JP2629038B2 - ビス(3,5―ジオキソピペラジニル)アルカンまたはアルケンを製造する方法 - Google Patents
ビス(3,5―ジオキソピペラジニル)アルカンまたはアルケンを製造する方法Info
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Description
る。
り選択されるかまたはR1およびR2はいっしょになってエ
チレンを形成する。) さらに詳細には、本発明は(S)(+)−1,2−ビス
(3,5−ジオキソピペラジニル)プロパンおよび(R)
(−)−1,2−イス(3,5−ジオキソピペラジニル)プロ
パンを形成する新規方法に関する。
ル)プロパンはクレイトンのアメリカ特許第3,941,790
号および第4,275,063号に記載されている。この化合物
は腫瘍および他の型の癌に対する活性を示し、他の抗癌
剤と組合せて相乗効果を有するものとして公知である。
特に、この化合物は、肉腫、リンパ性肉腫および白血病
に対する活性を示し、アドリアマイシンと組合せて投与
した場合特に効果的であることがわかった。
して知られている。クレイトンの上記特許には2つの方
法に開示されている。1つは(S)−1,2−ジアミノプ
ロパンをクロル酢酸と反応させて(S)−1,2−ジアミ
ノプロパン四酢酸を形成することである。四酢酸を窒素
下高温でホルムアミドと反応させて式(I)の化合物を
得た。もう1つの方法は上述の製造し、アンモニアとの
反応によりテトラアミドに変換し、生成物を環化するこ
とからなる。
ヒドおよびシアン化水素と反応させてテトラニトリルを
得、これをケン化することからなるもう1つの四酢酸の
製造方法に開示している。バースワースらの米国特許第
2,461,519号は、1,2−ジアミノプロパンをホルムアミド
およびシアン化ナトリウムとアルカリ性pHで反応させる
ことによって1,2−ジアミノプロパン四カルボン酸を製
造する方法を教示している。
クレイトンの第一の方法におけるジアミンとクロル酢酸
との反応は長時間必要で四酢酸の分離が困難である。収
率は比較的低い。クレイトンの第二の方法も収率が限ら
れる。リン(Lin),Y.Tら、Radiopharm. 1762 12(4)
592はホルムアルデヒドとシアン化ナトリウムをうまく
使って1,2−プロパンジアミン四酢酸を形成することを
試みた。
で式(I)の化合物を製造する新規な方法に関する。さ
らに、中間体の単離は必要ない。
(3,5−ジオキソピペラジニル)プロパンと(R)
(−)−1,2−ビス(3,5−ジオキソピペラジニル)プロ
パンの製造に関する。
0〜2のpHで反応させて式(III)のテトラニトリルを
生成し; (NCCH2)2N−CHR1−CHR2−N(CH2CN)2 (III) このテトラニトリルを水和して式(IV)のテトラアミド
の酸付加塩を得;式 (H2NOCCH2)2N−CHR1−CHR2 −N(CH2CONH2)2・2HX (IV) (式中、R1とR2は式(I)で定義したとおりであり;Xは
酸アニオンである。) のテトラアミドの酸付加塩を得; このテトラアミドの酸付加塩を環化して式(I)の化
合物を得ることからなる。
酸付加塩(たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩
など)の水溶液をつくり、該水溶液をホルムアルデヒド
と硫酸などの酸の溶液と混合してpHを調整する。ニトリ
ル化反応のpHが重要であることがわかった。すなわち、
pHは約0〜2でなければならない。pHがこれより高いと
収率は低くなる。この混合物に、シアン化カリウムのよ
うなシアン化ナトリウムまたは他のアルカリ金属シアン
化物の溶液をpHを0〜2に維持しながらゆっくり加え
た。
に使われる。たとえば、ジアミン1モル当り約4.25モル
のホルムアルデヒドが使用される。各反応体の濃度は重
要ではない。反応は約35〜40℃の温度で行うのが好まし
く、収率が最高となる。濃度と所望の収率を含む反応条
件に依って、反応は完了するのに数時間かかる。上記テ
トラニトリルは二塩化メチレンによる抽出によって容易
に回収される。
とは、テトラニトリルのたとえば二塩化メチレン溶液を
酸溶液に滴加することによって達成される。適当な酸
は、HCl,HBr,HFおよびH2SO4のような鉱酸の約30〜90%
の濃度の溶液である。酸溶液はテトラニトリルの添加を
開始する前に0℃に冷却するのが好ましい。ニトリルの
添加後、温度を徐々に20℃に上昇せしめた。次いでアセ
トンまたはエタノールのような非溶媒を加えてテトラア
ミドを溶液から沈澱させた。
低温(たとえば140−145℃)で行なわれると特に目的化
合物の収率が低下することがわかった。水を除き収率を
改善する1つの手段は塩化メチレンのような不活性溶媒
中塩化チオニルの添加である。得られた懸濁液を直接環
化反応に付すことができる。テトラアミドから水を除去
するあまり感心しない方法は、99%エタノールをテトラ
アミドに添加し共沸により水を除去することである。塩
化チオニルによる方法は例4に記載されている。
て(約140〜170℃)ピペラジニル環を環形成するのが好
ましい。遊離塩基の代りにテトラアミドの酸付加塩を反
応させると収率が改善され反応に必要な温度を低下せし
める点で特に有利である。好適酸付加塩は、塩酸塩であ
る。この塩を加熱すると、当該クロリドは開環して遊離
したアンモニアと反応して塩化アンモニウムを生成し、
反応の平衡をピペラジニル化合物の形成に都合よい方向
へシフトさせる。
に非常によく溶け、該フェノールは反応を触媒するに充
分酸性であるので上記環化反応には好適な溶媒である。
このフェノールは高沸点でもある。これらの特徴を有す
る他の溶媒も使用できる。
らに限定されない。
リルの製造 1800mlの水中で442gの(S)−プロパンシアミン・2H
Clを混合して調製された溶液に、540gの96%硫酸および
ホルムアルデヒドの40%水溶液1200ml、1800mlの水中79
5gのNaCNの溶液を4時間かけてゆっくり加えた。反応は
わずかに発熱反応であって、外部を冷却することにより
温度を34−36℃に維持した。このシアン化ナトリウム溶
液の3分の2を加えた後、テトラニトリルは油状物とし
て分離し始めた。添加終了時に、反応物をさらに5時間
37−39℃で加熱した。25℃に冷却後、生成物をCH2Cl2で
数回抽出した。抽出物をいっしょにして1NHClで洗い着
色された不純物を除去し、溶媒を真空蒸発させてテトラ
ニトリル625gを粘稠な黄色油状物として得た。収率は
(S)−プロパンジアミン・2HClについては90%であっ
た。▲〔α〕25 D▼=31.6゜(c=1;CH2Cl2) 例2 (S)−N,N,N′,N′−テトラカルボキサミドメチル−
1,2−ジアミノプロパン二塩酸塩の製造 例1で得られた、1リットルのCH2Cl2中300gのテトラ
ニトリルの溶液を12時間かけて1200mlの37%HCl水溶液
に滴加し、外部を冷却して0℃とした。溶液の温度を次
いで3時間かけて20℃に上昇させた。反応物を一晩20℃
で撹拌した。無色有機総を分離した。水性層を、よく撹
拌しつつアセトン4に滴加した。沈澱が生じ、これを
過しアセトンで徹底的に洗った。これを次の段階に使
用するかまたは任意に50℃で真空下に乾燥して485gの表
題化合物をわずかに黄色の固体として得た。
ル)プロパンの製造 ゆっくりしたアルゴン流下に90℃の油浴中で加温した
フェノール250gに、例3で得られたアセトン中2000gの
生成物(乾燥含量565g)を20分かけて添加した。温度を
1.5時間かけて160℃に徐々に上昇させながらアセトンを
留去した。1時間160−170℃で加熱後、油浴をとりはず
し、反応物を120−130℃に冷却した。生成したNH4Clを
過し、フェノール溶液を3のエチルアルコールで希
釈した。これを15℃に冷却すると、結晶生成物が分離
し、これを過し、エタノールで洗い、乾燥して244gの
白色生成物を得た(例1で得られたテトラニトリルを出
発化合物として使用して計算した場合の収率60%)。融
点189−191℃。ジオキサンより再結晶して目的化合物を
得た。融点191−192℃、▲〔α〕120 D▼=+40゜(c=
0.5 pH6.7の緩衝液) 例4 S−ビス(3,5−ジオキソピペラジニル−1−イル)プ
ロパン製造の変法 例2で得られたテトラアミド(水分9.5%を含む遊離
テトラアミドの55%)試料(50g)を18.5mlの塩化チオ
ニルを含む100ml塩化メチレンと30−35℃で45分間撹拌
し、溶融フェノール200gに添加した。この混合物を140
℃に加熱し、この温度を2時間維持して塩化メチレンを
蒸発させた。加熱を6時間140℃で続け、21.5gの粗生成
物(テトラアミドにもとづく収率87%)が得られた。同
時に並行して、塩化チオニルおよび塩化メチレン処理を
せず実験を進めたものでは、165℃で収率71%,140℃で
は収率62%であった。
塩)の製造 約300Kgの水と約180KgのD(−)酒石酸を760ガラ
ス裏打ち容器に入れた。混合物を撹拌し、いそいで約58
KgのDL−1,2−ジアミノプロパンを加えた。反応は発熱
反応なので温度は約65℃まで上昇するであろう。混合物
を撹拌しつづけ80−85℃に加熱して均一にした。これを
約16時間かけてゆっくりと約5℃に冷却した。(S)−
1,2−ジアミノプロパンビス(D−二酒石酸塩)が析出
した。スラリーを遠心分離し、母液をすてた。固体を上
記760ガラス裏打ち反応器にもどした。
ノプロパンビス(D−二酒石酸塩)が完全に溶解するま
で混合物を撹拌し80−85℃に加熱した。溶液を約16時間
かけてゆっくりと約5℃に冷却した。スラリーを遠心分
離して結晶化した(S)−1,2−ジアミノプロパンビス
(D−二酒石酸塩)を分離した。母液をすて、固体
(S)−1,2−ジアミノプロパンビス(D−二酒石酸
塩)を真空トレイドライヤー中約60℃で乾燥した。(収
量約140Kg,収率95%) 例6 (S)−1,2−ジアミノプロパン二塩酸塩の製造 約700のメタノールおよび約140Kgの(S)−1,2−
ジアミノプロパンビス(D−二酒石酸塩)を760ガラ
ス裏打ち反応器に入れた。混合物を撹拌し、次いですば
やく約69Kgの塩化水素ガスを加えた。(反応温度は約60
℃に上昇し、混合物は均一となる。)混合を続け、ゆっ
くりと約20℃に冷却する。(S)−1,2−ジアミノプロ
パン二塩酸塩が結晶し始めた。反応混合物を約20℃で2
−16時間撹拌し、固体を遠心分離して除去した。固体を
メタノールで洗い、次いで約60℃で真空トレイドライヤ
ーで乾燥した。(収量約26Kg、収率47%) 例7 (S)−1,2−プロピレンジニトリロテトラアセトニト
リルの製造 脱塩水40Kgを200のガラス容器に入れた。これを窒
素でパージした。撹拌し外部から冷却しながら12.2Kgの
硫酸(96%)をゆっくり加えた。この溶液を25℃に冷却
し、次いで10Kgの(S)−1,2−ジアミノプロパン二塩
酸塩と26.1Kgのホルムアルデヒド溶液(40%)を加え
た。4時間かけて40の脱ミネラル水中18Kgのシアン化
ナトリウムの溶液にゆっくり加えた。反応混合物を35−
40℃に保持した。上記シアン化物約3分の2を添加した
後テトラニトリルは油状物として分離し始めた。この混
合物を、TLC分析がテトラニトリルの存在に由来する1
つのスポットのみを示すまで約5〜8時間加熱しつづけ
た。
ラニトリルを各々36Kg,18Kg,18Kgの塩化メチレンで3回
抽出した。抽出物をいっしょにして100リットルのガラ
ス反応容器に注入し、10Kgずつの希塩酸(4%)で5回
洗い、次いで15ずつの脱塩水で6回洗った。有機層を
TLCで検査してテトラニトリル(Rf0.5)より低いRfを有
する出発化合物または不純物の不存在を確認した。有機
溶液の重量は約79Kgである。少量の溶液を真空蒸発乾固
して残渣の重さを計った。この重量を使用して溶液全体
のテトラニトリル含量を計測した(約14Kg)(収率約90
%)。
1,2−ジアミノプロパン二塩酸塩の製造 200リットルのガラス反応容器に約34Kgの塩酸(37
%)を入れ、外部からアセトンとドライアイスの混合物
で0−2℃に冷却した。
合物を撹拌しながら、テフロンチューブを通して例7で
製造したテトラニトリルの塩化メチレン溶液約39.5Kg加
えた。添加完了後、温度を3時間かけて室温に上昇せし
めた。一晩(12−16時間)室温で撹拌した。TLCでテト
ラニトリルの消失とテトラアミドの形成をチェックし
た。下層の無色有機層を捨てた。72Kgの無水エタノール
を200のガラス反応容器に入れて撹拌した。1時間か
けてこの酸性溶液をテフロンチューブを通してエタノー
ルに圧入した。撹拌した混合物を氷水浴で冷却して温度
を16〜18℃に維持した。約1時間撹拌して得られたスラ
リーを遠心分離した。固体を遠心分離器中で12.5ずつ
の無水エタノールで洗った。湿った固体を真空オーブン
中35℃で30−35mnHgで約24時間乾燥した。11.6Kgのテト
ラアミド(65−80%)を得た。
ル)プロパンの製造 8Kgのフェノールを10のガラス反応容器に入れた。
窒素でパージし、90℃に加熱した。例8で製造されたテ
トラアミド2.3Kg(乾燥時)を加え撹拌した。1時間か
けて145−170℃に温度を上昇させ温度を140℃以上に4
時間保持した。適当な間隔で試料をとり出してTLCでテ
トラアミドの消失について検査した。反応完了時、反応
混合物を100℃に冷却し、沈でんした塩化アンモニウム
をいそいで取し、液を25ガラス反応容器に入れ
た。塩化アンモニウム沈澱物を3のエタノールで洗っ
た。熱フェノール溶液を10のエタノールで希釈し、ブ
ラインを使用して2〜4時間撹拌して外部から冷却して
約20℃とし、次いでさらに水で12時間冷却して約15℃に
した。
回洗った。次いで2のエタノールでスラリーとし、最
後にさらに2のエタノールで洗った。TLCでフェノー
ルの存在しないことをたしかめた。18−24時間40℃で真
空乾燥し、約900gの粗生成物(S)(+)−1,2−ビス
(3,5−ジオキソピペラジニル)プロパンを得た。収率5
4−61% この生成物を次のように生成した: 20のガラス反応容器に9.0の発熱物質を含まない
水または4.5の該水と4.5のエタノールを入れ、85−
95℃に加熱した。約900gの粗生成物を加え溶解が完了
(最大時間約5分)するまで急速に撹拌した。この熱溶
液をジカライトと活性炭の各層に通して過し、液を
20のガラス反応容器に集めた。ブラインを使用して5
〜10℃に急いで冷却し、約1時間この温度に保持した。
(5〜10℃)発熱物質を含まない水、次いで約1.2の
あらかじめ冷却した(5〜10℃)ジエチルエーテルで連
続して洗った。この生成物を40℃で真空下に少くとも12
時間乾燥した。試料をとり出し、空気のもらないコハク
色のガラス容器に入れた。収量約800g、精製後の収率76
−85%。
ペラジニル)プロパンの製造について詳しく説明された
が、式(I)の他の化合物、より詳しくは(R)(−)
−1,2−ビス(3,5−ジオキソピペラジニル)プロパンも
同様の方法で製造できる。
以外に下記のものがある: (1) 環化反応が本質的にテトラアミドの酸付加塩を
加熱することからなる特許請求の範囲記載の方法。
である上記(1)の方法。
法。
プロパンであり、式(I)の化合物が(S)−(+)−
1,2−ビス(3,5−ジオキソピペラジニル−1−イル)プ
ロパンである上記(3)の方法。
ノール中で加熱される上記(4)の方法。
て水を除く前に塩化チオニルおよび塩化メチレンを混合
する特許請求の範囲記載の方法。
で行なわれる上記(4)の方法。
記(5)の方法。
法。
プロパンであり、式(I)の化合物が(R)−(−)−
1,2−ビス(3,5−ジオキソピペラジニル−1−イル)−
プロパンである上記(3)の方法。
Claims (1)
- 【請求項1】式(I) (式中、R1とR2は各々水素とメチルからなる群から選択
されるかR1とR2はいっしょになってエチレン基を形成す
る)の化合物を製造する方法であって: 式(II) H2N−CHR1−CHR2−NH2 (II) (式中R1とR2は上記のとおりである) のジアミンをホルムアルデヒドおよびアルカリ金属シア
ン化物と約0〜2のpHで反応させて式III (NCCH2)2N−CHR1−CHR2−N(CH2CN)2 (III) のテトラニトリルを生成し、このテトラニトリルを水和
して式(IV) (H2NOCCH2)2N−CHR1−CHR2 −N(CH2CONH2)2・2HX (IV) (式中R1とR2は上述のとおりであり、Xは酸アニオンで
ある)のテトラアミドの酸付加塩を得、 上記テトラアミドの上述の酸付加塩を環化反応に付して
式(I)の化合物を得ることからなる方法。
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