JP7132697B2 - 積層生地、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(i)単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される。
(ii)全体として仮撚捲縮を有する。
(iii)前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲である。
(iv)表面部分においてポリエステル繊維Aによる突出部が形成されている。
(1) 織編物の片面に透湿防水層を有する積層生地であって、
前記織編物は、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸を含み、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されており、
前記織編物のカバーファクターが1800~2800であり、
前記織編物において、前記透湿防水層と反対側の表面に撥水剤が付着している、積層生地。
(2)前記混繊交絡糸の捲縮率が10~55%の範囲にある、(1)の積層生地。
(3)前記混繊交絡糸の交絡数が90~200個/mの範囲にある、(1)又は(2)の積層生地。
(4)前記透湿防水層がポリウレタン樹脂で形成されている、(1)~(3)の何れかの積層生地。
(5)前記織編物と前記透湿防水層との間に接着剤層を含む、(1)~(4)の何れかの積層生地。
(6)前記透湿防水層の上に裏地用繊維布帛が積層されている、(1)~(5)の何れかの積層生地。
(7)前記織編物における前記接着剤層と反対側の表面の水滴転がり角度が60度以下である、(1)~(6)の何れかの積層生地。
(8)JIS L 1092:2009 B法に従って測定された耐水圧が100KPa以上の範囲にある、(1)~(7)の何れかの積層生地。
(9)JIS L 1099:2012 B-1法に従って測定された透湿性が10000g/m2・24h以上の範囲にある、(1)~(8)の何れかの積層生地。
(10) JIS L 1089の手法に従って測定された、織編物と透湿防水層との剥離強度が5N/2.54cm以上の範囲にある、(1)~(9)の何れかの積層生地。
(11)(1)~(4)及び(6)~(10)の何れかの積層生地を製造する方法であって、
織編物の一方の表面に、透湿防水層を構成する樹脂を塗布することで、前記透湿防水層を形成する工程を含み、
前記織編物が、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸を含み、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されており、
前記織編物のカバーファクターが1800~2800であり、
前記織編物において、前記透湿防水層を構成する樹脂を塗布する面とは反対側の表面に撥水剤が付着している、
積層生地の製造方法。
(12)(1)~(10)の何れかの積層生地を製造する方法であって、
織編物又は透湿防水層上に、接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層を介して前記織編物と前記透湿防水層とを貼り合わせる工程、とを含み、
前記織編物が、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸を含み、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されており、
前記織編物のカバーファクターが1800~2800であり、
前記織編物において、前記接着剤層と接する面とは反対側の表面に撥水剤が付着している、
積層生地の製造方法。
本発明の積層生地で使用される織編物は、特定の混繊交絡糸からなるものであり、表面の微細な突出部により撥水性を発現させる。
(混繊交絡糸)
混繊交絡糸は、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される。ポリエステル繊維A及びポリエステル繊維Bの繊度を、それぞれこのような特定の範囲に設定することにより、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとを十分に絡めさせ、この絡まりにより、混繊交絡糸の表面部分において、相対的に細いポリエステル繊維Aによる突出部が形成されやすくなる。なお、本発明において、ポリエステル繊維Aによる突出部とは、混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aのループ、又はたるみなどによって、ポリエステル繊維Aが外側に突出した部分をいう。
上述のような混繊交絡糸を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の工程を備える方法が挙げられる。
単糸繊度が1.5~6.5dtex、伸度が100~160%のポリエステル高配向未延伸糸Bを延伸倍率1.1~2倍で延伸する延伸工程、
延伸工程で得られたポリエステル延伸糸Bと、単糸繊度が0.4~1.3dtex、伸度が80~110%のポリエステル高配向未延伸糸Aとを、加工速度80~1000m/分、延伸倍率1.10~1.50倍の条件で複合仮撚りする複合仮撚り工程、及び
複合仮撚り工程で得られた複合仮撚糸を、流体ノズルを用いて、エアー圧0.1~0.6Mpa、オーバーフィード率1~4%の条件で混繊交絡する混繊交絡工程。
定速伸長型の引張り試験機(島津製作所株式会社製、オートグラフ「AGS-5KNG」)を用いて、試料長200mmに設定し初荷重(8.82mN×表示テックス)を掛け引張り試験機のつかみ部に取り付け、引張り速度200mm/minで試料を引っ張り、下記の計算式において伸びを算出する。なお、10回の平均値を求める。
伸び(%)=最大強力時の伸び(mm)/試料長(mm)×100
混繊交絡糸の表面部分においてポリエステル繊維Aの突出部が形成されているため、本発明で使用される織編物においては混繊交絡糸の突出部が表面部分に位置している。したがって、本発明で使用される織編物では、大きな水滴は勿論、小さな水滴でも突出部によって支えることができ、さらに上述の空気保持層の存在により水滴が織編物の内部へ移行することを効果的に抑制することができるため、所謂ロータス効果と同様の撥水性能が顕著に向上している。
CF=D1/2×経糸密度(本/2.54cm)+E1/2×緯糸密度(本/2.54cm)
式中、Dは経糸のトータル繊度を示す。Eは緯糸のトータル繊度を示す。
本発明の積層生地において、織編物の上には、防水性及び透湿性を付与するための透湿防水層が積層されている。透湿防水層とは、織編物の一方面を被覆している層であって、防水性及び透湿性を有する樹脂によって形成された層である。
本発明の積層生地は、接着剤層を含むことが好ましい。つまり、織編物と透湿防水層とは接着剤層を介して積層されることが好ましい。その理由について、以下に述べる。本発明においては織編物として、上述のように、表面にループ又はたるみに起因する微細な突出部を有するものを採用している。そのため、突出部が接着剤層と強固に絡むことで、アンカー効果が発現するために、織編物と透湿防水層とがよりいっそう剥離し難くなる。
本発明の積層生地では、透湿防水層上(即ち、織編物が積層される側とは反対側の透湿防水層の面)に裏地用繊維布帛が積層されていてもよい。裏地用繊維布帛により透湿防水層を保護することができ、防水性(耐水圧)及び強度を一層優れたものとすることができる。また、裏地用繊維布帛を積層することによって、積層生地全体の伸長を抑えることができるため、積層後の仕上工程や着用時のテンション等による織編物の伸長によって、混繊複合糸の突出部が引っ張られた結果として突出部が低減することを抑制でき、上記の撥水性をより高く維持することができる。また、裏地用繊維布帛が積層されると、撥水性によりいっそう優れるものとなる。その理由は明らかではないが、本発明者らは、積層工程が増え、撥水剤が受ける熱履歴が多くなることで、撥水性がより向上すると推測している。
本発明の積層生地においては、JIS L 1092:2009 B法に従って測定された耐水圧が、100Kpa以上であることが好ましく、150Kpa以上であることが防水性の観点からより好ましい。より具体的には、本発明の積層生地の一態様として、JIS L 1092:2009 B法に従って測定された耐水圧が、好ましくは100~500Kpa、より好ましくは150~400Kpa、さらに好ましくは150~300Kpaが挙げられる。
本発明の積層生地の製造方法について、以下に述べる。
本発明の第一の製造方法においては、織編物の表面に、前記透湿防水層を構成する樹脂を塗布することで、前記透湿防水層を形成する。
本発明の第二の製造方法は、織編物又は透湿防水層上に接着剤層を形成する工程と、接着剤層を介して織編物と透湿防水層とを貼り合わせる工程、とを含む。
実施例及び比較例において、1.単糸繊度、トータル繊度、2.捲縮率、3.混繊交絡糸の交絡数、4.複合仮撚糸の糸長差、5.織編物表面の撥水性能(水滴転がり角度)、6.耐水圧(防水性)、7.透湿性、8.剥離強度、9.引裂強力は、それぞれ、以下の方法により測定、評価を行った。
混繊交絡糸中のポリエステル繊維A、ポリエステル繊維Bの単糸繊度及びトータル繊度、混繊交絡糸の単糸繊度及びトータル繊度は、それぞれ、JIS L1013 8.3.1の規定に基づいて測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。
また、前記式において、Re(平衡水分率)は、水分平衡に達した試料から約5gを採り、その質量及び絶乾質量を量り、次の式によって平衡水分率(%)を算出し、2回の平均値を四捨五入法によって小数点以下1けたに丸めた値を使用した。水分平衡に達したとは、標準状態(温度20±2℃、相対湿度65±4%の標準状態の試験室内で1時間以上の間隔で質量を測定し、その前後の質量差が後の質量の0.1%以内となった状態であることを示す。
織編物を解いて混繊交絡糸を採取し、試料とした。これを、枠周1.125mの検尺機を用いて巻き数5回で試料をカセ取りした後、カセを室温下フリー状態でスタンドに一昼夜吊り下げた。次に、カセに0.000147cN/dtexの荷重を掛けたまま沸水中に投入し30分間湿熱処理した。その後、カセを取り出し、水分を濾紙で軽く取り、室温下フリー状態で30分間放置した。そして、カセに0.000147cN/dtexの荷重及び0.00177cN/dex(軽重荷)を掛け、長さXを測定した。続いて、0.000147cN/dtexの荷重は掛けたまま、軽重荷に代えて0.044cN/dtexの荷重(重荷重)を掛け、長さYを測定した。その後、捲縮率(%)=(Y-X)/Y×100なる式に基づき、算出した。捲縮率の測定は、複合仮撚糸及び混繊交絡糸のそれぞれ5ずつについて行い、それぞれの平均をその糸の捲縮率とした。
織編物を解いて混繊交絡糸を採取し試料とした。JIS L1013 8.15フック法に基づいて混繊交絡糸の交絡数(個/m)を測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。なお、交絡数は交絡度と表記される場合がある。
荷重を外した後、試料の2cm印部箇所から、下方へ糸束を2分割するように,フック(直径が0.5mm~1.0mmの針状、側面が滑らかに仕上げ処理されている)を挿入し、フックが52cm印部箇所から糸の絡みによって停止した箇所までの長さL(単位;mm)を測定し、下記式により、1mあたりの個数に換算した。50回の平均値を求めた。
交絡数=1000/L
混繊交絡糸を得る過程で別途複合仮撚糸を採取し、物差しを備えた垂直台に複合仮撚糸を0.1g/dtexの荷重を掛けながら吊るし、上下1m間に黒マジックで2箇所目印を付けた。次に、上部目印の位置を固定しながら、複合仮撚糸をピンセットで丁寧にポリエステル繊維Aの繊維群とポリエステルBの繊維群とに分けた。その後、ポリエステル繊維A、Bの繊維群それぞれに0.1g/dtexの荷重を掛け、それぞれの繊維群の長さを測定した。その後、糸長差(%)=(ポリエステルAの繊維群の長さ-ポリエステルBの繊維群の長さ)/ポリエステルBの繊維群の長さ×100なる式に基づき、算出した。糸長差の測定は5本の複合仮撚糸について行い、その平均を糸長差とした。
織編物の撥水剤処理した側の表面の水滴転がり角度を測定した。水滴転がり角度は、水平版上に取り付けた水平状の試料における織編物表面(透湿防水層と反対側の面)に、0.2mLの水を静かに滴下し、その後水平版を静かに傾斜させ、水滴が転がり始めるときの角度を測定した。なお、タテ方向及びヨコ方向の何れについても測定した。
積層生地の耐水圧(防水性)は、JIS L 1092:2009 B法に従って測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。
積層生地の透湿性は、JIS L 1099:2012 B-1法(酢酸カリウム法)に従って測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。
次に、透湿カップ(直径56mm、一方の底面が密閉された円筒形状)に温度約23℃に保った吸湿剤(酢酸カリウム)を透湿カップ容積の約3分の2まで入れ、約100mm×100mmの大きさの透湿度測定用補助フィルムを、透湿カップの上部に載せ、フィルムの縁部を透湿カップに添わせて、ゴム製バンドで装着して試験体とした。この試験体の質量(a5)をフィルム装着側を上にして1mgの単位まで測定した。測定した後、直ちに試験体を倒立させ、水槽に固定した試験片支持枠の中に置いた。15分後に試験体を取り出し、反転させて質量(a6)を1mgの単位まで測定した。
下記計算式によって透湿度を算出し、試験結果は、3回の測定値の平均値を四捨五入法によって整数に丸めて表した。
積層生地における織物と透湿防水層との剥離強度をJIS L 1089の手法に従って測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。
積層生地の引裂強力をJIS L 1096:2010 A-1法に従って測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。
(実施例1)
伸度103%,単糸繊度0.54dtex,トータル繊度45dtex84フィラメントのポリエステル高配向未延伸糸Aを用意した。一方、伸度130%,単糸繊度3.25dtex,トータル繊度39dtex12フィラメントのポリエステル高配向未延伸糸Bを用意した。そして、ポリエステル高配向未延伸糸A及びBを図1に示す様な混繊交絡糸の製造方法に供した。仮撚具4としてディスクタイプのものを使用し、複合仮撚条件及び混繊交絡条件は下記の通りとすることにより、63dtex96フィラメントの混繊交絡糸を得た。混繊交絡糸において、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)は57/43であった。また、得られた混繊交絡糸は、ポリエステル繊維Aのループやたるみなどによって連続的に突出部が形成されており、当該突出部の内側(混繊交絡糸の内部側)には、細いポリエステル繊維Aが緩やかに絡み合って形成された空気保持層が形成されていた。
供給ローラ1の表面速度:211m/分
ポリエステル高配向未延伸糸Bの延伸倍率:1.15倍
第1引取ローラ2の表面速度:243m/分
ヒーター3の温度:(接触式ヒーター)165℃
撚り方向:Z方向
ディスクの構造:1-6-1
K値:1.0
仮撚時の延伸倍率:1.24倍
第2引取ローラ5の表面速度:300m/分
流体ノズル6:インターレースノズル
エアー圧力:0.11MPa
オーバーフィード率:1.5%
第3引取ローラ7の表面速度:295m/分
実施例1で得られた積層生地において、透湿防水層側にウレタン系接着剤を厚み30μmとなるように、塗布面積80%のグラビアロールにて塗布し、裏地用繊維布帛としてトリコット編地を熱圧着により貼り合わせた。このトリコット編地は、フロント筬及びバック筬にナイロンフィラメント(20dtex)が用いられたものであり、密度が51コース/2.54cm、33ウェール/2.54cmであり、目付けが64g/m2であった。そして、40℃で3日間の熟成を行い、接着剤層を硬化させ、実施例2の積層生地を得た。
実施例2において、織物にカレンダー加工を施した以外は、実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。
実施例3において、透湿防水層をコーティング法により形成した以外は、実施例3と同一の方法により、実施例4の積層生地を得た。詳しくは、コーティング法として、カレンダー加工を施した織物に対し、公知の湿式コーティングの手法を用いて、コンマコーターを用いてポリウレタン樹脂を塗布し、凝固槽を通した後にテンターで乾燥させた後、40℃で3日間の熟成を行い、厚み14μmの透湿防水層を形成した。
実施例2において、使用する高配向未延伸糸Aを、伸度107%,単糸繊度0.89dtex,トータル繊度50dtex56フィラメントに変更して65dtex84フィラメントの混繊交絡糸とし、生地の緯密度を116本/2.54cmとした以外は実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。使用した混繊交絡糸において、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)は58/42であった。また、使用した混繊交絡糸は、ポリエステル繊維Aのループやたるみなどによって連続的に突出部が形成されており、当該突出部の内側(混繊交絡糸の内部側)には、細いポリエステル繊維Aが緩やかに絡み合って形成された空気保持層が形成されていた。
実施例2において、染色加工した織物の緯密度を150本/2.54cmとした以外は、実施例2と同一の方法により、カバーファクターが2438である織物を含む積層生地を得た。
実施例2において、染色加工した織物の経密度を177本/2.54ccm、緯密度を100本/2.54cmとした以外は、実施例2と同一の方法により、カバーファクターが1823である織物を含む積層生地を得た。
実施例2において、透湿防水層の厚みを3μmとした以外は、実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。
実施例2において、透湿防水層の厚みを40μmとした以外は、実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。
実施例2において、透湿防水層と裏地用繊維布帛との接着、及び織物と透湿防水層との接着に使用する接着剤を、オレフィン系接着剤とした以外は、実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。
実施例2において、接着剤塗布面積を20%としたこと以外は、実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。
実施例2において、接着剤の厚みを3μmとしたこと以外は、実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。
実施例2において、接着剤の厚みを120μmとしたこと以外は、実施例2と同一の方法により、目的とする積層生地を得た。
織物として、経糸に33dtex72フィラメントのポリエステル延伸糸、緯糸に単糸繊度0.42dtex,トータル繊度72dtex168フィラメントのポリエステル延伸仮撚糸を使用して製織したものを用いた。なお、当該ポリエステル延伸仮撚糸は、表面に突出部が形成されていなかった。織物を染色加工して、図2に示すリップストップ組織(経密度214本/2.54cm、緯密度112本/2.54cm)の織物とした以外は、実施例2と同一の方法により、撥水加工、並びに透湿防水層及び裏地用繊維布帛の積層を行い、カバーファクターが2179である織物を含む積層生地を得た。
実施例2において、使用する高配向未延伸糸Aを、伸度107%,単糸繊度1.38dtex,トータル繊度50dtex36フィラメントに変更して、65dtex48フィラメントの混繊交絡糸とし、生地の緯密度を116本/2.54cmとした以外は実施例2と同一の方法により、カバーファクターが2438である織物を含む積層生地を得た。混繊交絡糸において、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)は58/42であった。また、使用した混繊交絡糸は、突出部が形成されていた。
実施例2において、染色加工した織物の経密度を294本/2.54ccm、緯密度を144本/2.54cmとしたこと以外は、実施例2と同一の方法により、カバーファクターが2850である織物を含む積層生地を得た。
実施例2において、染色加工した織物の経密度を140本/2.54ccm、緯密度を70本/2.54cmとした以外は、実施例2と同一の方法により、カバーファクターが1370である織物を含む積層生地を得た。
2 第1引取ローラ
3 ヒーター
4 仮撚具
5 第2引取ローラ
6 第2デリベリローラ
7 第3引取ローラ
8 巻取ローラ
9 混繊交絡糸のパッケージ
YA ポリエステル高配向未延伸糸Aのパッケージ
YB ポリエステル高配向未延伸糸Bのパッケージ
Claims (12)
- 織物の片面に透湿防水層を有する積層生地であって、
前記織物は、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸を含み、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されており、
前記織物のカバーファクターが2000~2800であり、
前記織物において、前記透湿防水層と反対側の表面に撥水剤が付着している、積層生地(但し、透湿防水層において、前記織物と反対側の面に、総繊度が25dtex以下のマルチフィラメントを含みかつリップストップ組織を有する織物が積層されている場合を除く)。 - 前記混繊交絡糸の捲縮率が10~55%の範囲にある、請求項1に記載の積層生地。
- 前記混繊交絡糸の交絡数が90~200個/mの範囲にある、請求項1又は2に記載の積層生地。
- 前記透湿防水層がポリウレタン樹脂で形成されている、請求項1~3の何れか1項に記載の積層生地。
- 前記織物と前記透湿防水層との間に接着剤層を含む、請求項1~4の何れか1項に記載の積層生地。
- 前記透湿防水層の上に裏地用繊維布帛が積層されている、請求項1~5の何れか1項に記載の積層生地。
- 前記織物における前記接着剤層と反対側の表面の水滴転がり角度が60度以下である、請求項5に記載の積層生地。
- JIS L 1092:2009 B法に従って測定された耐水圧が100KPa以上の範囲にある、請求項1~7の何れか1項に記載の積層生地。
- JIS L 1099:2012 B-1法に従って測定された透湿性が10000g/m2・24h以上の範囲にある、請求項1~8の何れか1項に記載の積層生地。
- JIS L 1089の手法に従って測定された、織物と透湿防水層との剥離強度が5N/2.54cm以上の範囲にある、請求項1~9の何れか1項に記載の積層生地。
- 請求項1~4の何れか1項に記載の積層生地を製造する方法であって、
織物の一方の表面に、透湿防水層を構成する樹脂を塗布することで、前記透湿防水層を形成する工程を含み、
前記織物が、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸を含み、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されており、
前記織物のカバーファクターが2000~2800であり、
前記織物において、前記透湿防水層を構成する樹脂を塗布する面とは反対側の表面に撥水剤が付着している、
積層生地の製造方法。 - 請求項5又は7に記載の積層生地を製造する方法であって、
織物又は透湿防水層上に、接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層を介して前記織物と前記透湿防水層とを貼り合わせる工程、とを含み、
前記織物が、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸を含み、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されており、
前記織物のカバーファクターが2000~2800であり、
前記織物において、前記接着剤層と接する面とは反対側の表面に撥水剤が付着している、
積層生地の製造方法。
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