JP2647922B2 - 電子顕微鏡の排気系 - Google Patents

電子顕微鏡の排気系

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子顕微鏡の排気系において、特に試料交換
時の試料室の真空状態の悪化を防止した装置に関する。
[従来の技術] 近時、電子顕微鏡では試料観察時のコンタミを少なく
するため、試料室をできるだけ高真空に排気して試料観
察を行うようにしている。第2図は、このような装置の
従来例を示すもので、1は電子銃室、2は対物レンズポ
ールピース付近に形成された試料室で、3はカメラ室で
ある。4は試料室2に試料交換用バルブ5を介して連通
した試料交換室である。この試料交換室4には図示はし
ないがこの交換室に置かれた試料を試料室2に移動させ
るための試料交換機構が組み込まれている。6は油拡散
ポンプやターボ分子ポンプなどの高真空用ポンプで、該
真空用ポンプ6は主排気管7,主弁8を介して前記試料室
2に接続されており、該試料室2は主弁8を開状態にす
ることにより高真空用ポンプ6によって高真空(本引
き)状態に排気される。9Aは前記高真空用ポンプ6の背
圧側を排気する油回転ポンプ等の低真空用ポンプで、9B
は試料交換室4を排気するための油回転ポンプ等の低真
空用ポンプである。該低真空用ポンプ9Bは排気管10,粗
引用バルブ11,排気管12を介して試料交換室4に接続さ
れ、該試料交換室4は粗引用バルブ11を開状態にするこ
とにより比較的低真空(粗引き)状態に排気される。13
は前記試料交換室4を大気圧にするためのリーク弁であ
る。
この様に構成された装置では、試料交換室4内の試料
は試料室2が本引き状態まで排気され、試料交換室4が
粗引状態まで排気されると試料交換用バルブ5を開状態
にした状態で試料室2内に挿入される。
[発明が解決しようとする課題] この様な従来装置においては、試料交換時に比較的真
空状態の悪い試料交換室4と高真空に排気されたクリー
ンな試料室2とが連通するため、該試料室2の真空状態
を悪化させ、コンタミを増加させてしまう欠点があっ
た。
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、電子顕微
鏡の排気系において、試料室と試料交換室を連通させて
試料交換を行う場合でも、試料室の真空状態を悪化させ
ずに試料交換を行い得る装置を提供することを目的とし
ている。
[課題を解決するための手段] そのため本発明は、試料が挿入され高真空用ポンプで
排気される試料室と、該試料室に試料交換用バルブを介
して連通された試料交換室と、該試料交換室を粗引用バ
ルブを介して排気するための低真空用ポンプとを備えた
装置において、前記試料交換室と前記粗引用バルブとを
接続する排気管に設けられた第1の真空バルブと、前記
粗引用バルブと該第1の真空バルブとの間において、前
記排気管に第2の真空バルブを介して接続された高真空
用ポンプとを備えたことを特徴としている。
[実施例] 以下本発明の実施例を図面を用いて詳述する。
第1図は本発明の一実施例の構成図であり、第1図に
おいては、第2図に示す従来装置と同一構成要素には同
一番号を付してその説明を省略する。
第1図において、14は試料交換室4と粗引用バルブ11
を接続するための排気管12に設けられた第1の真空バル
ブで、該第1の真空バルブは試料交換室4の近傍に配置
されている。又、排気管12は排気管15,第2の真空バル
ブ16を介して前記高真空ポンプ6に接続されている。17
は前述した試料交換用バルブ5,粗引用バルブ11,第1の
真空バルブ14,第2の真空バルブ16の各バルブの開閉動
作を制御するバルブ制御回路である。
この様に構成された装置においては、先ず、試料交換
機構によって試料を試料交換室4内に挿入すると共に、
試料室2を高真空用ポンプ6によって本引状態に排気す
る。試料が試料交換機構によって試料交換室4内に挿入
されると、バルブ制御回路17は、粗引用バルブ11及び第
1の真空バルブ14を開状態にする。これによって、試料
交換室4は低真空用ポンプ9Bで粗引状態まで排気され
る。ここでバルブ制御回路17は、粗引用バルブ11を閉状
態にして第2の真空バルブ16を開状態にする。この制御
により、排気管12と試料交換室4が高真空用ポンプ6に
よって試料室2と略々同じ程度の真空度にまで排気され
る。該試料交換室4が試料室2と略々同程度の真空度に
まで排気されたら、バルブ制御回路17は、第1の真空バ
ルブ14を閉状態にした後、試料交換用バルブ5を開状態
にして、試料交換室4内の試料を試料室2内に挿入でき
るようにする。
従って、このように構成された装置では、排気管12に
排気管15を接続したため、排気管15の分だけ試料交換室
4の容積が見掛上増加することとなる。しかしながら、
試料交換時にはバルブ制御回路17によって第1の真空バ
ルブ14が閉状態にされているため、試料交換用バルブ5
開放時に試料交換室4を介して試料室2に連通される領
域の容積が従来装置より少なくなる。そのため、従来装
置に比較して略々排気管12の容積分だけ真空度悪化が改
善される。又、前述したように試料交換室4と排気管1
2,排気管15は高真空用ポンプ6で高真空に排気され、試
料交換室4は試料室2と略々同程度の真空度にまで排気
されている。そのため、試料交換用バルブ5を開状態に
して試料交換室4と試料室2とを連通させて試料交換を
行っても試料室2の真空状態を悪化させずに試料交換を
行うことができる。又、試料交換後、試料室2を試料交
換前の真空度にまで復帰させる場合でも従来装置に比較
して時間が大巾に短縮される。
尚、上記実施例では第1の真空バルブ14によって試料
交換室4を排気管12側を遮断するようにしたが、完全に
遮断する必要はない。従って、第1の真空バルブ14とし
て開閉を完全に行い得るバルブだけでなく、可変オリフ
ィスを用いてコンダクタンスを減少させ得るようにして
も同様の効果を得ることができる。又、本実施例におい
ては、高真空用ポンプ6の背圧側を排気するための低真
空用ポンプ9Aの他に試料交換室4を粗引するための低真
空用ポンプ9Bを別に設けるようにしたが、高真空用ポン
プ6に接続された低真空用ポンプ9Aによって試料交換室
4を粗引きするようにしても良い。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、試料室と試料交
換室を連通させて試料交換を行うようにした電子顕微鏡
の排気系において、試料室の真空状態を悪化させずに試
料交換を行い得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を説明するための構成図、第
2図は従来装置を説明する為の図である。 1:電子銃室、2:試料室、3:カメラ室、4:試料交換室、5:
試料交換用バルブ、6:高真空用ポンプ、7:主排気管、8:
主弁、9A,9B:低真空用ポンプ、10:排気管、11:粗引用バ
ルブ、12:排気管、13:リーク弁、14:第1の真空バル
ブ、15:排気管、16:第2の真空バルブ、17:バルブ制御
回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料が挿入され高真空用ポンプで排気され
    る試料室と、該試料室に試料交換用バルブを介して連通
    された試料交換室と、該試料交換室を粗引用バルブを介
    して排気するための低真空用ポンプとを備えた装置にお
    いて、前記試料交換室と前記粗引用バルブとを接続する
    排気管に設けられた第1の真空バルブと、前記粗引用バ
    ルブと該第1の真空バルブとの間において、前記排気管
    に第2の真空バルブを介して接続された高真空用ポンプ
    とを備えたことを特徴とする電子顕微鏡の排気系。
JP63238366A 1988-09-22 1988-09-22 電子顕微鏡の排気系 Expired - Fee Related JP2647922B2 (ja)

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JPS5812700B2 (ja) * 1977-10-31 1983-03-09 日本電子株式会社 電子線装置
JPS5518084A (en) * 1978-07-27 1980-02-07 Jeol Ltd Exhaust system for corpuscular ray apparatus

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