JP2648595B2 - 転写型ホログラムの製造方法 - Google Patents

転写型ホログラムの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば平板状のフィルムに立体像を観察で
きる体積型位相ホログラムの製造方法に関し、とりわけ
転写によりホログラフィック画像を所望とする場所に簡
単、かつ手軽に設けることができる転写型ホログラムの
製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ホログラフィーは、レーザーのように干渉性良好な光
の波を物体に照射し、その振幅と位相とが該物体の形状
に応じて変調された反射または透過光を感剤で受光して
記録し、形成されたホログラムに照射された光により記
録した物体の光学像を再生する技術であり、例えば、立
体光学像を平板状のフィルムに観察することができる。
このようなホログラフィーの関する研究の進展に伴な
い現在では、その感剤に対する要求もかなり明確なもの
となってきている。ホログラフィーに用い得る感剤とし
ては、漂白処理銀塩、フォトレジスト、サーモプラスチ
ック、重クロム酸ゼラチン、無機ガラス系材料、強誘電
体などの多くの材料が知られており、そのホログラフィ
ーに対する適性が更に研究されている。
ホログラム形成用の感剤の持つべき特性としては、例
えば (1)レーザー感度、特に可視光領域にレーザー感度を
有し、かつ高感度であること、 (2)高解像力を有すること、 (3)得られたホログラムの回折効率が高いこと、 (4)ホログラムのノイズが少ないこと、 (5)ホログラムが安定していること、 (6)記録および再生操作が容易であること、 などが挙げられることができる。
一方、ホログラフィー技術の進歩にともない、実用に
耐え得るホログラムの形成が可能となりつつあり、画像
自体を楽しんだり、種々の物品を装飾するために用いた
りするなど、ホログラムの用途も種々の方面へ拡大され
ており、それに応じた各種の形態がホログラムに要求さ
れつつある。
例えば、画像に応じた凹凸を感剤層表面に形成し、そ
の凹凸での光の反射あるいは透過を利用して画像を再生
するタイプのホログラフは、本の表紙として、あるいは
磁気カードの偽造、変造防止用のマークとしてすでに利
用されてる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、先に挙げたホログラム形成用感剤の特
性およびホログラム自身の形態の両方において、上述の
ような用途の拡大に伴なう種々の要求に対して、十分に
対応し得るホログラムは提供されていないのが現状であ
る。
例えば、簡単な操作で容易に所望とする各種物体にホ
ログラムを適用する技術やそれに適したホログラムの形
態は未だ提供されていない。
本発明は、このようなホログラムの用途の拡大に伴な
った種々の要求への対応に鑑みなされたものであり、ホ
ログラムフィルムの各種物体への適用を容易とする技
術、特に安定性、強度、耐溶剤性等に優れるホログラム
フィルムを提供することをその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的は、以下の本発明により達成することがで
きる。すなわち、本発明の転写型ホログラムの製造方法
は、透明基材上に剥離可能に設けられたホログラム形成
用感剤層にホログラム露光及び有機溶剤による現像処理
を行って反射型の体積型位相ホログラムを形成する転写
型ホログラムの製造方法であって、前記透明基材が結晶
性樹脂よりなり、前記基材とホログラム形成用感剤層と
の間に、現像処理に使用される有機溶剤に対して耐溶剤
性を有する剥離層を設け、更に前記ホログラム形成用感
剤層がビニルカルバゾール系ポリマーを含むことを特徴
とする。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
第1図は、シート形状を有する場合の本発明において
得られるホログラムの一例の構成を示す模式的側面図で
ある。
このホログラムは、基材1と、基材1上面に設けられ
たホログラムフィルム2とを有して構成されている。か
かるホログラムフィルムは、基材裏面を他の物体に貼付
して用いたり、基材とホログラムフィルムとの接着強度
によっては、両者を剥離し、剥離と同時にまたはその
後、他の物体に転写する転写用として使用できる。
すなわち、ホログラフィック画像を例えば紙、金属、
プラスチック、セラミックなどからなる各種物体の所望
部に容易に付与することができる。例えば転写や貼付さ
れる物品として、適当な台紙を用いその上にホログラム
フィルムを転写、貼付させ、絵や写真などと同様に楽し
むこともできる。
また、先に述べた凹凸表面を用いるタイプでは、圧着
や接着によって各種被転写材上にホログラフを直接接着
する場合、表面に形成した凹凸に変形や破損等の影響が
避けられないが、本発明における転写型ホログラムに
は、体積型位相のホログラムフィルムが用いられている
ので、転写に際してそのような問題が生じることがな
い。
貼付用、転写用、各々にとって、好ましい態様につい
ては後述するが、まず、両用途について共通する基材、
ホログラムフィルムについて説明する。
基材1は透明性で且つ結晶性である必要があり、この
点は本発明の特徴部分をなす。
透明性とは、画像露光の操作に影響を及ぼさない光学
特性を有する、すなわち露光に用いる光の波長あるいは
波長範囲において露光操作を良好に行なえる程度の透明
性のことである。基材はこのような特性を有するので、
基材1上にホログラムで形成用記録材を積層した状態
で、画像の露光、現像を行ないホログラムを形成でき、
生産効率上都合が良い。その上、本発明における基材1
は結晶性であるため、それが、現像工程で現像液に対し
て高い安定性を示す。かかる点から、実用に供するに特
にふさわしいホログラムとなる。更に、基材が結晶であ
るため、使用できる現像液の範囲が拡大するという利点
もある。
また、基材1が結晶性であることによって、本発明の
ホログラムは、使用に際して種々の溶剤に対して高い安
定性を示す、などの効果がある。
なお、透明性の好ましい範囲は、ASTM D 1003番に記
載された方法に従って光透過率を測定した場合に400nm
で30%以上、好ましくは50%以上の透過率を有し、且つ
450〜800nmで40%以上の透過率を有する範囲内である。
基材1の強度は、ホログラムフィルム2を担持できる
程度であればよい。
基材1の形状は図示されたようなシート状に必ずしも
限定されるものではなく、例えば直方体や立方体などの
各種の立体形状を有するものでも良い。
なお、シート状で用いる場合の基材1は、円筒状など
の曲面を有する物体にも適用可能であるなどの点からは
適度な可撓性を有していることが望ましい。
このような透明性があり且つ結晶性の基材としては、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メ
チル)ペンテン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル;ポリアミド等の結晶
性高分子を主体とするもので、成形の際に2軸方向に延
伸をかけて配向結晶させて透明化させたものが挙げられ
る。
シート状で用いる場合の基材1の厚みは、例えば機械
的強度と透明性の兼ね合いから通常20μm〜100μm程
度のものが好適に用いられる。
更に基材1は、ホログラムフィルム2とともに観察さ
れる、すなわちその観察時においてホログラムフィルム
2と密着した状態にある場合には、ホログラムフィルム
2の形成のための露光を妨げない範囲で、例えばホログ
ラムフィルム2に記録された画像と補色関係にある色と
するなど、ホログラムフィルム2の画像を鮮明にした
り、見ばえを良くするのに効果のある色に、着色されて
いても良い。
また、基材1のホログラムフィルム2側の表面に、必
要に応じて、ホログラムフィルム2との密着性を改良す
るためなどの目的で、例えばコロナ、プラズマ等を用い
た放電処理、火焔処理などの物理手処理;硫酸、硝酸、
フッソ化合物、アルカリ、シラン化合物等による科学的
処理等の表面処理が施こされていても良い。
しかしながら、基材1の上述したような光学的特性が
損なわれない範囲内でこれら着色および表面処理等が行
なわれることが望ましい。
ホログラムフィルム2としては、ビニルカルバゾール
系ポリマーを感剤として用いたものが利用され、このビ
ニルカルバゾール系ポリマーを感剤として用いた体積型
位相ホログラムは、先に挙げた感剤への要求性能を満足
し、かつ得られたホログラム自信の耐湿性、保存安定性
に優れ、またホログラム形成時のあるいは転写の際の各
種操作に対する安定性にも優れている。
このビニルカルバゾール系ポリマーとは、ポリビニル
カルバゾール、ポリビニルカルバゾールのアルキル置換
体、ポリビニルカルバゾールのハロゲン置換誘導体およ
びこれらを主体とする重合体をいい、所望に応じてその
1種以上を用い得る。具体的には、例えば、ポリビニル
カルバゾール、3−クロルビニルカルバゾール重合体、
3−ブロムビニルカルバゾール重合体、3−ヨードビニ
ルカルバゾール重合体、3−メチルビニルカルバゾール
重合体、3−エチルビニルカルバゾール重合体、クロル
化ポリビニルカルバゾール、ブロム化ポリビニルカルバ
ゾール等を利用することができる。
なかでも、未置換のポリビニルカルバゾールは、その
入手が容易で、しかも得られるホログラムの性能も特に
優れたものであるので、実用上好適である。
ビニルカルバゾール系ポリマーは、例えばフィルムと
した際の強度や柔軟性などの特性の制御のために、必要
に応じて、他のモノマーと共重合されていても良い。そ
のような用途に用い得る他のモノマーとしては、例えば
上記ビニルカルバゾール類に加えて、酢酸ビニル等のビ
ニルエステル、アクリル酸およびメタアクリル酸エステ
ル、スチレン及びスチレン誘導体等のラジカル重合法に
よって共重合し得るビニル系モノマーなどを挙げること
ができる。また、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−水素化ブタジエン共重合
体などの他のポリマーをホログラム像が記録できる範囲
でブレンドして用いることもできる。
なお、これらは所望の特性が得られるようにその添加
割合が選択して用いられる。
このビニルカルバゾール系ポリマーはヨウ素化合物に
よって輻射線で活性化された状態でホログラフィーに用
いられる。
このヨウ素化合物としては、例えば四ヨウ化炭素、ヨ
ードホルム、四ヨウ化エチレン、トリヨードエタン、テ
トラヨードエタン、ペンタヨードエタン、ヘキサヨード
エタン等の重合体成分中に共存して可視光波長に対する
十分な感度を有する感剤を構成できるものが用いられ
る。
このような構成のビニルカルバゾール系ポリマーを用
いた感剤層は、560nmまでの可視光に対し感度を示し、
そのような波長領域内の適当な波長の物体光と参照光の
2光束の可干渉性レーザーによって干渉パターンを露光
後、更に溶剤による膨潤、収縮現像を利用した現像工程
を経る方法によって高解像度、高回折効率の体積型位相
ホログラムを形成することができる。
なお、本発明に用いるホログラムフィルムは、溶剤を
用いた現像工程を必要とする形成方法を用いる場合に本
発明の構成はとりわけ効果的である。
基材1上にホログラムフィルム2を設けるには、前述
の如く、結晶性透明基材上にホログラム形成用の感剤層
を積層し、所定の露光、現像処理を行なう方法が好適に
利用できる。
本発明を転写用として用いるには、剥離可能に設けた
基材とホログラムフィルム2におけるフィルム2露出面
を、それを転写しようとする被転写材の面に重ね合せ
て、これらを圧接させることによって、ホログラムフィ
ルム2を他の所望の物品上に転写させる。
すなわち、本発明でいう「剥離可能」とは、基材1か
らホログラムフィルム2が上記のような転写操作に際し
てその形状あるいは画像の記録状態に変化が及ぼされる
ことなく剥離可能であることを意味する。
したがって、基材1とホログラムフィルム2として
は、良好な転写操作が行なえるような組合せで各々の材
質を選択すると良い。
しかしながら、第1図のような構成において、基材1
からホログラムフィルム2が剥離しにくい場合、あるい
はホログラムフィルム2の厚みが薄くその強度が小さく
良好な転写操作が行なえないような基材1とホログラム
フィルムの組合せを取る場合には、例えば第2図に示す
ように基材1とホログラムフィルム2との間に剥離層3
を設けることによって良好な転写操作を実現できる。
このような目的に用いる剥離層3は、転写操作の際
に、基材1とホログラムフィルム2との剥離を容易とす
る機能を有するような材料および層厚で用いれば良い。
剥離層3のタイプとしては、転写操作後に基材1側に
残るものでも良いし、ホログラムフィルム2側に密着し
て、それとともに転写されるものでも良い。
このよう目的で用いる剥離層3はホログラム形成用感
剤層とともに現像処理されるのもであるので、現像液
(有機溶剤)に対する耐性を有するものが用いられ、更
に、例えばホログラムフィルム2の表面張力(N−ビニ
ルカルバゾール系ポリマーを用いた場合には、30〜35dy
ne/cm)よりも、良好な剥離状態を得るのに十分な程度
に大きい、または小さい表面張力を有する、例えばポリ
マーからなる層や、いわゆるシランカップリング剤やチ
タンカップリング剤と呼ばれる低分子の表面改質剤から
なる層を用いることができる。
剥離層3を構成できる材料として具体的には、例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリフ
ッ化エチレン−プロピレン、ポリ有機シロキサンなどの
ポリマー;γ−グリシドキシプロピルトリメントキシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン等のシランカップリング
剤;イソプロピルステアロイルチタネート、イソプロピ
ルオクチルチタネート等のチタンカップリング剤などを
挙げることができる。
しかしながら、剥離層3がホログラムフィルム2とと
もに転写されるものであり、かつこの剥離層3が転写操
作後のホログラムフィルム2上に残されるものである場
合には、剥離層3はホログラムフィルム2の観察を妨げ
ないようなものである必要がある。
また、ホログラムフィルム2上に残されるタイプの剥
離層を用いる場合、該剥離層をホログラムフィルムの保
護層としての機能を有する材料で構成したり、剥離層に
保護機能を付与できる各種添加材を添加して、保護層と
しての機能を剥離層3に付与しておけば転写後のホログ
ラムフィルムに自動的に保護層を設けることができる。
保護層としても機能できる剥離層形成用材料として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリパーフルオロエチレン−プロピ
レン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコールな
どを挙げることができる。
また、保護層としての機能を付与するために添加でき
る添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤としては、2
−(ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリ
アゾール誘導体、1,3,5−トリス(2′ヒドロキシフェ
ニル)トリアジン等のトリアジン誘導体、レゾルシール
モノベンゾエート等のベンゾフェノン誘導体等を挙げる
ことができる。
剥離層3は、基材1上に例えば上記ポリマーからなる
層を積層して、あるいは基材1表面をシランカップリン
グ剤やチタンカップリング剤を含む溶液で処理して設け
ることができる。
一方、ホログラムフィルム2の露出面には、転写操作
をより良好とするために、あるいは転写後のホログラム
フィルムの他の物体上での固定性を良好とするために、
第3図に示すように接着もしくは粘着用の層4を設けて
も良い。
層4に用いることのできる材料としては、良好な接着
または粘着効果が得られ、しかも該層を利用した接着、
粘着工程においてホログラムフィルム2に悪影響を与え
ず、かつそれ自身がホログラムフィルム2と化学的、物
理的に反応してそれに害を及ぼすことのない材料から所
望とする転写型ホログラムの構成に応じて適宜選択して
用いれば良い。
例えば、アクリル酸エステル系ポリマー、酢酸ビニル
系ポリマー、α−シアノアクリル酸エステル、ウレタン
系接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤などから上
記のような特性を満足するものを選択して用いることが
でき、例えばポリエステルを用いる場合には、アクリル
酸エステル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシルおよびエチレンの共重合組成を適宜変更して、
その特性を所望の効果が得られるよう対象物体に応じて
調節されているので、選択して用いることができる。
なお、層4は必要に応じてプライマーによって前処理
が施されていても良い。
また、接着剤、粘着剤の形態としては、それを用いる
効果が得られるならば、例えば1液型、2液型、水性ラ
テックス、油性ラテックス、ホットメルトタイプ(粉末
状、シート状)、ヒートシール用タイプなどいずれの形
態のものでも良い。
層4を設けるには、その形態の応じて、ホログラムフ
ィルム2(またはホログラム形成用感剤層)上に直接塗
布する方法、一旦キャスト等によりフィルム状に成形さ
れたものをホログラムフィルム2上へ接着または貼着す
る方法などを適宜選択して用いれば良い。
なお層4を接着層として設ける場合には、例えば、10
0〜120℃、数kg/cm2の条件で接着可能な接着層を好適に
用いることができる。
また、層4の接着、粘着強度としては、例えば200g/2
5mm程度以上あれば十分である。
本発明で得られるホログラムを貼付用として利用する
のに好ましい態様は、第4図のように、接着または粘着
用の層5を基材裏面に設けたものである。層5は、基材
材料に応じて適宜選定すればよい。
更に、本発明においてはホログラムフィルム2の上面
には第5図に示すように保護層6を設けても良い。
ホログラムを貼付用として利用する場合、この保護層
6は、それを介してホログラムフィルムの画像を観察さ
れるので、画像の良好な観察をさまたげないようなもの
であるのが望ましい。
このような保護層6としては、例えば保護層での酸素
透過を制御して、ホログラムフィルムの酸化による劣化
の可能性を防ぐ場合には、ポリビニルアルコール、ポリ
フッ化エチレン−プロピレン、ポリフッ化ビニリデン等
からなる層として設けることができる。また、摩擦等に
よる擦過傷を防止するための保護層は、例えばポリシロ
キサンのラダー型ポリマー層、エポキシ樹脂層を直接ホ
ログラムフィルム2上に形成する、あるいはこれらの処
理が施こされている各種樹脂フィルムをホログラムフィ
ルム2上積層して形成することができる。
また、保護層6を形成する際に、例えば、先に挙げた
剥離層3に添加してもよい各種紫外線吸収剤を添加して
光劣化防止機能を付与するなど、種々の保護機能を形成
される層に付与できる各種添加剤を加えて保護層5に種
々の所望とする保護機能を与えても良い。
このような材料から保護層6を形成する場合、その層
厚は、保護層が十分な機能を発揮するのに必要な程度と
すれば良い。
更に、上記の材料の他にInO、Al2O3、Al、An等の金属
や金属酸化物をホログラムフィルム2上に50〜1000Å程
度の膜厚で蒸着して保護層としても良い。
なお、可撓性を有する基材1を用いた場合、保護層の
硬度が高すぎると、可撓した際に保護層にヒビワレや破
損などを生じて、十分な効果を得ることができない場合
があるので、そのような恐れのある場合には、基材1や
ホログラムフィルム2の材質によってもそれぞれ異なる
が、例えば保護層の硬度を、鉛筆硬度で4H以下とすると
良い。
また、層3〜6が、ホログラム形成のための露光時に
基材1やホログラム形成用感剤層に積層されている場合
には、これら層にも先に述べた透明基材と同様な露光操
作に対する光学特性が要求される。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 基材としての厚さ50μmの二軸延伸した結晶性ポリエ
ーテルエーテルケトン(エスペック−K、住友化学製)
上に、暗所にてポリ(N−ビニルカルバゾール)2.5g、
四ヨウ化炭素0.2gをモノクロベンゼン30gに溶解した溶
液をスピナー(ミカアースピナー、1H−2)を用いて塗
布した後乾燥させて、層厚5.0μmのホログラム形成用
感剤層を得た。
得られた感剤層の吸光度を分光光度計UVIDEC−650
(日本分光製)で測定したところ、560nmまでの吸収端
を有していた。
この感剤層にArレーザー(514.5nm)を用い、光強度
比1:1(両ビームの光強度の和が入射直前で15mJ/cm2
の条件でデニシュークの方法にしたがって所望の物体に
対応する画像を記録した。
露光後、感剤層を以下の〜の工程で順次処理して
基材上に所望の画像が記録されたリップマンタイプの反
射型ホログラムが基材上に転写可能に設けられた転写型
ホログラムを得た。
20℃、2分間のアセトンに浸漬 30℃、3分間のキシレンに浸漬 25℃、3分間n−ヘプタンに浸漬後、乾燥 得られたホログラムは、514.5nmの波長の光に対し約3
000本/mmの空間周波数を有し、回折効率が88%であり、
透過率が90%の体積型位相であった。
このようにして得た転写型ホログラムを塩化ビニルシ
ートにポリゾールAB−412 BN(昭和高分子(株)社
製)を塗布した被転写材にそのホログラムフィルム面を
介して重ね合せ、2kg/cm2程度の圧力をローラーでかけ
ることにより、ホログラムフィルムが5μmと薄いにも
かかわらず、塩化ビニルシート上にホログラムフィルム
を良好な状態で転写することができた。
転写されたホログラムの特性は、その形成直後と変り
ないものであり、そこに良好なホログラフィック画像が
観察できた。
また、本実施例に用いたポリエーテルエーテルケトン
が結晶性高分子であるので、現像工程においても優れた
耐溶剤性を示した。
実施例2 基材としての50μmの二軸延伸した結晶性のポリエチ
レンテレフタレートフィルムを10%硝酸溶液に30分程度
浸漬することにより、フィルム表面に剥離層を形成し
た。
基材として上記フィルムを用いた以外は実施例1と同
様にして露光、現像を行ない、転写型ホログラムを得
た。
得られた転写型ホログラムを実施例1と同様の操作で
塩化ビニルシート上に転写させたところ、剥離層による
良好な剥離効果が得られ容易にホログラムシートを塩化
ビニルシート上に転写できた。
転写されたホログラムの特性は、その形成直後と変り
ないものであり、剥離層はホログラムフィルム上面に積
層された状態で残されたが、良好なホログラフィック画
像を観察することができた。しかも、剥離層は転写され
たホログラムフィルムの保護層として十分機能するもの
であった。
比較例1 基材として厚さ0.2μmのポリスチレンフィルムを用
い、そのフィルム上に、暗所にてポリ(N−ビニルカル
バゾール)2.5g、四ヨウ化炭素0.2gをモノクロルベンゼ
ン30gに溶解した溶液をスピナー(ミカサスピナー、1H
−2)を用いて塗布したところ、フィルムが溶解してし
まうのでホログラム感剤層が得られなかった。
比較例2 基材として、非晶性高分子ポリエーテルスルホンフィ
ルム(エスペックス−S、住友化学製)を用いる以外は
実施例1と同様にして露光、現像を行なったところ、現
像工程においてフィルム端部が膨潤、溶解し、感剤層が
剥離してしまい、良好な現像を行なうことができなかっ
た。
実施例3 実施例1で得たホログラムの基材裏面にビニロールEA
−300(昭和高分子(株)社製)を乾燥膜厚が5μmと
なるようにコートして、接着型ホログラムを形成した。
このようにして得た接着型ホログラムを、ステンレス
板にその接着層を介して重ね合せ、50℃で2kg/cm2の圧
力をかけることにより、ステンレス板上にホログラムフ
ィルムを固着することができた。
固着されたホログラムの特性は、その形成直後と変り
ないものであり、そこに良好なホログラフィック画像が
観察できた。
〔発明の効果〕
本発明で得られるホログラムは、適当な基材上にホロ
グラムフィルムが設けられた構成を有し、基材の少なく
とも一面に接着または貼着用の層を設け、それを利用し
て貼り付けたり、あるいは基材上に保持させたホログラ
ムフィルムを所望の物品を転写する、という簡単な操作
で、所望のホログラフィック画像を各種物品の所望部に
容易かつ手軽に付与することができる。また、例えば適
当な台紙上にホログラムを基材ごと接着または貼着した
り、またホログラムフィルムを転写させて、絵や写真な
どと同様に楽しむこともできる。しかも、基板が透明
性、結晶性であるので、前述したように、製造効率の向
上、製造操作の容易化、製造途中や製造使用時の耐溶剤
性の向上、製品の強度向上、大量製造プロセスに適用等
が図れる。また、本発明によって、ホログラムの形成の
ための露光工程後に用いる得る現像液の範囲の拡大が図
れる。
更に、先に述べた凹凸表面を用いるタイプでは、圧着
や接着によって各種部材上にホログラフを直接積層する
場合、表面に形成した凹凸に変形や破損等の影響が避け
られないが、本発明で得られる接着または粘着型ホログ
ラムには、体積型位相のホログラムフィルムが用いられ
ているので、転写に際してそのような問題は生じること
がない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図はそれぞれ本発明で得られるホログラム
の代表的構成例を示す模式的側面図である。 1:基材 2:ホログラムフィルム 3:剥離層 4、5:接着または粘着用層 6:保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑山 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−292181(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材上に剥離可能に設けられたホログ
    ラム形成用感剤層にホログラム露光及び有機溶剤による
    現像処理を行って反射型の体積型位相ホログラムを形成
    する転写型ホログラムの製造方法であって、 前記透明基材が結晶性樹脂よりなり、 前記基材とホログラム形成用感剤層との間に、現像処理
    に使用される有機溶剤に対して耐溶剤性を有する剥離層
    を設け、 更に前記ホログラム形成用感剤層がビニルカルバゾール
    系ポリマーを含むことを特徴とする転写型ホログラムの
    製造方法。
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