JP2635795B2 - テープ基材 - Google Patents

テープ基材

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JP2635795B2
JP2635795B2 JP2087486A JP8748690A JP2635795B2 JP 2635795 B2 JP2635795 B2 JP 2635795B2 JP 2087486 A JP2087486 A JP 2087486A JP 8748690 A JP8748690 A JP 8748690A JP 2635795 B2 JP2635795 B2 JP 2635795B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の属する分野] 本発明はポリエステルマルチフィラメント糸からなる
テープ基材、特にプリントネーム、衣料用テープ、絶縁
テープ、粘着テープ用として有用なテープ基材に関す
る。
[従来の技術] 昨今、プリントネーム、衣料用テープ、絶縁テープ、
粘着テープの需要は増加の一途をたどっている。そのな
かでも、ポリエステルマルチフィラメント糸からなる粘
着テープは包装材、また塗装時のしきり材として多く使
用されている。この理由としては、取扱性の良さすなわ
ち手切性の良さ、接着性能の良さが考えられる。通常、
衣料用に用いられる糸条は伸度が高く、また産業資材例
えばタイヤコード、漁網に用いられる糸条は強度が高く
粘着テープ基材に適したポリエステルマルチフィラメン
ト糸は無かった。特公昭64−11736号公報には伸度を27
%以下とし、無糊、無撚で製織可能な、交絡を付与した
ポリエステルマルチフィラメント糸を用いて手切性に優
れた薄手の基材テープを得ることが提案されている。一
方、厚手基材テープ用としてはレーヨン、スフを用いた
紡績糸が使用されている。所で、上掲の特公昭64−1173
6号公報に開示されたポリエステルマルチフィラメント
糸は無糊、無撚で使用することを前提として、手切性を
良くしたものである。従って、無撚のため糸条が扁平化
し厚みが出ない欠点がある。更に、“交絡”を利用して
いることから、糸の長手方向に沿って、締まった部分
(交絡部)と開いた部分(開繊部)とが存在し、両者の
物性差から厚み斑が生じる。しかも、交絡部が往々にし
て製織中に消滅し期待するほどの伸度低下とならず、不
均一な物性、形態を生みだす原因となって品質低下をき
たすことがある外に、手切性および“生地立ち性”の面
でも未だ充分なものとは言えなかった。
[発明の目的] 従って、本発明の目的は、交絡によらず、無糊・無撚
の状態で製織され、しかも断面方向の形(立体構造)保
持性並びに幅方向の生地立ち性が著しく改善されたテー
プ用基材を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、樹脂あるいは粘着材の
“乗り”いわゆる包摂性が著しく改善されたテープ用基
材を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究
した結果、以下のような驚くべき、かつ従来の概念から
は予測だにできなかった事実を発見した。この事実と
は、ポリエステルマルチフィラメント糸において、該糸
が実撚ないしは仮撚状態で融着処理され、その構成フィ
ラメントの数本が融着・硬化しているだけで、交絡効果
に匹敵する集束性を呈し、しかも該糸からなるテープ用
基材はその断面方向の形保持性(立体構造)並びに幅方
向の生地立ち性が著しく改善されるという事実である。
かくして、本発明によれば、実撚または仮撚状態でそ
の構成フィラメントの少なくとも一部が融着・硬化され
ているポリエステルマルチフィラメント糸が経糸および
/または横糸に配されていることを特徴とするテープ用
基材が提供されている。
本発明で用いる用語、語句は以下の定義に従う。
融着・硬化の判定、および構成フィラメント数に対
する融着・硬化フィラメントの割合の判定法 ここで、融着とは個々のフィラメントが溶融し隣り合
うフィラメントと一体化した状態か一体化に至らないま
でもフィラメント同糸の境界面で密着し分離しがたい状
態をいう。次に融着の割合判定方法については、任意に
選んだ融着糸1mを10cm間隙で切断した10本の融着糸を各
々パラフィンに包埋しミクロトームで5〜10ミクロンの
厚さの断面を1枚づつ系10枚のプレパラートを作製し1
枚ごとに全断面積と融着部の断面積を求め下記の式で求
めた融着部の割合の10枚の平均値で判定する。
マルチフィラメント糸の単位長さに対する融着・硬
化したフィラメントの存在割合の判定法任意に選んだ融
着法1mを5cm間隙で切断した20本の融着糸を各々パラフ
ィンに包埋したミクロトームで5〜10ミクロンの厚さの
断面を1枚づつ計20枚のプレパラートを作製し各々プレ
パラートについて融着部の有無を測定した後次の式で単
位長さに対する融着部の割合を求める。
異形度 原糸(熱処理前又は仮撚前)の断面で最大長さと最小
長を求め次の式で異形度を表わす。
(a),(b)は第1図に示した断面で長さ測定位置
を示す。
(イ)平衡で向い合う辺を有する扁平断面糸 (ロ)直線部を有しない開口断面糸 (ハ)三辺以上を有する多角断面糸 (ニ)放射状断面糸 伸長切断強力 任意に採集した40cmの長さの融着糸を5本用意しイン
ストロン引張測定機で試験長20cm,引張速度20cm/分、チ
ャック固定長、上下各5cm,初荷重1/30デニール,最大荷
重2kgに設定した後、測定を行いスタートから融着糸が
切断するまで強力を記録させ切断点の強力(g)を記録
計より読み取る。同じ測定を5回繰返しその5回の平均
値で表わす。
伸度 伸長切断力の測定と同時に伸度も記録させ、測定スタ
ートから切断点までの伸びを記録計より読み取り次の式
で伸度を表わす。
同じ測定を5回繰返しその平均で伸度を表わす。
テープ基材の切断伸度 織物中の縦糸もしくは横糸に沿って幅3cm,長さ30cmの
長方形を5枚作製し、インストロン引張測定機を用い
て、試験長10cm,引張速度20cm/分,最大荷重チャック固
定長、上下各5cm,初荷重は織物がたるまない程度に掛け
る。祖測定スタートから織物が切断するまでの伸びと荷
重を記録し、最大荷重時の伸びを読取り次の式で表わ
す。
同じ測定を5回繰返しその平均で伸度を表わす。
本発明は、前述のように、ポリエステルマルチフィラ
メント糸において、該糸が実撚ないしは仮撚状態で融着
処理され、その構成フィラメントの数本が融着・硬化し
ているだけで、交絡効果に匹敵する集束性を呈し、しか
も該糸からなるテープ用基材はその断面方向の形保持性
(立体構造)並びに幅方向の生地立ち性が著しく改善さ
れるという知見に基づいている。
したがって、本発明においてはポリエステルマルチフ
ィラメント中での融着・硬化したフィラメントの割合が
重要であるようにも考えられる。しかし、現実には構成
フィラメントの数本(2〜15本)が融着・硬化し、かつ
このような部分がマルチフィラメント糸の単位長さに対
して70%以上の長さに亘って存在していれば、所望の目
的が達成されることが判明した。この場合、構成フィラ
メント本数との関係でいえば、該本数に体して3〜50%
の本数に相当するフィラメントが融着・硬化しているこ
とが望ましい。
また、融着・硬化したフィラメント又はフィラメント
群はマルチフィラメント糸の比較的外周部に存在し、特
にマルチフィラメント糸の周りを捲回した状態で存在し
ていることが好ましい。
以上のような融着・硬化マルチフィラメント糸は、フ
ラットヤーン(いわゆる生糸)または仮撚捲縮加工糸の
形をとることができる。以下それぞれの場合の製造方法
の例について述べる。
(a)フラットヤーンの場合 延伸状態のポリエステルマルチフィラメント糸(通常
はトータルデニール;40〜250de,フィラメントデニール:
0.5〜10de)を撚糸機を用いて実撚或いは仮撚具を利用
して交互撚糸を付与しつつ、あるいは付与した後で、加
熱ヒーターにより融着させる。この場合の撚数は糸のde
に応じて以下の式で示される撚係数(A)として3〜70
の範囲から採用する。
また、一部または全部のフィラメントを融着・固化さ
せるには、ヒーター温度として200〜300℃(ヒーター長
が30〜250cmの場合)を採用すればよい。
(b)仮撚捲縮加工の場合 この場合は単糸と芯−鞘構造の仮撚二層構造捲縮加工
糸がある。
単糸の場合; 延伸された状態(延伸糸の状態またはPOYのIN−DRAW
加工においての延伸状態)にあるポリエステルマルチフ
ィラメント糸を通常の仮撚捲縮加工工程で構成フィラメ
ントの数本に融着が生じるように加工条件、特にヒータ
ー温度を調節する。具体的きは、通常、切断強度が2.0
〜5.5g/de、伸度が20〜70%のあるポリエステルマルチ
フィラメント糸を仮撚係数(α)を0.8〜1.2として、ヒ
ーター温度230〜300℃、ヒーター長30〜250cmの範囲で
加工すればよい。
なお仮撚係数(α)は で示され、Tは仮撚数(回/m)、deは原糸のデニールで
ある。
上記のような加工条件の範囲から適宜な条件を選択し
て、加工糸強度を1.0〜3.0g/de、加工糸伸度を6〜30%
の範囲に収めることが好ましい。加工糸の形態として
は、融着未解撚糸を含むもの(つまり、S−Z交互撚糸
形態)から、実質的に解撚されたものまで含まれるが、
一般には、後者の方が樹脂(粘着剤)の保持性の面から
有利である。原糸として供されるポリエステルマルチフ
ィラメント糸は、通常、トータルデニールが40〜250d
e、フィラメントデニールを0.5〜10deのものであればよ
い。そして、このようなフィラメント糸の一部または全
部を異形断面フィラメント、特に異形度が1.1〜15の異
形断面フィラメントで置き換えたときは、得られる加工
糸の空隙性が増加して樹脂含浸性が一段と向上し、糸の
形態固定効果が増す利点がある。
芯−鞘構造の仮撚二層構造捲縮糸の場合; この加工糸は、典型的には特公昭61−19733号公報、
同61−19737号公報或いは同61−36103号公報等に記載さ
れている方法によって得ることができる。これら公報に
記載されている方法は、伸度の異なる、2種以上の未延
伸フィラメント糸を前交絡した後、同時延伸仮撚加工に
付して芯−鞘構造、つまり伸度の低いフィラメント糸を
芯部として、この周りに伸度の高い糸が鞘部として交互
撚糸状態で巻き付いた構造のものである。この場合、前
交絡は本発明の趣旨からして必ずしも必要ではないが、
必要に応じて採用しても構わない。加工方法は、該公報
に記載されている方法に準ずればよいが、その場合ヒー
ター温度は高めに設定する必要がある。芯糸および鞘糸
はタートルデニール、フィラメント本数の好ましい範囲
は以下の通りである。
このような二層構造糸においては、融着・硬化したフ
ィラメントは鞘部に存在することが好ましい。特に鞘部
にあっては、鞘糸は交互撚糸状態で芯糸の周りを取り囲
んでいるので、この状態を利用すれば、融着・硬化フィ
ラメントがマルチフィラメント糸の外周に位置し、さら
にはその周りを捲回した構造をとさせることができる。
このような二層構造糸には付加的な効果がある。それ
は、鞘糸を構成するフィラメント群の一部はループ、弛
み、あるいは毛羽としてマルチフィラメント表面から浮
き出ているという特性が、粘着材、樹脂等の保持効果、
すなわち包摂効果を促進することである。つまり、融着
・硬化フィラメント糸が縦糸および/または横糸として
配されたとき、前記のループあるいは弛みが織目空間に
張り出して、粘着材、樹脂の付与率、保持性を向上させ
るのである。
以上の融着・硬化フラットヤーン、仮撚捲縮加工糸共
に、強伸度的には、糸としての伸長切断強力が200〜600
g、デニールあたりの伸長切断強度が1.0〜4.0g/d、伸度
が5〜30%の範囲にあることが好ましい。また、従来の
厚手粘着テープ用の紡績糸に代って使用する場合は、糸
の直径を0.05mm以上(デニールにして130de以上)にす
ればよい。
なお、本発明における融着・硬化した仮撚二層構造糸
は、上記のものに限定されるものではなく、他の方法を
利用して得たものであってもよい。
次に、融着・硬化したマルチフィラメント糸はテープ
基材とするために製織に供されるが、この場合は、テー
プ基材の用途、目的に応じて経糸および/または緯糸に
配する。この時の経糸および緯糸密度は、融着・硬化し
たマルチフィラメント糸のデニールにもよるが、糸のデ
ニールが40〜220deの場合、前者は23〜90本/吋、後者
は14〜70本/吋の範囲から選定すればよい。また、経糸
と緯糸は必ずしも同一デニールである必要はないが、経
糸の直径と緯糸の直径との和が0.1mm以上になることが
好ましい。
このようなテープ基材を粘着テープに適用する場合に
は、常法により基材の一方の面には熱可塑性合成樹脂、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、
アクリル、PVC、特にそれらのフィルムをラミネート
し、他方の面には粘着材を塗布すればよい。
[発明の作用] テープ基材は手切性と粘着性能を考慮し、ガーゼのよ
うな粗い目の透いた織物で形成される。基材に厚みがあ
ると接着剤は厚く塗布され、反対に薄いと薄く塗布され
る。薄い基材の上に厚く接着材を塗布しようとするとテ
ープ端から接着材がはみ出して取扱い性が困難になり、
厚みがあると織物の縦糸と横糸のすき間に充分に接着剤
が入り込む。厚みを出すには繊度を上げればよいが、繊
度が上がると必要以上に応力(強度)が増えて手切性が
悪くなる。繊度を増さずに撚糸することで糸条に丸味を
もたせ厚みを出そうとすると撚糸時の撚縮みが糸条の伸
長切断伸度を高くすることとなり、これまた手切性を悪
くする。この点、本発明では同一デニールの糸でより厚
みを出すのにポリエステルマルチフィラメント糸の構成
フィラメントの一部または全部を実撚または仮撚状融着
させる。しかも、この融着により、マルチフィラメント
糸全体の固着ないし集束効果をも発現し、必ずしも交絡
を必要とせず、無糊・無撚で製織に供し得る。
なお、仮撚融着糸にあっては、仮撚時の実撚形態が解
撚側で残留するか、または部分的に残留するかまたは殆
んど解撚された状態であっても一部の融着によってマル
チフィラメント糸全体の開繊を極力押えることで、通常
のフィラメント糸やウーリー糸に比べはるかに厚い粘着
テープ基材を得ることができる。また、本発明では実撚
を施したポリエステルマルチフィラメント糸をフィラメ
ントの一部または全部を融着させることで、糸の断面方
向の型保持性を改善し、糸条の強伸度が低下することも
手切性を良くすることとなり、一石二鳥の効果も得られ
る。
更に、構成フィラメントが融着していることは、糸全
体の硬化にもつながり、得られる基材織物の生地立性を
改善され、作業効果が向上する。
[発明の効果] 本発明によれば、交絡に頼らなくても、無糊・無撚の
状態で製織され、しかも断面方向の形保持性(立体構
造)並びに幅方向の生地立ち性が著しく改善されたテー
プ用基材、さらには、樹脂あるいは粘着材の“乗り”い
わゆる包摂性が著しく改善されたテープ用基材が提供さ
れる。
また厚手の粘着テープの分野にあって、これまでレー
ヨンスフの紡績糸しかなかったことを考えると、本発明
の意義は多大のものがある。すなわち、単にレーヨンス
フの紡績糸に相当するデニールのポリエステルマルチフ
ィラメントを選ぶだけで、同等の特性、さらにはレーヨ
ンの欠点とされていた温湿度依存性がなくなる。この点
について、更に述べると、従来の厚手粘着テープの基材
にはレーヨンスフを用いた紡績糸が用いられていた。紡
績糸の場合、精紡の場合、実撚を掛けながら短繊維を糸
条に形成するので実撚形態からくる丸味が糸条を扁平化
しにくく厚さが保持できる。またレーヨンスフは伸長切
断伸度も高々15%程度で手切性も良い。しかしながら、
湿度依存性が大きく高温多湿の環境では繊維が吸湿し物
性の低下や接着性能の低下となる。また、雨水や結露な
ど一時的に多量の水分が付着した場合など繊維中に水が
しみこみ性能低下がより大きくなる欠点がある。本発明
では湿度依存性が殆んどないポリエステルマルチフィラ
メントを用いて厚手粘着テープ用基材が提供される。
以上のことから、本発明は、以下の(a)〜(u)の
態様を含むものである。
(a)構成フィラメント本数の3〜50%が融着・硬化し
ているテープ基材。
(b)融着・硬化したフィラメントがマルチフィラメン
ト糸の単位長さの70%以上の長さに亘って存在するテー
プ基材。
(c)融着・硬化したフィラメントがマルチフィラメン
ト糸の比較的外周部に存在するテープ基材。
(d)融着・硬化したフィラメントがマルチフィラメン
ト糸の周りを捲回した状態で存在するテープ基材。
(e)マルチフィラメント糸がフラットヤーンであるテ
ープ基材。
(f)マルチフィラメント糸が仮撚捲縮加工糸であるテ
ープ基材。
(g)マルチフィラメント糸が仮撚捲縮加工糸の単糸で
あるテープ基材。
(h)マルチフィラメント糸が芯−鞘構造の下位撚二層
構造捲縮加工糸であるテープ基材。
(i)鞘部の構成フィラメントの少なくとも一部が融着
しているテープ基材。
(j)構成フィラメントの少なくとも一部に異形断面フ
ィラメントを含むテープ基材。
(k)異形断面フィラメントの異形度が1.1〜15である
テープ基材。
(l)ポリエステルマルチフィラメント糸の伸長切断強
力が200〜600gであるテープ基材。
(m)ポリエステルマルチフィラメント糸の伸長切断強
度が1.0〜4.0g/deであるテープ基材。
(n)ポリエステルマルチフィラメント糸の伸度が5〜
30%であるテープ基材。
(o)ポリエステルマルチフィラメント糸の直径が0.05
mm以上であるテープ基材。
(p)縦糸と横糸との直径の和が0.1mm以上であるテー
プ基材。
(q)ポリエステルマルチフィラメント糸に疎水性の樹
脂を含浸してなるテープ基材。
(r)一方の円には熱可塑性樹脂が融着・接着され、他
方の面には粘着材が付与されているテープ基材。
(s)熱可塑性樹脂フィルムがラミネート状態で融着・
接着されているテープ基材。
(t)粘着材が合成樹脂系および/または天然ゴム系で
あるテープ基材。
(u)融着・硬化したポリエステルマルチフィラメント
糸が配された方向の切断伸度が25%以下であるテープ基
材。
[実施例] 実施例1 伸長切断伸度が130%のポリエステルマルチフィラメ
ント糸(150デニール48フィラメント;丸断面)と伸長
切断伸度が300%のポリエステルマルチフィラメント糸
(150デニール36フィラメント;三角断面、異形度;1.
2)とを引揃え、仮撚融着加工を行った。その際の仮撚
温度は245℃,仮撚延伸倍率は1.7倍、仮撚具としの三軸
フリクションディスクの周速700m/min、加工速度は350m
/minとして加工糸、180デニール84フィラメントの二層
構造融着糸を得た。この融着糸の伸長切断伸度は12%、
糸強度は1.9g/d、糸の直径は0.16mm(測定はEIKO,INDUS
TRIAL CO.LTD製、DIAL THICKNESS,GAUGE、通称ピーコッ
クを用いて10cm間隙で20回測定、その平均値で表わす)
であった。この融着糸を経糸および緯糸に用い、経糸密
度50本/吋、緯糸密度35本/吋で無糊・無撚で織成し、
得られた生機を基材として厚さ70ミクロンのポリエチレ
ンフィルムを溶融押出して基材の表側に貼り合せてラミ
ネートした。そのときのフィルムと基材を合せた厚みは
0.26mmと厚手であった。このラミネートした基材の表側
に離型剤、裏側にアクリル酸樹脂系の接着剤を付与して
粘着テープを作製した。この粘着テープの手切性は良好
で切り口も美しく、引張強力も17kg/2.5cmと充分であっ
た。
実施例2 伸長切断伸度が120%のポリエステルマルチフィラメ
ント(288デニール24フィラメント;十字断面、異形度;
10)を用いて、仮撚温度240℃、仮撚延伸倍率1.6倍、三
軸フリクションディスクの周速度700m/min、加工速度35
0m/minとして加工を用い、仮撚融着糸(180デニール24
フィラメント)を得た。この融着糸の伸長切断伸度は10
%、糸強度2.0g/d、糸の直径は0.15mmであった。この融
着糸を経糸および緯糸に用いた経糸密度50本/吋、緯糸
密度35本/吋で無糊、無撚で織成し、得られた生機を基
材として厚さ70ミクロンのポリエチレンフイルムを溶融
押出し基材の表側に貼り合せてラミネートした。このフ
イルムと基材を合せた厚みは0.25mmであって、手切性も
すこぶる良好で切り口も美しく、経方向の引張強力も18
kg/2.5cmと充分であった。
参考例 レーヨン紡績糸177デニール(30番)を経緯に用いた
基材に同じ用に70ミクロンのポリエチレンフイルムを溶
融押出し作製したラミネートの厚さが0.20mmであること
から、本発明の融着糸の厚さが充分すぎる程の厚さを有
するものであった。
実施例3 伸長切断伸度が35%のポリエステルマルチフィラメン
ト糸に(170デニール48フィラメント;扁平断面、異形
度;5)400T/Mの実撚を施した後、300℃に加熱した非接
触ヒーター(長さ30cm)の中を通して融着糸(175デニ
ール48フィラメント)を得た。この融着糸の伸長切断伸
度は18%、糸強度は2.2g/d、糸の直径は0.16mmであっ
た。この融着糸を経糸密度50本/吋、緯糸密度35本/吋
で無糊で織成し得られた生機を基材として厚さ70ミクロ
ンのポリエチレンフィルムを溶融押出し、基材の表側に
貼り合せてラミネートした。このフイルムと基材を合せ
た厚みは0.26mmと厚く、手切性も切り口も良好なもので
あった。
実施例4 伸長切断伸度が70%のポリエステルマルチフィラメン
ト糸(110デニール36フィラメント三角断面、異形度;1.
5)と伸長切断伸度が130%のポリエステルマルチフィラ
メント糸(120デニール36フィラメント;三角断面、異
形度;2.5)とを引揃え、仮撚温度255℃、仮撚延伸倍率
1.3倍、三軸フリクションディスクの周速度600m/min、
加工速度350m/minとして仮撚融着加工を行い、融着糸
(177デニール72フィラメント)を得た。この融着糸に
疎水性の合成樹脂(ポリエステルアクリレート)をオイ
リングローラを用いて3%付着させた後、非接触ヒータ
ーの中を通して樹脂を乾燥させ巻取った。樹脂付着融着
糸は形態固定が充分で、かつ適度な固さを有し、その伸
長切断伸度も8%と低く、糸強度2.5g/d、糸の直径は0.
18mmであった。ポリエステルアクリレート樹脂付着融着
糸を経糸密度50本/吋、緯糸密度35本/吋で無糊・無撚
で織成し得られた生機を基材として厚さ70ミクロンのポ
リエチレンフィルムを溶融押出し、基材の表側に貼り合
せてラミネートした。このフイルムと基材を合せた厚み
は0.28mmであり、手切性はすこぶる良好で切り口もきれ
いであった。経方向の引長強力も2.1kg/2.5mmと充分で
あるばかりか、ラミネートした基材のフイルム側に離型
剤、基材側にアクリル酸軸脂系の接着材を付与して粘着
テープと下。この粘着テープは融着糸と付着樹脂の効果
でもって適度の硬さを有し曲りにくく作業性が非常に良
いものであった。
なお、実施例1,2,4の加工糸の融着形態は部分的に実
撚形態が残留し、その他大部分は解撚形態であるがフィ
ラメントの2〜4本が融着していてフィラメントの開繊
が押えられており、通常の仮撚糸に比べ硬く曲りにくい
ものであった。実施例3は全て実撚状態で最外周部に位
置するフィラメントの50%で融着しており、全く開繊さ
れた箇所を有さず丸形に近いものであった。
比較例 伸長切断伸度130%がポリエステルマルチフィラメン
ト糸(150デニール48フィラメント;丸断面と伸長切断
伸度が300%のポリエステルマルチフィラメント糸(150
デニール36フィラメント;三角断面、異形度;1.8)とを
引揃えて、仮撚加工を行った。その際の仮撚温度を180
℃、仮撚延伸倍率を1.7倍、三軸フリクションディスク
の周速度を700m/min、加工速度を350m/minとして、加工
して180デニール84フィラメントの仮撚糸を得た。この
仮撚糸は全く融着部分が無く伸長切断伸度は20%、糸強
度は3.5g/d、糸の直径は0.03mmであった。この仮撚糸を
経糸密度50本/吋、緯糸密度35本/吋で無糊、無撚で織
成し得られた生機を基材として厚さ70ミクロンのポリエ
チレンフイルムを溶融押出して基材の表側に貼り合せて
ラミネートした。そのときのフイルムと基材を合せた厚
みは0.13mmと薄く、厚手粘着テープとほど遠い薄手粘着
テープであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で原糸(熱処理前または仮撚前)に混入
する異形断面糸の断面図である。 (イ)平衡で向い合う辺を有する扁平断面糸 (ロ)直線部を有しない開口断面糸 (ハ)三辺以上を有する多角断面糸 (ニ)放射状断面糸 a……最小長さ、b……最大長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 信男 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人 株式会社大阪研究センター内 (56)参考文献 特開 昭49−6256(JP,A) 特開 昭51−47164(JP,A) 実開 昭57−56780(JP,U) 特公 昭52−10954(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実撚又は仮撚状態でその構成フィラメント
    の少なくとも一部が融着・硬化されているポリエステル
    マルチフィラメント糸が経糸及び/または緯糸に配され
    ていることを特徴とするテープ基材。
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