JPH0531655Y2

JPH0531655Y2 -

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Publication number: JPH0531655Y2
Application number: JP1986131226U
Authority: JP
Priority date: 1986-08-29
Filing date: 1986-08-29
Publication date: 1993-08-13
Anticipated expiration: 2001-08-29
Also published as: JPS6338150U

Description

【考案の詳細な説明】 (A) 産業上の利用分野本考案は画像形成層を有する支持体に関し、こ
の支持体が片面が剥離加工されたプラスチツクを
基体として、その基体上に剥離性接着層を介して
透明な薄膜シートを有するところの多層構造をも
つた拡散転写用受像シートに関する。

(B) 従来技術及び問題点実開昭61−6854号明細書及び実開昭61−6856号
明細書には、上述したような多層構造を有した支
持体の透明薄膜シート上に受像層を設けた写真材
料が開示されている。しかしながら、この支持体
の基体としてポリエチレン被覆紙を用いた場合、
この支持体もしくはこの支持体上に画像形成層を
設けたものは高湿度下（相対湿度70％以上）に放
置すると透明な薄膜シートを内側にしたカールが
発生することが判明した。そこで、このカール対
策として実願昭61−50584号明細書に於いて、基
体として用いるポリエチレン被覆紙の裏面に比重
が0.94以上の高密度ポリエチレンを30重量％以上
含有したポリエチレン被覆紙を使用することを提
案したが、完全な対策とは言い難い面があつた。
また、基体としてポリエチレン被覆紙を用いた場
合、支持体上から接着層を有する透明な薄膜シー
トを剥離して透明なガラス板や透明なプラスチツ
クシートに貼り合わせた時、接着層の乱れによつ
て貼り合わせた部分が乱れパターンに応じて不透
明となつてしまい見苦しいものとなつてしまうと
いう欠点があることも判明した。

一方、透明な薄膜シート上の画像形成層に形成
される画像は、接着層から剥離されるまでは、微
小画像などの適正焼き度を反射画像として見る方
が好ましいと言える。

また更に、既述したような写真材料を画像形成
し、この画像を所定の原稿の所定位置に貼り込む
場合、原稿上にこの写真材料を重ね合わせ、当該
画像部を貼り込むべき大きさ、形状に接着層から
剥離できるようナイフ等でくり抜けば非常に望ま
しいと言える。

(C) 考案の目的本考案の目的は、上述した欠点を解決すると同
時に上述した要求を満足させるものであり、高湿
度下におけるカールの発生が防止され、剥離後の
接着層の平滑性に優れ、画像の焼き度適正の判別
性と所望とするサイズ、形状の画像くり抜き性を
備えた拡散転写用受像シートを提供することにあ
る。

(D) 考案の構成本考案は、基体上に剥離性接着層を介して透明
な薄膜シートおよびその上に物理現像核層を有す
る拡散転写用受像シートにおいて、基体として可
視光の透過濃度が0.2〜0.5のプラスチツクを用い
たことを特徴とする、拡散転写用受像シートであ
る。

以下、図面により本考案の拡散転写用受像シー
トについて詳細に説明する。第１図は、本考案の
拡散転写用受像シートの一例を示す断面図であ
る。第１図に於いて基体１上には剥離性接着層
２、透明な薄膜シート３及び画像形成層４を順次
有している。

基体１は、材質としてはポリエステル、ポリス
チレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネイト、ポリ塩化ビニルなどで、これらの樹
脂中に可視光の透過濃度0.2〜0.5、好ましくは0.3
〜0.4になるように二酸化チタン、酸化亜鉛など
の白色顔料もしくは有色顔料を添加含有し、不透
明性を付加した厚さが50〜300μｍのプラスチツ
クである。また、この基体１には本考案の目的を
害さない範囲で通常用いられる他の添加剤、例え
ば蛍光増白剤、染料、紫外線吸収剤、帯電防止剤
等を含有することができる。またこの基体１の１
ｂ面に更に下引処理もしくはコロナ放電処理によ
る親水化処理後ゼラチンなどの天然高分子もしく
は、ポリビニルアルコールのような合成ポリマー
がコーテイングされてもよい。しかし、１ｂ面に
コーテイング層を設けなくても高湿度下でのカー
ルは防止でき、むしろ常温〜低湿度条件下よりも
カールの発生が少ないことが判つた。

基体１の１ａ面には、接着層２の剥離を容易に
するために剥離剤で処理している。剥離剤として
は例えばメチルハイドロジエンポリシロキサン、
水酸基末端ジメチルポリシロキサン、ジメチルポ
リシロキサンなどのシリコンオイル、シリコンオ
イルエマルジヨン、ナトリウムメチルシリコネー
トなどのシリコン系撥水剤、あるいはこれらシリ
コン系撥水剤にチタン酸ブチル、またはアルミニ
ウム、スズ、鉛、亜鉛などの有機酸塩を助剤とし
て添加したもの、パラフインワツクス、ワツクス
エマルジヨン、ジルコニウム塩、ステアロイルメ
チルアミド及びメチレンビリジニウム塩の如き第
４級アンモニウム塩、Ｎ−メチロールステアリン
酸アミドの如きＮ−メチロ−ル脂肪酸アミド、パ
ーフロロモノカルボン酸クロロ錯塩及びアクリル
酸フツ化アルキルエステルの如きフロロカーボン
類、Ｎ，Ｎ−ジエタノールオレアミド、Ｎ，Ｎ−
ジエタノールエルクアミド及びＮ，Ｎ−ジエタノ
ールステアリルエルクアミドの如きアミド類を挙
げることができる。更にポリビニルカルバメー
ト、アクリル酸エステルコポリマー、ポリビニル
アセテートコポリマー等も好ましく使用しうる。
剥離剤の使用量は、概して１m²当り0.1〜5gの量
を目安にすることができる。剥離性接着層なる用
語は、画像形成処理後に基体１と接着層２とが剥
離が可能な状態で接着していることを意味してい
る。

剥離性接着層に用いる接着剤は、粘着質の樹脂
またはポリマーからなるものでよい。あるいは本
来非粘着質のポリマーまたはエラストマーに粘着
質の樹脂または可塑剤を加えて粘着質にすること
もできる。粘着質にし得る適当なポリマーは、例
えば、天然未加硫ゴム、合成ゴム、例えばポリイ
ソブチレン：ポリクロロプレン：ポリイソプレ
ン：ポリブタジエン：ポリアクリロニトリル及び
これらとスチレン、スチレン同族体またはアクリ
ルモノマーとの共重合体：ポリビニルアルキルエ
ーテル、例えばメチル、エチル及びブチルエーテ
ル：アクリル及びメタクリルポリマー、例えばポ
リブチルアクリレート及びそのコポリマー及びポ
リブチルメタクリレート：及びビニルアセテート
ポリマー等がある。接着剤に使用することのでき
る粘着性の及び粘着性化しうる樹脂には、例えば
ロジン及びロジンエステル、水素添加したロジン
エステル及びアルコール、粘稠液体ポリスチレン
及びポリスチレン同族体（低分子量のもの）、低
分子量ポリイソブチレンまたはその他の低分子量
ポリオレフイン：及びテルペンポリマー、例えば
ポリ−α−ビネンなどがある。もし必要ならば、
粘着度調節剤、例えば12以上の炭素鎖を含む長鎖
炭化水素、例えばパラフイン及びポリエチレンワ
ツクス、脂肪酸及びそれらの誘導体及びポリエチ
レングリコールを加えることもできる。

更に、ミネラル・オイル、液状ポリブテン、液
状ポリアクリレート、ラノリンの如き軟化剤（可
塑剤）、ジ・チオカーバメート（金属塩）、金属キ
レート剤の如き老化防止剤も加えることができ
る。

剥離性接着層２は、概して、約0.5〜約50g／m²
の範囲で塗布することができる。

接着層２には透明な薄膜シート３が貼り合わさ
れてい。この薄膜シート３としては、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの各
種フイルムを用いることができ、厚みは約100ミ
クロン以下、好ましくは約10〜約80ミクロンであ
る。該薄膜シート３の表面は、画像形成層４の接
着性向上のための親水化処理、例えばコロナ放電
処理、下引処理などを施すことが好ましい。

画像形成層としては一般写真乳剤層及び銀拡散
転写用受像層等であり、またこれらの層に伴つて
下塗層、ハレーシヨン防止層、保護層、タイミン
グ層などが併設されてもよい。

(E) 実施例可視光の透過濃度0.06（サンプルＡ）のポリエ
チレンテレフタレートフイルム（厚さ75μｍ）の
中にルチル型二酸化チタンを含有させ、透過濃度
0.15（サンプルＢ）、0.26（同Ｃ）0.43（同Ｄ）、0.66
（同Ｅ）とした基体１を準備した。一方、画面を
ポリエチレン樹脂で被覆した紙支持体（サンプル
Ｆ、透過濃度0.72）も準備した。

以上の基体１のサンプルＡ〜Ｆの１の面にナト
リウムメチルシリコネートをウエツトで10g／m²
ドクトルバーにて塗布し100℃にて２分間乾燥後
更にその上にポリブチルアクリルポリマーをドク
トルバーにて20g／m²塗布し80℃で２分間乾燥後
25μのポリエチレンテレフタレートの透明薄膜シ
ートと貼り合わせた。

以上の方法で作製した多層構造を有した写真用
支持体の透明薄膜シート面に下引層を設け、物理
現像核を含有するゼラチン受像層を塗布した。こ
れらを基体１のサンプル名に準じてサンプルＡ〜
Ｆとし、A4判サイズに裁断した。

サンプルＡ〜Ｆを30℃、相対湿度83％の条件下
に48時間放置したところ、サンプルＦは受像層を
内側にして著しいカールが発生したが、サンプル
Ａ〜Ｅは殆どカールを生じなかつた。また、サン
プルＦは、接着層から剥離して透明なフイルムに
粘着したところ、接着層のムラ（乱れ）が著しか
つたのに対し、サンプルＡ〜Ｅは、接着層のムラ
がなく極めてスムーズな粘着状態であつた。

一方、サンプルＡ〜Ｆについて、銀錯塩拡散転
写用感光材料（ネガ）と密着して、通常のプロセ
ツサーで拡散転写現像処理した。サンプルＣ〜Ｆ
は、暗室内での表裏判別がサンプルＡ及びＢに比
べて容易であり、取扱い易くなつた。

また、サンプルＣ〜Ｆは、画像の焼き度評価が
サンプルＡ及びＢに比べて暗室内でも容易であつ
た。

更に、サンプルＡ〜Ｆについて、貼り込みを行
う原稿に重ねて、画像部を接着層から剥離できる
ようにナイフでくり抜く際、サンプルＥ及びＦは
原稿が見えないため、所定のくり抜きができなか
つたのに対し、サンプルＣ及びＤは、サンプルＡ
及びＢに劣ることなく、良好なくり抜き性を示し
た。

(F) 考案の効果本考案の多層構造から成る拡散転写用受像シー
トは、高湿度下での良好なカール防止能、良好な
剥離後の接着層平滑性、良好な表裏判別性、良好
な焼き度評価性、良好な画像くり抜き性を合わせ
もつことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の拡散転写用受像シートの一例
を示す断面図である。１……基体、２……接着層、３……透明薄膜シ
ート、４……画像形成層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

基体上に剥離性接着層を介して透明な薄膜シー
トおよびその上に物理現像核層を有する拡散転写
用受像シートにおいて、基体として可視光の透過
濃度が0.2〜0.5のプラスチツクを用いたことを特
徴とする、拡散転写用受像シート。