JP2013209756A - 高密度織物、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】しなやかでドレープ性のある風合いを損なうことなく、ダウンプルーフ性に優れる高密度織物を提供する。
【解決手段】本発明の高密度織物は、溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸およびポリエステルフィラメントを含む高密度織物であって、該織物が溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を30質量%以上含有し、該織物のカバーファクターが30〜50であり、JIS−L0217 103法に従って洗濯1回を行った後にJIS L1096.8.27.1A法に従って測定された通気度が3cc/cm/sec以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、高密度織物、およびその製造方法に関する。
溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸は、しなやかでドレープ性に富む織物が得られる観点から、幅広く適用されている。溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸が用いられた織物は、ブラウスやアウターなどの婦人向け衣料や、寝具用側地などの用途を中心に、多用されている。
しかしながら、溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸が用いられた織物はダウンプルーフ性に劣るものであり、繰り返して洗濯をほどこすと通気度が高くなってしまう。そのため、このような織物を羽毛布団用側地やダウンジャケットなどに使用した場合、繰り返して洗濯をほどこすことにより、該織物からの羽毛の噴出しが発生するという問題があった。
特許文献1には、セルロース繊維をアルカリ金属水酸化物水溶液で処理し、水洗後に疎水性加工剤で処理することにより、セルロース繊維が本来有している吸水性などを損なうことなく、セルロース繊維の膨潤度を抑制し寸法安定性を向上させるという技術が記載されている。
特許文献2には、溶剤紡糸セルロース繊維を含有する布帛の一方の面に、繊維素反応型樹脂とエマルジョン糊とを含む樹脂糊液を塗布し、次いで乾燥、熱処理をほどこし、その後に揉布処理するという技術が記載されている。
特許文献1によれば、膨潤度が抑制されているため、洗濯による寸法変化が少なくなり、ダウンプルーフ性に優れるセルロース繊維を得ることができる。また、特許文献2においては、セルロース布帛表面がコーティングされているため、洗濯による通気度の低下が抑制されており、つまりダウンプルーフ性に優れるセルロース布帛が得られている。そのため、特許文献1にて得られる繊維からなる織物や、特許文献2に記載された布帛を羽毛布団用側地やダウンジャケットなどに使用した場合は、該布帛からの羽毛の噴出しが抑制されていると思われる。
特開2003−342875号公報 特開2007−277766号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたセルロース繊維からなる織物は、該セルロース繊維が改質されているため、強度が低下し、実用耐久性に劣るという問題がある。また、特許文献2にて開示された技術が適用された織物は、織物表面がコーティングされているため、溶剤紡糸セルロース繊維に起因するしなやかな風合いが損なわれており、つまりドレープ性に劣るという問題がある。さらに、ダウンプルーフ性がいまだ不十分である。
したがって、本発明は、上記のような従来技術の問題を解決し、しなやかでドレープ性のある風合いを損なうことなく、ダウンプルーフ性に優れる高密度織物を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の内容を要旨とするものである。
(1)溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸およびポリエステルフィラメントを含む高密度織物であって、該織物が溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を30質量%以上含有し、該織物のカバーファクターが30〜50であり、JIS−L0217 103法に従って洗濯1回を行った後にJIS L1096.8.27.1A法に従って測定された通気度が3cc/cm/sec以下であることを特徴とする高密度織物。
(2)溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を60質量%以上含有することを特徴とする(1)の高密度織物。
(3)(1)又は(2)の高密度織物の製造方法であって、溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を30質量%以上含み、且つ熱水収縮率が15〜40%であるポリエステルフィラメントを含む織物を得、次いで、該織物を熱水収縮処理に付することによりカバーファクターが30〜50である織物とすることを特徴とする高密度織物の製造方法。
本発明の高密度織物は、溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を30質量%以上含有し、かつセルロース繊維を改質することなく含んでおり、またその表面が加工剤などでコーティングされていないため、しなやかでドレープ性に富むものである。さらに、本発明においては、特定のポリエステルフィラメントを含み、かつ、特定範囲のカバーファクターを有する織物であるため、洗濯後においても、通気度が低く維持され、ダウンプルーフ性に優れた高密度織物を得ることができる。また、ポリエステルを主成分とするフィラメントを用いているため、他のフィラメントを用いた場合と比較すると、洗濯時の水分の影響による寸法変化が極めて少ない織物を得ることができる。そのため、ダウンプルーフ性を必要とする用途、例えば、羽毛布団用側地やダウンジャケットなどの用途に適用された場合において、洗濯による羽毛の噴出しを抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高密度織物(以下、単に「織物」と称する場合がある)は、溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を30質量%以上含有し、さらにポリエステルフィラメントを含んでなるものである。
溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸(以下、「溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸」と称する場合がある)について、以下に述べる。
溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸は、リヨセルなどの溶剤紡糸セルロース繊維を主成分として含む紡績糸である。溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸を用いることにより、ドレープ性のあるしなやかな風合いが発現された織物を得ることが可能となる。
溶剤紡糸セルロース繊維とは、パルプを原料とし、このパルプを溶解しえる溶剤(例えば、N−メチルモルフォリン−N−オキサイド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピペリジン−N−オキサイド、ジメチルアセトアミドなどの溶剤)に溶解させ、濾過して不純物を除去した後、乾式紡糸方法または湿式紡糸方法により紡糸することで得られる繊維である。この溶剤紡糸セルロース繊維を紡績することで、本発明に用いられる溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸となる。
溶剤紡糸セルロース繊維は、糸ムラがなく安定した紡績が可能である観点、および該繊維を含有する紡績糸から得られた織物の風合いが良好となる観点から、適度な長さにカッテイングされた短繊維糸条で用いられてもよい。このような短繊維糸条としては、たとえば、繊度1〜4デシテックス、繊維長30〜60mmのステープル繊維などが挙げられる。
溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸は、溶剤紡糸セルロース繊維のみから構成される紡績糸であってもよい。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、溶剤紡糸セルロース繊維以外の繊維(他の繊維)と混紡された紡績糸であってもよい。なお、本発明においては、溶剤紡糸セルロース繊維は、本発明の織物の風合いを良好とする観点から、この紡績糸全質量に対し30質量%以上含有されることが好ましく、60質量%以上含有されることがより好ましい。
他の繊維としては、レーヨン、キュプラ、ポリノジックなどの再生セルロース繊維;および綿、麻、絹、ウールなどの天然繊維;ナイロン6やナイロン66などのポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリウレタンなどの合成繊維などが挙げられる。
溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸の綿番手は、特に限定されるものではなく、30〜240番手が好ましく、60〜120番手がより好ましい。
本発明の高密度織物において、溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸の混用率(含有率)は、織物全体に対して、30質量%以上であることが必要であり、40質量%が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が特に好ましい。混用率が30質量%未満であると、ドレープ性に劣る場合がある。なお、該混用率の上限は、特に限定されるものではないが、溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸の混用率が70質量%を超えるとダウンプルーフ性に劣る場合がある。
ポリエステルフィラメントについて以下に述べる。
本発明においては、ポリエステルフィラメントを用いているため、洗濯時の水分の影響による寸法変化が極めて少ない織物を得ることができる。その結果、水分に起因する織目の緩みが低減され、洗濯後のダウンプルーフ性に優れた織物とすることができる。
ポリエステルフィラメントとしては、特に限定されず、従来公知の種々のポリエステルを主成分とするフィラメントが用いられる。なかでも、熱水収縮性が大きく、織物を製織した後に熱水収縮処理を施すことにより高密度化しやすいとの観点から、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸を共重合したポリエステル、または、ポリエチレンテレフタレートとビスフェノールを共重合したポリエステルからなるフィラメントを用いるのが好ましい。なお、「ポリエステルを主成分とする」とは、フィラメントを構成する成分全量に対して、ポリエステル成分が70モル%以上であることをいう。
ポリエステルフィラメントには、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、艶消し剤、難燃剤、抗酸化剤などの各種の添加剤が含有されていてもよい。
ポリエステルフィラメントの断面形状については、特に限定されず、丸断面であってもよいし、偏平、三角、十字、多葉、中空、井型などの異型断面であってもよい。
ポリエステルフィラメントの繊度は、該織物の良好な風合いおよび洗濯後のダウンプルーフ性の観点から、22〜167デシテックスが好ましく、33〜110デシテックスがより好ましい。
ポリエステルフィラメントを構成する単繊維の繊度は、該織物の良好な風合いの観点から、0.3〜10デシテックスが好ましく、0.5〜7デシテックスがより好ましい。
本発明の高密度織物において、ポリエステルフィラメントの混用率は、織物全体に対して、30〜70質量%であることが好ましく、45〜60質量%であることがより好ましい。ポリエステルフィラメントの混用率が30質量%未満であると、得られる織物において収縮が十分におこなわれない場合がある。その結果、洗濯がほどこされた後の織物において織目が緩んでしまい、ダウンプルーフ性が低下する傾向となる。一方、70質量%を超えると、溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸に由来する風合いが損なわれる場合があり、また、ポリエステルフィラメントが多すぎて収縮が過度となり、シワなどが発生するため、得られる織物にシボやシワが発生し、表面品位が低下する場合がある。
本発明の高密度織物においては、前述の溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸およびポリエステルフィラメントが、織物における経糸または緯糸のいずれかに用いられていてもよいし、経糸および緯糸のいずれにも用いられていてもよい。あるいは、両者を交撚、混紡、混繊した後に、織物を構成してもよい。
また、本発明の高密度織物は、カバーファクター(CF)が30〜50であることが必要であり、40〜50であることが好ましい。カバーファクターが30未満になると目的とするダウンプルーフ性が得られにくい場合がある。また、カバーファクターが50を超えると、通気度の低下が飽和するとともに、ドレープ性などの風合いが硬くなってしまい、加えて、シワが発生する場合がある。
ここでいうカバーファクターとは、JIS L1096.8.6.1にしたがって織密度(織物の2.54cmあたりの経糸本数、織物の2.54cmあたりの緯糸本数)を測定した後、下記式(1)に該測定値を代入し、算出した値である。
CF=X/D11/2+Y/D21/2 (1)
なお、上記式中、略語は以下のものを示す。
X:織物の2.54cmあたりの経糸本数
Y:織物の2.54cmあたりの緯糸本数
D1:経糸の繊度(綿番手)
D2:緯糸の繊度(綿番手)
なお、上記式において、繊度の単位がデシテックスの場合は、下記式(2)より、デシテックスを番手へ換算して用いる。
(綿番手)=5846.4/(デシテックス) (2)
本発明においては、ダウンプルーフ性を示す指標として、通気度が用いられる。本発明の高密度織物においては、家庭洗濯が1回ほどこされた後において、JIS L1096.8.27.1A法(フラジール法)にしたがって測定された通気度が、3cc/cm/sec以下であることが必要であり、2.0cc/cm/sec以下であることがより好ましい。本発明においては、この通気度が3cc/cm/secを超えると、ダウンプルーフ性に劣るものと判断され、ダウンプルーフ性を必要とする羽毛布団用側地やダウンジャケットなどの用途に使用した場合、洗濯による羽毛の噴出しが多くなる。ここで、家庭洗濯とは、JIS−L0217 103法に準拠した洗濯方法である。
本発明の高密度織物においては、後述するように特定のポリエステルフィラメントを含み、かつ該ポリエステルフィラメントが収縮された状態となっているため、JIS−L0217 103法による洗濯(つまり、通常の家庭用洗濯)がほどこされた後においても、ダウンプルーフ性に優れた織物とすることができる。
本発明の高密度織物の製造方法は、以下の通りである。
すなわち、公知の織機を用い、上述のような溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸および熱水収縮率が15〜40%であるポリエステルフィラメントを含む織物を製織する。次いで、この織物に対して熱水による収縮処理(熱水収縮処理)おこなうことで、カバーファクターが30〜50である本発明の高密度織物が得られる。なお、製織する際の織組織としては、特に限定されず、平織、綾織などの通常のものが挙げられる。
なお、本発明において熱水収縮処理とは、熱水中に所定時間浸漬することで収縮させる処理をいう。
本発明の織物の製造方法に用いられるポリエステルフィラメントは、染色加工などにより施される熱水収縮処理による収縮率が通常のポリエステルフィラメントよりも大きいものを用いることが必要である。つまり、熱水収縮率が15〜40%であるポリエステルフィラメントを用いることが必要であり、20〜35%であるポリエステルフィラメントを用いることが好ましい。ポリエステルフィラメントの熱水収縮率が15%未満であると、得られる織物の収縮が不十分となり、織目の密度が十分に高くならない。その結果、洗濯がほどこされた後の織物において、ダウンプルーフ性が低下する。逆に、熱水収縮率が40%を超えると収縮が過度となるため、得られる織物にシボやシワが発生し、表面品位が低下する。
本発明において、熱水収縮率の測定方法は以下のとおりである。すなわち、ポリエステルフィラメントの一端を固定し、もう一方の端に0.1g/dtexの初荷重(引張荷重)を与え、このフィラメントの長さ500mmを正確に測定する。初荷重をはずし、熱水中に30分間浸漬した後に取り出す。その後、布などで軽く水を切り、水平状態で自然乾燥させた後、前記初荷重を与えて熱水収縮処理後のフィラメントの長さLmmを測定する。そして下記式により、熱水収縮率(%)を算出する。
(収縮率)(%)=〔(熱水収縮処理前のポリエステルフィラメントの長さ(500mm)−熱水収縮処理後のポリエステルフィラメントの長さ(Lmm))/熱水収縮処理前のポリエステルフィラメントの長さ(500mm)〕×100
以上の測定を各10回行い、その平均値を本発明における熱水収縮率(%)とする。
通常、織物に洗濯をほどこすと、織物を構成する繊維の寸法が変化し該繊維が伸びたり、膨潤したりして、織物の微細な構造が崩れてしまっていた。それにより、織目が開きダウンプルーフ性が低下してしまうという問題があった。しかしながら、本発明の織物は、洗濯による寸法変化が低減されるという特性を有するポリエステルを用いたフィラメントを含み、かつ高度に収縮された状態のポリエステルフィラメントを含むため、洗濯がほどこされても織目が開かず(つまり、織目が緩まず)、つまり、ダウンプルーフ性に優れるものとなる。
すなわち、本発明の高密度織物の製造方法においては、溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸と、熱水収縮率が15〜40%であるポリエステルフィラメントとを併用し、かつ、熱水収縮処理がなされているものであるため、洗濯後のダウンプルーフ性とドレープ性とを両立する高密度織物を製造することができる。
熱水による収縮処理は、通常、100℃程度で10〜30分程度おこなわれることが好ましい。一般的に、織物に対する染色加工は熱水によりほどこされる。そのため、通常の染色加工に付することで、熱水による収縮処理が同時にほどこされてもよい。染色加工に際し、精練、ファイナルセットなどの加工が施されてもよい。また、染色後に、カレンダー処理などの後処理が施されていてもよい。
本発明の高密度織物は、内側に羽毛を封入して使用する羽毛布団用側地やダウンジャケットなど、ダウンプルーフ性が必要とされる用途に好適に用いられる。
以下、本発明を、実施例によりさらに具体的に説明する。
なお、実施例および比較例にて得られた織物の各評価方法は、以下の通りである。
(1)熱水収縮率
前記した方法により、熱水収縮率を測定した。
(2)カバーファクター
前記した方法により、カバーファクターを測定した。
(3)通気度(ダウンプルーフ性)
JIS−L0217 103法に従って洗濯1回を行った後、JIS L1096.8.27.1A法(フラジール法)に従って測定した。
(4)風合い(ドレープ性)
触感による官能試験を実施し、以下の基準で評価した。
○:ドレープ性、しなやかさに優れる。
△:ドレープ性、しなやかさが普通である。
×:ドレープ性、しなやかさに劣っている。
(5)外観評価
目視による外観試験を実施し、以下の基準で評価した。
○:全くシワがない。
△:ややシワがある。
×:多くのシワがある。
(実施例1)
経糸として溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸(レンチングリヨセル)100番手を用い、緯糸としてポリエステルフィラメント[42デシテックス/72フィラメント(139.2番手相当)、熱水収縮率:25%](表1においては、「PETフィラメント」と記載)を使用し、朱子織物(経糸密度:250本/2.54cm、緯糸密度:203本/2.54cm)を作製した。ポリエステルフィラメントを構成する成分は、ポリエチレンテレフタレートおよびイソフタル酸が、ポリエチレンテレフタレート/イソフタル酸=90/10(モル比)の割合で共重合された共重合体であった。
製織した生機を、通常の方法にて、糊抜きおよび精練加工をした後、熱水中で通常の染色をほどこした。そして、130℃で乾燥を行い、160℃で1分間のファイナルセットを行った。次いで、160℃でカレンダー処理をおこなって、本発明の高密度織物を得た。得られた織物の密度は、経糸密度290本/2.54cm、緯糸密度210本/2.54cmであった。
(実施例2)
経糸および緯糸として溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸(レンチングリヨセル)100番手と、実施例1と同様のポリエステルフィラメント(42デシテックス/72フィラメント(139.2番手相当)、熱水収縮率:25%)の合撚糸を使用した。それ以外は実施例1と同様にして、朱子織物(経糸密度:190本/2.54cm、緯糸密度:130本/2.54cm)を得た。得られた織物の密度は経糸密度210本/2.54cm、緯糸密度135本/2.54cmであった。
(比較例1)
緯糸を熱水収縮率10%のポリエステルフィラメント[44デシテックス/48フィラメント(132.9番手相当)]に変更する以外は、実施例1と同様にして織物を得た。得られた織物の密度は経糸密度250本/2.54cm、緯糸密度211本/2.54cmであった。
(比較例2)
緯糸を熱水収縮率45%のポリエステルフィラメント[42デシテックス/72フィラメント(139.2番手相当)]に変更する以外は、実施例1と同様にして織物を得た。得られた織物の密度は経糸密度325本/2.54cm、緯糸密度208本/2.54cmであった。
(比較例3)
経糸を熱水収縮率25%のポリエステルフィラメント[42デシテックス/72フィラメント(139.2番手相当)]に変更し、さらに、経糸密度295本/2.54cmに変更する以外は、実施例1と同様にして織物を得た。得られた織物の密度は経糸密度288本/2.54cm、緯糸密度235本/2.54cmであった。
(比較例4)
経糸を熱水収縮率25%のポリエステルフィラメント[42デシテックス/72フィラメント(139.2番手相当)]に変更し、さらに経糸密度を295本/2.54cmに変更する以外は、実施例2と同様にして織物を得た。得られた織物の密度は経糸密度295本/2.54cm、緯糸密度130本/2.54cmであった。
実施例1〜2および比較例1〜4で得られた織物の評価結果を表1に示す。
Figure 2013209756
表1から明らかなように、実施例1および2で得られた本発明の高密度織物は、洗濯1回後の通気度が3cc/cm/sec以下であり、ダウンプルーフ性に優れるものであった。さらに、ドレープ性にも優れ、外観も良好なものであった。
特に、実施例1においては、カバーファクターが好ましい範囲である織物が得られていたため、通気度がより低く維持され、つまり、ダウンプルーフ性により優れるものであった。
比較例1で得られた織物は、熱水収縮率が10%と低いポリエステルフィラメントが用いられたため、初期および洗濯後の通気度が高く、つまり、ダウンプルーフ性に劣るものであった。
比較例2で得られた織物は、熱水収縮率が45%と大きいポリエステルフィラメントが用いられたため、得られた織物にシワが発生し、表面品位の観点から、実使用が不可能であった。さらに、織物表面に発生した凹凸の影響により、正常な通気度を測定することができなかった。
比較例3で得られた織物は、溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸が用いられていなかったため、ドレープ性に劣るものであった。
比較例4で得られた織物は、溶剤紡糸セルロース繊維紡績糸の含有率が本発明に規定された範囲未満であったため、ドレープ性に劣るものであった。

Claims (3)

  1. 溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸およびポリエステルフィラメントを含む高密度織物であって、該織物が溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を30質量%以上含有し、該織物のカバーファクターが30〜50であり、JIS−L0217 103法に従って洗濯1回を行った後にJIS L1096.8.27.1A法に従って測定された通気度が3cc/cm/sec以下であることを特徴とする高密度織物。
  2. 溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を60質量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の高密度織物。
  3. 請求項1又は2記載の高密度織物の製造方法であって、溶剤紡糸セルロース繊維からなる紡績糸を30質量%以上含み、且つ熱水収縮率が15〜40%であるポリエステルフィラメントを含む織物を得、次いで、該織物を熱水収縮処理に付することによりカバーファクターが30〜50である織物とすることを特徴とする高密度織物の製造方法。
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