JPH1161592A - 粘着テープ基布 - Google Patents

粘着テープ基布

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JPH1161592A
JPH1161592A JP9226265A JP22626597A JPH1161592A JP H1161592 A JPH1161592 A JP H1161592A JP 9226265 A JP9226265 A JP 9226265A JP 22626597 A JP22626597 A JP 22626597A JP H1161592 A JPH1161592 A JP H1161592A
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JP
Japan
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yarn
weft
elongation
warp
adhesive tape
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JP9226265A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Kasaoka
勝行 笠岡
Iwao Imamura
巌 今村
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カギ裂けが発生せず、しかも手切れ性の良い
厚手粘着テープ基布を提供する。 【解決手段】 経糸にポリエステルマルチフイラメント
融着仮撚二層構造糸、緯糸にポリエステルマルチフイラ
メント非融着仮撚二層構造糸を用いて製織する。経糸
は、糸強力が200g〜400g、切断伸度が4%〜2
0%、緯糸は、糸強力が300g〜800g、切断伸度
が9%〜45%で、且つ、緯糸の切断伸度が、経糸の切
断伸度よりも5%〜25%大きいことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚手粘着テープ基
布に関し、更に詳しくは、極めて手切れ性が良く、且
つ、カギ裂けの無い厚手粘着テープ基布に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】粘着テープは、梱包用、マスキング用等
に汎用的に使用されているが、この様な粘着テープは、
鋏等の切断用具を使用しなくても幅方向や長さ方向に簡
単に引き裂ける便利さから、大量に使用されるようにな
っている。これら粘着テープのうち、厚手粘着テープ
は、接着剤が多量に粘着テープ基布に塗布されていて、
被接着物の表面が多少凸凹していても接着剤の厚みでカ
ーバー出来ることから、特に塗装時のマスキングに有効
利用されている。塗装時の作業は、多くが手袋等の保護
具を使用することから、特に手切れ性の良いことが重要
で有るが、その他に、テープがカギ裂けしないことが重
要である。テープを幅方向に切断している際に、その長
さ方向にも切断が起こる、いわゆるカギ裂けは、作業性
を大幅に低下させることとなり、作業者に最も嫌われる
現象であって、その改善が望まれている 手切れ性の良い厚手粘着テープを得るには、従来からレ
ーヨン紡績糸が使用されているが、レーヨンが水分で膨
潤し、時間と共にテープがカールしたり寸法が変化した
りするという欠点がある他に、手切れ性の良さから、カ
ギ裂けが頻繁に起こるという問題がある。一方、レーヨ
ンの欠点である寸法の経時変化を防止するために、本出
願人は、レーヨン紡績糸の代わりにポリエステルフイラ
メント融着仮撚糸を使用して、レーヨン紡績糸を使用し
た場合と同様の手切れ性の良い厚手粘着テープ基布を得
ることに成功した(特開平3−287831号公報)。
しかし、この厚手粘着テープ基布でも、手切れ性の良さ
から、レーヨン紡績糸を用いた場合と同様に、カギ裂け
が多発することが分かってきた。
【0003】カギ裂けの原因は、経糸に対して緯糸が弱
いことにある。従って、カギ裂けを防止するには、緯糸
を強くすればよいわけであり、緯糸に強度の高いポリエ
ステルフイラメント糸を使用することが考えられるが、
ポリエステルフイラメント糸は偏平化して、厚み不足が
生じ、厚手の粘着テープ基布が得られないという問題が
ある。そこで、十分な厚みを得るために、フィラメント
糸のデニールを極端に太くする方法も考えられるが、糸
強力が高くなり過ぎて、手切れ性が悪くなってしまう。
緯糸といえども手切れ性を保持することが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、カ
ギ裂けが発生せず、しかも手切れ性の良い厚手粘着テー
プ基布を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ポリエステルマ
ルチフイラメント融着仮撚二層構造糸を経糸に用いると
共に、融着の伴わないポリエステルマルチフイラメント
仮撚二層構造糸を緯糸に用いることで、従来の性能を損
なうことなくカギ裂けを防止できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、経糸にポリエステルマル
チフイラメント融着仮撚二層構造糸、緯糸にポリエステ
ルマルチフイラメント非融着仮撚二層構造糸を用いて製
織したことを特徴とする粘着テーフ゜基布であり、経糸は、
糸強力が200g〜400g、切断伸度が4%〜20
%、緯糸は、糸強力が300g〜800g、切断伸度が
9%〜45%で、且つ、緯糸の切断伸度が、経糸の切断
伸度よりも5%〜25%大きいことが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の粘着テープ基布に用いる経糸について説
明すると、この経糸には、前述の特開平3−28783
1号公報に記載されているポリエステルマルチフイラメ
ント融着仮撚糸に準じたポリエステルマルチフィラメン
ト融着仮撚二層構造糸を用いる。このポリエステルマル
チフィラメント融着仮撚二層構造糸は、融着効果により
低伸度、低強力の仮撚二層構造糸となる。そのため、こ
の仮撚二層構造糸を経糸に使用した基布は、幅方向に容
易に引き裂くことができ、手切れ性が向上する。また、
このポリエステルマルチフィラメント融着仮撚二層構造
糸は、丸味を有する形態となり、糸の厚みが大きく、し
かも潰れ難い糸構造をとることができ、接着剤の塗布量
が多い、厚手粘着テープ基布に最も適した糸構造を有す
ることになる。なお、ここで、融着とは、個々のフィラ
メントが溶融し、隣り合うフィラメントと一体化した状
態か、一体化に至らないまでもフィラメント同志の境界
面で密着し、分離しがたい状態をいう。
【0008】かかるポリエステルマルチフィラメント融
着仮撚二層構造糸は、例えば、伸度の異なる2種以上の
未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸を前交絡した
後、あるいは前交絡を施すことなく、同時延伸仮撚加工
に付して、芯−鞘構造、即ち伸度の低いフィラメント糸
を芯部とし、この周りに伸度の高いフィラメント糸が鞘
部として、交互撚糸状態で巻き付いた構造とすることに
より得ることができる。この場合、構成マルチフィラメ
ント糸に融着が生じるように、例えばヒーター長が30
〜250cmの範囲で、仮撚ヒーター温度を230℃〜
300℃といった高めに設定する。
【0009】芯部を構成するフィラメント糸のトータル
デニールは30〜170デニール、フィラメントデニー
ルは0.5〜10デニールが好ましく、鞘部を構成する
フィラメント糸のトータルデニールは30〜145デニ
ール、フィラメントデニールは0.5〜10デニールが
好ましい。また、融着仮撚二層構造糸のトータルデニー
ルは、100〜250デニールが好ましく、細すぎると
厚手の粘着テープ基布が得られ難く、逆に太すぎると手
切れ性が悪くなり易い。
【0010】本発明で用いるポリエステルマルチフィラ
メント融着仮撚二層構造糸は、構成フィラメント本数の
3〜50%が融着していることが好ましく、更に、融着
したフィラメントが、マルチフィラメント糸の単位長さ
の70%以上にわたって存在していることが好ましい。
また、融着したフィラメントは、主として鞘部に存在す
ることが好ましい。
【0011】なお、本発明で用いるポリエステルマルチ
フィラメント融着仮撚二層構造糸は、上記方法で製造さ
れたものに限定されるものではなく、他の方法を利用し
て得たものであってもよい。
【0012】この経糸に用いるポリエステルマルチフィ
ラメント融着仮撚二層構造糸は、糸強力が200g〜4
00g、切断伸度が4%〜20%であることが好まし
く、更に好ましくは、糸強力が250g〜330g、切
断伸度が8%〜12%である。糸強力、切断伸度が小さ
すぎると、使用中に粘着テープが破損し易くなり、逆に
大きすぎると、手切れ性が悪くなる。
【0013】次に、本発明の粘着テープ基布に用いる緯
糸について説明すると、この緯糸には、ポリエステルマ
ルチフイラメント非融着仮撚二層構造糸を用いる。この
ポリエステルマルチフイラメント非融着仮撚二層構造糸
は、経糸を構成する仮撚二層構造糸とは異なり、融着部
を有していないため、経糸を構成する融着仮撚二層構造
糸よりも高伸度、高強力であり、かかる緯糸の使用によ
りカギ裂けを防止することができる。
【0014】かかるポリエステルマルチフイラメント非
融着仮撚二層構造糸は、基本的には特公昭61−197
33号公報、同61−19737号公報、同61−36
103号公報に記載されている方法で得ることができ、
例えば、伸度の異なる2種以上の未延伸糸を前交絡した
後、あるいは前交絡を施すことなく、同時延伸仮撚加工
に付して、芯−鞘構造、つまり伸度の低いフイラメント
糸を芯部とし、伸度の高い糸を鞘部とした構造の仮撚二
層構造糸とすることができる。この場合、構成マルチフ
ィラメント糸に融着が生じないように、仮撚ヒーター温
度を設定する。緯糸に使用する仮撚二層構造糸に融着部
が存在すると、その切断伸度、強力が低下して、カギ裂
けの原因となるので不適当である。
【0015】この緯糸に用いるポリエステルマルチフイ
ラメント非融着仮撚二層構造糸の好ましい一例として、
図1に示すものが挙げられる。即ち、図1に示す仮撚二
層構造糸おいては、伸度の低いフィラメント糸を芯部
(芯糸)1とし、その周りに伸度の高い糸が鞘部(鞘
糸)2として、交互撚糸状態3、開繊状態4及び実撚状
態5で巻き付き、それらが数mm〜数十mmの間隔で混
在している。
【0016】交互撚糸状態3と実撚状態5とが混在する
ことにより、交互撚糸状態のみの場合と比較して、糸の
厚みを大きく保持することができ、厚手粘着テープ基布
に適した糸構造となる。更に、鞘糸2が芯糸1から離れ
た開繊状態4の部分は、鞘糸2の乱れが大きく、接着剤
の保持効果が大幅に向上するほかに、空間に張り出した
単繊維により、織物組織点以外の空間部分を一部蔽う効
果が有る。この遮蔽効果により、樹脂(特にフィルム)
を基布へラミネートする際の樹脂抜けを防ぎ、樹脂と基
布とを強固に固定する。この固定が不完全だと、基布が
目ずれを起こし、手切れ性が低下する。
【0017】芯部及び鞘部を構成するフィラメント糸
は、共にトータルデニールが70〜300デニール、フ
ィラメントデニールが0.5〜10デニールであること
が好ましい。芯糸及び鞘糸のトータルデニールが大きす
ぎても小さすぎても、二重構造が崩れ、引き揃え状態と
なり易く、糸の厚みが不足し、厚手粘着テープには使用
し難くなる。特に、芯糸:鞘糸のデニール比は、1:1
に近いことが好ましい。一方、フィラメントデニールが
小さすぎると、仮撚二層構造糸が柔らかすぎて、テープ
がカーリングを起こし易くなり、逆に大きすぎると、二
重構造が崩れ、引き揃え状態となり易くなる。
【0018】また、非融着仮撚二層構造糸のトータルデ
ニールは、170〜350デニールが好ましく、細すぎ
ると接着剤の塗布量を多くした厚手の粘着テープ基布が
得られ難いばかりでなく、糸強力も低下してカギ裂けの
原因となり、逆に太すぎると強力が高くなり、手切れ性
が悪くなり易い。
【0019】なお、本発明で用いるポリエステルマルチ
フィラメント非融着仮撚二層構造糸は、上記方法で製造
されたものに限定されるものではなく、他の方法を利用
して得たものであってもよい。
【0020】この緯糸に用いるポリエステルマルチフィ
ラメント非融着仮撚二層構造糸は、糸強力が300g〜
800g、切断伸度が9%〜45%であることが好まし
く、更に好ましくは、糸強力が400g〜600g、切
断伸度が12%〜35%である。糸強力、切断伸度が小
さすぎると、カギ裂けが起こり易くなり、逆に大きすぎ
ると、手切れ性が悪くなる。特に、緯糸に用いるポリエ
ステルマルチフィラメント非融着仮撚二層構造糸は、経
糸に用いるポリエステルマルチフィラメント融着仮撚二
層構造糸よりも、切断伸度が5%〜25%大きいことが
好ましく、8%〜15%大きいことが特に好ましい。こ
の伸度差が5%未満では、粘着テープを手で切る際の力
の入れ方、基布の織り組織の乱れ、接着程度のバラツキ
などによって、カギ裂けが発生し易くなり、逆に25%
を越えると、手切れ性が悪くなり易い。
【0021】次いで、上述のポリエステルマルチフィラ
メント融着仮撚二層構造糸を経糸に用い、ポリエステル
マルチフィラメント非融着仮撚二層構造糸を緯糸に用い
て製織し、粘着テープ基布を得る。この場合、経糸及び
緯糸の密度は、経糸及び緯糸に用いる仮撚二層構造糸の
デニールにもよるが、通常は、経糸密度が23〜90本
/インチ、緯糸密度が14〜70本/インチの範囲内に
あることが適当である。また、経糸と緯糸とは、必ずし
も同一デニールである必要はないが、経糸の直径と緯糸
の直径の和が、0.1mm以上であることが好ましい。
【0022】このような粘着テープ基布から粘着テープ
製造するには、常法により基布の片面に、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂等の熱可塑性合成樹脂、特にそれらのフィ
ルムをラミネートし、他方の面に接着剤を塗布すればよ
い。
【0023】粘着テープを手で切断する場合、テープの
一部を手で把持して切断応力を加えるから、数本から数
十本の経糸が把持され同時に切断応力を受けることにな
る。そのとき、最も大きい力の加わった所から切断が起
こるが、テープの端部は意図的に切断応力が加えられる
とともに、応力が集中し易く、そこから切断が起こり徐
々にテープの中心部へと切断が進み、完全に切断が終了
してテープが切り離される。
【0024】この場合、粘着テープがカギ裂けする原因
は、粘着テープ基布を構成する経糸に対して緯糸が弱い
ことにある。即ち、本来の目的であるテープの幅方向の
切断(経糸の切断)の途中では、テープの長さ方向にも
切断応力が分配され、緯糸にも切断応力が掛かる。特に
織り密度が粗い粘着テープ基布では、目ずれが起こり易
く、力の分散が大きい。このため、緯糸が弱いと、テー
プの幅方向から長さ方向へ切り口が進み、当初の切断方
向とは進行方向が90度変わった、いわゆるカギ裂け現
象が発生する。
【0025】本発明の粘着テープ基布では、融着効果に
より低伸度、低強力のポリエステルマルチフィラメント
融着仮撚二層構造糸を経糸に用いているため、幅方向に
容易に引き裂くことができ、手切れ性が向上する。一
方、緯糸には、経糸を構成する融着仮撚二層構造糸より
も高伸度、高強力のポリエステルマルチフイラメント非
融着仮撚二層構造糸を用いているため、緯糸に切断応力
が掛かっても、緯糸が切断するようなことがなく、カギ
裂けを防止することができる。
【0026】特に、経糸に比べ緯糸の切断伸度を大きく
することは、例え経糸と同等の切断応力が緯糸に掛かっ
たとしても、一本の緯糸が切断に至る迄に、伸長の程度
は微妙に異なるものの、多数の緯糸にほぼ同時に伸長応
力が加わり、切断応力に対して抵抗力が発生する。この
抵抗力の大きさは、何本の糸で切断応力に抵抗するかに
依存しており、伸度の大きい糸ほど多くの糸に同時に抵
抗力を掛けることができる。かかる観点から、緯糸に用
いるポリエステルマルチフィラメント非融着仮撚二層構
造糸は、経糸に用いるポリエステルマルチフィラメント
融着仮撚二層構造糸よりも、切断伸度が5%〜25%大
きいことが好ましい。
【0027】更に、本発明の粘着テープ基布では、経
糸、緯糸共に仮撚二層構造糸を用いているので、糸の厚
みが大きく、しかも潰れ難い糸構造をとることができ、
厚手粘着テープ基布を容易に得ることができる。また、
仮撚二層構造糸においては、鞘糸を構成するフィラメン
ト糸の一部が、ループ、弛みあるいは毛羽として、糸条
表面から浮き出ており、これが、接着剤、樹脂等の保持
効果、即ち包摂効果を促進する。その結果、上記仮撚二
層構造糸を経糸及び緯糸に使用すると、前記ループ、弛
みあるいは毛羽が織目空間に張り出して、接着剤、樹脂
の付与率、保持性を向上させる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0029】[実施例1]まず、経糸として、下記の方
法によりポリエステルマルチフィラメント融着仮撚二層
構造糸を作成した。切断伸度が130%のポリエステル
マルチフイラメント糸(130デニール/36フイラメ
ント)と、切断伸度が300%のポリエステルマルチフ
イラメント糸(150デニール/48フイラメント)と
を引き揃え、仮撚融着加工を行った。その際の仮撚延伸
倍率は1.7倍、仮撚ヒーター温度は245℃、仮撚具
として使用した三軸摩擦仮撚ディスクの周速度は700
m/分、加工速度は350m/分として、160デニー
ル/84フイラメントの融着仮撚二層構造糸を得た。こ
の融着仮撚二層構造糸の切断伸度は12%、糸強力は3
04g(糸強度1.9g/de)、糸の厚みは0.12
mm、融着フィラメント本数の割合は20%、単位長さ
当たりの融着部の長さの割合は90%であり、十分に融
着硬化した糸で、硬さも有り、伸度、強力、厚み共に、
レーヨン紡績糸30番と同等であった。
【0030】一方、緯糸として、切断伸度が130%の
ポリエステルマルチフイラメント糸(225デニール/
36フイラメント)と、切断伸度が300%のポリエス
テルマルチフイラメント糸(225デニール/36フイ
ラメント)とを混繊し、仮撚ヒーター温度を170℃と
した以外は、上記経糸用仮撚二層構造糸の製造条件と同
じ条件で仮撚加工を実施し、264デニール/72フイ
ラメントの非融着仮撚二層構造糸を得た。この非融着仮
撚二層構造糸の切断伸度は25%、糸強力は580g
(糸強度2.2g/de)、糸の厚みは0.08mmで
あり、図1に示す糸構造を有し、交互撚糸状態3が20
%、開繊状態4が40%、実撚状態5が40%混在して
おり、構成マルチフィラメント糸には、融着は全く認め
られなかった。
【0031】上記ポリエステルマルチフィラメント融着
仮撚二層構造糸を経糸に、また、上記ポリエステルマル
チフィラメント非融着仮撚二層構造糸を緯糸に用いて、
経糸密度43本/インチ、緯糸密度20本/インチで無
糊、無撚でウオータジェット織機を用いて製織し、得ら
れた生機を基布として、厚さ80ミクロンのポリエチレ
ンフイルムを溶融押し出し、基布の表側に貼り合わせ
た。得られたフイルムラミネート基布の厚みは、0.2
4mmと厚手であった。このフィルムラミネート基布の
表側に離型剤、裏側にアクリル酸樹脂系の接着剤を塗布
して、幅5cm、長さ25mの厚手粘着テープを作製し
た。この厚手粘着テープを5cm間隔で100回、通常
の使用方法で、幅方向に手で引き裂きテストを実施した
ところ、手切れ糸は良好であり、全くカギ裂けは発生し
なかった。ちなみに、長さ方向に引き裂いてみたが、幅
方向の約2倍の力が必要であったが、手裂き出来る範囲
にあった。
【0032】[比較例]経糸、緯糸共に、実施例1の経
糸に用いたポリエステルマルチフィラメント融着仮撚二
層構造糸を用いた以外は、実施例1と同様の方法で厚手
粘着テープを作製し、手で引き裂きテストを行ったとこ
ろ、100回中、カギ裂けが18回発生した。
【0033】[実施例2〜7]実施例1において、経糸
用のポリエステルマルチフィラメント融着仮撚二層構造
糸を製造する際の仮撚ヒーター温度を変えて融着程度を
変更することにより、また、緯糸用のポリエステルマル
チフィラメント非融着仮撚二層構造糸を製造する際のヒ
ーター温度を変更することにより、経糸及び緯糸の切断
伸度、糸強力を、それぞれ表1に示すように変更した。
【0034】得られた粘着テープについて、手で引き裂
きテストを行い、手切れ性及び100回中何回カギ裂け
が発生したかを調べた。結果は表1に示す通りであり、
経糸の糸強力が200g〜400g(特に好ましくは2
50g〜330g)、切断伸度が4%〜20%(特に好
ましくは8%〜12%)、緯糸の糸強力が300g〜8
00g(特に好ましくは400g〜600g)、切断伸
度が9%〜45%(特に好ましくは12%〜35%)
で、且つ、緯糸の切断伸度が、経糸の切断伸度よりも5
%〜25%(特に好ましくは8%〜15%)大きい場合
に良好な結果が得られた。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、手切れ性が良好であ
り、これまでのレーヨン紡績糸あるいはポリエステル融
着仮撚糸からなる粘着テープ基布の欠点であったカギ裂
けを防止することができる厚手粘着テープ基布を提供す
ることができ、例えば塗装時のマスキング作業における
作業効率を大幅に高めることができ、他の殆どの梱包作
業に於いても、カギ裂けが発生せず作業効率を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で緯糸に用いるポリエステルマルチフィ
ラメント非融着仮撚二層構造糸の一例を示す拡大側面図
である。
【符号の説明】 1 芯部(芯糸) 2 鞘部(鞘糸) 3 交互撚糸状態 4 開繊状態 5 実撚状態

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸にポリエステルマルチフイラメント
    融着仮撚二層構造糸、緯糸にポリエステルマルチフイラ
    メント非融着仮撚二層構造糸を用いて製織したことを特
    徴とする粘着テーフ゜基布。
  2. 【請求項2】 経糸の糸強力が200g〜400g、切
    断伸度が4%〜20%、緯糸の糸強力が300g〜80
    0g、切断伸度が9%〜45%で、且つ、緯糸の切断伸
    度が、経糸の切断伸度よりも5%〜25%大きい請求項
    1記載の粘着テープ基布。
JP9226265A 1997-08-22 1997-08-22 粘着テープ基布 Pending JPH1161592A (ja)

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JP2009133046A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Pt Polyfin Canggih 布粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方法及び厚手粘着テープ基布
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