JP4896779B2 - 透湿防水性織物の製造方法および透湿防水性織物および繊維製品 - Google Patents

透湿防水性織物の製造方法および透湿防水性織物および繊維製品 Download PDF

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Description

本発明は、ソフトな風合いと優れた発色性を呈する、ノンコーティングタイプの透湿防水性織物の製造方法、および該製造方法により製造された透湿防水性織物、および該透湿防水性織物を用いてなる繊維製品に関する。
従来、スポーツ衣料やユニフォーム衣料に使用されている透湿防水性布帛として、織編物等の基布に多孔質または無孔質ポリウレタンをコーティングしたものや、ポリウレタン等の多孔質または無孔質樹脂性フィルムを接着剤によりラミネーションしたものなどが提案されている。多孔質樹脂性薄膜はその孔の大きさにより、また、無孔質樹脂性薄膜は孔が無く吸湿性物質を含有することにより親水性とすることで、雨やその他の水は通さず、湿気(水蒸気)は通すことにより透湿防水性を発現している。
これらの透湿防水性布帛では、織編物表面にポリウレタン等の樹脂コーティング、又は、フィルムラミネートされているために、風合いが硬くなり、さらに、製造コストが高くなるという問題があった(例えば、特許文献1参照)。
この問題を解決するために、繊維径が1000nm以下の超極細繊維を用いて織物を織成することにより、コーティングやフィルムラミネート等の加工を必要としない、ノンコーティングタイプの透湿防水性織物を得ることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、かかる透湿防水性織物では繊維径が細すぎるため、織物に染色加工を施しても染料が繊維内部に十分入らず発色性が不十分という問題があった。
なお、緯二重織物などの二層構造織物を用いて防水性織物を得ることは知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3718422号公報 特開2007−2364号公報 特開2001−348754号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ソフトな風合いと優れた発色性を呈する、ノンコーティングタイプの透湿防水性織物およびその製造方法および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、二層構造織物の表層(外気側)に単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントを配し、一方裏層(肌側)に繊維径が1000nm以下の超極細繊維を配すことにより、所望のソフトな風合いと優れた発色性を呈する、ノンコーティングタイプの透湿防水性織物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「表層用の繊維として単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントを用い、一方裏層用の繊維として島成分と海成分とからなり島成分の径が10〜1000nmである海島型複合繊維マルチフィラメントを少なくとも用いて二層構造織物を製織した後、前記の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することを特徴とする透湿防水性織物の製造方法。」が提供される。
その際、表層用の繊維として用いられるマルチフィラメントがポリエステルで形成されることが好ましい。また、前記の島成分がポリエステルで形成されることが好ましい。また、表層用の繊維として、単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントのみを用いることが好ましい。また、前記の二層構造織物が緯二重組織を有することが好ましい。
本発明の透湿防水性織物の製造方法において、海成分をアルカリ水溶液で溶解除去した後、さらに該二層構造織物に撥水加工を施すことが好ましい。また、二層構造織物に撥水加工を施した後、さらに裏層側表面にカレンダー加工を施すことが好ましい。
また、本発明によれば、前記の製造方法により得られた透湿防水性織物が提供される。かかる透湿防水性織物において、カバーファクターCFが2500〜5500の範囲内であることが好ましい。
また、前記の透湿防水性織物において、耐水圧が1000mmH 以上であることが好ましい。また、通気度が2cc/cm・sec以下であることが好ましい。また、透湿度が4000g/m/24h以上であることが好ましい。また、織物表面の撥水性が3級以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の透湿防水性織物を用いてなる、スポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、防水シート、カーシートの群より選ばれる繊維製品が提供される。
本発明によれば、優れた防水性能と透湿性能とを兼ね備え、ソフトな風合いと優れた発色性を呈する、ノンコーティングタイプの透湿防水性織物およびその製造方法および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の透湿防水性織物の製造方法において、表層(使用する際に外気側に位置する層)用の繊維として単糸繊維繊度が0.1dtex以上(好ましくは、0.25〜2.5dtex)のマルチフィラメントを用いる。該単糸繊維繊度が0.1dtexよりも小さいと、染色加工の際に染料が繊維内部に入りにくいため発色性が損われ好ましくない。また同時に、該単糸繊維繊度が0.1dtexよりも小さいと、織物の耐摩耗性も低下するおそれがある。逆に、該単糸繊維繊度が2.5dtexよりも大きいと、ソフトな風合いが得られないおそれがある。
前記マルチフィラメントの総繊度(単糸繊維繊度とフィラメント数との積)およびフィラメント数としては、ソフトな風合いを得る上でそれぞれ、総繊度20〜150dtex、単糸数22〜200本の範囲であることが好ましい。単糸繊維の断面形状には制限はなく、通常の円形断面のほかに三角、扁平、くびれ付扁平、十字形、六様形、あるいは中空形などの異型断面形状であってもよい。
前記マルチフィラメントの繊維形状としては、長繊維であれば特に限定はなく、通常の延伸糸、通常の仮撚捲縮加工が施された仮撚捲縮加工糸や、通常の空気加工が施された空気加工糸、さらには、2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸であってもよい。なかでも、ソフトな風合いを得る上で仮撚捲縮加工糸が好ましい。
前記マルチフィラメントの繊維種類としては、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維が好ましく、特にポリエステル繊維が好ましい。ポリエステル繊維はジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。該第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。かかるポリエステルとしては、ポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステル、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
繊維を形成する樹脂中には、必要に応じて、艶消し剤(二酸化チタン)、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上が含まれていてもよい。
本発明の透湿防水性織物の製造方法において、裏層(使用の際、肌側に位置する層)用の繊維として島成分と海成分とからなり島成分の径が10〜1000nmである海島型複合繊維マルチフィラメントとしては、特開2007−2364号公報に開示された海島型複合繊維マルチフィラメント(島数100〜1500)が好ましく用いられる。
すなわち、海成分ポリマーとしては、繊維形成性の良好なポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどが好ましい。例えば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、繊維形成性のポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどのポリエステルが好ましい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーからなる本発明の海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。かかる関係にある場合には、海成分の複合重量比率が40%未満と少なくなっても、島同士が接合したり、島成分の大部分が接合して海島型複合繊維とは異なるものになり難い。
次に、島成分の径は、10〜1000nmの範囲とする必要がある。その際、該径は長径と短径との平均を求める。該径が10nm未満の場合には繊維構造自身が不安定で物性や繊維形態が不安定で好ましくなく、一方、1000nmを越える場合には超極細繊維特有のソフトな風合いが得られず好ましくない。 前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。
前記の海島型複合繊維マルチフィラメントは、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、前記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとを用い溶融紡糸する。溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。吐出された海島型断面複合繊維マルチフィラメントは、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維とするか、あるいは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程をとおした後に巻き取る方法のいずれでも構わない。かかる海島型複合繊維マルチフィラメントにおいて、単糸繊維繊度、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれ単糸繊維繊度0.5〜10.0dtex、フィラメント数5〜75本、総繊30〜170dtexの範囲内であることが好ましい。
次いで、前記の単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントと、海島型複合繊維マルチフィラメントとを少なくとも用いて二層構造織物を製織する。その際、二層構造織物としては、緯糸のみが表層/裏層に二重になるように配列された緯二重織物、経糸のみが表層/裏層に二重になるように配列された経二重織物、経糸、緯糸とも表層/裏層に二重になるように配列された完全二重織物のいずれでもよいが、製織性の面から緯二重織物のほうが好ましい。かかる二層構造織物は1枚物の織物であることが好ましく、2枚の織物を貼り合せた二層構造織物では風合いが硬くなるおそれがある。
ここで、表層用の繊維として、単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントのみを用いることが好ましい。表層に海島型複合繊維マルチフィラメントが多く現れていると最終的に得られた透湿防水性繊維において、発色性が損われるおそれがある。一方、裏層用の繊維として、前記海島型複合繊維マルチフィラメントだけでなく単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントを用いても差しつかえない。また、裏層用の繊維として、前記海島型複合繊維マルチフィラメントと、単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントとをエアー混繊や複合仮撚などで複合糸としてもよい。その際、熱収縮率を互いに異ならせることは好ましいことである。
次いで、製織された二層構造織物にアルカリ水溶液を用いたアルカリ減量加工を施すことにより、前記海島型複合繊維マルチフィラメントの海成分を溶解除去する。海成分を溶解除去することにより、前記海島型複合繊維マルチフィラメントは、単繊維径が10〜1000nm、フィラメント数が島数と、前記海島型複合繊維マルチフィラメントのフィラメント数との積である超極細マルイフィラメントとなる。なお、除去方法は特に限定されず、海成分が完全に溶解除去し得る方法であればいずれの方法で行ってもよい。
かくして得られた透湿防水性織物に撥水加工を施すと織物の耐水圧がさらに向上し好ましい。その際、撥水加工は通常の撥水加工でよく、例えば、フッ素系、シリコン系、ワックス系などの撥水剤を用いた撥水加工が例示される。また、撥水剤をバインダー樹脂とともに織編物に付着させることが、撥水性の耐久性を高める上で好ましい。バインダー樹脂としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂などが例示される。
また、撥水剤とバインダー樹脂の織編物に対する付着量としては、各々樹脂固形分重量基準で、撥水剤0.01〜40g/m(より好ましくは1〜10g/m)、バインダー樹脂0.01〜40g/m(より好ましくは1〜10g/m)の範囲が適当である。撥水剤とバインダー樹脂とは、通常両者の配合組成物として織編物に付与される。その際、かかる配合組成物は水系、溶剤系のいずれで構成してもよいが、加工工程の作業環境上水系の方が好ましい。なお、溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、メチエチルケトン、酢酸エチルなどが例示される。この配合組成物には、エポキシ系などの架橋剤を併用してもよい。さらに、織編物に対する付着性を向上させる等の目的で適当な添加剤をさらに配合してもよい。
前記の撥水剤、または撥水剤とバインダー樹脂とを織編物に付着させる方法としては、例えば、パデング法、グラビアロール法、キスロール法、泡加工法、ロータリスクリーン捺染法、フラットスクリーン法、ローラー捺染法等が例示される。
撥水加工を施した透湿防水性織物にさらにカレンダー加工を施すと、織物の耐水圧がより一層向上し好ましい。その際、カレンダー加工の条件としては、温度140〜200℃、圧力350〜400N/cm程度が適当である。
さらに、本発明の透湿防水性織物の製造方法において、染色加工、起毛加工、吸湿吸水加工、制電加工、抗菌防臭加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の加工が適宜付加されていてもさしつかえない。
次に、本発明の透湿防水性織物は前記の製造方法により製造された、ノンコーティングタイプの透湿防水性織物である。かかる織物において、表層(使用の際に外気側に位置する層)には、単糸繊維繊度の大きいマルチフィラメントが配されているので優れた発色性を呈する。一方、裏層(使用の際に肌側に位置する層)には、単糸繊維繊度が10〜1000nmと超極細繊維が配されているので、優れた透湿防水性を呈する。また、かかる織物はノンコーティングタイプであるのでソフトな風合いを呈する。また同時に、織物がポリエステルで構成される場合はケミカルまたはマテリアルリサイクルが容易になる。
かかる透湿防水性織物において、織物のカバーファクターCFが2500〜5500の範囲内であることが好ましい。該カバーファクターCFが2500よりも小さいと十分な耐水圧が得られないおそれがある。逆に該カバーファクターCFが5500よりも大きいと製造が困難になるおそれがある。
ただし、織物のカバーファクターCFは下記のように算出するものとする。
緯二重織物のCF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf1/1.1)1/2×MWf1+(DWf2/1.1)1/2×MWf2
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWf1は表層の緯糸総繊度(dtex)、MWf1は表層の緯糸織密度(本/2.54cm)、DWf2は裏層の緯糸総繊度(dtex)、MWf2は裏層の緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
経二重織物のCF=(DWp1/1.1)1/2×MWp1+(DWp2/1.1)1/2×MWp2+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWp1は表層の経糸総繊度(dtex)、MWp1は表層の経糸織密度(本/2.54cm)、DWp2は裏層の経糸総繊度(dtex)、MWp2は裏層の経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)。]
完全二重織物のCF=(DWp1/1.1)1/2×MWp1+(DWp2/1.1)1/2×MWp2+(DWf1/1.1)1/2×MWf1+(DWf2/1.1)1/2×MWf2
[DWp1は表層の経糸総繊度(dtex)、MWp1は表層の経糸織密度(本/2.54cm)、DWp2は裏層の経糸総繊度(dtex)、MWp2は裏層の経糸織密度(本/2.54cm)、MWf1は表層の緯糸織密度(本/2.54cm)、DWf2は裏層の緯糸総繊度(dtex)、MWf2は裏層の緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
また、前記の織物において、耐水圧が1000mmH 以上(より好ましくは1500〜6000mmH )であることが好ましい。また、通気度が2cc/cm・sec以下(より好ましくは0.05〜1cc/cm・sec)であることが好ましい。また、透湿度が4000g/m/24h以上(好ましくは5000〜10000g/m/24h)であることが好ましい。また、織物表面の撥水性が3級以上(好ましくは5級)であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は、前記の透湿防水性織物を用いてなる、スポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、防水シート、カーシートの群より選ばれる繊維製品である。かかる繊維製品には前記の透湿防水性織物が含まれているので、優れた透湿防水性を呈するだけでなく、表層側が優れた発色性を呈し、また同時に裏層側がソフトな風合いを呈する。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<溶解速度>海・島ポリマーの各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1,000〜2,000m/分の紡糸速度で糸を巻き取りし、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、84dtex/24filのマルチフィラメントを作製した。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
<耐水圧>JIS L 1092 A法(低水圧法の静水圧法)に従って測定した。
<通気度>JIS L1096−8.27.1A法により測定した。
<撥水性>JIS L1092−6.2(スプレー法)により測定した。
<透湿度>JIS L 1099 A−1法に従って測定した。
<発色性>試験者3人により目視判定し、「発色性に優れる」「普通」「発色性に劣る」の3段階に評価した。
<風合い>試験者3人により風合いを官能検査し、「ソフトである」、「普通」、「硬い」の3段階に評価した。
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレートを用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=40:60、島数=500の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合延伸糸は50dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は520nmであった。
経糸としてポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸33dtex/36fil(帝人ファイバー(株)製)を用い、表面層の緯糸としてポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸33dtex/36fil(帝人ファイバー(株)製)、裏面層の緯糸として上記の海島型複合延伸糸は50dtex/10filを用いて図1に示す織組織(黒丸印のところに緯糸海島型複合延伸糸を配し、それ以外のところに緯糸ポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸33dtex/36filを配した。)により常法の製織により経密度169本/2.54cm、緯密度249本/2.54cmの生機を得た。
その後、15%のアルカリ減量を施した後、98℃で精錬を行い、130℃にて染色加工を行った。次いで、フッ素系撥水剤溶液にパッドし、ピックアップ率70%で搾液し、130℃で3分間乾燥後170℃で45秒間熱処理を行った後、裏面が金属ロールと接触するようにカレンダー加工を行い、経密度183本/2.54cm、緯密度266本/2.54cmの織物を得た。
得られた織物において、表面層の発色性も良く、裏面層の風合いもソフトなものであった。また、耐水圧1400mmHOで、透湿が6000g/m/24h、通気度0.2cc/cm・sec、撥水性が5級であり、非常に良いものであった。
次いで、該織物を用いて表面層が外気側に、裏面層が肌側になるようにスポーツウェア(ウインドブレーカー)を縫製し着用したところ、ソフトな風合いと優れた発色性を呈するものであった。
[比較例1]
実施例1において、裏面の緯糸をポリエチレンテレフタレート延伸糸56dtex/36filに変更すること以外は実施例1と同様に実施した。
得られた織物は、発色性も良く、風合いもソフトなものであったが、耐水圧が630mmHOで、透湿が6000g/m/24h、通気度1cc/cm・sec、撥水性が5級であり、耐水圧が低いものであった。
[比較例2]
実施例1において、経糸にポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸33dtex/36filを用い、緯糸に海島型複合延伸糸は50dtex/10filを用いて平組織にて製織し、経密度190本/2.54cm、緯密度120本/2.54cmの生機を得、次いで実施例1と同様の加工を行い、経密度211本/2.54cm、緯密度134本/2.54cmの平織物を得た以外は実施例1と同様に行った。
得られた織物は、耐水圧が1300mmHOで、透湿が7200g/m/24h、通気度0.4cc/cm・sec、撥水性が5級であったが、発色性の悪いものであった。
本発明によれば、ソフトな風合いと優れた発色性を呈する、ノンコーティングタイプの透湿防水性織物およびその製造方法および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明において、用いることのできる織組織図である。

Claims (14)

  1. 表層用の繊維として単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントを用い、一方裏層用の繊維として島成分と海成分とからなり島成分の径が10〜1000nmである海島型複合繊維マルチフィラメントを少なくとも用いて二層構造織物を製織した後、前記の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することを特徴とする透湿防水性織物の製造方法。
  2. 表層用の繊維として用いられるマルチフィラメントがポリエステルで形成される、請求項1に記載の透湿防水性織物の製造方法。
  3. 前記の島成分がポリエステルで形成される、請求項1または請求項2に記載の透湿防水性織物の製造方法。
  4. 表層用の繊維として、単糸繊維繊度が0.1dtex以上のマルチフィラメントのみを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の透湿防水性織物の製造方法。
  5. 前記の二層構造織物が緯二重組織を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の透湿防水性織物の製造方法。
  6. 海成分をアルカリ水溶液で溶解除去した後、さらに該二層構造織物に撥水加工を施す、請求項1〜5のいずれかに記載の透湿防水性織物の製造方法。
  7. 二層構造織物に撥水加工を施した後、さらに裏層側表面にカレンダー加工を施す、請求項1〜6のいずれかに記載の透湿防水性織物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られた透湿防水性織物。
  9. 織物のカバーファクターCFが2500〜5500の範囲内である、請求項8に記載の透湿防水性織物。
  10. 耐水圧が1000mmH 以上である、請求項8または請求項9に記載の透湿防水性織物。
  11. 通気度が2cc/cm・sec以下である、請求項8〜10のいずれかに記載の透湿防水性織物。
  12. 透湿度が4000g/m/24h以上である、請求項8〜11のいずれかに記載の透湿防水性織物。
  13. 織物表面の撥水性が3級以上である、請求項8〜12のいずれかに記載の透湿防水性織物。
  14. 請求項8〜13のいずれかに記載の透湿防水性織物を用いてなる、スポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、防水シート、カーシートの群より選ばれる繊維製品。
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