JP2013226750A - 透湿防水性布帛および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量であるにかかわらず引裂き強力に優れた透湿防水性布帛および該透湿防水性布帛を用いてなる繊維製品を提供すること。
【解決手段】マルチフィラメントを含む織物Aの片面に透湿防水層を積層し、さらにその上に、総繊度が25dtex以下のマルチフィラメントを含みかつリップストップ組織を有する織物Bを積層することにより、目付けが110g/m以下の透湿防水性布帛を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽量であるにかかわらず引裂き強力に優れた透湿防水性布帛および該透湿防水性布帛を用いてなる繊維製品に関する。
従来、スポーツ衣料やユニフォーム衣料などに使用されている透湿防水性布帛において、透湿性および防水性を備えた樹脂製の薄膜が広く使用されている。例えば、織編物などの基布に、多孔質または無孔質ポリウレタンをコーティングしたものや、ポリウレタンなどの多孔質または無孔質樹脂製フィルムを接着剤により基布にラミネーションしたものなどがある。多孔質樹脂製薄膜はその孔の大きさにより、また、無孔質樹脂製薄膜の場合は孔が無いものの吸湿性物質を含有することで親水性とし、雨やその他の水を通さず、湿気(水蒸気)を通すことにより透湿防水性を呈している。
これらの従来の透湿防水性布帛では、肌や内側の衣服との磨耗から透湿防水層を保護するため、透湿防水層の上にさらに布帛や織物を積層する方法が採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、かかる透湿防水性布帛では、生地が重くなると着用快適性が損なわれ、逆に生地を軽量化すると引裂き強力が劣るという問題があった。
特開2006−248052号公報 特開2010−201811号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は軽量であるにもかかわらず引裂き強力に優れた透湿防水性布帛および該透湿防水性布帛を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、透湿防水性布帛において、布帛を構成するマルチフィラメントの総繊度を小さくし、かつリップストップ組織を用いると、軽量であるにかかわらず引裂き強力に優れた透湿防水性布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「目付けが110g/m以下の透湿防水性布帛であって、マルチフィラメントを含む織物Aの片面に透湿防水層が積層され、さらにその上に、総繊度が25dtex以下のマルチフィラメントを含みかつリップストップ組織を有する織物Bが積層されてなることを特徴とする透湿防水性布帛。」が提供される。
その際、前記織物Aに含まれる前記マルチフィラメントおよび/または前記織物Bに含まれる前記マルチフィラメントが仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。また、前記織物Aに含まれる前記マルチフィラメントおよび/または前記織物Bに含まれる前記マルチフィラメントがポリエステルからなることが好ましい。また、前記織物Aが平組織または綾組織またはマット組織またはこれらの組合せ組織を有することが好ましい。また、前記織物Bにおいて、リップストップ組織の格子柄の大きさが20mm以下であることが好ましい。また、前記織物Aが、下記式により定義されるカバーファクターCFが400〜2500の織物であることが好ましい。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
本発明の透湿防水性布帛において、前記織物Aおよび/または前記織物Bにシリコーン樹脂が付与されていることが好ましい。また、前記織物Aおよび/または前記織物Bに撥水加工が施されていることが好ましい。また、前記透湿防水層が、厚さ2〜30μmの透湿防水性ポリエステルフィルムを含むことが好ましい。また、透湿防水性布帛において、経方向および緯方向の引裂き強力がともに8N以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の透湿防水性布帛を用いてなる、スポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、テント、寝袋、防水シート、およびカーシートの群より選ばれるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、軽量であるにもかかわらず引裂き強力に優れた透湿防水性布帛および該透湿防水性布帛を用いてなる繊維製品が得られる。
まず、本発明の透湿防水性布帛は、目付けが110g/m以下(好ましくは20〜95g/m)の透湿防水性布帛である。該目付けが110g/mよりも大きい場合、軽量性が損なわれるおそれがあり好ましくない。
本発明の透湿防水性布帛において、織物A、透湿防水層および織物Bがこの順で積層されている。
その際、前記織物Aにはマルチフィラメントが含まれ、かつ、前記織物Bには総繊度が25dtex以下(好ましくは24dtex以下、より好ましくは5〜23dtex)のマルチフィラメントが含まれる。前記織物Aまたは前記織物Bにこれらのマルチフィラメントが含まれない場合は、透湿防水性布帛の軽量性が損なわれるおそれがある。前記織物Aに含まれるマルチフィラメントにおいて総繊度の限定はないが、総繊度が35dtex以下(好ましくは18dtex以下、より好ましくは5〜12dtex)であると透湿防水性布帛がさらに軽量となり好ましい。
前記織物Aまたは前記織物Bに含まれるこれらマルチフィラメントにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、3本以上(より好ましくは3〜10000本、特に好ましくは5〜40本)であることが好ましい。
前記織物Aまたは前記織物Bに含まれる前記マルチフィラメントにおいて、マルチフィラメントを形成するポリマーの種類としては特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、アラミド、ポリ塩化ビニルなどの通常の繊維形成性ポリマーでよい。レーヨン繊維などの再生繊維、綿繊維、ウール繊維、絹繊維などの天然繊維であってもよい。なかでも、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルやバイオマス由来のポリエステルでもよい。さらには、2成分以上のポリマーからなる、サイドバイサイド型または芯鞘型複合繊維(コンジュゲート繊維)であってもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
前記織物Aまたは前記織物Bに含まれる前記マルチフィラメントにおいて、単繊維横断面形状は特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。
また、前記織物Aまたは前記織物Bに含まれる前記マルチフィラメントにおいて、マルチフィラメントの形態としては、長手方向に繊維が連続するものであれば特に限定されず、生糸、撚糸、空気加工糸、仮撚捲縮加工糸、サイドバイサイド型複合繊維の潜在捲縮を発現させた捲縮糸などいずれでもよいが、軽量性を高める上で、仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。その際、仮撚捲縮加工糸の捲縮率としては10〜30%であることが好ましい。
前記織物Aまたは前記織物Bにおいて、それぞれ前記のマルチフィラメントのみで構成されることが最も好ましいが、それぞれの織物全重量に対して50重量%以下であれば他の繊維が含まれていてもよい。その際、前記のマルチフィラメントと他の繊維とは、混繊糸として、また、交織されて織物に含まれていてもよい。
また、前記織物Aにおいて、織物組織としては、引裂き強力を高める上で織物組織点が多いほど好ましく、平組織または綾組織またはマット組織またはこれらの組合せ組織が好ましい。
一方、前記織物Bにおいて、織物組織としては、透湿防水性布帛の引裂き強力を高める上でリップストップ組織であることが肝要である。前記織物Bがリップストップ組織を有さない場合は透湿防水性布帛の引裂き強力が低下するおそれがあり好ましくない。
ここで、リップストップ織物とは、細繊度糸条で織物のベースを構成し、太繊度糸条を経および/または緯(好ましくは経および緯の格子である。)に配した織物である。例えば、特開2005−048298号公報の図1、図2に例示される。その際、格子柄の大きさが6mm以下であることが好ましい。また、格子部分に配する太繊度糸条としては、総繊度が40dtex以上の糸条を1本配するか、総繊度が25dtex以下のマルチフィラメントを複数本、引き揃えた引き揃え糸または合撚した合撚糸が好ましい。
また、前記織物Aおよび/または前記織物Bにおいて、軽量性を高める上で、下記式により定義されるカバーファクターCFが400〜2500(より好ましくは1000〜2000)の織物であることが好ましい。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
なお、前記織物Aや織物Bは、ウオータージェットルームやエアージェットルームなどの公知の織機を用いて製織することができる。
前記織物Aおよび/または前記織物Bには、通常の染色加工、減量加工、起毛加工、撥水加工、蓄熱加工、吸汗加工などの後加工を適宜施しても良い。その際、染色に用いる染料は分散染料、カチオン性染料など特に限定はされないが、カチオン性染料はカチオン性染料で染色可能な繊維を選択する必要があるため、より汎用性が高い分散染料を染色に用いるほうが好適である。また、撥水加工に用いられる撥水剤としては、パラフィン系撥水剤やポリシロキサン系撥水処理剤、フッ素系撥水処理剤などの公知のものが使用でき、その処理も一般に行われているパディング法、スプレー法などの公知の方法で行えばよい。さらには、前記織物Aおよび/または前記織物Bにシリコーン系樹脂を付着させることも、透湿防水性布帛の引裂き強力を高める上で好ましい。
本発明の透湿防水性布帛において、前記織物Aと織物Bとの間に位置する透湿防水層としては、透湿性を有するウレタン樹脂からなるフィルム、ウレタン樹脂コーティング、アクリル樹脂コーティング、ポリテトラフロロエチレン樹脂フィルム、ポリエステルフィルムなどがあげられるが、限定されるものではない。特に、ケミカルリサイクル処理により再度ポリエステルの原料として再生可能であり何度でもリサイクル使用できる点で省資源かつ環境保全できる点より、より好ましくは無色透明のポリエステルフィルムであるほうがよい。
かかるポリエステルフィルムとしては、ポリエーテル−エステル系エラストマーやPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるポリエステルフィルムが好適に用いられる。また、上記フィルムは透湿性を有するが、該フィルムは多孔質でもよいが、透湿性を有するポリエステルを主成分とする無孔質フィルムであることが好ましい。多孔質フィルムである場合、無色透明にはなり得ないからである。ポリエステルに透湿性を付与するには、特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコールなどの吸湿性材料をポリエステルに共重合する方法が好適に用いられる。
上記ポリエーテル−エステル系エラストマーは、長鎖エステル単位および短鎖エステル単位からなり、該短鎖エステル単位は、全ポリエーテル−エステル系エラストマーの30〜70重量%の範囲にあることが好ましい。上記短鎖エステル単位の割合が、30重量%未満であるポリエーテル−エステル系エラストマーは比較的低融点であって、加工性が不良であり、また、該短鎖エステル単位が、70重量%を超えるポリエーテル−エステル系エラストマーの場合には、比較的高融点であり、加工性が不良である。
前記ポリエーテル−エステル系エラストマーの酸成分は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、または、これらのエステル形成性誘導体から選ばれた少なくとも1種が挙げられるが、好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が例示される。
もちろん、このような酸成分の一部(通常は、全酸成分を基準として30モル%以下)は、他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていてもよい。
なお、上記ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤などが必要に応じて配合されていてもよい。
次に、前記ポリエーテル−エステル系エラストマーの長鎖エステル単位のグリコール成分としては、ポリエチレングリコール、ポリ1,2−プロピレングリコール、ポリ1,3−プロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体などのポリアルキレングリコールのうち少なくとも1種が挙げられるが、満足できる透湿性を得るためにはポリエチレングリコールが最も好ましく例示され、その平均分子量が600〜8,000の範囲にあるものが好ましい。上記平均分子量が600未満であると、満足できる機械的物性が得られず、一方、該平均分子量が8,000を超えた場合には、相分離のためにポリエーテル−エステルの調製において問題を引き起こす場合がある。
また、ポリエーテル−エステル系エラストマーの短鎖エステル単位のグリコール成分は、エチレングリコールおよびテトラメチレングリコールからなり、該エチレングリコールおよびテトラメチレングリコール中に占めるテトラメチレングリコールのモル分率が70モル%未満のものが好ましく使用される。上記テトラメチレングリコールが70モル%を超えると、コート層又はフィルム層自体は柔軟となるが、布帛とのモジュラス差が大きすぎるため、耐揉み性が悪く、コート層およびフィルム層と布帛の界面に剥離が生じやすい。
上記テトラメチレングリコールのモル分率のさらに好ましい範囲は、70モル%未満〜50モル%以上の範囲である。
このようなポリエーテル−エステル系エラストマーが少なくとも布帛の片側面の一部にコーティングされるか、もしくは、ポリエーテル−エステル系エラストマーからなるフィルムが少なくとも基布の片側面にラミネートされていることが好ましい。
ポリエーテル−エステル系エラストマーを布帛の片側面の一部にコーティングする方法としては、ポリエーテル−エステル系エラストマーを該エラストマーが溶解可能な溶剤で溶解した後に、該布帛表面上にコーティングし、乾式法、若しくは、湿式法により溶剤を除去することにより得られる。
該ポリエーテル−エステル系エラストマーが溶解可能な溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、エチレンホルマール、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンの1種、又は、2種以上の有機溶剤が挙げらが、低沸点および毒性を考慮した場合、エチレンホルマールを使用するものが最も好ましい。
エチレンホルマールを用いる場合は、該ポリエーテル−エステル系エラストマーを2〜30重量%、好ましくは、5〜20重量%の範囲で使用して、50〜60℃の温度でエチレンホルマールに溶解させ溶液を調合する。
また、織物上にコーティングする方法としては、通常のコーティング法、例えば、ナイフコーター等を用いて行えばよいが、コーティングの量としては、コーティング層が5〜50μm、好ましくは、10〜20μmの範囲となるように行えばよい。該コーティング層が5μm未満の場合には、均一な皮膜を形成することが困難であり、また、50μmを超える場合には風合として弾性が強くなり、また、透湿性も低下するので好ましくない。
該エチレンホルマールを除去する方法としては、乾式法と湿式法とがあるが、乾式法においては、温度:70〜170℃の乾熱条件下、好ましくは、温度:70〜150℃の範囲で行われる。湿式法においては、ポリエステル 系エラストマーが不溶で、エチレンホルマールが可溶な溶液、例えば、温水中にてエチレンホルマールを抽出した後、乾燥を行う。
また、ポリエーテル−エステル系エラストマーからなるフィルムを作成する方法としては、公知の方法、例えば、インフレーション法やダイ押出し法により得た、厚さが好ましくは2〜30μm、さらに好ましくは5〜20μmの均一なフィルムを使用するものがよい。上記フィルムの厚さが2μm未満の場合には、ラミネートの作業が困難となり均一な耐水圧が得られないおそれがあり、また透湿防水層の強度が著しく低下してしまい、一方、フィルムの厚さが30μmを超える場合には、透湿性が低下するおそれがあり、また防水透湿層の曲げ硬さが硬くなってしまうことで布帛全体が硬くなってしまう。
なお、ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとしては、上記以外に、例えば「主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメントと、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメントとを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体」であってもよい。このポリエステルブロック共重合体の詳細は、例えば特開平11−170461号公報の段落「0009」〜「0015」に詳述されている。
得られたフィルムは、種々の方法、例えば、熱処理、ミシン掛け、あるいは、接着剤の使用により、基布となる布帛とラミネートすることができる。好ましくは、接着剤である。
上記織物と透湿防水性フィルムとの接着剤としては、ポリエーテルエステル系エラストマーなどのポリエステル樹脂からなる接着剤がリサイクル効率の上で好適ではあるが、重量比率が少ないので、ポリウレタン系接着剤であってもよい。
また、前記透湿防水層の上に、例えば無機微粒子を含む透湿性高分子樹脂が全面にまたは部分的に積層されていてもよい。また、透湿防水層には目止めテープが貼られていてもよい。
かくして得られた透湿防水性布帛において、織物A、透湿防水層、織物Bがこの順に配されている。その際、積層する方法としては縫製でもよいが、ウレタン系接着剤などの接着剤で接着させることが好ましい。
本発明の透湿防水性布帛において、織物Aと透湿防水層との間、または透湿防水層と織物Bとの間、または織物Aの表面の上、または織物Bの表面の上にさらに布帛、フィルム、コーテイング層などを積層してもよい。
本発明の透湿防水性布帛において、透湿防水性布帛をケミカルリサイクルし、再度、ポリエステル原料として再生する上で、布帛全体のポリエステルが重量比50%以上(さらに好ましくは70%以上)であることが好ましい。ポリエステルの重量比率が50%より小さいとリサイクル効率が低下してしまいコストアップやエネルギー消費量アップしてしまう。リサイクル効率を上げるためにはできる限りポリエステル比率を高めるほうがよい。そのため、透湿防水性布帛の構成は特に限定されるものではないが、ポリエステル繊維のみからなる織物Aおよびポリエステルフィルムおよびポリエステル繊維からなる織物Bで構成することが好ましい。また、織物とフィルムをラミネーションする接着剤もポリエステル系樹脂であることが好ましい。さらに、透湿防水層の上にさらに樹脂を積層する場合も該樹脂がポリエステル系樹脂であることが好ましい。
本発明の透湿防水性布帛において、織物Bがリップストップ組織を有するので、軽量であるにもかかわらず優れた引裂き強力を有する。その際、経方向および緯方向の引裂き強力がともに8N以上(より好ましくは8〜20N)であることが好ましい。
次に、本発明によれば、前記の透湿防水性布帛を用いてなる、スポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、テント、寝袋、防水シート、およびカーシートの群より選ばれるいずれかの繊維製品が提供される。
ここで、繊維製品がスポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服の場合、通常、織物Bが人体側となるよう用いられる。
かかる繊維製品は前記の透湿防水性布帛を用いているので、軽量であるにもかかわらず優れた引裂き強力を有する。
次に、本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)目付け
JIS L1096 6.4.1により目付け(g/m)を測定した。
(2)カバーファクターCF
下記式によりカバーファクターCFを算出した。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
(3)捲縮率
供試フィラメント糸条を、周長が1.125mの検尺機のまわりに巻きつけて、乾繊度が3333dtexのかせを調製した。前記かせを、スケール板の吊り釘に懸垂して、その下部分に6gの初荷重を付加し、さらに600g(588cN)の荷重を付加したときのかせの長さL0を測定した。その後、直ちに、前記かせから荷重を除き、スケール板の吊り釘から外し、このかせを沸騰水中に30分間浸漬して、捲縮を発現させる。沸騰水処理後のかせを沸騰水から取り出し、かせに含まれる水分をろ紙により吸収除去し、室温において24時間風乾した。この風乾されたかせを、スケール板の吊り釘に懸垂し、その下部分に、600g(588cN)の荷重をかけ、1分後にかせの長さL1aを測定し、その後かせから荷重を外し、1分後にかせの長さL2aを測定した。供試フィラメント糸条の捲縮率(CP)を、下記式により算出する。
CP(%)=((L1a−L2a)/L0)×100
(4)引裂き強力
JIS1096 D法により、織物の経方向と緯方向について引裂強力を測定した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸11dtex/12fil(捲縮率14%)を経糸および緯糸に用いて平組織の織物を織成した後、通常の染色工程にて分散染料により黒色に染色し、シリコーン系樹脂を含む撥水加工をすることにより織物A(目付け32gr/m、カバーファクターCF1720)を得た。
また、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸22dtex/24fil(捲縮率16%)とポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸22dtex/24fil(捲縮率16%)の2本引き揃え糸を、32:1の配列で経糸および緯糸に用いてリップストップ組織の織物を織成した後、通常の染色工程にて分散染料により黒色に染色し、シリコーン系樹脂を含む撥水加工をすることにより、基布として織物Bとして(目付43gr/m、カバーファクターCF1489)を得た。かかる織物Bにおいて、リップストップ組織の格子柄の大きさが、経方向に互に隣りあう格子間間隔が4.7mmで、緯方向に互に隣りあう格子間間隔5.4mmであった。
次いで、デュポン(株)製無孔質透湿性透明ポリエステルフィルム(商品名:アクティブレイヤー、厚み10μm)の一方表面に前記織物Aを、他方表面に前記織物Bを、通常のウレタン系接着剤を用いてラミネーションすることにより透湿防水性布帛を得た。
得られた布帛は、目付86g/mで軽量性に優れており、引裂き強力は経方向10.2N、緯方向9.5Nで十分強いものであった。
次いで、該透湿防水性布帛を、織物Bが肌側に位置するよう用いてスポーツウェアを得て着用したところ、軽量であるにもかかわらず優れた引裂き強力を有するものであった。
[比較例1]
実施例1において、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸22dtex/24fil(捲縮率16%)を使用して織物Aを織成すること以外は実施例1と同様に行った。
得られた布帛は、引裂き強力は経方向12.2N、緯方向11.2Nで十分強いものであったが、目付125g/mであり軽量性に劣るものであった。
[比較例2]
実施例1において、織物Bの織組織を平組織としたこと以外は実施例1と同様に行った。
得られた布帛は、織物BのカバーファクターCFが1460であり目付け81g/mと軽量性に優れていたが、引裂き強力は経方向7.3N、緯方向6.8Nで弱いものであった。
本発明によれば、軽量であるにもかかわらず引裂き強力に優れた透湿防水性布帛および該透湿防水性布帛を用いてなる繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (11)

  1. 目付けが110g/m以下の透湿防水性布帛であって、
    マルチフィラメントを含む織物Aの片面に透湿防水層が積層され、さらにその上に、総繊度が25dtex以下のマルチフィラメントを含みかつリップストップ組織を有する織物Bが積層されてなることを特徴とする透湿防水性布帛。
  2. 前記織物Aに含まれる前記マルチフィラメントおよび/または前記織物Bに含まれる前記マルチフィラメントが仮撚捲縮加工糸である、請求項1に記載の透湿防水性布帛。
  3. 前記織物Aに含まれる前記マルチフィラメントおよび/または前記織物Bに含まれる前記マルチフィラメントがポリエステルからなる、請求項1または2に記載の透湿防水性布帛。
  4. 前記織物Aが平組織または綾組織またはマット組織またはこれらの組合せ組織を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の透湿防水性布帛。
  5. 前記織物Bにおいて、リップストップ組織の格子柄の大きさが20mm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の透湿防水性布帛。
  6. 前記織物Aおよび/または前記織物Bが、下記式により定義されるカバーファクターCFが400〜2500の織物である、請求項1〜5のいずれかに記載の透湿防水性布帛。
    CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
    [DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
  7. 前記織物Aおよび/または前記織物Bにシリコーン樹脂が付与されている、請求項1〜6のいずれかに記載の透湿防水性布帛。
  8. 前記織物Aおよび/または前記織物Bに撥水加工が施されてなる、請求項1〜7のいずれかに記載の透湿防水性布帛。
  9. 前記透湿防水層が、厚さ2〜30μmの透湿防水性ポリエステルフィルムを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の透湿防水性布帛。
  10. 透湿防水性布帛において、経方向および緯方向の引裂き強力がともに8N以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の透湿防水性布帛。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の透湿防水性布帛を用いてなる、スポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、テント、寝袋、防水シート、およびカーシートの群より選ばれるいずれかの繊維製品。
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