JP2635873B2 - 内燃機関用の吸気マニホルド - Google Patents

内燃機関用の吸気マニホルド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダヘッドに吸気
マニホルドを固定するための接続フランジと、入口側で
少なくとも1つの共通の管に纏められていて前記接続フ
ランジで終わる複数の吸気管とを有し、前記接続フラン
ジ内では、1つの孔が前記吸気管に沿って延在してお
り、該孔を起点として出発しかつ前記の各吸気管の領域
内へ開口して終わる複数の横孔が形成されており、しか
も前記孔が、ガスを供給するための接続部材を有してい
る形式の、内燃機関用の吸気マニホルドに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】プラスチックで一体に製作された、内燃
機関用吸気マニホルドはドイツ連邦共和国特許第282
2409号明細書に基づいて公知である。該吸気マニホ
ルドは、接続フランジも、共通の管状付加部で終わって
いる個々の分枝管片も共にプラスチックを使用して一体
に構成しかつ1つの作業段階で製作することが可能であ
ることを示している。しかしながらこのような吸気マニ
ホルドの製作法は全くコスト高であるので、これまでは
特に複雑な形状は断念せざるを得なかった。
【0003】また漏れガス又は内燃機関のクランクケー
ス内に溜る吹き抜けガスをシリンダの吸気管に戻すこと
が欧州特許第251159号明細書に基づいて公知にな
っている。前記吹き抜けガスは、ピストンリングがシリ
ンダとクランクケースとの間を百パーセントシールする
ことができないことによって生じる。それゆえに、部分
的には不燃焼の空燃混合気から、部分的には燃焼ガスか
ら成る吹き抜けガスがクランクケース内へ達するので、
該クランクケースから吸気導管へ戻されねばならない。
この吹き抜けガスの戻しは、周知のように、これによっ
て微量のオイル蒸気も連行されるというポジティブな副
次的効果を有している。このオイルは弁座を潤滑するこ
とになるので、該吹き抜けガスを個々のシリンダには供
給せずに、できるだけすべてのシリンダに均等に分配す
るように吸気系にもたらすのが有利である。
【0004】このために前掲の欧州特許第251159
号明細書には、吸気ボックス内にセットされて開口を有
する別個の管を使用することが記載されており、この場
合前記開口は各シリンダに所定量の吹き抜けガスを供給
するように配置されている。
【0005】しかしながら前記の付加的な管は吸気ボッ
クスに嵌め込まれて適当な固定部材を介して吸気ボック
スと結合されねばならない。前記欧州特許明細書に記載
されている別の変化実施態様によれば、戻し導管を直接
にシリンダヘッドに組み込むことが開示されている。し
かしながら、このためには高い経費をかけてシリンダヘ
ッドを付加的に加工することが必要である。このような
組み込みは、シリンダヘッドがその縦軸線に沿って1つ
の孔を有していなければならないことを意味し、該孔は
その長さと小径との故に製作が著しく困難である。
【0006】また特開平2−37104号公報に基づい
て吸気マニホルドへの吹き通しガスを供給する装置が公
知であり、この場合、並列して位置する吸気マニホルド
の中間に2つの互いに連通する経路が設けられており、
該経路の各一端は吸気マニホルドの内周に境を接し、ま
た他端は、吹き通しガスの導入される開いた室に通じて
いる。しかしながらこの構成では、吹き通しガスを導入
するための多数の接続部が必要になり、ひいては吸気マ
ニホルド系のトラブル発生率が増大する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、単純な形式でかつ付加的な構成エレメントなしに、
空気及び/又は吹き通しガスを内燃機関の個々の吸気管
に均等に分配できるように吸気マニホルドを構成するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の構成手段は、横孔の流動横断面が供給ガスの
流動方向に増大している点にある。
【0009】
【作用】本発明の構成手段によって得られる格別顕著な
利点は、個々のシリンダ内への又は個々の弁に対する吹
き通しガスの均等分配を可能にするために適した特定の
絞り横断面が得られることである。従って横孔は特定の
絞り横断面を得るために種々異なった直径を有すること
ができる。このことは取りも直さず、吹き通しガスが先
ず最初に到達する横孔が最小直径を有し、該直径が流動
方向に増大することを意味しているので、吸気管に沿っ
て延在する長い孔を介して生じる圧力降下は、これによ
って補償される。
【0010】本発明の基礎的な発想は、シリンダヘッド
又はエンジンブロックを加工することなしに空気又はガ
スを弁のできるだけ近くで吸気系に導入するように空気
供給又はガス供給を構成することによって、場合によっ
て導入された凝縮水が吸気系を凍結させるような事態も
避けると共に、このような吸気マニホルドの製造プロセ
スを必要以上に困難にしたりコスト高にするようなエレ
メントを吸気マニホルドに設ける必要も無くそうという
ものであった。
【0011】このために本発明は、吸気マニホルドの接
続フランジ内に1つの縦孔を穿設し、該縦孔から個々の
吸気口の範囲へ複数の横孔を分岐させるようにした従来
技術を出発点としている。吸気マニホルドにこのような
縦孔を製作することは、シリンダヘッドにおけるよりも
著しく簡単である。しかも該縦孔は、特定の部位におい
て物質が蓄積するのを避けるのにも適している。この蓄
積は通常、リブ付けによって、又は空隙を設けることに
よって生じる。その限りではこのような縦孔は吸気マニ
ホルド構造の有利な構成にも寄与することになる。
【0012】有利な実施形態によれば、吹き通しガスを
吸気区域へ導入するための開口はシリンダヘッドの接続
面の直ぐ近くに配置されている。構造的には該開口は、
吸気管の接続面に設けたスロットとして構成することが
できる。その場合該スリットの閉鎖部は必然的にシリン
ダヘッドの接続面によって形成される。該スリットを特
にプラスチック部分に設けることは製造技術の面から見
て著しく簡単である。
【0013】各シリンダ当り2つの吸気弁を有する内燃
機関では、各シリンダ当り2つの吸気管が必要である。
その場合の有利な実施形態によれば、隣合って位置する
吸気管は吹き通しガスのためにただ1つの接続部を有し
ていてもよく、該接続部は、両管片間に延びるスロット
に開口する。
【0014】吸気マニホルドにおける縦孔の別の適用法
は、エアフィルタの浄化空気流から取り出される浄化空
気を前記縦孔を介して噴射弁の弁座に供給する点にあ
る。各吸気管の範囲で、しかも該吸気管の直ぐ上位で弁
孔内に取り付けられている前記噴射弁はアイドリング運
転時には、噴射燃料量の渦流を一層改善することのでき
る付加空気を必要とする。この付加空気は縦孔と、該縦
孔から分岐した横孔とを介して個々の弁に供給されるの
が有利である。
【0015】
【実施例】次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説す
る。
【0016】図1の(A)には、個々の吸気管11〜1
8を有する内燃機関用の吸気マニホルド10の前方部分
が示されている。吸気マニホルド10は、4気筒を有し
かつ各気筒当り2つの吸気弁を設けた内燃機関のために
構想されたものである。従って吸気マニホルド10は8
本の個別的な吸気管11〜18に分割されている。これ
らの吸気管は前端部で1つの接続フランジ19でもって
纏められている。該接続フランジは複数本のねじなどに
よって、図面では略示したに過ぎないシリンダヘッド3
0に固定される。各シリンダの2つの吸気管対間には接
続孔が設けられており、該接続孔内には、接続部材2
0,21,22が固定されている。更に外位の吸気管1
8の外側にもやはり2つの孔が設けられており、該孔内
には2つの別の接続部材23,24が固定されている。
各接続孔はスロット25,26,27,28,29に開
口している。該スロットは、隣合って配置された2本の
吸気管の間でそれぞれ延びたおり、従って各接続部材を
介して相応の吸気口への通路を形成している。
【0017】クランクケース内に溜りかつ吸気系に戻さ
れねばならない吹き抜けガスが導管(図示せず)を介し
て接続部材20〜24に達する。該導管は例えば前記接
続部材に差し嵌められた複数本のホースから成ることも
できる。その場合、吸気マニホルド寄りのシリンダヘッ
ド30の面はスロット25〜29の自然な制限部を形成
している。外位の吸気管11,18には夫々個々に接続
部材23,24を介して吹き抜けガスが供給されるの
で、外位の弁も、内位の弁と等量の吹き抜けガスを受け
取ることが保証されている。
【0018】図1の(B)には接続フランジ19が平面
図で示されている。この平面図では吸気管11〜18の
開口並びに接続部材20〜24を有するスロット25〜
29が明示されている。更に接続フランジ19はシリン
ダヘッド30に接続フランジを固定するために2列の複
数の孔31,32を有している。接続部材20〜24
は、対応した孔に差し込まれておりかつ例えば噛合い継
手を介して該孔内に固定されている。勿論また、接続部
材を不必要にし、すなわち、ホースを差し嵌めることの
できる固定接続部を前記接続フランジ自体に設けること
も可能である。
【0019】図2には吸気マニホルド10の1変化実施
例が示されている。該吸気マニホルドもやはり接続フラ
ンジ19を有している。該接続フランジ19内には1つ
の縦孔33が穿設されている。該縦孔33を起点として
複数の横孔34〜41が形成されている。該横孔はそれ
ぞれ1つの吸気管11〜18に開口している。前記縦孔
33は一方の側で開口しかつこの開口部には、吹き抜け
ガスを供給するホースを差し嵌める接続部材42を有し
ている。縦孔33は図示の例では接続フランジ19のほ
ぼ真中に位置している。このような孔の代りに、シリン
ダヘッド30寄りの接続フランジ19の端面に直接縦ス
ロットを設けることも可能である。該縦スロットから複
数の横スロットが出て該横スロットは各吸気管にまで達
している。プラスチック成形部材にこのようなスロット
を製作することは極めて簡単である。それというのは、
この製作のために射出成形工具において如何なるスライ
ダの必要もないからである。
【0020】図3に示した吸気マニホルド10は吸気管
11,12,13,14を有している。吸気管の上位
に、噴射弁のための弁座43,44,45,46が配置
されている。この噴射弁はアイドリング運転時に浄化空
気によって掃気されねばならない。該浄化空気は孔を介
して燃料に供給されて、燃料に一層良好な渦流を生ぜし
める。吸気マニホルド内には1つの縦孔33が形成され
ている。該縦孔は接続部材42を有している。縦孔33
を起点として複数の横孔34,35,36,37が形成
されており、該横孔はそれぞれ各弁座43〜46の内壁
に通じている。有利な実施例では前記縦孔33の代りに
縦スロット52が使用される。
【0021】図4に示した断面図では、弁座43に位置
している弁47が示されている。該弁47は弁座におい
てOリング48,49を介して保持されかつその外周に
空気流入ポート50を有している。図面から判るように
縦スロット52はカバー部材51によって閉鎖される。
また該縦スロット52を、図2に示したように縦孔とし
て構成することも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の吸気マニホルドの断面図と平面図で
ある。
【図2】内燃機関の吸気マニホルドの別の実施例の断面
図である。
【図3】弁座を有する吸気マニホルドの平面図である。
【図4】図3に示した吸気マニホルドの断面図である。
【符号の説明】
10 吸気マニホルド、 11,12,13,14,
15,16,17,18 吸気管、 19 接続
フランジ、 20,21,22,23,24接続部材、
25,26,27,28,29 スロット、 30
シリンダヘッド、 31,32 孔、 33
縦孔、 34,35,36,37,38,39,40,
41 横孔、 42 接続部材、 43,44,4
5,46弁座、 47 弁、 48,49 Oリン
グ、 50 空気流入ポート、 51 カバー部
材、 52 縦スロット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドゥアルト コペック ドイツ連邦共和国 ビーティッヒハイム −ビスィンゲンヴァインシュトラーセ 4 (56)参考文献 特開 昭50−40914(JP,A) 実開 昭62−54209(JP,U) 実開 平1−76550(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに吸気マニホルドを固定
    するための接続フランジ(19)と、入口側で少なくと
    も1つの共通の管に纏められていて前記接続フランジで
    終わる複数の吸気管(11〜18)とを有し、前記接続
    フランジ(19)内では、1つの孔(33)が前記吸気
    管(11〜18)に沿って延在しており、該孔を起点と
    して出発しかつ前記の各吸気管(11〜18)の領域内
    へ開口して終わる複数の横孔(34〜41)が形成され
    ており、しかも前記孔(33)が、ガスを供給するため
    の接続部材(42)を有している形式の内燃機関用の吸
    気マニホルドにおいて、横孔(34〜41)の流動横断
    面が供給ガスの流動方向に増大していることを特徴とす
    る、内燃機関用の吸気マニホルド。
JP31570691A 1990-12-03 1991-11-29 内燃機関用の吸気マニホルド Expired - Lifetime JP2635873B2 (ja)

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