JP2643421B2 - 車両の加速スリップ制御装置 - Google Patents

車両の加速スリップ制御装置

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JP2643421B2
JP2643421B2 JP5320389A JP5320389A JP2643421B2 JP 2643421 B2 JP2643421 B2 JP 2643421B2 JP 5320389 A JP5320389 A JP 5320389A JP 5320389 A JP5320389 A JP 5320389A JP 2643421 B2 JP2643421 B2 JP 2643421B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、燃料供給停止制御及び点火遅角制御によっ
て内燃機関の出力トルクを目標トルクまで低下させて車
両の加速スリップを制御する装置に関する。
[従来の技術] 従来より、駆動輪の回転速度と従来輪の回転速度との
差から加速スリップを検出し、加速スリップ発生時に
は、燃料カツト制御によって内燃機関の出力トルクを抑
制する装置が知られており、例えば特開昭58−8436号に
提案される装置においては、加速スリップの大きさに応
じて燃料カット制御を段階的に行なう構成を採り、内燃
機関の出力トルクを加速スリップの大きさに応じて抑制
できるようにしている。
また、加速スリップ時の他の対策として、例えば特公
昭53−30877号に提案されるように点火時期の遅角制御
により、内燃機関の出力トルクを抑制する装置が知られ
ている。
そこで、加速スリップ量に対し、広い範囲において細
かな制御を達成するために、燃料カット制御と点火遅角
制御とを併用する装置が考えられている。かかる装置に
おいては、加速スリップ量から求まる目標トルクに基づ
きまず燃料カットを実行する気筒数を算出し、燃料カッ
ト制御により略目標トルクに近付けた後にさらに上回る
分の出力トルクを点火遅角制御により抑制する構成を採
っている。
[発明が解決しようとする課題] 従って、アクセル操作状況や路面状態の変化によって
目標トルクが変動すると、燃料カットを実行する気筒の
数(気筒カット数)が変動する。気筒カット数が変動す
る場合には新たに燃料カットを実行される気筒の失火等
により未燃HC成分が排出される場合がある。また、燃料
カットを実行している気筒からは酸素O2を十分に含んだ
新気が排出されている。このため、排気系において、特
に温度の高い接触部分で未燃HC成分とO2とが反応して燃
焼することにより、触媒が過熱されて劣化するという問
題がある。
また、燃料カットを実行している気筒に対しても若干
の燃料が供給される場合もあり、その場合該気筒内では
薄い燃料によるゆっくりとした燃焼が行われることもあ
る。この気筒に対して燃焼供給が再会される場合には吸
気弁を介して逆流する炎によりバックファイアの現象が
起こり、吸気系の部品を過酷な状態に曝す虞れがある。
さらに、前記バックファイアによる騒音の発生や、気
筒カット数変動に伴う排気ガス圧の変動による排気異音
の発生により運転者に不快な感じを与えるという問題が
あった。
本発明は、加速スリップ制御中において気筒カット数
が頻繁に変動するのを防止し、吸排気系部品の保護と快
適な乗り込心地を実現することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の車両の加速スリップ制御装置は、第1図に例
示する如く、 複数の気筒を有する内燃機関M1により駆動される駆動
輪M2の回転速度を検出する駆動輪回転速度検出手段M3
と、 該検出された駆動輪回転速度を一つのパラメータとし
て駆動輪M2の加速スリップ量を算出する加速スリップ量
算出手段M4と、 該算出された加速スリップ量に基づき駆動輪M2の加速
スリップを検出する加速スリップ検出手段M5と、 該加速スリップ検出手段M5で駆動輪M2の加速スリップ
が検出されると、前記算出された加速スリップ量に基づ
き、駆動輪M2を所定の目標加速スリップ量に制御するの
に必要な内燃機関M1の目標トルクを算出する目標トルク
算出手段M6と、 該算出された目標トルクに基づき、内燃機関M1の出力
トルクを少なくとも該目標トルク近傍でしかも該目標ト
ルク以上の出力トルクに制御するのに必要な、内燃機関
M1の燃料供給停止気筒数を算出する燃料供給停止気筒数
算出手段M7と、 該算出された燃料供給停止気筒数に応じて内燃機関M1
への燃料供給を停止した場合に内燃機関M1の出力トルク
が前記目標トルクを上回る量を算出し、該算出結果に応
じて内燃機関M1の点火遅角量を算出する点火遅角量算出
手段M8と、 該点火遅角量算出手段M8及び前記燃料供給停止気筒数
算出手段M7の算出結果に応じて、燃料供給停止制御及び
点火遅角制御を実行し、内燃機関M1の出力トルクを前記
目標トルクまで低下させるトルク低下手段M9と を備えた車両の加速スリップ制御装置において、 前記目標トルク算出手段M6で算出された目標トルクの
変化量が変化遅角制御により制御可能な範囲内にあるか
否かを判断する判断手段M10と、 該判断手段M10で目標トルクの変化量が点火遅角制御
により制御可能であると判断さると、燃料供給停止気筒
数の更新を禁止する気筒数更新禁止手段M11と、 を備えることを特徴とする。
[作用] 以上のように構成された本発明の加速スリップ制御装
置では、駆動輪回転速度検出手段M3で検出された駆動輪
M2の回転速度に基づき、加速スリップ量算出手段M4が駆
動輪2の加速スリップ量を算出する。該算出された加速
スリップ量により、加速スリップ検出手段M5が加速スリ
ップの発生を検出すると、該加速スリップ量に基づき目
標トルク算出手段M6が内燃機関M1の目標トルクを算出す
る。これに応じて、燃料供給停止気筒算出手段M7は、燃
料供給停止制御により該目標トルク以上でかつ目標トル
ク近傍まで内燃機関M1の出力トルクを低下させるのに必
要な燃料供給停止気筒数を算出する。点火遅角量算出手
段M8は前記目標トルク及び燃料供給停止気筒数に基づ
き、内燃機関M1の出力トルクを該目標トルクと一致させ
るのに必要な点火遅角量を算出する。こうして算出され
た燃料供給停止気筒数及び点火遅角量に基づき、トルク
低下手段M9は燃料供給停止制御及び点火遅角制御を実行
する。
加速スリップ制御を実行している最中に、アクセル操
作や路面状態の変化等によりさらに加速スリップが発生
した場合には、目標トルク算出手段M6は、内燃機関M1の
出力トルクをさらに低下させるべく目標トルクを更新す
る。このとき、判断手段M10は、該更新された目標トル
クの変化量が点火遅角制御により制御可能な範囲内にあ
るか否かを判断する。判断手段M10で目標トルクの変化
量が点火遅角制御にて制御可能な範囲内にあると判断さ
れた場合には、気筒数更新禁止手段M11は燃料供給停止
気筒数の更新をを禁止する。この結果、かかる目標トル
クの変動分に対する内燃機関M1の出力トルクの抑制は、
点火遅角制御量の更新により実行される。
[実施例] 以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず第2図は、6気筒内燃機関2を動力源とするフロ
ントエンジン・リヤドライブ(FR)方式の車両に本発明
を適用した実施例の加速スリップ制御装置全体の構成を
表わす概略構成図である。
本実施例の加速スリップ制御装置は、車両の加速スリ
ップ量に基づいて内燃機関2の出力トルクを抑制するた
めの抑制量を算出する加速スリップ制御回路4と、内燃
機関3の各気筒に対する燃料噴射量制御及び点火時期制
御を実行する内燃機関制御回路6とを備える。
内燃機関2は、所定の数の気筒への燃料供給停止制御
と点火時期の遅角制御とにより出力トルクを任意に抑制
可能に構成されている。また内燃機関2は、点火時期の
遅角制御による出力トルク抑制量が、一つの気筒への燃
料供給を停止した場合の出力トルク抑制量よりも大きな
値を採り得るよう構成されている。
内燃機関制御回路6は、周知のようにCPU6a,ROM6b,RA
M6c等を中心とした論理演算回路として構成されてお
り、内燃機関2の運転状態を検出する各種センサからの
検出信号や、加速スリップ制御回路4から出力された加
速スリップ制御のための制御データを入力インタフェー
ス6bを介して取り込むと共に、これら取り込んだデータ
に基づき内燃機関2の各気筒に対する燃料噴射量及び点
火時期を算出する。内燃機関制御回路6は、この算出結
果に応じた制御信号を出力インタフェース6eを介して各
気筒の燃料噴射弁8及びイグナイタ10へ送出し、これら
を駆動制御することにより、内燃機関2の燃料噴射量及
び点火時期を制御する。
また内燃機関2には、その運転状態を検出するための
センサとして、エアクリーナ12の近傍で吸気通路2a内に
流入する吸気の温度(吸気温)を検出する吸気温センサ
14、アクセルペダル16により開閉されるスロットルバル
ブ18の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開
度センサ20、吸気の脈動を抑えるサージタンク22内の圧
力(吸気管圧力)を検出する吸気圧センサ24、排気通路
2bに設けられた排気浄化のための三元触媒26より上流側
にあって排気中の酸素濃度を検出する空燃比センサ28、
冷却水温を検出する水温センサ30、各気筒の点火プラグ
32に高電圧を分配するディストリビュータ34の回転に応
じて内燃機関2が30℃A回転する度にパルス信号を出力
する回転角センサ36、及びディストリビュータ34の1回
転に1回(即ち内燃機関2の2回転に1回)の割でパル
ス信号を出力する気筒判別センサ38等が設けられてい
る。これら各センサからの検出信号は、前述のように入
力インタフェース6dを介して内燃機関制御回路6内に取
り込まれる。
次に加速スリップ制御回路4は、内燃機関制御回路6
と同様に、CPU4a,ROM4b,RAM4c等を中心とした論理演算
回路として構成されており、上記スロットル開度センサ
20,吸気圧センサ24及び回転角センサ36からの検出信号
や、当該車両の左右前輪(従動輪)40FL,40FRの回転速
度を夫々検出する左右の従動輪速度センサ42FL,42FR、
同じく当該車両の左右後輪(駆動輪)40RL,40RRの回転
速度を夫々検出する駆動輪回転速度検出手段M3としての
左右の駆動輪速度センサ42RL,42RR等からの検出信号を
入力インタフエース4dを介して取り込み、該読取り込ん
だデータに基づき加速スリップ量を算出し、この算出結
果に基づいて加速スリップの発生を検出する。加速スリ
ップの発生が検出された場合には、加速スリップ制御回
路4は内燃機関2の出力トルク制御のための制御量を算
出し、その算出結果に応じた制御データを出力インタフ
ェース4eを介して内燃機関制御回路6に送出する。
また、内燃機関2のクランク軸2cの回転を駆動輪40R
L,40RRに伝達する電動伝達系には、トルクコンバータ44
aを備えた自動変速機44が設けられており、この自動変
速機44と周知のディファレンシャルギヤ46を介して内燃
機関2の出力トルクを駆動輪40RL,40RRに伝達するよう
にされている。
次に加速スリップ制御回路4で実行される加速スリッ
プ制御処理について、第3図に示すフローチャートに沿
って説明する。
この加速スリップ制御処理は、所定時間(数mse
c.)毎に繰り返し実行されるもので、処理が開始され
るとまずステップ110を実行し、左右の駆動輪速度セン
サ42RL,42RR及び左右の従動輪速度センサ42FL,42FRから
の検出信号に基づき、駆動輪速度VR及び車体速度VFを夫
々算出する。尚駆動輪速度VRは、左右の駆動輪速度セン
サ42RL,42RRからの検出信号に基づき左右駆動輪40RL,40
RRの回転速度VRL及びVRRを夫々求め、そのいずれか大
きい方を選択することにより設定され、また車体速度VF
は、左右の従動輪速度センサ42FL,42FRからの検出信号
に基づき左右従動輪40FL,40FRの回転速度VFL,VFRを求
め、そのいずれか大きい方を選択することにより設定さ
れる。
次にステップ120では、ステップ110で求めた車体速度
VFに予め設定された目標スリップ率Ks(例えば0.1)を
乗ずることで、駆動輪40RL,40RRの目標スリップ量V0
算出する。また続くステップ130では、車体速度VFと駆
動輪速度VRとの差をとることにより駆動輪40RL,40RRの
実スリップ量Vjを算出し、続くステップ140に移行し
て、この実スリップ量Vjとステップ120で求めた目標ス
リップ量V0との偏差ΔVを算出する。
次にステップ150では、加速スリップ制御実行時にセ
ットされる制御実行フラグFがリセット状態であるか否
かを判断し、制御実行フラグFがリセット状態であれ
ば、即ち現在加速スリップ制御が実行されていなけれ
ば、続くステップ160に移行して、目標スリップ量V0
実スリップ量Vjとの偏差ΔVが正の値となっているか否
かによって、駆動輪40RL,40RRに加速スリップが発生し
たか否かを判断する。ΔV>0であれば駆動輪40RL,40R
Rに加速スリップが発生したと判断し、ステップ170に移
行して制御実行フラグFをセットし、ステップ180へ移
行する。逆にΔV0≦であれば、駆動輪40RL,40RRには加
速スリップが発生していないと判断して後述のステップ
370に移行する。
一方、ステップ150で加速スリップ制御実行中である
と判断された場合にはステップ160,170を経ずにステッ
プ180へ移行する。
ステップ180では、左右駆動輪速度センサ42RL,42RRか
らの検出信号に基づき左右駆動輪40RL,40RRの平均回転
速度(駆動輪平均速度)VROを算出すると共に、回転角
センサ36及び吸気圧センサ24からの検出信号に基づき内
燃機関2の回転速度NE及び吸気管圧力PMを算出する。そ
して続くステップ190では、ステップ180で求めた内燃機
関2の回転速度NEと駆動輪平均速度VROとに基づき、内
燃機関2から駆動輪40RL,40RRまでの動力伝達系におけ
る減速比γ(=NE/VRO)を算出する。
次にステップ200では、予め設定された積分定数Gl
と、ステップ140で求めた偏差ΔVと現在の目標駆動輪
トルク積分項TSlとから、次式(1)を用いて目標駆動
輪トルク積分項TSIを更新する。
TSl=TSl−Gl・ΔV …(1) また次にステップ210では、予め設定された比例定数G
Pと偏差ΔVとから、次式(2)を用いて目標駆動輪ト
ルク比例項TSPを算出する。
TSP=−GP・ΔV …(2) そして続くステップ220では、上記求めた目標駆動輪
トルク積分項TSlと目標駆動輪トルク比例項TSPとを加算
して、制御目標となる目標駆動輪トルクTSを決定し、続
くステップ230に移行する。
ステップ230では上記求めた目標駆動輪トルクTSをス
テップ190で求めた減速比γで除算することにより、目
標駆動輪トルクTSに対応する内燃機関2の出力トルク
(目標エンジントルク)TEを算出する。そして続くステ
ップ240では、ステップ180で求めた内燃機関2の回転速
度NEと吸気管圧力PMとに基づき、予め設定されているマ
ップから当該状態における内燃機関2の最大エンジント
ルクTMAXを算出する。続いてステップ250に移行して、
この最大エンジントルクTMAXと目標エンジントルクTEと
から、次式(3)を用いて、内燃機関2の出力トルクを
目標エンジントルクTEに制御するために燃料カットを行
うべき気筒数(気筒カット数計算値)NC1を算出する。
NC1=KC・{1−(TE/TMAX)} …(3) 尚上式(3)においてKCは内燃機関2の全気筒数(本
実施例では6)を表している。
次にステップ260にて、気筒カット数計算値NC1の小数
点以下の数値FRAC(NC1)が所定の不感帯HYS未満か否か
を判断する。ここで、所定の不感帯HYSは、点火遅角に
より内燃機関2の出力トルクを制御可能な範囲に対応し
て設定されており、点火遅角を最大とした場合の出力ト
ルク低減率をΔTCAMAXとすると、 HYS=ΔTCAMAX−1 …(4) となる。
FRAC(NC1)<HYSとなる場合には、ステップ270の処
理へ移行してカット気筒数計算値NC1の整数部分INT(NC
1)から1を引いた値が現在の気筒カット制御数NC、即
ち前回の処理で決定されたNCと一致するか否かを判断す
る。INT(NC1)−1=NCの場合には、ステップ280へ移
行し、気筒カット制御数NCを更新しない。一方、ステッ
プ260またはステップ270のいずれかが否定判断となった
場合にはステップ290へ移行し、気筒カット制御数NCに
気筒カット数計算値の整数部分INT(NC1)を代入して、
これを更新する。
次にステップ300では、ステップ180で求めた内燃機関
2の回転速度NEと吸気管圧力PMと前記算出された気筒カ
ット数NCとに基づき、予め設定されたマップを用いて、
内燃機関2の点火時期を1℃A遅角することによって制
御し得る内燃機関2の出力トルクの低減率(遅角トルク
低減率)TCAを算出する。そして続くステップ310では、
ステップ280または290で求めた気筒カット制御数NCに基
づいて燃料カット制御のみを実行した場合に、内燃機関
2の出力トルクが目標トルクTEより上回る分に対応する
点火時期の遅角制御量Δθを次式(5)から算出する。
このようにステップ280或は290及びステップ310で加
速スリップ制御のための気筒カット制御数NC及び点火遅
角制御量Δθが算出されるとステップ320に移行し、こ
の算出された制御データを内燃機関制御回路6に出力す
る。すると内燃機関制御回路6では、この制御データに
応じて燃料カット制御及び点火時期の遅角制御を行な
い、内燃機関2の出力トルクを抑制する。
ステップ320で内燃機関制御回路6に加速スリップ制
御のための制御データ(NC,Δθ)を出力すると、続く
ステップ330に移行して、ステップ140で求めた偏差ΔV
が0以下であるか否か、即ち加速スリップが抑制されて
いるか否かを判断する。そしてΔV>0であれば、加速
スリップが続いているのでそのまま処理を一旦終了し、
ΔV≦0であれば、続くステップ340に移行して、ΔV
≦0の状態を計時するためのカウンタCをインクリメン
トし、続くステップ350に移行する。
ステップ350では、上記カウンタCの値が所定値C0
越えたか否か,即ちΔV0≦の状態が所定時間以上経過し
たか否かを判断する。ステップ350で否定判断される
と、そのまま処理を一旦終了し、そうでなければ、もは
や駆動輪40RL,40RRに加速スリップが発生することはな
いと判断して、360に移行し、内燃機関制御回路6への
制御データの出力を停止する。そして続くステップ370
〜ステップ390では、次回の加速スリップ制御のため
に、カウンタC,制御実行フラグF,及び目標駆動輪トルク
積分項TSlを初期設定する初期化の処理を夫々実行し、
処理を一旦終了する。
尚この初期化の処理は、ステップ370でカウンタCの
値に0をセットし、ステップ380で制御実行フラグFを
リセットし、ステップ390で目標トルク積分項TSlに初期
値TSl0にセットする、といった手順で実行される。また
この初期化の処理は、ステップ160において、偏差ΔV
が0以下で、駆動輪40RL,40RRに加速スリップは発生し
ていないと判断された場合にも実行される。
内燃機関制御回路6が実行する燃料カット制御や点火
時期の遅角制御については、機関制御を行なうに当たっ
て通常実行される周知の技術であるので、詳しい説明は
省略する。また本実施例においては、加速スリップ制御
回路4において実行されるステップ110〜140が加速スリ
ップ量算出手段M4としての処理に、ステップ150〜170が
加速スリップ検出手段M5としての処理に、ステップ180
〜ステップ230が目標トルク算出手段M6としての処理
に、ステップ240及び250が燃料停止気筒算出手段M7とし
ての処理に、ステップ260及び270が判断手段M10として
の処理に、ステップ280及び290が気筒数更新禁止手段M1
1としての処理に、ステップ300及び310が点火遅角量算
出手段M8としての処理に相当する。また、内燃機関制御
回路6がトルク低下手段M9に相当する。
次に、ステップ260〜290の処理の理解を容易にするた
め、第4図を用いてさらに詳しく説明する。第4図は出
力トルク比TE/TMAXと気筒カット数NC1との関係を表す図
表である。
まず、初めて加速スリップを検出して目標トルクTE1
が算出され、この値に対応する制御量として図中のA点
に相当する気筒カット数計算値NC11=1+αが計算され
た場合には、その小数点以下の部分FRAC(NC11)=αは
不感帯HYS1外にあるから気筒カット制御数NC1は1とな
る(ステップ290)。この結果、点火遅角制御量Δθ
は制御範囲Bに相当する制御量となる。
次に、さらに加速スリップ量が増加し、目標トルクTE
2が算出されると、これに対応する制御量として図中C
点に相当する気筒カット数計算値NC12=2=βが算出さ
れる。今度はその小数点以下の部分FRFC(NC12)=βは
不感帯HYS2内にあり、整数部分INT(NC12)=2−1=N
C1であるからるから、目標トルクの変化量TE2−TE1は点
火遅角制御にて制御可能な範囲内にあり、気筒カット制
御数NC2は前回の気筒カット制御数NC1のままとなる(ス
テップ280)。この結果、点火遅角制御量Δθは制御
範囲Dに相当する大きな制御量となる。
また、図中A点からE点の状態に移った場合にはFRAC
(NC13)は不感帯HYS1の中にあるが、INT(NC13)−1
=0≠NCであるから気筒カット制御数NCは1のままとな
る(ステップ260,270,290)。
なお本実施例では、不感帯HYSは気筒カット数に応じ
て、燃料噴射を正常に行う気筒に対して実施し得る最大
の点火遅角制御量に対応して設定してある。さらに不感
帯HYSは内燃機関2の負荷の状態に応じて負荷が大きい
場合には点火遅角による制御量が大きいことからこれに
応じて大きな範囲となるように設定される。
以上説明したように本実施例の加速スリップ制御装置
では、点火遅角制御可能な最大範囲に対応して所定の不
感帯HYSを設け、目標トルクが変化した場合に、その変
化量がこの不感帯HYSに対応する範囲内にあれば、気筒
カット制御数NCの更新を行わず点火遅角制御にてカバー
する構成を採用したから、加速スリップ制御中に運転者
のアクセル操作や路面状態の些細な変化に対応して気筒
カット数を頻繁に切り換えることがない。この結果、気
筒カット数更新に伴う失火やバックファイアの発生を防
止でき、排出ガス浄化用の触媒26の過熱による劣化や燃
料噴射弁8等の吸気系の部品を過酷な状態に曝すること
がなく、加速制御中にもこれらの部品を保護し、耐用年
数を長く保つことができる。また、気筒数が頻繁に切り
替わらないことから排気ガス圧の変動を防止できる。こ
の結果、排気異音の発生を防止できると共に、バックフ
ァイアによる騒音の発生防止効果と併せて乗り心地を向
上することができる。
また、不感帯HYSを気筒カット数に応じて最大点火遅
角量に対応する範囲としたから、ドライバビリティ・吸
排気系の部品保護性能共に向上し、かつ加速ステップ制
御の性能を最大限に引出すことができる。
なお、不感帯HYSは気筒カット数に関係なく一定に設
定してもよく、通常の運転中に予測されるアクセル操作
量の変動量や路面の摩擦係数の変動量に基づいて不感帯
HYSを設定してもよい。この場合には加速スリップ制御
の性能を若干低く抑えるものの、ドライバビリティ・吸
排気系の部品保護性能の向上を重点的に実行することと
なる。
また目標トルクTE等の算出にあっては、マップ等を用
いて駆動輪の実スリップ量と目標スリップ量との偏差か
ら直接求めてもよい。
さらに加速スリップ量の算出にあたって、路面に対し
て超音波等を発してその凹凸状態を知ることにより路面
の摩擦係数を検出する路面状態検出手段、又は走行中の
路面状態に応じて雪・雨・氷・砂利道路の路面の状態を
選択するスイッチを設けて路面の摩擦係数を設定する路
面状態設定手段等を設けて駆動輪の回転速度と路面の摩
擦係数とからマップ等を用いて求める構成としてもよ
い。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、
例えばサブスロットル制御と燃料カット制御及び点火遅
角制御とを組み合わせた装置に対しても適用でき、種々
なる態様を採り得る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の加速スリップ制御装置で
は、目標トルクが変化した場合に、その変化量が点火遅
角制御により制御可能な場合には燃料供給停止気筒数の
更新を禁止するため、加速スリップ制御中に運転者のア
クセル操作や路面状態の些細な変化に対応して燃料供給
停止気筒数を頻繁に切り換えることがない。この結果、
燃料供給停止気筒数更新に伴う失火やバックファイアの
発生を防止でき、吸排気系の部品を過酷な状態に曝すこ
とがない。また、騒音や排気異音の発生を防止できるか
ら、乗り心地を向上することができる
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を表わすブロック図、第2図は実
施例の加速スリップ制御装置全体の構成を表わす概略構
成図、第3図は加速スリップ制御回路で実行される加速
スリップ制御処理を表すフローチャート、第4図は出力
トルク比と気筒カット数との関係を表す図表である。 M1,2……内燃機関 M2,40RL,40RR……駆動輪 M3……駆動輪回転速度検出手段 M4……加速スリップ量算出手段 M5……加速スリップ検出手段 M6……目標トルク算出手段 M7……燃料供給停止気筒数算出手段 M8……点火遅角量算出手段 M9……トルク低下手段 M10……判断手段 M11……気筒数更新禁止手段 4……加速スリップ制御回路 6……内燃機関制御回路 42RL,42RR……駆動輪速度センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の気筒を有する内燃機関により駆動さ
    れる駆動輪の回転速度を検出する駆動輪回転速度検出手
    段と、 該検出された駆動輪回転速度を一つのパラメータとして
    駆動輪の加速スリップ量を算出する加速スリップ量算出
    手段と、 該算出された加速スリップ量に基づき駆動輪の加速スリ
    ップを検出する加速スリップ検出手段と、該加速スリッ
    プ検出手段で駆動輪の加速スリップが検出されると、前
    記算出された加速スリップ量に基づき、駆動輪を所定の
    目標加速スリップ量に制御するのに必要な内燃機関の目
    標トルクを算出する目標トルク算出手段と、 該算出された目標トルクに基づき、内燃機関の出力トル
    クを少なくとも該目標トルク近傍でしかも該目標トルク
    以上の出力トルクに制御するのに必要な、内燃機関の燃
    料供給停止気筒数を算出する燃料供給停止気筒数算出手
    段と、 該算出された燃料供給停止気筒数に応じて内燃機関への
    燃料供給を停止した場合に内燃機関の出力トルクが前記
    目標トルクを上回る量を算出し、該算出結果に応じて内
    燃機関の点火遅角量を算出する点火遅角量算出手段と、 該点火遅角量算出手段及び前記燃料供給停止気筒数算出
    手段の算出結果に応じて、燃料供給停止制御及び点火遅
    角制御を実行し、内燃機関の出力トルクを前記目標トル
    クまで低下させるトルク低下手段と を備えた車両の加速スリップ制御装置において、前記目
    標トルク算出手段で算出された目標トルクの変化量が点
    火遅角制御により制御可能な範囲内にあるか否かを判断
    する判断手段と、 該判断手段で目標トルクの変化量が点火遅角制御により
    制御可能であると判断されると、燃料供給停止気筒数の
    更新を禁止する気筒数更新禁止手段と を備えることを特徴とする車両の加速スリップ制御装
    置。
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