酸のエス
テル、スチレンおよびスチレン誘導体等のラジカル重合
法によって共重合し得るビニル系モノマーを挙げること
ができる。また、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−水素化ブタジエン共重合
体などの他のポリマーをホログラム像が記録できる範囲
でブレンドして用いることもできる。
なお、これらは所望の特性が得られるようにその添加
割合が選択して用いられる。
ビニルカルバゾール系ポリマーはヨウ素化合物によっ
て輻射線で活性化された状態でホログラフィーに用いら
れる。
このヨウ素化合物としては、例えば四ヨウ化炭素、ヨ
ードホルム、四ヨウ化エチレン、トリヨードエタン、テ
トラヨードエタン、ペンタヨードエタン、ヘキサヨード
エタン等の重合体成分中に共存して可視光波長に対する
十分な感度を有する感光剤層を構成できるものが用いら
れる。
なお、ビニルカルバゾール系ポリマーを主成分とする
感光剤層の透明基板上への形成には、具体的には、特開
昭54−102140号に開示された塗布法等によって実施すれ
ばよい。
次に感光剤層に露光、現像処理を施すことによって、
体積型位相ホログラム画像を形成する(第二工程)。露
光方法は、公知の感光法いずれでもよく、被写体の種
類、ホログラムの用途等によって適宜選択すればよい。
現像方法は、公知の感光法のいずれでもよいが、例え
ば、特開昭54−102140号等に開示された方法によればよ
い。
より具体的には、例えば、488nmのアルゴンレーザー
光にて、物体光と参照光の二光束の可干渉性レーザーに
よって、干渉パターンを露光し、その後、溶剤による膨
潤、収縮現像を発現させる現像工程を経ることにより、
実施できる。
しかる後、水あるいは低沸点有機溶媒中に浸漬する
と、ホログラム像が記録されたフィルムが透明基板から
剥離できる(第三工程)。こうすることにより、何ら像
を破壊することなく、容易にホログラムフィルムが得ら
れる(第一の本発明の基本工程の終了)。
この剥離のために用いることのできる、低沸点溶媒と
は、透明基板、ホログラムフィルムを溶解することな
く、両者の界面に浸透し、その溶媒の界面張力によっ
て、互いを剥離させるものである。
この工程で用いる溶媒は、上述の作用を果たすもので
あって、かつホログラムを構成している成分(主にビニ
ルカルバゾール系ポリマー)に実質的な悪影響を及ぼさ
ないものならば何を用いても差し支えない。かかる溶媒
として、透明基板、ホログラムフィルムを侵さないアル
コール類、飽和炭化水素類が特に好適に用いることがで
きるが、用いる基板の材質等によって、適宜選択すれば
よい。
好ましい例としては、水、n−ヘプタン、n−ヘキサ
ン、ダイフロン、n−ペンタン、n−オクタン、イソオ
クタン、シクロヘキサン等のアルカン、シクロアルカン
類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコー
ル、イソアミルアルコール等のアルコール、ジメチルエ
ーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル、等が挙げ
られる。
水あるいは低沸点有機溶媒に適度な加温、超音波等の
物理的刺激を与えることは、一般に剥離を進める上に効
果的に作用し、好ましい傾向を示す。
なお、剥離されたホログラムフィルムは媒体中もしく
は媒体上に浮き、容易に取り出すことができる。
この剥離工程(第三工程)で、溶媒による剥離が困難
であることが予測されるときなどは(例えばホログラム
フィルムの厚みが薄く、強度が低くなる場合等)、第一
工程において、透明基板上にまず、剥離層を積層し、次
に感光剤層を積層するとよい。
本発明にいう剥離層とは、ホログラムフィルムの溶剤
による剥離をより容易にするためのものである。
このような目的で用いる剥離層としては、例えばホロ
グラムフィルムの表面張力(N−ビニルカルバゾール系
ポリマーを用いた場合には、30〜35dyne/cm)よりも、
良好な剥離状態を得るのに十分な程度に大きい、または
小さい表面張力を有する、例えばポリマーからなる層
や、いわゆるシランカップリング剤やチタンカップリン
グ剤と呼ばれる低分子の表面改質剤からなる層を用いる
ことができる。
剥離層を構成できる材料として具体的には、例えばポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリフッ
化エチレン−プロピレン、ポリ有機シロキサン等のポリ
マー;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;
イソプロピルトリステアリルチタネート、イソプロピル
トリオクチルチタネート等のチタンカップリング剤等を
挙げることができる。
剥離層は、透明基板上に例えば上記ポリマーからなる
層を積層して、あるいは透明基板表面をシランカップリ
ング剤やチタンカップリング剤を含む溶液で処理して設
けることができる。
剥離の際、剥離層は透明ならば、透明基板側、ホログ
ラムフィルムどちらの側に残ってもさしつかえない。ホ
ログラムフィルム側に残る場合、剥離層をその保護層と
しての機能を有する材料で構成したり、剥離層に保護機
能を付与できる各種添加材を添加することもできる。
保護層としても機能できる剥離層形成用材料として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリパーフルオロエチレン−プロピ
レン、ポリフッ化ビニルデン、ポリビニルアルコールな
どを挙げることができる。
また、保護層としての機能を付与するために添加でき
る添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤としては、2
−(ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリ
アゾール誘導体、1,3,5−トリス(2′ヒドロキシフェ
ニル)トリアジン等のトリアジン誘導体、レゾルシール
モノベンゾエート等のベンゾフェノン誘導体等を挙げる
ことができる。
なお、不透明であれば、溶剤の適当な選択等によって
透明基板側に残るようにするのが好ましい。
次に、取り出したホログラムフィルムを所望の被転写
材に載せ、乾燥させる(第四工程)。こうして、第二の
本発明の一連の基本的かつ代表的な工程は終了する。
こうしてできたものは、前述したよう、例えば被転写
材裏面を他の物体に貼付させるなどして、利用できる。
また、第四工程の操作上あるいは被転写材材料選定上、
被転写材とホログラムフィルムとは剥離可能に積層する
ことができるので、両者を剥離し、剥離と同時にまたは
その後、該フィルムを他の物体に転写する、転写用シー
トに利用できる。
この工程で用いられる被転写材には何ら限定はなく、
公知のものが広く使用でき、目的、用途に応じて適宜選
択すればよい。
例えば、被転写材裏面を他の物体に貼付させて利用す
る場合、その物体が、ホログラムフィルムに対して化学
的、物理的安定性を欠く場合、被転写材に化学的、物理
的安定性が高いものを用いるのがよい。
また、この貼付させたい物体の、下地の色が、ホログ
ラムフィルムの呈する色調を著しく損なう場合、被転写
材に不透明材料、紙、不透明性材料等を用いる。逆に下
地の色が色調によりホログラムフィルムの有する特性が
活かされる場合は、透明材料、ガラス、透明高分子材料
等を用いるのがよい。
このように非転写材裏面を物体に貼付しようとする場
合、被転写材自身の接着能がある場合は別として、本発
明において、粘着性を呈する粘着層や接着能のある接着
層をあらかじめ被転写材裏面に積層するのが便利であ
る。かかる粘着層、接着層の材料としては、被転写材材
料や透明性を考慮して、実質的に任意のものから選択で
きる。
また、ホログラムフィルム上または他の物体に接着、
粘着層を付着させ、該フィルムと他の物体とを付着して
もよい。こうした接着層を用いた場合に代表されるよ
う、特に、ホログラムフィルム側と物体とを付着した場
合、その付着力によって被転写材のみを剥し易いので、
本発明によってできたものは転写シートとして有効に利
用できる。ただし、付着状態のままでも利用できる。
このような場合に利用できる接着層、粘着層の材料と
しては、ホログラムフィルムに悪影響を与えず、かつそ
れ自身がホログラムフィルムと化学的、物理的に反応し
てそれに害を及ぼすことのない材料から適宜選択して用
いればよい。
接着層、粘着層には、例えば、アクリル酸エステル系
ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、α−シアノアクリル
酸エステル、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、エポキ
シ系接着剤等から上記のような特性を満足するものを選
択して用いることができ、例えばポリエステルを用いる
場合には、アクリル酸エステル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシルおよびエチレンを共重合さ
せる際に、これらの組成を適宜変更して用いるなど、そ
の特性を所望の効果が得られるように必要に応じて調節
して用いる。
なお、接着層や粘着層は必要に応じてプライマーによ
って前処理が施されていてもよい。
また、接着層、粘着層材料の形態としては、それを用
いる効果が得られるならば、例えば1液型、2液型、水
性ラテックス、油性ラテックス、ホットメルトタイプ
(粉体状、シート状)、ヒートシール用タイプなどいず
れの形態のものでも良い。
接着層、粘着層を設けるには、その形態に応じて、ホ
ログラムフィルム上に直接塗布する方法、一旦キャスト
等によりフィルム状に成形されたものをホログラムフィ
ルム上へ接着または貼着する方法などを適宜選択して用
いればよい。
なお、本発明によりできたものを、他のものに密着さ
せる場合、その接着、粘着剤の種類に応じて、200℃以
下、圧力100Kg/cm2以下であれば、加熱加圧することは
かまわない。
また、本発明の基本工程によりできたものを転写用と
して使用する場合等、被転写材とホログラムフィルムの
密着性を低減させたい場合には、被転写材にあらかじめ
剥離性を上げるため、例えばTSW820,TSW831等の既知の
シリコーン化合物、テフロン系オリゴマー処理等、公知
法を施すことは一向にかまわない。また、同様な目的
で、両者間に前述したと同種の剥離層を介在させること
もでき、前述の透明基板と同様な処理を被転写材に施せ
ばよい。
ホログラムフィルム表面に必要に応じて保護層を設け
てもよい。保護層は、それを介してホログラムフィルム
の画像を観察する場合、画像の良好な観察を妨げないよ
うなものであるのが望ましい。
保護層としては、例えば保護層での酸素透過を制御し
て、ホログラムフィルムの酸化による劣化の可能性を防
ぐ場合には、ポリビニルアルコール、ポリフッ化エチレ
ン−プロピレン、ポリ塩化ビニリデン等からなる層とし
て設けることができる。また、摩擦等による擦過傷を防
止するための保護層は、例えばポリシロキサンのラダー
型ポリマー層、エポキシ樹脂層を直接ホログラムフィル
ム2上に形成する、あるいはこれらの処理が施されてい
る各種樹脂フィルムをホログラムフィルム上に積層して
形成することができる。
また、保護層を形成する際に、例えば、2−(ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール誘
導体、1,3,5−トリス(2′ヒドロキシフェニル)トリ
アジン等のトリアジン誘導体、レゾルシールモノベンゾ
エート等のベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤を添
加して光劣化防止機能を付与する等、種々の保護機能を
形成される層に付与できる各種添加剤を加えて保護層に
種々の所望とする保護機能を与えてもよい。
このような材料から保護層を形成する場合、その層厚
は、保護層が十分な機能を発揮するのに必要な程度とす
れば良い。
更に、上記の材料の他にInO,Al2O3,Al,In等の金属や
金属酸化物をホログラムフィルム上に50〜1000オングス
トローム程度の膜厚で蒸着して保護層としてもよい。
可撓性を有する被転写材を用いた場合は、保護層の硬
度が高すぎると、可撓した際に保護層にヒビ割れや破損
などを生じて、十分な効果を得ることができない場合が
あるので、そのような恐れのある場合には、被転写材や
ホログラムフィルムの材質によってもそれぞれ異なる
が、例えば保護層の硬度を、鉛筆硬度で4H以下とすると
良い。
なお、保護層、粘着層、接着層等の形成は、本発明の
基本工程を妨げない範囲で、その途中形成してもよい。
[実施例] 実施例1 N−ポリビニルカルバゾール2.5g、四ヨウ化炭素をモ
ノクロルベンゼンに溶解し、暗所にて、洗浄したガラス
基板にスピナー(ミカサスピナー)を用いて、塗布し、
4.0μmの感光剤層を形成した。
この感光剤層をArレーザー(514.6nm)を用いパター
ン露光した。露光後、25℃、2分間トルエンに浸漬し、
25℃で3分間キシレン中に、次いで、25℃で3分間ヘプ
タン中に浸漬した後、乾燥させた。これを水中に10分間
放置することにより、体積型ホログラムを基板から剥離
し、ホログラムフィルムを得た。これをポリエステルフ
ィルム上に載せ、ホログラムシートとした。
得られた体積型位相ホログラムシートは、514.5nm
で、約3000本/mmの空間周波数を有し、回折効率は85
%、透過率92%であった。
実施例2 洗浄基板上にポリビニルアルコールの7%水溶液をス
ピナーで2μmコートし、剥離層を設けた以外は、実施
例1と同じ方法で露光、現像工程を行った。この積層体
を水中に放置することにより、体積型ホログラムフィル
ムを剥離した。剥離は2分間という短時間で終了した。
これをポリエステルフィルム上に載せ、ホログラムシー
トを得た。
得られた体積型位相ホログラムシートは、514.5nm
で、約3000本/mmの空間周波数を有し、回折効率は80
%、透過率90%であった。
実施例3(転写シートとしての性能試験) 接着剤アクリル酸エマルジョン系ポリゾールAB−412B
N(昭和高分子株製)を構造紙上に塗布乾燥した。これ
に、実施例1で得た体積型位相ホログラムシートを、そ
のホログラム面で接触させ、上からローラで2Kg/cm2
圧力をかけポリエステルフィルムを剥離した。実施例1
で得た性能は何ら変わらなかった。
実施例4(転写シートとしての性能試験) 実施例3で、構造紙をステンレスに代えた以外は、全
く同様に処理したが、得られたもののホログラムは実施
例1と全く同様な性能を示した。
実施例5 実施例3で得たフィルムのホログラム面に接着剤ポリ
ゾールAB−412BN(昭和高分子株製)を塗布し、乾燥さ
せた後、塩化ビニル化粧板に重ね合わせ、70℃で圧力10
Kg/cm2でプレスして接着した。ホログラムの性能変化は
認められなかった。
[発明の効果] 本発明によれば、転写や貼付という簡単な操作で、ホ
ログラフィック画像を所望の物品に容易かつ手軽に付与
することが可能な、転写シート、貼付シート等、に利用
できる新規な体積型位相ホログラムシート、及びその一
部をなすホログラムフィルムが、操作上困難なく製造で
きるようになった。しかも、できたホログラムは、その
材質に起因して、耐湿性、保存安定性、回折効率等総合
面で優れており、また、体積型位相なので凹凸表面を用
いるタイプのように転写等の際に凹凸の変形、破損によ
る悪影響がない。これらの理由により、極めて実用に適
している。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上にビニルカルバゾール系ポリマ
    ーを主成分とする感光剤層を積層し、露光、現像処理を
    施した後、水または低沸点有機溶媒中で、透明基板か
    ら、体積型位相ホログラムが記録されたビニルカルバゾ
    ールポリマー系ホログラムフィルムを剥離することを特
    徴とする体積型位相ホログラムフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記透明基板の光透過率が400nmで30%以
    上であり、且つ450〜800nmで40%以上である特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】前記低沸点有機溶媒が、アルコールあるい
    はエーテルである特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】透明基板上にビニルカルバゾール系ポリマ
    ーを主成分とする感光剤層を積層し、露光、現像処理を
    施した後、水または低沸点有機溶媒中で、透明基板か
    ら、体積型位相ホログラムが記録されたビニルカルバゾ
    ールポリマー系ホログラムフィルムを剥離し、該フィル
    ムを被転写体に積層することを特徴とする体積型位相ホ
    ログラムの製造方法。
  5. 【請求項5】前記被転写体のビニルカルバゾール系ポリ
    マーと接触しない面に、粘着層または接着層を設けた特
    許請求の範囲第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】前記透明基板の光透過率が400nmで30%以
    上であり、且つ450〜800nmで40%以上である特許請求の
    範囲第4項記載の方法。
  7. 【請求項7】前記低沸点有機溶媒が、アルコールあるい
    はエーテルである特許請求の範囲第4項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記被転写体が、紙、金属、プラスチック
    またはセラミックである特許請求の範囲第4項記載の方
    法。
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