JP2003073956A - 清涼性及び柔軟性に優れた和紙織物の製織方法 - Google Patents

清涼性及び柔軟性に優れた和紙織物の製織方法

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slit tape
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Satoshi Yasui
聡 安井
Yuji Kozuka
勇治 古塚
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清涼性及び柔軟性に優れ、しかも低コスト化
が可能な和紙織物及びその製織方法を提供すること。 【解決手段】 経糸に疎水性又は親水性繊維からなる糸
条を使用し、一方緯糸には実質的に無撚の和紙スリット
テープをその少なくとも一部に使用することにより、織
機の筬打ち運動で和紙スリットテープを押し潰してその
断面形状を和紙が複層積層された重畳構造とした和紙織
物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清涼性及び柔軟性
に優れた和紙織物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙をテープ状にカットした後に撚
りをかけて紐状の紙糸となし、これを製編織した織編物
が知られている。これらは、紙の特徴である吸水性、吸
湿性、断熱性、肌触りの良さ等を活かして、衣料や生活
資材の分野で広く用いられている。しかしながら、紙は
引裂き、引張りに対する耐久性が不十分で、特に湿潤時
にその性能が大幅に低下するという欠点がある。これら
の欠点を補うため、例えば特開昭59−94636号公
報には、紙糸と他の繊維を引き揃えたり交撚する方法が
提案されている。また、特開昭64−68540号公報
や特開平8−60473号公報には、前記紙糸を緯糸又
は経糸のどちらか一方に用い、他の繊維を他方に用いた
交織織物が提案されている。
【0003】しかしながら、これらの紙糸は強力向上や
形状均一化のために撚糸されており、織物にした際の風
合いが硬くなるだけでなく、コストが上がるという問題
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされもので、その目的は、清涼性及び柔軟
性に優れ、しかも低コスト化が可能な和紙織物及びその
製織方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、「和紙織物を製織するに際し、経糸と
して疎水性又は親水性繊維からなる糸条を使用し、緯糸
として実質的に無撚の和紙スリットテープをその少なく
とも一部に使用する」ことにより達成できることが見出
された。
【0006】この際、和紙スリットテープの割合は緯糸
本数を基準として20〜100%の割合が好ましく、特
に疎水性又は親水性繊維からなる糸条と交互に使用する
ことが好ましく、また該和紙スリットテープの目付は8
〜30g/m2の範囲で、巾は1〜20mmの範囲が特
に好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明で用いられる和紙スリットテ
ープは、例えばパルプ製の紙をテープ状にカットしたも
のであり、原料パルプとしては繊維長の長いものが強度
の点から好ましく、例えばマツ等の針葉樹、マニラ麻等
の葉脈繊維、楮、三椏等の靭皮繊維が用いられる。
【0008】このようなパルプからなる紙は吸水した際
に強力が低下しやすいので、耐水剤により紙に耐水処理
を施すことが好ましい。耐水剤としては、特に限定する
必要はないが、例えばエポキシ化ポリアミド樹脂、アク
リル酸エステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエ
チレンイミン等の湿潤紙力増強剤、ポリアクリルアミド
樹脂、ポリビニルアルコール、デンプン、カルボキシメ
チルセルロース等の乾燥紙力増強剤が挙げられ、特にこ
れらの湿潤紙力増強剤と乾燥紙力増強剤を併用すること
が、耐水性及び耐洗濯性に優れ、毛羽立ちの生じ難い紙
糸が得られる点で好ましい。紙を耐水処理する方法は任
意で、例えば水中に分散させたパルプ分散液に所定量の
耐水剤を添加してから抄紙する方法、パルプを抄紙して
得られた紙に耐水剤を溶かした溶液を含浸させたり、塗
布する方法等を例示することができる。耐水剤の使用量
は少なすぎると耐水性向上効果が小さく、逆に多すぎる
と紙が硬くなりすぎて風合いが低下するので、紙1m2
当たり0.02〜0.30gの範囲が適当である。
【0009】和紙スリットテープの目付は、低くなりす
ぎると強度が不十分となり、逆に高くなりすぎると風合
が硬くなるので、8〜30g/m2の範囲、好ましくは
10〜20g/m2の範囲とする必要がある。また、和
紙スリットテープのテープ巾は、小さすぎるとスリット
の工程が困難になるだけでなく強度も不十分となり、一
方大きくなりすぎると風合が硬くなるので、1〜20m
mの範囲、好ましくは2〜10mmの範囲とする必要が
ある。
【0010】本発明で用いられる上記和紙スリットテー
プは、実質的に無撚であることが必要であるが、ここで
いう「実質的に無撚である」とは、糸を解舒する際に付
与される、いわゆる解舒撚りを除いて、糸形状や糸の曲
げ剛性に影響する20回/m以上の撚りを有していない
ことをいう。
【0011】本発明においては、製織する際に上記の実
質的に無撚の和紙スリットテープをその少なくとも一
部、好ましくは全緯糸本数を基準として20〜100%
の割合、特に好ましくは、該和紙スリットテープよりも
湿潤時の強度が高い疎水性又は親水性繊維からなる糸条
を交互に用いる必要がある。かくすることにより、製織
時の織機の筬打ち運動により無撚の和紙スリットテープ
は押し潰される結果、外観は撚糸された紙糸とほぼ同形
状を呈しつつも、該押し潰されたスリットテープはその
長手方向に垂直方向の断面形状が図1に示すような複層
積層されたランダムな重畳構造を形成し、撚糸された紙
糸と比較して極めて柔軟な風合を呈する織物が得られ
る。
【0012】本発明で用いられる経糸及び、和紙スリッ
トテープと併用される緯糸は、疎水性又は親水性繊維か
らなる糸条であれば任意であり、例えばポリアミド、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、
ポリウレタン、アセテート等の合成繊維又は半合成繊
維、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維からなる糸条を使用
することができる。これらの糸条の形態としては、紡績
糸、フィラメント糸、加工糸等いずれの形態でもよく、
また繊維の断面形状も丸断面、異型断面、中空部を有す
る断面等いずれでもよい。
【0013】本発明で使用される織機は特に限定する必
要はないが、緯糸に入れる和紙スリットテープの性質
(湿潤時に強度低下することや偏平であるため空気抵抗
が大きいこと)の点から、レピア織機がより好ましい。
【0014】織編物の密度は特に限定されず必要に応じ
て適宜設定可能であるが、50〜300g/m2の範囲
が適当であり、特に100〜200g/m2の範囲が好
ましい。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。なお、実施例中に記載した各物性値の評価方法は、
以下のとおりである。
【0016】(1)べとつき性 直径8cmの金属ローラーに長さ15cm、幅6cmの
布帛を載せ、一端をストレス・ストレイン・ゲージに取
り付け、布帛のもう一端に重さ10gのクリップを取り
付ける。次に金属ローラーを7cm/秒の表面速度で回
転させながら注射器で金属ローラーと布帛の間に0.5
cm3の水を注入し、この時布帛にかかる張力をストレ
ス・ストレイン・ゲージにて測定し、その最大値でべと
つき性を評価した。
【0017】(2)布帛の曲げ反発性 JIS規格L1096.8.20.3C法に基づき布帛
の緯方向の曲げ反発性を測定した。
【0018】(3)布帛引裂き強力 JIS規格L1096.8.15.5D法に基づき布帛
の緯方向の引裂き強さを測定した。また、その際乾燥時
と湿潤時でそれぞれ測定を行ったが、ここで湿潤時とは
試料を水中に浸漬し十分に吸水させた後、水中から引上
げ水滴が滴り落ちなくなった時のことである。
【0019】[実施例1]針葉樹パルプ600kgを水
15tに分散させ、エポキシ樹脂を含む耐水剤(商品
名:スミレーズレジン)3kgと、ポリアクリルアミド
樹脂を含む耐水剤(商品名:ハーマイドB−15)3k
gとを添加し、これを抄紙、乾燥して得られた目付け1
5g/m2の紙を巾5mmのテープ状に裁断し、得られ
たスリットテープを緯糸に使用し、150de/48f
ilのポリエステルマルチフィラメント(撚り数:S3
00回/m)を経糸に使用し、通常のレピア織機(津田
駒工業(株)製ERレピアルーム)により経140本/
インチ、緯24本/インチの織密度で平織物を製織し
た。得られた平織物の評価結果を表1に示す。
【0020】[実施例2]実施例1で使用したポリエス
テルマルチフィラメントを経糸に使用し、同じく実施例
1で使用した和紙スリットテープと実施例1で経糸に使
用したポリエステルマルチフィラメント糸を1:1の割
合で緯糸に使用し、経140本/インチ、緯47本/イ
ンチの織密度で平織物を製織した。得られた平織物の評
価結果を表1に示す。
【0021】[比較例1]実施例1で使用したポリエス
テルマルチフィラメントを経糸に使用し、同じく実施例
1で使用した和紙スリットテープを撚り数130回/m
で撚糸した和紙糸を緯糸に使用し、経140本/イン
チ、緯24本/インチの織密度で平織物を製織した。得
られた平織物の評価結果を表1に示す。
【0022】[比較例2]実施例1で使用したポリエス
テルマルチフィラメントを経糸、緯糸に使用し、経15
0本/インチ、緯150本/インチの織密度で平織物を
製織した。得られた平織物の評価結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上に説明した本発明の製織方法によれ
ば、従来の撚りが施された紙糸からなる織物と比較し
て、優れた清涼性及び柔軟性を兼ね備えた和紙織物を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製織した、織機の筬打ちにより押し
潰されたスリットテープの断面構造を示す概略図であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 和紙織物を製織するに際し、経糸として
    疎水性又は親水性繊維からなる糸条を使用し、緯糸とし
    て実質的に無撚の和紙スリットテープをその少なくとも
    一部に使用することを特徴とする清涼性及び柔軟性に優
    れた和紙織物の製織方法。
  2. 【請求項2】 和紙スリットテープの割合が、全緯糸本
    数に対して20〜100%である請求項1記載の清涼性
    及び柔軟性に優れた和紙織物の製織方法。
  3. 【請求項3】 緯糸として、実質的に無撚の和紙スリッ
    トテープと該スリットテープより湿潤時の強度が高い疎
    水性又は親水性繊維からなる糸条を交互に使用する請求
    項2に記載の清涼性及び柔軟性に優れた和紙織物の製織
    方法。
  4. 【請求項4】 和紙スリットテープの目付が8〜30g
    /m2で、巾が1〜20mmである請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の清涼性及び柔軟性に優れた和紙織物の
    製織方法。
  5. 【請求項5】 緯糸の少なくとも一部が和紙スリットテ
    ープで構成される和紙織物において、該和紙スリットテ
    ープが実質的に無撚であり、その断面形状は和紙が複層
    積層された重畳構造を有していることを特徴とする清涼
    性及び柔軟性に優れた和紙織物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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